台本概要
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タイトル | 休みたい部下と忙しい上司 |
---|---|
作者名 | maturit (@inui_maturi) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ご自由に
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
社員 | 不問 | 59 | 性別不問 |
上司 | 不問 | 58 | 性別不問 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
社員:「休みたい」
社員:入社五年目、仕事に対する熱意はない、今日は休みたいという気持ちが溢れた
社員:「さて、体調不良で休むか」
0:場面切り替え
上司:「めっちゃ暇だ」
上司:かれこれこの会社で二十年、これ以上出世も見込めず、仕事も窓際…最近配属された部下と話すことだけが唯一の楽しみ
上司:「あいつ…今日は出社遅いなぁ」
0:長い間
社員:「僕はこの電話で休む!!」
上司:「あいつからの電話…休む気だな…そうはさせるか!!」
社員:こうして休みを勝ち取る戦いが
上司:部下を出社させる戦いが
社員:幕を開ける
上司:さぁ、勝負の時間だ
0:演技開始
社員:「ごほっ、ごほ、おはようございます先輩、ごほっ」
上司:「どうした?体調が悪いのか?」
社員:「そんなんです、起きてからどうも熱っぽくて、咳も喉も痛いんです」
上司:「そりゃ大変だな!」
社員:「なので、今日は」
上司:「そんな体調で悪いんだが!今日は急ぎの仕事が入ったんだ!!どうしても…どうしてもお前の力が必要なんだ!!」
社員:「でも…こんな体調じゃ仕事なんて…」
上司:「大丈夫だ!!お前は会社に居るだけでいい!!」
社員:「良いんですかっ!?」
上司:「ん?声が元気じゃないか?」
社員:「え、あ、ごほっ、驚いて声が裏返ったみたいです」
上司:「そうか、でも本当に居るだけでいいんだ」
社員:「…ですが感染症で先輩にまでうつすとリスクが」
上司:「そんなのはどうだっていい!!」
社員:「良くないですよ!!」
上司:「私だってコロナになりたい!!」
社員:「なんですかっ!?」
上司:「コロナになれば傷病手当で休みながら給料が貰えるからだ!!」
社員:「それならこっちも貰いたいですよっ!!」
上司:「…お前、ズル休みだろ」
社員:「そっちだって忙しいって嘘ですよね?」
上司:「開き直るなっ!出社し、上司である私が正義だ!!」
社員:「言ってれば良いですよ!!僕はこれから風邪をひく、そして熱を出す!!何としてもだ!!」
上司:「そんなものは絵に描いた餅だ!!」
社員:「病気は気からと言います…やる気で病気になります!!」
上司:「そんなものは暴論だ!!」
社員:「どうせ出社しても先輩の話し相手になるだけじゃないですかっ!!」
上司:「それが仕事だ!!」
社員:「こっちは毎度面白くもない話を聞かされ、ネタを提供するこっちの身にもなって欲しいですよっ!!」
上司:「これだから最近の若い奴は」
社員:「ほらそれだ!最近の若いやつはという思考が間違ってるんですよっ!!こんな若い世代を作り出したのもあなた達なんですよっ!!」
上司:「こっちは若い頃から苦労して、今の地位になるまで必死に頑張って来たんだ!!それを無駄だと言いたいのかっ!」
社員:「ええ無駄ですね、その結果が窓際じゃないですか!!毎日、毎日、しなくてもいい仕事ばかり、もう良いじゃないですか!」
上司:「…これも仕事なんだ」
社員:「先輩の過去にどんな過ちがあって窓際に追いやられたかはわかりません!ですがっ!!自分を部下に重ねるには辞めてください!!」
上司:「…そうか」
社員:「わかって貰えましたか?」
上司:「いや、真実を話そう」
社員:「え?」
上司:「私は今の君と同じく、仕事に熱意を抱けず、ズル休みを繰り返し、その結果がこれなんだ」
社員:「…それは」
上司:「君には私のようになって欲しくなかったんだ」
社員:「…すみません」
上司:「わかって貰えたか?」
社員:「はい…今から出社します」
上司:「いや、その必要は無い」
社員:「え?」
上司:「私は君に賭ける事にしたよ」
社員:「何を言って…」
上司:「君はコロナだ!そうだな?」
社員:「え、え?いや、仮病なんですが…」
上司:「先程、やる気で病気になると言っただろ!!」
社員:「言いましたけど!それがなんだって言うんですか?」
