台本概要
880 views
タイトル | 怪盗バロニアとハロウィン |
---|---|
作者名 | 佐久間ユタカ (@sakusaku_yutaka) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 4人用台本(男2、女1、不問1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
■完全に金銭が発生する場の利用はDMまでご連絡下さい ※課金・投げ銭がある配信アプリ可のためご安心ください ※お断りすることはありませんが動画投稿使用時はDMまで事前にご一報ください ■モチベに繋がるためTwitterで呟いていただけると視聴に飛んでいけるため聴けたらとても嬉しいです! ※強制ではありません ■感想やリクエスト等ございましたらTwitterのDMまたはリプにていただけるととても嬉しいです ■一人称変更◎語尾変更◎ ※演者様の性別問いません 880 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
バロニア | 男 | 44 | 青年、怪盗、自由 |
ルイス | 不問 | 73 | 少年、孤児、純粋 |
リト | 男 | 45 | 青年、創設者、優しい |
ベル | 女 | 38 | 少女、妖精、元気 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー1話ー
0:表記説明
0:【M】・・・モノローグ
0:役表2/1/1
0:【バロニア】・・・青年、怪盗
0:【ルイス】・・・少年、孤児
0:【リト】 ・・・青年、創設者
0:【ベル】 ・・・少女、妖精
0:
ルイス:僕は、ハロウィンが嫌いだ。
0:
バロニア:怪盗バロニアとハロウィン
0:
ルイス:【M】どんなに嫌いでも毎年この時期がやってくる
0:
0:
リト:ルイス。やっぱり、ここにいたか。
ルイス:リト・・・。
リト:晩御飯の時間だよ。
ルイス:・・・うん
リト:ルイスは気分が沈むと必ずこの部屋に閉じこもるね
ルイス:本がたくさんあって、狭くて、ほら・・・天窓から空が見えるでしょ。なんか、落ち着くんだ。
リト:ルイスと同じことを言っていた奴が昔いたな。
ルイス:そうなの?
リト:昔の話だよ。
ルイス:ふぅん?
リト:ハロウィンが近いと毎年考え込んでるね
ルイス:・・・うん
リト:何か思い出した?
ルイス:ううん。何も。ただ、何で僕はハロウィンの日に一人になったのかなって。
リト:今は一人じゃないだろ。
ルイス:ふふっ、そうだね。
リト:僕たちは家族だからね。
ルイス:ありがと、リト。
リト:さ、ご飯の時間だ。今夜はルイスの大好きなシュニッツェルだよ。
ルイス:本当?!嬉しい!
0:
バロニア:オレも大好物♪
0:
リト:なっ・・・!
ルイス:バ・・・!バロニア様!!
リト:おまえ!
バロニア:ハロ~~元気にしてたかおまえら~
リト:・・・出てけ!今すぐに!
バロニア:お~~こっわ。リト君、オレに会う度にすぐ怒るのやめたほうがい~よ~
リト:黙れ腐れ外道が。この教会に足を踏みいれるなと前も言ったろ
バロニア:残念~もぅ踏みいってるよ~
リト:叩き出す
バロニア:やれるもんならお好きにど~ぞ~~♪
リト:この・・・っ、逃げるなっ・・・!
バロニア:逃げないとは言ってないんだなぁ、ほいっと、お先に食堂行ってるよ~♪
リト:待て!おまえの飯はないからな!こら!バロニア!・・・待てええええぇぇぇ!
ルイス:リト・・・っ!・・・バロニア様も、行っちゃった・・・。
0:
ベル:毎度追いかけっこして飽きないのかしらね
0:
ルイス:ベル!君も来てたんだね!
ベル:前回の満月ぶりね、ルイス。元気だった?
ルイス:げん、き・・・だよ
ベル:ふふっ、元気じゃないって顔が言ってるわ。
ルイス:ねぇ、ベル、君は思い出したくないことってある?
ベル:嫌なことはすぐ記憶から消してるわよ!♪
ルイス:記憶から消す・・・
ベル:ルイス、あなた確か、7歳より以前の記憶がないのよね
ルイス:うん。自分の名前も分からなかったからリトが名付け親なんだ。
ベル:ルイス。私の故郷に古くからの言葉があるわ。
ルイス:どんな言葉?
ベル:夜は何も考えず星と踊り月を見つめよう
ベル:それでも夜の闇に包まれたときは・・・
ルイス:包まれた時は・・・?
