台本概要

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タイトル WRITER × WRITER 第5話:生命の姓名
作者名 電【動自転】車男
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 全然仕事をしない作家がやっと執筆したかと思えば、タイトルと登場人物と内容が全く噛み合っていなかった。
普段から不満が溜まっていた編集者はいつも以上に追求を始めるのだった…。

性別変更、一人称変更、語尾変更有りの約15分〜20分台本です
思うがままに自由に演じて頂ければなと思います

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
作家 不問 101 ペンネーム及び本名…竹中純(たけなか じゅん) 原稿を仕上げない作家 ノリがフラフラと気分次第なので話し方と内容がコロコロ変わる人物
編集者 不問 102 作家の担当編集者 本名は土橋 尚(どばし なお) 仕事をしないどころか押し付けてくる作家に頭を悩ませている
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:原稿を手に怒鳴る編集者 編集者:なんですかこれは! 作家:何って…見たら分かるだろう?大量出血では無い事は確かだ 編集者:そんな事を聞いているんじゃないです!問題はその中身です! 作家:中身と言われてもねぇ…今それを読んだ君なら分かるのではないかね? 編集者:えぇ読みましたよ!読みましたとも!読んだ上で言ってるんです! 作家:読んだ上でねぇ…何がそんなにおかしいんだい?編集者として私に事細かに教えてくれたまえよ?はい紙 編集者:これ原稿用紙じゃないですか!作家として事細かに物語を書いてくださいよ!…と言いたい所ですが教えますよ、ええ、教えますとも!そもそもですねぇ 作家:うん、なんだい? 編集者:この登場人物の 作家:うんうん、登場人物だ、人物が登場するから登場人物なのだよ土橋くん。 編集者:ええ、そうですよ。ですから 作家:そんなにおかしいかね? 編集者:そうですね、登場人物という言葉の説明は合ってると思いますよ?で、ですね 作家:そういえば登場人物と言えば 編集者:はいぃ!? 作家:新聞の番組欄、刑事ドラマの箇所、出演者が書かれているが、3人目に書かれている役者が演じている役が犯人である確率が高いと聞いたことがあるねぇ 編集者:あぁそうですね!ですから… 作家:それから… 編集者:喋らせろー!! 作家:…どうしたんだい土橋くん、そんなに話したかったのかい? 編集者:ええ 作家:まあ、私も物書きだ 編集者:違いますよ 作家:物書きの端くれだ 編集者:端過ぎて見切れてますよ。 作家:書く事を生業してるからね 編集者:手だけ映りこんだ心霊写真です 作家:話すのはあまり得意では無いんだ、好きなだけ話したまえ、本にしたまえ!私の名前と期待を背負って羽ばたきたまえ! 編集者:さっきからスゲー喋りますね!話す方が得意ですよね?今までずっと!書いてる時間より話している時間の方が多かったですよ! 作家:そうかね? 編集者:そうだねぇ!期待だけならまだしも名前も背負わせて!先生のゴーストライターはしないと何度言ったら分かるんですか!言っておきますが背負ってるんじゃないですからね!寄生ですから! 作家:凄い…話すねぇ…なにかの反動みたいだが、なにかあったのかい? 編集者:えぇ、何かはありまくりですよ!正確には何もしてないからこそですがね! 作家:そうか…だから本日の作者コメントはこんなに長い事になっている訳だね土橋くん 編集者:だから作者は先生なんですって! 作家:ふぅん、いやだねぇ… 編集者:イヤってアンタ… 作家:きせいしたいねぇ 編集者:それはどういう意味のきせいですか? 