台本概要

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タイトル 見返り桜2
作者名 Danzig
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 男女サシ劇台本です。

村に昔から立っている大きな桜
時代をへて多くの物語を紡いできたこの桜に、今回はどんな物語が語られるのでしょうか・・・

セリフは主に女性のセリフで、男性のセリフは少ないです。

アドリブ・改変OKです。

オリジナル台本

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
志津 27
慎太郎 23
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:坂の上にある桜に向って歩く二人、桜の下に到着する。 : 志津:わぁ、もう満開なのですね。 : 慎太郎:おお、左様だな。 これは見事だ : 志津:本当に・・・はらはらと舞い散る花びらが、とても綺麗ですね。 きっと、今日のお酒は美味しいですよ。 : 慎太郎:ははは、そうだとよいな : 志津:慎太郎様。 では、この辺りに致しましょうか : 慎太郎:そうだな : 0:桜の下で、敷物を広げ、座る二人 酌をする志津 : 志津:はい、どうぞ : 慎太郎:うむ : 0:酌を受け取る慎太郎 : 志津:慎太郎様、私にも頂けますか : 慎太郎:あぁ : 0:酌をする慎太郎 : 志津:ありがとうございます。 : 慎太郎:では、一献(いっこん) : 志津:はい、では : 0:酒をのむ二人 : 志津:美味しいですね : 慎太郎:あぁ、いい酒じゃな : 0:暫く見つめあい、慎太郎が杯を口にしようとする : 志津:あの・・ : 慎太郎:ん? : : 志津:きょ・・今日は、 : 0:何かあると思う慎太郎。 手が止まる : 志津:今日は・・・慎太郎様に、お伝えしなければならない事がございまして・・ 志津: 志津:こうして、ここまで来て頂いたのでございます。 : 慎太郎:ほう、そうであったか 慎太郎: 慎太郎:で、その話とは? : 志津:嫁ぐ・・ 志津: 志津:嫁ぐ事となりました 志津: 志津:再来月(さらいげつ)の晴(はれ)の日に・・ : 慎太郎:ほう : 0:杯を飲み干す慎太郎、暫く慎太郎の反応を伺う志津、 しかし期待した反応は得られず : : 志津:ですから、今日は・・慎太郎様に、お別れを言わせて頂こうかと・・・ : 0:暫くの沈黙、 : 慎太郎:なるほどな。 それは、めでたい事ではないか : 志津:そうで御座いますね・・お目出度い事とは思います。 : 慎太郎:志津、何を塞(ふさ)いでおるのだ : 0:酒を飲み干し、ゆっくりと立ち上がる志津 0:桜に近づき、優しく桜の幹にふれる : 志津:この桜・・ : 慎太郎:ん? その桜がどうかしたのか : 志津:幾年も、幾年も 志津:この場所で、人を見守って来たこの桜には、いろんな逸話(いつわ)があるといいます。 