台本概要

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タイトル 【創作落語】外郎売らず
作者名 Danzig
ジャンル コメディ
演者人数 1人用台本(不問1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 世の中には、外郎売でなくても、発音しにくい言葉というものがございます。
そういう言葉が飛び交う落語です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
噺家 不問 2
デスク 13 編集部のデスク
八五郎 35 編集者
渚部長 9 報道部の部長
熊五郎 11 報道部の人間
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
: 噺家:えー、毎度バカバカしいお笑いを、一席お付き合い願いたいと思います 噺家:世の中には、言葉によって成り立つ商売なんてものがございます 噺家:例えば、アナウンサーですとか、声優さんですとか、役者さんとかですね 噺家:そういう方たちは、どんな言葉でも、スラスラと言えなきゃ商売にならない 噺家:途中で言葉が詰まってしまっては、キチンと伝えられないですからね 噺家:という事で、そういう人達の多くは「外郎売」という、発音しにくい言葉が多く使われているお話を読む事で、日夜、鍛えているらしいですね 噺家:でも、世の中には、外郎売でなくても、発音しにくい言葉というものが、幾つもございまして・・ 噺家:とある、編集社でのお話 : デスク:おい、八(はち) : 八五郎:何ですか、デスク : デスク:さっき、報道部の前で、ちらっと聞いたんだが、何でも、爆発事故があったんだってよ : 八五郎:爆発事故ですか? : デスク:あぁ、爆発だ : 八五郎:で、何が爆発したんですか?、芸術が爆発したんですか? : デスク:バカな事言ってんじゃねぇよ、そんな古い話はもう誰も知らねぇんだよ デスク:バスだよ、バス。バスが爆発したんだ : 八五郎:バスって、あの「車」のバスですか? 八五郎:じゃぁ、バス爆発ですね。 八五郎:で、原因は? : デスク:ガスだってよ : 八五郎:へー、ガス爆発ですか : デスク:あぁ、バスのガス爆発だ : 八五郎:なるほど、バスガス爆発ですね : デスク:あぁ、バスガス爆発だ デスク:お前、これを記事に出来るか? : 八五郎:はい、あっしにやらせて下さい : デスク:よし、じゃぁ報道んとこ行って、詳しい話聞いてこい : 八五郎:へい 八五郎:じゃぁ、早速・・・ニュースだニュース♪ : デスク:おい、八 : 八五郎:へい : デスク:ニュースニュースって浮かれてるが デスク:何を聞きに行くか分かってるか? : 八五郎:えーっと、何でしたっけ? : デスク:バスのガス爆発だよ : 八五郎:あぁ、そうでしたね : デスク:メモして行け : 八五郎:今、書くものがなくて : デスク:んじゃ、復唱しながらでも行きやがれ : 八五郎:へい : 八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪ 八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪ : 八五郎:お、ここだな。 すみませーん、バスガス爆発 : 渚部長:何ですか、騒々しい : 八五郎:これは渚(なぎさ)部長、バスガス爆発・・じゃなかった、熊さんいますか? : 渚部長:何です、あなたのその所作(しょさ)は : 八五郎:所作といいますと? : 渚部長:所作とは「ふるまい」の事です 渚部長:編集者たるもの、キチンとした所作が求められるのです : 八五郎:はぁ : 渚部長:あなた、本当に分かっているのですか? 渚部長:ちゃんと、私の言った事を咀嚼(そしゃく)して身につけるのですよ 渚部長:キチンと咀嚼した、キチンとした所作をですね・・ : 八五郎:はぁ、咀嚼ですか : 渚部長:そうです、所作(しょさ)が悪くて、訴訟(そしょう)を起こされた事例もあるのですよ : 八五郎:なるほど・・・所作を咀嚼しなかったら、訴訟を起こされたんですね 八五郎:これがホントの所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)、なんちゃって : 渚部長:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)なんて言葉はありません : 八五郎:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)って面白いと思うんですけどね : 渚部長:まったく・・で、要件は何ですか? : 八五郎:あ、そうだ、熊さん居ますか? : 渚部長:あぁ、熊五郎君なら、奥に居るわよ : 八五郎:ありぁーす : 渚部長:ちょっと、所作よ、所作! 咀嚼なさい! : 八五郎:ったく、うるさいな部長は 八五郎:お、いたいた。熊さーん : 熊五郎:なんでぇ、八か、どうした? : 八五郎:ちょっと、熊さんに、さっき起きた、バスガス爆発の事について教えて欲しいんだよ : 熊五郎:バスガス爆発について? 一体何が知りたいんだよ : 八五郎:そのバスは、どんなバスだったの? : 熊五郎:あぁ、あれは、マサチューセッツ州向けの輸出車でな 熊五郎:低所得者層じゃなくて、ヨーロッパ旅行客層向けの高級輸出車だったらしい : 八五郎:へー、で、バスの所有者は? : 熊五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトールだってよ : 八五郎:何ですって? : 熊五郎:だから、ミムヌグ・ムルグスチュトールだよ : 八五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトール? 八五郎:それ名前? 珍しい名前だな、何人なんだい? : 熊五郎:知らねぇよ、外国人だろ? : 八五郎:そんな大雑把な : 熊五郎:大概外国国籍の人間は、外国人って相場が決まってんだよ : 八五郎:ふーん : 熊五郎:で、そんな事聞いてどうするんだい? 記事にでもするのか? : 八五郎:いや、もうやめた : 熊五郎:どうしてだい? : 八五郎:もう、文字数が足らないから : 熊五郎:文字数が足らないって、一体、何文字なんだよ : 八五郎:1話、2000字以内 : 熊五郎:そんな少ない文字数で記事が書けるか! : 八五郎:あぁ、俺もそう思うよ : 噺家:文字数の関係で記事を書く気にならなかったという、外郎売らずの一席 噺家:お後がよろしいようで

