台本概要
988 views
タイトル | 社畜デスゲーム |
---|---|
作者名 | akodon (@akodon1) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
【アドリブ大歓迎!】 全世界の社畜さん、今日も「いのちをだいじに」コマンドで頑張ってください。 生き抜いたもん勝ちだぜ?世の中ってやつはさ。 988 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
社畜 | 不問 | 54 | 仕事どころか生きることに疲れ始めた社畜さん。強く生きてほしい。 |
管理人 | 不問 | 54 | とあるデスゲームの管理人。人の絶望が大好きなサイコパスだけど、根っからの悪人ではないのかもしれない。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
社畜:「ん・・・なんだここは・・・?」
管理人:「ふふ・・・ようやくお目覚めですか?」
社畜:「キミは・・・?」
管理人:「私は・・・管理人」
社畜:「管理人・・・?」
管理人:「そう・・・この建物で行われるゲームの」
社畜:「ゲーム?」
管理人:「そうです!おめでとうございます!
管理人:あなたはこの素晴らしく愉快なデスゲームに招かれた、参加者の一人なのです!」
社畜:「なん・・・だと・・・?」
管理人:「驚いていますねぇ。
管理人:いいですね、いいですねぇ。
管理人:私は人が絶望した時の、その表情が大好きなんですよ・・・!」
社畜:「ふざけるな!!!」
管理人:「おやおや、声を荒らげたところでこの場所から出ることはできませんよ。
管理人:あなたは数々の命をかけたゲームに挑み、それをクリアしなければいけな・・・」
社畜:(社畜、食い気味に)
社畜:「有給申請をしていない!」
管理人:「・・・はい?」
社畜:「今日、私は有給申請をしていないんだ!
社畜:無断欠勤なんて・・・部長に後でなんと言われるか・・・」
管理人:「いやいや、無断欠勤以前にあなた、ここから出られるか分からないんですよ?」
社畜:「出られる可能性もあるってことだろう・・・?
社畜:どうするんだ・・・ここから出た時、会社に席が無かったら・・・」
管理人:「そんな心配するよりも、自分の命を心配した方が良いと思うんですが」
社畜:「いっそ殺してくれ!」
管理人:「ハァ!?」
社畜:「そうだ!いっそ殺してくれ!
社畜:会社で居場所を無くすくらいなら、ここから出られないままでいい!」
管理人:「お、落ち着いて・・・」
社畜:「お願いだ!このまま無事に帰れたとしても、周囲の冷たい視線に耐えられない!
社畜:部長のネチネチした嫌味を想像しただけで、胃に穴が空きそうなんだ!
社畜:頼む!ひと思いにやってくれ!」
管理人:「え・・・えええ・・・?」
社畜:「頼む・・・頼むよぉ・・・
社畜:もし席があったとしても、きっと休んだ分、大量の仕事を押し付けられるんだ・・・。
社畜:ここから帰れたとしても、自宅に帰れなくなる未来しか見えない・・・」
管理人:「あのー・・・」
社畜:「嫌だァああ!嫌だァあああ!
社畜:もうサービス残業は嫌だァ!
社畜:終電逃して会社で寝泊まりするのはもう嫌なんだァ!」
管理人:「あのぉ・・・つかぬことをお聞きしますが・・・」
社畜:「なんだ・・・?」
管理人:「あなたはもしや・・・世間一般でいう社畜というヤツですか?」
社畜:「しゃ・・・ちく・・・?」
管理人:「あれ?どうしました?
管理人:そんなに目を見開いて・・・」
社畜:「社畜・・・私が社畜・・・?
社畜:ふふっ・・・ふはは・・・」
管理人:「お、おおお?大丈夫ですか・・・?」
社畜:「そうか・・・」
管理人:「えっ?」
社畜:「自覚は無かったが、これが社畜というやつだったのか・・・
社畜:そうか、ふふっ・・・」
管理人:「あっ、自覚は無かったんですね」
社畜:「毎月の残業は百時間超え・・・
社畜:ほとんどがサービス残業扱いで、休日出勤は当たり前・・・」
管理人:「超弩級(ちょうどきゅう)のブラック企業じゃないですか・・・」
社畜:「有給休暇を取ろうとすれば、理由をしつこく聞かれる上、使ってないはずの有給も、気が付くと消化扱いにされている・・・」
管理人:「ブラック・オブ・ブラック!
