台本概要
526 views
タイトル | 演劇スクール |
---|---|
作者名 | ハスキ (@e8E3z1ze9Yecxs2) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 4人用台本(男2、女2) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
演劇スクールの講師である獅童須清(しどうすきよ)は毎年行われる初心者向け演劇講座を担当する事に。しかし、今回参加する生徒はひとクセもふたクセもあり、嫌な予感しかしなかった… 全役男女不問。共演者に迷惑が掛からない範囲のアドリブ大歓迎。 526 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
獅童 | 女 | 100 | 獅童須清(しどうすきよ)演劇スクール講師。演劇が好きでその良さを広たくて講師になった。まじめ。全力ツッコミガンバ! |
海苔山 | 男 | 34 | 海苔山(のりやま)ノリと勢いで人生生きているやつ。パリピ陽キャ。 |
真著田 | 男 | 29 | 真著田(まちょだ)筋肉を愛する者。筋肉が恋人。脳筋。 |
市煮掛 | 女 | 29 | 市煮掛(しにかけ)見るからに危ないお婆ちゃん。小さい時に学校にいけず家の畑仕事を手伝っていた。学校の演劇部に憧れがあった。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
- 演劇スクール -
獅童:どうも皆さん、初めまして。今回の演劇スクールを担当する事になった獅童 須清(しどうすきよ)です、どうぞよろしくお願いします。
海苔山:よろしくティーチャー!フーーー!!
獅童:はい、元気があって大変結構ですね。とりあえず距離が近いので離れて下さい。
真著田:先生、今日は熱い指導よろしくお願いします、ムキ!
獅童:はい、華麗(かれい)なポージングありがとうございます。でも今回はその筋肉の活躍する場面は無いでしょう
市煮掛:お…お願い…し…します…
獅童:ん?えーと…貴方はどなたかの付き添いですか?
市煮掛:さ、さっき、参加に署名した、し、市煮掛(しにかけ)と申します…
獅童:え?…あ、ホントだ。え、えーと失礼ですが、お身体どこか悪いんですか?顔面蒼白(がんめんそうはく)ですが…
市煮掛:いえ、ただの、歳ですので、お気になさらずに…
獅童:いや、今にも死にそうな顔でめちゃくちゃ気になるー!
海苔山:ティーチャー、そろそろ始めようぜ!
獅童:あ、ああ、すみません。それでは、気を取り直して。皆さんは何故演劇を習いたいと思ったんですか?まずは、海苔山(のりやま)さんからどうぞ
海苔山:はい!俺昔から人に注目されるのが好きで、路上パフォーマンスとかしてたんですよ!
獅童:へ~、それはすごいですね。ちなみにどんなパフォーマンスを?
海苔山:はい、仏像のモノマネしてました!
獅童:仏像…ってあのお寺とかにある、あの仏像?
海苔山:その仏像です!
獅童:そ、それはまた、攻めたパフォーマンスですね…それで?
海苔山:それで、一年くらいやってたんですけど、そもそも俺じっとしてるのが性(しょう)に合わなかったんで、止めました
獅童:気付くの遅いですね!?
海苔山:てことで、動きながら人に見られる演劇がいいじゃん!ってなりましたー
獅童:な、なるほど…まあそれも立派な理由ですね、ありがとうございました。えーと、真著田(まちょだ)さんはどうしてこちらに?
真著田:フン!フン!フン!
獅童:ちょ、ちょっと!真著田さん!?
真著田:ん?ああ先生、どうしました?
獅童:どうしました?は、こっちのセリフですよ!何してるんですか!
真著田:見ての通り、プッシュアップですよ、フッ
獅童:いや決まった、みたいにドヤ顔しないで下さい!なんでいきなり腕立てやってるんですか!?
真著田:なんでって、これから円激(えんげき)をするんですよね?みんなで円になって筋肉を使った激しい事をする、円激(えんげき)を指導してくれるんですよね?その準備ですよ
獅童:違う違う!演劇!演じる劇と書いて演劇!何その謎のスポーツは!?
