台本概要

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タイトル 異邦人
作者名 Danzig
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 ひとり読み(朗読)台本
3分程度です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り 不問 -
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0:異邦人 0:私は異邦人(いほうじん) 0:同じ場所には、ずっと居られはしない 0:そうやって今までも、ずっと彷徨(さまよ)ってきた 0: 0:彷徨って 0:寂しくなって 0:荷物を降ろして人に近づく 0: 0:そこには、人々の輪があって、 0:楽しそうな、笑いがあって、 0:いつもやさしく、私を出迎えてくれる 0: 0:でも、そこの人たちには、私よりも、ずっと大切な人たちがいる 0:そんなことを、 0:そんな当たり前のことを、 0:当たり前のように、気づかされて 0:寂しくてたまらなくなり、 0:また、そこに居られなくなってしまう。 0: 0:やはり、私は異邦人なのだ 0:そして、その事実を突きつけられるのが、 0:たまらなく悲しい 0: 0:長く彷徨っていたせいなのか 0:そもそもの私が、そうであったのか 0:私は、どこの人たちとも、少し違っているようだ 0: 0:だから、 0:その場に根を下ろすなら、私自身を変えなければいけない。 0: 0:その輪の中に、ずっと居られるように、 0:そこの人達と、同じになるように、 0:私を変えなければならない 0: 0:でも、 0:私には、それが出来ないのだ 0:私が私でいなければ、 0:私の中にある、私の存在価値が、なくなってしまうのだ 0:私には、それがたまらなく恐い 0: 0:人と深く付き合おうとしてはいけない 0:その人には、お前よりも大切な人がいるのだから 0:どうせ悲しむのは、お前なのだから 0:お前はお前でしか、いられないのだから 0: 0:そう自分に言い聞かせて、私はいつも異邦人のままでいる 0: 0:それでも、やはり、また寂しくなってしまい 0:そして、人に近づいてしまう。 0:ここが私の居場所なのかもしれない。 0:そんな淡い期待を、心のどこかに持ちながら 0: 0:どれだけ人が優しくても、 0:どれだけ人を好きであっても、 0:異邦人は、やはり異邦人でしかないのだ 0:それを何度も思い知らされる 0: 0:それが悲しくて、悲しくて 0:また彷徨い癖が、首をもたげる。 0: 0:「それがお前なのだから」と、私自身に言い聞かせて 0:逃げるように、そこを離れていく 0: 0:お前は異邦人 0:彷徨い続ける事でしか 0:お前の心は守れない 0: 0: 0:でも、まだ・・・ 0:もう少し。 0: 0:もう少しだけでいいから、 0:ここに居させて欲しい。 0:悲しくたって、耐えるから。 0: 0:今度は心が折れるまで、 0:粉々に砕け散るまで、 0:それまで、ここに居させて欲しい 0: 0:もう心も無くなって、 0:彷徨う事すら、出来なくなっても 0:後悔しないと誓うから 0: 0:だから 0:もう少しだけ、 0:ここに居させて欲しい。 0: 0:完

0: 0:異邦人 0:私は異邦人(いほうじん) 0:同じ場所には、ずっと居られはしない 0:そうやって今までも、ずっと彷徨(さまよ)ってきた 0: 0:彷徨って 0:寂しくなって 0:荷物を降ろして人に近づく 0: 0:そこには、人々の輪があって、 0:楽しそうな、笑いがあって、 0:いつもやさしく、私を出迎えてくれる 0: 0:でも、そこの人たちには、私よりも、ずっと大切な人たちがいる 0:そんなことを、 0:そんな当たり前のことを、 0:当たり前のように、気づかされて 0:寂しくてたまらなくなり、 0:また、そこに居られなくなってしまう。 0: 0:やはり、私は異邦人なのだ 0:そして、その事実を突きつけられるのが、 0:たまらなく悲しい 0: 0:長く彷徨っていたせいなのか 0:そもそもの私が、そうであったのか 0:私は、どこの人たちとも、少し違っているようだ 0: 0:だから、 0:その場に根を下ろすなら、私自身を変えなければいけない。 0: 0:その輪の中に、ずっと居られるように、 0:そこの人達と、同じになるように、 0:私を変えなければならない 0: 0:でも、 0:私には、それが出来ないのだ 0:私が私でいなければ、 0:私の中にある、私の存在価値が、なくなってしまうのだ 0:私には、それがたまらなく恐い 0: 0:人と深く付き合おうとしてはいけない 0:その人には、お前よりも大切な人がいるのだから 0:どうせ悲しむのは、お前なのだから 0:お前はお前でしか、いられないのだから 0: 0:そう自分に言い聞かせて、私はいつも異邦人のままでいる 0: 0:それでも、やはり、また寂しくなってしまい 0:そして、人に近づいてしまう。 0:ここが私の居場所なのかもしれない。 0:そんな淡い期待を、心のどこかに持ちながら 0: 0:どれだけ人が優しくても、 0:どれだけ人を好きであっても、 0:異邦人は、やはり異邦人でしかないのだ 0:それを何度も思い知らされる 0: 0:それが悲しくて、悲しくて 0:また彷徨い癖が、首をもたげる。 0: 0:「それがお前なのだから」と、私自身に言い聞かせて 0:逃げるように、そこを離れていく 0: 0:お前は異邦人 0:彷徨い続ける事でしか 0:お前の心は守れない 0: 0: 0:でも、まだ・・・ 0:もう少し。 0: 0:もう少しだけでいいから、 0:ここに居させて欲しい。 0:悲しくたって、耐えるから。 0: 0:今度は心が折れるまで、 0:粉々に砕け散るまで、 0:それまで、ここに居させて欲しい 0: 0:もう心も無くなって、 0:彷徨う事すら、出来なくなっても 0:後悔しないと誓うから 0: 0:だから 0:もう少しだけ、 0:ここに居させて欲しい。 0: 0:完