台本概要

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タイトル 必殺仕事人風台本8『利平』
作者名 Danzig
ジャンル 時代劇
演者人数 3人用台本(男1、女1、不問1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 男×女×男女不問 台本

仕事人風 3(仁吉)の少し前の話です。
お竜が仕事にかけられる理由とは・・・

※9歳の男の子が出てきます。
小さな子なので、男女不問としています。
(声的に女性の兼ね役でも良いかもしれません。)

仕事人シリーズの小説は基本的に一話完結です。
同じ話を男女の配役を入れ替えて作ったりしています。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
正太 不問 20 9歳の男の子。 母親を殺された
利平 38 仕事人の元締め
お市 17 仕事人の一人
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
: 0:小さな祠を拝む少年 : 正太:ごめんなさい、おっかさんごめんなさい : 0: 通りすがる男 : 利平:坊やどうしたんだ、そんなに一生懸命拝んで : 正太:おいらのおっかさんが死んじゃって・・・ : 利平:そうかい、こんな小さい子を残して死ぬなんてなぁ 利平:で、おっかさんは病気か何かだったのかい : 正太:殺されたんだ : 利平:殺されたって・・・誰にだい : 正太:わかんない : 利平:そうか・・・・それでおとっさんは? : 正太:おとっさんはいない 正太:おいらが小さい時に、死んじゃったんだって 正太:ずっと、おっかさん一人だったんだ : 利平:そうだったのか 利平:坊や、今いくつだ? : 正太:もうすぐ九つになるよ : 利平:そうか 利平:坊や、これからどうするんだい? 利平:いくあてはあるのかい? : 正太:うん 正太:おっかさんの働いてた三河屋さんの旦那様が 正太:おいらに丁稚(でっち)に来いって言ってくれたんだ 正太:三河屋さんの所に住まわせてくれるって : 利平:そうかい、そりゃよかったな 利平:一生懸命働くんだぞ : 正太:うん : 利平:よしよし : 正太:おじちゃん : 利平:ん? なんだい? 利平: : 正太:おっかさんが、いつも言ってたんだ 正太:「悪い事をすると、天神様(てんじんさま)の罰(ばち)が当たるよ」って・・・ 正太:おっかさん、悪い事したのかな? 正太:それで天神様の罰があたったのかな? : 利平:そんな事、あるわけないじゃないか 利平:真っ当に生きてる人間に、天神様が罰(ばち)を当てるなんて事はしないよ : 正太:そっか・・・ 正太:じゃぁ、やっぱり、おいらが悪かったのかな? : 利平:坊や、そりゃ、どういう事だい? : 正太:これ・・・・ : 0:正太が利平にお金の入った袋を渡す : 利平:ん? お金じゃないか 利平:どうしたんだい、この金は : 正太:おっかさん、いつも赤切れ(あかぎれ)で、指が痛い痛いって言ってたから 正太:おいら、おっかさんに赤切れの薬を買ってやろうと思って、クズ拾いをしてたんだ : 利平:ほう、偉いじゃないか : 正太:だけど、いつも少ししか稼げなくて、これだけ貯めるのに3年もかかっちまったんだ 正太:もっと早く薬を買ってやれたらって・・・ 