真著田:もう楽しみで夜しか眠れませんでした
獅童:いや普通!それいたって普通の睡眠だから!
真著田:先生の筋肉パフォーマンス、期待してますよ
獅童:いやそんなパフォーマンスしないからね!?もういい!次…
市煮掛:…
獅童:市煮掛(しにかけ)さん!?
市煮掛:…
獅童:し、市煮掛さん!だ、大丈夫ですか!?
市煮掛:グゥ~~(寝てる)
獅童:寝てたー!良かった~!
獅童:って違う!市煮掛さん!起きて下さい!
市煮掛:ファッ!?…こ、ここは…
獅童:ああ、起きられましたね。ここは演劇スクールですよ
市煮掛:なんだ…川の向こう側じゃなかったんですね…
獅童:いやどこに行こうとしたー!?神聖な学び舎(や)で、勝手に人生の向こう側に行かないでもらえますかー!?
市煮掛:で、何をする場所ですか?
獅童:演劇ー!ほんとなんで来ちゃったのお婆ちゃんー!?
市煮掛:よく分かりませんが、なんでもやるからには死にものぐるいでやるので、よろしく頼みます
獅童:いや、貴方がそれ言ったらシャレにならないんです…
獅童:(N)こうして、個性豊かな生徒達と共に波乱に満ちた演劇スクールが開講する
:間
獅童:えー私、獅童(しどう)が担当するこのクラスは演劇未経験者の方を対象としたクラスになっております。
獅童:やった事ないけど演技や表現にチャレンジしてみたい!でもどこから始めたらいいか分からない!そんな方にもってこいの講義内容になっております。
海苔山:へー!いいじゃんいいじゃん!よくわからんけど楽しそう!
真著田:先生、プロテインはおやつに入りますか?
市煮掛:お爺さんも生きてる頃は先生をしてたんですよ、それはそれは生徒のみんなにも人気があってねぇ。そうそう、その頃にねぇ…
獅童:…はい、それでは始めていきたいと思います。
獅童:まずは準備運動から始めたいと思いますので、椅子から立ってこちらに集まってもらっていいですか?
真著田:準備運動という事は…筋肉の出番ですね?
獅童:違いまーす。むしろ筋肉を無理に使わず、身体をほぐす為におこないます。
真著田:マッチョ…
獅童:な、なんて悲しいポージング…いやいや!流されちゃいけない。
海苔山:演劇って準備運動とかいるんですねー?
獅童:そうですよ。結構演劇って身体を使ったり体力がいるので、準備運動は大事なんです
市煮掛:はぁ…はぁ…
真著田:先生、市煮掛(しにかけ)婆ちゃんが死にかけてます
獅童:市煮掛さ~~ん!?
市煮掛:こ、これくらい…大した事ではないですので…
獅童:いや見るからにヤバそうですよ!?
市煮掛:む、昔は、お転婆(てんば)のシーちゃんって、言われてたくらい、元気でしたから…
獅童:それ何十年前の話ですか!?終了!準備運動終了です!
:間
獅童:えー、次は発声練習をしていきましょう
海苔山:お!いいね!どんな事するんですか?
獅童:じゃあ鼻からゆっくり息を吸い込んで、口をしっかり開きながら、「アー」と言いながら口から息を吐き切って見てください。
海苔山:あ〜~。(適当な長さで止める)どう!何点だティーチャー?
獅童:何点って、これは声を出す準備運動みたいなものだから正解はないんですよ?
海苔山:え〜、一位狙ってたのに~
獅童:発声練習の一位って、なんなんですか?全く、ふざけてないで続けて下さい
真著田:先生…
獅童:あ、はい。真著田(まちょだ)さん、どうされました?
真著田:何パーセントで声を出せばいいですか?
獅童:ん?え?ど、どういう事ですか?
真著田:いや、自分が本気で声出すと、人が吹き飛んだり壁が崩れるもので
獅童:何それ!?もう破壊兵器じゃない!1パー!1パーでお願いします!