管理人:漆黒の闇もビックリの黒さ」
社畜:「そうか・・・まさか自分が社畜になっていたなんて、夢にも思わなかった・・・」
管理人:「いやいやいや。思ってください。
管理人:完全に社畜ですよ。もう過労死まっしぐら!ってレベルの社畜ですよ。
管理人:あなたの人生そのものがデスゲームになってますよ」
社畜:「そういえば最近、気が付くと黒いフードを被った人が背後に見えるんだけど・・・」
管理人:「あああ!それはダメなやつ!
管理人:見えちゃダメなやつです!」
社畜:「もう疲れたよ・・・通勤ラッシュ・・・
社畜:なんだかとても眠いんだ・・・」
管理人:「それは寝たら死ぬやつ?
管理人:いや待てよ。この場合は寝かせてあげた方が正解?」
社畜:「おやすみ世界・・・永遠に・・・」
管理人:「待って!待ってください!」
社畜:「どうして止めるんだ?
社畜:デスゲームなのに人が死なないのはおかしいだろう?」
管理人:「そうですけど!そうなんですけど!
管理人:私が求めているのは、人が理不尽な死を突き付けられて、それでも生き抜こうと必死に足掻(あが)く姿というか!
管理人:足掻いた上で訪れる残酷な結末に、絶望の表情を浮かべる姿というか!」
社畜:「それなら、もう充分じゃないか・・・
社畜:ご覧・・・これがキミの望む絶望の表情を浮かべた人間ってヤツだよ・・・」
管理人:「そのとおりなんですけど、なんか違う!
管理人:できれば私が用意したシチュエーションで、浮かぶ絶望の表情が見たい!」
社畜:「じゃあ、早くキミの望む絶望とやらを私の目の前に突きつけてくれ!
社畜:さぁ!早く!」
管理人:「えっ、ちょっと、ちょっと待ってください。
管理人:まだ解説の途中だったから、準備整ってないんですけど」
社畜:「なんで事前に準備しておかないんだ!
社畜:納期を守れないなんて社会人失格だ!」
管理人:「す、すみません・・・」
社畜:「納期を守れないなら残業しろ!
社畜:・・・残業すれば・・・ううっ・・・」
管理人:「自ら傷抉(えぐ)ってるじゃないですか・・・」
社畜:「ごめん・・・イライラしてて・・・
社畜:部長に同じ事言われた時、めちゃめちゃ悲しかったのに・・・」
管理人:「いいんですよ・・・
管理人:こっちも準備間に合わなくてすみません」
社畜:「そんな、こちらが・・・」
管理人:「いやいや、こちらこそ・・・」
0:(少し間)
社畜:「・・・やめようか。もうこれ以上傷抉るの・・・つらいし」
管理人:「そうですね。
管理人:このままだと、心のデスゲームが先に終わっちゃうので」
社畜:「心はもうすでに瀕死(ひんし)なんだけどね」
管理人:「言わないでくださいよ・・・悲しくなるので」
社畜:「ごめんて・・・」
管理人:「・・・ちなみに準備終わったみたいなんですけど、第一のデスゲーム。
管理人:内容聞きます?」
社畜:「うん、どんな感じ?」
管理人:「クイズに正解しないと穴に落ちて串刺し」
社畜:「温(ぬる)い!!!」
管理人:「うわっ!いきなり何ですか!?」
社畜:「こちとら上司と部下の間に挟まれる中間管理職なんだよ!
社畜:上からも下からもチクチクチクチクやられてるの!
社畜:常に針の筵(むしろ)なの!
社畜:串刺しなんて全く恐怖感じないんだけど!」
管理人:「いや、その理屈おかしいですって・・・。
管理人:精神的にチクチクやられるのと、肉体的にグサッとされるの全然違うと思いますけど?」
社畜:「・・・グサッとされて一瞬で楽になるのと、毎日ひたすらチクチクされて苦しむの、どっちが良い?」
管理人:「うわぁ・・・目が据(す)わってるじゃないですか・・・この人」
社畜:「クライアントを満足させたいなら、もっとインパクトのある絶望持ってこいやァ!!!」
管理人:「あのー、誰ですか?
管理人:此処(ここ)にこの人連れてきたの?