作家:変な声でも制限でも実家に帰る訳でも無く強めの依存と書いて強依存の方の寄生だよ土橋くん 編集者:あぁやっぱり……そもそもですね、誰かの振りをするにしてももうちょっと知名度がある人で無いとなりすますメリットすらないですよ。 作家:え…酷いねぇ… 編集者:だから早く売れて下さいよ、面白いんですから 作家:そう言う事か!一度頑張って売れたらあとは土橋くんに2代目関係なしに名前を譲って不労所得で悠々自適に過ごすのも悪くないねぇ… 編集者:不労所得…?よく分かりませんが大家にでもなるつもりですか? 作家:どうだろうねぇ…頑張りたまえよ、土橋くん。未来の竹中純は君だ 編集者:竹中純…!?どこの作家よ!! 作家:作家である事を知っているならもう答えは出ているじゃないかね? 編集者:まあ知っていて言ってますからね 作家:じゃあ私の知らない事を教えてもらおうかな? 編集者:なんですか?銀行の暗証番号ですか?教えませんよ? 作家:ん?お金には困ってないよ? 編集者:私は困ってます 作家:そ、そうかね 編集者:でも先生、先程不労所得とか言ってたじゃないですか 作家:蓄えは…多い方が安心出来るとは思わないか? 編集者:その分その貯蓄を狙う人が増えるリスクがあるとは思いませんか? 作家:おや…?そんな刺客がいるとはねぇ、盲点だったよ 編集者:うん、ですからそういうのは原稿でやってくださいよ 作家:おや、それはなぁぜなぁぜだい?土橋くぅん 編集者:チッ…あー、もしかして…流行りに乗ろうとしてます? 作家:ふむ、その反応を見るに…恐らく私は乗り遅れているみたいだねぇ 編集者:えぇ、バッチリ…周回遅れです 作家:では遅延証明書を書いて頂こうかね 編集者:先生はなんでも私に書かせようとしますね 作家:そんな風に見つめられると書きたく無くなるのだよぉ、土橋くんのその目が私に書かせてくれないのさ 編集者:違いますよ、私は監視してるだけですし、欠かせないのは先生のおサボりでは? 作家:よく分かっているじゃないか土橋くん、ではよく分かっていない私にひとつ教えてくれないかい? 編集者:何をですか? 作家:何かその…事細かに教えてくれる事があったんじゃないかなと思ってね 編集者:ぁ…あぁそうでしたね、まさか先生が話を戻してくれるとは思いませんでしたよ 作家:私だって戻すことくらいあるのだよ…二日くらい 編集者:どういう事ですか?一昨日来いとかそういう事ですか? 作家:いんや?二日酔いで吐くだけさ 編集者:そうですか、先生がお酒の話に寄っていってしまう前に、この、原稿の、何がおかしいのか。説明させて貰いますよ 作家:はい 編集者:まずですねぇ…タイトルが決まってないんですよ 作家:あれ、そうだっけ? 編集者:空白でしたよ 作家:そうかぃ、では書いておいてくれたまいよ? 編集者:嫌ですよ、自分で考えて書いてくださいよ 作家:ふぅむ…では、あなたはすぐ億万長者になれます、にしよう 編集者:誰が迷惑メールのタイトルを書けと言いました? 作家:おや、本文の方だったかね? 編集者:迷惑メールの本文も書かなくていいんですよ…まぁ、タイトルの方は後で考えて頂くとして、正直これが一番の問題です。 作家:なんだい? 編集者:世界観と内容が関係なさすぎます! 作家:ほぅ、知ってたよ 編集者:知ってたのにやったんですか!?はいまず名前!なんですかこの名前? 作家:何って…名前は名前だよ土橋くん。名前というのは個人に… 編集者:あぁもう、そうではなくて。これお菓子やスイーツを名前のモチーフにしてますよね? 作家:そうだねぇ 編集者:でも本文の内容全然お菓子出てこないじゃないですか 作家:そうかい?少しくらい出てるとも、茶菓子のくだりとか二回くらいね、天丼だね 編集者:そんなのちょっとした小ボケじゃないですか 作家:特にシナリオにおけるルール違反を犯し…ている訳ではないんだけどねぇ…お菓子だけに 編集者:小茶菓子い言い訳をしないで下さい、世界観というのはもっとよく練るものなんですよ 作家:何日くらいだい? 