正太: 正太:おじちゃん、おいらがもっと頑張ってたら、 正太:もっと早く、赤切れの薬を買えてたら 正太:おっかさん、死なずにすんだかな? : 利平:坊や・・・ : 正太:だから今、天神様とおっかさんに謝(あやま)ってたんだ : 利平:坊や、坊やは何にも悪くないよ 利平:悪い訳があるかい 利平:悪いのはな、お前のおっかさんを殺した奴らだよ 利平:きっと、そいつらには天神様が罰(ばち)を当ててくれるよ : 正太:ほんと? : 利平:あぁ、本当さ 利平:おじちゃんが、向町(むこうまち)の天神様に願掛(がんか)け、してきてやる 利平:大きな天神様だからな、きっとご利益(ごりやく)があるよ : 正太:ありがとう、おじちゃん 正太:じゃぁ、それもお願いできる? : 0:お金が入った袋を指さす : 利平:この金・・・どうするんだい? : 正太:まだ、少し足りないけど、天国のおっかさんに赤切れの薬を届けてくれるように 正太:天神様に頼んでおくれよ : 利平:坊や・・・ 利平:あぁ、わかった 利平:おじちゃんが天神様にキッチリと願掛けをしといてやる 利平:だから、きっと天神様は、坊やの願いを聞いてくれるさ : 正太:そっか、ありがとう 正太:おいら、もう行かなきゃ 正太:じゃぁ、おじちゃんお願いね : 利平:あぁ、坊や、頑張るんだよ : 正太:うん 正太:じゃぁ : 0:手を振って走り去る正太 0:それを手を振って見送る利平 : 利平:お市、いるか? : 0: 物陰から声だけが聞こえる : お市:はい : 利平:この一見、洗ってくれるか : お市:わかりました : 利平:俺の方でも調べてみる、後日、俺の所へ来てくれ : お市:はい : : 0:後日、とある場所 : 利平:で、分かったか? : お市:はい、あの男の子の母親を殺したのは、お竜のようです : 利平:仕事か? : お市:いえ・・・ : 利平:見られたのか? : お市:そこまでは・・・ : 利平:こっちでも調べてみたよ 利平:だいたい、お前と同じだ 利平:お竜については、ここんとこ悪い話があるな : お市:・・・はい : 利平:お竜程の女が、殺しに酔っちまったか・・・ : お市:・・・ : 利平:お市 : お市:はい : 利平:俺は今まで、大勢の仕事人達を見てきた 利平:その中には、殺しに酔っちまった奴が何人かいたが 利平:そいつらは、決まって、見るも哀れな最期だったよ  : 0:一息の間 : 利平:お市、 利平:そうなる前に、お前たちの手で、お竜に引導を渡してやれ : お市:元締め、そんな・・・お竜を・・私達が・・ : 利平:お前たちが出来ないなら、こっちでやるがどうだ? : お市:わ、わかりました、私達で : 利平:うむ、 利平:仕事料は、坊やの貯めたこの金 : 0:金の入った袋をお市に渡す : 利平:数えたら、ちょうど弐朱(にしゅ)あったよ : お市:弐朱(にしゅ)・・・ : 利平:赤切れの薬なら、もう少し安く買えただろうに・・・ : お市:確か、街で評判の薬が弐朱(にしゅ)とちょっとくらいだったかと・・・ : 利平:そうか 利平:いい薬を買って母親を喜ばせてやりたかったんだろうなぁ : お市:そうですね : 利平:これはそういう金だ、わかったな : お市:承知しました : 利平:で、お竜の居場所は分かるな? : お市:はい・・・ : 利平:うむ 利平:じゃぁ、よろしく頼む : お市:・・・はい : 0:完