ベル:美味しいご飯を食べましょう!ってね♪
ベル:さ!ボーっとしてたら私がルイスの分食べちゃうんだからね!
ルイス:ふっ、はははっ、ダメだよ!僕のだからね!
0:
0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー2話ー
0:
ルイス:【M】ドイツ、デュッセルドルフ。
ルイス:【M】当時17歳の若さで孤児院を創設したリトは、僕と同じ行く当てのない子供たちにとって兄のような存在だ。
ルイス:【M】いつも仮面を付けているバロニア様と小さいながらに大人びてるベルは僕たちにいつもプレゼントを持ってきてくれる。
ルイス:【M】何でなのかは分からないし、二人が普段どんなことをしてるのかも分からない
ルイス:【M】ただ分かっていることは、毎月必ず満月の夜にだけ二人は姿を現すってことだけ・・・
0:
ルイス:ダメだ、やっぱり眠れない
ルイス:少しくらい・・・いいよね
0:
ルイス:【M】消灯後に部屋を出ちゃダメだとリトに言われているけれど、そっと静かに身体を起こして寝室を後にした
ルイス:【M】三階の奥にある僕の大好きな小部屋へ、ゆっくりと足を運ぶ。
0:
ベル:バロニア、無理よ。何度だって言うわ。む・り!
0:
ルイス:【M】扉を挟んだ小部屋の中から声が聞こえる。
0:
バロニア:オレに不可能はない
ベル:ばっかね~不可能だらけよ。忘れたとは言わせないわ、先日だってねぇ!
0:
ルイス:【M】バロニア様と、ベル・・・確か、夕飯前にリトに追い出されたんじゃなかったっけ・・・?
0:
リト:そこにいるのは、ルイスか?
ルイス:えっ!?
リト:こら!消灯後に部屋を出たらダメじゃないか!
ルイス:リト?!!!ご、ごごご、ごめんなさい!!!
ルイス:【M】急なリトの登場に驚いた僕は咄嗟に足を滑らせて転んでしまった。その拍子に開く小部屋の扉。
バロニア:げっ。
ベル:あら
0:
ルイス:【M】ひっくり返る視界に飛び込んできたのは、黒いマントに身を包むバロニア様と・・・小さな・・・
0:
ルイス:妖精・・・?
リト:おまえたち、なんでここに・・・?!・・・はぁ~~~~~【頭をおさえる】
0:
ルイス:【M】バロニア様の眼前にふわふわと浮かんでいる20センチ程の背丈の・・・動物・・・?オレンジのスカートにどこか既視感を覚える。
0:
ベル:ルイス大丈夫?
ルイス:・・・何で僕の名前知ってるの?
ベル:ふふっ。私よ、ベルよ。
ルイス:べ・・・ベル?!
ベル:えぇ、そうよ。この姿で会うのは初めてね。
ルイス:君・・・妖精だったんだね。
ベル:あまり驚かないのね。
ルイス:驚いてるけど・・・でも、君は君だから。
ベル:そうね。私は私だわ、そう言ってくれるルイスが好きよ、ありがとう。
リト:バロニア・・・おまえの責任だからな
ルイス:リト!ごめんなさい!僕が悪いんだ・・・バロニア様を怒らないで!
リト:ルイスは悪くないよ、これは僕とこいつの約束の話なんだ。
ルイス:約束?
バロニア:あぁ、そうだな。
リト:ベルのことが僕たち以外の人間にばれたら、二度とここへは来ないこと。
ルイス:えっ・・・
リト:これは約束なんだ。
ルイス:会えなくなるってこと・・・?
リト:一生会えない。特にベルとはお別れになる。
ルイス:や・・・嫌だよ!僕、誰にも言わないよ!・・・お願い!一生会えないなんて・・・そんなの嫌だよ!
バロニア:ルイス。悪ぃな。オレとリトだけの約束じゃないんだ
ベル:ルイス、顔を上げて。あのね、私たち妖精はね本来、人に見つかったり力を貸してはダメなの
ベル:でもね、妖精の長(おさ)が訳ありの二人に同情して、過去に一度だけ約束付きの許可を出してくれたのよ。
ベル:私はそのおかげで、一時的でも人間になって、皆とお話が出来るの
ルイス:・・・その、長にもう一度お願いをすることは出来ないの?バレたことを内緒にするとか・・・
ベル:ふふっ、悪い子ね。私の瞳越しに全て見えてるから無理なのよ。
ルイス:そんな・・・
リト:ルイス、辛い気持ちにさせてごめんね。これだけはどうしようも出来ないんだ
バロニア:ん~~・・・どうにか出来ないわけでも、ないか・・・
リト:どうした、バロニア
バロニア:・・・あるかもしれない、なんとかなる方法
0:
0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー3話ー
0:
リト:おまえ、この状況で何言ってんだ。ついに起きたまま夢でも見れるようになったか?