編集者:しっくり納得のいくまでじっくりとですよ、もちろん 作家:そうかい、では納得のいくまで寝ることにするよおやすみ 編集者:起きてくださいよ全く 作家:なんでだい?一晩寝かせたカレーは美味しいとは思わないかい? 編集者:そう言って先生は一体何晩寝てきたんですかねぇ…?じっくりとは言いましたが、ルーを…いえ、ルールを、期日を、守って下さいよ。もう大人なんですし 作家:まあまあ、寝る子は育つとも言うよ? 編集者:だから大人ですよね? 作家:そんな子供はルールを破るのが当たり前みたいに言われてもねぇ 編集者:大人はルールを守るのが当たり前と言っているんです 作家:そうかい?では名前を変えておく事にするよ 編集者:是非そうしてください 作家:じゃあ、土橋くんで 編集者:何故私なんですか、やめてくださいよ 作家:では土橋ちゃんで 編集者:そうではなくてですね… 作家:えぇ、どうしても? 編集者:どうしても 作家:何故どうしてもなんですか、やめてくださいよ 編集者:真似しないで下さいよ 作家:何故私の真似なんですか、やめてくださいよ 編集者:ループ!…何回繰り返すんですか 作家:天丼の下りとか…二回くらい? 編集者:天丼の天丼なんて聞いたことないですよ、せめてボケとボケの間に時間を置いてください 作家:2秒くらいでもいいかい? 編集者:短すぎます、もう少し長くして下さい 作家:おや、パスワード設定かな? 編集者:ロックをかける程の文章ですか?これ 作家:ふぅむ…それもそうだねぇ 編集者:ちょっとは否定してくださいよ、面白いんですから 作家:え?本当かい?嬉しいねェ 編集者:なので、登場人物の名前と内容合わせてくださいよ 作家:土橋くん、新しいボケだとは思わないかい?最後まで読んでもやっぱり関係ないと気づいた時の点と点が線になる感じが好きなのだよ 編集者:今までそんな事しなかったじゃないですか、なぜ今更 作家:作家も進化するものだよ? 編集者:これって進化っていうんですかね? 作家:違うのかい? 編集者:先生は進化を過信してる様な気がしますよ 作家:では退化してると?堅いねぇ…土橋くん 編集者:肝心な時間を対価に書いたのが設定ガバガバなら感心出来ませんよ 作家:監視しながらも興味関心は持ってくれたみたいだねぇ土橋くん 0:少しの間が空く 編集者:…何ですかこのやり取り、進化と退化で遊んでいるだけじゃないですか 作家:土橋くんが進化を過信と言い始めたのではなかったかね? 編集者:そうですけど、たまたまですよ。…と、言いますかそういうのは原稿の中で行ってくださいよ 作家:土橋くんが居ないとできない会話だからねぇ…協力してくれたまえよぉ 編集者:ですから先生の力で頑張って下さいよ、まぁ…私に丸投げしないだけ嬉しいですが 作家:ゴーストライターしないのかい? 編集者:はい、しません 作家:では協力して土橋くんが文章を、私が絵を担当しよう 編集者:ですから先生が書かなくてはいけませんし、絵ってかけるんですか? 作家:描いた事はないねぇ 編集者:ないんじゃないですか 作家:ではこうしようじゃないか 編集者:なんですか? 作家:土橋くんが原作担当 編集者:ですからね… 作家:そして私があとがき担当さ 編集者:短すぎます、もう少し長くして下さい、短編小説だってもっと長いですよ 作家:おや、天丼かい? 編集者:はい 作家:とても…長い長い2秒だったねぇ 編集者:えぇ、二秒じゃなかったですから 作家:ふぅ…仕方がないライターをするとしようかね 編集者:やっとですか、よろしくお願いしますよ先生 作家:土橋くんがね 編集者:え、 作家:そして私はゴースト担当だ 編集者:それはゴーストライターを丸投げから丸投げにしただけじゃないですか!なんですかゴースト担当って! 作家:雲隠れ…かな? 