台本概要
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タイトル | 男の脳は頭にあるか下半身にあるか |
---|---|
作者名 | ケンタ (@kenta_geki) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 3人用台本(男1、女2) ※兼役あり |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
※内容に少々の下ネタを含みます。苦手な方は自衛お願いします ※有料配信含むどこでお使いいただいても大丈夫です ※上演連絡頂けたらとても喜びます ※著作権は手放していません。自作発言、転載、改変等はおやめください。常識の範囲内でご使用ください ※役の性別は固定です。中の人の性別は問いません。多少の語尾変、一人称の変化ご自由にどうぞ とあるファンタジー世界のお話 567 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
リゼル | 男 | 42 | 元王国騎士団 兼ね役で最後の語り部 |
アリシア | 女 | 66 | 花売りの娘 |
ターニャ | 女 | 43 | 修道女 兼ね役でナレーション |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ターニャ:(N)ここはとあるファンタジーな世界
ターニャ:
ターニャ:勇者が魔王を倒した事で暗黒の時代が終わり、皆が笑顔を取り戻し力を合わせて荒廃した大地を懸命に復興させている時代
ターニャ:王都と村を結ぶ街道を一人の少女が歩いていました
ターニャ:少女の名はアリシア。村の名物のフェオールの花を王都で売っている花売りの少女です。
アリシア:今日の分のお花も全部売れたわ。
アリシア:街の皆に花を愛でる余裕がでてきたってことよね。
アリシア:王都もすっかりキレイになったし、歩いてる人の笑顔も増えたわね。本当に勇者様のおかげだわ。
ターニャ:(N)その時アリシアは街道脇の樹の横に、張り紙のついた木箱をみつけました
アリシア:なにかしらあの箱?えっと、、[拾ってください]?可哀想に捨て猫かしら
ターニャ:(N)アリシアが箱を覗き込むと箱の中の物と目があいました
リゼル:やぁ美しいお嬢さん。今少し困っていてね。
リゼル:良かったら話を聞いてくれないかな?
アリシア:……ぃ
リゼル:い?
アリシア:…いやぁぁぁああああ!!?なまくびぃーーー
リゼル:あぁ、お嬢さん違(うんだ)
アリシア:無理ぃいーーホラー無理ぃーー怖いの無理ぃーー(逃)
リゼル:お嬢さぁーーーーん!!まって!!!大丈夫だから!オカルトじゃないからぁー!!
0:100m先くらいでおそるおそる振り向く
アリシア:…本当に??
リゼル:大丈夫だからーー!戻ってきてーーー!!
0:泣きながらおそるおそる戻ってくるアリシア
リゼル:戻ってきてくれてありがとう。
アリシア:お、おばけじゃないって…生首じゃないですか
リゼル:自己紹介させてほしい。僕の名前はリゼル。元王国騎士団のナイトだ。
リゼル:魔王討伐の遠征隊のメンバーだったんだが、魔王の呪いにかかってデュラハンという魔物にされてしまって…
アリシア:魔物!??
リゼル:木の棒を構えないでくれ。今は魔王が倒された事で理性を取り戻した。
リゼル:だが魔物化の呪いは強力で体はデュラハンのままなんだよ
アリシア:な、なるほど……。あれ?デュラハンって生首の魔物じゃないですよね?
リゼル:そう…なんだ…実は魔物化の呪いを解くためのアイテムを探して旅をしていたんだが…
0:リゼルが頭部の横に添えられている手紙をみる
アリシア:手紙?えっと…『頭の介護に疲れました。何をするにも常に小脇に抱えてなければならず、馬上ですら片手で手綱を握りバランスをとらなければならない始末。朝から晩まで常になにかしら手がかかる上に…』
リゼル:…申し訳ないとは思っている
アリシア:え?頭と体って別の生き物なんですか??
