台本概要

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タイトル 社畜デスゲーム
作者名 akodon  (@akodon1)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 【アドリブ大歓迎!】
全世界の社畜さん、今日も「いのちをだいじに」コマンドで頑張ってください。
生き抜いたもん勝ちだぜ?世の中ってやつはさ。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
社畜 不問 54 仕事どころか生きることに疲れ始めた社畜さん。強く生きてほしい。
管理人 不問 54 とあるデスゲームの管理人。人の絶望が大好きなサイコパスだけど、根っからの悪人ではないのかもしれない。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
社畜:「ん・・・なんだここは・・・?」 管理人:「ふふ・・・ようやくお目覚めですか?」 社畜:「キミは・・・?」 管理人:「私は・・・管理人」 社畜:「管理人・・・?」 管理人:「そう・・・この建物で行われるゲームの」 社畜:「ゲーム?」 管理人:「そうです!おめでとうございます! 管理人:あなたはこの素晴らしく愉快なデスゲームに招かれた、参加者の一人なのです!」 社畜:「なん・・・だと・・・?」 管理人:「驚いていますねぇ。 管理人:いいですね、いいですねぇ。 管理人:私は人が絶望した時の、その表情が大好きなんですよ・・・!」 社畜:「ふざけるな!!!」 管理人:「おやおや、声を荒らげたところでこの場所から出ることはできませんよ。 管理人:あなたは数々の命をかけたゲームに挑み、それをクリアしなければいけな・・・」 社畜:(社畜、食い気味に) 社畜:「有給申請をしていない!」 管理人:「・・・はい?」 社畜:「今日、私は有給申請をしていないんだ! 社畜:無断欠勤なんて・・・部長に後でなんと言われるか・・・」 管理人:「いやいや、無断欠勤以前にあなた、ここから出られるか分からないんですよ?」 社畜:「出られる可能性もあるってことだろう・・・? 社畜:どうするんだ・・・ここから出た時、会社に席が無かったら・・・」 管理人:「そんな心配するよりも、自分の命を心配した方が良いと思うんですが」 社畜:「いっそ殺してくれ!」 管理人:「ハァ!?」 社畜:「そうだ!いっそ殺してくれ! 社畜:会社で居場所を無くすくらいなら、ここから出られないままでいい!」 管理人:「お、落ち着いて・・・」 社畜:「お願いだ!このまま無事に帰れたとしても、周囲の冷たい視線に耐えられない! 社畜:部長のネチネチした嫌味を想像しただけで、胃に穴が空きそうなんだ! 社畜:頼む!ひと思いにやってくれ!」 管理人:「え・・・えええ・・・?」 社畜:「頼む・・・頼むよぉ・・・ 社畜:もし席があったとしても、きっと休んだ分、大量の仕事を押し付けられるんだ・・・。 社畜:ここから帰れたとしても、自宅に帰れなくなる未来しか見えない・・・」 管理人:「あのー・・・」 社畜:「嫌だァああ!嫌だァあああ! 社畜:もうサービス残業は嫌だァ! 社畜:終電逃して会社で寝泊まりするのはもう嫌なんだァ!」 管理人:「あのぉ・・・つかぬことをお聞きしますが・・・」 社畜:「なんだ・・・?」 管理人:「あなたはもしや・・・世間一般でいう社畜というヤツですか?」 社畜:「しゃ・・・ちく・・・?」 管理人:「あれ?どうしました? 管理人:そんなに目を見開いて・・・」 社畜:「社畜・・・私が社畜・・・? 社畜:ふふっ・・・ふはは・・・」 管理人:「お、おおお?大丈夫ですか・・・?」 社畜:「そうか・・・」 管理人:「えっ?」 社畜:「自覚は無かったが、これが社畜というやつだったのか・・・ 社畜:そうか、ふふっ・・・」 管理人:「あっ、自覚は無かったんですね」 社畜:「毎月の残業は百時間超え・・・ 社畜:ほとんどがサービス残業扱いで、休日出勤は当たり前・・・」 管理人:「超弩級(ちょうどきゅう)のブラック企業じゃないですか・・・」 社畜:「有給休暇を取ろうとすれば、理由をしつこく聞かれる上、使ってないはずの有給も、気が付くと消化扱いにされている・・・」 管理人:「ブラック・オブ・ブラック! 管理人:漆黒の闇もビックリの黒さ」 社畜:「そうか・・・まさか自分が社畜になっていたなんて、夢にも思わなかった・・・」 管理人:「いやいやいや。思ってください。 管理人:完全に社畜ですよ。もう過労死まっしぐら!ってレベルの社畜ですよ。 管理人:あなたの人生そのものがデスゲームになってますよ」 社畜:「そういえば最近、気が付くと黒いフードを被った人が背後に見えるんだけど・・・」 管理人:「あああ!それはダメなやつ! 管理人:見えちゃダメなやつです!」 社畜:「もう疲れたよ・・・通勤ラッシュ・・・ 社畜:なんだかとても眠いんだ・・・」 管理人:「それは寝たら死ぬやつ? 管理人:いや待てよ。この場合は寝かせてあげた方が正解?」 社畜:「おやすみ世界・・・永遠に・・・」 管理人:「待って!待ってください!」 社畜:「どうして止めるんだ? 社畜:デスゲームなのに人が死なないのはおかしいだろう?」 管理人:「そうですけど!そうなんですけど! 管理人:私が求めているのは、人が理不尽な死を突き付けられて、それでも生き抜こうと必死に足掻(あが)く姿というか! 管理人:足掻いた上で訪れる残酷な結末に、絶望の表情を浮かべる姿というか!」 社畜:「それなら、もう充分じゃないか・・・ 社畜:ご覧・・・これがキミの望む絶望の表情を浮かべた人間ってヤツだよ・・・」 管理人:「そのとおりなんですけど、なんか違う! 管理人:できれば私が用意したシチュエーションで、浮かぶ絶望の表情が見たい!」 社畜:「じゃあ、早くキミの望む絶望とやらを私の目の前に突きつけてくれ! 社畜:さぁ!早く!」 管理人:「えっ、ちょっと、ちょっと待ってください。 管理人:まだ解説の途中だったから、準備整ってないんですけど」 社畜:「なんで事前に準備しておかないんだ! 社畜:納期を守れないなんて社会人失格だ!」 管理人:「す、すみません・・・」 社畜:「納期を守れないなら残業しろ! 社畜:・・・残業すれば・・・ううっ・・・」 管理人:「自ら傷抉(えぐ)ってるじゃないですか・・・」 社畜:「ごめん・・・イライラしてて・・・ 社畜:部長に同じ事言われた時、めちゃめちゃ悲しかったのに・・・」 管理人:「いいんですよ・・・ 管理人:こっちも準備間に合わなくてすみません」 社畜:「そんな、こちらが・・・」 管理人:「いやいや、こちらこそ・・・」 0:(少し間) 社畜:「・・・やめようか。もうこれ以上傷抉るの・・・つらいし」 管理人:「そうですね。 管理人:このままだと、心のデスゲームが先に終わっちゃうので」 社畜:「心はもうすでに瀕死(ひんし)なんだけどね」 管理人:「言わないでくださいよ・・・悲しくなるので」 社畜:「ごめんて・・・」 管理人:「・・・ちなみに準備終わったみたいなんですけど、第一のデスゲーム。 管理人:内容聞きます?」 社畜:「うん、どんな感じ?」 管理人:「クイズに正解しないと穴に落ちて串刺し」 社畜:「温(ぬる)い!!!」 管理人:「うわっ!いきなり何ですか!?」 社畜:「こちとら上司と部下の間に挟まれる中間管理職なんだよ! 社畜:上からも下からもチクチクチクチクやられてるの! 社畜:常に針の筵(むしろ)なの! 社畜:串刺しなんて全く恐怖感じないんだけど!」 管理人:「いや、その理屈おかしいですって・・・。 管理人:精神的にチクチクやられるのと、肉体的にグサッとされるの全然違うと思いますけど?」 社畜:「・・・グサッとされて一瞬で楽になるのと、毎日ひたすらチクチクされて苦しむの、どっちが良い?」 管理人:「うわぁ・・・目が据(す)わってるじゃないですか・・・この人」 社畜:「クライアントを満足させたいなら、もっとインパクトのある絶望持ってこいやァ!!!」 管理人:「あのー、誰ですか? 管理人:此処(ここ)にこの人連れてきたの? 管理人:無作為(むさくい)に選んで良いとは言いましたけど、もうちょっとデスゲーム向きの人いたでしょう?」 社畜:「デスマーチには・・・向いてるんだけどなぁ・・・」 管理人:「わかりました・・・。 管理人:プランを・・・プランを練り直しますから・・・ 管理人:こっちにも絶望が伝染する、そのどこか遠くを見るような表情やめてください・・・ 管理人:お願いですから・・・」 社畜:「一分間に三百文字がベストだぞ。 社畜:プレゼン、頑張ってくれ」 管理人:「あっ・・・はい・・・」 0:(少し間。管理人に内線電話がかかってくる) 管理人:「・・・えっ、ああ。わかりました。 管理人:そろそろ交代の時間ですね。 管理人:・・・はい、了解です、はーい」 社畜:「ん?何の話だ?」 管理人:「ああ、いえ・・・ 管理人:申し訳ないんですが、そろそろ時間が来たので、別の管理人に代わります」 社畜:「別の・・・何だって?」 管理人:「私、そろそろ退勤しなきゃいけないんですよ。 管理人:あっ、この後、別の者が対応させて頂くので心配には及びません。 管理人:引き続きこのデスゲームをお楽しみくださ・・・」 社畜:(社畜、食い気味に) 社畜:「待って」 管理人:「あっ、はい」 社畜:「えっ、何それ。 社畜:デスゲームって運営してる会社があるの?」 管理人:「そうですよ。 管理人:まあ、事が事なので表立っては活動できませんが、裏社会では結構有名企業ですよ、うち」 社畜:「裏社会にも有名企業があるの?」 管理人:「あるんですよ。 管理人:しかも、うち裏社会でも有数のホワイト企業で」 社畜:「裏社会なのに?」 管理人:「はい。残業はほぼ無し。完全週休二日制。 管理人:産休育休制度も取りやすいし、おまけに年末年始にお盆休みまであり。 管理人:めちゃめちゃ働きやすくていい会社なんですよ~」 社畜:「裏社会なのに?」 管理人:「はい!趣味と実益を兼ねることができる、最高の会社です」 社畜:「・・・あの」 管理人:「はい?どうしました?」 社畜:「御社は今、社員の募集などされていらっしゃいますか?」 管理人:「求人ですか? 管理人:ちょっと人事に聞いてみないと分からないんですけど・・・」 社畜:「裏社会での経験が無くても大丈夫でしょうか?」 管理人:「その点に関してはしっかり研修あるので、心配ないと思いますが・・・」 社畜:「すみません・・・お願いがあるんですが」 管理人:「何でしょう?」 社畜:「ーーー御社で・・・私を雇っていただけませんか?」 0:~Fin~

社畜:「ん・・・なんだここは・・・?」 管理人:「ふふ・・・ようやくお目覚めですか?」 社畜:「キミは・・・?」 管理人:「私は・・・管理人」 社畜:「管理人・・・?」 管理人:「そう・・・この建物で行われるゲームの」 社畜:「ゲーム?」 管理人:「そうです!おめでとうございます! 管理人:あなたはこの素晴らしく愉快なデスゲームに招かれた、参加者の一人なのです!」 社畜:「なん・・・だと・・・?」 管理人:「驚いていますねぇ。 管理人:いいですね、いいですねぇ。 管理人:私は人が絶望した時の、その表情が大好きなんですよ・・・!」 社畜:「ふざけるな!!!」 管理人:「おやおや、声を荒らげたところでこの場所から出ることはできませんよ。 管理人:あなたは数々の命をかけたゲームに挑み、それをクリアしなければいけな・・・」 社畜:(社畜、食い気味に) 社畜:「有給申請をしていない!」 管理人:「・・・はい?」 社畜:「今日、私は有給申請をしていないんだ! 社畜:無断欠勤なんて・・・部長に後でなんと言われるか・・・」 管理人:「いやいや、無断欠勤以前にあなた、ここから出られるか分からないんですよ?」 社畜:「出られる可能性もあるってことだろう・・・? 社畜:どうするんだ・・・ここから出た時、会社に席が無かったら・・・」 管理人:「そんな心配するよりも、自分の命を心配した方が良いと思うんですが」 社畜:「いっそ殺してくれ!」 管理人:「ハァ!?」 社畜:「そうだ!いっそ殺してくれ! 社畜:会社で居場所を無くすくらいなら、ここから出られないままでいい!」 管理人:「お、落ち着いて・・・」 社畜:「お願いだ!このまま無事に帰れたとしても、周囲の冷たい視線に耐えられない! 社畜:部長のネチネチした嫌味を想像しただけで、胃に穴が空きそうなんだ! 社畜:頼む!ひと思いにやってくれ!」 管理人:「え・・・えええ・・・?」 社畜:「頼む・・・頼むよぉ・・・ 社畜:もし席があったとしても、きっと休んだ分、大量の仕事を押し付けられるんだ・・・。 社畜:ここから帰れたとしても、自宅に帰れなくなる未来しか見えない・・・」 管理人:「あのー・・・」 社畜:「嫌だァああ!嫌だァあああ! 社畜:もうサービス残業は嫌だァ! 社畜:終電逃して会社で寝泊まりするのはもう嫌なんだァ!」 管理人:「あのぉ・・・つかぬことをお聞きしますが・・・」 社畜:「なんだ・・・?」 管理人:「あなたはもしや・・・世間一般でいう社畜というヤツですか?」 社畜:「しゃ・・・ちく・・・?」 管理人:「あれ?どうしました? 管理人:そんなに目を見開いて・・・」 社畜:「社畜・・・私が社畜・・・? 社畜:ふふっ・・・ふはは・・・」 管理人:「お、おおお?大丈夫ですか・・・?」 社畜:「そうか・・・」 管理人:「えっ?」 社畜:「自覚は無かったが、これが社畜というやつだったのか・・・ 社畜:そうか、ふふっ・・・」 管理人:「あっ、自覚は無かったんですね」 社畜:「毎月の残業は百時間超え・・・ 社畜:ほとんどがサービス残業扱いで、休日出勤は当たり前・・・」 管理人:「超弩級(ちょうどきゅう)のブラック企業じゃないですか・・・」 社畜:「有給休暇を取ろうとすれば、理由をしつこく聞かれる上、使ってないはずの有給も、気が付くと消化扱いにされている・・・」 管理人:「ブラック・オブ・ブラック! 管理人:漆黒の闇もビックリの黒さ」 社畜:「そうか・・・まさか自分が社畜になっていたなんて、夢にも思わなかった・・・」 管理人:「いやいやいや。思ってください。 管理人:完全に社畜ですよ。もう過労死まっしぐら!ってレベルの社畜ですよ。 管理人:あなたの人生そのものがデスゲームになってますよ」 社畜:「そういえば最近、気が付くと黒いフードを被った人が背後に見えるんだけど・・・」 管理人:「あああ!それはダメなやつ! 管理人:見えちゃダメなやつです!」 社畜:「もう疲れたよ・・・通勤ラッシュ・・・ 社畜:なんだかとても眠いんだ・・・」 管理人:「それは寝たら死ぬやつ? 管理人:いや待てよ。この場合は寝かせてあげた方が正解?」 社畜:「おやすみ世界・・・永遠に・・・」 管理人:「待って!待ってください!」 社畜:「どうして止めるんだ? 社畜:デスゲームなのに人が死なないのはおかしいだろう?」 管理人:「そうですけど!そうなんですけど! 管理人:私が求めているのは、人が理不尽な死を突き付けられて、それでも生き抜こうと必死に足掻(あが)く姿というか! 管理人:足掻いた上で訪れる残酷な結末に、絶望の表情を浮かべる姿というか!」 社畜:「それなら、もう充分じゃないか・・・ 社畜:ご覧・・・これがキミの望む絶望の表情を浮かべた人間ってヤツだよ・・・」 管理人:「そのとおりなんですけど、なんか違う! 管理人:できれば私が用意したシチュエーションで、浮かぶ絶望の表情が見たい!」 社畜:「じゃあ、早くキミの望む絶望とやらを私の目の前に突きつけてくれ! 社畜:さぁ!早く!」 管理人:「えっ、ちょっと、ちょっと待ってください。 管理人:まだ解説の途中だったから、準備整ってないんですけど」 社畜:「なんで事前に準備しておかないんだ! 社畜:納期を守れないなんて社会人失格だ!」 管理人:「す、すみません・・・」 社畜:「納期を守れないなら残業しろ! 社畜:・・・残業すれば・・・ううっ・・・」 管理人:「自ら傷抉(えぐ)ってるじゃないですか・・・」 社畜:「ごめん・・・イライラしてて・・・ 社畜:部長に同じ事言われた時、めちゃめちゃ悲しかったのに・・・」 管理人:「いいんですよ・・・ 管理人:こっちも準備間に合わなくてすみません」 社畜:「そんな、こちらが・・・」 管理人:「いやいや、こちらこそ・・・」 0:(少し間) 社畜:「・・・やめようか。もうこれ以上傷抉るの・・・つらいし」 管理人:「そうですね。 管理人:このままだと、心のデスゲームが先に終わっちゃうので」 社畜:「心はもうすでに瀕死(ひんし)なんだけどね」 管理人:「言わないでくださいよ・・・悲しくなるので」 社畜:「ごめんて・・・」 管理人:「・・・ちなみに準備終わったみたいなんですけど、第一のデスゲーム。 管理人:内容聞きます?」 社畜:「うん、どんな感じ?」 管理人:「クイズに正解しないと穴に落ちて串刺し」 社畜:「温(ぬる)い!!!」 管理人:「うわっ!いきなり何ですか!?」 社畜:「こちとら上司と部下の間に挟まれる中間管理職なんだよ! 社畜:上からも下からもチクチクチクチクやられてるの! 社畜:常に針の筵(むしろ)なの! 社畜:串刺しなんて全く恐怖感じないんだけど!」 管理人:「いや、その理屈おかしいですって・・・。 管理人:精神的にチクチクやられるのと、肉体的にグサッとされるの全然違うと思いますけど?」 社畜:「・・・グサッとされて一瞬で楽になるのと、毎日ひたすらチクチクされて苦しむの、どっちが良い?」 管理人:「うわぁ・・・目が据(す)わってるじゃないですか・・・この人」 社畜:「クライアントを満足させたいなら、もっとインパクトのある絶望持ってこいやァ!!!」 管理人:「あのー、誰ですか? 管理人:此処(ここ)にこの人連れてきたの? 管理人:無作為(むさくい)に選んで良いとは言いましたけど、もうちょっとデスゲーム向きの人いたでしょう?」 社畜:「デスマーチには・・・向いてるんだけどなぁ・・・」 管理人:「わかりました・・・。 管理人:プランを・・・プランを練り直しますから・・・ 管理人:こっちにも絶望が伝染する、そのどこか遠くを見るような表情やめてください・・・ 管理人:お願いですから・・・」 社畜:「一分間に三百文字がベストだぞ。 社畜:プレゼン、頑張ってくれ」 管理人:「あっ・・・はい・・・」 0:(少し間。管理人に内線電話がかかってくる) 管理人:「・・・えっ、ああ。わかりました。 管理人:そろそろ交代の時間ですね。 管理人:・・・はい、了解です、はーい」 社畜:「ん?何の話だ?」 管理人:「ああ、いえ・・・ 管理人:申し訳ないんですが、そろそろ時間が来たので、別の管理人に代わります」 社畜:「別の・・・何だって?」 管理人:「私、そろそろ退勤しなきゃいけないんですよ。 管理人:あっ、この後、別の者が対応させて頂くので心配には及びません。 管理人:引き続きこのデスゲームをお楽しみくださ・・・」 社畜:(社畜、食い気味に) 社畜:「待って」 管理人:「あっ、はい」 社畜:「えっ、何それ。 社畜:デスゲームって運営してる会社があるの?」 管理人:「そうですよ。 管理人:まあ、事が事なので表立っては活動できませんが、裏社会では結構有名企業ですよ、うち」 社畜:「裏社会にも有名企業があるの?」 管理人:「あるんですよ。 管理人:しかも、うち裏社会でも有数のホワイト企業で」 社畜:「裏社会なのに?」 管理人:「はい。残業はほぼ無し。完全週休二日制。 管理人:産休育休制度も取りやすいし、おまけに年末年始にお盆休みまであり。 管理人:めちゃめちゃ働きやすくていい会社なんですよ~」 社畜:「裏社会なのに?」 管理人:「はい!趣味と実益を兼ねることができる、最高の会社です」 社畜:「・・・あの」 管理人:「はい?どうしました?」 社畜:「御社は今、社員の募集などされていらっしゃいますか?」 管理人:「求人ですか? 管理人:ちょっと人事に聞いてみないと分からないんですけど・・・」 社畜:「裏社会での経験が無くても大丈夫でしょうか?」 管理人:「その点に関してはしっかり研修あるので、心配ないと思いますが・・・」 社畜:「すみません・・・お願いがあるんですが」 管理人:「何でしょう?」 社畜:「ーーー御社で・・・私を雇っていただけませんか?」 0:~Fin~