編集者:何言ってるんですか、逃がしませんよ 作家:逃がしてくれたまえよ、キャッチアンドリリースだよ土橋くん? 編集者:リリースも発売も出来なくなるのでダメです 作家:出来なくなるも何も、今現在出来ていないのだ、逃げても対して変わらないのでないかね? 編集者:今より状況がもっと悪化するだけなので…変わらない所か誰にも先生の作品を買われないのは心苦しいです 作家:おや、私の才能を買ってくれたのは土橋くん達ではなかったかね? 編集者:そうですよ、買った事を後悔させないでくださいね。 作家:私の才能を転売して稼げるといいねぇ 編集者:転売って…本にして出すだけですよ 作家:ならばひとつ条件があるよ?土橋くん 編集者:お金ですか? 作家:それもそうだが…何簡単な事だ、書いた物を公開しないでくれたまい 編集者:何言ってるんですか 作家:恥ずかしいのだよ 編集者:何を今更…そもそも今回のこのシナリオなんで書こうと思ったんですか? 作家:そこに作家がいたからさ 編集者:作家はあなたですよ 作家:じゃあ誰が登山家なのかね? 編集者:知りませんよ、どこから出てきたんですか登山家 作家:ああ、彼なら今朝ロッジから出ていったよ 編集者:適当言わないでください 作家:麓(ふもと)から一望出来る駐車場の車内の寝心地が良かったってさ 編集者:ロッジって…車で寝泊まりしてるだけじゃないですか、一望も何も無いですよ。イビキではなくシナリオを書いた理由を教えてくださいよ 作家:そんなに気になるかい? 編集者:ええ気になります、メインの仕事放っぽりだして関係ないシナリオを描いているんですから 作家:放っぽり出すなんて人聞きの悪い、手に取った事もないよ 編集者:そうですね、そこに置いといてでそのままですもんね 作家:ああ、だから暇なのだよ土橋くん。お手隙というヤツさ 編集者:本当は忙しいはずなんですがね…分かりますか?心を亡くすと書いて忙しい。持て余しているそれを注ぎ込むべきなんですよ 作家:そうかぃ土橋くん、ではお手隙の両手で耳を塞ぎ、その話も忘れることにしようではないか。亡くす心と書いてね 編集者:ああ言えばこう言いますねさっきから…!もう屁理屈は良いんですよ、このシナリオの登場人物達の様に原稿を書こうとする意思だけでも見せて下さいよ 作家:ふぅむ…まあ、それもそうだねぇ。では彼らを見習って、我々の名前をつけようじゃないか。これで少しは目的と名前に関連性が出てくるねぇ 編集者:いや…別にそこまでは 作家:小説家の名前を、私にして… 編集者:読者は目的の事とか分かりませんし 作家:で、さて土橋くん、君の名前はなんだったかな? 編集者:土橋です

0:原稿を手に怒鳴る編集者 編集者:なんですかこれは! 作家:何って…見たら分かるだろう?大量出血では無い事は確かだ 編集者:そんな事を聞いているんじゃないです!問題はその中身です! 作家:中身と言われてもねぇ…今それを読んだ君なら分かるのではないかね? 編集者:えぇ読みましたよ!読みましたとも!読んだ上で言ってるんです! 作家:読んだ上でねぇ…何がそんなにおかしいんだい?編集者として私に事細かに教えてくれたまえよ?はい紙 編集者:これ原稿用紙じゃないですか!作家として事細かに物語を書いてくださいよ!…と言いたい所ですが教えますよ、ええ、教えますとも!そもそもですねぇ 作家:うん、なんだい? 編集者:この登場人物の 作家:うんうん、登場人物だ、人物が登場するから登場人物なのだよ土橋くん。 編集者:ええ、そうですよ。ですから 作家:そんなにおかしいかね? 編集者:そうですね、登場人物という言葉の説明は合ってると思いますよ?で、ですね 作家:そういえば登場人物と言えば 編集者:はいぃ!? 作家:新聞の番組欄、刑事ドラマの箇所、出演者が書かれているが、3人目に書かれている役者が演じている役が犯人である確率が高いと聞いたことがあるねぇ 編集者:あぁそうですね!ですから… 作家:それから… 編集者:喋らせろー!! 