台本概要
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タイトル | Fair & Cheating シーザーのメダル(男×女版) |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) ※兼役あり |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
フェア & チーティング シリーズ シーザーのメダルの男×女版です。 「シーザーのメダル」と呼ばれる不思議なメダルをかけてルーレット勝負をします。 登場人物の他に、ナレーションと黒服が出てきますが、セリフが少ない為、兼ね役と考えています。 兼ね役が難しい場合は、男女不問×2を足した4人劇となります。 72 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ヴァネッサ | 女 | 91 | Vanessa・Voltaine(ヴァネッサ・ヴォルテーヌ)。 女ギャンブラー |
クロード | 男 | 92 | Claude・Caldwell(クロード・コールドウェル)。 イカサマ師 |
ナレーション | 不問 | 17 | 全体を通してのナレーション |
黒服 | 不問 | 3 | カジノでルーレットの目をコールします。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
:
ナレーション:とあるカジノ
ナレーション:訳ありげな娘がルーレットに参加しているが、何故か負け続け・・・・
ナレーション:最後の勝負も負けてしまった。
ナレーション:落ち込む娘、チップ取り上げようとするディーラー
ナレーション:そこへ声をかける一人の女
:
ヴァネッサ:ちょっとまって、どうしてそれが黒(ノアール)なの?
:
ナレーション:しかし、ルーレットの玉は確かに黒(ノアール)の26に入っている
:
ヴァネッサ:あら、あなた達にはこれが黒の26に見えるのね?
ヴァネッサ:フフフ 可笑しいわねぇ
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:でもね、ほらこうすると、赤(ルージュ)の30になるでしょ
ヴァネッサ:だ・か・ら、
ヴァネッサ:今の勝負、このお嬢さんの勝ちって訳ね
:
ナレーション:ルーレットを囲む客全員が殺気立ち、立ち上がろうとする
:
ヴァネッサ:騒がないで!
ヴァネッサ:じっとしてなさい
:
0:一瞬で全員が動かなくなる
:
ヴァネッサ:あなたはこれを持ってもうお帰りなさい
:
ナレーション:負けた金を娘に渡して帰らせる女
ナレーション:女にお辞儀をして帰る娘 娘を止めようとする男
:
ヴァネッサ:じっとしてなさいって言ってるでしょ!
:
ナレーション:振り返り、ディーラーを睨む女
:
ヴァネッサ:カジノが客とつるんで一人の娘をカモろうだなんて、どういう事かしら
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:まぁ、誰をどうしようと私の知った事じゃないんだけど・・・
ヴァネッサ:イカサマはダメね
ヴァネッサ:ディーラーってのはね、腕で勝負するもんでしょ
ヴァネッサ:変な機械使わなきゃ勝てないんなら、ディーラーなんてやめちゃえば?
:
ナレーション:益々殺気立ち、懐に手を入れる男達
:
ヴァネッサ:あら、ここで引き金を引くのも悪くないんだけど
ヴァネッサ:そんな事したら、他のお客さんにイカサマがバレちゃうわよ。
ヴァネッサ:いいのかしら
:
0:戸惑うディーラーと客
:
ヴァネッサ:どう? あんた達もギャンブラーの端くれなら、この私と勝負してみない?
ヴァネッサ:さぁ、勝負するのはあなた? それともあなたかしら?
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:どんな勝負でも、この私がお相手してあげるわよ
:
:
:
ナレーション:ひと騒動済んだ後、一人通路を歩くヴァネッサ
ナレーション:一人の男の前を通り過ぎる
:
クロード:イカサマ・・・いいんじゃないの?
:
ヴァネッサ:え?
:
0:立ち止まる女
:
クロード:お姉さん、強いねぇ、惚れ惚れしちゃうよ
:
ヴァネッサ:あなた・・・誰?
:
クロード:フフフ
クロード:俺? 「イ・カ・サ・マ・師」
:
ヴァネッサ:まぁ、それで?
ヴァネッサ:あなたが私と勝負するの?
:
クロード:いや、今日はやめておくよ
クロード:今日のお姉さんは、ちょいと強そうだし、それに・・・
:
ヴァネッサ:それに?
:
クロード:また近いうちに、お姉さんとは絡む事もあるでしょ
クロード:二人が赤い糸で結ばれているならね
:
ヴァネッサ:まぁ、キザね
ヴァネッサ:でも、そういうの、嫌いじゃないわよ
ヴァネッサ:じゃ、私は行くわね
:
クロード:あぁ、ごきげんよう
:
0:立ち去ろうとする女
:
クロード:あ、そうだ
:
ヴァネッサ:何?
:
0:立ち止まる女
:
クロード:お近づきの記(しるし)に、お姉さんの名前を教えてもらえますか
:
ヴァネッサ:そうね・・・
ヴァネッサ:今度でいいんじゃないのかしら?
ヴァネッサ:赤い糸があるならね
:
クロード:釣れないんだね
:
0:苦笑いをする男
:
ヴァネッサ:フフ じゃぁね
:
クロード:あぁ
:
0:立ち去る女、佇む男
:
:
ナレーション:いわくのありそうな、一枚のメダルをかけて、ディッカー財団のエージェントと勝負をする事となったヴァネッサ
ナレーション:その打ち合わせの場所
:
ヴァネッサ:こっちはその条件でOKよ
ヴァネッサ:私が勝ったら約束通り、二度とこのメダルを狙わないで頂戴
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:で、私の相手をするのは誰かしら?
