台本概要

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タイトル 犬吸いとおまわりさん
作者名 akodon  (@akodon1)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 【アドリブ大歓迎!】
警察官が通報を受けた先で出会ったのは・・・
全国の犬好きに捧ぐコメディです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
犬を吸う人 不問 71 犬をこよなく愛する人。
警察官 不問 72 勤務態度は真面目だが、冗談が通じるタイプのおまわりさん。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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警察官:「キミ・・・分かってる?」 犬を吸う人:「・・・はい」 警察官:「本当に分かってるよね?」 犬を吸う人:「・・・はい、すみません」 警察官:「じゃあ、とりあえずもう一度聞くね。 警察官:自分が今さっきまで何をしてたか言ってみて」 犬を吸う人:「・・・ました」 警察官:「うん?」 犬を吸う人:「・・・吸ってました」 警察官:「何を?」 犬を吸う人:「・・・犬を吸ってました」 警察官:「なんで犬を吸ってたの?」 犬を吸う人:「そこに犬が居たから・・・」 警察官:「登山家みたいなこと言うね」 犬を吸う人:「へへっ・・・」 警察官:「照れ笑いしてるけど、褒めてはいないからね」 犬を吸う人:「はい・・・」 警察官:「もうビックリだったよ?私も警察官生活長いけどさ。 警察官:犬を吸ってる人がいるんです!助けてください!って通報されたの。 警察官:最初イタズラ電話かと思ったよ」 犬を吸う人:「イタズラなんてそんな・・・私は本気でした」 警察官:「曇りの無い真っ直ぐな瞳で言うね、キミ」 犬を吸う人:「だって、わんちゃんは嫌がって無かったです」 警察官:「嫌がってなかったというか・・・ 警察官:あれは一心不乱に匂いを嗅いでくる人間に対して、怯えて動けなくなっていたというか・・・ 警察官:ドン引きしていたというか・・・」 犬を吸う人:「嘘です!そんなことない!」 警察官:「いや、初めて見たよ。あんな風に死んだ魚のような目をした犬。 警察官:震えながらじっと耐えるその姿に涙出そうになったもん」 犬を吸う人:「そ、そんなこと・・・」 警察官:「声震えてるじゃん。 警察官:さっきキミが嗅ぎまくっていた犬と同じぐらい震えてるじゃん」 犬を吸う人:「おかしい・・・私とあの子は運命の出会いを果たしたはずなのに・・・」 警察官:「・・・あのね。一つ言っておきたいんだけど」 犬を吸う人:「はい」 警察官:「あの犬、キミのじゃないでしょ?」 犬を吸う人:「えっ?」 警察官:「あの犬、キミの飼ってる犬じゃないでしょ?」 犬を吸う人:「ええっ!?」 警察官:「なんでそんな『今知りました』みたいな反応してるの?」 犬を吸う人:「だって・・・私の中ではもう一緒に暮らしてたんですけど・・・」 警察官:「えっ、怖い」 犬を吸う人:「毎日、一緒に芝生の上を駆け回って、フリスビーで遊んじゃったりして・・・」 警察官:「だいぶ具体的に妄想してるね」 犬を吸う人:「二人で寒い冬は身を寄せ合い、互いの温もりを分かち合いながらシングルベッドであの子を抱いて眠る・・・」 警察官:「うんうん、残念ながらくだらない事だって笑って見逃すわけにはいかないので、そろそろ署までご同行願いたいんだけどねー」 犬を吸う人:「嫌です!」 