上司:「なれ」
社員:「はい?」
上司:「言ったからにはやり遂げろ」
社員:「そんな事出来るわけが」
上司:「無いだなんて言わせない!!」
社員:「っ!?」
上司:「一度言った言葉は戻せないんだ」
社員:「…はい」
上司:「だから君は気合いでコロナの陽性を勝ち取るんだ!!」
社員:「わかりました!真実にしてみせます!!」
上司:「よく言った!!君には期待してる!」
社員:「あれ?なんか電車の音が聞こえるんですが…今どこですか?」
上司:「駅だ」
社員:「もう出社してたんじゃ…」
上司:「していたが!君がコロナという事であれば…濃厚接触者である私も休まねばならない」
社員:「先輩?」
上司:「頑張りたまえ」
社員:「そんなんだから!窓際に追いやられるんですよ!!」
上司:「ごほっ、咳が出てきた」
社員:「そういう演技は要らないですよ!」
上司:「いや、本当なんだ…急に体調が」
社員:「勘弁してくださいよ!!」
上司:「本当なんだ…なんか目の前が」
社員:「本当ですか?」
上司:「ああ、ちなみに私は今日から沖縄に行く、電話も電源を切る」
社員:「は?」
上司:「そういう訳だ…あとは頼んだぞ」
社員:「おいくそ上司ぃいいいい」
上司:「どうせ居ても無くても良い人間だ…それでも、人生はこんなにも楽しいんだ」
社員:「ちょっ!待ってください!」
上司:「良いコロナ休暇を過ごしたまえ」
社員:「待って!!切らないでください!!」
上司:「アディオス」
社員:「っ!?先輩?先輩!先輩ぃいいいいいいいいい」
0:長い間
社員:事の顛末(てんまつ)、僕は生まれてから風邪をひいた記憶が無い、どう頑張ろうと陰性だった
上司:沖縄から帰宅した私を待っていたのは会社からに解雇(かいこ)通知だった
社員:「先輩、人生楽しいですか?」
上司:「そうだなぁ、この世は地獄だよ」
社員:「そうですか、僕出世したんです…先輩の後釜ですけど」
上司:「そうか、奢ってやりたいが」
社員:「良いですよ!奢りますって!」
上司:「そうか、いい部下を持って幸せだな」
社員:「先輩」
上司:「なんだ?」
社員:「今、忙しいですか?」
上司:「貧乏暇なしとはよく言ったものだ…休む暇もないバイト毎日だよ」
社員:「…戻って来ませんか?」
上司:「今更…そんな事」
社員:「できるんです!」
上司:「…本当…なのか?」
社員:「はい!戻って来て頂けますね?」
上司:「あ、あぁ!心を入れ替えて頑張るよ!!」
社員:「はい!じゃあ、先輩は部下になるんですから、覚悟してくださいね?」
上司:「え?」
社員:「先輩に味わって貰いますよ?苦痛の日々を」
上司:「こ、この世は地獄だぁあああ」
社員:「休みたい」
社員:入社五年目、仕事に対する熱意はない、今日は休みたいという気持ちが溢れた
社員:「さて、体調不良で休むか」
0:場面切り替え
上司:「めっちゃ暇だ」
上司:かれこれこの会社で二十年、これ以上出世も見込めず、仕事も窓際…最近配属された部下と話すことだけが唯一の楽しみ
上司:「あいつ…今日は出社遅いなぁ」
0:長い間
社員:「僕はこの電話で休む!!」
上司:「あいつからの電話…休む気だな…そうはさせるか!!」
社員:こうして休みを勝ち取る戦いが
上司:部下を出社させる戦いが
社員:幕を開ける
上司:さぁ、勝負の時間だ
0:演技開始
社員:「ごほっ、ごほ、おはようございます先輩、ごほっ」
上司:「どうした?体調が悪いのか?」
社員:「そんなんです、起きてからどうも熱っぽくて、咳も喉も痛いんです」
上司:「そりゃ大変だな!」
社員:「なので、今日は」
上司:「そんな体調で悪いんだが!今日は急ぎの仕事が入ったんだ!!どうしても…どうしてもお前の力が必要なんだ!!」
社員:「でも…こんな体調じゃ仕事なんて…」
上司:「大丈夫だ!!お前は会社に居るだけでいい!!」
社員:「良いんですかっ!?」
上司:「ん?声が元気じゃないか?」
社員:「え、あ、ごほっ、驚いて声が裏返ったみたいです」
上司:「そうか、でも本当に居るだけでいいんだ」
社員:「…ですが感染症で先輩にまでうつすとリスクが」
上司:「そんなのはどうだっていい!!」
社員:「良くないですよ!!」
上司:「私だってコロナになりたい!!」
社員:「なんですかっ!?」
上司:「コロナになれば傷病手当で休みながら給料が貰えるからだ!!」
社員:「それならこっちも貰いたいですよっ!!」
上司:「…お前、ズル休みだろ」
社員:「そっちだって忙しいって嘘ですよね?」
上司:「開き直るなっ!出社し、上司である私が正義だ!!」
