台本概要

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タイトル 「私は今、幸せなのかな。」【性別不問】
作者名 なおと(ばあばら)  (@babara19851985)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 たまに考えることを文章にしてみました。よろしければ、読んで頂けると嬉しいです♪
男女どちらでも可能です。一人称の変更も可です。内容の大幅な変更も可です。あなたの好きなように読んで下さい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り手 不問 6 あなたです。あなたの声で話しましょう。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
語り手:ふと考える。私は今、幸せなのかと。 語り手:幸か不幸かは、結局比較でしか計れないけど。 語り手:他人との比較は、もう疲れた。 語り手:それは、もう散々やってきた。 語り手:だから今日は、自分自身を比較対象にしてみよう。 語り手:これまで生きてきて、私は様々な決断をしてきた。 語り手:これまで生きてきて、私は様々な決断を先送りにしてきた。 語り手:決断を先送りにするという決断をしてきた。 語り手:そうした決断の果てに、今の自分に辿り着いた。 語り手:今の自分と、あの時別の決断をした自分とを、比較してみよう。 0: 語り手:あの時、私には好きな人がいた。 語り手:でも叶う見込みがなかったから、私は私の恋心に見切りをつけた。 語り手:恋心を、諦める決断をした。 語り手:その決断の結果、当然ながら私はあの人と違う道を歩んでいる。 語り手:―あの時、恋心を諦めない決断をしていたら? 語り手:―あの人のことを、ずっと好きでいたら? 語り手:―あの人と同じ道を歩んでいたのかな。 語り手:そうしたら、今より幸せだったかな。 0: 語り手:あの時、私には夢があった。 語り手:でも結局挫折して、私は私の夢に見切りをつけた。 語り手:夢を追いかけることを、諦める決断をした。 語り手:その決断の結果、私は、退屈だけど平穏な暮らしを手に入れた。 語り手:―あの時、夢を諦めない決断をしていたら? 語り手:―挫けても挫けても、折れずに夢に向かって邁進していたら? 語り手:―私は夢を叶えることができたのかな? 語り手:そうしたら、今より幸せだったかな。 0: 語り手:あの時、私は死にたいと考えていた。 語り手:でも結局「死後の世界が今より幸福である」という保証がなかったから、私は自死を諦めた。 語り手:この世で生きていくことは、辛くて辛くて仕方ないけど、「生きる」決断をした。 語り手:その決断の結果、私は今こうして思考を巡らせている。 語り手:―あの時、死ぬ決断をしていたら? 語り手:―「死後の世界が今より幸福である」という可能性に賭けて、あるいは幸も不幸も思考しない「無意識の存在」になれる可能性に賭けて、自死を選んでいたら? 語り手:―私はこの人生の苦しみから解放されたのかな? 語り手:そうしたら、今より幸せだったかな。 0: 語り手:結局、わからなかった。 語り手:違う決断をしたところで、その決断の結果がどういう未来に行き着くのかは、その決断をした自分にしかわからない。 語り手:それに今の自分と違う決断をする自分は、それはもう他人だ。私じゃない。 語り手:結局また私は他人との比較で、自分の幸・不幸を計ろうとしたのだ。意味がない。 語り手:恋を諦めて、夢を諦めて、死にたくても死にきれなかったのが、私だ。 語り手:そうした決断によって形成されたのが自分だ。 語り手:それ以外の選択をする自分は私じゃない、他人だ。 語り手:他人と幸・不幸比べをしても意味がないことはわかってる。 語り手:散々やってきてわかってる。 語り手:だから、本質的に「今の私が幸せか否か」を考えることに意味はない。生産性がない。 語り手:いや「生産性がない」ということに気付けただけでも、生産性はあったのかもしれない。 語り手:いやいや、それも屁理屈かもしれない。自分の行った思考が無為なものではなかったと、そう思い込みたいだけかもしれない。 語り手:どうなんだろ。 語り手:わからない。 語り手:わからない…。 語り手:そもそも、こんなこと考えない方が良かったのかもしれない。 語り手:そうすれば、幸せでいられたのかもしれない。 語り手:でもそれは、もう私じゃない。 語り手:こんなことを考えてしまうのが、私なんだ。 0: 語り手:―私は今、幸せなのかな。