バロニア:ベル、ハロウィンの宝だ。
ベル:・・・はぁ?!あのねぇ!何度も言ってるでしょ!ムリなのよ!
ベル:ハロウィンに生まれた人間の子なんてそうそう見つかるわけないし、第一見つかったとしてどうやって説明を・・・っ!?あなた、まさか・・・
バロニア:なぁ、リト。ルイスが記憶をなくしたのはハロウィンの日、だったよな。
リト:あ、あぁ、そうだよ。
バロニア:イチかバチか試す価値はあるな
ベル:はぁ・・・万が一成功したら、バロニア・・・あなた、相当な運の強さよ。
ルイス:バロニア様、どんな方法なんですか?
バロニア:簡単に言うと、妖精界のお宝を長に貢ぐ!以上!
ルイス:えっ
リト:詳しく話せ
バロニア:目だけ笑ってないよリト君~
ベル:毎年ハロウィンの時期にだけ妖精界に現れる宝があるのよ
バロニア:その、宝がすこ~~し特殊でね
ベル:私たちでその宝箱を開けることが出来たら、もしかしたら今回の件は無効になるかもしれないの
ルイス:本当に!?僕、なんでもするよ!!
リト:特殊の理由は?
バロニア:宝箱の鍵に条件があるんだ
リト:条件?
バロニア:百聞は一見に如かず
ベル:リト、ルイス、これを見て
リト:・・・花?
ルイス:見た感じ普通の花に見えるね
バロニア:この花を・・・月の光にあてる、と・・・
ルイス:わっ・・・!?光った!
ベル:この状態で鍵である子供が花に触れるだけよ
リト:鍵が子供・・・ルイスってことになるのか。害はないんだよな?
ベル:ふふっ、大丈夫よ
バロニア:ルイス、花に触れてみるんだ
ルイス:ぼ、僕が・・・わ、分かった
ベル:うまくいったら奇跡よ・・・
ルイス:この花、冷たい・・・わっ!・・・花が・・・
リト:宝石になった・・・
バロニア:ふっ。ベル、オレの運もまだまだ現役みたいだな
ベル:成功しちゃったわね
バロニア:ルイス、大成功だ
ルイス:僕・・・触れただけなのに、何で?
ベル:ハロウィンに生まれた人間の子供が鍵なのよ
バロニア:でも、妖精界には人間なんていない、こうやって人間界に花を持って来てはみたが、オレたちのことを知られるわけにもいかなったからな
リト:確かに、その条件はかなり厳しいな・・・
ルイス:バロニア様とベルは、何者なの?
バロニア:いい質問だ
ルイス:バロニア様も、妖精・・・とか?
バロニア:オレ様は怪盗バロニア、唯一妖精界へ行くことを許された人間だ
ルイス:怪盗・・・
ベル:勘違いしちゃダメよ!私たちは誰かを不幸にしたことはないから安心しなさい♪
バロニア:失った物や目に見えない物、勿論おまえたちに毎月届けてるギフトもそうだが、取り扱っている宝は多種多様だ
ベル:今回の件で一つ分かったこともあるわね
ルイス:僕の・・・誕生日・・・
リト:まさかルイスが1番苦手なハロウィンの日に生まれたなんて・・・
バロニア:いーか、ルイス。苦手なものや嫌いなものを好きになる必要はない
ルイス:え・・・っ?
バロニア:思い出せない記憶の中に答えはあるだろう。でもな、おまえが自分の気持ちを無視して探る必要は一ミリもない、それよりも大切なことがある
ルイス:大切なこと・・・
バロニア:おまえのお陰で、オレとベルは、またここに来ることが出来るかもしれない
ルイス:僕も、誰かの役に立てるんだね・・
ベル:ありがとう、ルイス。
バロニア:オレたちはそろそろ出る、月が満ちている時間しかあっちに行けないからな。
リト:次はまた一か月後か
バロニア:お許しを得ることが出来たらまた来るさ
ベル:きっと大丈夫だから安心して待ってなさい♪
ルイス:バロニア様!ベル!僕、待ってる・・・必ず、また、会えるよね?