警察官:「はいはーい。嫌なのはわかるけど来てくれると嬉しいなー」 犬を吸う人:「嫌ですっ!!」 警察官:「はいは・・・えっ、すごっ・・・全然動かない。あの、踏ん張らないで・・・」 犬を吸う人:「い!や!で!すぅーーー!!!」 警察官:「すごいね!ビクともしないね! 警察官:散歩を嫌がる柴犬みたいだね!キミィ!!?」 犬を吸う人:「・・・と、言うかそもそも! 犬を吸う人:おまわりさんは犬を飼ったこと無いんですか?」 警察官:(犬を吸う人を全力で引っ張りながら) 警察官:「いや!現在進行形で今も実家で飼ってるけど、それがどうしたの!?」 犬を吸う人:「吸わないんですか!?」 警察官:「へっ!?」 犬を吸う人:「わんちゃん!吸わないんですか!?」 警察官:「吸わないけどぉ!?」 犬を吸う人:(急にテンションを下げて) 犬を吸う人:「えっ・・・」 警察官:「おおお・・・なに急に悲しげな顔して」 犬を吸う人:「だって、わんちゃん飼ってるのに、吸わないっていうから・・・」 警察官:「あっ?なんかダメ?」 犬を吸う人:「人生損してるなぁって思いました」 警察官:「そうなの?」 犬を吸う人:「ええ、万札をドブに棄てるようなものです」 警察官:「えっ、そんなに?ねぇ、そんなに損するレベルなの?」 犬を吸う人:「当たり前ですよ。 犬を吸う人:犬を吸う会から苦情が来ます」 警察官:「何その会。初めて聞いたんだけど」 犬を吸う人:「ふっ・・・なんと、ご存知ない?」 警察官:「今鼻で笑ったね?」 犬を吸う人:「いやぁ、こんなにも素晴らしい会を知らないなんて・・・ふふっ・・・ふふふっ・・・」 警察官:「もしかして、わりと本気でヤバい人だったりする、キミ?」 犬を吸う人:「ふふふふふ・・・わふふふふ・・・」 警察官:「あれ?通報では犬を吸ってるって聞いてたけど、もしかして別のヤバいモンも吸ってる系だった?」 犬を吸う人:「失礼な。私が吸うのは犬だけです」 警察官:「本当に?本当だね???」 犬を吸う人:「あっ、お巡りさんも入ります?犬を吸う会。 犬を吸う人:今なら年会費たったの五百円!」 警察官:「・・・わんこだけにワンコインとか言う?」 犬を吸う人:「すごい・・・!よく分かりましたね・・・!」 警察官:「徐々に思考が読めるようになってきちゃったの、すっごい嫌だなぁ・・・」 犬を吸う人:「あと、今入会すればもれなく副会長の座もプレゼント!」 警察官:「入会してすぐ役職が付いちゃうの?」 犬を吸う人:「はい!犬を吸う会は常に優秀な人材を求めておりますので!」 警察官:「ちなみに聞きたいんだけど、会長は誰?」 犬を吸う人:「私です!」 警察官:「なるほど・・・会員数は?」 犬を吸う人:「オンリーわんっ!」 警察官:「は?」 犬を吸う人:「失礼しました。私一人っていう意味で・・・犬だけに・・・」 警察官:「あっ、そうなんだぁ・・・」 犬を吸う人:「で、どうします?入ります?」 警察官:「いや・・・ちょっと今はいいかな・・・」 犬を吸う人:「そうですか・・・チッ・・・」 警察官:「待って、今舌打ちしたよね?」 犬を吸う人:「してないです」 警察官:「ホントに?」 犬を吸う人:(警察官に迫りながら) 犬を吸う人:「私が舌打ちなんかするような人間に見えます? 犬を吸う人:この純粋な、穢れを知らない子犬のような目を見てください」 警察官:「わかった・・・近い近い・・・」 犬を吸う人:「はぁ~やれやれ、すぐに人を疑うのは良くないですよ。 犬を吸う人:・・・では、私はこれで」 警察官:「待って」 犬を吸う人:「はい?」 