台本概要
48 views
タイトル | 必殺仕事人風台本5『お菊』 |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | 時代劇 |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
男1×女1 台本 仕掛けをしようと大黒屋の手代を尾行していた左之助 そこへある女に声を掛けられる・・・ 仕事人シリーズの小説は基本的に一話完結です。 同じ話を男女の配役を入れ替えて作ったりしています。 48 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
お菊 | 女 | 31 | お菊(おきく)。 仕事人 |
左之助 | 男 | 30 | 左之助(さのすけ)。 仕事人 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
:
0:一人の男の後をつけて屋敷の前まで来た左之助
0: その帰り道、一人の女に声を掛けられる
:
お菊:ちょいと、お兄さん
:
左之助:誰だ・・・
:
0:無言で左之助を見つめる女
:
左之助:ちっ
左之助:何も言わねぇなら俺は行くぜ
:
お菊:待っておくれよ
お菊:ちょいとお兄さんに話があるんだけどね
:
左之助:俺にはねぇよ
:
お菊:そっちには無くても、私(あたし)にはあるんだよ
お菊:あんたさっき、大黒屋(だいこくや)の手代(てだい)を付けてたね
:
左之助:さぁ、しらねぇなぁ
左之助:俺は急ぐんでな、じゃぁな
:
お菊:あんた仕事人だろう?
:
0: 足を止める左之助
:
左之助:なに?
:
0: 殺気立つ左之助
:
お菊:そんな顔すんじゃないよ
お菊:別に番屋(ばんや)に突き出そうってんじゃないんだ
:
左之助:誰だ、おめぇは
:
お菊:そんなに構(かま)えなくたって大丈夫だよ
お菊:分かるのさ、蛇(じゃ)の道は蛇(へび)ってね
:
左之助:お前も仕事人か
:
お菊:あぁ、そうさ
:
左之助:で、その仕事人が俺に何の用ってんだい
:
お菊:なぁに、仕事先でご同業さんと、ばったり出会っちまったって事かねえ
お菊:ご挨拶(あいさつ)でもと思ってね
:
左之助:・・・・・
:
お菊:で、あんた、今回は誰を狙ってるんだい
:
左之助:さぁな
左之助:おめぇ、仕事人にそんな事聞いて、答えが返ってくるとでも思ってるのかい
:
お菊:いや、思っちゃいないよ
お菊:ただ、聞いてみただけさ
:
左之助:ちっ、食えねぇ女だな
:
お菊:あんたが狙ってるのが、善兵衛(ぜんべぇ)なら、
お菊:今回はやめてくれると助かるんだけどね
:
左之助:もう一度言うが、
左之助:そんな事言って、「はい、そうですか」とでも言うと思ってるのかい
:
お菊:そんな事は分かってるさ
お菊:でもね、私には、それを承知でも、言わなきゃいけない訳があるのさ
:
左之助:ほう、
左之助:何だい、その訳ってのは
:
お菊:私は駿河(するが)の仕事人でね
お菊:こっちは、駿河からわざわざ江戸まで善兵衛(ぜんべぇ)を殺しにきて、何日もかけて仕掛けをしてきたんだ
お菊:ここで邪魔されたくないんだよ
:
左之助:心配すんな、おめぇの仕掛けを邪魔するつもりはねえ
左之助:だが、悪いが、相手を譲る気もねぇ
:
お菊:見たところ、あんたら、あと何人か仕掛るんだろ
お菊:なら、善兵衛(ぜんべぇ)だけは、私にやらしてくれよ
:
左之助:出来ねぇ相談だな
:
お菊:つれないんだね
:
左之助:それが俺のやり方なんでな
左之助:おめぇの相手が善兵衛(ぜんべぇ)だけなら、
左之助:俺たちが仕事を終わらせといてやるからよ
左之助:安心して駿河に帰ってろよ
:
お菊:私はもう駿河には帰らないんだよ
:
左之助:何でだよ
:
お菊:私はもうこれで、この稼業とはおさらばするつもりなのでさ
:
左之助:ほう
:
お菊:だから、この最後の仕事だけはキッチリ終わらせたいのさ
お菊:分かっておくれよ
:
左之助:おめぇの事情は分かった
左之助:が
左之助:譲(ゆず)れねぇもんは、譲れねぇ
:
お菊:あんた、堅物(かたぶつ)だね
:
左之助:そういう性分なんでな
:
お菊:まぁ、そういうのは嫌いじゃないよ
お菊:じゃぁいいさ、私が先に善兵衛(ぜんべぇ)を殺すまでだからね
:
左之助:やれるもんなら、やってみるがいいさ
:
お菊:あぁ、そうさせてもらうよ
:
左之助:分かった、
左之助:じゃぁ、お互い仕事人同士、相手の邪魔はしねぇ、
左之助:どちらが先に殺しても恨みはなし
左之助:それでいいな
:
お菊:あぁ、わかったよ
:
0:じっと目を見る二人
:
お菊:じゃぁね
:
左之助:ちょっと待ちな
:
お菊:何だい、もう気が変わったのかい
:
左之助:そうじゃねぇよ
左之助:おめぇの事ばかり聞いて、俺が勝っても後味が悪いかなぁ
左之助:こっちの事も教えといてやるよ
:
お菊:へぇ
:
左之助:俺たちが善兵衛(ぜんべぇ)を殺(や)るのは、今晩だ
:
お菊:いいのかい、私にそんな事教えて
:
左之助:あぁ、構わねぇ
:
お菊:あぁ、そうかい、分かったよ
お菊:ところで
お菊:あんたの得物(えもの)は、みたところ「やっぱ(短い刃物の事)」だろ
お菊:あたしの得物はこれさ
:
0:お菊が左之助に自分の武器を見せる
:
左之助:ほう
:
お菊:あんたは「やっぱ」、私は飛ばすこの得物
お菊:同時に奴を狙らったなら、相手に届くのはあたしの方が早いよ
:
左之助:いいのか、おめぇの方こそ、そんな事教えちまって
:
お菊:私も後味が悪いのは嫌だからね
お菊:それに、江戸まで来て、最期に面白い仕事人に出会えるなんて
お菊:柄(がら)にもなく、嬉しくなっちまったんだよ
:
左之助:あぁ、そうかい
左之助:だが、手加減はしねぇぜ
:
お菊:あんたも先を越されないように、せいぜい気を付けるんだね
:
左之助:あぁ分かったよ
左之助:じゃぁな
:
お菊:あぁ
:
0: 別れる二人
0:
0: 完
:
0:一人の男の後をつけて屋敷の前まで来た左之助
0: その帰り道、一人の女に声を掛けられる
:
お菊:ちょいと、お兄さん
:
左之助:誰だ・・・
:
0:無言で左之助を見つめる女
:
左之助:ちっ
左之助:何も言わねぇなら俺は行くぜ
:
お菊:待っておくれよ
お菊:ちょいとお兄さんに話があるんだけどね
:
左之助:俺にはねぇよ
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お菊:そっちには無くても、私(あたし)にはあるんだよ
お菊:あんたさっき、大黒屋(だいこくや)の手代(てだい)を付けてたね
:
左之助:さぁ、しらねぇなぁ
左之助:俺は急ぐんでな、じゃぁな
:
お菊:あんた仕事人だろう?
:
0: 足を止める左之助
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左之助:なに?
