台本概要

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タイトル 悠馬と咲
作者名 Danzig
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 男女サシ劇台本です。

小国の姫を手に入れようと、戦を仕掛けた早川の軍勢
何とか姫だけでも隣国へ逃がそうとする家臣たち
その道中の野営時の話です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
悠馬 22 姫のお供
24 小国の姫
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:静まり返った夜の林 0:武具を身につけた男が一人、焚火の前で眼を閉じて座している 0:枯れ葉を踏みしめて女性が近づいてくる : 咲:悠馬(ゆうま)様 : 0:女性の声に気づき目を開ける悠馬 : 悠馬:咲(さき)殿ですか : 咲:今・・・よろしいですか? : 悠馬:ええ、どうぞ : 0:咲は悠馬の側まで行き静かに腰を下ろす。 : 咲:悠馬様、早川の軍がもうそこまで来ていると・・・ : 悠馬:ええ、そのようですね。 悠馬:まったくしつこい奴らでだ : 咲:ええ、本当に・・・ : 悠馬:奴らも、そろそろ仕掛けてくるでしょう。 悠馬:我々が一緒にいるのも、危なくなってきました 悠馬:万が一に備え、咲殿らは明日の早朝、三条峠から一之瀬を南に抜けて、佐久間へお向かいなさい。 悠馬: 悠馬:佐久間を越えたら彰吾(しょうご)殿の国です。 悠馬:さすがの早川も、彰吾殿の国には手出しが出来ません 悠馬:彼には既に咲殿の事は頼んであります : 咲:そ、そんな : 悠馬:なぁに、心配はいりません、彼は信頼のおける男ですから : 0:言葉を飲み込む咲 : 咲:ゆ・・悠馬様は一緒に行かれないのですか? : 悠馬:それは出来ません、ここで女人(にょにん)の足に合わせていれば、直ぐに早川の軍に追いつかれてしまいます。 悠馬:明日、我々が早川の軍を迎え撃ちます。 その間に咲殿は彰吾殿の国に向かってください。 : 咲:しかし、それでは : 悠馬:早川の目的は咲殿、あなたです。 悠馬:あなたさえ逃げ切れれば、我々の勝ちなのです。 悠馬:それに、我々の軍はそんなにヤワではありません、 悠馬:咲殿が省吾殿の国に着くまでは、何とかもちましょうて。 : 咲:しかし、早川の軍は六千五百余りと聞いております。 咲:それに比べ、我が方の数は、二百に足りぬではありませんか 咲:そのような数の差は既に戦(いくさ)ではありません 咲:悠馬殿も一緒に参りましょう : 悠馬:咲殿、なにも戦は数ばかりが大事ではありません。 悠馬:この場所は我らが地の利(り)の利(き)くところ 悠馬:この道を選んだのも、われらの軍でも戦にできる場所だからです。 : 咲:それはそうかもしれませんが・・・・ : 0:咲が悠馬の表情に気づく : 咲:悠馬さま?  咲:何を笑っていらっしゃるのですか : 悠馬:咲殿、私は笑っていますか・・・ : 咲:ええ、うっすらではありますが、笑みを浮かべておいでです : 悠馬:いや何、昔の咲殿との約束を思い出しましてね : 咲:私との約束・・・ですか? : 悠馬:ええ、幼いころ「命を賭けて咲殿をお守りする」そう約束しましたね : 咲:そ、そんなあれは : 悠馬:ようやくその約束が果たせるのです 悠馬:嬉しい事ではありませんか : 咲:悠馬様 : 悠馬:そうですか 悠馬:私は笑っておりましたか : 咲:悠馬様 : 悠馬:それに、もとより、私と咲殿は、一緒にはなれぬ身 悠馬:そんな男が、咲殿の為に命をかけられるのです、 悠馬:笑みもこぼれましょうて : 咲:一緒になれぬだなんて、そんな事はありません 咲:私たちの仲は、父上も許して下さったではありませんか : 悠馬:御屋形(おやかた)様が許して下さっても、世間は許してはくれません。 悠馬:それに、その御屋形様ももう・・・ : 咲:あぁ・・・ : 悠馬:咲殿 悠馬:男が戦で果てるは、この世の理(ことわり) 悠馬:咲殿もそれは分っておいででしょう : 咲:それはそうですが・・・ : 悠馬:咲殿 悠馬:出立は明日の早朝です。 悠馬:夜目(よめ)の利(き)く男を付けますので、日の出の前に出立(しゅったつ)なさい 悠馬:決して、灯(あか)りは使わぬように : 咲:悠馬様 : 悠馬:よいですね 悠馬:くれぐれも国境(くにざかい)までは足を止めぬよう : 咲:ゆ・・・ 咲:わかりました・・・ 咲:悠馬様の言われた通りにいたします : 悠馬:ありがとうございます : 咲:悠馬様、 咲:私はずっと悠馬様の事をお慕い申しておりました : 悠馬:私もです 悠馬:咲殿、私もずっと咲殿の事が好きでした 悠馬:咲殿のお側に居られて、私は幸せものでした 悠馬:御屋形様に会ったらお礼を言わないと・・・ : 咲:悠馬様 : 悠馬:では、私は明日の支度がありますのでこれで : 0:立ち上がる悠馬 : 咲:はい : 0:その場を離れようとする悠馬 0:咲の方を振り返り : 悠馬:咲殿・・・達者で : 0:立ち去る悠馬 : 咲:悠馬様、どうかご武運がございますように・・・ : 0:完