作家:…どうしたんだい土橋くん、そんなに話したかったのかい? 編集者:ええ 作家:まあ、私も物書きだ 編集者:違いますよ 作家:物書きの端くれだ 編集者:端過ぎて見切れてますよ。 作家:書く事を生業してるからね 編集者:手だけ映りこんだ心霊写真です 作家:話すのはあまり得意では無いんだ、好きなだけ話したまえ、本にしたまえ!私の名前と期待を背負って羽ばたきたまえ! 編集者:さっきからスゲー喋りますね!話す方が得意ですよね?今までずっと!書いてる時間より話している時間の方が多かったですよ! 作家:そうかね? 編集者:そうだねぇ!期待だけならまだしも名前も背負わせて!先生のゴーストライターはしないと何度言ったら分かるんですか!言っておきますが背負ってるんじゃないですからね!寄生ですから! 作家:凄い…話すねぇ…なにかの反動みたいだが、なにかあったのかい? 編集者:えぇ、何かはありまくりですよ!正確には何もしてないからこそですがね! 作家:そうか…だから本日の作者コメントはこんなに長い事になっている訳だね土橋くん 編集者:だから作者は先生なんですって! 作家:ふぅん、いやだねぇ… 編集者:イヤってアンタ… 作家:きせいしたいねぇ 編集者:それはどういう意味のきせいですか? 作家:変な声でも制限でも実家に帰る訳でも無く強めの依存と書いて強依存の方の寄生だよ土橋くん 編集者:あぁやっぱり……そもそもですね、誰かの振りをするにしてももうちょっと知名度がある人で無いとなりすますメリットすらないですよ。 作家:え…酷いねぇ… 編集者:だから早く売れて下さいよ、面白いんですから 作家:そう言う事か!一度頑張って売れたらあとは土橋くんに2代目関係なしに名前を譲って不労所得で悠々自適に過ごすのも悪くないねぇ… 編集者:不労所得…?よく分かりませんが大家にでもなるつもりですか? 作家:どうだろうねぇ…頑張りたまえよ、土橋くん。未来の竹中純は君だ 編集者:竹中純…!?どこの作家よ!! 作家:作家である事を知っているならもう答えは出ているじゃないかね? 編集者:まあ知っていて言ってますからね 作家:じゃあ私の知らない事を教えてもらおうかな? 編集者:なんですか?銀行の暗証番号ですか?教えませんよ? 作家:ん?お金には困ってないよ? 編集者:私は困ってます 作家:そ、そうかね 編集者:でも先生、先程不労所得とか言ってたじゃないですか 作家:蓄えは…多い方が安心出来るとは思わないか? 編集者:その分その貯蓄を狙う人が増えるリスクがあるとは思いませんか? 作家:おや…?そんな刺客がいるとはねぇ、盲点だったよ 編集者:うん、ですからそういうのは原稿でやってくださいよ 作家:おや、それはなぁぜなぁぜだい?土橋くぅん 編集者:チッ…あー、もしかして…流行りに乗ろうとしてます? 作家:ふむ、その反応を見るに…恐らく私は乗り遅れているみたいだねぇ 編集者:えぇ、バッチリ…周回遅れです 作家:では遅延証明書を書いて頂こうかね 編集者:先生はなんでも私に書かせようとしますね 作家:そんな風に見つめられると書きたく無くなるのだよぉ、土橋くんのその目が私に書かせてくれないのさ 編集者:違いますよ、私は監視してるだけですし、欠かせないのは先生のおサボりでは? 作家:よく分かっているじゃないか土橋くん、ではよく分かっていない私にひとつ教えてくれないかい? 編集者:何をですか? 作家:何かその…事細かに教えてくれる事があったんじゃないかなと思ってね 編集者:ぁ…あぁそうでしたね、まさか先生が話を戻してくれるとは思いませんでしたよ 作家:私だって戻すことくらいあるのだよ…二日くらい 編集者:どういう事ですか?一昨日来いとかそういう事ですか? 作家:いんや?二日酔いで吐くだけさ 編集者:そうですか、先生がお酒の話に寄っていってしまう前に、この、原稿の、何がおかしいのか。