:
ナレーション:エージェントの後ろから男が現れる
:
クロード:俺だよ
:
ヴァネッサ:あら、あなたは確か・・・
:
クロード:こんにちは、お姉さん
クロード:やっぱりまた会えましたね
:
ヴァネッサ:そうみたいね
:
クロード:お姉さんとは、またお会いできると思ってましたよ
:
ヴァネッサ:そう?
ヴァネッサ:私は思ってなかったけど
:
クロード:そんな釣れない事言わないでさ
クロード:何の因果か、こんな形になっちゃったけど、やっぱり赤い糸はあるんだねぇ
:
ヴァネッサ:あなた、ディッカー財団の人だったの?
:
クロード:いや、そうじゃない
クロード:俺は何処にも属しちゃいないよ
クロード:
クロード:たださ、この組織に、ちょっとした借りが出来ちゃってね。
クロード:今回だけ、普段はやらない「代打ち」を引き受けたって訳さ
:
ヴァネッサ:ふーん、そうなの
ヴァネッサ:ところであなた、この勝負がどんな勝負か知ってるの?
:
クロード:あぁ、こいつらから聞いたよ。
クロード:何やら、とんでもない秘密が隠されたメダルってやつを掛けるってな。
:
ヴァネッサ:・・・
:
クロード:なんでも、「シーザーのメダル」とか言って、
クロード:20枚集めて、満月の夜に台座の上に並べれば、古代ローマの莫大な財宝の在り処が示されるって話なんだって?
:
ヴァネッサ:知ってたの・・・
:
クロード:でも、俺はそんな「おとぎ話」みたいな話は信じないし、財宝ってのにも興味ないけどね・・・
:
ヴァネッサ:あなた達にとってはそうかもしれないけど、
ヴァネッサ:このメダルはね、小さな村の教会の持ち物で、そこの村の人達が長い間ずっと大切にしてきたものなの
ヴァネッサ:言わば村の宝なのよ。
ヴァネッサ:変な財宝なんかと一緒にしないで
:
クロード:そうだったのかい、そいつは知らなかったな
:
ヴァネッサ:そう、じゃあなたにとって、この勝ち負けはどうでもいいのね。
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:でも、私にとっては負ける訳にはいかない勝負なの。
:
クロード:なるほど
:
ヴァネッサ:もしあなたが負けてくれるなら、私がちょっとサービスしてあげてもいいわよ♪
:
クロード:お! そいつはそそる話だねぇ
:
ヴァネッサ:でしょ、 どう?
:
クロード:だがね、お姉さん、
クロード:色気や正義を勝負に持ち込む程、俺もウブじゃないんでね。
:
ヴァネッサ:まぁ
:
クロード:それに、今回の代打ちで俺が負けたら、俺はこいつらに殺されちまう。
クロード:俺にとっても負ける訳にはいかない勝負なんだ
クロード:だから、その村の人には悪いが・・・
:
クロード:手加減は無しだ
:
ヴァネッサ:・・・・そう・・わかったわ
:
0:一瞬緊張した空気が流れる
:
クロード:そうそう、
クロード:メダルを集めるといえば、カルダスヘーゼの物語を思い出すなぁ
:
ヴァネッサ:え?
ヴァネッサ:カルダスヘーゼ?
:
クロード:小さいころ好きだったんだよなぁ
クロード:村の人達に「ラ・ルース」のご加護があらんことを・・・なんちゃってヘヘへ
:
ヴァネッサ:勝負の前に呑気なものね
:
クロード:あ、そうだ
クロード:勝負の前にお姉さんの名前を教えてよ
クロード:まだ教えて貰ってなかったよね。
:
ヴァネッサ:どうしてあなたなんかに教えなきゃ・・・
クロード:これが最後になるかもしれないし
:
0:ヴァネッサの言葉を遮るように真剣な声で言うクロード
:
ヴァネッサ:・・・そ、そういうのって、男の方から名乗るもんじゃないの?
:
クロード:そうだったね、こりゃ失礼
クロード:俺の名前はクロード、クロード・コールドウェル、
クロード:みんなは俺の事をクロウって呼ぶよ。以後、お見知りおきを
:
ヴァネッサ:私は・・・ヴァネッサ、ヴァネッサ・ヴォルテーヌよ
:
クロード:ヴァネッサか、よろしくなヴァネッサ
:
0:少し見つめ合う二人
:
クロード:さぁ、お前たち、今日はもう、これでいいだろ?