ベル:当たり前でしょ!
バロニア:月が満ちた夜に。
0:
0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー最終話ー
0:
ルイス:【M】あれから、2カ月が経った。
0:
ルイス:リト・・・
リト:またここにいたんだね、ルイス
ルイス:ねぇ、リト・・・バロニア様とベルに・・・また会えるよね
リト:会えるよ、ルイスが会いたいって思う気持ちが強ければきっと。
ルイス:そうだよね
0:
バロニア:あぁ、そうだとも
0:
ルイス:・・・バロニア様!!!
リト:なんでっ!おまえはいっつも突然なんだ!!
0:
ベル:私もいるわよ!
0:
ルイス:ベル!!!!!
0:
0:
リト:大丈夫だったんだな
バロニア:あぁ、あの後すぐにお許しを貰えたよ。そのあとが、色々あって大変だったんだ
ルイス:何があったんですか?!
バロニア:クリスマスの宝を見つけに行ってた!
ルイス:えっ?クリスマスの宝・・・?
ベル:ほんっとーーに!大変だったのよ!!
バロニア:ほら、ルイス。おまえにやる!
ルイス:えっ・・・!これ・・・オルゴール?ですか?
バロニア:人生の中で1番良い思い出だけが投影される、特別なオルゴールだ
ベル:雪山でサンタと戦って勝ち取ったのよ!
バロニア:おかげで時間があっという間に流れたが、クリスマスに間に合ってよかった
ルイス:・・・ありがとうございます!!
リト:おまえたちの晩飯は用意してないが、食べていくなら準備してやる
ベル:あら、珍しいわねリト。
バロニア:悪ぃな、リト。オレたち忙しいからもう行くわ!おまえの大好きな兄ちゃんとの飯の時間は次にお預けだ、いい子でガキ共の面倒見るんだぞ~
ルイス:えっ?!兄弟?!
リト:くっ・・・バロニアは僕の・・・双子の・・・兄だ・・・
ベル:バロニア、その情報たぶんシークレットよ
バロニア:知らん!また会おう、月が満ちた夜に。
0:
リト:おまえ・・・二度と帰ってくるな!!!!!!!!!!
0:
ルイス:【M】小さな妖精を連れた怪盗が空を駆けていく
0:
ルイス:【M】自由に高らかに笑って・・・。
0:
ルイス:【M】そんな彼の名前は、怪盗、バロニア。
0:
バロニア:望まれなくてもおまえたちの近くにいるぜ、オレは、怪盗バロニア様だ。忘れんじゃねーぞ♪
0:
0:ー終ー
0:
0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー1話ー
0:表記説明
0:【M】・・・モノローグ
0:役表2/1/1
0:【バロニア】・・・青年、怪盗
0:【ルイス】・・・少年、孤児
0:【リト】 ・・・青年、創設者
0:【ベル】 ・・・少女、妖精
0:
ルイス:僕は、ハロウィンが嫌いだ。
0:
バロニア:怪盗バロニアとハロウィン
0:
ルイス:【M】どんなに嫌いでも毎年この時期がやってくる
0:
0:
リト:ルイス。やっぱり、ここにいたか。
ルイス:リト・・・。
リト:晩御飯の時間だよ。
ルイス:・・・うん
リト:ルイスは気分が沈むと必ずこの部屋に閉じこもるね
ルイス:本がたくさんあって、狭くて、ほら・・・天窓から空が見えるでしょ。なんか、落ち着くんだ。
リト:ルイスと同じことを言っていた奴が昔いたな。
ルイス:そうなの?
リト:昔の話だよ。
ルイス:ふぅん?
リト:ハロウィンが近いと毎年考え込んでるね
ルイス:・・・うん
リト:何か思い出した?
ルイス:ううん。何も。ただ、何で僕はハロウィンの日に一人になったのかなって。
リト:今は一人じゃないだろ。
ルイス:ふふっ、そうだね。
リト:僕たちは家族だからね。
ルイス:ありがと、リト。
リト:さ、ご飯の時間だ。今夜はルイスの大好きなシュニッツェルだよ。
ルイス:本当?!嬉しい!
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バロニア:オレも大好物♪
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リト:なっ・・・!