管理人:無作為(むさくい)に選んで良いとは言いましたけど、もうちょっとデスゲーム向きの人いたでしょう?」
社畜:「デスマーチには・・・向いてるんだけどなぁ・・・」
管理人:「わかりました・・・。
管理人:プランを・・・プランを練り直しますから・・・
管理人:こっちにも絶望が伝染する、そのどこか遠くを見るような表情やめてください・・・
管理人:お願いですから・・・」
社畜:「一分間に三百文字がベストだぞ。
社畜:プレゼン、頑張ってくれ」
管理人:「あっ・・・はい・・・」
0:(少し間。管理人に内線電話がかかってくる)
管理人:「・・・えっ、ああ。わかりました。
管理人:そろそろ交代の時間ですね。
管理人:・・・はい、了解です、はーい」
社畜:「ん?何の話だ?」
管理人:「ああ、いえ・・・
管理人:申し訳ないんですが、そろそろ時間が来たので、別の管理人に代わります」
社畜:「別の・・・何だって?」
管理人:「私、そろそろ退勤しなきゃいけないんですよ。
管理人:あっ、この後、別の者が対応させて頂くので心配には及びません。
管理人:引き続きこのデスゲームをお楽しみくださ・・・」
社畜:(社畜、食い気味に)
社畜:「待って」
管理人:「あっ、はい」
社畜:「えっ、何それ。
社畜:デスゲームって運営してる会社があるの?」
管理人:「そうですよ。
管理人:まあ、事が事なので表立っては活動できませんが、裏社会では結構有名企業ですよ、うち」
社畜:「裏社会にも有名企業があるの?」
管理人:「あるんですよ。
管理人:しかも、うち裏社会でも有数のホワイト企業で」
社畜:「裏社会なのに?」
管理人:「はい。残業はほぼ無し。完全週休二日制。
管理人:産休育休制度も取りやすいし、おまけに年末年始にお盆休みまであり。
管理人:めちゃめちゃ働きやすくていい会社なんですよ~」
社畜:「裏社会なのに?」
管理人:「はい!趣味と実益を兼ねることができる、最高の会社です」
社畜:「・・・あの」
管理人:「はい?どうしました?」
社畜:「御社は今、社員の募集などされていらっしゃいますか?」
管理人:「求人ですか?
管理人:ちょっと人事に聞いてみないと分からないんですけど・・・」
社畜:「裏社会での経験が無くても大丈夫でしょうか?」
管理人:「その点に関してはしっかり研修あるので、心配ないと思いますが・・・」
社畜:「すみません・・・お願いがあるんですが」
管理人:「何でしょう?」
社畜:「ーーー御社で・・・私を雇っていただけませんか?」
0:~Fin~
社畜:「ん・・・なんだここは・・・?」
管理人:「ふふ・・・ようやくお目覚めですか?」
社畜:「キミは・・・?」
管理人:「私は・・・管理人」
社畜:「管理人・・・?」
管理人:「そう・・・この建物で行われるゲームの」
社畜:「ゲーム?」
管理人:「そうです!おめでとうございます!
管理人:あなたはこの素晴らしく愉快なデスゲームに招かれた、参加者の一人なのです!」
社畜:「なん・・・だと・・・?」
管理人:「驚いていますねぇ。
管理人:いいですね、いいですねぇ。
管理人:私は人が絶望した時の、その表情が大好きなんですよ・・・!」
社畜:「ふざけるな!!!」
管理人:「おやおや、声を荒らげたところでこの場所から出ることはできませんよ。
管理人:あなたは数々の命をかけたゲームに挑み、それをクリアしなければいけな・・・」
社畜:(社畜、食い気味に)
社畜:「有給申請をしていない!」
管理人:「・・・はい?」
社畜:「今日、私は有給申請をしていないんだ!
社畜:無断欠勤なんて・・・部長に後でなんと言われるか・・・」
管理人:「いやいや、無断欠勤以前にあなた、ここから出られるか分からないんですよ?」
社畜:「出られる可能性もあるってことだろう・・・?
社畜:どうするんだ・・・ここから出た時、会社に席が無かったら・・・」
管理人:「そんな心配するよりも、自分の命を心配した方が良いと思うんですが」
社畜:「いっそ殺してくれ!」
管理人:「ハァ!?」
社畜:「そうだ!いっそ殺してくれ!
社畜:会社で居場所を無くすくらいなら、ここから出られないままでいい!」
管理人:「お、落ち着いて・・・」
社畜:「お願いだ!このまま無事に帰れたとしても、周囲の冷たい視線に耐えられない!
社畜:部長のネチネチした嫌味を想像しただけで、胃に穴が空きそうなんだ!
社畜:頼む!ひと思いにやってくれ!」
管理人:「え・・・えええ・・・?」
社畜:「頼む・・・頼むよぉ・・・
社畜:もし席があったとしても、きっと休んだ分、大量の仕事を押し付けられるんだ・・・。
社畜:ここから帰れたとしても、自宅に帰れなくなる未来しか見えない・・・」
管理人:「あのー・・・」
社畜:「嫌だァああ!嫌だァあああ!
社畜:もうサービス残業は嫌だァ!
社畜:終電逃して会社で寝泊まりするのはもう嫌なんだァ!」
管理人:「あのぉ・・・つかぬことをお聞きしますが・・・」
社畜:「なんだ・・・?」
管理人:「あなたはもしや・・・世間一般でいう社畜というヤツですか?」
社畜:「しゃ・・・ちく・・・?」
管理人:「あれ?どうしました?
管理人:そんなに目を見開いて・・・」
社畜:「社畜・・・私が社畜・・・?
社畜:ふふっ・・・ふはは・・・」
管理人:「お、おおお?大丈夫ですか・・・?」
社畜:「そうか・・・」
管理人:「えっ?」
社畜:「自覚は無かったが、これが社畜というやつだったのか・・・
社畜:そうか、ふふっ・・・」
管理人:「あっ、自覚は無かったんですね」
社畜:「毎月の残業は百時間超え・・・
社畜:ほとんどがサービス残業扱いで、休日出勤は当たり前・・・」
管理人:「超弩級(ちょうどきゅう)のブラック企業じゃないですか・・・」
社畜:「有給休暇を取ろうとすれば、理由をしつこく聞かれる上、使ってないはずの有給も、気が付くと消化扱いにされている・・・」
管理人:「ブラック・オブ・ブラック!
管理人:漆黒の闇もビックリの黒さ」
社畜:「そうか・・・まさか自分が社畜になっていたなんて、夢にも思わなかった・・・」
管理人:「いやいやいや。思ってください。
管理人:完全に社畜ですよ。もう過労死まっしぐら!ってレベルの社畜ですよ。
管理人:あなたの人生そのものがデスゲームになってますよ」
社畜:「そういえば最近、気が付くと黒いフードを被った人が背後に見えるんだけど・・・」
管理人:「あああ!それはダメなやつ!
管理人:見えちゃダメなやつです!」
社畜:「もう疲れたよ・・・通勤ラッシュ・・・
社畜:なんだかとても眠いんだ・・・」
管理人:「それは寝たら死ぬやつ?
管理人:いや待てよ。この場合は寝かせてあげた方が正解?」
社畜:「おやすみ世界・・・永遠に・・・」
管理人:「待って!待ってください!」
社畜:「どうして止めるんだ?
社畜:デスゲームなのに人が死なないのはおかしいだろう?」
管理人:「そうですけど!そうなんですけど!
管理人:私が求めているのは、人が理不尽な死を突き付けられて、それでも生き抜こうと必死に足掻(あが)く姿というか!
管理人:足掻いた上で訪れる残酷な結末に、絶望の表情を浮かべる姿というか!」
社畜:「それなら、もう充分じゃないか・・・
社畜:ご覧・・・これがキミの望む絶望の表情を浮かべた人間ってヤツだよ・・・」
管理人:「そのとおりなんですけど、なんか違う!
管理人:できれば私が用意したシチュエーションで、浮かぶ絶望の表情が見たい!」
社畜:「じゃあ、早くキミの望む絶望とやらを私の目の前に突きつけてくれ!
社畜:さぁ!早く!」
管理人:「えっ、ちょっと、ちょっと待ってください。
管理人:まだ解説の途中だったから、準備整ってないんですけど」
社畜:「なんで事前に準備しておかないんだ!
社畜:納期を守れないなんて社会人失格だ!」
管理人:「す、すみません・・・」
社畜:「納期を守れないなら残業しろ!
社畜:・・・残業すれば・・・ううっ・・・」
管理人:「自ら傷抉(えぐ)ってるじゃないですか・・・」
社畜:「ごめん・・・イライラしてて・・・
社畜:部長に同じ事言われた時、めちゃめちゃ悲しかったのに・・・」
管理人:「いいんですよ・・・
管理人:こっちも準備間に合わなくてすみません」
社畜:「そんな、こちらが・・・」
管理人:「いやいや、こちらこそ・・・」
0:(少し間)
社畜:「・・・やめようか。もうこれ以上傷抉るの・・・つらいし」
管理人:「そうですね。
管理人:このままだと、心のデスゲームが先に終わっちゃうので」
社畜:「心はもうすでに瀕死(ひんし)なんだけどね」
管理人:「言わないでくださいよ・・・悲しくなるので」
社畜:「ごめんて・・・」
管理人:「・・・ちなみに準備終わったみたいなんですけど、第一のデスゲーム。
管理人:内容聞きます?」
社畜:「うん、どんな感じ?」
管理人:「クイズに正解しないと穴に落ちて串刺し」
社畜:「温(ぬる)い!!!」
管理人:「うわっ!いきなり何ですか!?」
社畜:「こちとら上司と部下の間に挟まれる中間管理職なんだよ!
社畜:上からも下からもチクチクチクチクやられてるの!
社畜:常に針の筵(むしろ)なの!
社畜:串刺しなんて全く恐怖感じないんだけど!」
管理人:「いや、その理屈おかしいですって・・・。
管理人:精神的にチクチクやられるのと、肉体的にグサッとされるの全然違うと思いますけど?」
社畜:「・・・グサッとされて一瞬で楽になるのと、毎日ひたすらチクチクされて苦しむの、どっちが良い?」
管理人:「うわぁ・・・目が据(す)わってるじゃないですか・・・この人」
社畜:「クライアントを満足させたいなら、もっとインパクトのある絶望持ってこいやァ!!!」
管理人:「あのー、誰ですか?
管理人:此処(ここ)にこの人連れてきたの?
管理人:無作為(むさくい)に選んで良いとは言いましたけど、もうちょっとデスゲーム向きの人いたでしょう?」
社畜:「デスマーチには・・・向いてるんだけどなぁ・・・」
管理人:「わかりました・・・。
管理人:プランを・・・プランを練り直しますから・・・
管理人:こっちにも絶望が伝染する、そのどこか遠くを見るような表情やめてください・・・
管理人:お願いですから・・・」
社畜:「一分間に三百文字がベストだぞ。
社畜:プレゼン、頑張ってくれ」
管理人:「あっ・・・はい・・・」
0:(少し間。管理人に内線電話がかかってくる)
管理人:「・・・えっ、ああ。わかりました。
管理人:そろそろ交代の時間ですね。
管理人:・・・はい、了解です、はーい」
社畜:「ん?何の話だ?」
管理人:「ああ、いえ・・・
管理人:申し訳ないんですが、そろそろ時間が来たので、別の管理人に代わります」
社畜:「別の・・・何だって?」
管理人:「私、そろそろ退勤しなきゃいけないんですよ。
管理人:あっ、この後、別の者が対応させて頂くので心配には及びません。
管理人:引き続きこのデスゲームをお楽しみくださ・・・」
社畜:(社畜、食い気味に)
社畜:「待って」
管理人:「あっ、はい」
社畜:「えっ、何それ。
社畜:デスゲームって運営してる会社があるの?」
管理人:「そうですよ。
管理人:まあ、事が事なので表立っては活動できませんが、裏社会では結構有名企業ですよ、うち」
社畜:「裏社会にも有名企業があるの?」
管理人:「あるんですよ。
管理人:しかも、うち裏社会でも有数のホワイト企業で」
社畜:「裏社会なのに?」
管理人:「はい。残業はほぼ無し。完全週休二日制。
管理人:産休育休制度も取りやすいし、おまけに年末年始にお盆休みまであり。
管理人:めちゃめちゃ働きやすくていい会社なんですよ~」
社畜:「裏社会なのに?」
管理人:「はい!趣味と実益を兼ねることができる、最高の会社です」
社畜:「・・・あの」
管理人:「はい?どうしました?」
社畜:「御社は今、社員の募集などされていらっしゃいますか?」
管理人:「求人ですか?
管理人:ちょっと人事に聞いてみないと分からないんですけど・・・」
社畜:「裏社会での経験が無くても大丈夫でしょうか?」
管理人:「その点に関してはしっかり研修あるので、心配ないと思いますが・・・」
社畜:「すみません・・・お願いがあるんですが」
管理人:「何でしょう?」
社畜:「ーーー御社で・・・私を雇っていただけませんか?」
0:~Fin~