リゼル:もともとは繋がっている感覚があったんだが、離れている時間が長くなるにつれて自立して行動するようになってね
アリシア:そ、そうなんだ…えっと続きはと…『女の子と仲良くなっても皆顔顔顔。頭を抱えた女の子とキャッキャウフフしている横でポツンと座る俺!!』
アリシア:
アリシア:(うわー…体かわいそう。でもたしかにめっっちゃイケメン!そして声ぇー!!!)
アリシア:
アリシア:『いい雰囲気の時に気合いいれて抱き寄せても視線の先は顔!!!…もう疲れました一人の体として生きていきたいので勝手ながら心優しい方に頭のお世話をお願いしたくここに手紙を残します 体』
リゼル:………。
アリシア:………。
リゼル:と、いうわけなんだ
アリシア:…えーーっと。
リゼル:体を探すのを手伝ってほしい!会えたらこれまでの事をちゃんと謝ってまた一緒にやっていってほしいと!
アリシア:いや!そんな急に言われても!!家の手伝いもあるし!
リゼル:もちろんお礼はさせていただく!家に人を雇えるくらいの手助けもさせてもらう!騎士団時代に貯めたお金がまだかなり残っているから。
アリシア:…うーーーん…(声がさぁ!推しにそっくりなんだよぉ!!!幻影魔法活劇!通称テレビジョンで毎週やってる幻想戦記ドラグーンナイトにでてくる騎士団長ラインハルト様にさぁ!!)
リゼル:お嬢さんお願いだ!頼む!!
アリシア:う…じゃあ少しだけなら…
リゼル:ありがとうお嬢さん!!心からの感謝を!!あぁ、名前も聞かずに自分の事ばかりすまない!お嬢さんのお名前を聞いてもよいだろうか?
アリシア:アリシアです。ほんとに!少しの間だけですからね!!
ターニャ:(N)かくして2人は体の情報を求めて旅立ちました。近隣の街や村をまわり情報を集めながら旅をする二人…一緒にいる時間が長くなるにつれだんだん2人はいい感じに!湖のほとりで見つめ合う2人…だんだん近づく顔と顔!そしてそのまま……接吻!!!!
アリシア:うるっさぃなぁあ!!!今いいとこなんだから邪魔しないでよ!!!ナレーションが地を出すな!!!
ターニャ:(N)コホン…では、いい感じの2人のシーンは省略しまして。
ターニャ:2人は首のない騎士を見かけたという情報があった辺境の村に訪れました。目撃情報を頼りに村の外れにある教会にたどり着きました。
リゼル:かすかにだが体が近くにいる感覚がある…おそらくここにいる
アリシア:ゴクリ
0:………
アリシア:ん?なにか聴こえる?ソーーーー
0:入り口に耳をあてるアリシア
ターニャ:……♡……♡♡
アリシア:こここここここれって
ターニャ:…騎士様……きて♡
リゼル:!?
アリシア:まてぇええええええええ!!!!バーーーーーン!ストッップーーーーー!!!
ターニャ:キャアッッ!!!ど、どなたですの!?
0:乱れた服を急いで直すターニャ
アリシア:まっ昼間っから教会でなにしとんじゃーー!!危うく18禁台本なるとこじゃないの!!!
ターニャ:だ、台本って?何をいってらっしゃるの
ターニャ:こ、これはあれですわ。愛の営みなので神も祝福してくださいますわ!
リゼル:あ!!体!!!
アリシア:体!?あ!ほんとだ!首ない!!!
ターニャ:こちらの騎士様は首はないですけれどけして怖い方ではないですわ!
リゼル:あぁわかってる!それは僕の体なんだ!!
ターニャ:僕の…体??うわ生首!?あ…そういう…え…こんなに逞しい体の割になよっち、、ゲフッゲフン。優しいお顔立ちなんですのね
リゼル:えぇ…
アリシア:おま!リゼル様のお顔バカにしたか!?こんなに美しいお顔バカにしたんかお前!!