: 噺家:えー、毎度バカバカしいお笑いを、一席お付き合い願いたいと思います 噺家:世の中には、言葉によって成り立つ商売なんてものがございます 噺家:例えば、アナウンサーですとか、声優さんですとか、役者さんとかですね 噺家:そういう方たちは、どんな言葉でも、スラスラと言えなきゃ商売にならない 噺家:途中で言葉が詰まってしまっては、キチンと伝えられないですからね 噺家:という事で、そういう人達の多くは「外郎売」という、発音しにくい言葉が多く使われているお話を読む事で、日夜、鍛えているらしいですね 噺家:でも、世の中には、外郎売でなくても、発音しにくい言葉というものが、幾つもございまして・・ 噺家:とある、編集社でのお話 : デスク:おい、八(はち) : 八五郎:何ですか、デスク : デスク:さっき、報道部の前で、ちらっと聞いたんだが、何でも、爆発事故があったんだってよ : 八五郎:爆発事故ですか? : デスク:あぁ、爆発だ : 八五郎:で、何が爆発したんですか?、芸術が爆発したんですか? : デスク:バカな事言ってんじゃねぇよ、そんな古い話はもう誰も知らねぇんだよ デスク:バスだよ、バス。バスが爆発したんだ : 八五郎:バスって、あの「車」のバスですか? 八五郎:じゃぁ、バス爆発ですね。 八五郎:で、原因は? : デスク:ガスだってよ : 八五郎:へー、ガス爆発ですか : デスク:あぁ、バスのガス爆発だ : 八五郎:なるほど、バスガス爆発ですね : デスク:あぁ、バスガス爆発だ デスク:お前、これを記事に出来るか? : 八五郎:はい、あっしにやらせて下さい : デスク:よし、じゃぁ報道んとこ行って、詳しい話聞いてこい : 八五郎:へい 八五郎:じゃぁ、早速・・・ニュースだニュース♪ : デスク:おい、八 : 八五郎:へい : デスク:ニュースニュースって浮かれてるが デスク:何を聞きに行くか分かってるか? : 八五郎:えーっと、何でしたっけ? : デスク:バスのガス爆発だよ : 八五郎:あぁ、そうでしたね : デスク:メモして行け : 八五郎:今、書くものがなくて : デスク:んじゃ、復唱しながらでも行きやがれ : 八五郎:へい : 八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪ 八五郎:バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪、バスガス爆発♪ : 八五郎:お、ここだな。 すみませーん、バスガス爆発 : 渚部長:何ですか、騒々しい : 八五郎:これは渚(なぎさ)部長、バスガス爆発・・じゃなかった、熊さんいますか? : 渚部長:何です、あなたのその所作(しょさ)は : 八五郎:所作といいますと? : 渚部長:所作とは「ふるまい」の事です 渚部長:編集者たるもの、キチンとした所作が求められるのです : 八五郎:はぁ : 渚部長:あなた、本当に分かっているのですか? 渚部長:ちゃんと、私の言った事を咀嚼(そしゃく)して身につけるのですよ 渚部長:キチンと咀嚼した、キチンとした所作をですね・・ : 八五郎:はぁ、咀嚼ですか : 渚部長:そうです、所作(しょさ)が悪くて、訴訟(そしょう)を起こされた事例もあるのですよ : 八五郎:なるほど・・・所作を咀嚼しなかったら、訴訟を起こされたんですね 八五郎:これがホントの所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)、なんちゃって : 渚部長:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)なんて言葉はありません : 八五郎:所作咀嚼訴訟(しょさそしゃくそしょう)って面白いと思うんですけどね : 渚部長:まったく・・で、要件は何ですか? : 八五郎:あ、そうだ、熊さん居ますか? : 渚部長:あぁ、熊五郎君なら、奥に居るわよ : 八五郎:ありぁーす : 渚部長:ちょっと、所作よ、所作! 咀嚼なさい! : 八五郎:ったく、うるさいな部長は 八五郎:お、いたいた。熊さーん : 熊五郎:なんでぇ、八か、どうした? : 八五郎:ちょっと、熊さんに、さっき起きた、バスガス爆発の事について教えて欲しいんだよ : 熊五郎:バスガス爆発について? 一体何が知りたいんだよ : 八五郎:そのバスは、どんなバスだったの? : 熊五郎:あぁ、あれは、マサチューセッツ州向けの輸出車でな 熊五郎:低所得者層じゃなくて、ヨーロッパ旅行客層向けの高級輸出車だったらしい : 八五郎:へー、で、バスの所有者は? : 熊五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトールだってよ : 八五郎:何ですって? : 熊五郎:だから、ミムヌグ・ムルグスチュトールだよ : 八五郎:ミムヌグ・ムルグスチュトール? 八五郎:それ名前? 珍しい名前だな、何人なんだい? : 熊五郎:知らねぇよ、外国人だろ? : 八五郎:そんな大雑把な : 熊五郎:大概外国国籍の人間は、外国人って相場が決まってんだよ : 八五郎:ふーん : 熊五郎:で、そんな事聞いてどうするんだい? 記事にでもするのか? : 八五郎:いや、もうやめた : 熊五郎:どうしてだい? : 八五郎:もう、文字数が足らないから : 熊五郎:文字数が足らないって、一体、何文字なんだよ : 八五郎:1話、2000字以内 : 熊五郎:そんな少ない文字数で記事が書けるか! : 八五郎:あぁ、俺もそう思うよ : 噺家:文字数の関係で記事を書く気にならなかったという、外郎売らずの一席 噺家:お後がよろしいようで