0:静まり返った夜の林 0:武具を身につけた男が一人、焚火の前で眼を閉じて座している 0:枯れ葉を踏みしめて女性が近づいてくる : 咲:悠馬(ゆうま)様 : 0:女性の声に気づき目を開ける悠馬 : 悠馬:咲(さき)殿ですか : 咲:今・・・よろしいですか? : 悠馬:ええ、どうぞ : 0:咲は悠馬の側まで行き静かに腰を下ろす。 : 咲:悠馬様、早川の軍がもうそこまで来ていると・・・ : 悠馬:ええ、そのようですね。 悠馬:まったくしつこい奴らでだ : 咲:ええ、本当に・・・ : 悠馬:奴らも、そろそろ仕掛けてくるでしょう。 悠馬:我々が一緒にいるのも、危なくなってきました 悠馬:万が一に備え、咲殿らは明日の早朝、三条峠から一之瀬を南に抜けて、佐久間へお向かいなさい。 悠馬: 悠馬:佐久間を越えたら彰吾(しょうご)殿の国です。 悠馬:さすがの早川も、彰吾殿の国には手出しが出来ません 悠馬:彼には既に咲殿の事は頼んであります : 咲:そ、そんな : 悠馬:なぁに、心配はいりません、彼は信頼のおける男ですから : 0:言葉を飲み込む咲 : 咲:ゆ・・悠馬様は一緒に行かれないのですか? : 悠馬:それは出来ません、ここで女人(にょにん)の足に合わせていれば、直ぐに早川の軍に追いつかれてしまいます。 悠馬:明日、我々が早川の軍を迎え撃ちます。 その間に咲殿は彰吾殿の国に向かってください。 : 咲:しかし、それでは : 悠馬:早川の目的は咲殿、あなたです。 悠馬:あなたさえ逃げ切れれば、我々の勝ちなのです。 悠馬:それに、我々の軍はそんなにヤワではありません、 悠馬:咲殿が省吾殿の国に着くまでは、何とかもちましょうて。 : 咲:しかし、早川の軍は六千五百余りと聞いております。 咲:それに比べ、我が方の数は、二百に足りぬではありませんか 咲:そのような数の差は既に戦(いくさ)ではありません 咲:悠馬殿も一緒に参りましょう : 悠馬:咲殿、なにも戦は数ばかりが大事ではありません。 悠馬:この場所は我らが地の利(り)の利(き)くところ 悠馬:この道を選んだのも、われらの軍でも戦にできる場所だからです。 : 咲:それはそうかもしれませんが・・・・ : 0:咲が悠馬の表情に気づく : 咲:悠馬さま?  咲:何を笑っていらっしゃるのですか : 悠馬:咲殿、私は笑っていますか・・・ : 咲:ええ、うっすらではありますが、笑みを浮かべておいでです : 悠馬:いや何、昔の咲殿との約束を思い出しましてね : 咲:私との約束・・・ですか? : 悠馬:ええ、幼いころ「命を賭けて咲殿をお守りする」そう約束しましたね : 咲:そ、そんなあれは : 悠馬:ようやくその約束が果たせるのです 悠馬:嬉しい事ではありませんか : 咲:悠馬様 : 悠馬:そうですか 悠馬:私は笑っておりましたか : 咲:悠馬様 : 悠馬:それに、もとより、私と咲殿は、一緒にはなれぬ身 悠馬:そんな男が、咲殿の為に命をかけられるのです、 悠馬:笑みもこぼれましょうて : 咲:一緒になれぬだなんて、そんな事はありません 咲:私たちの仲は、父上も許して下さったではありませんか : 悠馬:御屋形(おやかた)様が許して下さっても、世間は許してはくれません。 悠馬:それに、その御屋形様ももう・・・ : 咲:あぁ・・・ : 悠馬:咲殿 悠馬:男が戦で果てるは、この世の理(ことわり) 悠馬:咲殿もそれは分っておいででしょう : 咲:それはそうですが・・・ : 悠馬:咲殿 悠馬:出立は明日の早朝です。 悠馬:夜目(よめ)の利(き)く男を付けますので、日の出の前に出立(しゅったつ)なさい 悠馬:決して、灯(あか)りは使わぬように : 咲:悠馬様 : 悠馬:よいですね 悠馬:くれぐれも国境(くにざかい)までは足を止めぬよう : 咲:ゆ・・・ 咲:わかりました・・・ 咲:悠馬様の言われた通りにいたします : 悠馬:ありがとうございます : 咲:悠馬様、 咲:私はずっと悠馬様の事をお慕い申しておりました : 悠馬:私もです 悠馬:咲殿、私もずっと咲殿の事が好きでした 悠馬:咲殿のお側に居られて、私は幸せものでした 悠馬:御屋形様に会ったらお礼を言わないと・・・ : 咲:悠馬様 : 悠馬:では、私は明日の支度がありますのでこれで : 0:立ち上がる悠馬 : 咲:はい : 0:その場を離れようとする悠馬 0:咲の方を振り返り : 悠馬:咲殿・・・達者で : 0:立ち去る悠馬 : 咲:悠馬様、どうかご武運がございますように・・・ : 0:完