志津: 志津:村を出る人々が、故郷(こきょう)との別れを惜しんで必ず振り返る・・とか・・ 志津: 志津:涙を見せられぬ女の代りに、この桜が花弁を散らし、泣いてくれるとか・・ 志津: 志津:この桜の下で打ち明けた恋心は、必ず相手に届く・・とか・・ : 慎太郎:ほう、この桜には、そんな話があるのか・・ : 0:言葉を絞り出すように思いを口にしだす志津 : 志津:昔から・・ 志津: 志津:桜には、人の心を惑(まど)わす「鬼」が住むといいます。 志津:ましてや、このように空一面に咲ほこり、はらはらと、零(こぼ)れ落ちる涙のように、花弁(かべん)を舞い散らせる 志津: 志津:こんな満開の下には・・ : 慎太郎:・・・ : 志津:お、想いを断ち切れと、爪(つめ)が折れるほどに両手を握(にぎ)りしめ。 枯(か)れ果てるほど泣き続けて 志津: 志津:ようやく決めた・・ 志津: 志津:ようやく、決めた、こんな心など・・ 志津: 志津:心など・・ 志津:簡単に折ってしまうような、そんな鬼が住んでいるといいます。 志津: 志津:そして、その鬼は、お酒が好きだから、決して、満開の桜の下で、お酒を飲んではいけないと・・ : 慎太郎の方へ振り替える志津 : 志津:『見返り桜』と名づけられたこの桜の名は、 志津:振り向くまいと、堅(かた)く心に結(むす)んだ決意をも、簡単に折ってしまう、そんな鬼の名前なのだと、聞いております。 : 慎太郎:なるほどのぉ : 志津:ですから・・ですから、もう・・ 志津: 志津:私の、こんな・・こんな、弱い心も 志津: 志津:そんな鬼のせいにしてもよいでしょうか : 慎太郎:うむ : 志津:わ、私を 志津: 志津: 志津:ど、どうか、私を 志津: 志津:つ・・ 志津: 志津: 志津:はぁ・・(胸につまる息を吐く) : 0:言葉を一度飲み込む志津 : 0:意を決して言葉を絞り出す志津 : 志津:連れて・・連れて、逃げては下さらないでしょうか・・ : 0:微笑む慎太郎 : 慎太郎:うむ 慎太郎:そうか・・ 慎太郎: 慎太郎:では、そうせねばなるまいな : 0:真っすぐな慎太郎の姿勢に急に不安にある志津 : 志津:あぁ・・私はなんという事を・・ 志津:でも、それでは、慎太郎様のお命が・・ : 慎太郎:ははは、それは致(いた)し方あるまいて。 なにせ、鬼が決めた事だからな : 志津:慎太郎様・・それも・・鬼のせい・・と・・ : 慎太郎:あぁ、そうだ。 桜の下に住むという「鬼」とやらに、してやられたわ。 ははは : 0:慎太郎の身を案ずる志津 : 志津:しかし・・・それでは、慎太郎様が・・ : 慎太郎:それで、よいではないか : 0:盃の酒を飲み干す慎太郎 : 慎太郎:美味い酒・・見事な桜・・ 慎太郎:これでは、さぞ鬼も上機嫌(じょうきげん)じゃろうて 慎太郎: 慎太郎:志津 : 志津:はい・・ : 慎太郎:この先は、ほんの束(つか)の間の人生となるが、この俺についてくるか? : 0:涙をぬぐう志津 : 志津:はい! 志津:どこまでも、付いてまいります : 0:完