警察官:「勢いに押されて忘れてたけど、まだ帰れないからね。キミ」 犬を吸う人:「チッ・・・ずっと忘れたままでいてくれれば良かったのに・・・」 警察官:「あれ?さっきの純粋な子犬のような目はどうしたのかな???」 犬を吸う人:「おまわりさん!」 警察官:「はい」 犬を吸う人:「もしかして、猫吸いだったら許してもらえましたか?」 警察官:「まぁ・・・どうだか分からないけど、そこにいる野良猫とかだったら、まぁ良かったんじゃ・・・」 犬を吸う人:「なんで猫吸いは良くて犬吸いはダメなんですか!?」 警察官:「はい?」 犬を吸う人:「おかしいじゃないですか! 犬を吸う人:私はただ犬を吸ってただけなんですよ! 犬を吸う人:それの何がいけないんですか?」 警察官:「ちょ、落ち着いて・・・」 犬を吸う人:「あれですか? 犬を吸う人:メディアとかで猫吸いは取り上げられてるけど、犬吸いは話題に上がらないからですか!? 犬を吸う人:可愛いアイドルとか綺麗な女優さんが猫吸いにハマってるんですぅ~♡と公共の電波で発信してるのに、犬を吸うのが趣味なんですぅ~♡っていう人がいないせいですか!? 犬を吸う人:流行に乗れていないからですか!?」 警察官:「落ち着いて!!!」 犬を吸う人:「これが落ち着いていられますか!」 警察官:「あのね!問題なのはそこじゃなくて!」 犬を吸う人:「どこですか!!」 警察官:「キミが吸ってたのが、人の犬だったからです!!!」 犬を吸う人:「そこかぁ!!」 警察官:「さっきも言ったけど、むしろそれ以外何があると思ったのォ!?」 犬を吸う人:(急にテンションを下げて) 犬を吸う人:「・・・お巡りさん」 警察官:「・・・どうかした?」 犬を吸う人:「犬ってね・・・すごいいい匂いするんですよ・・・」 警察官:「そうなんだ」 犬を吸う人:「首のあたりに顔を埋めた時の、陽だまりの匂いの中に混じったほのかな獣臭(けものしゅう)とか」 警察官:「うんうん」 犬を吸う人:「肉球の思わず涎(よだれ)が出そうになるくらい香ばしい匂いとか」 警察官:「へぇー」 犬を吸う人:「あと、個人的にオススメなのは耳の毛の柔らかさを堪能しながら、匂いを嗅ぐことなんですが・・・」 警察官:「なるほどなるほど」 犬を吸う人:「・・・行かなきゃダメですか?警察署」 警察官:「残念だけど、諦めてください」 犬を吸う人:「はい・・・すみません」 警察官:「ちなみにさ、今更だけどなんで人の家の犬を嗅いでたの?」 犬を吸う人:「あの・・・うち、家族が犬アレルギーで・・・犬を飼いたいのに飼えなくて・・・ 犬を吸う人:その欲求が爆発して、つい・・・」 警察官:「そっか・・・」 犬を吸う人:「情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)の余地とかあります?」 警察官:「うーん・・・要相談かな・・・」 犬を吸う人:「ありがとうございます・・・」 警察官:「怒られた後のしょぼんとした犬みたいになっちゃって・・・ 警察官:あっ、そうだ、良ければあとでうちの犬触りにくる? 警察官:実家、署の近くだから・・・」 犬を吸う人:(食い気味に) 犬を吸う人:「本当ですか!?」 警察官:「うわ、ビックリした」 犬を吸う人:「行きます行きます! 犬を吸う人:うわー!おまわりさん神ですか!? 犬を吸う人:一瞬でもカモにしようとしてすみませんでした!!」 警察官:「良かったね、カモにしなくて。 警察官:してたら今頃、もっと大変だったからね?」 犬を吸う人:「よっし!じゃあ早く行きましょ! 犬を吸う人:ちゃっちゃと調書(ちょうしょ)でも何でも取ってもらって、わんちゃん嗅ぎに行きましょ!」 警察官:「これはひょっとしなくても、犬を嗅ぐ方がメイン扱いになってるなぁ・・・」 犬を吸う人:「あっ、できればわんちゃん抱きしめながら寝たいんですけど、来客用の布団とか用意してもらえたりします?」 警察官:「いや、泊まる気?」 犬を吸う人:「大丈夫、お金ならちゃんと払いますよぉ〜! 犬を吸う人:はい!五百円!」 警察官:(しばらく考え込んだ後) 警察官:「ハッ・・・!ワンコインーーー!?」 0:~FIN~