: 0:小さな祠を拝む少年 : 正太:ごめんなさい、おっかさんごめんなさい : 0: 通りすがる男 : 利平:坊やどうしたんだ、そんなに一生懸命拝んで : 正太:おいらのおっかさんが死んじゃって・・・ : 利平:そうかい、こんな小さい子を残して死ぬなんてなぁ 利平:で、おっかさんは病気か何かだったのかい : 正太:殺されたんだ : 利平:殺されたって・・・誰にだい : 正太:わかんない : 利平:そうか・・・・それでおとっさんは? : 正太:おとっさんはいない 正太:おいらが小さい時に、死んじゃったんだって 正太:ずっと、おっかさん一人だったんだ : 利平:そうだったのか 利平:坊や、今いくつだ? : 正太:もうすぐ九つになるよ : 利平:そうか 利平:坊や、これからどうするんだい? 利平:いくあてはあるのかい? : 正太:うん 正太:おっかさんの働いてた三河屋さんの旦那様が 正太:おいらに丁稚(でっち)に来いって言ってくれたんだ 正太:三河屋さんの所に住まわせてくれるって : 利平:そうかい、そりゃよかったな 利平:一生懸命働くんだぞ : 正太:うん : 利平:よしよし : 正太:おじちゃん : 利平:ん? なんだい? 利平: : 正太:おっかさんが、いつも言ってたんだ 正太:「悪い事をすると、天神様(てんじんさま)の罰(ばち)が当たるよ」って・・・ 正太:おっかさん、悪い事したのかな? 正太:それで天神様の罰があたったのかな? : 利平:そんな事、あるわけないじゃないか 利平:真っ当に生きてる人間に、天神様が罰(ばち)を当てるなんて事はしないよ : 正太:そっか・・・ 正太:じゃぁ、やっぱり、おいらが悪かったのかな? : 利平:坊や、そりゃ、どういう事だい? : 正太:これ・・・・ : 0:正太が利平にお金の入った袋を渡す : 利平:ん? お金じゃないか 利平:どうしたんだい、この金は : 正太:おっかさん、いつも赤切れ(あかぎれ)で、指が痛い痛いって言ってたから 正太:おいら、おっかさんに赤切れの薬を買ってやろうと思って、クズ拾いをしてたんだ : 利平:ほう、偉いじゃないか : 正太:だけど、いつも少ししか稼げなくて、これだけ貯めるのに3年もかかっちまったんだ 正太:もっと早く薬を買ってやれたらって・・・ 正太: 正太:おじちゃん、おいらがもっと頑張ってたら、 正太:もっと早く、赤切れの薬を買えてたら 正太:おっかさん、死なずにすんだかな? : 利平:坊や・・・ : 正太:だから今、天神様とおっかさんに謝(あやま)ってたんだ : 利平:坊や、坊やは何にも悪くないよ 利平:悪い訳があるかい 利平:悪いのはな、お前のおっかさんを殺した奴らだよ 利平:きっと、そいつらには天神様が罰(ばち)を当ててくれるよ : 正太:ほんと? : 利平:あぁ、本当さ 利平:おじちゃんが、向町(むこうまち)の天神様に願掛(がんか)け、してきてやる 利平:大きな天神様だからな、きっとご利益(ごりやく)があるよ : 正太:ありがとう、おじちゃん 正太:じゃぁ、それもお願いできる? : 0:お金が入った袋を指さす : 利平:この金・・・どうするんだい? : 正太:まだ、少し足りないけど、天国のおっかさんに赤切れの薬を届けてくれるように 正太:天神様に頼んでおくれよ : 利平:坊や・・・ 利平:あぁ、わかった 利平:おじちゃんが天神様にキッチリと願掛けをしといてやる 利平:だから、きっと天神様は、坊やの願いを聞いてくれるさ : 正太:そっか、ありがとう 正太:おいら、もう行かなきゃ 正太:じゃぁ、おじちゃんお願いね : 利平:あぁ、坊や、頑張るんだよ : 正太:うん 正太:じゃぁ : 0:手を振って走り去る正太 0:それを手を振って見送る利平 : 利平:お市、いるか? : 0: 物陰から声だけが聞こえる : お市:はい : 利平:この一見、洗ってくれるか : お市:わかりました : 利平:俺の方でも調べてみる、後日、俺の所へ来てくれ : お市:はい : : 0:後日、とある場所 : 利平:で、分かったか? : お市:はい、あの男の子の母親を殺したのは、お竜のようです : 利平:仕事か? : お市:いえ・・・ : 利平:見られたのか? : お市:そこまでは・・・ : 利平:こっちでも調べてみたよ 利平:だいたい、お前と同じだ 利平:お竜については、ここんとこ悪い話があるな : お市:・・・はい : 利平:お竜程の女が、殺しに酔っちまったか・・・ : お市:・・・ : 利平:お市 : お市:はい : 利平:俺は今まで、大勢の仕事人達を見てきた 利平:その中には、殺しに酔っちまった奴が何人かいたが 利平:そいつらは、決まって、見るも哀れな最期だったよ  : 0:一息の間 : 利平:お市、 利平:そうなる前に、お前たちの手で、お竜に引導を渡してやれ : お市:元締め、そんな・・・お竜を・・私達が・・ : 利平:お前たちが出来ないなら、こっちでやるがどうだ? : お市:わ、わかりました、私達で : 利平:うむ、 利平:仕事料は、坊やの貯めたこの金 : 0:金の入った袋をお市に渡す : 利平:数えたら、ちょうど弐朱(にしゅ)あったよ : お市:弐朱(にしゅ)・・・ : 利平:赤切れの薬なら、もう少し安く買えただろうに・・・ : お市:確か、街で評判の薬が弐朱(にしゅ)とちょっとくらいだったかと・・・ : 利平:そうか 利平:いい薬を買って母親を喜ばせてやりたかったんだろうなぁ : お市:そうですね : 利平:これはそういう金だ、わかったな : お市:承知しました : 利平:で、お竜の居場所は分かるな? : お市:はい・・・ : 利平:うむ 利平:じゃぁ、よろしく頼む : お市:・・・はい : 0:完