ターニャ:いやですわバカになんて……。ちょっと頼りないかなぁぁってちょっぴり思っただけですわ。だって体はこんなに逞しくて私ごの…頼りがいのある素敵な肉体ですのに。
リゼル:いや…あの…まぁ体は王国騎士団してたからだいぶ鍛えてはいたから…
アリシア:この美しいお顔をよくみろ!流れるような美しいシルバーヘア!長いまつ毛!美しいグレーの瞳にきれいな鼻筋!そんな筋肉だるまより全然いいやろが!!
リゼル:ちょ、えぇ?
ターニャ:筋肉だるまですって?この美しい筋肉の良さがわからないなんてどうかしてますわ!見せかけだけじゃない鍛え抜かれたヒッティングマッスル!広背筋だってほら見事な鬼の顔に!!
アリシア:怒られるからやめなぁ!お顔なんてこんな美しいうえに超絶素敵ボイスまでついてくるんだぞ!この声に包まれる多幸感!!昨日だって耳元で愛を囁いてくれたわ!
ターニャ:自分で耳元までもってってなにやってるんですの
アリシア:うるせえ!推しそっくりの破壊力聞いてから言ってみやがれ!
アリシア:ほら!リゼル様!昨日囁いてくれたセリフいってやってください!!
リゼル:推し?推しってなに?え?この雰囲気でいうの?
アリシア:早く!!!!
リゼル:えぇ…「アリシア…愛してるよ」
アリシア:違う
リゼル:えぇ?
アリシア:もっとマイク食べる勢いで耳元で囁きイケボでラインハルトが最終回のシーンでヒロインに言ったセリフくれたじゃないですか!
リゼル:マイクってメタいな!てか、え?やり直させられたと思ったらセリフだったのあれ?!…まじかー…ゴホン…「僕のアリシア…君はとても美しい。これからも共に歩もう…愛してる」
0:(おかわり可。)
ターニャ:ん”ん”ん”たしかにこれは!よきですわね!神に感謝を!!
0:ターニャが手を組んで神に祈りを捧げると突然胸元のロザリオが光りだす
ターニャ:キャッ!
アリシア:なに!?
リゼル:ぐっ!!うわぁーーー
0:…………
アリシア:な、なにが!?突然リゼル様が光りだして…あれ?リゼル様がいない?!リゼル様!!
リゼル:ん…く
ターニャ:き…騎士様の体に頭が…
アリシア:リゼル様が人間に戻ってる!?
リゼル:こ…これは!呪いが解けて体が1つに!!!あなたがつけていたロザリオが解呪の秘宝だったのか!
ターニャ:このロザリオは…教会の倉庫で谷間にちょうどいい感じにフィットするアクセサリーを探してたら、やたら厳かな箱にしまわれていたロザリオですわ!
アリシア:お前ほんとにシスターかよ!だいたいシスター服なのにそのアニメみたいな乳袋はなんなんだ!
ターニャ:規定のシスター服ですとちょっとお胸が苦しくて…
アリシア:くっこのわがままボディめっっ
ターニャ:あなたの方は…まぁ…おかわいいこと
アリシア:うるさいんじゃー!!このサイズにだって需要があるんだもん(微泣)ねぇ!リゼル様!!
リゼル:あ…あぁ!もちろんだとも!アリシアのスレンダーなスタイルもとても魅力的だよ!
アリシア:て言いながら手がばってんしてるんですけど!ないない!ってしてるんですけど!!
リゼル:こ、これは体が勝手に
アリシア:ひどい!!やっぱりたゆんたゆんがいいんだ!
リゼル:そんなことないってば!
アリシア:そんな事いいながらエロシスターに抱きついてるじゃないですかぁ!!
ターニャ:イヤン♡
リゼル:ちょ、シスター顔が近いです!
ターニャ:ターニャって呼んでくださいまし。頼りないお顔と思ったけど逞しい僧帽筋からセットでみるととても凛々しくて素敵ですわ
アリシア:発情してんじゃないよエロシスター!
ターニャ:あんなチンチクリンより私の方がいいですわよね。昨日もあんなに愛し合ったじゃないですか。
リゼル:いや…あの
アリシア:胸元にのの字を書くなぁ!!リゼル様そんな発情シスターより私がいいって言ってください!