市煮掛:あ…あぁ…
獅童:市煮掛(しにかけ)さん~~!?
市煮掛:い、息が…と、止ま…
獅童:はい!発声練習終了ー!!
:間
獅童:よし、とっとと劇やらして帰らそう。
海苔山:ん?ティーチャー、なんか悩みでもあるの?相談乗るよ~?
獅童:はい、では最後にみんなで即興劇(そっきょうげき)をやってみましょう。
真著田:即興劇…?それはどういうものでしょうか。
獅童:はい、即興劇とはエチュードとも言い、演劇の練習でやったりします。
市煮掛:そ…それは…わくわく…しますね…
獅童:私は別な意味でドキドキします。えー即興劇とは、基本的に台本は存在せず、簡単なお題だけ決めたりして、後はみんなアドリブで演じていく劇です。
海苔山:アドリブ!アドリブってあの、アドレナリンがブッシャー!のあのアドリブ?
獅童:何ですかアドレナリン、ブッシャーって!?勝手に新しい言葉作らないで下さい!
真著田:では、筋肉用語ですか?
獅童:なんですか筋肉用語って!なんでもかんでも筋肉に寄せようとしないで下さい!
海苔山:ティーチャー、じゃあ何の略なの?
獅童:え?えーと…まあ、ようするに即興でセリフや演技、演奏をする事です!分かりましたか?
市煮掛:お…お爺さんが見える…
真著田:先生、市煮掛婆ちゃんがまた死にかけてます
獅童:さあやろう!すぐやってみよう!!まずは、お題を決めますね!
海苔山:なんか、投げやりじゃな~い?
獅童:うるさい!お題は…「イスから立たせたい人と、イスから立ちたくない人」です!
獅童:私がイスに座って、立ちたくない役をやりますので、貴方方は私をイスから立たせる役を一人ずつ演じて下さい。制限時間は3分です。
市煮掛:それは、難しそうですねぇ
獅童:わー!ビックリしたー!いつの間に復活してたですか!?
獅童:…ま、まあ確かに難しそうに思うかもしれませんが、これも演劇の練習だと思って気軽にやってみましょう。
真著田:筋肉チャレンジですね
獅童:絶対違う。
獅童:ではまずは海苔山さん、どんな関係性やシチュエーションでもいいのでやってみて下さい。
海苔山:ええ~、そうだな~…
獅童:さて、散々この人達には振り回されたからな…。お手並み拝見といきましょう。
海苔山:よし!決まった、行くぜティーチャー!
獅童:いつでもどうぞ
海苔山:すみません!
獅童:はい?
海苔山:私、警察官で爆弾処理班をやってる者ですが、今、あなたの椅子の下に爆弾が埋め込まれていると犯人からの犯行予告がありました!
獅童:…へー。
海苔山:何を落ち着いてるんですか!犯人の話では後2分で爆発すると言ってたんです!直ちにここから離れて逃げて下さい!
獅童:嫌ですね
海苔山:な、何をいってるんですか!このままじゃあなた死にますよ!?
獅童:構いませんよ
海苔山:構いませんって…何を…
獅童:何故なら!…私が爆弾を仕掛けたからです
海苔山:な…なんだと…?
獅童:私が…その爆弾を埋めた張本人だと言ってるんですよ!
海苔山:え?あ…そ、それは…
獅童:ふふ…
海苔山:な、なんで、こんな事をしたんですか?何が目的なんですか!?
獅童:目的…?そんなもの、決まってるじゃないですか
海苔山:き、決まってるだと?
獅童:疲れたんですよ。生きる事に
海苔山:ば、馬鹿な…たったそれだけの理由で、多くの人を巻き込んで…死のうとしてるんですか!?
獅童:ええ、そうです。あなたには理解できないでしょう。いや、理解などしようとしなくていい。これは私にしか分からない事だから。だからほっといて下さい
海苔山:…なら、私もここに残ります
獅童:は…?
海苔山:死にたいと言う貴方を理解出来ず、かける言葉もない…不甲斐なくて自分が恥ずかしい…そんな私がやれる事は、貴方と一緒にしんでやる事だけです!
獅童:いや、ちょ…
海苔山:さあ!共にパッと弾けましょう!
獅童:いやその前にまず爆弾を解除しろー!終了ー!お時間です!
海苔山:いやーなかなか難しいですね~
獅童:ま、まあ初めてにしてはなかなか健闘してましたよ。
海苔山:でしょー!やっぱ俺って才能あるんじゃーん?いやー有名になっちゃうな~!
獅童:はは…頑張って下さいねー。では次、真著田(まちょだ)さんお願いします。
真著田:フーン!マッチョました~!!(待ってました~)
獅童:あの、無駄に脱がないで下さい、目のやり場に困ります。
真著田:え?私の大胸筋(だいきょうきん)を近くでじっくり見たい?
獅童:んな事言ってない!もうパンイチでも何でもいいから早く劇始めて下さい!
真著田:では…コレでいかせてもらいます
獅童:なんかめちゃくちゃ嫌な予感するんだけど
真著田:やや!やっぱりここに居たか!
獅童:はい?
真著田:探したぞ!ワールドマッスルファミリー会員番号、852番!
獅童:え…ワールドマッスル…え…?
真著田:なんだどうした!ワールドマッスルファミリー会員番号852番!
獅童:あ、ああ!どうもしないぞワールド…マッスルファミリーの会員メンバー!?
真著田:おいおい、私の事は気軽にショルダー・イン・ビックメロン・マチョマチョ・マッチョ・グレートって呼んでくれといつも言ってるだろ?
獅童:え?え?ショルダー…なんて?
真著田:お!こんなに有長に話をしてる場合じゃなかったな。間もなくワールドマッスルフェスティバル・インナイトプールカーニバルが始まる時間だ!急ぐぞ同士よ!筋肉が我々を呼んでるぞ~!!
獅童:待てーい!何その…ワールド…なんとかかんとかー!?独自の設定盛り込み過ぎー!
真著田:筋肉関係はNGとは聞いてなかったので
獅童:いやせめてもうちょっと一般人が分かる内容にしてくれますか!?
真著田:わかりました。反省してトレーニングに励みます
獅童:…時間です。では最後は、市煮掛(しにかけ)さん…
市煮掛:…
獅童:ですよねー、分かってましたー、そうじゃないかと思ってましたよ~
獅童:市煮掛さーーん!しっかりして下さーい!せめて劇してから逝って下さーい!
市煮掛:ハアッ!?こ、ここは…?
獅童:今完全に呼吸止まってましたよ!?私危うく救急車呼びそうだったんですから!
市煮掛:あらあら、先生そんなに慌てなくても大丈夫ですよ
獅童:え…?
市煮掛:よいしょっと、ほいほいっと。どうです?元気でしょう?
獅童:え?え?なんで市煮掛さんがジャンプなんて…
市煮掛:ふふ、だって私…最初から死にかけの演技してましたから。
獅童:はあっ!?
市煮掛:ごめんなさいねぇ。騙せるかイタズラでやってみましたけど、だんだん楽しくなっちゃいまして。どうです、案外バレなかったでしょ?
獅童:ぜ、全然分からなかった…
市煮掛:えーと、先生は私を助ける為にイスから立ち上がったから…これは私の勝ちでいいですかねぇ?
獅童:あっ…。や、やられた…
市煮掛:ふふ、お時間ですかね
獅童:いや、さすが人生経験から来る迫真の演技素晴らしかったです。私も勉強になりました。
市煮掛:いえいえ、ちょっと意地悪でしたね、すみません先生。でも、私こうやって劇するのは初めてで、楽しかったです
獅童:そうですか、楽しんでもらえて良かったです
海苔山:たしかに!婆ちゃんの言う通り、俺も初めて劇したけどなんか興奮出来て楽しかったぜ!
真著田:うむ、私も楽しかったです。見て下さい、私の筋肉達も新たな刺激に喜んでます。フン!
獅童:貴方達…
獅童:私も皆さんと劇をして楽しかったです。それと…皆さんと舞台に立てたらきっと面白い劇が出来るんじゃないかと、そう思いました。
市煮掛:先生…どうかこれからもご指導、よろしくお願いしますね
獅童:っ!…もちろんです!まだまだ演劇の素晴らしさはこんなものじゃありません。さ、皆さんレッスン開始です!
完
- 演劇スクール -
獅童:どうも皆さん、初めまして。今回の演劇スクールを担当する事になった獅童 須清(しどうすきよ)です、どうぞよろしくお願いします。
海苔山:よろしくティーチャー!フーーー!!
獅童:はい、元気があって大変結構ですね。とりあえず距離が近いので離れて下さい。
真著田:先生、今日は熱い指導よろしくお願いします、ムキ!
獅童:はい、華麗(かれい)なポージングありがとうございます。でも今回はその筋肉の活躍する場面は無いでしょう
市煮掛:お…お願い…し…します…
獅童:ん?えーと…貴方はどなたかの付き添いですか?
市煮掛:さ、さっき、参加に署名した、し、市煮掛(しにかけ)と申します…
獅童:え?…あ、ホントだ。え、えーと失礼ですが、お身体どこか悪いんですか?顔面蒼白(がんめんそうはく)ですが…
市煮掛:いえ、ただの、歳ですので、お気になさらずに…
獅童:いや、今にも死にそうな顔でめちゃくちゃ気になるー!
海苔山:ティーチャー、そろそろ始めようぜ!
獅童:あ、ああ、すみません。それでは、気を取り直して。皆さんは何故演劇を習いたいと思ったんですか?まずは、海苔山(のりやま)さんからどうぞ
海苔山:はい!俺昔から人に注目されるのが好きで、路上パフォーマンスとかしてたんですよ!
獅童:へ~、それはすごいですね。ちなみにどんなパフォーマンスを?
海苔山:はい、仏像のモノマネしてました!
獅童:仏像…ってあのお寺とかにある、あの仏像?
海苔山:その仏像です!
獅童:そ、それはまた、攻めたパフォーマンスですね…それで?
海苔山:それで、一年くらいやってたんですけど、そもそも俺じっとしてるのが性(しょう)に合わなかったんで、止めました
獅童:気付くの遅いですね!?
海苔山:てことで、動きながら人に見られる演劇がいいじゃん!ってなりましたー
獅童:な、なるほど…まあそれも立派な理由ですね、ありがとうございました。えーと、真著田(まちょだ)さんはどうしてこちらに?
真著田:フン!フン!フン!
獅童:ちょ、ちょっと!真著田さん!?
真著田:ん?ああ先生、どうしました?
獅童:どうしました?は、こっちのセリフですよ!何してるんですか!
真著田:見ての通り、プッシュアップですよ、フッ
獅童:いや決まった、みたいにドヤ顔しないで下さい!なんでいきなり腕立てやってるんですか!?
真著田:なんでって、これから円激(えんげき)をするんですよね?みんなで円になって筋肉を使った激しい事をする、円激(えんげき)を指導してくれるんですよね?その準備ですよ
獅童:違う違う!演劇!演じる劇と書いて演劇!何その謎のスポーツは!?
真著田:もう楽しみで夜しか眠れませんでした
獅童:いや普通!それいたって普通の睡眠だから!
真著田:先生の筋肉パフォーマンス、期待してますよ
獅童:いやそんなパフォーマンスしないからね!?もういい!次…
市煮掛:…
獅童:市煮掛(しにかけ)さん!?
市煮掛:…
獅童:し、市煮掛さん!だ、大丈夫ですか!?
市煮掛:グゥ~~(寝てる)
獅童:寝てたー!良かった~!
獅童:って違う!市煮掛さん!起きて下さい!
市煮掛:ファッ!?…こ、ここは…
獅童:ああ、起きられましたね。ここは演劇スクールですよ
市煮掛:なんだ…川の向こう側じゃなかったんですね…
獅童:いやどこに行こうとしたー!?神聖な学び舎(や)で、勝手に人生の向こう側に行かないでもらえますかー!?
市煮掛:で、何をする場所ですか?
獅童:演劇ー!ほんとなんで来ちゃったのお婆ちゃんー!?
市煮掛:よく分かりませんが、なんでもやるからには死にものぐるいでやるので、よろしく頼みます
獅童:いや、貴方がそれ言ったらシャレにならないんです…
獅童:(N)こうして、個性豊かな生徒達と共に波乱に満ちた演劇スクールが開講する
:間
獅童:えー私、獅童(しどう)が担当するこのクラスは演劇未経験者の方を対象としたクラスになっております。
獅童:やった事ないけど演技や表現にチャレンジしてみたい!でもどこから始めたらいいか分からない!そんな方にもってこいの講義内容になっております。
海苔山:へー!いいじゃんいいじゃん!よくわからんけど楽しそう!
真著田:先生、プロテインはおやつに入りますか?
市煮掛:お爺さんも生きてる頃は先生をしてたんですよ、それはそれは生徒のみんなにも人気があってねぇ。そうそう、その頃にねぇ…
獅童:…はい、それでは始めていきたいと思います。
獅童:まずは準備運動から始めたいと思いますので、椅子から立ってこちらに集まってもらっていいですか?
真著田:準備運動という事は…筋肉の出番ですね?
獅童:違いまーす。むしろ筋肉を無理に使わず、身体をほぐす為におこないます。
真著田:マッチョ…
獅童:な、なんて悲しいポージング…いやいや!流されちゃいけない。
海苔山:演劇って準備運動とかいるんですねー?
獅童:そうですよ。結構演劇って身体を使ったり体力がいるので、準備運動は大事なんです
市煮掛:はぁ…はぁ…
真著田:先生、市煮掛(しにかけ)婆ちゃんが死にかけてます
獅童:市煮掛さ~~ん!?
市煮掛:こ、これくらい…大した事ではないですので…
獅童:いや見るからにヤバそうですよ!?
市煮掛:む、昔は、お転婆(てんば)のシーちゃんって、言われてたくらい、元気でしたから…
獅童:それ何十年前の話ですか!?終了!準備運動終了です!
:間
獅童:えー、次は発声練習をしていきましょう
海苔山:お!いいね!どんな事するんですか?
獅童:じゃあ鼻からゆっくり息を吸い込んで、口をしっかり開きながら、「アー」と言いながら口から息を吐き切って見てください。
海苔山:あ〜~。(適当な長さで止める)どう!何点だティーチャー?
獅童:何点って、これは声を出す準備運動みたいなものだから正解はないんですよ?
海苔山:え〜、一位狙ってたのに~
獅童:発声練習の一位って、なんなんですか?全く、ふざけてないで続けて下さい
真著田:先生…
獅童:あ、はい。真著田(まちょだ)さん、どうされました?
真著田:何パーセントで声を出せばいいですか?
獅童:ん?え?ど、どういう事ですか?
真著田:いや、自分が本気で声出すと、人が吹き飛んだり壁が崩れるもので
獅童:何それ!?もう破壊兵器じゃない!1パー!1パーでお願いします!
市煮掛:あ…あぁ…
獅童:市煮掛(しにかけ)さん~~!?
市煮掛:い、息が…と、止ま…
獅童:はい!発声練習終了ー!!
:間
獅童:よし、とっとと劇やらして帰らそう。
海苔山:ん?ティーチャー、なんか悩みでもあるの?相談乗るよ~?
獅童:はい、では最後にみんなで即興劇(そっきょうげき)をやってみましょう。
真著田:即興劇…?それはどういうものでしょうか。
獅童:はい、即興劇とはエチュードとも言い、演劇の練習でやったりします。
市煮掛:そ…それは…わくわく…しますね…
獅童:私は別な意味でドキドキします。えー即興劇とは、基本的に台本は存在せず、簡単なお題だけ決めたりして、後はみんなアドリブで演じていく劇です。
海苔山:アドリブ!アドリブってあの、アドレナリンがブッシャー!のあのアドリブ?
獅童:何ですかアドレナリン、ブッシャーって!?勝手に新しい言葉作らないで下さい!
真著田:では、筋肉用語ですか?
獅童:なんですか筋肉用語って!なんでもかんでも筋肉に寄せようとしないで下さい!
海苔山:ティーチャー、じゃあ何の略なの?
獅童:え?えーと…まあ、ようするに即興でセリフや演技、演奏をする事です!分かりましたか?
市煮掛:お…お爺さんが見える…
真著田:先生、市煮掛婆ちゃんがまた死にかけてます
獅童:さあやろう!すぐやってみよう!!まずは、お題を決めますね!
海苔山:なんか、投げやりじゃな~い?
獅童:うるさい!お題は…「イスから立たせたい人と、イスから立ちたくない人」です!
獅童:私がイスに座って、立ちたくない役をやりますので、貴方方は私をイスから立たせる役を一人ずつ演じて下さい。制限時間は3分です。
市煮掛:それは、難しそうですねぇ
獅童:わー!ビックリしたー!いつの間に復活してたですか!?
獅童:…ま、まあ確かに難しそうに思うかもしれませんが、これも演劇の練習だと思って気軽にやってみましょう。
真著田:筋肉チャレンジですね
獅童:絶対違う。
獅童:ではまずは海苔山さん、どんな関係性やシチュエーションでもいいのでやってみて下さい。
海苔山:ええ~、そうだな~…
獅童:さて、散々この人達には振り回されたからな…。お手並み拝見といきましょう。
海苔山:よし!決まった、行くぜティーチャー!
獅童:いつでもどうぞ
海苔山:すみません!
獅童:はい?
海苔山:私、警察官で爆弾処理班をやってる者ですが、今、あなたの椅子の下に爆弾が埋め込まれていると犯人からの犯行予告がありました!
獅童:…へー。
海苔山:何を落ち着いてるんですか!犯人の話では後2分で爆発すると言ってたんです!直ちにここから離れて逃げて下さい!
獅童:嫌ですね
海苔山:な、何をいってるんですか!このままじゃあなた死にますよ!?
獅童:構いませんよ
海苔山:構いませんって…何を…
獅童:何故なら!…私が爆弾を仕掛けたからです
海苔山:な…なんだと…?
獅童:私が…その爆弾を埋めた張本人だと言ってるんですよ!
海苔山:え?あ…そ、それは…
獅童:ふふ…
海苔山:な、なんで、こんな事をしたんですか?何が目的なんですか!?
獅童:目的…?そんなもの、決まってるじゃないですか
海苔山:き、決まってるだと?
獅童:疲れたんですよ。生きる事に
海苔山:ば、馬鹿な…たったそれだけの理由で、多くの人を巻き込んで…死のうとしてるんですか!?
獅童:ええ、そうです。あなたには理解できないでしょう。いや、理解などしようとしなくていい。これは私にしか分からない事だから。だからほっといて下さい
海苔山:…なら、私もここに残ります
獅童:は…?
海苔山:死にたいと言う貴方を理解出来ず、かける言葉もない…不甲斐なくて自分が恥ずかしい…そんな私がやれる事は、貴方と一緒にしんでやる事だけです!
獅童:いや、ちょ…
海苔山:さあ!共にパッと弾けましょう!
獅童:いやその前にまず爆弾を解除しろー!終了ー!お時間です!
海苔山:いやーなかなか難しいですね~
獅童:ま、まあ初めてにしてはなかなか健闘してましたよ。
海苔山:でしょー!やっぱ俺って才能あるんじゃーん?いやー有名になっちゃうな~!
獅童:はは…頑張って下さいねー。では次、真著田(まちょだ)さんお願いします。
真著田:フーン!マッチョました~!!(待ってました~)
獅童:あの、無駄に脱がないで下さい、目のやり場に困ります。
真著田:え?私の大胸筋(だいきょうきん)を近くでじっくり見たい?
獅童:んな事言ってない!もうパンイチでも何でもいいから早く劇始めて下さい!
真著田:では…コレでいかせてもらいます
獅童:なんかめちゃくちゃ嫌な予感するんだけど
真著田:やや!やっぱりここに居たか!
獅童:はい?
真著田:探したぞ!ワールドマッスルファミリー会員番号、852番!
獅童:え…ワールドマッスル…え…?
真著田:なんだどうした!ワールドマッスルファミリー会員番号852番!
獅童:あ、ああ!どうもしないぞワールド…マッスルファミリーの会員メンバー!?
真著田:おいおい、私の事は気軽にショルダー・イン・ビックメロン・マチョマチョ・マッチョ・グレートって呼んでくれといつも言ってるだろ?
獅童:え?え?ショルダー…なんて?
真著田:お!こんなに有長に話をしてる場合じゃなかったな。間もなくワールドマッスルフェスティバル・インナイトプールカーニバルが始まる時間だ!急ぐぞ同士よ!筋肉が我々を呼んでるぞ~!!
獅童:待てーい!何その…ワールド…なんとかかんとかー!?独自の設定盛り込み過ぎー!
真著田:筋肉関係はNGとは聞いてなかったので
獅童:いやせめてもうちょっと一般人が分かる内容にしてくれますか!?
真著田:わかりました。反省してトレーニングに励みます
獅童:…時間です。では最後は、市煮掛(しにかけ)さん…
市煮掛:…
獅童:ですよねー、分かってましたー、そうじゃないかと思ってましたよ~
獅童:市煮掛さーーん!しっかりして下さーい!せめて劇してから逝って下さーい!
市煮掛:ハアッ!?こ、ここは…?
獅童:今完全に呼吸止まってましたよ!?私危うく救急車呼びそうだったんですから!
市煮掛:あらあら、先生そんなに慌てなくても大丈夫ですよ
獅童:え…?
市煮掛:よいしょっと、ほいほいっと。どうです?元気でしょう?
獅童:え?え?なんで市煮掛さんがジャンプなんて…
市煮掛:ふふ、だって私…最初から死にかけの演技してましたから。
獅童:はあっ!?
市煮掛:ごめんなさいねぇ。騙せるかイタズラでやってみましたけど、だんだん楽しくなっちゃいまして。どうです、案外バレなかったでしょ?
獅童:ぜ、全然分からなかった…
市煮掛:えーと、先生は私を助ける為にイスから立ち上がったから…これは私の勝ちでいいですかねぇ?
獅童:あっ…。や、やられた…
市煮掛:ふふ、お時間ですかね
獅童:いや、さすが人生経験から来る迫真の演技素晴らしかったです。私も勉強になりました。
市煮掛:いえいえ、ちょっと意地悪でしたね、すみません先生。でも、私こうやって劇するのは初めてで、楽しかったです
獅童:そうですか、楽しんでもらえて良かったです
海苔山:たしかに!婆ちゃんの言う通り、俺も初めて劇したけどなんか興奮出来て楽しかったぜ!
真著田:うむ、私も楽しかったです。見て下さい、私の筋肉達も新たな刺激に喜んでます。フン!
獅童:貴方達…
獅童:私も皆さんと劇をして楽しかったです。それと…皆さんと舞台に立てたらきっと面白い劇が出来るんじゃないかと、そう思いました。
市煮掛:先生…どうかこれからもご指導、よろしくお願いしますね
獅童:っ!…もちろんです!まだまだ演劇の素晴らしさはこんなものじゃありません。さ、皆さんレッスン開始です!
完