台本概要
122 views
タイトル | 見返り桜2 |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
男女サシ劇台本です。 村に昔から立っている大きな桜 時代をへて多くの物語を紡いできたこの桜に、今回はどんな物語が語られるのでしょうか・・・ セリフは主に女性のセリフで、男性のセリフは少ないです。 アドリブ・改変OKです。 オリジナル台本 122 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
志津 | 女 | 27 | |
慎太郎 | 男 | 23 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:坂の上にある桜に向って歩く二人、桜の下に到着する。
:
志津:わぁ、もう満開なのですね。
:
慎太郎:おお、左様だな。 これは見事だ
:
志津:本当に・・・はらはらと舞い散る花びらが、とても綺麗ですね。 きっと、今日のお酒は美味しいですよ。
:
慎太郎:ははは、そうだとよいな
:
志津:慎太郎様。 では、この辺りに致しましょうか
:
慎太郎:そうだな
:
0:桜の下で、敷物を広げ、座る二人 酌をする志津
:
志津:はい、どうぞ
:
慎太郎:うむ
:
0:酌を受け取る慎太郎
:
志津:慎太郎様、私にも頂けますか
:
慎太郎:あぁ
:
0:酌をする慎太郎
:
志津:ありがとうございます。
:
慎太郎:では、一献(いっこん)
:
志津:はい、では
:
0:酒をのむ二人
:
志津:美味しいですね
:
慎太郎:あぁ、いい酒じゃな
:
0:暫く見つめあい、慎太郎が杯を口にしようとする
:
志津:あの・・
:
慎太郎:ん?
:
:
志津:きょ・・今日は、
:
0:何かあると思う慎太郎。 手が止まる
:
志津:今日は・・・慎太郎様に、お伝えしなければならない事がございまして・・
志津:
志津:こうして、ここまで来て頂いたのでございます。
:
慎太郎:ほう、そうであったか
慎太郎:
慎太郎:で、その話とは?
:
志津:嫁ぐ・・
志津:
志津:嫁ぐ事となりました
志津:
志津:再来月(さらいげつ)の晴(はれ)の日に・・
:
慎太郎:ほう
:
0:杯を飲み干す慎太郎、暫く慎太郎の反応を伺う志津、 しかし期待した反応は得られず
:
:
志津:ですから、今日は・・慎太郎様に、お別れを言わせて頂こうかと・・・
:
0:暫くの沈黙、
:
慎太郎:なるほどな。 それは、めでたい事ではないか
:
志津:そうで御座いますね・・お目出度い事とは思います。
:
慎太郎:志津、何を塞(ふさ)いでおるのだ
:
0:酒を飲み干し、ゆっくりと立ち上がる志津
0:桜に近づき、優しく桜の幹にふれる
:
志津:この桜・・
:
慎太郎:ん? その桜がどうかしたのか
:
志津:幾年も、幾年も
志津:この場所で、人を見守って来たこの桜には、いろんな逸話(いつわ)があるといいます。
志津:
志津:村を出る人々が、故郷(こきょう)との別れを惜しんで必ず振り返る・・とか・・
志津:
志津:涙を見せられぬ女の代りに、この桜が花弁を散らし、泣いてくれるとか・・
志津:
志津:この桜の下で打ち明けた恋心は、必ず相手に届く・・とか・・
:
慎太郎:ほう、この桜には、そんな話があるのか・・
:
0:言葉を絞り出すように思いを口にしだす志津
:
志津:昔から・・
志津:
志津:桜には、人の心を惑(まど)わす「鬼」が住むといいます。
志津:ましてや、このように空一面に咲ほこり、はらはらと、零(こぼ)れ落ちる涙のように、花弁(かべん)を舞い散らせる
志津:
志津:こんな満開の下には・・
:
慎太郎:・・・
:
志津:お、想いを断ち切れと、爪(つめ)が折れるほどに両手を握(にぎ)りしめ。 枯(か)れ果てるほど泣き続けて
志津:
志津:ようやく決めた・・
志津:
志津:ようやく、決めた、こんな心など・・
志津:
志津:心など・・
志津:簡単に折ってしまうような、そんな鬼が住んでいるといいます。
志津:
志津:そして、その鬼は、お酒が好きだから、決して、満開の桜の下で、お酒を飲んではいけないと・・
:
慎太郎の方へ振り替える志津
:
志津:『見返り桜』と名づけられたこの桜の名は、
志津:振り向くまいと、堅(かた)く心に結(むす)んだ決意をも、簡単に折ってしまう、そんな鬼の名前なのだと、聞いております。
:
慎太郎:なるほどのぉ
:
志津:ですから・・ですから、もう・・
志津:
志津:私の、こんな・・こんな、弱い心も
志津:
志津:そんな鬼のせいにしてもよいでしょうか
:
慎太郎:うむ
:
志津:わ、私を
志津:
志津:
志津:ど、どうか、私を
志津:
志津:つ・・
志津:
志津:
志津:はぁ・・(胸につまる息を吐く)
:
0:言葉を一度飲み込む志津
:
0:意を決して言葉を絞り出す志津
:
志津:連れて・・連れて、逃げては下さらないでしょうか・・
:
0:微笑む慎太郎
:
慎太郎:うむ
慎太郎:そうか・・
慎太郎:
慎太郎:では、そうせねばなるまいな
:
0:真っすぐな慎太郎の姿勢に急に不安にある志津
:
志津:あぁ・・私はなんという事を・・
志津:でも、それでは、慎太郎様のお命が・・
:
慎太郎:ははは、それは致(いた)し方あるまいて。 なにせ、鬼が決めた事だからな
:
志津:慎太郎様・・それも・・鬼のせい・・と・・
:
慎太郎:あぁ、そうだ。 桜の下に住むという「鬼」とやらに、してやられたわ。 ははは
:
0:慎太郎の身を案ずる志津
:
志津:しかし・・・それでは、慎太郎様が・・
:
慎太郎:それで、よいではないか
:
0:盃の酒を飲み干す慎太郎
:
慎太郎:美味い酒・・見事な桜・・
慎太郎:これでは、さぞ鬼も上機嫌(じょうきげん)じゃろうて
慎太郎:
慎太郎:志津
:
志津:はい・・
:
慎太郎:この先は、ほんの束(つか)の間の人生となるが、この俺についてくるか?
:
0:涙をぬぐう志津
:
志津:はい!
志津:どこまでも、付いてまいります
:
0:完
0:坂の上にある桜に向って歩く二人、桜の下に到着する。
:
志津:わぁ、もう満開なのですね。
:
慎太郎:おお、左様だな。 これは見事だ
:
志津:本当に・・・はらはらと舞い散る花びらが、とても綺麗ですね。 きっと、今日のお酒は美味しいですよ。
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慎太郎:ははは、そうだとよいな
:
志津:慎太郎様。 では、この辺りに致しましょうか
:
慎太郎:そうだな
:
0:桜の下で、敷物を広げ、座る二人 酌をする志津
:
志津:はい、どうぞ
:
慎太郎:うむ
:
0:酌を受け取る慎太郎
:
志津:慎太郎様、私にも頂けますか
:
慎太郎:あぁ
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0:酌をする慎太郎
:
志津:ありがとうございます。
:
慎太郎:では、一献(いっこん)
:
志津:はい、では
:
0:酒をのむ二人
:
志津:美味しいですね
:
慎太郎:あぁ、いい酒じゃな
:
0:暫く見つめあい、慎太郎が杯を口にしようとする
:
志津:あの・・
:
慎太郎:ん?
:
:
志津:きょ・・今日は、
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0:何かあると思う慎太郎。 手が止まる
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志津:今日は・・・慎太郎様に、お伝えしなければならない事がございまして・・
志津:
志津:こうして、ここまで来て頂いたのでございます。
:
慎太郎:ほう、そうであったか
慎太郎:
慎太郎:で、その話とは?