リゼル:そ…そうだ。私はアリシアを愛している!ちょっと手!ターニャさんをまさぐるのをやめないか!
ターニャ:ひとつききますけどアリシアさん。あなたにリゼル様を受け入れる事ができて?
アリシア:う、受け入れるって
ターニャ:この村の男性に私を満足させてくれるお方はいらっしゃいませんでした。しかしリゼル様のお体は違った!
ターニャ:朝までつきない無尽蔵の体力と精力!細かな反応も見逃さない反射神経!!
アリシア:お前!何言ってんだ!これは全年齢だよ!
ターニャ:そしてバスターソードのようなサイz
アリシア:(被せて)シャラァッッップ!!!……ハァッ……ハァッ
リゼル:え、えっと
アリシア:…リゼル様のためなら…がんばるもん
ターニャ:ふぅ…ではリゼル様にお聞きしますわ。体はしっかり私を抱き寄せてくださっていますけど。どちらを選びますの?
アリシア:リゼル様ぁ
リゼル:わ、わたしはもちろん!…ぐっ
0:突然倒れるリゼル
アリシア:リゼル様!?(同時)
ターニャ:リゼル様!!(同時)
0:……
0:しばらくたって
0:……
アリシア:リゼル様は!?
ターニャ:今は眠っているわ。脳と体が離れている時間が長すぎたんでしょうね、マナの循環が頭と体で切れてしまっているの
アリシア:そんな事わかるの?!あなたちゃんとクレリック職なのね!
ターニャ:マナの流れがわからなければ回復の神聖魔法なんてつかえないもの。頭と体の思考が分離して反発しているのね
アリシア:それで…リゼル様はどうなるの?
ターニャ:よくない…ですわね。マナの循環がキレイに流れていないと体はどんどん衰弱していくわ
アリシア:そんな…せっかく人間に戻れたのに…
ターニャ:人間に…そうね…
ターニャ:魔物化の呪い…魔王になれば使えるのかしら(小声)
ターニャ:リゼル様にとっても、私達にとってもいい方法があるかもしれないわよ
アリシア:え?どういうこと??
ターニャ:いろいろ覚悟も必要よ?私はリゼル様を絶対逃がす気はないけどあなたは?軽い気持ちなら身を引いたほうがよくてよ?
アリシア:…もちろんお顔も声もすごく素敵だけど…それだけじゃないもの…。
ターニャ:ふぅん?
アリシア:…手を…。
ターニャ:手?
アリシア:手を褒めてくれたの
ターニャ:どういうこと?
アリシア:私の村は貧しいからちっちゃい頃から家の仕事を手伝ってきたわ。街の子達みたいに学校にいったりオシャレをしたりそんな余裕もなかった
ターニャ:そうね。王都と地方の村ではかなりの格差があるものね。復興も遅れているわ
アリシア:えぇ。村のおじいちゃんおばあちゃんとかはアリシアは器量良しだねって褒めてくれるけど…街にいったら若い子達は皆オシャレして楽しそうで…
アリシア:家の手伝いが嫌ってわけじゃないわ!フェオールのお花も好きだし…それでもやっぱり土仕事で汚れてる自分の手と街の子達のかわいいマニキュアしてるキレイな手を比べちゃうとさ…
ターニャ:…。
アリシア:でもね…リゼル様が手を褒めてくれたの
ターニャ:…。
アリシア:私が、リゼル様の頭抱えるのにこんな汚い手でごめんねっていったら、
リゼル:あんなに美しい花を育んでいる手なんだから、とても美しいよ
アリシア:って…
ターニャ:そう
アリシア:嬉しかった。リゼル様はそんなに深く考えないで言った言葉かもしれないけど…その一言で今までの私が報われた気がしたの
ターニャ:ふふ。妬けるわね
アリシア:だから…先の事はわからないけど、例え頭だけの姿でもずっと一緒にいたいなって…
