台本概要
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タイトル | ありがとう、またね。 |
---|---|
作者名 | 瓶の人 (@binbintumeru) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
あの時の手の温もり あの時の声の温もり 全部、とても大切な僕の宝物 ※注意事項 ●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡下さい。 ●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。 ●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。 ●全力で楽しんで下さると幸いです。 692 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
● | 不問 | - | 男女不問、感じたままお読みください |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:これは僕が今よりずっと小さい時の話
0:
0:僕が道の隅っこで動けなくて震えてる時にさ
0:
0:まだ小さい時のキミが通りかかって、丸くなって震えてる僕を見つけてくれた
0:
0:怖くて、寒くて、震えている僕をキミはそっと抱きかかえて
0:
0:優しく撫でて、優しく声をかけてくれた
0:
0:その時の僕も小さかったけど、ちゃんと鮮明に覚えてるんだ
0:
0:撫でる手の感触、声の暖かさ、あの時感じた全部は僕の心にしっかり刻まれてるんだよ
0:
0:それから僕はキミに連れられて、家族に迎え入れられた
0:
0:ひとりぼっちだった僕は、初めて家族の温もりを知ったんだ
0:
0:お母さんもお父さんも優しくて、キミとは兄弟のようにはしゃいでとても幸せだった
0:
0:そういえば、家の中ではしゃぎすぎて物を壊したりして、何度もお母さんから怒られたりもしたよね
0:
0:そうだ、夜寝るのも一緒だったね
0:
0:あの時のキミは抱き枕みたいに僕にしがみついてくるからさ、僕すごく寝苦しかったんだよ?
0:
0:寝苦しかったけど、寒く無くて、怖くない夜だったんだ
0:
0:でもキミが少し大きくなった頃
0:
0:一緒にお出かけするのが少しずつ減ってきて、僕はお留守番が多くなっていった
0:
0:キミとお出かけするのが楽しかったから、減っちゃったのは少しだけ寂しかったけど、お母さんも家に居たしキミも帰ってきたら遊んでくれたから我慢できた
0:
0:またそれから少し時間が経ってキミが大人になると、パッタリとキミとの遊びの時間はなくなっていった
0:
0:いつもバタバタと忙しそうにしてたし、お出かけもキミじゃなくてお母さんと行くようになった
0:
0:キミは毎朝毎晩、僕の頭を撫でたりしてくれるけどそれもほんの少しだけ
0:
0:休みの日も一緒に遊ぶことは減ってしまった
0:
0:すごく寂しかったな、またキミとお出かけしたかったし遊びたかった
0:
0:でもキミの事が大切だし、キミの事が大好きだから、わがままは言いたくないから我慢した
0:
0:キミに撫でてもらえるだけでも僕は嬉しかったから
0:
0:それからしばらくしてキミは僕たちの住んでいた家から出てしまった
0:
0:キミのいない家はすごく静かで、寂しくて心が痛かった
0:
0:捨てられてない、それはもちろん分かってはいる
0:
0:お母さんもお父さんもいるし、お出かけも一緒にしてくれてる
0:
0:でもやっぱりキミがいないとすごく寂しかった
0:
0:僕はキミが居なくなってから毎晩空に向かって声を上げた
0:
0:キミに届くように、僕の声を空に響かせるように毎日…毎日…
0:
0:キミが家を出てからどれくらいが経った頃だろう
0:
0:僕の体は言う事を聞かなくなっていった
0:
0:動かしたくても前みたいに動いてくれなくて、お出かけもしたいって思えなくなってきた
0:
0:それもそうだよね、僕はもう小さくないんだから
0:
0:もうとっくにお母さんやお父さん、キミよりも大人になったんだから
0:
0:でもこのままキミに会えないで天国に行きたくないな…
0:
0:そう思ってたら、勢いよく玄関が開いて誰かが走ってきた
0:
0:そこに居たのは、息を切らしたキミだった
0:
0:帰ってくるなり、キミが帰ってきたことに驚いている僕の体を抱きしめて頭を撫でてくれた
0:
0:ああ、この匂い、この手の感触、優しい声…いつぶりだろう?
0:
0:全部が懐かしくて、全部が愛おしくて、僕は泣いてしまった
0:
0:僕の泣き声を聞いたキミは『いままで遊んであげられなくてごめんね』って泣きそうな顔で言った
0:
0:ううん良いんだ、こうして戻ってきてくれて頭を撫でてくれただけでも僕は嬉しいんだから
0:
0:次の日にはどれくらいぶりか、キミと一緒にお出かけもした
0:
0:久しぶりのキミとのお出かけはとっても楽しくて、嬉しくて、このまま永遠に続けばいいのにって思った
0:
0:キミが帰ってきてから何日が経ったかな、次第に体の衰弱は進んでいき
0:
0:ついに本格的に僕の体は動かなくなってしまった
0:
0:歩けないし、ご飯も飲み物も満足に喉を通らなくなった
0:
0:キミもお母さんもお父さんもずっと目に涙を浮かべたまま僕の事を見つめている
0:
0:涙をこぼしながらキミはゆっくりと僕の体に手を伸ばして撫でてくれてる
0:
0:撫でられてる感触もあまり分からないけど、でも微かに熱を感じる
0:
0:この熱を、暖かさを僕は知ってる
0:
0:初めてキミに抱きかかえられた時の暖かさ、初めてキミに撫でてもらった時の暖かさ
0:
0:怖くて、寒くて、孤独で震えていた僕を救ってくれたキミの優しい温もり
0:
0:ねえ?僕ね、ずっとキミに伝えたかった事があるんだ
0:
0:キミが居たから僕は生きてこられた、キミのおかげで僕は幸せになれたんだ
0:
0:僕を救ってくれて、僕を家族にしてくれてありがとう
0:
0:キミに会えて本当に良かった
0:
0:僕は世界で一番、幸せだったよ
0:
0:いつかきっとまた会えたら、その時もたくさん僕と遊んでね?
