台本概要
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タイトル | One game |
---|---|
作者名 | ゆず故障 |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 3人用台本(不問3) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
性別不問アドリブ改変可 自由にやっちゃってください 554 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
A | 不問 | 111 | 浅間蓮 ヤクザとかその辺の人。口調は荒めではあるものの根本の優しさは抜けない。 短気 |
B | 不問 | 116 | 深入晶 大学生くらいの人。 人を煽り立てる性格であるが口調そのものは丁寧。 敬語とタメが混ざった感じ |
ナビゲーター | 不問 | 11 | 感情はあまりない |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ナビゲーター:プレイヤーは部屋に入ってください
A:おいおいわざわざゲームするだけでこんな部屋が必要なのか?
B:まぁまぁ…まだゲームの内容も知らないわけだし。そんなかっかしなくても
A:別にキレてねぇよ。ただ気になっただけだ。ただでさえこのゲームの勝敗が生死に関わるかもしんねんだぞ?お前ぇは気になんねぇのか?
B:まぁそれはそうだけれども…でもそんなに大声で聞くようなことじゃあないんじゃないかい?
A:これは俺本来の声だ。五月蝿くてすまないな
B:あぁ…そぉですか
ナビゲーター:今回はプレイヤーA、プレイヤーBのお2人で行います
B:今回はって結構な頻度でやってるのかい?これ
A:お前ぇ知らねぇでここに参加したのか?
B:え?あぁ。そうだよ?これが始めてさ。
A:へぇそうかい。初めて来たルーキーってことかぁ…俺がお前ぇに色々教えてやろうか?
B:いや…大丈夫だよ。ある程度は理解してる。
A:へぇそうかい…このゲームに参加したってこたぁお前ぇ相当金が必要みてぇだな…一体何しでかしたんだ?
B:僕が、そんな悪そうことするような人に見えるかい?
A:いや見えねぇな
B:そうだろう?なんてったって僕は平和主義だからね。
A:その平和主義者のお前ぇがなんでこんなゲームに参加してんだ?
B:ただ金が欲しいだけさ。ただそれだけ。そーゆー君は?
A:まぁ俺もそうだな。
B:仲良くなれそうだね
A:残念だが俺はお前ぇみてぇのは嫌いだ
B:それはとても残念だねぇ
A:さっさと始めようぜ。時間が勿体ねぇ
B:それもそうだね。
A:ナビゲーター。今回のゲームは?
ナビゲーター:はい。今回お2人にやって頂くゲームは具現化しりとりです
B:具現化?一体何が具現化するんだい?
A:それを聞くんだろうが
B:わかってるって。そんなに詰めなくてもいいじゃない。
A:ナビゲーター、さっさとルール説明しろ。
ナビゲーター:ルール説明をします。
ナビゲーター:1発した言葉が具現化します。
ナビゲーター:2しりとり中では、同じ言葉を使っても構いませんが具現化は先に発した方が適用されます。
ナビゲーター:例えばりんごが被っても構いませんが、あとから言った方にはりんごの具現化はされません。
ナビゲーター:尚被っても構わない回数は1回。つまりりんごが3回目発せられた時点で発した方の負けになります。
ナビゲーター:3しりとり中では、一般的なしりとりと同じように言葉の最後に「ん」がついた方が負けになります。
ナビゲーター:ですが言葉の最後に「ん」を使った方が「ん」から始まる言葉を発することが出来た場合、しりとりを続けられなかった方の負けになります。
ナビゲーター:4しりとり中での、濁点、半濁点は元々の文字と同一で考えて貰います。
ナビゲーター:5しりとり中での、思考時間は30分を限度とします。30分を超過した場合負けとなります。
ナビゲーター:6具現化される言葉に制限はありません。
ナビゲーター:7具現化する際は言葉発すると共に強くその言葉を頭に浮かべてください
ナビゲーター:8本ゲーム中でプレイヤー間の暴力が発生した場合、暴力を働いた方の負けとなります。
ナビゲーター:9このルールはルール説明後に適用されます。以上がルールとなります
A:おい?その6つ目と7つ目、あと最後のルールって
B:(遮るように)おいおい?全くそんなことも理解できないだなんて…君に人間としての価値ってものは無いんだねぇ。
A:なんだとッ!?…理解出来てない訳じゃねぇよッ!お前ぇぶっ殺してやろうか?あ?
B:じゃあわざわざ聞く必要なんてないんじゃないのかい?
A:チッ…じゃあ確認だ『りんご』
B:おぉホントに出てきた。なら『りんご』…うん僕のはホントに出てこないや。
A:つまりもうりんごは使えない訳だ
B:まぁそーゆーことになるね。
A:まぁそれ以外の言葉を使えば良いだけだ。
B:その程度のことはわかってるよ
A:お前ぇはいちいち神経を逆撫でするようなやつだなぁッ!ええッ?
B:おいおい暴力は辞めてくれよ。それに君の負けになってしまうんだよ?
A:チッ…
B:わかってくれて助かるよ。
A:はぁッ…とっとと始めんぞ。どっちから始める?
B:僕はどっちでも良いよ
A:じゃあコイントスはどうだ?
