台本概要

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タイトル ツミビトバディ 4 夏組
作者名 野菜  (@irodlinatuyasai)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 スマホ、パソコン、家電。薬学、歴史、科学に医学。
それらを土台にした世界は、長い年月の後に、今や魔法がすべての生活を支える世界に変化していた。
しかし、世界は変われども人間はたいして変わらない。
内輪もめばかりの政治、各国での争い、今にも戦争が起きてもおかしくないが、「魔法」をうまく使えぬ庶民には実感もなく逃げ場もない。

そんな中、義勇軍「Seasons」がいつの間にか立ち上がった。
春夏秋冬、それぞれ二人のリーダーがバディとして率いる集団のようだ。
曰く、バディは罪人である。
曰く、バディの片割れには首輪がつけられ、生殺与奪をもうひとりが握っている。
曰く、彼らの目的はーーー

全シリーズを通して8人キャラが登場します。
基本、春夏秋冬それぞれ2人の会話劇、途中会議の2回のみ4人劇です。
人数変更、兼ね役大歓迎です。今回は永遠の地獄を生きる2人、夏組です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
七津 不問 19 七津(ナナツ)。夏組。ヒセンのバディでありボス代行。リーダーとしてふるまうことが多い。
ヒセン 不問 19 夏組。七津のバディ。戦闘大好きではあるが、友人として七津や他のメンバーを気遣える程度にはまともである。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:山中にある小さな小屋、その会議室。 0:大量の書物に、紙、えんぴつ。明かりさえもろうそくという徹底ぶり。 0:大国周辺の片田舎でもめったに見ることがない設備だろう。窓さえない。 0:年季の入った布で首元を隠した二体の口論は終わりに近づいていた。 0: 七津:その作戦はダメだ。さっきも言っただろう。 ヒセン:敵の戦力を削ぐため、戦時用エネルギー貯蔵庫を破壊する。 ヒセン:私たちにはそれが可能な力がある。大国は決して軽視するような敵ではないんだぞ。 七津:ダメだ。民草(たみくさ)の住む町が近すぎる。まだ民を犠牲にする局面ではない。 七津:第一に、今の我々は義勇軍。テロリストではない。 ヒセン:他のシーズンのバディたち見てこいよ。 ヒセン:義勇軍なんかどこにもいないぞ。 七津:例えそうであろうとも。 七津:……いや、そうであるからこそだ。我らサマーメンバーは義勇軍の表の顔でなくてはならない。 ヒセン:その考えが首を絞めないといいけどな。 ヒセン:それで?休憩前に交渉した大国議会の連中とはどうなった。 七津:進展はない。あちらは大人数で、多数決までの議論も長い。仕方ないだろう。 ヒセン:こっちが舐められてるだけだ。 ヒセン:どうせ、この前ウィンターのやらかしたベッドタウンの破壊騒ぎをつつかれて、ボランティアの話とかしてたんだろ? 七津:聞いていたのか。 ヒセン:適当言ったのに当たってたことが最悪だよ。 0:七津は入口の近くに置いてあった資料の山を運んでくる。 七津:大国の奴らの反応は想定内だ。……これを。 ヒセン:署名に、写真。住所。……ああ、新入りか。 七津:覚えろよ。君は一応私の代理で指揮をとる可能性がある。 ヒセン:おう。…………おい、これ日付間違えてないか?昨日?そもそもなんで今サマーメンバー全員の名簿を…… 七津:何を言う。ここ一週間で入隊した新入りだけの、名簿だ。 ヒセン:………最後の奴のナンバーが4万2162なんだが? 七津:東地域の半数くらいは同志になったからな。 ヒセン:非戦闘員なら覚えなくていいか? 七津:次のシーズン会議までに西地域の勧誘も終わらせる。書類仕事の覚悟はしておけ。 ヒセン:私は!!戦闘がしたいんだ!! 七津:スプリング、オータム、ウィンター、そしてサマー。それぞれの戦い方がある。 ヒセン:分かってる。 七津:お前には誰よりも大事な役目があるだろう。 ヒセン:…………死にたがりめ。 七津:否定は、しないが。もっと悪質ななにかだと思う。 ヒセン:殺されたがり?本当に迷惑だ。 七津:今日は朝から仕事詰めだったからな。 七津:……なあ。まだ今日の命令を聞いていない、私の悪友(バディ)。 ヒセン:私は、こんな役を押し付けたお前を死ぬまで許せないんだろうな。 七津:死んだら許してくれるのか? ヒセン:馬鹿言え、地獄までぶん殴りに行く。 0:ヒセンはおそるおそる、七津の首の布をほどいた。 0:首には巻きつくような刺青、隷属の首輪が存在している。 ヒセン:命令だ。 ヒセン:私より先に死ぬなよ、親友(バディ)。 0:隷属の首輪が光る。 0:それを見届けると、ヒセンは布を戻した。 0: 七津:シーズン会議で大国への襲撃方法が決まるだろう。確定次第、おまえにも詳細を伝える。 ヒセン:他のサマーメンバーは、引き続き協力者やメンバーの勧誘でいいか? 七津:徹底的にな。シーズン会議までは私も勧誘に出よう。 ヒセン:「消耗品の」民草を集めに、か? 七津:使い捨てるか決めるのは、我らがボスだ。 0:七津は、うっすらと笑みをうかべた。 ヒセン:私たちは、また作り直されるんだろうか。 七津:いいかげん、休息が欲しいものだな。 0:二体の動く死体は、町に放たれた。