クロード:俺は帰るぜ
:
0:財団の面子に促し背中を向けるクロード
0:
0:去りながら
:
クロード:じゃ、ヴァネッサ、3日後に決戦の場で、また会おう
:
ヴァネッサ:変な男・・・調子狂っちゃうわね
:
:
クロード:よう、ヴァネッサ、今日はよろしくね
:
ヴァネッサ:気安く呼ばないで
:
クロード:相変わらず釣れないんだね
クロード:
クロード:ヴァネッサ、君とはもっと違う形で勝負をしてみたかったよ
クロード:でもまぁこれも何かの縁さ、お互い負けられない勝負なら、どっちが勝っても文句は無しと行こうぜ
:
ヴァネッサ:ええ、いいわ。どうせ、お互い負けるつもりなんてないんだし
:
クロード:そいつはどうかな
:
ヴァネッサ:え?
:
ナレーション:銃を抜くエージェント
:
クロード:おいおい、俺は今ヴァネッサと話をしてるんだぜ
クロード:横から汚い拳銃なんて出してんじゃねぇよ
クロード:
クロード:心配するな、俺は負けねぇよ。つまらない事で、いちいち話に水を差すんじゃねぇよ
:
ヴァネッサ:あら、随分な自信ね
:
クロード:あぁ、ちょっとした理由があってね
:
ヴァネッサ:聞きたいわね、その理由を
:
クロード:ははは、まぁ大した事じゃないんだがね
:
ヴァネッサ:だから、何よ
:
クロード:それは、俺が男で、君が女って事さ。俺は女には負けないからね
:
ヴァネッサ:あら以外ね、女をバカにするような人には見えなかったけど
:
クロード:いや、そういう事じゃないんだ
:
ヴァネッサ:じゃ、どうして?
:
クロード:いや、なぁにね、大した事じゃないんだけど
クロード:
クロード:勝利の神様ってのは、女神と相場が決まってるのさ
クロード:俺はそういう女に意外とモテるんだ
:
ヴァネッサ:まぁ、バカみたい
:
クロード:ははは、意外とバカにならないもんだぜ
クロード:じゃ、勝負と行こうか
:
ヴァネッサ:わかったわ
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:もう一度、ルールを確認するわ
ヴァネッサ:勝負はこちらの要求通り、ルーレット、お互いが交互にディーラーとプレイヤーになって5番勝負
ヴァネッサ:5回終わった時点でチップの多い方が勝ち
ヴァネッサ:それで、いいわね
:
クロード:ああ、いいぜ
クロード:それと、こっちからも条件があるって言ってたな
:
ヴァネッサ:何よ、条件って
:
クロード:ディーラーが先にボールを投げる事
クロード:プレイヤーは、ディーラがボールを投げたあと、ボールが落ちる前にチップを掛ける事、だってさ
:
ヴァネッサ:え?
:
クロード:イカサマ防止だよ
クロード:なんでも、凄腕のディーラーは、自分の好きな目にボールを入られるんだってね
クロード:だから、チップを掛けた後じゃ、外されちゃうんだってさ
:
ヴァネッサ:そ、そう・・
ヴァネッサ:こっちはそれでいいわ
:
クロード:OK、じゃ始めよう
:
0:ゲームが進む
:
黒服:ノワール35
:
クロード:おいおい
:
ヴァネッサ:幸先いいわね
:
黒服:ノワール17
:
クロード:またかよ
:
ヴァネッサ:おあいにく様
:
クロード:冗談じゃねえぜ
:
黒服:ルージュ23
:
クロード:ホントかよ
:
ヴァネッサ:悪いわね
:
クロード:勘弁してくれよ
:
ヴァネッサ:大分差がついちゃったかしら
ヴァネッサ:次、あなたの最後のディーラーね
ヴァネッサ:ここで私が当てれば、逆転も出来なくなっちゃうわね
:
クロード:そうならない事を祈ってるよ
クロード:
クロード:じゃ行くぜ
:
ナレーション:クロードがボールを投げ入れる。
:
ヴァネッサ:私はノワールにマックスベット
:
0:ウィールにボールが落ちる
:
クロード:ノ、ノワールの15・・
:
ヴァネッサ:悪いわね
ヴァネッサ:これで、あなたの最後の勝負は、インサイドベットするしかなくなっちゃたわね
:
クロード:あぁ、そうみたいだな
:
ヴァネッサ:じゃ私の最後のディーラーね
ヴァネッサ:行くわよ、いい?
:
クロード:あぁいいぜ
:
ヴァネッサ:どうしたの、心なしか元気がないみたいだけど
:
クロード:そんな事はないさ
:
ヴァネッサ:そんな顔してたんじゃ、女神だって微笑んでくれないわよ
ヴァネッサ:じゃ行くわよ
:
クロード:ああ
:
ナレーション:ヴァネッサがボールを投げ入れる。
:
ヴァネッサ:どうしたの?