B:そうだね。それにしよう。じゃあ僕は表
A:俺は裏だな。よしッ……チッ表だ
B:なら僕からだね。じゃあぁ…
0:間をそこそこ開けて
A:早くしろよッ!
B:おいおい?思考時間は30分が限度。つまり30分は黙り込んでいても問題は無いって事だよ?
A:はぁ…好きにしろ
B:まぁあまり僕も時間をかけるのは好きじゃないからね。手っ取り早く『りす』。わぁ可愛い
A:いちいち癇に障るやつだ。なら『す』だな?
B:当たり前じゃないかぁ…もしかしてそんなことも分からないのかい?
A:クソ野郎がッ!お前ぇは毎回煽らねぇと気がすまねぇのか?
B:そんなことは無いさ。ただ純粋に煽るのが好きなだけさ
A:お前ぇいい性格してるじゃねぇかよ…はぁ…まぁいい。『すいか』
B:おぉこりゃまた美味しそうな。じゃあ『カラス』
A:チッ…『スズメ』
B:じゃあ無難に『メダカ』
A:『カモメ』
B:おや?鳥縛りでも始めたのかい?
A:チッ…うるせぇな。さっさと答えろ
B:ごめんよぉ気分を害するつもりはなかったんだよ?ほんとだよ?
A:ならさっさと答えろよッ!
B:おぉ怖ッ…えっと『メ』だね…『名画』…おぉ、これはムンクの「叫び」だね…初めて見たよ。これ本物なのかな?
A:お前ぇわざと3文字縛りにでもにしてんのか?人のこと言えねぇなぁ?
B:いや?そんなことは無いよ。たまたまだよ?たまたま。そんな偶然に必然性を持たせるだなんてお子様なんだねぇ
A:チッ…腹が立つな…『が』…『ガリバー旅行記』
B:おいおいわざわざそんなに長い言葉選ばなくたっていいんじゃないのかい?覚えたての言葉を使いたい小学生みたいだよ?本当にお子様なのかい?
A:お前ぇッ!!そんなに殺されたいなら望み通り
ナビゲーター:(遮り止めるように)暴力行為は発見され次第暴力を働いた側の敗北となります。
B:だってさ?
A:チッ…わぁってるよ
B:なら最初からやらなきゃ良いのに。
A:お前ぇ!?
B:そんな怒るもんじゃないよ、シワが増えちゃうからねぇ
A:あ゛あ゛!?そんなん気にする面に見えんのかぁええ?
B:ごめんよ…ってそこなんだ……あ〜で『き』だっけ…『金目鯛』…生臭いね…煮付けにすれば良かったかも
A:『イカ飯』
B:それ美味しいよねぇ…じゃあ『芝生』…わぁ一気に生えてきた
A:…お前ぇは黙ってられねぇのか。先輩としての助言をしてやる。無駄口は叩かない方がいい。
B:忠告ありがとう。でもせっかくだから楽しもうと思っただけだったんだけど……あぁ、じゃぁ君がなんか話題出してよ
A:はぁ?…なんでお前ぇのために…
B:少なくとも君の気に入る話題で会話できるし僕が答えれない話題なら黙ってる。君が質問するまでしりとり以外で言葉を発しない。これならどうだい?
A:はぁ…わぁったよ…じゃあ………お前ぇ実の所なんで参加したんだ?
B:ん?え?いやさっき金のためって言ったじゃ
A:(食い気味に)なんで金が必要なのかだ
B:あぁ…まぁ…その…ね
A:なんだよ?望み通りに話題出してやったんだ。応えろよ
B:…
A:どうした?早く答え
B:弟が病気なんだ。
A:…
B:…
A:そうなのか
B:あぁ…重い病気らしくて手術をしなくちゃならない。それに珍しい病気らしい。だから金がいる。莫大な費用だ。まともに働いてちゃ払えない。だから金がいるんだ…たとえ人には言えない金だとしても…人を殺したとしても
A:そうだったのか。
B:…君は?
A:あ?
B:君はどうなんだい?
A:別に俺のはいいだろ
B:僕のだけ聞いて君のは言わないだなんて不公平じゃないかい?
A:…
B:…
A:…俺は見ての通りのチンピラだ。そのチンピラがカタギの女に惚れちまった。組に入ってるやつがカタギに行こうとするには色々あんだよ。例えば組を抜ける際のケジメとかな。幸い俺は特に問題起こした訳でも…幹部でもねぇからな。金だけで済んだ。だがとても出せる額じゃなかった。だからこのゲームに参加した。
B:そう…だったんだね…お互い大変だね…
A:あぁ…お互い負けられねぇ…
B:…『ふ』
A:あ?
B:次『ふ』だよ
A:あぁそうだな…『ふ』…『ふ菓子』
B:ふふっ食べ物好きだね君
A:いいだろうがッ何を言おうと俺の勝手だろツ
B:そうだね。そうだとも。『し』か…『敷金』
A:…『ん』がついて…あ、いやお前ぇ続けれたら良いのか…つか4万!?月2万なのか?安すぎやしないか?
B:そうだよ…弟のために削れるとこは削らないと
A:そうか…あぁ『ん』だったな…あぁと……あぁ『んむ』
B:なんだいそれ?ってさつまいも!?