語り手:ふと考える。私は今、幸せなのかと。 語り手:幸か不幸かは、結局比較でしか計れないけど。 語り手:他人との比較は、もう疲れた。 語り手:それは、もう散々やってきた。 語り手:だから今日は、自分自身を比較対象にしてみよう。 語り手:これまで生きてきて、私は様々な決断をしてきた。 語り手:これまで生きてきて、私は様々な決断を先送りにしてきた。 語り手:決断を先送りにするという決断をしてきた。 語り手:そうした決断の果てに、今の自分に辿り着いた。 語り手:今の自分と、あの時別の決断をした自分とを、比較してみよう。 0: 語り手:あの時、私には好きな人がいた。 語り手:でも叶う見込みがなかったから、私は私の恋心に見切りをつけた。 語り手:恋心を、諦める決断をした。 語り手:その決断の結果、当然ながら私はあの人と違う道を歩んでいる。 語り手:―あの時、恋心を諦めない決断をしていたら? 語り手:―あの人のことを、ずっと好きでいたら? 語り手:―あの人と同じ道を歩んでいたのかな。 語り手:そうしたら、今より幸せだったかな。 0: 語り手:あの時、私には夢があった。 語り手:でも結局挫折して、私は私の夢に見切りをつけた。 語り手:夢を追いかけることを、諦める決断をした。 語り手:その決断の結果、私は、退屈だけど平穏な暮らしを手に入れた。 語り手:―あの時、夢を諦めない決断をしていたら? 語り手:―挫けても挫けても、折れずに夢に向かって邁進していたら? 語り手:―私は夢を叶えることができたのかな? 語り手:そうしたら、今より幸せだったかな。 0: 語り手:あの時、私は死にたいと考えていた。 語り手:でも結局「死後の世界が今より幸福である」という保証がなかったから、私は自死を諦めた。 語り手:この世で生きていくことは、辛くて辛くて仕方ないけど、「生きる」決断をした。 語り手:その決断の結果、私は今こうして思考を巡らせている。 語り手:―あの時、死ぬ決断をしていたら? 語り手:―「死後の世界が今より幸福である」という可能性に賭けて、あるいは幸も不幸も思考しない「無意識の存在」になれる可能性に賭けて、自死を選んでいたら? 語り手:―私はこの人生の苦しみから解放されたのかな? 語り手:そうしたら、今より幸せだったかな。 0: 語り手:結局、わからなかった。 語り手:違う決断をしたところで、その決断の結果がどういう未来に行き着くのかは、その決断をした自分にしかわからない。 語り手:それに今の自分と違う決断をする自分は、それはもう他人だ。私じゃない。 語り手:結局また私は他人との比較で、自分の幸・不幸を計ろうとしたのだ。意味がない。 語り手:恋を諦めて、夢を諦めて、死にたくても死にきれなかったのが、私だ。 語り手:そうした決断によって形成されたのが自分だ。 語り手:それ以外の選択をする自分は私じゃない、他人だ。 語り手:他人と幸・不幸比べをしても意味がないことはわかってる。 語り手:散々やってきてわかってる。 語り手:だから、本質的に「今の私が幸せか否か」を考えることに意味はない。生産性がない。 語り手:いや「生産性がない」ということに気付けただけでも、生産性はあったのかもしれない。 語り手:いやいや、それも屁理屈かもしれない。自分の行った思考が無為なものではなかったと、そう思い込みたいだけかもしれない。 語り手:どうなんだろ。 語り手:わからない。 語り手:わからない…。 語り手:そもそも、こんなこと考えない方が良かったのかもしれない。 語り手:そうすれば、幸せでいられたのかもしれない。 語り手:でもそれは、もう私じゃない。 語り手:こんなことを考えてしまうのが、私なんだ。 0: 語り手:―私は今、幸せなのかな。