ターニャ:わかったわ。覚悟はあるみたいね。リゼル様を助ける方法…それはね…
リゼル:(語り部)後日ある地方の村で魔王が誕生したと噂が流れた。なぜか魔王は人間に害をなさず近隣の村人と共存、どころかはぐれの魔物を纏めて復興の手伝いまでしているそうだ
リゼル:
リゼル:小さな魔王城の周りはキレイな花に囲まれており、屈強なデュラハンが花壇の手入れをしているそうな
ターニャ:(N)ここはとあるファンタジーな世界
ターニャ:
ターニャ:勇者が魔王を倒した事で暗黒の時代が終わり、皆が笑顔を取り戻し力を合わせて荒廃した大地を懸命に復興させている時代
ターニャ:王都と村を結ぶ街道を一人の少女が歩いていました
ターニャ:少女の名はアリシア。村の名物のフェオールの花を王都で売っている花売りの少女です。
アリシア:今日の分のお花も全部売れたわ。
アリシア:街の皆に花を愛でる余裕がでてきたってことよね。
アリシア:王都もすっかりキレイになったし、歩いてる人の笑顔も増えたわね。本当に勇者様のおかげだわ。
ターニャ:(N)その時アリシアは街道脇の樹の横に、張り紙のついた木箱をみつけました
アリシア:なにかしらあの箱?えっと、、[拾ってください]?可哀想に捨て猫かしら
ターニャ:(N)アリシアが箱を覗き込むと箱の中の物と目があいました
リゼル:やぁ美しいお嬢さん。今少し困っていてね。
リゼル:良かったら話を聞いてくれないかな?
アリシア:……ぃ
リゼル:い?
アリシア:…いやぁぁぁああああ!!?なまくびぃーーー
リゼル:あぁ、お嬢さん違(うんだ)
アリシア:無理ぃいーーホラー無理ぃーー怖いの無理ぃーー(逃)
リゼル:お嬢さぁーーーーん!!まって!!!大丈夫だから!オカルトじゃないからぁー!!
0:100m先くらいでおそるおそる振り向く
アリシア:…本当に??
リゼル:大丈夫だからーー!戻ってきてーーー!!
0:泣きながらおそるおそる戻ってくるアリシア
リゼル:戻ってきてくれてありがとう。
アリシア:お、おばけじゃないって…生首じゃないですか
リゼル:自己紹介させてほしい。僕の名前はリゼル。元王国騎士団のナイトだ。
リゼル:魔王討伐の遠征隊のメンバーだったんだが、魔王の呪いにかかってデュラハンという魔物にされてしまって…
アリシア:魔物!??
リゼル:木の棒を構えないでくれ。今は魔王が倒された事で理性を取り戻した。
リゼル:だが魔物化の呪いは強力で体はデュラハンのままなんだよ
アリシア:な、なるほど……。あれ?デュラハンって生首の魔物じゃないですよね?
リゼル:そう…なんだ…実は魔物化の呪いを解くためのアイテムを探して旅をしていたんだが…
0:リゼルが頭部の横に添えられている手紙をみる
アリシア:手紙?えっと…『頭の介護に疲れました。何をするにも常に小脇に抱えてなければならず、馬上ですら片手で手綱を握りバランスをとらなければならない始末。朝から晩まで常になにかしら手がかかる上に…』
リゼル:…申し訳ないとは思っている
アリシア:え?頭と体って別の生き物なんですか??
リゼル:もともとは繋がっている感覚があったんだが、離れている時間が長くなるにつれて自立して行動するようになってね
アリシア:そ、そうなんだ…えっと続きはと…『女の子と仲良くなっても皆顔顔顔。頭を抱えた女の子とキャッキャウフフしている横でポツンと座る俺!!』
アリシア:
アリシア:(うわー…体かわいそう。でもたしかにめっっちゃイケメン!そして声ぇー!!!)
