台本概要

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タイトル 幸せになりたい。少なくとも…、
作者名 なおと(ばあばら)  (@babara19851985)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 AとBは知り合って十年来になる友人。親友と言って良い。今日は久しぶりに飲み屋で会う。

短めの性別不問シナリオです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
A(あなたの名前) 不問 - 性別不問。現在は中小企業に正社員として勤める。過去に事務所付属の声優養成所に通っていた。事務所所属オーディションに合格することができず、声優の夢を諦めた。Bとは養成所時代の同期。
B(あなたの名前) 不問 - 性別不問。現在は二つのアルバイトを掛け持ちしながら声優の仕事をしている。声優業ではほとんど収入がない。Aとは養成所時代の同期。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
A:A役の方はこちらをタップ。 A(M):A役の方はこちらをタップ。 B:B役の方はこちらをタップ。 B(M):B役の方はこちらをタップ。 0: 0:(ここから本編です) 0:(飲み屋。席に着くAとB) A:「こうやって会うのも久しぶりだね」 B:「そうだね。こういう時代になっちゃったから、昔みたいに頻繁に飲みに行ったりもできないもんね」 A:「だね。自粛ムードはいつになったら治まるんだろう」 B:「しばらく無理なんじゃない?」 A:「だよねぇ~」 B:「(通りかかった店員を呼び止めて)あ、すみません、注文いいですか?(Aに)生でいいよね?」 A:「あぁ、うん」 B:「(店員に)生ふたつと…、シーザーサラダと唐揚げと枝豆と…(Aに)あと何か食べる?」 A:「いや、とりあえずまだいいや」 B:「(店員に)じゃ、すいません、とりあえず以上で」 0:(店員去る) A:「ありがと」 B:「どういたしまして」 A:「やっぱアレなの?先輩たちと飲みに行ったりしたら、後輩があれこれやらないと怒られるの?」 B:「ん~、そんなこともないよ。それはかなり上の先輩だけ」 A:「あ、そうなんだ」 B:「ただ、その『かなり上の先輩』に気に入られるのは大事みたいだけどね」 A:「へぇ…。Bは気に入られてるの?」 B:「全然。なんか『気に入られよう』って思ってるな、って思われてるんだろうな、って思うと、自然にできなくてさ」 A:「はは、なんだそれ、ややこし」 B:「あはは。…Aは?そっちこそ、ちゃんとした仕事なんだから、上下関係は厳しいんじゃないの?」 A:「え?…あぁ…まぁ、こっちもそうでもないかな?今はアレじゃない?あんまりやりすぎると、ほら、パワハラになっちゃうから」 B:「パワハラね!うんうん、わかるなぁ~。パワハラって言えばさ」 A:「うんうん」 B:「先輩はそうでもないんだけど、スタジオの音響監督とかその辺の人たちがマジで厳しいんだよね」 A:「あ、そういうもんなんだ」 B:「そうそう。この前なんか、五回もリテイク出されちゃってさ。しかも、やり直しの理由は教えてくれないの!」 A:「お~、厳しい…!」 B:「ホントだよ(笑)。終わった時は、満足感よりも『ホッとした』って気持ちの方が強かったよねぇ」 A:「ははっ、大変そうだね」 B:「まぁ~ねぇ」 A:「あはは」 0: B(M):嘘だった。 B(M):本当は五回もリテイクを出されるような、そんなマトモにセリフのある役なんて、もらったことはなかった。 0: B:「あ、そっちはどうなの、仕事の方」 A:「相変わらず。残業ばっかりよ」 B:「体調とか大丈夫?」 A:「うん、なまじ丈夫な方だからさ。全然元気なんだよね。…ま、残業代も出るし、ボーナスも一応あるし、マシな方なのかな?」 B:「へぇ、羨ましいねぇ。やっぱアレなの?結婚資金として貯めてるの?まだ付き合ってるんでしょ?」 A:「う~ん、まぁ一応ね」 B:「おお、いいじゃん。もう時期とか決まってるの?」 A:「う~ん…決まってはいないけど、結婚の話はちょくちょくするようになったかな?」 B:「羨まし…。こっちは当分無理だもんなぁ」 0: A(M):嘘だった。 A(M):夢を諦めてから、就職活動をしたけれど、すべてうまくいかず今は派遣社員として働いている。だからボーナスは出ていない。 A(M):恋人と結婚の話をするほど、お互いに金銭的余裕もなかった。 0: 0:(店員がビールを運んでくる) B:「(店員に)あ、すいません。ども。(Aにビールを渡す)はい」 A:「ん、ありがと。(店員が去ってから)…そいじゃ、かんぱ~い」 B:「ほい、かんぱ~い」 A:「(一口飲んで)…いやぁ、それにしてもBは偉いよなぁ。出会ってからもう十年くらい経つけど、ずっと夢を追い続けられてるもんね」 0: A(M):思考誘導をした。 A(M):自分とBとの違いは『継続している』ことだけなんだと。 A(M):継続したからBは声優になれたのであり、継続を止めたから自分は声優になれなかったのだと。 A(M):Bにはそう思っていて欲しかった。 A(M):決して自分がBより才能がなかったなんて、思われたくなかった。 0: B:「そんなことないよ~?まぁ、最近やっとバイト辞められるくらいの稼ぎにはなったけど、それでも心折れそうな時あるもん」 0: B(M):また嘘をついた。 B(M):バイトはまだまだ辞められそうになかった。 B(M):正社員として働いて、結婚も見据えているAと、いい年をして、いまだにバイトを続けている自分とを比較されたくなかった。 0: A:「そか。お互い大変だね」 B:「だね。楽な人生なんてないね」 A:「だね~」 B:「あ~あ、幸せになりたいなぁ」 A:「なりたいねぇ…」 0: A(M):幸せになりたい。 B(M):幸せになりたい。 A(M):そう…。 B(M):少なくとも…。 A(M):(同時に)この人よりは。 B(M):(同時に)この人よりは。

