台本概要

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タイトル 月光浴
作者名 Danzig
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 ひとり読み(朗読)台本

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り 不問 -
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0: 0:月光浴(げっこうよく) 0: 0: 0: 0:月の出ている夜に、私は散歩に出かける。 0:私の大好きな月光浴の時間 0: 0: 0:月は 0:「二日月(ふつかづき)」 0:から 0:「明けの三日月(あけのみかづき)」 0:にかけて、 0:日々形を変えて、 0:いろいろな光を私に届けてくれる 0: 0: 0:その移り行く月の形は、静寂(せいじゃく)の中に 0:月の息遣(いきづか)いを感じさせる 0: 0:ゆっくりと 0: 0:優しく 0: 0:そして仄(ほの)かな温もりのある 0:そんな息遣い 0: 0: 0:それが何とも、私にとっては心地よく 0:愛(いと)おしく感じる 0: 0: 0:月を愛おしく感じるのは、なにも私だけではない。 0: 0: 0:月は古くから、私達を魅了してきた。 0: 0:平安の貴族も 0: 0:戦国の武将も 0: 0:明治の文豪たちも 0: 0:月に想いを馳(は)せ 0:月を見ては、それぞれの物語を思い浮かべてきた 0: 0: 0:古(いにしえ)より 0:人を惹(ひ)きつけて止(や)まない月・・・ 0: 0:そんな月の光を浴びる 0: 0:それが月光浴 0: 0: 0: 0:かつて、クレオパトラも 0:月光浴を欠(か)かさなかったといい 0: 0:スリランカ発祥の伝統医療、アーユルヴェーダにも 0:月光浴の記述がある。 0: 0:西洋でも 0:月のオーラによって 0:人の身体に共鳴(きょうめい)現象が起こると 0:考えられて来たようだ 0: 0: 0:洋(よう)の東西を問わず 0:月は人を魅了し 0:そして癒(いや)してきた 0: 0: 0:今日は、私の好きな月光浴の話をしましょう 0: 0: 0:「二日月」から「明けの三日月」 0:どんな月の形でも、月光浴は出来る。 0: 0: 0:でも 0:やはり私は 0:満月の光を浴びる月光浴が好き。 0: 0: 0:満天の空に輝く満月は 0:28の顔を持つ月のなかでも 0:なんとも不思議な魅力がある 0: 0: 0:そして満月は、ちょうど日を跨ぐ12時頃 0:南の一番高い位置まで昇(のぼ)る 0: 0: 0:その時間を目指して 0:私は月の光を浴びれる場所へと移動する。 0: 0:用意は何もいらない 0: 0: 0:一人であれば言葉さえもいらない 0: 0:ただ月の声に誘われるように出かければいい 0: 0: 0:月光浴をする場所は、月の光を感じられる所 0: 0:そんな場所であれば何処(どこ)でも構わない 0: 0: 0:ビルの屋上でも 0: 0:部屋のベランダでも 0: 0:歩道橋でも 0:車の中でも 0:どこでもいい 0: 0:自分の心が月へと向かう場所であれば・・・ 0: 0: 0:その中でも私は、公園に行くのが好き 0: 0:人気のない公園は、月光浴には絶好の場所だと思う 0: 0:ベンチや芝生・・・ 0: 0:横になれる場所を探して寝転がる。 0: 0:寝転ぶ場所がないならば 0:ブランコにでも座ろうか 0: 0: 0:そして、月をじっと見る。 0: 0:瞳(ひとみ)の中に、月の光が満たされたような 0:そんな感覚が現れたら 0:手を広げて、目を閉じる 0: 0: 0:遥(はる)か、遥か、遠くから 0:降り注ぐ月の光は 0: 0:優しく 0: 0:まるで 0: 0:とても薄い、黄金色(こがねいろ)をした 0:絹のベールが 0: 0:ゆっくりと身体に被(かぶ)さるような感覚を 0:顔から腕や身体、足の先まで感じさせてくれる 0: 0: 0:月の光はじんわりと 0: 0:少しずづ身体に染み込み 0: 0:すり抜けていく。 0: 0:そして、身体を抜けた光は 0:地面へと溶けてゆく・・・ 0: 0:光が身体を抜ける時 0: 0:自分の心の中の蟠(わだかま)りも 0:一緒に連れ去ってくれるような感じがする。 0: 0: 0:そんな時に私は 0: 0:私が私でいるという存在感を感じる。 0: 0:月光浴は、私自身を取り戻す為の癒(いや)し。 0: 0: 0:身体(からだ)に染みてい行く 0:月の光を感じながら 0:私は思う 0: 0: 0:およそ300年前 0: 0:ホイヘンスは 0:「光は波である」と言った 0: 0:同じころ 0: 0:かのニュートンは 0:「光は粒である」と言った 0: 0: 0:そして、この二つの学説は 0:長らく決着がつく事はなく 0: 0:200年後の 0:アインシュタインの登場を待つことになる。 0: 0: 0:およそ今から100年程前 0:アインシュタインは 0:「光は粒であり波である」と言った 0: 0:しかし 0:それから100年経(た)った今でも 0: 0:まだ光については分からない事があるらしい 0: 0: 0:光とは、そんなとても不思議な存在。 0: 0: 0:でも、私にとっては 0: 0:月の光が粒であろうと 0:波であろうと 0: 0:どちらでも構わない。 0: 0:この優しい光が 0:ゆっくりと体をすり抜けていく感覚は 0: 0:多分 0: 0:方程式で解けるようなものではないと思うから 0: 0: 0: 0:昔から、月には兎(うさぎ)がいるという 0: 0:そんな話の方が、私には似合っている 0: 0: 0:月光浴 0: 0: 0:夜と私と特別な時間 0: 0:完