アリシア:
アリシア:『いい雰囲気の時に気合いいれて抱き寄せても視線の先は顔!!!…もう疲れました一人の体として生きていきたいので勝手ながら心優しい方に頭のお世話をお願いしたくここに手紙を残します 体』
リゼル:………。
アリシア:………。
リゼル:と、いうわけなんだ
アリシア:…えーーっと。
リゼル:体を探すのを手伝ってほしい!会えたらこれまでの事をちゃんと謝ってまた一緒にやっていってほしいと!
アリシア:いや!そんな急に言われても!!家の手伝いもあるし!
リゼル:もちろんお礼はさせていただく!家に人を雇えるくらいの手助けもさせてもらう!騎士団時代に貯めたお金がまだかなり残っているから。
アリシア:…うーーーん…(声がさぁ!推しにそっくりなんだよぉ!!!幻影魔法活劇!通称テレビジョンで毎週やってる幻想戦記ドラグーンナイトにでてくる騎士団長ラインハルト様にさぁ!!)
リゼル:お嬢さんお願いだ!頼む!!
アリシア:う…じゃあ少しだけなら…
リゼル:ありがとうお嬢さん!!心からの感謝を!!あぁ、名前も聞かずに自分の事ばかりすまない!お嬢さんのお名前を聞いてもよいだろうか?
アリシア:アリシアです。ほんとに!少しの間だけですからね!!
ターニャ:(N)かくして2人は体の情報を求めて旅立ちました。近隣の街や村をまわり情報を集めながら旅をする二人…一緒にいる時間が長くなるにつれだんだん2人はいい感じに!湖のほとりで見つめ合う2人…だんだん近づく顔と顔!そしてそのまま……接吻!!!!
アリシア:うるっさぃなぁあ!!!今いいとこなんだから邪魔しないでよ!!!ナレーションが地を出すな!!!
ターニャ:(N)コホン…では、いい感じの2人のシーンは省略しまして。
ターニャ:2人は首のない騎士を見かけたという情報があった辺境の村に訪れました。目撃情報を頼りに村の外れにある教会にたどり着きました。
リゼル:かすかにだが体が近くにいる感覚がある…おそらくここにいる
アリシア:ゴクリ
0:………
アリシア:ん?なにか聴こえる?ソーーーー
0:入り口に耳をあてるアリシア
ターニャ:……♡……♡♡
アリシア:こここここここれって
ターニャ:…騎士様……きて♡
リゼル:!?
アリシア:まてぇええええええええ!!!!バーーーーーン!ストッップーーーーー!!!
ターニャ:キャアッッ!!!ど、どなたですの!?
0:乱れた服を急いで直すターニャ
アリシア:まっ昼間っから教会でなにしとんじゃーー!!危うく18禁台本なるとこじゃないの!!!
ターニャ:だ、台本って?何をいってらっしゃるの
ターニャ:こ、これはあれですわ。愛の営みなので神も祝福してくださいますわ!
リゼル:あ!!体!!!
アリシア:体!?あ!ほんとだ!首ない!!!
ターニャ:こちらの騎士様は首はないですけれどけして怖い方ではないですわ!
リゼル:あぁわかってる!それは僕の体なんだ!!
ターニャ:僕の…体??うわ生首!?あ…そういう…え…こんなに逞しい体の割になよっち、、ゲフッゲフン。優しいお顔立ちなんですのね
リゼル:えぇ…
アリシア:おま!リゼル様のお顔バカにしたか!?こんなに美しいお顔バカにしたんかお前!!
ターニャ:いやですわバカになんて……。ちょっと頼りないかなぁぁってちょっぴり思っただけですわ。だって体はこんなに逞しくて私ごの…頼りがいのある素敵な肉体ですのに。
リゼル:いや…あの…まぁ体は王国騎士団してたからだいぶ鍛えてはいたから…
アリシア:この美しいお顔をよくみろ!流れるような美しいシルバーヘア!長いまつ毛!美しいグレーの瞳にきれいな鼻筋!そんな筋肉だるまより全然いいやろが!!
リゼル:ちょ、えぇ?