警察官:「キミ・・・分かってる?」 犬を吸う人:「・・・はい」 警察官:「本当に分かってるよね?」 犬を吸う人:「・・・はい、すみません」 警察官:「じゃあ、とりあえずもう一度聞くね。 警察官:自分が今さっきまで何をしてたか言ってみて」 犬を吸う人:「・・・ました」 警察官:「うん?」 犬を吸う人:「・・・吸ってました」 警察官:「何を?」 犬を吸う人:「・・・犬を吸ってました」 警察官:「なんで犬を吸ってたの?」 犬を吸う人:「そこに犬が居たから・・・」 警察官:「登山家みたいなこと言うね」 犬を吸う人:「へへっ・・・」 警察官:「照れ笑いしてるけど、褒めてはいないからね」 犬を吸う人:「はい・・・」 警察官:「もうビックリだったよ?私も警察官生活長いけどさ。 警察官:犬を吸ってる人がいるんです!助けてください!って通報されたの。 警察官:最初イタズラ電話かと思ったよ」 犬を吸う人:「イタズラなんてそんな・・・私は本気でした」 警察官:「曇りの無い真っ直ぐな瞳で言うね、キミ」 犬を吸う人:「だって、わんちゃんは嫌がって無かったです」 警察官:「嫌がってなかったというか・・・ 警察官:あれは一心不乱に匂いを嗅いでくる人間に対して、怯えて動けなくなっていたというか・・・ 警察官:ドン引きしていたというか・・・」 犬を吸う人:「嘘です!そんなことない!」 警察官:「いや、初めて見たよ。あんな風に死んだ魚のような目をした犬。 警察官:震えながらじっと耐えるその姿に涙出そうになったもん」 犬を吸う人:「そ、そんなこと・・・」 警察官:「声震えてるじゃん。 警察官:さっきキミが嗅ぎまくっていた犬と同じぐらい震えてるじゃん」 犬を吸う人:「おかしい・・・私とあの子は運命の出会いを果たしたはずなのに・・・」 警察官:「・・・あのね。一つ言っておきたいんだけど」 犬を吸う人:「はい」 警察官:「あの犬、キミのじゃないでしょ?」 犬を吸う人:「えっ?」 警察官:「あの犬、キミの飼ってる犬じゃないでしょ?」 犬を吸う人:「ええっ!?」 警察官:「なんでそんな『今知りました』みたいな反応してるの?」 犬を吸う人:「だって・・・私の中ではもう一緒に暮らしてたんですけど・・・」 警察官:「えっ、怖い」 犬を吸う人:「毎日、一緒に芝生の上を駆け回って、フリスビーで遊んじゃったりして・・・」 警察官:「だいぶ具体的に妄想してるね」 犬を吸う人:「二人で寒い冬は身を寄せ合い、互いの温もりを分かち合いながらシングルベッドであの子を抱いて眠る・・・」 警察官:「うんうん、残念ながらくだらない事だって笑って見逃すわけにはいかないので、そろそろ署までご同行願いたいんだけどねー」 犬を吸う人:「嫌です!」 警察官:「はいはーい。嫌なのはわかるけど来てくれると嬉しいなー」 犬を吸う人:「嫌ですっ!!」 警察官:「はいは・・・えっ、すごっ・・・全然動かない。あの、踏ん張らないで・・・」 犬を吸う人:「い!や!で!すぅーーー!!!」 警察官:「すごいね!ビクともしないね! 警察官:散歩を嫌がる柴犬みたいだね!キミィ!!?」 犬を吸う人:「・・・と、言うかそもそも! 