ヴァネッサ:早く掛けないとウィールにボールが落ちちゃうわよ
:
クロード:・・・
:
ヴァネッサ:考えたって分かるわけないじゃない
ヴァネッサ:あなたの勝利の女神よりも、ラ・ルースのご加護の方が大きかったみたいね フフフ
:
ナレーション:回るボールを見ながら、クロードが宣言する
:
クロード:ルージュの5だ、ルージュの5にマックスベット
:
ナレーション:そしてボールが落ちる
:
ヴァネッサ:ル、ルージュの5・・
:
クロード:悪いなヴァネッサ
クロード:やっぱり神様は女神だったわ
:
ヴァネッサ:そうみたいね
ヴァネッサ:あぁーあ、負けたわ
:
クロード:じゃ約束通り、恨みっこなしで
:
ヴァネッサ:ええ、いいわ
:
:
クロード:これで俺の役目は終わったな、後はお前らの好きにしな。じゃ俺は帰るぜ
:
クロード:じゃぁなヴァネッサ、またどこかで合おう
:
:
ナレーション:とあるバー
ナレーション:ヴァネッサがカウンターで酒を飲んでいる。
:
ヴァネッサ:マスターおかわり
:
ナレーション:ふてくされ気味に、呑んでいるヴァネッサ
ナレーション:そこへ一人の男が近寄ってくる
:
クロード:やぁ、ヴァネッサ
:
ヴァネッサ:あぁ、クロード
:
クロード:ここだって聞いてさ
クロード:隣いい?
:
ヴァネッサ:どうぞ
ヴァネッサ:やだって言ったって座るんでしょ?
:
クロード:はは、じゃぁ失礼して
:
0:席に座るクロード
:
クロード:マスター、マティーニ
:
ナレーション:マティーニが出されるが、クロードは口にしない
:
クロード:機嫌悪いじゃない
:
ヴァネッサ:そりゃね
:
クロード:今日はお疲れさん、
クロード:いやぁ首の皮が繋がったぜ、良かった良かった
:
ヴァネッサ:私の負けは高く付くわよ
:
クロード:分かってるって
クロード:はい、お土産
:
0:メダルを台の上に置くクロード
:
ヴァネッサ:メダル?
:
クロード:あぁ、ディッカーのコレクションの中の一枚を偽物とすり替えて来た
:
ヴァネッサ:村のものとは違うのよね?
:
クロード:だけどまぁ、形は同じだから、これで勘弁してよ
クロード:村のメダルをすり替えると、もし奴らが偽物だと気づいたら、村が危なくなるからね
クロード:村のメダルは、奴らが持っていた方が、平和なんだよ
:
ヴァネッサ:まぁ、それもそうね、いいわ、ありがとう
ヴァネッサ:きっと村の人達も喜ぶと思うわ
:
クロード:これで貸し借りなし・・・
:
ヴァネッサ:んなわけないじゃない
:
クロード:あぁ・・やっぱり?
:
ヴァネッサ:当たり前じゃない、勝ちを譲ってあげたんだから
:
クロード:でも、あそこでヴァネッサが勝ったって、今度は力ずくで奴らはメダルを奪うぜ
:
ヴァネッサ:それはそうだけど
:
クロード:だからさ、もうそれでいいじゃない
:
ヴァネッサ:・・・考えとくわ
:
クロード:でも、よく気づいてくれたね
:
ヴァネッサ:そりゃそうよ、
ヴァネッサ:カルダスヘーゼの物語は、メダルなんて集めないじゃない
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:これが最後になるかもしれないからって、信頼の証に男の子が自分の本当の名前を教えるんでしょ
:
クロード:で、女の子もそれに答えて、自分の本当の名前を教える
:
ヴァネッサ:そういう物語でしょ
ヴァネッサ:私も小さい頃好きだったのよねぇ
:
クロード:そうだったのか、いい話だもんなぁ
クロード:ルージュの5もラ・ルースの5つの紋章からだろ?
:
ヴァネッサ:ええ、勿論
ヴァネッサ:あと、物語は主人公が魔人のしもべになったふりをして、魔人の館から力の宝玉を盗み出すのよね。
ヴァネッサ:そこもなんか、今回と似てるわね
:
クロード:そうだな
:
ヴァネッサ:あ、そうだ!
:
クロード:ん? どうしたの?
:
ヴァネッサ:カルダスヘーゼの物語って、確か主人公の男の子は女の子の事が大好きだったのよね
ヴァネッサ:あなたもひょっとして、私に惚れちゃったの?
:
クロード:いやぁ、流石にそこまでは・・ははは
クロード:俺は、純真無垢(じゅんしんむく)な箱入り娘が好みなもんでね
:
ヴァネッサ:あら、意外と面倒くさい男なのね
:
クロード:ははは まぁそんな事をおいといて
クロード:俺達、案外、いいコンビになれるんじゃない?
:
ヴァネッサ:どうだか
ヴァネッサ:まぁ、あなた次第ね
:
クロード:やっぱり、手ごわいねぇ
:
ヴァネッサ:フフフフフ
:
クロード:ははははは
クロード:
クロード:ほんじゃ、まぁ
クロード:これからもよろしくな、ヴァネッサ
:
ヴァネッサ:ええ、いいわ
:
0:乾杯をする二人
:
ヴァネッサ:でも、慣れ合いはイヤよ
:
クロード:分かってるって、なんたって俺は箱入り娘が・・・
:
ヴァネッサ:もういいわよ、しつこいわね
:
クロード:ははは
:
ヴァネッサ:フフフ
:
クロード:でもさ、あんとき、もしも俺がルージュの5じゃなくて、それ以外に掛けてたらどうなってたの?
