台本概要
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タイトル | 【創作落語】外郎売らず |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 1人用台本(不問1) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
世の中には、外郎売でなくても、発音しにくい言葉というものがございます。 そういう言葉が飛び交う落語です。 397 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
噺家 | 不問 | 2 | |
デスク | 男 | 13 | 編集部のデスク |
八五郎 | 男 | 35 | 編集者 |
渚部長 | 女 | 9 | 報道部の部長 |
熊五郎 | 男 | 11 | 報道部の人間 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
:
噺家:えー、毎度バカバカしいお笑いを、一席お付き合い願いたいと思います
噺家:世の中には、言葉によって成り立つ商売なんてものがございます
噺家:例えば、アナウンサーですとか、声優さんですとか、役者さんとかですね
噺家:そういう方たちは、どんな言葉でも、スラスラと言えなきゃ商売にならない
噺家:途中で言葉が詰まってしまっては、キチンと伝えられないですからね
噺家:という事で、そういう人達の多くは「外郎売」という、発音しにくい言葉が多く使われているお話を読む事で、日夜、鍛えているらしいですね
噺家:でも、世の中には、外郎売でなくても、発音しにくい言葉というものが、幾つもございまして・・
噺家:とある、編集社でのお話
:
デスク:おい、八(はち)
:
八五郎:何ですか、デスク
:
デスク:さっき、報道部の前で、ちらっと聞いたんだが、何でも、爆発事故があったんだってよ
:
八五郎:爆発事故ですか?
:
デスク:あぁ、爆発だ
:
八五郎:で、何が爆発したんですか?、芸術が爆発したんですか?
:
デスク:バカな事言ってんじゃねぇよ、そんな古い話はもう誰も知らねぇんだよ
デスク:バスだよ、バス。バスが爆発したんだ
:
八五郎:バスって、あの「車」のバスですか?
八五郎:じゃぁ、バス爆発ですね。
八五郎:で、原因は?
:
デスク:ガスだってよ
:
八五郎:へー、ガス爆発ですか
:
デスク:あぁ、バスのガス爆発だ
:
八五郎:なるほど、バスガス爆発ですね
:
デスク:あぁ、バスガス爆発だ
デスク:お前、これを記事に出来るか?
:
八五郎:はい、あっしにやらせて下さい
:
デスク:よし、じゃぁ報道んとこ行って、詳しい話聞いてこい
:
八五郎:へい
八五郎:じゃぁ、早速・・・ニュースだニュース♪
:
デスク:おい、八
:
八五郎:へい
:
デスク:ニュースニュースって浮かれてるが
デスク:何を聞きに行くか分かってるか?
:
八五郎:えーっと、何でしたっけ?
:
デスク:バスのガス爆発だよ
:
八五郎:あぁ、そうでしたね
:
デスク:メモして行け
:
八五郎:今、書くものがなくて
:
デスク:んじゃ、復唱しながらでも行きやがれ
:
八五郎:へい
:
八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪
八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪
:
八五郎:お、ここだな。 すみませーん、バスガス爆発
:
渚部長:何ですか、騒々しい
:
八五郎:これは渚(なぎさ)部長、バスガス爆発・・じゃなかった、熊さんいますか?
:
渚部長:何です、あなたのその所作(しょさ)は
:
八五郎:所作といいますと?
:
渚部長:所作とは「ふるまい」の事です
渚部長:編集者たるもの、キチンとした所作が求められるのです
:
八五郎:はぁ
:
渚部長:あなた、本当に分かっているのですか?
渚部長:ちゃんと、私の言った事を咀嚼(そしゃく)して身につけるのですよ
渚部長:キチンと咀嚼した、キチンとした所作をですね・・
:
八五郎:はぁ、咀嚼ですか
:
渚部長:そうです、所作(しょさ)が悪くて、訴訟(そしょう)を起こされた事例もあるのですよ
:
八五郎:なるほど・・・所作を咀嚼しなかったら、訴訟を起こされたんですね
八五郎:これがホントの所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)、なんちゃって
:
渚部長:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)なんて言葉はありません
:
八五郎:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)って面白いと思うんですけどね
:
渚部長:まったく・・で、要件は何ですか?