A:沖縄かどっかで言うんだと
B:へぇ…ためになるね
A:意外に覚えておくもんだぜ
B:確かにね。こんなことに使うなんてこと稀だろうけど
A:そりゃぁそうだアッハッハッハッハッ
B:そうだねアッハッハッハ
A:はぁー…ほら『む』だぞ
B:あぁそうだね『麦』
A:『ぎ』か…『銀杏』
B:また食べ物
A:いいだろッ
B:そうだね。…そうだ、先輩の忠告通り無駄口はもう叩かないことにしておくよ。お互い負けられない…本気でやらなきゃだからね…
A:あ?…あ…あぁ…そうだな。
B:うん。少しは楽しかったよ。ありがとう。
A:俺はなんもしてねぇよ。
B:でも、ありがとう。じゃあ『ンジャメナ』
A:『な』…『茄子』
B:『スポーツウェア』
A:『あ』か…『アシカ』
B:『鴨』
A:『も』…ももも…『物干し竿』
B:『音叉』
A:『さ』ー…『サファイア』
B:『揚げ豆腐』
A:『ふ』!?…ふ、ふ『フィギュア』
B:『アイスケーキ』
A:『き』?きか…き…『切手』
B:…『手型』
A:また即答か…お前ぇさんいくら何でも言葉が出てくるの早すぎしねぇか?ホントに参るぜ。『た』か…ん〜。
B:だって考えてはないからね
A:はぁ?じゃあお前ぇさんは俺の頭の中でも覗いてるってのか?てか、無駄口は叩かねぇんじゃねぇのか?
B:別にルールには含まれてないからね。僕ら個人間の約束なんて別に守る必要ないんだよ。約束を守る約束を破る。そのどちらも選ぶことができる。そうだろ?
A:あぁそうかい。で?結局俺の頭ん中でも覗いてんのか?
B:いやいやだからそれだとしたら僕が発する言葉を考える思考があるじゃないか。僕は考えてないって言ったんだぜ?
A:お前ぇ…何言ってんだ?
B:…ねぇ、君は僕が最初に具現化した言葉覚えているかい?
A:はぁ?そりゃぁ…お前ぇから始めたからここにいる『りす』…いや『りんご』か?いや具現化はされてねぇな。なら『りす』なんじゃねぇのか?
B:違うよ。もっと前に言っている言葉があるだろ。
A:はぁ?
B:ルール説明が終わった直後に君の言った『りんご』は具現化されてるんだぜ?その前の言葉だって具現化されていたって問題ないだろ?
A:はぁそんなの…俺がルールの詳細を聞こうとしてお前ぇが…遮って煽ってきやがって。
B:その言葉を聞いているんだよ?
A:特に具現化できるような言葉は
B:だから言ったじゃないか…君に『価値』ってものは無いって。
A:はぁ?そこのどこに…?もしかして『価値』か?でもだからって
B:よく聞けよ『価値』だぜ?『価値』
A:はぁ?さっきからお前ぇ何言ってんだ?わかんねぇよ!意味不明なことばっか言うなっ!
B:はぁ…わかんないか、センスねぇなぁ…同音異義だよ同音異議。分かるかい?『価値』と同じ音で別の意味の言葉あるだろう?
A:はぁ?……っ!?おい……おいおいおい…ま、まさか…『価値』を『勝ち』として……でもそんなのっ
B:だって別にルールには禁止にはされてはないからね。そうだろ?
ナビゲーター:そうですね。特に禁則事項ではありません
A:で…でもなんでお前ぇの『勝ち』なんてものが適用されてるんだ?
B:おいおい忘れたのかい?言葉を発すると同時に強く思うだけで具現化されるんだぜ?つまりしりとりをしてなかろうとも君が確認用に発した『りんご』のように具現化されるんだ。相手がどう受け取ったかまでは関係ない。あくまでこっちの認識だけで成立するんだぜ?そして…具現化する言葉に制限は無いんだよ?
A:そ…それがなんでお前ぇ回答の早いかには関係ないだろ。
B:よく考えろよ。僕の勝ちが確定してるんだよ。つまりその結果を具現化するためにこのゲーム自体が君の言葉に対して勝手に答えてくれるんだ。僕を負かさないように。自動でね。勝手に頭の中に言葉が出てくるんだ今まで発した言葉と被らないように。僕が考える間もなく勝手にね。
A:でもお前ぇは最初の頃別に即答はしてなかったじゃねーか。
B:そりゃ演技に決まってるだろ?ポーカーフェイスって言葉があるように勝ってようと負けてようと表情・感情を出さずに待つ。それと同じさ。まぁ君には無理だろうけど即答を続けていたらバレる可能性だってあった。
A:なんだとっ!
