台本概要
115 views
タイトル | 異邦人 |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 1人用台本(不問1) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
ひとり読み(朗読)台本 3分程度です。 115 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
語り | 不問 | - |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:異邦人
0:私は異邦人(いほうじん)
0:同じ場所には、ずっと居られはしない
0:そうやって今までも、ずっと彷徨(さまよ)ってきた
0:
0:彷徨って
0:寂しくなって
0:荷物を降ろして人に近づく
0:
0:そこには、人々の輪があって、
0:楽しそうな、笑いがあって、
0:いつもやさしく、私を出迎えてくれる
0:
0:でも、そこの人たちには、私よりも、ずっと大切な人たちがいる
0:そんなことを、
0:そんな当たり前のことを、
0:当たり前のように、気づかされて
0:寂しくてたまらなくなり、
0:また、そこに居られなくなってしまう。
0:
0:やはり、私は異邦人なのだ
0:そして、その事実を突きつけられるのが、
0:たまらなく悲しい
0:
0:長く彷徨っていたせいなのか
0:そもそもの私が、そうであったのか
0:私は、どこの人たちとも、少し違っているようだ
0:
0:だから、
0:その場に根を下ろすなら、私自身を変えなければいけない。
0:
0:その輪の中に、ずっと居られるように、
0:そこの人達と、同じになるように、
0:私を変えなければならない
0:
0:でも、
0:私には、それが出来ないのだ
0:私が私でいなければ、
0:私の中にある、私の存在価値が、なくなってしまうのだ
0:私には、それがたまらなく恐い
0:
0:人と深く付き合おうとしてはいけない
0:その人には、お前よりも大切な人がいるのだから
0:どうせ悲しむのは、お前なのだから
0:お前はお前でしか、いられないのだから
0:
0:そう自分に言い聞かせて、私はいつも異邦人のままでいる
0:
0:それでも、やはり、また寂しくなってしまい
0:そして、人に近づいてしまう。
0:ここが私の居場所なのかもしれない。
0:そんな淡い期待を、心のどこかに持ちながら
0:
0:どれだけ人が優しくても、
0:どれだけ人を好きであっても、
0:異邦人は、やはり異邦人でしかないのだ
0:それを何度も思い知らされる
0:
0:それが悲しくて、悲しくて
0:また彷徨い癖が、首をもたげる。
0:
0:「それがお前なのだから」と、私自身に言い聞かせて
0:逃げるように、そこを離れていく
0:
0:お前は異邦人
0:彷徨い続ける事でしか
0:お前の心は守れない
0:
0:
0:でも、まだ・・・
0:もう少し。
0:
0:もう少しだけでいいから、
0:ここに居させて欲しい。
0:悲しくたって、耐えるから。
0:
0:今度は心が折れるまで、
0:粉々に砕け散るまで、
0:それまで、ここに居させて欲しい
0:
0:もう心も無くなって、
0:彷徨う事すら、出来なくなっても
0:後悔しないと誓うから
0:
0:だから
0:もう少しだけ、
0:ここに居させて欲しい。
0:
0:完
0:
0:異邦人
0:私は異邦人(いほうじん)
0:同じ場所には、ずっと居られはしない
0:そうやって今までも、ずっと彷徨(さまよ)ってきた
0:
0:彷徨って
0:寂しくなって
0:荷物を降ろして人に近づく
0:
0:そこには、人々の輪があって、
0:楽しそうな、笑いがあって、
0:いつもやさしく、私を出迎えてくれる
0:
0:でも、そこの人たちには、私よりも、ずっと大切な人たちがいる
0:そんなことを、
0:そんな当たり前のことを、
0:当たり前のように、気づかされて
0:寂しくてたまらなくなり、
0:また、そこに居られなくなってしまう。
0:
0:やはり、私は異邦人なのだ
0:そして、その事実を突きつけられるのが、
0:たまらなく悲しい
0:
0:長く彷徨っていたせいなのか
0:そもそもの私が、そうであったのか
0:私は、どこの人たちとも、少し違っているようだ
0:
0:だから、
0:その場に根を下ろすなら、私自身を変えなければいけない。
0:
0:その輪の中に、ずっと居られるように、
0:そこの人達と、同じになるように、
0:私を変えなければならない
0:
0:でも、
0:私には、それが出来ないのだ
0:私が私でいなければ、
0:私の中にある、私の存在価値が、なくなってしまうのだ
0:私には、それがたまらなく恐い
0:
0:人と深く付き合おうとしてはいけない
0:その人には、お前よりも大切な人がいるのだから
0:どうせ悲しむのは、お前なのだから
0:お前はお前でしか、いられないのだから
0:
0:そう自分に言い聞かせて、私はいつも異邦人のままでいる
0:
0:それでも、やはり、また寂しくなってしまい
0:そして、人に近づいてしまう。
0:ここが私の居場所なのかもしれない。
0:そんな淡い期待を、心のどこかに持ちながら
0:
0:どれだけ人が優しくても、
0:どれだけ人を好きであっても、
0:異邦人は、やはり異邦人でしかないのだ
0:それを何度も思い知らされる
0:
0:それが悲しくて、悲しくて
0:また彷徨い癖が、首をもたげる。
0:
0:「それがお前なのだから」と、私自身に言い聞かせて
0:逃げるように、そこを離れていく
0:
0:お前は異邦人
0:彷徨い続ける事でしか
0:お前の心は守れない
0:
0:
0:でも、まだ・・・
0:もう少し。
0:
0:もう少しだけでいいから、
0:ここに居させて欲しい。
0:悲しくたって、耐えるから。
0:
0:今度は心が折れるまで、
0:粉々に砕け散るまで、
0:それまで、ここに居させて欲しい
0:
0:もう心も無くなって、
0:彷徨う事すら、出来なくなっても
0:後悔しないと誓うから
0:
0:だから
0:もう少しだけ、
0:ここに居させて欲しい。
0:
0:完