ルイス:バ・・・!バロニア様!!
リト:おまえ!
バロニア:ハロ~~元気にしてたかおまえら~
リト:・・・出てけ!今すぐに!
バロニア:お~~こっわ。リト君、オレに会う度にすぐ怒るのやめたほうがい~よ~
リト:黙れ腐れ外道が。この教会に足を踏みいれるなと前も言ったろ
バロニア:残念~もぅ踏みいってるよ~
リト:叩き出す
バロニア:やれるもんならお好きにど~ぞ~~♪
リト:この・・・っ、逃げるなっ・・・!
バロニア:逃げないとは言ってないんだなぁ、ほいっと、お先に食堂行ってるよ~♪
リト:待て!おまえの飯はないからな!こら!バロニア!・・・待てええええぇぇぇ!
ルイス:リト・・・っ!・・・バロニア様も、行っちゃった・・・。
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ベル:毎度追いかけっこして飽きないのかしらね
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ルイス:ベル!君も来てたんだね!
ベル:前回の満月ぶりね、ルイス。元気だった?
ルイス:げん、き・・・だよ
ベル:ふふっ、元気じゃないって顔が言ってるわ。
ルイス:ねぇ、ベル、君は思い出したくないことってある?
ベル:嫌なことはすぐ記憶から消してるわよ!♪
ルイス:記憶から消す・・・
ベル:ルイス、あなた確か、7歳より以前の記憶がないのよね
ルイス:うん。自分の名前も分からなかったからリトが名付け親なんだ。
ベル:ルイス。私の故郷に古くからの言葉があるわ。
ルイス:どんな言葉?
ベル:夜は何も考えず星と踊り月を見つめよう
ベル:それでも夜の闇に包まれたときは・・・
ルイス:包まれた時は・・・?
ベル:美味しいご飯を食べましょう!ってね♪
ベル:さ!ボーっとしてたら私がルイスの分食べちゃうんだからね!
ルイス:ふっ、はははっ、ダメだよ!僕のだからね!
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0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー2話ー
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ルイス:【M】ドイツ、デュッセルドルフ。
ルイス:【M】当時17歳の若さで孤児院を創設したリトは、僕と同じ行く当てのない子供たちにとって兄のような存在だ。
ルイス:【M】いつも仮面を付けているバロニア様と小さいながらに大人びてるベルは僕たちにいつもプレゼントを持ってきてくれる。
ルイス:【M】何でなのかは分からないし、二人が普段どんなことをしてるのかも分からない
ルイス:【M】ただ分かっていることは、毎月必ず満月の夜にだけ二人は姿を現すってことだけ・・・
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ルイス:ダメだ、やっぱり眠れない
ルイス:少しくらい・・・いいよね
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ルイス:【M】消灯後に部屋を出ちゃダメだとリトに言われているけれど、そっと静かに身体を起こして寝室を後にした
ルイス:【M】三階の奥にある僕の大好きな小部屋へ、ゆっくりと足を運ぶ。
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ベル:バロニア、無理よ。何度だって言うわ。む・り!
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ルイス:【M】扉を挟んだ小部屋の中から声が聞こえる。
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バロニア:オレに不可能はない
ベル:ばっかね~不可能だらけよ。忘れたとは言わせないわ、先日だってねぇ!
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ルイス:【M】バロニア様と、ベル・・・確か、夕飯前にリトに追い出されたんじゃなかったっけ・・・?
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リト:そこにいるのは、ルイスか?
ルイス:えっ!?
リト:こら!消灯後に部屋を出たらダメじゃないか!
ルイス:リト?!!!ご、ごごご、ごめんなさい!!!
ルイス:【M】急なリトの登場に驚いた僕は咄嗟に足を滑らせて転んでしまった。その拍子に開く小部屋の扉。
バロニア:げっ。
ベル:あら
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ルイス:【M】ひっくり返る視界に飛び込んできたのは、黒いマントに身を包むバロニア様と・・・小さな・・・
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ルイス:妖精・・・?
リト:おまえたち、なんでここに・・・?!・・・はぁ~~~~~【頭をおさえる】
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ルイス:【M】バロニア様の眼前にふわふわと浮かんでいる20センチ程の背丈の・・・動物・・・?オレンジのスカートにどこか既視感を覚える。
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ベル:ルイス大丈夫?
ルイス:・・・何で僕の名前知ってるの?
ベル:ふふっ。私よ、ベルよ。
ルイス:べ・・・ベル?!
ベル:えぇ、そうよ。この姿で会うのは初めてね。
ルイス:君・・・妖精だったんだね。
ベル:あまり驚かないのね。
ルイス:驚いてるけど・・・でも、君は君だから。
ベル:そうね。私は私だわ、そう言ってくれるルイスが好きよ、ありがとう。
リト:バロニア・・・おまえの責任だからな
ルイス:リト!ごめんなさい!僕が悪いんだ・・・バロニア様を怒らないで!
リト:ルイスは悪くないよ、これは僕とこいつの約束の話なんだ。
ルイス:約束?
バロニア:あぁ、そうだな。
リト:ベルのことが僕たち以外の人間にばれたら、二度とここへは来ないこと。
ルイス:えっ・・・
リト:これは約束なんだ。
ルイス:会えなくなるってこと・・・?
リト:一生会えない。特にベルとはお別れになる。
ルイス:や・・・嫌だよ!僕、誰にも言わないよ!・・・お願い!一生会えないなんて・・・そんなの嫌だよ!
バロニア:ルイス。悪ぃな。オレとリトだけの約束じゃないんだ
ベル:ルイス、顔を上げて。あのね、私たち妖精はね本来、人に見つかったり力を貸してはダメなの
ベル:でもね、妖精の長(おさ)が訳ありの二人に同情して、過去に一度だけ約束付きの許可を出してくれたのよ。
ベル:私はそのおかげで、一時的でも人間になって、皆とお話が出来るの
ルイス:・・・その、長にもう一度お願いをすることは出来ないの?バレたことを内緒にするとか・・・
ベル:ふふっ、悪い子ね。私の瞳越しに全て見えてるから無理なのよ。
ルイス:そんな・・・
リト:ルイス、辛い気持ちにさせてごめんね。これだけはどうしようも出来ないんだ
バロニア:ん~~・・・どうにか出来ないわけでも、ないか・・・
リト:どうした、バロニア
バロニア:・・・あるかもしれない、なんとかなる方法
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0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー3話ー
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リト:おまえ、この状況で何言ってんだ。ついに起きたまま夢でも見れるようになったか?
バロニア:ベル、ハロウィンの宝だ。
ベル:・・・はぁ?!あのねぇ!何度も言ってるでしょ!ムリなのよ!
ベル:ハロウィンに生まれた人間の子なんてそうそう見つかるわけないし、第一見つかったとしてどうやって説明を・・・っ!?あなた、まさか・・・
バロニア:なぁ、リト。ルイスが記憶をなくしたのはハロウィンの日、だったよな。
リト:あ、あぁ、そうだよ。
バロニア:イチかバチか試す価値はあるな
ベル:はぁ・・・万が一成功したら、バロニア・・・あなた、相当な運の強さよ。
ルイス:バロニア様、どんな方法なんですか?
バロニア:簡単に言うと、妖精界のお宝を長に貢ぐ!以上!
ルイス:えっ
リト:詳しく話せ
バロニア:目だけ笑ってないよリト君~
ベル:毎年ハロウィンの時期にだけ妖精界に現れる宝があるのよ
バロニア:その、宝がすこ~~し特殊でね
ベル:私たちでその宝箱を開けることが出来たら、もしかしたら今回の件は無効になるかもしれないの
ルイス:本当に!?僕、なんでもするよ!!
リト:特殊の理由は?
バロニア:宝箱の鍵に条件があるんだ
リト:条件?
バロニア:百聞は一見に如かず
ベル:リト、ルイス、これを見て
リト:・・・花?
ルイス:見た感じ普通の花に見えるね
バロニア:この花を・・・月の光にあてる、と・・・
ルイス:わっ・・・!?光った!
ベル:この状態で鍵である子供が花に触れるだけよ
リト:鍵が子供・・・ルイスってことになるのか。害はないんだよな?
ベル:ふふっ、大丈夫よ
バロニア:ルイス、花に触れてみるんだ
ルイス:ぼ、僕が・・・わ、分かった
ベル:うまくいったら奇跡よ・・・
ルイス:この花、冷たい・・・わっ!・・・花が・・・
リト:宝石になった・・・
バロニア:ふっ。ベル、オレの運もまだまだ現役みたいだな
ベル:成功しちゃったわね
バロニア:ルイス、大成功だ
ルイス:僕・・・触れただけなのに、何で?