B:そう感情的になるから負けるんだよマヌケ。
A:クッ…だがバレたところで俺にはどうしようもねぇじゃねぇか。
B:だから君には無理だって言ったんだよ。そうだねぇ君の為に教えてあげるけど例えば、『お前の負け』なんて言われたらどうだろう。
A:はぁ?それは負けが確定…いや勝ちも確定して…先に勝ちを言ってるから?いや『負け』って使ってるから…2度目の『勝ち』じゃないから具現化?…そ…それは矛盾して…
B:そう。だから危なかったんだ。矛盾の場合後の方が適用されることがあったかもしれないし、相殺してただ僕の「勝ちが確定しなくなった」だけの可能性だってあった。
A:でも…でもでもそんなのっ
B:これを言うために君の言葉をわざわざ遮ったし、バレないように演技までしたし…最後のはしっかり考えて言葉の尻をを『た』にした。ルール説明後に適用されるってことだったしその『勝ち』が確定しなくなるかもしれないし、『た』から始まるこの場において僕を指す言葉は存在しないからね。
A:お…お前ぇこんな勝ち方で恥を感じねぇのかよっ!これで気持ちよく勝ったと言えんのかよっ!
B:あぁ。全く感じないね。「姑息に汚く陰湿に。正々堂々に卑怯を。」それが僕のモットーなもので。だから言わせてもらうよ「勝った」って
A:クッ…あ、びょ…病気の弟にその金どう説明するつもりなんだ?出処も言えねぇような金を姑息な手で手に入れたって言えんのか?
B:ん?…あぁそんなこと言ってたね。僕に弟なんて居ないよ?
A:はぁ?いやお前ぇ、何言ってやがんだよ?
B:最初に言ったじゃないか。ただ金が欲しいだけって
A:なっなんだとっ!
B:君本当に優しい人なんだね…騙しやすくて楽だったよ
A:お前ぇえっ!人の心弄びやがってっ!
B:君もこっちの側の住人なんだろ?なら知ってるはずじゃないか。騙される方がマヌケなんだって。
A:く…くそぉ…クソぉぉおぉっ!
B:それじゃあ早く答えてくれよ…君の番だぜ?
A:は?…なんの事だ?勝敗はもう決まってるだろ?
B:ん?あぁ…僕の勝利は決まってはいるけれど…ゲーム…しりとりそのものはずっと続いているよ?
A:は…はぁ?
B:だから…僕が勝つのは決定事項だけれどもどう勝つかはまだ決まっちゃいない。だから君は続けなくちゃならない。
A:そ…それは…だがそれってっ
B:僕も残酷だと思うよ?このしりとり
A:お…俺は、か…勝てないゲームをお前ぇに対して続けなくちゃならないのか?
B:そうだよ?だから、早く
A:そんな…そんなのゲームとして…成立してないじゃないかっ
B:そうだね。全くもってその通りだ。あぁでも終わらせることはできるよ?それは…
A:それは?
B:30分黙る。そうすれば君の負けだ
A:あぁ…負ければ…答えなければ…終われるのか。
B:あぁそうさ?
A:そうか…そうだな…そうだよな………………いや…いやいやいや…まだある。そうだ続けていけば…「お前」に該当する言葉が出来上がりさえすれば勝てる可能性だってあるかもし
B:(被せて)そんなこと僕が考えないと思ったかい?
A:…は?
B:このルールは「しりとりをしている間適用されます」じゃなく「ルール説明後に適用されます」なんだよ?だから別にしりとりしてなくても具現化はできる。最初にやったようにね?
A:あ…あぁだからなんだよ…なんだってんだよっ!
B:おいおい…まだわかってないのかい?つぐつぐマヌケだね。僕は例え話で君になんて言った?
A:例え話?……っ!お前ぇまさかっ!
B:そう『お前の負け』って言ったんだ。
A:そ…そんな…馬鹿な…お前ぇっ…そ…それは
B:君の負けが確定したってことだ。つまり君はこれからどう頑張っても負けようとする。まぁある程度は抵抗出来るよ?僕も自分で言葉を考えるくらいには抵抗できたし。頑張ってみたら?僕は無駄だと思うけどね。
A:あ…あぁ…ああっ…ああああああああぁぁぁっ!!!
B:…はぁー…絶望するのは勝手だけど静かに絶望してくんないかな…ただでさえ君声大きいんだから
0:間
B:じゃあ僕の勝ちってことで。これで大丈夫かい?
ナビゲーター:はい。勝敗はプレイヤーBの勝利で決定致しました。
B:じゃあ。僕は帰るよ?今回のこれはそのまま帰っても大丈夫なやつかい?
ナビゲーター:はい。構いません。このゲームの報酬は後日銀行口座に振り込まれます
B:はいはーい。じゃあ…うんそうだね。君とのしりとり楽しかったよ。君が次も生きててまた会えるかはわかんないけどお互い元気にねぇ。あ…あと君「30分黙る」を選んで律儀に黙り込んでたけど…僕を殴るって手段もあったし『りんご』をもう1回言って早く終わるってことできたんだけど気づいてた?ってもう壊れて聞こえてないか
A:…
B:まぁいっか…どうなろうとしったこっちゃねぇし。
B:ん〜今回も勝てたし楽しかったなぁ。次はどんなゲームなんだろうか。
B:あっそういえば、ナビゲーター。具現化が矛盾した場合ってどうなるんだい?