社員:「言ってれば良いですよ!!僕はこれから風邪をひく、そして熱を出す!!何としてもだ!!」
上司:「そんなものは絵に描いた餅だ!!」
社員:「病気は気からと言います…やる気で病気になります!!」
上司:「そんなものは暴論だ!!」
社員:「どうせ出社しても先輩の話し相手になるだけじゃないですかっ!!」
上司:「それが仕事だ!!」
社員:「こっちは毎度面白くもない話を聞かされ、ネタを提供するこっちの身にもなって欲しいですよっ!!」
上司:「これだから最近の若い奴は」
社員:「ほらそれだ!最近の若いやつはという思考が間違ってるんですよっ!!こんな若い世代を作り出したのもあなた達なんですよっ!!」
上司:「こっちは若い頃から苦労して、今の地位になるまで必死に頑張って来たんだ!!それを無駄だと言いたいのかっ!」
社員:「ええ無駄ですね、その結果が窓際じゃないですか!!毎日、毎日、しなくてもいい仕事ばかり、もう良いじゃないですか!」
上司:「…これも仕事なんだ」
社員:「先輩の過去にどんな過ちがあって窓際に追いやられたかはわかりません!ですがっ!!自分を部下に重ねるには辞めてください!!」
上司:「…そうか」
社員:「わかって貰えましたか?」
上司:「いや、真実を話そう」
社員:「え?」
上司:「私は今の君と同じく、仕事に熱意を抱けず、ズル休みを繰り返し、その結果がこれなんだ」
社員:「…それは」
上司:「君には私のようになって欲しくなかったんだ」
社員:「…すみません」
上司:「わかって貰えたか?」
社員:「はい…今から出社します」
上司:「いや、その必要は無い」
社員:「え?」
上司:「私は君に賭ける事にしたよ」
社員:「何を言って…」
上司:「君はコロナだ!そうだな?」
社員:「え、え?いや、仮病なんですが…」
上司:「先程、やる気で病気になると言っただろ!!」
社員:「言いましたけど!それがなんだって言うんですか?」
上司:「なれ」
社員:「はい?」
上司:「言ったからにはやり遂げろ」
社員:「そんな事出来るわけが」
上司:「無いだなんて言わせない!!」
社員:「っ!?」
上司:「一度言った言葉は戻せないんだ」
社員:「…はい」
上司:「だから君は気合いでコロナの陽性を勝ち取るんだ!!」
社員:「わかりました!真実にしてみせます!!」
上司:「よく言った!!君には期待してる!」
社員:「あれ?なんか電車の音が聞こえるんですが…今どこですか?」
上司:「駅だ」
社員:「もう出社してたんじゃ…」
上司:「していたが!君がコロナという事であれば…濃厚接触者である私も休まねばならない」
社員:「先輩?」
上司:「頑張りたまえ」
社員:「そんなんだから!窓際に追いやられるんですよ!!」
上司:「ごほっ、咳が出てきた」
社員:「そういう演技は要らないですよ!」
上司:「いや、本当なんだ…急に体調が」
社員:「勘弁してくださいよ!!」
上司:「本当なんだ…なんか目の前が」
社員:「本当ですか?」
上司:「ああ、ちなみに私は今日から沖縄に行く、電話も電源を切る」
社員:「は?」
上司:「そういう訳だ…あとは頼んだぞ」
社員:「おいくそ上司ぃいいいい」
上司:「どうせ居ても無くても良い人間だ…それでも、人生はこんなにも楽しいんだ」
社員:「ちょっ!待ってください!」
上司:「良いコロナ休暇を過ごしたまえ」
社員:「待って!!切らないでください!!」
上司:「アディオス」
社員:「っ!?先輩?先輩!先輩ぃいいいいいいいいい」
0:長い間
社員:事の顛末(てんまつ)、僕は生まれてから風邪をひいた記憶が無い、どう頑張ろうと陰性だった
上司:沖縄から帰宅した私を待っていたのは会社からに解雇(かいこ)通知だった
社員:「先輩、人生楽しいですか?」
上司:「そうだなぁ、この世は地獄だよ」
社員:「そうですか、僕出世したんです…先輩の後釜ですけど」
上司:「そうか、奢ってやりたいが」
社員:「良いですよ!奢りますって!」
上司:「そうか、いい部下を持って幸せだな」
社員:「先輩」
上司:「なんだ?」
社員:「今、忙しいですか?」
上司:「貧乏暇なしとはよく言ったものだ…休む暇もないバイト毎日だよ」
社員:「…戻って来ませんか?」
上司:「今更…そんな事」
社員:「できるんです!」
上司:「…本当…なのか?」
社員:「はい!戻って来て頂けますね?」
上司:「あ、あぁ!心を入れ替えて頑張るよ!!」
社員:「はい!じゃあ、先輩は部下になるんですから、覚悟してくださいね?」
上司:「え?」
社員:「先輩に味わって貰いますよ?苦痛の日々を」
上司:「こ、この世は地獄だぁあああ」