ターニャ:筋肉だるまですって?この美しい筋肉の良さがわからないなんてどうかしてますわ!見せかけだけじゃない鍛え抜かれたヒッティングマッスル!広背筋だってほら見事な鬼の顔に!!
アリシア:怒られるからやめなぁ!お顔なんてこんな美しいうえに超絶素敵ボイスまでついてくるんだぞ!この声に包まれる多幸感!!昨日だって耳元で愛を囁いてくれたわ!
ターニャ:自分で耳元までもってってなにやってるんですの
アリシア:うるせえ!推しそっくりの破壊力聞いてから言ってみやがれ!
アリシア:ほら!リゼル様!昨日囁いてくれたセリフいってやってください!!
リゼル:推し?推しってなに?え?この雰囲気でいうの?
アリシア:早く!!!!
リゼル:えぇ…「アリシア…愛してるよ」
アリシア:違う
リゼル:えぇ?
アリシア:もっとマイク食べる勢いで耳元で囁きイケボでラインハルトが最終回のシーンでヒロインに言ったセリフくれたじゃないですか!
リゼル:マイクってメタいな!てか、え?やり直させられたと思ったらセリフだったのあれ?!…まじかー…ゴホン…「僕のアリシア…君はとても美しい。これからも共に歩もう…愛してる」
0:(おかわり可。)
ターニャ:ん”ん”ん”たしかにこれは!よきですわね!神に感謝を!!
0:ターニャが手を組んで神に祈りを捧げると突然胸元のロザリオが光りだす
ターニャ:キャッ!
アリシア:なに!?
リゼル:ぐっ!!うわぁーーー
0:…………
アリシア:な、なにが!?突然リゼル様が光りだして…あれ?リゼル様がいない?!リゼル様!!
リゼル:ん…く
ターニャ:き…騎士様の体に頭が…
アリシア:リゼル様が人間に戻ってる!?
リゼル:こ…これは!呪いが解けて体が1つに!!!あなたがつけていたロザリオが解呪の秘宝だったのか!
ターニャ:このロザリオは…教会の倉庫で谷間にちょうどいい感じにフィットするアクセサリーを探してたら、やたら厳かな箱にしまわれていたロザリオですわ!
アリシア:お前ほんとにシスターかよ!だいたいシスター服なのにそのアニメみたいな乳袋はなんなんだ!
ターニャ:規定のシスター服ですとちょっとお胸が苦しくて…
アリシア:くっこのわがままボディめっっ
ターニャ:あなたの方は…まぁ…おかわいいこと
アリシア:うるさいんじゃー!!このサイズにだって需要があるんだもん(微泣)ねぇ!リゼル様!!
リゼル:あ…あぁ!もちろんだとも!アリシアのスレンダーなスタイルもとても魅力的だよ!
アリシア:て言いながら手がばってんしてるんですけど!ないない!ってしてるんですけど!!
リゼル:こ、これは体が勝手に
アリシア:ひどい!!やっぱりたゆんたゆんがいいんだ!
リゼル:そんなことないってば!
アリシア:そんな事いいながらエロシスターに抱きついてるじゃないですかぁ!!
ターニャ:イヤン♡
リゼル:ちょ、シスター顔が近いです!
ターニャ:ターニャって呼んでくださいまし。頼りないお顔と思ったけど逞しい僧帽筋からセットでみるととても凛々しくて素敵ですわ
アリシア:発情してんじゃないよエロシスター!
ターニャ:あんなチンチクリンより私の方がいいですわよね。昨日もあんなに愛し合ったじゃないですか。
リゼル:いや…あの
アリシア:胸元にのの字を書くなぁ!!リゼル様そんな発情シスターより私がいいって言ってください!
リゼル:そ…そうだ。私はアリシアを愛している!ちょっと手!ターニャさんをまさぐるのをやめないか!
ターニャ:ひとつききますけどアリシアさん。あなたにリゼル様を受け入れる事ができて?
アリシア:う、受け入れるって
ターニャ:この村の男性に私を満足させてくれるお方はいらっしゃいませんでした。しかしリゼル様のお体は違った!