ナビゲーター:具現化に矛盾が生じた場合相殺してその言葉を再度使えるように致します。
B:うぉっ危なぁ…捲られることも全然あったって訳だ。あいつがマヌケで助かったぁ…しナイス判断僕。
ナビゲーター:はい。今回のプレイヤーBの行動は極めて卑劣ではありますが勝ち方としては理想的であったと愚考致します。
B:だよねっ!ナビゲーターわかってるぅ!じゃあ次のゲームの時もよろしくお願いするよ。
ナビゲーター:はい。ではプレイヤーB、深入 晶様。次回のゲームでお待ちしております。
ナビゲーター:プレイヤーは部屋に入ってください
A:おいおいわざわざゲームするだけでこんな部屋が必要なのか?
B:まぁまぁ…まだゲームの内容も知らないわけだし。そんなかっかしなくても
A:別にキレてねぇよ。ただ気になっただけだ。ただでさえこのゲームの勝敗が生死に関わるかもしんねんだぞ?お前ぇは気になんねぇのか?
B:まぁそれはそうだけれども…でもそんなに大声で聞くようなことじゃあないんじゃないかい?
A:これは俺本来の声だ。五月蝿くてすまないな
B:あぁ…そぉですか
ナビゲーター:今回はプレイヤーA、プレイヤーBのお2人で行います
B:今回はって結構な頻度でやってるのかい?これ
A:お前ぇ知らねぇでここに参加したのか?
B:え?あぁ。そうだよ?これが始めてさ。
A:へぇそうかい。初めて来たルーキーってことかぁ…俺がお前ぇに色々教えてやろうか?
B:いや…大丈夫だよ。ある程度は理解してる。
A:へぇそうかい…このゲームに参加したってこたぁお前ぇ相当金が必要みてぇだな…一体何しでかしたんだ?
B:僕が、そんな悪そうことするような人に見えるかい?
A:いや見えねぇな
B:そうだろう?なんてったって僕は平和主義だからね。
A:その平和主義者のお前ぇがなんでこんなゲームに参加してんだ?
B:ただ金が欲しいだけさ。ただそれだけ。そーゆー君は?
A:まぁ俺もそうだな。
B:仲良くなれそうだね
A:残念だが俺はお前ぇみてぇのは嫌いだ
B:それはとても残念だねぇ
A:さっさと始めようぜ。時間が勿体ねぇ
B:それもそうだね。
A:ナビゲーター。今回のゲームは?
ナビゲーター:はい。今回お2人にやって頂くゲームは具現化しりとりです
B:具現化?一体何が具現化するんだい?
A:それを聞くんだろうが
B:わかってるって。そんなに詰めなくてもいいじゃない。
A:ナビゲーター、さっさとルール説明しろ。
ナビゲーター:ルール説明をします。
ナビゲーター:1発した言葉が具現化します。
ナビゲーター:2しりとり中では、同じ言葉を使っても構いませんが具現化は先に発した方が適用されます。
ナビゲーター:例えばりんごが被っても構いませんが、あとから言った方にはりんごの具現化はされません。
ナビゲーター:尚被っても構わない回数は1回。つまりりんごが3回目発せられた時点で発した方の負けになります。
ナビゲーター:3しりとり中では、一般的なしりとりと同じように言葉の最後に「ん」がついた方が負けになります。
ナビゲーター:ですが言葉の最後に「ん」を使った方が「ん」から始まる言葉を発することが出来た場合、しりとりを続けられなかった方の負けになります。
ナビゲーター:4しりとり中での、濁点、半濁点は元々の文字と同一で考えて貰います。
ナビゲーター:5しりとり中での、思考時間は30分を限度とします。30分を超過した場合負けとなります。
ナビゲーター:6具現化される言葉に制限はありません。
ナビゲーター:7具現化する際は言葉発すると共に強くその言葉を頭に浮かべてください
ナビゲーター:8本ゲーム中でプレイヤー間の暴力が発生した場合、暴力を働いた方の負けとなります。
ナビゲーター:9このルールはルール説明後に適用されます。以上がルールとなります
A:おい?その6つ目と7つ目、あと最後のルールって
B:(遮るように)おいおい?全くそんなことも理解できないだなんて…君に人間としての価値ってものは無いんだねぇ。
A:なんだとッ!?…理解出来てない訳じゃねぇよッ!お前ぇぶっ殺してやろうか?あ?
B:じゃあわざわざ聞く必要なんてないんじゃないのかい?
A:チッ…じゃあ確認だ『りんご』
B:おぉホントに出てきた。なら『りんご』…うん僕のはホントに出てこないや。
A:つまりもうりんごは使えない訳だ
B:まぁそーゆーことになるね。
A:まぁそれ以外の言葉を使えば良いだけだ。
B:その程度のことはわかってるよ
A:お前ぇはいちいち神経を逆撫でするようなやつだなぁッ!ええッ?
B:おいおい暴力は辞めてくれよ。それに君の負けになってしまうんだよ?
A:チッ…
B:わかってくれて助かるよ。
A:はぁッ…とっとと始めんぞ。どっちから始める?
B:僕はどっちでも良いよ
A:じゃあコイントスはどうだ?
B:そうだね。それにしよう。じゃあ僕は表
A:俺は裏だな。よしッ……チッ表だ
B:なら僕からだね。じゃあぁ…
0:間をそこそこ開けて
A:早くしろよッ!
B:おいおい?思考時間は30分が限度。つまり30分は黙り込んでいても問題は無いって事だよ?