:
ヴァネッサ:そんな鈍い奴なら、奴らにハチの巣にされちゃえばいいと思ったし
:
クロード:おいおい、冗談だろ
クロード:危ない、危ない
:
ヴァネッサ:今頃、どこかの港に沈んでたかもね
:
クロード:勘弁してくれよ
:
ヴァネッサ:フフフ、あの時のクロードの元気のない顔、
ヴァネッサ:隠しカメラか何かで、写真にでも取っておけばよかったかしらね
:
クロード:ははは、そいつはいいや
:
ヴァネッサ:フフフフ
クロード:はははは
:
0:楽しい雰囲気をかもし出しながら終了
:
:
:
ナレーション:とあるカジノ
ナレーション:訳ありげな娘がルーレットに参加しているが、何故か負け続け・・・・
ナレーション:最後の勝負も負けてしまった。
ナレーション:落ち込む娘、チップ取り上げようとするディーラー
ナレーション:そこへ声をかける一人の女
:
ヴァネッサ:ちょっとまって、どうしてそれが黒(ノアール)なの?
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ナレーション:しかし、ルーレットの玉は確かに黒(ノアール)の26に入っている
:
ヴァネッサ:あら、あなた達にはこれが黒の26に見えるのね?
ヴァネッサ:フフフ 可笑しいわねぇ
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:でもね、ほらこうすると、赤(ルージュ)の30になるでしょ
ヴァネッサ:だ・か・ら、
ヴァネッサ:今の勝負、このお嬢さんの勝ちって訳ね
:
ナレーション:ルーレットを囲む客全員が殺気立ち、立ち上がろうとする
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ヴァネッサ:騒がないで!
ヴァネッサ:じっとしてなさい
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0:一瞬で全員が動かなくなる
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ヴァネッサ:あなたはこれを持ってもうお帰りなさい
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ナレーション:負けた金を娘に渡して帰らせる女
ナレーション:女にお辞儀をして帰る娘 娘を止めようとする男
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ヴァネッサ:じっとしてなさいって言ってるでしょ!
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ナレーション:振り返り、ディーラーを睨む女
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ヴァネッサ:カジノが客とつるんで一人の娘をカモろうだなんて、どういう事かしら
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:まぁ、誰をどうしようと私の知った事じゃないんだけど・・・
ヴァネッサ:イカサマはダメね
ヴァネッサ:ディーラーってのはね、腕で勝負するもんでしょ
ヴァネッサ:変な機械使わなきゃ勝てないんなら、ディーラーなんてやめちゃえば?
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ナレーション:益々殺気立ち、懐に手を入れる男達
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ヴァネッサ:あら、ここで引き金を引くのも悪くないんだけど
ヴァネッサ:そんな事したら、他のお客さんにイカサマがバレちゃうわよ。
ヴァネッサ:いいのかしら
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0:戸惑うディーラーと客
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ヴァネッサ:どう? あんた達もギャンブラーの端くれなら、この私と勝負してみない?
ヴァネッサ:さぁ、勝負するのはあなた? それともあなたかしら?
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:どんな勝負でも、この私がお相手してあげるわよ
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ナレーション:ひと騒動済んだ後、一人通路を歩くヴァネッサ
ナレーション:一人の男の前を通り過ぎる
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クロード:イカサマ・・・いいんじゃないの?
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ヴァネッサ:え?
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0:立ち止まる女
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クロード:お姉さん、強いねぇ、惚れ惚れしちゃうよ
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ヴァネッサ:あなた・・・誰?
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クロード:フフフ
クロード:俺? 「イ・カ・サ・マ・師」
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ヴァネッサ:まぁ、それで?
ヴァネッサ:あなたが私と勝負するの?
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クロード:いや、今日はやめておくよ
クロード:今日のお姉さんは、ちょいと強そうだし、それに・・・
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ヴァネッサ:それに?
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クロード:また近いうちに、お姉さんとは絡む事もあるでしょ
クロード:二人が赤い糸で結ばれているならね
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ヴァネッサ:まぁ、キザね
ヴァネッサ:でも、そういうの、嫌いじゃないわよ
ヴァネッサ:じゃ、私は行くわね
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クロード:あぁ、ごきげんよう
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0:立ち去ろうとする女
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クロード:あ、そうだ
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ヴァネッサ:何?
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0:立ち止まる女
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クロード:お近づきの記(しるし)に、お姉さんの名前を教えてもらえますか
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ヴァネッサ:そうね・・・
ヴァネッサ:今度でいいんじゃないのかしら?
ヴァネッサ:赤い糸があるならね
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クロード:釣れないんだね
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0:苦笑いをする男
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ヴァネッサ:フフ じゃぁね
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クロード:あぁ
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0:立ち去る女、佇む男
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ナレーション:いわくのありそうな、一枚のメダルをかけて、ディッカー財団のエージェントと勝負をする事となったヴァネッサ
ナレーション:その打ち合わせの場所
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ヴァネッサ:こっちはその条件でOKよ
ヴァネッサ:私が勝ったら約束通り、二度とこのメダルを狙わないで頂戴
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:で、私の相手をするのは誰かしら?
:
ナレーション:エージェントの後ろから男が現れる
:
クロード:俺だよ
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ヴァネッサ:あら、あなたは確か・・・
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クロード:こんにちは、お姉さん
クロード:やっぱりまた会えましたね
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ヴァネッサ:そうみたいね
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クロード:お姉さんとは、またお会いできると思ってましたよ
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ヴァネッサ:そう?