A:A役の方はこちらをタップ。 A(M):A役の方はこちらをタップ。 B:B役の方はこちらをタップ。 B(M):B役の方はこちらをタップ。 0: 0:(ここから本編です) 0:(飲み屋。席に着くAとB) A:「こうやって会うのも久しぶりだね」 B:「そうだね。こういう時代になっちゃったから、昔みたいに頻繁に飲みに行ったりもできないもんね」 A:「だね。自粛ムードはいつになったら治まるんだろう」 B:「しばらく無理なんじゃない?」 A:「だよねぇ~」 B:「(通りかかった店員を呼び止めて)あ、すみません、注文いいですか?(Aに)生でいいよね?」 A:「あぁ、うん」 B:「(店員に)生ふたつと…、シーザーサラダと唐揚げと枝豆と…(Aに)あと何か食べる?」 A:「いや、とりあえずまだいいや」 B:「(店員に)じゃ、すいません、とりあえず以上で」 0:(店員去る) A:「ありがと」 B:「どういたしまして」 A:「やっぱアレなの?先輩たちと飲みに行ったりしたら、後輩があれこれやらないと怒られるの?」 B:「ん~、そんなこともないよ。それはかなり上の先輩だけ」 A:「あ、そうなんだ」 B:「ただ、その『かなり上の先輩』に気に入られるのは大事みたいだけどね」 A:「へぇ…。Bは気に入られてるの?」 B:「全然。なんか『気に入られよう』って思ってるな、って思われてるんだろうな、って思うと、自然にできなくてさ」 A:「はは、なんだそれ、ややこし」 B:「あはは。…Aは?そっちこそ、ちゃんとした仕事なんだから、上下関係は厳しいんじゃないの?」 A:「え?…あぁ…まぁ、こっちもそうでもないかな?今はアレじゃない?あんまりやりすぎると、ほら、パワハラになっちゃうから」 B:「パワハラね!うんうん、わかるなぁ~。パワハラって言えばさ」 A:「うんうん」 B:「先輩はそうでもないんだけど、スタジオの音響監督とかその辺の人たちがマジで厳しいんだよね」 A:「あ、そういうもんなんだ」 B:「そうそう。この前なんか、五回もリテイク出されちゃってさ。しかも、やり直しの理由は教えてくれないの!」 A:「お~、厳しい…!」 B:「ホントだよ(笑)。終わった時は、満足感よりも『ホッとした』って気持ちの方が強かったよねぇ」 A:「ははっ、大変そうだね」 B:「まぁ~ねぇ」 A:「あはは」 0: B(M):嘘だった。 B(M):本当は五回もリテイクを出されるような、そんなマトモにセリフのある役なんて、もらったことはなかった。 0: B:「あ、そっちはどうなの、仕事の方」 A:「相変わらず。残業ばっかりよ」 B:「体調とか大丈夫?」 A:「うん、なまじ丈夫な方だからさ。全然元気なんだよね。…ま、残業代も出るし、ボーナスも一応あるし、マシな方なのかな?」 B:「へぇ、羨ましいねぇ。やっぱアレなの?結婚資金として貯めてるの?まだ付き合ってるんでしょ?」 A:「う~ん、まぁ一応ね」 B:「おお、いいじゃん。もう時期とか決まってるの?」 A:「う~ん…決まってはいないけど、結婚の話はちょくちょくするようになったかな?」 B:「羨まし…。こっちは当分無理だもんなぁ」 0: A(M):嘘だった。 A(M):夢を諦めてから、就職活動をしたけれど、すべてうまくいかず今は派遣社員として働いている。だからボーナスは出ていない。 A(M):恋人と結婚の話をするほど、お互いに金銭的余裕もなかった。 0: 0:(店員がビールを運んでくる) B:「(店員に)あ、すいません。ども。(Aにビールを渡す)はい」 A:「ん、ありがと。(店員が去ってから)…そいじゃ、かんぱ~い」 B:「ほい、かんぱ~い」 A:「(一口飲んで)…いやぁ、それにしてもBは偉いよなぁ。出会ってからもう十年くらい経つけど、ずっと夢を追い続けられてるもんね」 0: A(M):思考誘導をした。 A(M):自分とBとの違いは『継続している』ことだけなんだと。 A(M):継続したからBは声優になれたのであり、継続を止めたから自分は声優になれなかったのだと。 A(M):Bにはそう思っていて欲しかった。 A(M):決して自分がBより才能がなかったなんて、思われたくなかった。 0: B:「そんなことないよ~?まぁ、最近やっとバイト辞められるくらいの稼ぎにはなったけど、それでも心折れそうな時あるもん」 0: B(M):また嘘をついた。 B(M):バイトはまだまだ辞められそうになかった。 B(M):正社員として働いて、結婚も見据えているAと、いい年をして、いまだにバイトを続けている自分とを比較されたくなかった。 0: A:「そか。お互い大変だね」 B:「だね。楽な人生なんてないね」 A:「だね~」 B:「あ~あ、幸せになりたいなぁ」 A:「なりたいねぇ…」 0: A(M):幸せになりたい。 B(M):幸せになりたい。 A(M):そう…。 B(M):少なくとも…。 A(M):(同時に)この人よりは。 B(M):(同時に)この人よりは。