A:はぁ…好きにしろ
B:まぁあまり僕も時間をかけるのは好きじゃないからね。手っ取り早く『りす』。わぁ可愛い
A:いちいち癇に障るやつだ。なら『す』だな?
B:当たり前じゃないかぁ…もしかしてそんなことも分からないのかい?
A:クソ野郎がッ!お前ぇは毎回煽らねぇと気がすまねぇのか?
B:そんなことは無いさ。ただ純粋に煽るのが好きなだけさ
A:お前ぇいい性格してるじゃねぇかよ…はぁ…まぁいい。『すいか』
B:おぉこりゃまた美味しそうな。じゃあ『カラス』
A:チッ…『スズメ』
B:じゃあ無難に『メダカ』
A:『カモメ』
B:おや?鳥縛りでも始めたのかい?
A:チッ…うるせぇな。さっさと答えろ
B:ごめんよぉ気分を害するつもりはなかったんだよ?ほんとだよ?
A:ならさっさと答えろよッ!
B:おぉ怖ッ…えっと『メ』だね…『名画』…おぉ、これはムンクの「叫び」だね…初めて見たよ。これ本物なのかな?
A:お前ぇわざと3文字縛りにでもにしてんのか?人のこと言えねぇなぁ?
B:いや?そんなことは無いよ。たまたまだよ?たまたま。そんな偶然に必然性を持たせるだなんてお子様なんだねぇ
A:チッ…腹が立つな…『が』…『ガリバー旅行記』
B:おいおいわざわざそんなに長い言葉選ばなくたっていいんじゃないのかい?覚えたての言葉を使いたい小学生みたいだよ?本当にお子様なのかい?
A:お前ぇッ!!そんなに殺されたいなら望み通り
ナビゲーター:(遮り止めるように)暴力行為は発見され次第暴力を働いた側の敗北となります。
B:だってさ?
A:チッ…わぁってるよ
B:なら最初からやらなきゃ良いのに。
A:お前ぇ!?
B:そんな怒るもんじゃないよ、シワが増えちゃうからねぇ
A:あ゛あ゛!?そんなん気にする面に見えんのかぁええ?
B:ごめんよ…ってそこなんだ……あ〜で『き』だっけ…『金目鯛』…生臭いね…煮付けにすれば良かったかも
A:『イカ飯』
B:それ美味しいよねぇ…じゃあ『芝生』…わぁ一気に生えてきた
A:…お前ぇは黙ってられねぇのか。先輩としての助言をしてやる。無駄口は叩かない方がいい。
B:忠告ありがとう。でもせっかくだから楽しもうと思っただけだったんだけど……あぁ、じゃぁ君がなんか話題出してよ
A:はぁ?…なんでお前ぇのために…
B:少なくとも君の気に入る話題で会話できるし僕が答えれない話題なら黙ってる。君が質問するまでしりとり以外で言葉を発しない。これならどうだい?
A:はぁ…わぁったよ…じゃあ………お前ぇ実の所なんで参加したんだ?
B:ん?え?いやさっき金のためって言ったじゃ
A:(食い気味に)なんで金が必要なのかだ
B:あぁ…まぁ…その…ね
A:なんだよ?望み通りに話題出してやったんだ。応えろよ
B:…
A:どうした?早く答え
B:弟が病気なんだ。
A:…
B:…
A:そうなのか
B:あぁ…重い病気らしくて手術をしなくちゃならない。それに珍しい病気らしい。だから金がいる。莫大な費用だ。まともに働いてちゃ払えない。だから金がいるんだ…たとえ人には言えない金だとしても…人を殺したとしても
A:そうだったのか。
B:…君は?
A:あ?
B:君はどうなんだい?
A:別に俺のはいいだろ
B:僕のだけ聞いて君のは言わないだなんて不公平じゃないかい?
A:…
B:…
A:…俺は見ての通りのチンピラだ。そのチンピラがカタギの女に惚れちまった。組に入ってるやつがカタギに行こうとするには色々あんだよ。例えば組を抜ける際のケジメとかな。幸い俺は特に問題起こした訳でも…幹部でもねぇからな。金だけで済んだ。だがとても出せる額じゃなかった。だからこのゲームに参加した。
B:そう…だったんだね…お互い大変だね…
A:あぁ…お互い負けられねぇ…
B:…『ふ』
A:あ?
B:次『ふ』だよ
A:あぁそうだな…『ふ』…『ふ菓子』
B:ふふっ食べ物好きだね君
A:いいだろうがッ何を言おうと俺の勝手だろツ
B:そうだね。そうだとも。『し』か…『敷金』
A:…『ん』がついて…あ、いやお前ぇ続けれたら良いのか…つか4万!?月2万なのか?安すぎやしないか?
B:そうだよ…弟のために削れるとこは削らないと
A:そうか…あぁ『ん』だったな…あぁと……あぁ『んむ』
B:なんだいそれ?ってさつまいも!?