ターニャ:朝までつきない無尽蔵の体力と精力!細かな反応も見逃さない反射神経!!
アリシア:お前!何言ってんだ!これは全年齢だよ!
ターニャ:そしてバスターソードのようなサイz
アリシア:(被せて)シャラァッッップ!!!……ハァッ……ハァッ
リゼル:え、えっと
アリシア:…リゼル様のためなら…がんばるもん
ターニャ:ふぅ…ではリゼル様にお聞きしますわ。体はしっかり私を抱き寄せてくださっていますけど。どちらを選びますの?
アリシア:リゼル様ぁ
リゼル:わ、わたしはもちろん!…ぐっ
0:突然倒れるリゼル
アリシア:リゼル様!?(同時)
ターニャ:リゼル様!!(同時)
0:……
0:しばらくたって
0:……
アリシア:リゼル様は!?
ターニャ:今は眠っているわ。脳と体が離れている時間が長すぎたんでしょうね、マナの循環が頭と体で切れてしまっているの
アリシア:そんな事わかるの?!あなたちゃんとクレリック職なのね!
ターニャ:マナの流れがわからなければ回復の神聖魔法なんてつかえないもの。頭と体の思考が分離して反発しているのね
アリシア:それで…リゼル様はどうなるの?
ターニャ:よくない…ですわね。マナの循環がキレイに流れていないと体はどんどん衰弱していくわ
アリシア:そんな…せっかく人間に戻れたのに…
ターニャ:人間に…そうね…
ターニャ:魔物化の呪い…魔王になれば使えるのかしら(小声)
ターニャ:リゼル様にとっても、私達にとってもいい方法があるかもしれないわよ
アリシア:え?どういうこと??
ターニャ:いろいろ覚悟も必要よ?私はリゼル様を絶対逃がす気はないけどあなたは?軽い気持ちなら身を引いたほうがよくてよ?
アリシア:…もちろんお顔も声もすごく素敵だけど…それだけじゃないもの…。
ターニャ:ふぅん?
アリシア:…手を…。
ターニャ:手?
アリシア:手を褒めてくれたの
ターニャ:どういうこと?
アリシア:私の村は貧しいからちっちゃい頃から家の仕事を手伝ってきたわ。街の子達みたいに学校にいったりオシャレをしたりそんな余裕もなかった
ターニャ:そうね。王都と地方の村ではかなりの格差があるものね。復興も遅れているわ
アリシア:えぇ。村のおじいちゃんおばあちゃんとかはアリシアは器量良しだねって褒めてくれるけど…街にいったら若い子達は皆オシャレして楽しそうで…
アリシア:家の手伝いが嫌ってわけじゃないわ!フェオールのお花も好きだし…それでもやっぱり土仕事で汚れてる自分の手と街の子達のかわいいマニキュアしてるキレイな手を比べちゃうとさ…
ターニャ:…。
アリシア:でもね…リゼル様が手を褒めてくれたの
ターニャ:…。
アリシア:私が、リゼル様の頭抱えるのにこんな汚い手でごめんねっていったら、
リゼル:あんなに美しい花を育んでいる手なんだから、とても美しいよ
アリシア:って…
ターニャ:そう
アリシア:嬉しかった。リゼル様はそんなに深く考えないで言った言葉かもしれないけど…その一言で今までの私が報われた気がしたの
ターニャ:ふふ。妬けるわね
アリシア:だから…先の事はわからないけど、例え頭だけの姿でもずっと一緒にいたいなって…
ターニャ:わかったわ。覚悟はあるみたいね。リゼル様を助ける方法…それはね…
リゼル:(語り部)後日ある地方の村で魔王が誕生したと噂が流れた。なぜか魔王は人間に害をなさず近隣の村人と共存、どころかはぐれの魔物を纏めて復興の手伝いまでしているそうだ
リゼル:
リゼル:小さな魔王城の周りはキレイな花に囲まれており、屈強なデュラハンが花壇の手入れをしているそうな