犬を吸う人:おまわりさんは犬を飼ったこと無いんですか?」 警察官:(犬を吸う人を全力で引っ張りながら) 警察官:「いや!現在進行形で今も実家で飼ってるけど、それがどうしたの!?」 犬を吸う人:「吸わないんですか!?」 警察官:「へっ!?」 犬を吸う人:「わんちゃん!吸わないんですか!?」 警察官:「吸わないけどぉ!?」 犬を吸う人:(急にテンションを下げて) 犬を吸う人:「えっ・・・」 警察官:「おおお・・・なに急に悲しげな顔して」 犬を吸う人:「だって、わんちゃん飼ってるのに、吸わないっていうから・・・」 警察官:「あっ?なんかダメ?」 犬を吸う人:「人生損してるなぁって思いました」 警察官:「そうなの?」 犬を吸う人:「ええ、万札をドブに棄てるようなものです」 警察官:「えっ、そんなに?ねぇ、そんなに損するレベルなの?」 犬を吸う人:「当たり前ですよ。 犬を吸う人:犬を吸う会から苦情が来ます」 警察官:「何その会。初めて聞いたんだけど」 犬を吸う人:「ふっ・・・なんと、ご存知ない?」 警察官:「今鼻で笑ったね?」 犬を吸う人:「いやぁ、こんなにも素晴らしい会を知らないなんて・・・ふふっ・・・ふふふっ・・・」 警察官:「もしかして、わりと本気でヤバい人だったりする、キミ?」 犬を吸う人:「ふふふふふ・・・わふふふふ・・・」 警察官:「あれ?通報では犬を吸ってるって聞いてたけど、もしかして別のヤバいモンも吸ってる系だった?」 犬を吸う人:「失礼な。私が吸うのは犬だけです」 警察官:「本当に?本当だね???」 犬を吸う人:「あっ、お巡りさんも入ります?犬を吸う会。 犬を吸う人:今なら年会費たったの五百円!」 警察官:「・・・わんこだけにワンコインとか言う?」 犬を吸う人:「すごい・・・!よく分かりましたね・・・!」 警察官:「徐々に思考が読めるようになってきちゃったの、すっごい嫌だなぁ・・・」 犬を吸う人:「あと、今入会すればもれなく副会長の座もプレゼント!」 警察官:「入会してすぐ役職が付いちゃうの?」 犬を吸う人:「はい!犬を吸う会は常に優秀な人材を求めておりますので!」 警察官:「ちなみに聞きたいんだけど、会長は誰?」 犬を吸う人:「私です!」 警察官:「なるほど・・・会員数は?」 犬を吸う人:「オンリーわんっ!」 警察官:「は?」 犬を吸う人:「失礼しました。私一人っていう意味で・・・犬だけに・・・」 警察官:「あっ、そうなんだぁ・・・」 犬を吸う人:「で、どうします?入ります?」 警察官:「いや・・・ちょっと今はいいかな・・・」 犬を吸う人:「そうですか・・・チッ・・・」 警察官:「待って、今舌打ちしたよね?」 犬を吸う人:「してないです」 警察官:「ホントに?」 犬を吸う人:(警察官に迫りながら) 犬を吸う人:「私が舌打ちなんかするような人間に見えます? 犬を吸う人:この純粋な、穢れを知らない子犬のような目を見てください」 警察官:「わかった・・・近い近い・・・」 犬を吸う人:「はぁ~やれやれ、すぐに人を疑うのは良くないですよ。 犬を吸う人:・・・では、私はこれで」 警察官:「待って」 犬を吸う人:「はい?」 警察官:「勢いに押されて忘れてたけど、まだ帰れないからね。キミ」 犬を吸う人:「チッ・・・ずっと忘れたままでいてくれれば良かったのに・・・」 警察官:「あれ?さっきの純粋な子犬のような目はどうしたのかな???」 犬を吸う人:「おまわりさん!」 警察官:「はい」 犬を吸う人:「もしかして、猫吸いだったら許してもらえましたか?」 警察官:「まぁ・・・どうだか分からないけど、そこにいる野良猫とかだったら、まぁ良かったんじゃ・・・」 犬を吸う人:「なんで猫吸いは良くて犬吸いはダメなんですか!?」 