ヴァネッサ:私は思ってなかったけど
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クロード:そんな釣れない事言わないでさ
クロード:何の因果か、こんな形になっちゃったけど、やっぱり赤い糸はあるんだねぇ
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ヴァネッサ:あなた、ディッカー財団の人だったの?
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クロード:いや、そうじゃない
クロード:俺は何処にも属しちゃいないよ
クロード:
クロード:たださ、この組織に、ちょっとした借りが出来ちゃってね。
クロード:今回だけ、普段はやらない「代打ち」を引き受けたって訳さ
:
ヴァネッサ:ふーん、そうなの
ヴァネッサ:ところであなた、この勝負がどんな勝負か知ってるの?
:
クロード:あぁ、こいつらから聞いたよ。
クロード:何やら、とんでもない秘密が隠されたメダルってやつを掛けるってな。
:
ヴァネッサ:・・・
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クロード:なんでも、「シーザーのメダル」とか言って、
クロード:20枚集めて、満月の夜に台座の上に並べれば、古代ローマの莫大な財宝の在り処が示されるって話なんだって?
:
ヴァネッサ:知ってたの・・・
:
クロード:でも、俺はそんな「おとぎ話」みたいな話は信じないし、財宝ってのにも興味ないけどね・・・
:
ヴァネッサ:あなた達にとってはそうかもしれないけど、
ヴァネッサ:このメダルはね、小さな村の教会の持ち物で、そこの村の人達が長い間ずっと大切にしてきたものなの
ヴァネッサ:言わば村の宝なのよ。
ヴァネッサ:変な財宝なんかと一緒にしないで
:
クロード:そうだったのかい、そいつは知らなかったな
:
ヴァネッサ:そう、じゃあなたにとって、この勝ち負けはどうでもいいのね。
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:でも、私にとっては負ける訳にはいかない勝負なの。
:
クロード:なるほど
:
ヴァネッサ:もしあなたが負けてくれるなら、私がちょっとサービスしてあげてもいいわよ♪
:
クロード:お! そいつはそそる話だねぇ
:
ヴァネッサ:でしょ、 どう?
:
クロード:だがね、お姉さん、
クロード:色気や正義を勝負に持ち込む程、俺もウブじゃないんでね。
:
ヴァネッサ:まぁ
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クロード:それに、今回の代打ちで俺が負けたら、俺はこいつらに殺されちまう。
クロード:俺にとっても負ける訳にはいかない勝負なんだ
クロード:だから、その村の人には悪いが・・・
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クロード:手加減は無しだ
:
ヴァネッサ:・・・・そう・・わかったわ
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0:一瞬緊張した空気が流れる
:
クロード:そうそう、
クロード:メダルを集めるといえば、カルダスヘーゼの物語を思い出すなぁ
:
ヴァネッサ:え?
ヴァネッサ:カルダスヘーゼ?
:
クロード:小さいころ好きだったんだよなぁ
クロード:村の人達に「ラ・ルース」のご加護があらんことを・・・なんちゃってヘヘへ
:
ヴァネッサ:勝負の前に呑気なものね
:
クロード:あ、そうだ
クロード:勝負の前にお姉さんの名前を教えてよ
クロード:まだ教えて貰ってなかったよね。
:
ヴァネッサ:どうしてあなたなんかに教えなきゃ・・・
クロード:これが最後になるかもしれないし
:
0:ヴァネッサの言葉を遮るように真剣な声で言うクロード
:
ヴァネッサ:・・・そ、そういうのって、男の方から名乗るもんじゃないの?
:
クロード:そうだったね、こりゃ失礼
クロード:俺の名前はクロード、クロード・コールドウェル、
クロード:みんなは俺の事をクロウって呼ぶよ。以後、お見知りおきを
:
ヴァネッサ:私は・・・ヴァネッサ、ヴァネッサ・ヴォルテーヌよ
:
クロード:ヴァネッサか、よろしくなヴァネッサ
:
0:少し見つめ合う二人
:
クロード:さぁ、お前たち、今日はもう、これでいいだろ?
クロード:俺は帰るぜ
:
0:財団の面子に促し背中を向けるクロード
0:
0:去りながら
:
クロード:じゃ、ヴァネッサ、3日後に決戦の場で、また会おう
:
ヴァネッサ:変な男・・・調子狂っちゃうわね
:
:
クロード:よう、ヴァネッサ、今日はよろしくね
:
ヴァネッサ:気安く呼ばないで
:
クロード:相変わらず釣れないんだね
クロード:
クロード:ヴァネッサ、君とはもっと違う形で勝負をしてみたかったよ
クロード:でもまぁこれも何かの縁さ、お互い負けられない勝負なら、どっちが勝っても文句は無しと行こうぜ
:
ヴァネッサ:ええ、いいわ。どうせ、お互い負けるつもりなんてないんだし
:
クロード:そいつはどうかな
:
ヴァネッサ:え?
