台本概要

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タイトル 必殺仕事人風台本3『仁吉』
作者名 Danzig
ジャンル 時代劇
演者人数 3人用台本(男2、女1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 男2×女1 台本

仕事人風1の時間軸的に少し前の話です。

集合場所に集まった仲間たち
仕切りをするお市から次の仕事の相手を告げられる

仕事人シリーズの小説は基本的に一話完結です。
同じ話を男女の配役を入れ替えて作ったりしています。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
仁吉 24 仁吉(にきち)。 若い仕事人
左之助 20 左之助(さのすけ)。 ベテランの仕事人、
お市 31 お市(おいち)。 今回の場を仕切る仕事人
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
: 0:集合場所に集まる仲間たち : お市:二人とも来てるね : 仁吉:お市(いち)さん、何だよ急に呼び出して : お市:仕事だよ : 仁吉:仕事か、今日は何人だい? : お市:今日は一人だよ : 仁吉:なんだい、一人かい、じゃぁ俺にやらしてくれよ : 0:左之助を見るお市 : お市:左之助、あんたはそれでいいかい? : 左之助:あぁ、好きにしな : お市:わかったよ・・・・ お市:じゃぁ、仁吉(にきち)、今回はあんたがやりな : 仁吉:よし、呼び出されて手ぶらで帰りたくないからな 仁吉:で、誰をやればいいんだい : お市:まぁ、そこへお座りよ : 仁吉:あ、あぁ : 0:台の上に金を置くお市 : お市:これが依頼料 : 仁吉:何だい、随分細かいな・・・ : お市:全部で弐朱(にしゅ)だよ : 仁吉:弐朱(にしゅ)? たったの? : お市:この金はね、坊やが、おっかさんの為にって、屑(クズ)拾いをして、何年もかけて、貯めた金だそうだよ : 仁吉:そ、そうかい、まぁいいや 仁吉:で、誰をやるんだい : お市:仕事の相手は・・ お市:残雪(ざんせつ)のお竜。 仕事人だよ : 仁吉:な! : 0:一瞬の沈黙 : 左之助:お市 : 仁吉:お市さん、それ本当なのかよ : お市:こんな事、嘘をついてなんになるのさ : 仁吉:そんな・・・お竜さんって・・・ : 左之助:お市、何か、訳があるのかい : お市:訳っていうか・・・ : 左之助:どうした : お市:依頼人は九つになる男の子、母親をお竜に殺されたんだってさ : 仁吉:殺されたって・・・だって仕事だろ? 