:
八五郎:あ、そうだ、熊さん居ますか?
:
渚部長:あぁ、熊五郎君なら、奥に居るわよ
:
八五郎:ありぁーす
:
渚部長:ちょっと、所作よ、所作! 咀嚼なさい!
:
八五郎:ったく、うるさいな部長は
八五郎:お、いたいた。熊さーん
:
熊五郎:なんでぇ、八か、どうした?
:
八五郎:ちょっと、熊さんに、さっき起きた、バスガス爆発の事について教えて欲しいんだよ
:
熊五郎:バスガス爆発について? 一体何が知りたいんだよ
:
八五郎:そのバスは、どんなバスだったの?
:
熊五郎:あぁ、あれは、マサチューセッツ州向けの輸出車でな
熊五郎:低所得者層じゃなくて、ヨーロッパ旅行客層向けの高級輸出車だったらしい
:
八五郎:へー、で、バスの所有者は?
:
熊五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトールだってよ
:
八五郎:何ですって?
:
熊五郎:だから、ミムヌグ・ムルグスチュトールだよ
:
八五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトール?
八五郎:それ名前? 珍しい名前だな、何人なんだい?
:
熊五郎:知らねぇよ、外国人だろ?
:
八五郎:そんな大雑把な
:
熊五郎:大概外国国籍の人間は、外国人って相場が決まってんだよ
:
八五郎:ふーん
:
熊五郎:で、そんな事聞いてどうするんだい? 記事にでもするのか?
:
八五郎:いや、もうやめた
:
熊五郎:どうしてだい?
:
八五郎:もう、文字数が足らないから
:
熊五郎:文字数が足らないって、一体、何文字なんだよ
:
八五郎:1話、2000字以内
:
熊五郎:そんな少ない文字数で記事が書けるか!
:
八五郎:あぁ、俺もそう思うよ
:
噺家:文字数の関係で記事を書く気にならなかったという、外郎売らずの一席
噺家:お後がよろしいようで
:
噺家:えー、毎度バカバカしいお笑いを、一席お付き合い願いたいと思います
噺家:世の中には、言葉によって成り立つ商売なんてものがございます
噺家:例えば、アナウンサーですとか、声優さんですとか、役者さんとかですね
噺家:そういう方たちは、どんな言葉でも、スラスラと言えなきゃ商売にならない
噺家:途中で言葉が詰まってしまっては、キチンと伝えられないですからね
噺家:という事で、そういう人達の多くは「外郎売」という、発音しにくい言葉が多く使われているお話を読む事で、日夜、鍛えているらしいですね
噺家:でも、世の中には、外郎売でなくても、発音しにくい言葉というものが、幾つもございまして・・
噺家:とある、編集社でのお話
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デスク:おい、八(はち)
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八五郎:何ですか、デスク
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デスク:さっき、報道部の前で、ちらっと聞いたんだが、何でも、爆発事故があったんだってよ
:
八五郎:爆発事故ですか?
:
デスク:あぁ、爆発だ
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八五郎:で、何が爆発したんですか?、芸術が爆発したんですか?
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デスク:バカな事言ってんじゃねぇよ、そんな古い話はもう誰も知らねぇんだよ
デスク:バスだよ、バス。バスが爆発したんだ
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八五郎:バスって、あの「車」のバスですか?
八五郎:じゃぁ、バス爆発ですね。
八五郎:で、原因は?
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デスク:ガスだってよ
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八五郎:へー、ガス爆発ですか
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デスク:あぁ、バスのガス爆発だ
:
八五郎:なるほど、バスガス爆発ですね
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デスク:あぁ、バスガス爆発だ
デスク:お前、これを記事に出来るか?