ベル:ハロウィンに生まれた人間の子供が鍵なのよ
バロニア:でも、妖精界には人間なんていない、こうやって人間界に花を持って来てはみたが、オレたちのことを知られるわけにもいかなったからな
リト:確かに、その条件はかなり厳しいな・・・
ルイス:バロニア様とベルは、何者なの?
バロニア:いい質問だ
ルイス:バロニア様も、妖精・・・とか?
バロニア:オレ様は怪盗バロニア、唯一妖精界へ行くことを許された人間だ
ルイス:怪盗・・・
ベル:勘違いしちゃダメよ!私たちは誰かを不幸にしたことはないから安心しなさい♪
バロニア:失った物や目に見えない物、勿論おまえたちに毎月届けてるギフトもそうだが、取り扱っている宝は多種多様だ
ベル:今回の件で一つ分かったこともあるわね
ルイス:僕の・・・誕生日・・・
リト:まさかルイスが1番苦手なハロウィンの日に生まれたなんて・・・
バロニア:いーか、ルイス。苦手なものや嫌いなものを好きになる必要はない
ルイス:え・・・っ?
バロニア:思い出せない記憶の中に答えはあるだろう。でもな、おまえが自分の気持ちを無視して探る必要は一ミリもない、それよりも大切なことがある
ルイス:大切なこと・・・
バロニア:おまえのお陰で、オレとベルは、またここに来ることが出来るかもしれない
ルイス:僕も、誰かの役に立てるんだね・・
ベル:ありがとう、ルイス。
バロニア:オレたちはそろそろ出る、月が満ちている時間しかあっちに行けないからな。
リト:次はまた一か月後か
バロニア:お許しを得ることが出来たらまた来るさ
ベル:きっと大丈夫だから安心して待ってなさい♪
ルイス:バロニア様!ベル!僕、待ってる・・・必ず、また、会えるよね?
ベル:当たり前でしょ!
バロニア:月が満ちた夜に。
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0:怪盗バロニアとハロウィン
0:ー最終話ー
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ルイス:【M】あれから、2カ月が経った。
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ルイス:リト・・・
リト:またここにいたんだね、ルイス
ルイス:ねぇ、リト・・・バロニア様とベルに・・・また会えるよね
リト:会えるよ、ルイスが会いたいって思う気持ちが強ければきっと。
ルイス:そうだよね
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バロニア:あぁ、そうだとも
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ルイス:・・・バロニア様!!!
リト:なんでっ!おまえはいっつも突然なんだ!!
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ベル:私もいるわよ!
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ルイス:ベル!!!!!
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リト:大丈夫だったんだな
バロニア:あぁ、あの後すぐにお許しを貰えたよ。そのあとが、色々あって大変だったんだ
ルイス:何があったんですか?!
バロニア:クリスマスの宝を見つけに行ってた!
ルイス:えっ?クリスマスの宝・・・?
ベル:ほんっとーーに!大変だったのよ!!
バロニア:ほら、ルイス。おまえにやる!
ルイス:えっ・・・!これ・・・オルゴール?ですか?
バロニア:人生の中で1番良い思い出だけが投影される、特別なオルゴールだ
ベル:雪山でサンタと戦って勝ち取ったのよ!
バロニア:おかげで時間があっという間に流れたが、クリスマスに間に合ってよかった
ルイス:・・・ありがとうございます!!
リト:おまえたちの晩飯は用意してないが、食べていくなら準備してやる
ベル:あら、珍しいわねリト。
バロニア:悪ぃな、リト。オレたち忙しいからもう行くわ!おまえの大好きな兄ちゃんとの飯の時間は次にお預けだ、いい子でガキ共の面倒見るんだぞ~
ルイス:えっ?!兄弟?!
リト:くっ・・・バロニアは僕の・・・双子の・・・兄だ・・・
ベル:バロニア、その情報たぶんシークレットよ
バロニア:知らん!また会おう、月が満ちた夜に。
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リト:おまえ・・・二度と帰ってくるな!!!!!!!!!!
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ルイス:【M】小さな妖精を連れた怪盗が空を駆けていく
0:
ルイス:【M】自由に高らかに笑って・・・。
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ルイス:【M】そんな彼の名前は、怪盗、バロニア。
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バロニア:望まれなくてもおまえたちの近くにいるぜ、オレは、怪盗バロニア様だ。忘れんじゃねーぞ♪
0:
0:ー終ー