警察官:「はい?」 犬を吸う人:「おかしいじゃないですか! 犬を吸う人:私はただ犬を吸ってただけなんですよ! 犬を吸う人:それの何がいけないんですか?」 警察官:「ちょ、落ち着いて・・・」 犬を吸う人:「あれですか? 犬を吸う人:メディアとかで猫吸いは取り上げられてるけど、犬吸いは話題に上がらないからですか!? 犬を吸う人:可愛いアイドルとか綺麗な女優さんが猫吸いにハマってるんですぅ~♡と公共の電波で発信してるのに、犬を吸うのが趣味なんですぅ~♡っていう人がいないせいですか!? 犬を吸う人:流行に乗れていないからですか!?」 警察官:「落ち着いて!!!」 犬を吸う人:「これが落ち着いていられますか!」 警察官:「あのね!問題なのはそこじゃなくて!」 犬を吸う人:「どこですか!!」 警察官:「キミが吸ってたのが、人の犬だったからです!!!」 犬を吸う人:「そこかぁ!!」 警察官:「さっきも言ったけど、むしろそれ以外何があると思ったのォ!?」 犬を吸う人:(急にテンションを下げて) 犬を吸う人:「・・・お巡りさん」 警察官:「・・・どうかした?」 犬を吸う人:「犬ってね・・・すごいいい匂いするんですよ・・・」 警察官:「そうなんだ」 犬を吸う人:「首のあたりに顔を埋めた時の、陽だまりの匂いの中に混じったほのかな獣臭(けものしゅう)とか」 警察官:「うんうん」 犬を吸う人:「肉球の思わず涎(よだれ)が出そうになるくらい香ばしい匂いとか」 警察官:「へぇー」 犬を吸う人:「あと、個人的にオススメなのは耳の毛の柔らかさを堪能しながら、匂いを嗅ぐことなんですが・・・」 警察官:「なるほどなるほど」 犬を吸う人:「・・・行かなきゃダメですか?警察署」 警察官:「残念だけど、諦めてください」 犬を吸う人:「はい・・・すみません」 警察官:「ちなみにさ、今更だけどなんで人の家の犬を嗅いでたの?」 犬を吸う人:「あの・・・うち、家族が犬アレルギーで・・・犬を飼いたいのに飼えなくて・・・ 犬を吸う人:その欲求が爆発して、つい・・・」 警察官:「そっか・・・」 犬を吸う人:「情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)の余地とかあります?」 警察官:「うーん・・・要相談かな・・・」 犬を吸う人:「ありがとうございます・・・」 警察官:「怒られた後のしょぼんとした犬みたいになっちゃって・・・ 警察官:あっ、そうだ、良ければあとでうちの犬触りにくる? 警察官:実家、署の近くだから・・・」 犬を吸う人:(食い気味に) 犬を吸う人:「本当ですか!?」 警察官:「うわ、ビックリした」 犬を吸う人:「行きます行きます! 犬を吸う人:うわー!おまわりさん神ですか!? 犬を吸う人:一瞬でもカモにしようとしてすみませんでした!!」 警察官:「良かったね、カモにしなくて。 警察官:してたら今頃、もっと大変だったからね?」 犬を吸う人:「よっし!じゃあ早く行きましょ! 犬を吸う人:ちゃっちゃと調書(ちょうしょ)でも何でも取ってもらって、わんちゃん嗅ぎに行きましょ!」 警察官:「これはひょっとしなくても、犬を嗅ぐ方がメイン扱いになってるなぁ・・・」 犬を吸う人:「あっ、できればわんちゃん抱きしめながら寝たいんですけど、来客用の布団とか用意してもらえたりします?」 警察官:「いや、泊まる気?」 犬を吸う人:「大丈夫、お金ならちゃんと払いますよぉ〜! 犬を吸う人:はい!五百円!」 警察官:(しばらく考え込んだ後) 警察官:「ハッ・・・!ワンコインーーー!?」 0:~FIN~