:
ナレーション:銃を抜くエージェント
:
クロード:おいおい、俺は今ヴァネッサと話をしてるんだぜ
クロード:横から汚い拳銃なんて出してんじゃねぇよ
クロード:
クロード:心配するな、俺は負けねぇよ。つまらない事で、いちいち話に水を差すんじゃねぇよ
:
ヴァネッサ:あら、随分な自信ね
:
クロード:あぁ、ちょっとした理由があってね
:
ヴァネッサ:聞きたいわね、その理由を
:
クロード:ははは、まぁ大した事じゃないんだがね
:
ヴァネッサ:だから、何よ
:
クロード:それは、俺が男で、君が女って事さ。俺は女には負けないからね
:
ヴァネッサ:あら以外ね、女をバカにするような人には見えなかったけど
:
クロード:いや、そういう事じゃないんだ
:
ヴァネッサ:じゃ、どうして?
:
クロード:いや、なぁにね、大した事じゃないんだけど
クロード:
クロード:勝利の神様ってのは、女神と相場が決まってるのさ
クロード:俺はそういう女に意外とモテるんだ
:
ヴァネッサ:まぁ、バカみたい
:
クロード:ははは、意外とバカにならないもんだぜ
クロード:じゃ、勝負と行こうか
:
ヴァネッサ:わかったわ
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:もう一度、ルールを確認するわ
ヴァネッサ:勝負はこちらの要求通り、ルーレット、お互いが交互にディーラーとプレイヤーになって5番勝負
ヴァネッサ:5回終わった時点でチップの多い方が勝ち
ヴァネッサ:それで、いいわね
:
クロード:ああ、いいぜ
クロード:それと、こっちからも条件があるって言ってたな
:
ヴァネッサ:何よ、条件って
:
クロード:ディーラーが先にボールを投げる事
クロード:プレイヤーは、ディーラがボールを投げたあと、ボールが落ちる前にチップを掛ける事、だってさ
:
ヴァネッサ:え?
:
クロード:イカサマ防止だよ
クロード:なんでも、凄腕のディーラーは、自分の好きな目にボールを入られるんだってね
クロード:だから、チップを掛けた後じゃ、外されちゃうんだってさ
:
ヴァネッサ:そ、そう・・
ヴァネッサ:こっちはそれでいいわ
:
クロード:OK、じゃ始めよう
:
0:ゲームが進む
:
黒服:ノワール35
:
クロード:おいおい
:
ヴァネッサ:幸先いいわね
:
黒服:ノワール17
:
クロード:またかよ
:
ヴァネッサ:おあいにく様
:
クロード:冗談じゃねえぜ
:
黒服:ルージュ23
:
クロード:ホントかよ
:
ヴァネッサ:悪いわね
:
クロード:勘弁してくれよ
:
ヴァネッサ:大分差がついちゃったかしら
ヴァネッサ:次、あなたの最後のディーラーね
ヴァネッサ:ここで私が当てれば、逆転も出来なくなっちゃうわね
:
クロード:そうならない事を祈ってるよ
クロード:
クロード:じゃ行くぜ
:
ナレーション:クロードがボールを投げ入れる。
:
ヴァネッサ:私はノワールにマックスベット
:
0:ウィールにボールが落ちる
:
クロード:ノ、ノワールの15・・
:
ヴァネッサ:悪いわね
ヴァネッサ:これで、あなたの最後の勝負は、インサイドベットするしかなくなっちゃたわね
:
クロード:あぁ、そうみたいだな
:
ヴァネッサ:じゃ私の最後のディーラーね
ヴァネッサ:行くわよ、いい?
:
クロード:あぁいいぜ
:
ヴァネッサ:どうしたの、心なしか元気がないみたいだけど
:
クロード:そんな事はないさ
:
ヴァネッサ:そんな顔してたんじゃ、女神だって微笑んでくれないわよ
ヴァネッサ:じゃ行くわよ
:
クロード:ああ
:
ナレーション:ヴァネッサがボールを投げ入れる。
:
ヴァネッサ:どうしたの?
ヴァネッサ:早く掛けないとウィールにボールが落ちちゃうわよ
:
クロード:・・・
:
ヴァネッサ:考えたって分かるわけないじゃない
ヴァネッサ:あなたの勝利の女神よりも、ラ・ルースのご加護の方が大きかったみたいね フフフ
:
ナレーション:回るボールを見ながら、クロードが宣言する
:
クロード:ルージュの5だ、ルージュの5にマックスベット
:
ナレーション:そしてボールが落ちる
:
ヴァネッサ:ル、ルージュの5・・
:
クロード:悪いなヴァネッサ
クロード:やっぱり神様は女神だったわ
:
ヴァネッサ:そうみたいね
ヴァネッサ:あぁーあ、負けたわ
:
クロード:じゃ約束通り、恨みっこなしで
:
ヴァネッサ:ええ、いいわ
:
:
クロード:これで俺の役目は終わったな、後はお前らの好きにしな。じゃ俺は帰るぜ
:
クロード:じゃぁなヴァネッサ、またどこかで合おう
:
:
ナレーション:とあるバー
ナレーション:ヴァネッサがカウンターで酒を飲んでいる。
:
ヴァネッサ:マスターおかわり
:
ナレーション:ふてくされ気味に、呑んでいるヴァネッサ
ナレーション:そこへ一人の男が近寄ってくる
:
クロード:やぁ、ヴァネッサ
:
ヴァネッサ:あぁ、クロード
:
クロード:ここだって聞いてさ
クロード:隣いい?