0:
0:それまで少しの間…またね
0:
0:これは僕が今よりずっと小さい時の話
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0:僕が道の隅っこで動けなくて震えてる時にさ
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0:まだ小さい時のキミが通りかかって、丸くなって震えてる僕を見つけてくれた
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0:怖くて、寒くて、震えている僕をキミはそっと抱きかかえて
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0:優しく撫でて、優しく声をかけてくれた
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0:その時の僕も小さかったけど、ちゃんと鮮明に覚えてるんだ
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0:撫でる手の感触、声の暖かさ、あの時感じた全部は僕の心にしっかり刻まれてるんだよ
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0:それから僕はキミに連れられて、家族に迎え入れられた
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0:ひとりぼっちだった僕は、初めて家族の温もりを知ったんだ
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0:お母さんもお父さんも優しくて、キミとは兄弟のようにはしゃいでとても幸せだった
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0:そういえば、家の中ではしゃぎすぎて物を壊したりして、何度もお母さんから怒られたりもしたよね
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0:そうだ、夜寝るのも一緒だったね
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0:あの時のキミは抱き枕みたいに僕にしがみついてくるからさ、僕すごく寝苦しかったんだよ?
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0:寝苦しかったけど、寒く無くて、怖くない夜だったんだ
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0:でもキミが少し大きくなった頃
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0:一緒にお出かけするのが少しずつ減ってきて、僕はお留守番が多くなっていった
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0:キミとお出かけするのが楽しかったから、減っちゃったのは少しだけ寂しかったけど、お母さんも家に居たしキミも帰ってきたら遊んでくれたから我慢できた
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0:またそれから少し時間が経ってキミが大人になると、パッタリとキミとの遊びの時間はなくなっていった
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0:いつもバタバタと忙しそうにしてたし、お出かけもキミじゃなくてお母さんと行くようになった
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0:キミは毎朝毎晩、僕の頭を撫でたりしてくれるけどそれもほんの少しだけ
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0:休みの日も一緒に遊ぶことは減ってしまった
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0:すごく寂しかったな、またキミとお出かけしたかったし遊びたかった
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0:でもキミの事が大切だし、キミの事が大好きだから、わがままは言いたくないから我慢した
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0:キミに撫でてもらえるだけでも僕は嬉しかったから
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0:それからしばらくしてキミは僕たちの住んでいた家から出てしまった
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0:キミのいない家はすごく静かで、寂しくて心が痛かった
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0:捨てられてない、それはもちろん分かってはいる
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0:お母さんもお父さんもいるし、お出かけも一緒にしてくれてる
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0:でもやっぱりキミがいないとすごく寂しかった
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0:僕はキミが居なくなってから毎晩空に向かって声を上げた
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0:キミに届くように、僕の声を空に響かせるように毎日…毎日…
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0:キミが家を出てからどれくらいが経った頃だろう
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0:僕の体は言う事を聞かなくなっていった
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0:動かしたくても前みたいに動いてくれなくて、お出かけもしたいって思えなくなってきた
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0:それもそうだよね、僕はもう小さくないんだから
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0:もうとっくにお母さんやお父さん、キミよりも大人になったんだから
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0:でもこのままキミに会えないで天国に行きたくないな…
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0:そう思ってたら、勢いよく玄関が開いて誰かが走ってきた
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0:そこに居たのは、息を切らしたキミだった
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0:帰ってくるなり、キミが帰ってきたことに驚いている僕の体を抱きしめて頭を撫でてくれた
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0:ああ、この匂い、この手の感触、優しい声…いつぶりだろう?
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0:全部が懐かしくて、全部が愛おしくて、僕は泣いてしまった
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0:僕の泣き声を聞いたキミは『いままで遊んであげられなくてごめんね』って泣きそうな顔で言った
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0:ううん良いんだ、こうして戻ってきてくれて頭を撫でてくれただけでも僕は嬉しいんだから
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0:次の日にはどれくらいぶりか、キミと一緒にお出かけもした
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0:久しぶりのキミとのお出かけはとっても楽しくて、嬉しくて、このまま永遠に続けばいいのにって思った
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0:キミが帰ってきてから何日が経ったかな、次第に体の衰弱は進んでいき
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0:ついに本格的に僕の体は動かなくなってしまった
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0:歩けないし、ご飯も飲み物も満足に喉を通らなくなった
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0:キミもお母さんもお父さんもずっと目に涙を浮かべたまま僕の事を見つめている
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0:涙をこぼしながらキミはゆっくりと僕の体に手を伸ばして撫でてくれてる
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0:撫でられてる感触もあまり分からないけど、でも微かに熱を感じる
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0:この熱を、暖かさを僕は知ってる
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0:初めてキミに抱きかかえられた時の暖かさ、初めてキミに撫でてもらった時の暖かさ
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0:怖くて、寒くて、孤独で震えていた僕を救ってくれたキミの優しい温もり
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0:ねえ?僕ね、ずっとキミに伝えたかった事があるんだ
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0:キミが居たから僕は生きてこられた、キミのおかげで僕は幸せになれたんだ
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0:僕を救ってくれて、僕を家族にしてくれてありがとう
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0:キミに会えて本当に良かった
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0:僕は世界で一番、幸せだったよ
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0:いつかきっとまた会えたら、その時もたくさん僕と遊んでね?
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0:それまで少しの間…またね