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0: 殺気立つ左之助
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お菊:そんな顔すんじゃないよ
お菊:別に番屋(ばんや)に突き出そうってんじゃないんだ
:
左之助:誰だ、おめぇは
:
お菊:そんなに構(かま)えなくたって大丈夫だよ
お菊:分かるのさ、蛇(じゃ)の道は蛇(へび)ってね
:
左之助:お前も仕事人か
:
お菊:あぁ、そうさ
:
左之助:で、その仕事人が俺に何の用ってんだい
:
お菊:なぁに、仕事先でご同業さんと、ばったり出会っちまったって事かねえ
お菊:ご挨拶(あいさつ)でもと思ってね
:
左之助:・・・・・
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お菊:で、あんた、今回は誰を狙ってるんだい
:
左之助:さぁな
左之助:おめぇ、仕事人にそんな事聞いて、答えが返ってくるとでも思ってるのかい
:
お菊:いや、思っちゃいないよ
お菊:ただ、聞いてみただけさ
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左之助:ちっ、食えねぇ女だな
:
お菊:あんたが狙ってるのが、善兵衛(ぜんべぇ)なら、
お菊:今回はやめてくれると助かるんだけどね
:
左之助:もう一度言うが、
左之助:そんな事言って、「はい、そうですか」とでも言うと思ってるのかい
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お菊:そんな事は分かってるさ
お菊:でもね、私には、それを承知でも、言わなきゃいけない訳があるのさ
:
左之助:ほう、
左之助:何だい、その訳ってのは
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お菊:私は駿河(するが)の仕事人でね
お菊:こっちは、駿河からわざわざ江戸まで善兵衛(ぜんべぇ)を殺しにきて、何日もかけて仕掛けをしてきたんだ
お菊:ここで邪魔されたくないんだよ
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左之助:心配すんな、おめぇの仕掛けを邪魔するつもりはねえ
左之助:だが、悪いが、相手を譲る気もねぇ
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お菊:見たところ、あんたら、あと何人か仕掛るんだろ
お菊:なら、善兵衛(ぜんべぇ)だけは、私にやらしてくれよ
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左之助:出来ねぇ相談だな
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お菊:つれないんだね
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左之助:それが俺のやり方なんでな
左之助:おめぇの相手が善兵衛(ぜんべぇ)だけなら、
左之助:俺たちが仕事を終わらせといてやるからよ
左之助:安心して駿河に帰ってろよ
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お菊:私はもう駿河には帰らないんだよ
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左之助:何でだよ
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お菊:私はもうこれで、この稼業とはおさらばするつもりなのでさ
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左之助:ほう
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お菊:だから、この最後の仕事だけはキッチリ終わらせたいのさ
お菊:分かっておくれよ
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左之助:おめぇの事情は分かった
左之助:が
左之助:譲(ゆず)れねぇもんは、譲れねぇ
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お菊:あんた、堅物(かたぶつ)だね
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左之助:そういう性分なんでな
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お菊:まぁ、そういうのは嫌いじゃないよ
お菊:じゃぁいいさ、私が先に善兵衛(ぜんべぇ)を殺すまでだからね
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左之助:やれるもんなら、やってみるがいいさ
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お菊:あぁ、そうさせてもらうよ
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左之助:分かった、
左之助:じゃぁ、お互い仕事人同士、相手の邪魔はしねぇ、
左之助:どちらが先に殺しても恨みはなし
左之助:それでいいな
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お菊:あぁ、わかったよ
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0:じっと目を見る二人
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お菊:じゃぁね
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左之助:ちょっと待ちな
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お菊:何だい、もう気が変わったのかい
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左之助:そうじゃねぇよ
左之助:おめぇの事ばかり聞いて、俺が勝っても後味が悪いかなぁ
左之助:こっちの事も教えといてやるよ
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お菊:へぇ
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左之助:俺たちが善兵衛(ぜんべぇ)を殺(や)るのは、今晩だ
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お菊:いいのかい、私にそんな事教えて
:
左之助:あぁ、構わねぇ
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お菊:あぁ、そうかい、分かったよ
お菊:ところで
お菊:あんたの得物(えもの)は、みたところ「やっぱ(短い刃物の事)」だろ
お菊:あたしの得物はこれさ
:
0:お菊が左之助に自分の武器を見せる
:
左之助:ほう
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お菊:あんたは「やっぱ」、私は飛ばすこの得物
お菊:同時に奴を狙らったなら、相手に届くのはあたしの方が早いよ
:
左之助:いいのか、おめぇの方こそ、そんな事教えちまって
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お菊:私も後味が悪いのは嫌だからね
お菊:それに、江戸まで来て、最期に面白い仕事人に出会えるなんて
お菊:柄(がら)にもなく、嬉しくなっちまったんだよ
:
左之助:あぁ、そうかい
左之助:だが、手加減はしねぇぜ
:
お菊:あんたも先を越されないように、せいぜい気を付けるんだね
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左之助:あぁ分かったよ
左之助:じゃぁな
:
お菊:あぁ
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0: 別れる二人
0:
0: 完