:
ヴァネッサ:どうぞ
ヴァネッサ:やだって言ったって座るんでしょ?
:
クロード:はは、じゃぁ失礼して
:
0:席に座るクロード
:
クロード:マスター、マティーニ
:
ナレーション:マティーニが出されるが、クロードは口にしない
:
クロード:機嫌悪いじゃない
:
ヴァネッサ:そりゃね
:
クロード:今日はお疲れさん、
クロード:いやぁ首の皮が繋がったぜ、良かった良かった
:
ヴァネッサ:私の負けは高く付くわよ
:
クロード:分かってるって
クロード:はい、お土産
:
0:メダルを台の上に置くクロード
:
ヴァネッサ:メダル?
:
クロード:あぁ、ディッカーのコレクションの中の一枚を偽物とすり替えて来た
:
ヴァネッサ:村のものとは違うのよね?
:
クロード:だけどまぁ、形は同じだから、これで勘弁してよ
クロード:村のメダルをすり替えると、もし奴らが偽物だと気づいたら、村が危なくなるからね
クロード:村のメダルは、奴らが持っていた方が、平和なんだよ
:
ヴァネッサ:まぁ、それもそうね、いいわ、ありがとう
ヴァネッサ:きっと村の人達も喜ぶと思うわ
:
クロード:これで貸し借りなし・・・
:
ヴァネッサ:んなわけないじゃない
:
クロード:あぁ・・やっぱり?
:
ヴァネッサ:当たり前じゃない、勝ちを譲ってあげたんだから
:
クロード:でも、あそこでヴァネッサが勝ったって、今度は力ずくで奴らはメダルを奪うぜ
:
ヴァネッサ:それはそうだけど
:
クロード:だからさ、もうそれでいいじゃない
:
ヴァネッサ:・・・考えとくわ
:
クロード:でも、よく気づいてくれたね
:
ヴァネッサ:そりゃそうよ、
ヴァネッサ:カルダスヘーゼの物語は、メダルなんて集めないじゃない
ヴァネッサ:
ヴァネッサ:これが最後になるかもしれないからって、信頼の証に男の子が自分の本当の名前を教えるんでしょ
:
クロード:で、女の子もそれに答えて、自分の本当の名前を教える
:
ヴァネッサ:そういう物語でしょ
ヴァネッサ:私も小さい頃好きだったのよねぇ
:
クロード:そうだったのか、いい話だもんなぁ
クロード:ルージュの5もラ・ルースの5つの紋章からだろ?
:
ヴァネッサ:ええ、勿論
ヴァネッサ:あと、物語は主人公が魔人のしもべになったふりをして、魔人の館から力の宝玉を盗み出すのよね。
ヴァネッサ:そこもなんか、今回と似てるわね
:
クロード:そうだな
:
ヴァネッサ:あ、そうだ!
:
クロード:ん? どうしたの?
:
ヴァネッサ:カルダスヘーゼの物語って、確か主人公の男の子は女の子の事が大好きだったのよね
ヴァネッサ:あなたもひょっとして、私に惚れちゃったの?
:
クロード:いやぁ、流石にそこまでは・・ははは
クロード:俺は、純真無垢(じゅんしんむく)な箱入り娘が好みなもんでね
:
ヴァネッサ:あら、意外と面倒くさい男なのね
:
クロード:ははは まぁそんな事をおいといて
クロード:俺達、案外、いいコンビになれるんじゃない?
:
ヴァネッサ:どうだか
ヴァネッサ:まぁ、あなた次第ね
:
クロード:やっぱり、手ごわいねぇ
:
ヴァネッサ:フフフフフ
:
クロード:ははははは
クロード:
クロード:ほんじゃ、まぁ
クロード:これからもよろしくな、ヴァネッサ
:
ヴァネッサ:ええ、いいわ
:
0:乾杯をする二人
:
ヴァネッサ:でも、慣れ合いはイヤよ
:
クロード:分かってるって、なんたって俺は箱入り娘が・・・
:
ヴァネッサ:もういいわよ、しつこいわね
:
クロード:ははは
:
ヴァネッサ:フフフ
:
クロード:でもさ、あんとき、もしも俺がルージュの5じゃなくて、それ以外に掛けてたらどうなってたの?
:
ヴァネッサ:そんな鈍い奴なら、奴らにハチの巣にされちゃえばいいと思ったし
:
クロード:おいおい、冗談だろ
クロード:危ない、危ない
:
ヴァネッサ:今頃、どこかの港に沈んでたかもね
:
クロード:勘弁してくれよ
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ヴァネッサ:フフフ、あの時のクロードの元気のない顔、
ヴァネッサ:隠しカメラか何かで、写真にでも取っておけばよかったかしらね
:
クロード:ははは、そいつはいいや
:
ヴァネッサ:フフフフ
クロード:はははは
:
0:楽しい雰囲気をかもし出しながら終了
:
: