台本概要

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タイトル (3人or4人)ラピスラズリ
作者名 佐久間ユタカ  (@sakusaku_yutaka)
ジャンル ファンタジー
演者人数 4人用台本(男1、女2、不問1) ※兼役あり
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 【らぴさん企画:宝石シリーズ投稿作品です】
■完全に金銭が発生する場の利用はDMまでご連絡下さい
※課金・投げ銭がある配信アプリ可のためご安心ください
※お断りすることはありませんが動画投稿使用時はDMまで事前にご一報ください
■モチベに繋がるためTwitterで呟いていただけると視聴に飛んでいけるため聴けたらとても嬉しいです!
※強制ではありません
■感想やリクエスト等ございましたらTwitterのDMまたはリプにていただけるととても嬉しいです

■一人称変更◎語尾変更◎
※演者様の性別問いません

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
アルル 不問 84 旅人、少年
ララ 80 ラピスラズリ、少女
酒屋の店主 20 山賊とN兼ね役
山賊 17 酒屋の店主とNと兼ね役
5 山賊と酒屋の店主と兼ね役
1 セリフ数が少ないため 3人で演じる際はララと兼ね役 4人で演じる際は母と兼ね役
10 セリフ数が少ないため 3人で演じる際はアルルと兼ね役 4人で演じる際は声と兼ね役
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0:宝石シリーズ1 0:~ラピスラズリ~ 0:ー1話目ー 0: 0:役表 0:【アルル】・・・旅人 0:【ララ】・・・ラピスラズリ 0:【酒屋の店主】・・・モブ1 0:【山賊】・・・モブ2 0:【N】・・・ナレーター 0:【声】・・・不明 0:【母】・・・ララの母 0: 声:人前で瞳を見せてはいけないよ、強欲な人間に攫(さら)われてしまうから 声:人の願いを聞いてはいけないよ、おまえは無意識に叶えてしまうから 声:人に関ってはいけないよ、周りが不幸になってしまうから 0: アルル:宝石シリーズ1 0: ララ:ラピスラズリ 0: N:第1話、エッグサンド 0: 酒屋の店主:おまえさん、見ない顔だな。旅人さんか? アルル:はい!昨日この村へやってきたばかりです! 酒屋の店主:ここは山奥にある田舎の村だから、この店に来る客は見知った顔ばかりでね、見ない顔が来る時は大体旅人さんだって相場が決まってんだ! アルル:ここはとてもいい村ですね!水は綺麗で人も優しい 酒屋の店主:ははっ!そうだろう!10年前まではもっと賑わっていたんだがな、ナターシャ村が出来てからはめっきり人が減っちまってね アルル:ナターシャ村? 酒屋の店主:なんだ、知らないのか!てっきりナターシャ村から来た旅人さんだと思ったが。旅人さん、あんた出身はどこなんだ? アルル:ルシア地方から来ました 酒屋の店主:ルシア地方!?南か!たまげた・・・そんな遠い所からこんな田舎まで来たのか、あんた相当な変わり者だね アルル:へへっ。よく言われます。 ララ:すみません、エッグサンド一つ下さい 酒屋の店主:おまえか、ほらよ。エッグサンドだ。 ララ:お代は 酒屋の店主:10シリンだ ララ:・・・ 酒屋の店主:どうした ララ:手持ちがなくて 酒屋の店主:金を払えないならエッグサンドは渡せないな ララ:帰ります アルル:僕!払いますよ ララ:いらない アルル:気にしないで。これも何かの縁だから ララ:いらないから アルル:あ!ちょっと! 酒屋の店主:旅人さん悪ぃことは言わないよ、あいつとは関わらない方がいい アルル:どんな子なんですか? 酒屋の店主:悪魔だよ アルル:あ、悪魔!? 酒屋の店主:この村を東に向かって進むと、丘の上に小屋が建ってる。そこに昔から住んでるんだよ アルル:女の子一人で、ですか 酒屋の店主:ちょっと前までは家族と一緒にいたんだ、たまにふらっと家族で買い物に来ては煙たがられてたよ。でもまぁ確かに、気づいたらあいつ一人だけしか見なくなったなぁ アルル:こんなに優しい村の人たちから煙たがられる程のことって、何があったんですか? 酒屋の店主:あいつに関わるとな、確実に不幸になるって話だ アルル:不幸? 酒屋の店主:あぁ、怪我をしたり病気になったりね アルル:なるほど、分かりました。エッグサンド一つ、もらえますか? 酒屋の店主:旅人さん・・・あんた、本当変わってるね アルル:よく、言われます 酒屋の店主:ははっ!嫌いじゃない!ほらよっエッグサンドだ! アルル:10シリンですよね!はい! 酒屋の店主:まいど アルル:あれ?エッグサンドが二つ入ってる 酒屋の店主:サービスだ アルル:悪いですよ!20シリンですよね!今お代を・・・! 酒屋の店主:お代は結構だ。うちのエッグサンドは自慢なんだ!美味かったらまた来てくれ! アルル:・・・ありがとうございます。行ってきます! 0: N:第2話、悪魔の少女 0: 0:【ノック音】 0: アルル:こんにちはー!誰かいますかー? 0:【間】 アルル:おかしいな、東の丘にある家はここくらいしか見当たらないんだけど アルル:ごめんくださーい! ララ:・・・なに アルル:あっ!こんにちは!さっきぶりだね ララ:何の用 アルル:これ、渡しに来たんだ! ララ:エッグサンド・・・ アルル:良かったら一緒に食べない? ララ:いらないって言った アルル:お腹減ってるんでしょ? ララ:減ってない アルル:僕、二つも食べれないんだ。良かったら貰ってくれないかな? ララ:・・・一緒には食べない アルル:分かったよ。僕は・・・そうだな、そこのベンチ借りていいかな? ララ:勝手にして アルル:ありがとう! ララ:あなた、見ない顔 アルル:僕は旅をしていて、たまたまこの村に来たんだ ララ:そう、だから知らないのね アルル:何を? ララ:私が悪魔だってこと アルル:さっき聞いたよ。でも僕は旅人だから、あんまり関係ないと思うよ ララ:怪我や病気をするかもしれない アルル:大丈夫だよ、僕は頑丈だから ララ:・・・本当に大丈夫? アルル:大丈夫 ララ:・・・入って。お茶くらいしか出せないけど アルル:いいの?ありがとう! ララ:人をこの家に入れるなんて家族以外だと初めて アルル:君の家族は今どこにいるの? ララ:死んでしまったからいない アルル:そうか・・・辛かったね ララ:ここ、座って アルル:趣(おもむき)があって良い家だね ララ:古い家だから アルル:君の名前を聞いてなかったね ララ:私は・・・ララ。あなたは? アルル:綺麗な名前だね。僕はアルル ララ:アルル・・・あまり聞かない名前だわ アルル:僕はルシア地方から来たから、ここらへんだと珍しいのかも ララ:ルシア・・・ごめんなさい、私、外の知識があまりなくて アルル:君はずっとここに住んでるんだよね ララ:ええ、そうよ アルル:エッグサンドはよく買いに行くの? ララ:外に出ることは滅多になくて。今日はたまたま・・・お母さんの命日だったから アルル:エッグサンドが好きなお母さんだったんだね ララ:うん。だけどお金が足りなかったから・・・ありがとう アルル:お礼を言われることはしてないよ ララ:アルルは少し変わってるって言われない? アルル:よく言われる ララ:こんなに人と話をしたのは久しぶりだから、私も変なところがあったらごめんなさい アルル:大丈夫だよ、何も問題ないから安心して ララ:アルルはどうして旅をしているの? アルル:探しているものがあるんだ ララ:探しているもの? アルル:シュムック・・・ ララ:シュムック? アルル:そう。僕は世界に散らばっている宝石たちを代々保護する守(も)り人の一族なんだ ララ:あなたが・・・? アルル:不思議な力を持つと言われているシュムックを保護して、導くのが僕の使命 ララ:そんな一族が本当にあるのね アルル:巷では僕たち一族やシュムックが伝説とか、おとぎ話とか言われてるから、馬鹿にされることの方が多いんだけどね ララ:馬鹿にしないわ、だって私 山賊:邪魔するぜ~ララちゃん~ 0: N:第3話、守(も)り人の少年 0: ララ:何の用 アルル:ララ、知り合い? ララ:いいえ 山賊:つれねぇなぁ~。お母さんにそっくりだ ララ:何の用か聞いている 山賊:出せよ。いい加減 ララ:何の話? 山賊:持ってんだろ。どんな願いでも叶えてくれるシュムックを ララ:こんな古い家にあるわけがない 山賊:まぁた、それか アルル:あの・・・ 山賊:あ? アルル:何でシュムックがこの家にあると? 山賊:なんだ貴様? アルル:僕はただの旅人です 山賊:数年前に聞いたんだよ。この家にそのお宝があるってな アルル:そのシュムックを手に入れて、貴方はどうするつもりなんですか? 山賊:高値で売るんだよ。希少なお宝ほど貴族たちは喜んで飛びつくからな アルル:でも、この家にはシュムックはないと彼女が言ってるじゃないですか 山賊:ぁあ・・・ここ何年も、「ない」の一点張りだ アルル:それなのに、諦めないんですか 山賊:そんな宝があるのに、諦めるわけがないだろ? アルル:でも!彼女はないって言ってるんですよ! 山賊:はぁ〜・・・関係無ぇのに、一々うるせぇガキだなぁ?おめーには関係ねぇんだよ、ひっこんでろ!!【アルルを殴る】 アルル:うあっ!!! ララ:アルルっ!!・・・あんた、何するのよ! 山賊:おいおぃ、そんなに怒るなよ。ララちゃんが大人しくシュムックを出してくれたら、いい子に帰ってやるからよ~?? ララ:ないと言っている 山賊:いつまでそんな風にシラを切れるかな ララ:アルルに手を出さないで! アルル:ララ、大丈夫だよ・・・ ララ:アルル!大丈夫?痛そう・・・ アルル:【囁く】シュムックを渡しちゃダメだ ララ:え? アルル:君なんだろ ララ:・・・なぜ アルル:僕は、守(も)り人だから ララ:アルル・・・ 山賊:このガキを痛めつけたら、俺様の欲しいものを渡しくれんのかなぁ〜、ララちゃんは??! ララ:お母さん、ごめん 山賊:なんだって? アルル:ララ!いけない! ララ:≪この家から出て行け!!≫ 山賊:なんだ?!身体が勝手に、ぐっ!な、なんだこの力・・・!ぐ、ぐあぁああぁあぁあっっ!! ララ:はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ アルル:ララ!!!! ララ:・・・おかあ・・・・・さん・・・っ【気を失う】 0: N:第4話、母の教えと始まりのシュムック 0: 0:ー回想ー 0: 母:人前で瞳を見せてはいけないよ、強欲な人間に攫われてしまうから 母:人の願いを聞いてはいけないよ、おまえは無意識に叶えてしまうから 母:人に関ってはいけないよ、周りが不幸になってしまうから 0: ララ:【幼少】お母さん。私は人間じゃないの? 母:あなたは特別な子なの ララ:【幼少】特別? 母:あなたは産まれた時から、その瞳にラピスラズリを宿している。選ばれた子・・・ ララ:【幼少】だから私の目はお星さまなの? 母:そうね、お星さまが二つ。キラキラしているわ ララ:【幼少】なぜ人の願いを聞いてはいけないの? 母:あなたが発する言葉には力が宿っているの。そしてそれを叶えてしまう。善も悪も関係なく・・・ ララ:【幼少】でも、私の願いは言っても叶わないわ 母:そうよ。あなたが、人に対して強く思った言葉だけが叶うの ララ:【幼少】強く思う言葉ってどうするの 母:あなたはまだ幼いから・・・、でもきっといつか分かる時が来るわ ララ:【幼少】お友達を作ってはいけないの? 母:そうよ。我慢してね。そのかわり、お母さんがずっと一緒にいてあげるから ララ:【幼少】いつになったらお友達が出来るの? 母:言い伝えではね・・・シュムックには、守(も)り人という伝説の一族と出会うことで、初めて普通の生活が出来るというの。それが本当か分からないけれど・・・それまでいい子で待てる? ララ:【幼少】分かった。ララ、いい子で待ってる 母:良い子ね、ララ。神に選ばれた特別な子・・・あなたを1人にはさせないわ・・・ 0: 0:ー回想終了ー 0: アルル:ララ!!! ララ:アル・・・ル・・・? アルル:良かった・・・ララ、怪我はない? ララ:お母さんが・・・ アルル:え? ララ:お母さんが言っていたの。守り人の一族と出会えたら、普通の生活が出来るって アルル:ララ・・・? ララ:アルル・・・あなたは伝説の守り人の一族なのね? アルル:うん、そうだよ ララ:この瞳を隠すために、ずっと前髪を伸ばしていたの。これでやっと・・・ アルル:え・・・?ララ?! 0: N:傍に落ちていたハサミを拾いばっさりと前髪を切るララ 0: ララ:改めて、私の本当の名前はラピスラズリ。この両の瞳の輝きと、同じ名を持つシュムックよ アルル:・・・綺麗だ。吸い込まれそうになる星空の様だよ、ラピスラズリ。僕は守り人のアルルだ。 ララ:私の存在は、私も良く分からないことだらけ。アルル、私を連れて行って!あなたと一緒に、外の世界で生きてみたい! アルル:ラピスラズリ・・・始まりのシュムック・・・!やっぱり運命は決まってるみたいだ ララ:どういうこと? アルル:僕の一族に言い伝えがあってね。シュムックに出会うための旅に出ると、必ず最初に出会うのが、どの世代の守り人も、ラピスラズリなんだ ララ:不思議・・・ アルル:君に出会ってすぐに分かった。僕は、君に会いたかったんだって。 ララ:・・・私の力が効かない理由は、あなたが守り人だから? アルル:そうだよ。シュムックの全ての力は、僕たち守り人の前では無効になる。だから安心して、僕と一緒に行こう ララ:うん! アルル:その前に ララ:なに? アルル:残りのエッグサンド、食べない? ララ:ふふふっ。お茶、出すわね。 0: アルル:【M】これは、守り人として旅を始めた僕の最初の物語 0: ララ:【M】これは、シュムックとして生きてきた私の最後の物語、そして・・・ 0: ララ:さ!食べましょ! 0: アルル:いただきまーす! 0: ララ:【M】ラピスラズリ、最初のシュムック。 0: アルル:【M】幸運をもたらすが、扱う者によっては不幸をもたらす場合もある、神に近いシュムック。宿り人の魂の成長に伴い力を増幅させる 0: アルル:最初の物語の1ページ目はこれで終わり。めでたし、めでたし。 0: 0:ー終ー

0: 0:宝石シリーズ1 0:~ラピスラズリ~ 0:ー1話目ー 0: 0:役表 0:【アルル】・・・旅人 0:【ララ】・・・ラピスラズリ 0:【酒屋の店主】・・・モブ1 0:【山賊】・・・モブ2 0:【N】・・・ナレーター 0:【声】・・・不明 0:【母】・・・ララの母 0: 声:人前で瞳を見せてはいけないよ、強欲な人間に攫(さら)われてしまうから 声:人の願いを聞いてはいけないよ、おまえは無意識に叶えてしまうから 声:人に関ってはいけないよ、周りが不幸になってしまうから 0: アルル:宝石シリーズ1 0: ララ:ラピスラズリ 0: N:第1話、エッグサンド 0: 酒屋の店主:おまえさん、見ない顔だな。旅人さんか? アルル:はい!昨日この村へやってきたばかりです! 酒屋の店主:ここは山奥にある田舎の村だから、この店に来る客は見知った顔ばかりでね、見ない顔が来る時は大体旅人さんだって相場が決まってんだ! アルル:ここはとてもいい村ですね!水は綺麗で人も優しい 酒屋の店主:ははっ!そうだろう!10年前まではもっと賑わっていたんだがな、ナターシャ村が出来てからはめっきり人が減っちまってね アルル:ナターシャ村? 酒屋の店主:なんだ、知らないのか!てっきりナターシャ村から来た旅人さんだと思ったが。旅人さん、あんた出身はどこなんだ? アルル:ルシア地方から来ました 酒屋の店主:ルシア地方!?南か!たまげた・・・そんな遠い所からこんな田舎まで来たのか、あんた相当な変わり者だね アルル:へへっ。よく言われます。 ララ:すみません、エッグサンド一つ下さい 酒屋の店主:おまえか、ほらよ。エッグサンドだ。 ララ:お代は 酒屋の店主:10シリンだ ララ:・・・ 酒屋の店主:どうした ララ:手持ちがなくて 酒屋の店主:金を払えないならエッグサンドは渡せないな ララ:帰ります アルル:僕!払いますよ ララ:いらない アルル:気にしないで。これも何かの縁だから ララ:いらないから アルル:あ!ちょっと! 酒屋の店主:旅人さん悪ぃことは言わないよ、あいつとは関わらない方がいい アルル:どんな子なんですか? 酒屋の店主:悪魔だよ アルル:あ、悪魔!? 酒屋の店主:この村を東に向かって進むと、丘の上に小屋が建ってる。そこに昔から住んでるんだよ アルル:女の子一人で、ですか 酒屋の店主:ちょっと前までは家族と一緒にいたんだ、たまにふらっと家族で買い物に来ては煙たがられてたよ。でもまぁ確かに、気づいたらあいつ一人だけしか見なくなったなぁ アルル:こんなに優しい村の人たちから煙たがられる程のことって、何があったんですか? 酒屋の店主:あいつに関わるとな、確実に不幸になるって話だ アルル:不幸? 酒屋の店主:あぁ、怪我をしたり病気になったりね アルル:なるほど、分かりました。エッグサンド一つ、もらえますか? 酒屋の店主:旅人さん・・・あんた、本当変わってるね アルル:よく、言われます 酒屋の店主:ははっ!嫌いじゃない!ほらよっエッグサンドだ! アルル:10シリンですよね!はい! 酒屋の店主:まいど アルル:あれ?エッグサンドが二つ入ってる 酒屋の店主:サービスだ アルル:悪いですよ!20シリンですよね!今お代を・・・! 酒屋の店主:お代は結構だ。うちのエッグサンドは自慢なんだ!美味かったらまた来てくれ! アルル:・・・ありがとうございます。行ってきます! 0: N:第2話、悪魔の少女 0: 0:【ノック音】 0: アルル:こんにちはー!誰かいますかー? 0:【間】 アルル:おかしいな、東の丘にある家はここくらいしか見当たらないんだけど アルル:ごめんくださーい! ララ:・・・なに アルル:あっ!こんにちは!さっきぶりだね ララ:何の用 アルル:これ、渡しに来たんだ! ララ:エッグサンド・・・ アルル:良かったら一緒に食べない? ララ:いらないって言った アルル:お腹減ってるんでしょ? ララ:減ってない アルル:僕、二つも食べれないんだ。良かったら貰ってくれないかな? ララ:・・・一緒には食べない アルル:分かったよ。僕は・・・そうだな、そこのベンチ借りていいかな? ララ:勝手にして アルル:ありがとう! ララ:あなた、見ない顔 アルル:僕は旅をしていて、たまたまこの村に来たんだ ララ:そう、だから知らないのね アルル:何を? ララ:私が悪魔だってこと アルル:さっき聞いたよ。でも僕は旅人だから、あんまり関係ないと思うよ ララ:怪我や病気をするかもしれない アルル:大丈夫だよ、僕は頑丈だから ララ:・・・本当に大丈夫? アルル:大丈夫 ララ:・・・入って。お茶くらいしか出せないけど アルル:いいの?ありがとう! ララ:人をこの家に入れるなんて家族以外だと初めて アルル:君の家族は今どこにいるの? ララ:死んでしまったからいない アルル:そうか・・・辛かったね ララ:ここ、座って アルル:趣(おもむき)があって良い家だね ララ:古い家だから アルル:君の名前を聞いてなかったね ララ:私は・・・ララ。あなたは? アルル:綺麗な名前だね。僕はアルル ララ:アルル・・・あまり聞かない名前だわ アルル:僕はルシア地方から来たから、ここらへんだと珍しいのかも ララ:ルシア・・・ごめんなさい、私、外の知識があまりなくて アルル:君はずっとここに住んでるんだよね ララ:ええ、そうよ アルル:エッグサンドはよく買いに行くの? ララ:外に出ることは滅多になくて。今日はたまたま・・・お母さんの命日だったから アルル:エッグサンドが好きなお母さんだったんだね ララ:うん。だけどお金が足りなかったから・・・ありがとう アルル:お礼を言われることはしてないよ ララ:アルルは少し変わってるって言われない? アルル:よく言われる ララ:こんなに人と話をしたのは久しぶりだから、私も変なところがあったらごめんなさい アルル:大丈夫だよ、何も問題ないから安心して ララ:アルルはどうして旅をしているの? アルル:探しているものがあるんだ ララ:探しているもの? アルル:シュムック・・・ ララ:シュムック? アルル:そう。僕は世界に散らばっている宝石たちを代々保護する守(も)り人の一族なんだ ララ:あなたが・・・? アルル:不思議な力を持つと言われているシュムックを保護して、導くのが僕の使命 ララ:そんな一族が本当にあるのね アルル:巷では僕たち一族やシュムックが伝説とか、おとぎ話とか言われてるから、馬鹿にされることの方が多いんだけどね ララ:馬鹿にしないわ、だって私 山賊:邪魔するぜ~ララちゃん~ 0: N:第3話、守(も)り人の少年 0: ララ:何の用 アルル:ララ、知り合い? ララ:いいえ 山賊:つれねぇなぁ~。お母さんにそっくりだ ララ:何の用か聞いている 山賊:出せよ。いい加減 ララ:何の話? 山賊:持ってんだろ。どんな願いでも叶えてくれるシュムックを ララ:こんな古い家にあるわけがない 山賊:まぁた、それか アルル:あの・・・ 山賊:あ? アルル:何でシュムックがこの家にあると? 山賊:なんだ貴様? アルル:僕はただの旅人です 山賊:数年前に聞いたんだよ。この家にそのお宝があるってな アルル:そのシュムックを手に入れて、貴方はどうするつもりなんですか? 山賊:高値で売るんだよ。希少なお宝ほど貴族たちは喜んで飛びつくからな アルル:でも、この家にはシュムックはないと彼女が言ってるじゃないですか 山賊:ぁあ・・・ここ何年も、「ない」の一点張りだ アルル:それなのに、諦めないんですか 山賊:そんな宝があるのに、諦めるわけがないだろ? アルル:でも!彼女はないって言ってるんですよ! 山賊:はぁ〜・・・関係無ぇのに、一々うるせぇガキだなぁ?おめーには関係ねぇんだよ、ひっこんでろ!!【アルルを殴る】 アルル:うあっ!!! ララ:アルルっ!!・・・あんた、何するのよ! 山賊:おいおぃ、そんなに怒るなよ。ララちゃんが大人しくシュムックを出してくれたら、いい子に帰ってやるからよ~?? ララ:ないと言っている 山賊:いつまでそんな風にシラを切れるかな ララ:アルルに手を出さないで! アルル:ララ、大丈夫だよ・・・ ララ:アルル!大丈夫?痛そう・・・ アルル:【囁く】シュムックを渡しちゃダメだ ララ:え? アルル:君なんだろ ララ:・・・なぜ アルル:僕は、守(も)り人だから ララ:アルル・・・ 山賊:このガキを痛めつけたら、俺様の欲しいものを渡しくれんのかなぁ〜、ララちゃんは??! ララ:お母さん、ごめん 山賊:なんだって? アルル:ララ!いけない! ララ:≪この家から出て行け!!≫ 山賊:なんだ?!身体が勝手に、ぐっ!な、なんだこの力・・・!ぐ、ぐあぁああぁあぁあっっ!! ララ:はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ アルル:ララ!!!! ララ:・・・おかあ・・・・・さん・・・っ【気を失う】 0: N:第4話、母の教えと始まりのシュムック 0: 0:ー回想ー 0: 母:人前で瞳を見せてはいけないよ、強欲な人間に攫われてしまうから 母:人の願いを聞いてはいけないよ、おまえは無意識に叶えてしまうから 母:人に関ってはいけないよ、周りが不幸になってしまうから 0: ララ:【幼少】お母さん。私は人間じゃないの? 母:あなたは特別な子なの ララ:【幼少】特別? 母:あなたは産まれた時から、その瞳にラピスラズリを宿している。選ばれた子・・・ ララ:【幼少】だから私の目はお星さまなの? 母:そうね、お星さまが二つ。キラキラしているわ ララ:【幼少】なぜ人の願いを聞いてはいけないの? 母:あなたが発する言葉には力が宿っているの。そしてそれを叶えてしまう。善も悪も関係なく・・・ ララ:【幼少】でも、私の願いは言っても叶わないわ 母:そうよ。あなたが、人に対して強く思った言葉だけが叶うの ララ:【幼少】強く思う言葉ってどうするの 母:あなたはまだ幼いから・・・、でもきっといつか分かる時が来るわ ララ:【幼少】お友達を作ってはいけないの? 母:そうよ。我慢してね。そのかわり、お母さんがずっと一緒にいてあげるから ララ:【幼少】いつになったらお友達が出来るの? 母:言い伝えではね・・・シュムックには、守(も)り人という伝説の一族と出会うことで、初めて普通の生活が出来るというの。それが本当か分からないけれど・・・それまでいい子で待てる? ララ:【幼少】分かった。ララ、いい子で待ってる 母:良い子ね、ララ。神に選ばれた特別な子・・・あなたを1人にはさせないわ・・・ 0: 0:ー回想終了ー 0: アルル:ララ!!! ララ:アル・・・ル・・・? アルル:良かった・・・ララ、怪我はない? ララ:お母さんが・・・ アルル:え? ララ:お母さんが言っていたの。守り人の一族と出会えたら、普通の生活が出来るって アルル:ララ・・・? ララ:アルル・・・あなたは伝説の守り人の一族なのね? アルル:うん、そうだよ ララ:この瞳を隠すために、ずっと前髪を伸ばしていたの。これでやっと・・・ アルル:え・・・?ララ?! 0: N:傍に落ちていたハサミを拾いばっさりと前髪を切るララ 0: ララ:改めて、私の本当の名前はラピスラズリ。この両の瞳の輝きと、同じ名を持つシュムックよ アルル:・・・綺麗だ。吸い込まれそうになる星空の様だよ、ラピスラズリ。僕は守り人のアルルだ。 ララ:私の存在は、私も良く分からないことだらけ。アルル、私を連れて行って!あなたと一緒に、外の世界で生きてみたい! アルル:ラピスラズリ・・・始まりのシュムック・・・!やっぱり運命は決まってるみたいだ ララ:どういうこと? アルル:僕の一族に言い伝えがあってね。シュムックに出会うための旅に出ると、必ず最初に出会うのが、どの世代の守り人も、ラピスラズリなんだ ララ:不思議・・・ アルル:君に出会ってすぐに分かった。僕は、君に会いたかったんだって。 ララ:・・・私の力が効かない理由は、あなたが守り人だから? アルル:そうだよ。シュムックの全ての力は、僕たち守り人の前では無効になる。だから安心して、僕と一緒に行こう ララ:うん! アルル:その前に ララ:なに? アルル:残りのエッグサンド、食べない? ララ:ふふふっ。お茶、出すわね。 0: アルル:【M】これは、守り人として旅を始めた僕の最初の物語 0: ララ:【M】これは、シュムックとして生きてきた私の最後の物語、そして・・・ 0: ララ:さ!食べましょ! 0: アルル:いただきまーす! 0: ララ:【M】ラピスラズリ、最初のシュムック。 0: アルル:【M】幸運をもたらすが、扱う者によっては不幸をもたらす場合もある、神に近いシュムック。宿り人の魂の成長に伴い力を増幅させる 0: アルル:最初の物語の1ページ目はこれで終わり。めでたし、めでたし。 0: 0:ー終ー