:
八五郎:はい、あっしにやらせて下さい
:
デスク:よし、じゃぁ報道んとこ行って、詳しい話聞いてこい
:
八五郎:へい
八五郎:じゃぁ、早速・・・ニュースだニュース♪
:
デスク:おい、八
:
八五郎:へい
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デスク:ニュースニュースって浮かれてるが
デスク:何を聞きに行くか分かってるか?
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八五郎:えーっと、何でしたっけ?
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デスク:バスのガス爆発だよ
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八五郎:あぁ、そうでしたね
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デスク:メモして行け
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八五郎:今、書くものがなくて
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デスク:んじゃ、復唱しながらでも行きやがれ
:
八五郎:へい
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八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪
八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪
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八五郎:お、ここだな。 すみませーん、バスガス爆発
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渚部長:何ですか、騒々しい
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八五郎:これは渚(なぎさ)部長、バスガス爆発・・じゃなかった、熊さんいますか?
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渚部長:何です、あなたのその所作(しょさ)は
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八五郎:所作といいますと?
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渚部長:所作とは「ふるまい」の事です
渚部長:編集者たるもの、キチンとした所作が求められるのです
:
八五郎:はぁ
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渚部長:あなた、本当に分かっているのですか?
渚部長:ちゃんと、私の言った事を咀嚼(そしゃく)して身につけるのですよ
渚部長:キチンと咀嚼した、キチンとした所作をですね・・
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八五郎:はぁ、咀嚼ですか
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渚部長:そうです、所作(しょさ)が悪くて、訴訟(そしょう)を起こされた事例もあるのですよ
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八五郎:なるほど・・・所作を咀嚼しなかったら、訴訟を起こされたんですね
八五郎:これがホントの所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)、なんちゃって
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渚部長:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)なんて言葉はありません
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八五郎:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)って面白いと思うんですけどね
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渚部長:まったく・・で、要件は何ですか?
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八五郎:あ、そうだ、熊さん居ますか?
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渚部長:あぁ、熊五郎君なら、奥に居るわよ
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八五郎:ありぁーす
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渚部長:ちょっと、所作よ、所作! 咀嚼なさい!
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八五郎:ったく、うるさいな部長は
八五郎:お、いたいた。熊さーん
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熊五郎:なんでぇ、八か、どうした?
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八五郎:ちょっと、熊さんに、さっき起きた、バスガス爆発の事について教えて欲しいんだよ
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熊五郎:バスガス爆発について? 一体何が知りたいんだよ
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八五郎:そのバスは、どんなバスだったの?
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熊五郎:あぁ、あれは、マサチューセッツ州向けの輸出車でな
熊五郎:低所得者層じゃなくて、ヨーロッパ旅行客層向けの高級輸出車だったらしい
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八五郎:へー、で、バスの所有者は?
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熊五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトールだってよ
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八五郎:何ですって?
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熊五郎:だから、ミムヌグ・ムルグスチュトールだよ
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八五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトール?
八五郎:それ名前? 珍しい名前だな、何人なんだい?
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熊五郎:知らねぇよ、外国人だろ?
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八五郎:そんな大雑把な
:
熊五郎:大概外国国籍の人間は、外国人って相場が決まってんだよ
:
八五郎:ふーん
:
熊五郎:で、そんな事聞いてどうするんだい? 記事にでもするのか?
:
八五郎:いや、もうやめた
:
熊五郎:どうしてだい?
:
八五郎:もう、文字数が足らないから
:
熊五郎:文字数が足らないって、一体、何文字なんだよ
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八五郎:1話、2000字以内
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熊五郎:そんな少ない文字数で記事が書けるか!
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八五郎:あぁ、俺もそう思うよ
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噺家:文字数の関係で記事を書く気にならなかったという、外郎売らずの一席
噺家:お後がよろしいようで