0:坂の上にある桜に向って歩く二人、桜の下に到着する。 : 志津:わぁ、もう満開なのですね。 : 慎太郎:おお、左様だな。 これは見事だ : 志津:本当に・・・はらはらと舞い散る花びらが、とても綺麗ですね。 きっと、今日のお酒は美味しいですよ。 : 慎太郎:ははは、そうだとよいな : 志津:慎太郎様。 では、この辺りに致しましょうか : 慎太郎:そうだな : 0:桜の下で、敷物を広げ、座る二人 酌をする志津 : 志津:はい、どうぞ : 慎太郎:うむ : 0:酌を受け取る慎太郎 : 志津:慎太郎様、私にも頂けますか : 慎太郎:あぁ : 0:酌をする慎太郎 : 志津:ありがとうございます。 : 慎太郎:では、一献(いっこん) : 志津:はい、では : 0:酒をのむ二人 : 志津:美味しいですね : 慎太郎:あぁ、いい酒じゃな : 0:暫く見つめあい、慎太郎が杯を口にしようとする : 志津:あの・・ : 慎太郎:ん? : : 志津:きょ・・今日は、 : 0:何かあると思う慎太郎。 手が止まる : 志津:今日は・・・慎太郎様に、お伝えしなければならない事がございまして・・ 志津: 志津:こうして、ここまで来て頂いたのでございます。 : 慎太郎:ほう、そうであったか 慎太郎: 慎太郎:で、その話とは? : 志津:嫁ぐ・・ 志津: 志津:嫁ぐ事となりました 志津: 志津:再来月(さらいげつ)の晴(はれ)の日に・・ : 慎太郎:ほう : 0:杯を飲み干す慎太郎、暫く慎太郎の反応を伺う志津、 しかし期待した反応は得られず : : 志津:ですから、今日は・・慎太郎様に、お別れを言わせて頂こうかと・・・ : 0:暫くの沈黙、 : 慎太郎:なるほどな。 それは、めでたい事ではないか : 志津:そうで御座いますね・・お目出度い事とは思います。 : 慎太郎:志津、何を塞(ふさ)いでおるのだ : 0:酒を飲み干し、ゆっくりと立ち上がる志津 0:桜に近づき、優しく桜の幹にふれる : 志津:この桜・・ : 慎太郎:ん? その桜がどうかしたのか : 志津:幾年も、幾年も 志津:この場所で、人を見守って来たこの桜には、いろんな逸話(いつわ)があるといいます。 志津: 志津:村を出る人々が、故郷(こきょう)との別れを惜しんで必ず振り返る・・とか・・ 志津: 志津:涙を見せられぬ女の代りに、この桜が花弁を散らし、泣いてくれるとか・・ 志津: 志津:この桜の下で打ち明けた恋心は、必ず相手に届く・・とか・・ : 慎太郎:ほう、この桜には、そんな話があるのか・・ : 0:言葉を絞り出すように思いを口にしだす志津 : 志津:昔から・・ 志津: 志津:桜には、人の心を惑(まど)わす「鬼」が住むといいます。 志津:ましてや、このように空一面に咲ほこり、はらはらと、零(こぼ)れ落ちる涙のように、花弁(かべん)を舞い散らせる 志津: 志津:こんな満開の下には・・ : 慎太郎:・・・ : 志津:お、想いを断ち切れと、爪(つめ)が折れるほどに両手を握(にぎ)りしめ。 枯(か)れ果てるほど泣き続けて 志津: 志津:ようやく決めた・・ 志津: 志津:ようやく、決めた、こんな心など・・ 志津: 志津:心など・・ 志津:簡単に折ってしまうような、そんな鬼が住んでいるといいます。 志津: 志津:そして、その鬼は、お酒が好きだから、決して、満開の桜の下で、お酒を飲んではいけないと・・ : 慎太郎の方へ振り替える志津 : 志津:『見返り桜』と名づけられたこの桜の名は、 志津:振り向くまいと、堅(かた)く心に結(むす)んだ決意をも、簡単に折ってしまう、そんな鬼の名前なのだと、聞いております。 : 慎太郎:なるほどのぉ : 志津:ですから・・ですから、もう・・ 志津: 志津:私の、こんな・・こんな、弱い心も 志津: 志津:そんな鬼のせいにしてもよいでしょうか : 慎太郎:うむ : 志津:わ、私を 志津: 志津: 志津:ど、どうか、私を 志津: 志津:つ・・ 志津: 志津: 志津:はぁ・・(胸につまる息を吐く) : 0:言葉を一度飲み込む志津 : 0:意を決して言葉を絞り出す志津 : 志津:連れて・・連れて、逃げては下さらないでしょうか・・ : 0:微笑む慎太郎 : 慎太郎:うむ 慎太郎:そうか・・ 慎太郎: 慎太郎:では、そうせねばなるまいな : 0:真っすぐな慎太郎の姿勢に急に不安にある志津 : 志津:あぁ・・私はなんという事を・・ 志津:でも、それでは、慎太郎様のお命が・・ : 慎太郎:ははは、それは致(いた)し方あるまいて。 なにせ、鬼が決めた事だからな : 志津:慎太郎様・・それも・・鬼のせい・・と・・ : 慎太郎:あぁ、そうだ。 桜の下に住むという「鬼」とやらに、してやられたわ。 ははは : 0:慎太郎の身を案ずる志津 : 志津:しかし・・・それでは、慎太郎様が・・ : 慎太郎:それで、よいではないか : 0:盃の酒を飲み干す慎太郎 : 慎太郎:美味い酒・・見事な桜・・ 慎太郎:これでは、さぞ鬼も上機嫌(じょうきげん)じゃろうて 慎太郎: 慎太郎:志津 : 志津:はい・・ : 慎太郎:この先は、ほんの束(つか)の間の人生となるが、この俺についてくるか? : 0:涙をぬぐう志津 : 志津:はい! 志津:どこまでも、付いてまいります : 0:完