説明させて貰いますよ 作家:はい 編集者:まずですねぇ…タイトルが決まってないんですよ 作家:あれ、そうだっけ? 編集者:空白でしたよ 作家:そうかぃ、では書いておいてくれたまいよ? 編集者:嫌ですよ、自分で考えて書いてくださいよ 作家:ふぅむ…では、あなたはすぐ億万長者になれます、にしよう 編集者:誰が迷惑メールのタイトルを書けと言いました? 作家:おや、本文の方だったかね? 編集者:迷惑メールの本文も書かなくていいんですよ…まぁ、タイトルの方は後で考えて頂くとして、正直これが一番の問題です。 作家:なんだい? 編集者:世界観と内容が関係なさすぎます! 作家:ほぅ、知ってたよ 編集者:知ってたのにやったんですか!?はいまず名前!なんですかこの名前? 作家:何って…名前は名前だよ土橋くん。名前というのは個人に… 編集者:あぁもう、そうではなくて。これお菓子やスイーツを名前のモチーフにしてますよね? 作家:そうだねぇ 編集者:でも本文の内容全然お菓子出てこないじゃないですか 作家:そうかい?少しくらい出てるとも、茶菓子のくだりとか二回くらいね、天丼だね 編集者:そんなのちょっとした小ボケじゃないですか 作家:特にシナリオにおけるルール違反を犯し…ている訳ではないんだけどねぇ…お菓子だけに 編集者:小茶菓子い言い訳をしないで下さい、世界観というのはもっとよく練るものなんですよ 作家:何日くらいだい? 編集者:しっくり納得のいくまでじっくりとですよ、もちろん 作家:そうかい、では納得のいくまで寝ることにするよおやすみ 編集者:起きてくださいよ全く 作家:なんでだい?一晩寝かせたカレーは美味しいとは思わないかい? 編集者:そう言って先生は一体何晩寝てきたんですかねぇ…?じっくりとは言いましたが、ルーを…いえ、ルールを、期日を、守って下さいよ。もう大人なんですし 作家:まあまあ、寝る子は育つとも言うよ? 編集者:だから大人ですよね? 作家:そんな子供はルールを破るのが当たり前みたいに言われてもねぇ 編集者:大人はルールを守るのが当たり前と言っているんです 作家:そうかい?では名前を変えておく事にするよ 編集者:是非そうしてください 作家:じゃあ、土橋くんで 編集者:何故私なんですか、やめてくださいよ 作家:では土橋ちゃんで 編集者:そうではなくてですね… 作家:えぇ、どうしても? 編集者:どうしても 作家:何故どうしてもなんですか、やめてくださいよ 編集者:真似しないで下さいよ 作家:何故私の真似なんですか、やめてくださいよ 編集者:ループ!…何回繰り返すんですか 作家:天丼の下りとか…二回くらい? 編集者:天丼の天丼なんて聞いたことないですよ、せめてボケとボケの間に時間を置いてください 作家:2秒くらいでもいいかい? 編集者:短すぎます、もう少し長くして下さい 作家:おや、パスワード設定かな? 編集者:ロックをかける程の文章ですか?これ 作家:ふぅむ…それもそうだねぇ 編集者:ちょっとは否定してくださいよ、面白いんですから 作家:え?本当かい?嬉しいねェ 編集者:なので、登場人物の名前と内容合わせてくださいよ 作家:土橋くん、新しいボケだとは思わないかい?最後まで読んでもやっぱり関係ないと気づいた時の点と点が線になる感じが好きなのだよ 編集者:今までそんな事しなかったじゃないですか、なぜ今更 作家:作家も進化するものだよ? 編集者:これって進化っていうんですかね? 作家:違うのかい? 編集者:先生は進化を過信してる様な気がしますよ 作家:では退化してると?堅いねぇ…土橋くん 編集者:肝心な時間を対価に書いたのが設定ガバガバなら感心出来ませんよ 作家:監視しながらも興味関心は持ってくれたみたいだねぇ土橋くん 0:少しの間が空く 編集者:…何ですかこのやり取り、進化と退化で遊んでいるだけじゃないですか 作家:土橋くんが進化を過信と言い始めたのではなかったかね? 編集者:そうですけど、たまたまですよ。