仁吉:俺たちは仕事で人を殺すんだぜ 仁吉:その家族からの依頼を受けて、仲間殺すのかよ : 左之助:仁吉(にきち)、お竜はもう仲間じゃねぇ : 仁吉:何言ってんだよ、同じ事だろ 仁吉:別に喧嘩して別れたわけじゃないだろ、お竜さんがふらふら居なくなっただけじゃないか : お市:違うんだよ : 仁吉:違わないだろ 仁吉:また、戻ってくるかもしれないだろ : お市:そうじゃないんだよ : 仁吉:じゃぁ、何が違うんだよ : お市:その母親は、仕事で殺された訳じゃないんだ : 仁吉:え? : 左之助:本当か? : お市:あぁ : 0:しばし沈黙する三人 : 左之助:まさか、見られたのか : お市:・・・・ : 仁吉:そうか、見られたんだよ 仁吉:だったら殺しても仕方ないだろ? : 左之助:そうなのか? : お市:それがよく分からないんだよ : 左之助:どういうことだ : 0:口が重いお市 : お市:その母親については、見られたのか、巻き込まれたのか、よくわからないんだよ お市:ただね・・・ : 左之助:何かあるのか : お市:近頃のお竜は、あんまりいい話を聞かなくてね お市:やたらと仕事を受けてるみたいでさ お市:なんか、殺しを楽しんでるみたいだって・・・ : 左之助:お竜が・・・ : お市:それに・・・ お市:その母親の時だけじゃないんだよ、依頼以外の人間も殺したのは : 仁吉:そんな・・・ : お市:あのお竜が、見られるなんてヘマを、何度もするとも思えないだろう? お市:それでさぁ : 左之助:仕事を受けたってのか : お市:そう元締めが・・・ : 左之助:そうか : 仁吉:そんな・・・ 仁吉:何が『そうか』だよ左之助さん! 仁吉:あんた、お竜さんが殺されてもいいのかよ : 左之助:それが仕事ならな : 仁吉:何言ってんだよ 仁吉:左之助さんがそんなに薄情だとは思わなかったよ 仁吉:俺は嫌だぜこの仕事 : 左之助:自分が受けた仕事、放っぽりだすのか? 左之助:おめぇ、仕事なんて辞めちまえよ : 仁吉:あんたに何が分かるんだよ 仁吉:あんたは、お竜さんの事を、昔の仕事仲間くらいにしか思ってないかもしれないけどな 仁吉:俺にとっちゃ、仕事を教えてくれた、大事な師匠なんだよ 仁吉:俺は受けないからな、受けるならあんたが受けろよ : 左之助:あぁ分かった、俺が受ける 左之助:お市、それでいいな : お市:あ、あぁ : 左之助:どうせ、こいつにさせたって、しくじりそうだしな : 仁吉:あぁ、そうしてくれよ 仁吉:大事な人を、自分の手に掛けれられる訳ないだろ 仁吉:どうせあんたには、大事な人を仕事に掛けられる俺の気持ちだって、分かんないだろうよ : お市:バカ! : 0: 仁吉の頬をたたくお市 : 仁吉:何すんだよ : お市:わかってないのはあんただよ お市:左之助がこの世界に入って、最初に仕掛けた仕事の相手はね、自分の母親だったんだよ : 仁吉:え、そんな・・・ : お市:それに、お竜と左之助はね・・・ : 左之助:お市、 左之助:余計なことを、そんなガキに話してんじゃねぇよ : お市:あ、あぁ・・ごめんよ・・・ : 左之助:で、お市、お竜は今どこにいるんだ : お市:・・・千寿だってさ : 左之助:わかった・・・ 左之助: 左之助:じゃぁ、もう俺は行くぜ : お市:あぁ・・頼んだよ : 0:完