A:沖縄かどっかで言うんだと
B:へぇ…ためになるね
A:意外に覚えておくもんだぜ
B:確かにね。こんなことに使うなんてこと稀だろうけど
A:そりゃぁそうだアッハッハッハッハッ
B:そうだねアッハッハッハ
A:はぁー…ほら『む』だぞ
B:あぁそうだね『麦』
A:『ぎ』か…『銀杏』
B:また食べ物
A:いいだろッ
B:そうだね。…そうだ、先輩の忠告通り無駄口はもう叩かないことにしておくよ。お互い負けられない…本気でやらなきゃだからね…
A:あ?…あ…あぁ…そうだな。
B:うん。少しは楽しかったよ。ありがとう。
A:俺はなんもしてねぇよ。
B:でも、ありがとう。じゃあ『ンジャメナ』
A:『な』…『茄子』
B:『スポーツウェア』
A:『あ』か…『アシカ』
B:『鴨』
A:『も』…ももも…『物干し竿』
B:『音叉』
A:『さ』ー…『サファイア』
B:『揚げ豆腐』
A:『ふ』!?…ふ、ふ『フィギュア』
B:『アイスケーキ』
A:『き』?きか…き…『切手』
B:…『手型』
A:また即答か…お前ぇさんいくら何でも言葉が出てくるの早すぎしねぇか?ホントに参るぜ。『た』か…ん〜。
B:だって考えてはないからね
A:はぁ?じゃあお前ぇさんは俺の頭の中でも覗いてるってのか?てか、無駄口は叩かねぇんじゃねぇのか?
B:別にルールには含まれてないからね。僕ら個人間の約束なんて別に守る必要ないんだよ。約束を守る約束を破る。そのどちらも選ぶことができる。そうだろ?
A:あぁそうかい。で?結局俺の頭ん中でも覗いてんのか?
B:いやいやだからそれだとしたら僕が発する言葉を考える思考があるじゃないか。僕は考えてないって言ったんだぜ?
A:お前ぇ…何言ってんだ?
B:…ねぇ、君は僕が最初に具現化した言葉覚えているかい?
A:はぁ?そりゃぁ…お前ぇから始めたからここにいる『りす』…いや『りんご』か?いや具現化はされてねぇな。なら『りす』なんじゃねぇのか?
B:違うよ。もっと前に言っている言葉があるだろ。
A:はぁ?
B:ルール説明が終わった直後に君の言った『りんご』は具現化されてるんだぜ?その前の言葉だって具現化されていたって問題ないだろ?
A:はぁそんなの…俺がルールの詳細を聞こうとしてお前ぇが…遮って煽ってきやがって。
B:その言葉を聞いているんだよ?
A:特に具現化できるような言葉は
B:だから言ったじゃないか…君に『価値』ってものは無いって。
A:はぁ?そこのどこに…?もしかして『価値』か?でもだからって
B:よく聞けよ『価値』だぜ?『価値』
A:はぁ?さっきからお前ぇ何言ってんだ?わかんねぇよ!意味不明なことばっか言うなっ!
B:はぁ…わかんないか、センスねぇなぁ…同音異義だよ同音異議。分かるかい?『価値』と同じ音で別の意味の言葉あるだろう?
A:はぁ?……っ!?おい……おいおいおい…ま、まさか…『価値』を『勝ち』として……でもそんなのっ
B:だって別にルールには禁止にはされてはないからね。そうだろ?
ナビゲーター:そうですね。特に禁則事項ではありません
A:で…でもなんでお前ぇの『勝ち』なんてものが適用されてるんだ?
B:おいおい忘れたのかい?言葉を発すると同時に強く思うだけで具現化されるんだぜ?つまりしりとりをしてなかろうとも君が確認用に発した『りんご』のように具現化されるんだ。相手がどう受け取ったかまでは関係ない。あくまでこっちの認識だけで成立するんだぜ?そして…具現化する言葉に制限は無いんだよ?
A:そ…それがなんでお前ぇ回答の早いかには関係ないだろ。
B:よく考えろよ。僕の勝ちが確定してるんだよ。つまりその結果を具現化するためにこのゲーム自体が君の言葉に対して勝手に答えてくれるんだ。僕を負かさないように。自動でね。勝手に頭の中に言葉が出てくるんだ今まで発した言葉と被らないように。僕が考える間もなく勝手にね。
A:でもお前ぇは最初の頃別に即答はしてなかったじゃねーか。
B:そりゃ演技に決まってるだろ?ポーカーフェイスって言葉があるように勝ってようと負けてようと表情・感情を出さずに待つ。それと同じさ。まぁ君には無理だろうけど即答を続けていたらバレる可能性だってあった。
A:なんだとっ!
B:そう感情的になるから負けるんだよマヌケ。
A:クッ…だがバレたところで俺にはどうしようもねぇじゃねぇか。
B:だから君には無理だって言ったんだよ。そうだねぇ君の為に教えてあげるけど例えば、『お前の負け』なんて言われたらどうだろう。
A:はぁ?それは負けが確定…いや勝ちも確定して…先に勝ちを言ってるから?いや『負け』って使ってるから…2度目の『勝ち』じゃないから具現化?…そ…それは矛盾して…
B:そう。だから危なかったんだ。矛盾の場合後の方が適用されることがあったかもしれないし、相殺してただ僕の「勝ちが確定しなくなった」だけの可能性だってあった。
A:でも…でもでもそんなのっ
B:これを言うために君の言葉をわざわざ遮ったし、バレないように演技までしたし…最後のはしっかり考えて言葉の尻をを『た』にした。ルール説明後に適用されるってことだったしその『勝ち』が確定しなくなるかもしれないし、『た』から始まるこの場において僕を指す言葉は存在しないからね。
A:お…お前ぇこんな勝ち方で恥を感じねぇのかよっ!これで気持ちよく勝ったと言えんのかよっ!