…と、言いますかそういうのは原稿の中で行ってくださいよ 作家:土橋くんが居ないとできない会話だからねぇ…協力してくれたまえよぉ 編集者:ですから先生の力で頑張って下さいよ、まぁ…私に丸投げしないだけ嬉しいですが 作家:ゴーストライターしないのかい? 編集者:はい、しません 作家:では協力して土橋くんが文章を、私が絵を担当しよう 編集者:ですから先生が書かなくてはいけませんし、絵ってかけるんですか? 作家:描いた事はないねぇ 編集者:ないんじゃないですか 作家:ではこうしようじゃないか 編集者:なんですか? 作家:土橋くんが原作担当 編集者:ですからね… 作家:そして私があとがき担当さ 編集者:短すぎます、もう少し長くして下さい、短編小説だってもっと長いですよ 作家:おや、天丼かい? 編集者:はい 作家:とても…長い長い2秒だったねぇ 編集者:えぇ、二秒じゃなかったですから 作家:ふぅ…仕方がないライターをするとしようかね 編集者:やっとですか、よろしくお願いしますよ先生 作家:土橋くんがね 編集者:え、 作家:そして私はゴースト担当だ 編集者:それはゴーストライターを丸投げから丸投げにしただけじゃないですか!なんですかゴースト担当って! 作家:雲隠れ…かな? 編集者:何言ってるんですか、逃がしませんよ 作家:逃がしてくれたまえよ、キャッチアンドリリースだよ土橋くん? 編集者:リリースも発売も出来なくなるのでダメです 作家:出来なくなるも何も、今現在出来ていないのだ、逃げても対して変わらないのでないかね? 編集者:今より状況がもっと悪化するだけなので…変わらない所か誰にも先生の作品を買われないのは心苦しいです 作家:おや、私の才能を買ってくれたのは土橋くん達ではなかったかね? 編集者:そうですよ、買った事を後悔させないでくださいね。 作家:私の才能を転売して稼げるといいねぇ 編集者:転売って…本にして出すだけですよ 作家:ならばひとつ条件があるよ?土橋くん 編集者:お金ですか? 作家:それもそうだが…何簡単な事だ、書いた物を公開しないでくれたまい 編集者:何言ってるんですか 作家:恥ずかしいのだよ 編集者:何を今更…そもそも今回のこのシナリオなんで書こうと思ったんですか? 作家:そこに作家がいたからさ 編集者:作家はあなたですよ 作家:じゃあ誰が登山家なのかね? 編集者:知りませんよ、どこから出てきたんですか登山家 作家:ああ、彼なら今朝ロッジから出ていったよ 編集者:適当言わないでください 作家:麓(ふもと)から一望出来る駐車場の車内の寝心地が良かったってさ 編集者:ロッジって…車で寝泊まりしてるだけじゃないですか、一望も何も無いですよ。イビキではなくシナリオを書いた理由を教えてくださいよ 作家:そんなに気になるかい? 編集者:ええ気になります、メインの仕事放っぽりだして関係ないシナリオを描いているんですから 作家:放っぽり出すなんて人聞きの悪い、手に取った事もないよ 編集者:そうですね、そこに置いといてでそのままですもんね 作家:ああ、だから暇なのだよ土橋くん。お手隙というヤツさ 編集者:本当は忙しいはずなんですがね…分かりますか?心を亡くすと書いて忙しい。持て余しているそれを注ぎ込むべきなんですよ 作家:そうかぃ土橋くん、ではお手隙の両手で耳を塞ぎ、その話も忘れることにしようではないか。亡くす心と書いてね 編集者:ああ言えばこう言いますねさっきから…!もう屁理屈は良いんですよ、このシナリオの登場人物達の様に原稿を書こうとする意思だけでも見せて下さいよ 作家:ふぅむ…まあ、それもそうだねぇ。では彼らを見習って、我々の名前をつけようじゃないか。これで少しは目的と名前に関連性が出てくるねぇ 編集者:いや…別にそこまでは 作家:小説家の名前を、私にして… 編集者:読者は目的の事とか分かりませんし 作家:で、さて土橋くん、君の名前はなんだったかな? 編集者:土橋です