: 0:集合場所に集まる仲間たち : お市:二人とも来てるね : 仁吉:お市(いち)さん、何だよ急に呼び出して : お市:仕事だよ : 仁吉:仕事か、今日は何人だい? : お市:今日は一人だよ : 仁吉:なんだい、一人かい、じゃぁ俺にやらしてくれよ : 0:左之助を見るお市 : お市:左之助、あんたはそれでいいかい? : 左之助:あぁ、好きにしな : お市:わかったよ・・・・ お市:じゃぁ、仁吉(にきち)、今回はあんたがやりな : 仁吉:よし、呼び出されて手ぶらで帰りたくないからな 仁吉:で、誰をやればいいんだい : お市:まぁ、そこへお座りよ : 仁吉:あ、あぁ : 0:台の上に金を置くお市 : お市:これが依頼料 : 仁吉:何だい、随分細かいな・・・ : お市:全部で弐朱(にしゅ)だよ : 仁吉:弐朱(にしゅ)? たったの? : お市:この金はね、坊やが、おっかさんの為にって、屑(クズ)拾いをして、何年もかけて、貯めた金だそうだよ : 仁吉:そ、そうかい、まぁいいや 仁吉:で、誰をやるんだい : お市:仕事の相手は・・ お市:残雪(ざんせつ)のお竜。 仕事人だよ : 仁吉:な! : 0:一瞬の沈黙 : 左之助:お市 : 仁吉:お市さん、それ本当なのかよ : お市:こんな事、嘘をついてなんになるのさ : 仁吉:そんな・・・お竜さんって・・・ : 左之助:お市、何か、訳があるのかい : お市:訳っていうか・・・ : 左之助:どうした : お市:依頼人は九つになる男の子、母親をお竜に殺されたんだってさ : 仁吉:殺されたって・・・だって仕事だろ? 仁吉:俺たちは仕事で人を殺すんだぜ 仁吉:その家族からの依頼を受けて、仲間殺すのかよ : 左之助:仁吉(にきち)、お竜はもう仲間じゃねぇ : 仁吉:何言ってんだよ、同じ事だろ 仁吉:別に喧嘩して別れたわけじゃないだろ、お竜さんがふらふら居なくなっただけじゃないか : お市:違うんだよ : 仁吉:違わないだろ 仁吉:また、戻ってくるかもしれないだろ : お市:そうじゃないんだよ : 仁吉:じゃぁ、何が違うんだよ : お市:その母親は、仕事で殺された訳じゃないんだ : 仁吉:え? : 左之助:本当か? : お市:あぁ : 0:しばし沈黙する三人 : 左之助:まさか、見られたのか : お市:・・・・ : 仁吉:そうか、見られたんだよ 仁吉:だったら殺しても仕方ないだろ? : 左之助:そうなのか? : お市:それがよく分からないんだよ : 左之助:どういうことだ : 0:口が重いお市 : お市:その母親については、見られたのか、巻き込まれたのか、よくわからないんだよ お市:ただね・・・ : 左之助:何かあるのか : お市:近頃のお竜は、あんまりいい話を聞かなくてね お市:やたらと仕事を受けてるみたいでさ お市:なんか、殺しを楽しんでるみたいだって・・・ : 左之助:お竜が・・・ : お市:それに・・・ お市:その母親の時だけじゃないんだよ、依頼以外の人間も殺したのは : 仁吉:そんな・・・ : お市:あのお竜が、見られるなんてヘマを、何度もするとも思えないだろう? お市:それでさぁ : 左之助:仕事を受けたってのか : お市:そう元締めが・・・ : 左之助:そうか : 仁吉:そんな・・・ 仁吉:何が『そうか』だよ左之助さん! 仁吉:あんた、お竜さんが殺されてもいいのかよ : 左之助:それが仕事ならな : 仁吉:何言ってんだよ 仁吉:左之助さんがそんなに薄情だとは思わなかったよ 仁吉:俺は嫌だぜこの仕事 : 左之助:自分が受けた仕事、放っぽりだすのか? 左之助:おめぇ、仕事なんて辞めちまえよ : 仁吉:あんたに何が分かるんだよ 仁吉:あんたは、お竜さんの事を、昔の仕事仲間くらいにしか思ってないかもしれないけどな 仁吉:俺にとっちゃ、仕事を教えてくれた、大事な師匠なんだよ 仁吉:俺は受けないからな、受けるならあんたが受けろよ : 左之助:あぁ分かった、俺が受ける 左之助:お市、それでいいな : お市:あ、あぁ : 左之助:どうせ、こいつにさせたって、しくじりそうだしな : 仁吉:あぁ、そうしてくれよ 仁吉:大事な人を、自分の手に掛けれられる訳ないだろ 仁吉:どうせあんたには、大事な人を仕事に掛けられる俺の気持ちだって、分かんないだろうよ : お市:バカ! : 0: 仁吉の頬をたたくお市 : 仁吉:何すんだよ : お市:わかってないのはあんただよ お市:左之助がこの世界に入って、最初に仕掛けた仕事の相手はね、自分の母親だったんだよ : 仁吉:え、そんな・・・ : お市:それに、お竜と左之助はね・・・ : 左之助:お市、 左之助:余計なことを、そんなガキに話してんじゃねぇよ : お市:あ、あぁ・・ごめんよ・・・ : 左之助:で、お市、お竜は今どこにいるんだ : お市:・・・千寿だってさ : 左之助:わかった・・・ 左之助: 左之助:じゃぁ、もう俺は行くぜ : お市:あぁ・・頼んだよ : 0:完