0: 0: 0:月光浴(げっこうよく) 0: 0: 0: 0:月の出ている夜に、私は散歩に出かける。 0:私の大好きな月光浴の時間 0: 0: 0:月は 0:「二日月(ふつかづき)」 0:から 0:「明けの三日月(あけのみかづき)」 0:にかけて、 0:日々形を変えて、 0:いろいろな光を私に届けてくれる 0: 0: 0:その移り行く月の形は、静寂(せいじゃく)の中に 0:月の息遣(いきづか)いを感じさせる 0: 0:ゆっくりと 0: 0:優しく 0: 0:そして仄(ほの)かな温もりのある 0:そんな息遣い 0: 0: 0:それが何とも、私にとっては心地よく 0:愛(いと)おしく感じる 0: 0: 0:月を愛おしく感じるのは、なにも私だけではない。 0: 0: 0:月は古くから、私達を魅了してきた。 0: 0:平安の貴族も 0: 0:戦国の武将も 0: 0:明治の文豪たちも 0: 0:月に想いを馳(は)せ 0:月を見ては、それぞれの物語を思い浮かべてきた 0: 0: 0:古(いにしえ)より 0:人を惹(ひ)きつけて止(や)まない月・・・ 0: 0:そんな月の光を浴びる 0: 0:それが月光浴 0: 0: 0: 0:かつて、クレオパトラも 0:月光浴を欠(か)かさなかったといい 0: 0:スリランカ発祥の伝統医療、アーユルヴェーダにも 0:月光浴の記述がある。 0: 0:西洋でも 0:月のオーラによって 0:人の身体に共鳴(きょうめい)現象が起こると 0:考えられて来たようだ 0: 0: 0:洋(よう)の東西を問わず 0:月は人を魅了し 0:そして癒(いや)してきた 0: 0: 0:今日は、私の好きな月光浴の話をしましょう 0: 0: 0:「二日月」から「明けの三日月」 0:どんな月の形でも、月光浴は出来る。 0: 0: 0:でも 0:やはり私は 0:満月の光を浴びる月光浴が好き。 0: 0: 0:満天の空に輝く満月は 0:28の顔を持つ月のなかでも 0:なんとも不思議な魅力がある 0: 0: 0:そして満月は、ちょうど日を跨ぐ12時頃 0:南の一番高い位置まで昇(のぼ)る 0: 0: 0:その時間を目指して 0:私は月の光を浴びれる場所へと移動する。 0: 0:用意は何もいらない 0: 0: 0:一人であれば言葉さえもいらない 0: 0:ただ月の声に誘われるように出かければいい 0: 0: 0:月光浴をする場所は、月の光を感じられる所 0: 0:そんな場所であれば何処(どこ)でも構わない 0: 0: 0:ビルの屋上でも 0: 0:部屋のベランダでも 0: 0:歩道橋でも 0:車の中でも 0:どこでもいい 0: 0:自分の心が月へと向かう場所であれば・・・ 0: 0: 0:その中でも私は、公園に行くのが好き 0: 0:人気のない公園は、月光浴には絶好の場所だと思う 0: 0:ベンチや芝生・・・ 0: 0:横になれる場所を探して寝転がる。 0: 0:寝転ぶ場所がないならば 0:ブランコにでも座ろうか 0: 0: 0:そして、月をじっと見る。 0: 0:瞳(ひとみ)の中に、月の光が満たされたような 0:そんな感覚が現れたら 0:手を広げて、目を閉じる 0: 0: 0:遥(はる)か、遥か、遠くから 0:降り注ぐ月の光は 0: 0:優しく 0: 0:まるで 0: 0:とても薄い、黄金色(こがねいろ)をした 0:絹のベールが 0: 0:ゆっくりと身体に被(かぶ)さるような感覚を 0:顔から腕や身体、足の先まで感じさせてくれる 0: 0: 0:月の光はじんわりと 0: 0:少しずづ身体に染み込み 0: 0:すり抜けていく。 0: 0:そして、身体を抜けた光は 0:地面へと溶けてゆく・・・ 0: 0:光が身体を抜ける時 0: 0:自分の心の中の蟠(わだかま)りも 0:一緒に連れ去ってくれるような感じがする。 0: 0: 0:そんな時に私は 0: 0:私が私でいるという存在感を感じる。 0: 0:月光浴は、私自身を取り戻す為の癒(いや)し。 0: 0: 0:身体(からだ)に染みてい行く 0:月の光を感じながら 0:私は思う 0: 0: 0:およそ300年前 0: 0:ホイヘンスは 0:「光は波である」と言った 0: 0:同じころ 0: 0:かのニュートンは 0:「光は粒である」と言った 0: 0: 0:そして、この二つの学説は 0:長らく決着がつく事はなく 0: 0:200年後の 0:アインシュタインの登場を待つことになる。 0: 0: 0:およそ今から100年程前 0:アインシュタインは 0:「光は粒であり波である」と言った 0: 0:しかし 0:それから100年経(た)った今でも 0: 0:まだ光については分からない事があるらしい 0: 0: 0:光とは、そんなとても不思議な存在。 0: 0: 0:でも、私にとっては 0: 0:月の光が粒であろうと 0:波であろうと 0: 0:どちらでも構わない。 0: 0:この優しい光が 0:ゆっくりと体をすり抜けていく感覚は 0: 0:多分 0: 0:方程式で解けるようなものではないと思うから 0: 0: 0: 0:昔から、月には兎(うさぎ)がいるという 0: 0:そんな話の方が、私には似合っている 0: 0: 0:月光浴 0: 0: 0:夜と私と特別な時間 0: 0:完