:
志津:嫁ぐ・・
志津:
志津:嫁ぐ事となりました
志津:
志津:再来月(さらいげつ)の晴(はれ)の日に・・
:
慎太郎:ほう
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0:杯を飲み干す慎太郎、暫く慎太郎の反応を伺う志津、 しかし期待した反応は得られず
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志津:ですから、今日は・・慎太郎様に、お別れを言わせて頂こうかと・・・
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0:暫くの沈黙、
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慎太郎:なるほどな。 それは、めでたい事ではないか
:
志津:そうで御座いますね・・お目出度い事とは思います。
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慎太郎:志津、何を塞(ふさ)いでおるのだ
:
0:酒を飲み干し、ゆっくりと立ち上がる志津
0:桜に近づき、優しく桜の幹にふれる
:
志津:この桜・・
:
慎太郎:ん? その桜がどうかしたのか
:
志津:幾年も、幾年も
志津:この場所で、人を見守って来たこの桜には、いろんな逸話(いつわ)があるといいます。
志津:
志津:村を出る人々が、故郷(こきょう)との別れを惜しんで必ず振り返る・・とか・・
志津:
志津:涙を見せられぬ女の代りに、この桜が花弁を散らし、泣いてくれるとか・・
志津:
志津:この桜の下で打ち明けた恋心は、必ず相手に届く・・とか・・
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慎太郎:ほう、この桜には、そんな話があるのか・・
:
0:言葉を絞り出すように思いを口にしだす志津
:
志津:昔から・・
志津:
志津:桜には、人の心を惑(まど)わす「鬼」が住むといいます。
志津:ましてや、このように空一面に咲ほこり、はらはらと、零(こぼ)れ落ちる涙のように、花弁(かべん)を舞い散らせる
志津:
志津:こんな満開の下には・・
:
慎太郎:・・・
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志津:お、想いを断ち切れと、爪(つめ)が折れるほどに両手を握(にぎ)りしめ。 枯(か)れ果てるほど泣き続けて
志津:
志津:ようやく決めた・・
志津:
志津:ようやく、決めた、こんな心など・・
志津:
志津:心など・・
志津:簡単に折ってしまうような、そんな鬼が住んでいるといいます。
志津:
志津:そして、その鬼は、お酒が好きだから、決して、満開の桜の下で、お酒を飲んではいけないと・・
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慎太郎の方へ振り替える志津
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志津:『見返り桜』と名づけられたこの桜の名は、
志津:振り向くまいと、堅(かた)く心に結(むす)んだ決意をも、簡単に折ってしまう、そんな鬼の名前なのだと、聞いております。
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慎太郎:なるほどのぉ
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志津:ですから・・ですから、もう・・
志津:
志津:私の、こんな・・こんな、弱い心も
志津:
志津:そんな鬼のせいにしてもよいでしょうか
:
慎太郎:うむ
:
志津:わ、私を
志津:
志津:
志津:ど、どうか、私を
志津:
志津:つ・・
志津:
志津:
志津:はぁ・・(胸につまる息を吐く)
:
0:言葉を一度飲み込む志津
:
0:意を決して言葉を絞り出す志津
:
志津:連れて・・連れて、逃げては下さらないでしょうか・・
:
0:微笑む慎太郎
:
慎太郎:うむ
慎太郎:そうか・・
慎太郎:
慎太郎:では、そうせねばなるまいな
:
0:真っすぐな慎太郎の姿勢に急に不安にある志津
:
志津:あぁ・・私はなんという事を・・
志津:でも、それでは、慎太郎様のお命が・・
:
慎太郎:ははは、それは致(いた)し方あるまいて。 なにせ、鬼が決めた事だからな
:
志津:慎太郎様・・それも・・鬼のせい・・と・・
:
慎太郎:あぁ、そうだ。 桜の下に住むという「鬼」とやらに、してやられたわ。 ははは
:
0:慎太郎の身を案ずる志津
:
志津:しかし・・・それでは、慎太郎様が・・
:
慎太郎:それで、よいではないか
:
0:盃の酒を飲み干す慎太郎
:
慎太郎:美味い酒・・見事な桜・・
慎太郎:これでは、さぞ鬼も上機嫌(じょうきげん)じゃろうて
慎太郎:
慎太郎:志津
:
志津:はい・・
:
慎太郎:この先は、ほんの束(つか)の間の人生となるが、この俺についてくるか?
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0:涙をぬぐう志津
:
志津:はい!
志津:どこまでも、付いてまいります
:
0:完