B:あぁ。全く感じないね。「姑息に汚く陰湿に。正々堂々に卑怯を。」それが僕のモットーなもので。だから言わせてもらうよ「勝った」って
A:クッ…あ、びょ…病気の弟にその金どう説明するつもりなんだ?出処も言えねぇような金を姑息な手で手に入れたって言えんのか?
B:ん?…あぁそんなこと言ってたね。僕に弟なんて居ないよ?
A:はぁ?いやお前ぇ、何言ってやがんだよ?
B:最初に言ったじゃないか。ただ金が欲しいだけって
A:なっなんだとっ!
B:君本当に優しい人なんだね…騙しやすくて楽だったよ
A:お前ぇえっ!人の心弄びやがってっ!
B:君もこっちの側の住人なんだろ?なら知ってるはずじゃないか。騙される方がマヌケなんだって。
A:く…くそぉ…クソぉぉおぉっ!
B:それじゃあ早く答えてくれよ…君の番だぜ?
A:は?…なんの事だ?勝敗はもう決まってるだろ?
B:ん?あぁ…僕の勝利は決まってはいるけれど…ゲーム…しりとりそのものはずっと続いているよ?
A:は…はぁ?
B:だから…僕が勝つのは決定事項だけれどもどう勝つかはまだ決まっちゃいない。だから君は続けなくちゃならない。
A:そ…それは…だがそれってっ
B:僕も残酷だと思うよ?このしりとり
A:お…俺は、か…勝てないゲームをお前ぇに対して続けなくちゃならないのか?
B:そうだよ?だから、早く
A:そんな…そんなのゲームとして…成立してないじゃないかっ
B:そうだね。全くもってその通りだ。あぁでも終わらせることはできるよ?それは…
A:それは?
B:30分黙る。そうすれば君の負けだ
A:あぁ…負ければ…答えなければ…終われるのか。
B:あぁそうさ?
A:そうか…そうだな…そうだよな………………いや…いやいやいや…まだある。そうだ続けていけば…「お前」に該当する言葉が出来上がりさえすれば勝てる可能性だってあるかもし
B:(被せて)そんなこと僕が考えないと思ったかい?
A:…は?
B:このルールは「しりとりをしている間適用されます」じゃなく「ルール説明後に適用されます」なんだよ?だから別にしりとりしてなくても具現化はできる。最初にやったようにね?
A:あ…あぁだからなんだよ…なんだってんだよっ!
B:おいおい…まだわかってないのかい?つぐつぐマヌケだね。僕は例え話で君になんて言った?
A:例え話?……っ!お前ぇまさかっ!
B:そう『お前の負け』って言ったんだ。
A:そ…そんな…馬鹿な…お前ぇっ…そ…それは
B:君の負けが確定したってことだ。つまり君はこれからどう頑張っても負けようとする。まぁある程度は抵抗出来るよ?僕も自分で言葉を考えるくらいには抵抗できたし。頑張ってみたら?僕は無駄だと思うけどね。
A:あ…あぁ…ああっ…ああああああああぁぁぁっ!!!
B:…はぁー…絶望するのは勝手だけど静かに絶望してくんないかな…ただでさえ君声大きいんだから
0:間
B:じゃあ僕の勝ちってことで。これで大丈夫かい?
ナビゲーター:はい。勝敗はプレイヤーBの勝利で決定致しました。
B:じゃあ。僕は帰るよ?今回のこれはそのまま帰っても大丈夫なやつかい?
ナビゲーター:はい。構いません。このゲームの報酬は後日銀行口座に振り込まれます
B:はいはーい。じゃあ…うんそうだね。君とのしりとり楽しかったよ。君が次も生きててまた会えるかはわかんないけどお互い元気にねぇ。あ…あと君「30分黙る」を選んで律儀に黙り込んでたけど…僕を殴るって手段もあったし『りんご』をもう1回言って早く終わるってことできたんだけど気づいてた?ってもう壊れて聞こえてないか
A:…
B:まぁいっか…どうなろうとしったこっちゃねぇし。
B:ん〜今回も勝てたし楽しかったなぁ。次はどんなゲームなんだろうか。
B:あっそういえば、ナビゲーター。具現化が矛盾した場合ってどうなるんだい?
ナビゲーター:具現化に矛盾が生じた場合相殺してその言葉を再度使えるように致します。
B:うぉっ危なぁ…捲られることも全然あったって訳だ。あいつがマヌケで助かったぁ…しナイス判断僕。
ナビゲーター:はい。今回のプレイヤーBの行動は極めて卑劣ではありますが勝ち方としては理想的であったと愚考致します。
B:だよねっ!ナビゲーターわかってるぅ!じゃあ次のゲームの時もよろしくお願いするよ。
ナビゲーター:はい。ではプレイヤーB、深入 晶様。次回のゲームでお待ちしております。