0:山中にある小さな小屋、その会議室。 0:大量の書物に、紙、えんぴつ。明かりさえもろうそくという徹底ぶり。 0:大国周辺の片田舎でもめったに見ることがない設備だろう。窓さえない。 0:年季の入った布で首元を隠した二体の口論は終わりに近づいていた。 0: 七津:その作戦はダメだ。さっきも言っただろう。 ヒセン:敵の戦力を削ぐため、戦時用エネルギー貯蔵庫を破壊する。 ヒセン:私たちにはそれが可能な力がある。大国は決して軽視するような敵ではないんだぞ。 七津:ダメだ。民草(たみくさ)の住む町が近すぎる。まだ民を犠牲にする局面ではない。 七津:第一に、今の我々は義勇軍。テロリストではない。 ヒセン:他のシーズンのバディたち見てこいよ。 ヒセン:義勇軍なんかどこにもいないぞ。 七津:例えそうであろうとも。 七津:……いや、そうであるからこそだ。我らサマーメンバーは義勇軍の表の顔でなくてはならない。 ヒセン:その考えが首を絞めないといいけどな。 ヒセン:それで?休憩前に交渉した大国議会の連中とはどうなった。 七津:進展はない。あちらは大人数で、多数決までの議論も長い。仕方ないだろう。 ヒセン:こっちが舐められてるだけだ。 ヒセン:どうせ、この前ウィンターのやらかしたベッドタウンの破壊騒ぎをつつかれて、ボランティアの話とかしてたんだろ? 七津:聞いていたのか。 ヒセン:適当言ったのに当たってたことが最悪だよ。 0:七津は入口の近くに置いてあった資料の山を運んでくる。 七津:大国の奴らの反応は想定内だ。……これを。 ヒセン:署名に、写真。住所。……ああ、新入りか。 七津:覚えろよ。君は一応私の代理で指揮をとる可能性がある。 ヒセン:おう。…………おい、これ日付間違えてないか?昨日?そもそもなんで今サマーメンバー全員の名簿を…… 七津:何を言う。ここ一週間で入隊した新入りだけの、名簿だ。 ヒセン:………最後の奴のナンバーが4万2162なんだが? 七津:東地域の半数くらいは同志になったからな。 ヒセン:非戦闘員なら覚えなくていいか? 七津:次のシーズン会議までに西地域の勧誘も終わらせる。書類仕事の覚悟はしておけ。 ヒセン:私は!!戦闘がしたいんだ!! 七津:スプリング、オータム、ウィンター、そしてサマー。それぞれの戦い方がある。 ヒセン:分かってる。 七津:お前には誰よりも大事な役目があるだろう。 ヒセン:…………死にたがりめ。 七津:否定は、しないが。もっと悪質ななにかだと思う。 ヒセン:殺されたがり?本当に迷惑だ。 七津:今日は朝から仕事詰めだったからな。 七津:……なあ。まだ今日の命令を聞いていない、私の悪友(バディ)。 ヒセン:私は、こんな役を押し付けたお前を死ぬまで許せないんだろうな。 七津:死んだら許してくれるのか? ヒセン:馬鹿言え、地獄までぶん殴りに行く。 0:ヒセンはおそるおそる、七津の首の布をほどいた。 0:首には巻きつくような刺青、隷属の首輪が存在している。 ヒセン:命令だ。 ヒセン:私より先に死ぬなよ、親友(バディ)。 0:隷属の首輪が光る。 0:それを見届けると、ヒセンは布を戻した。 0: 七津:シーズン会議で大国への襲撃方法が決まるだろう。確定次第、おまえにも詳細を伝える。 ヒセン:他のサマーメンバーは、引き続き協力者やメンバーの勧誘でいいか? 七津:徹底的にな。シーズン会議までは私も勧誘に出よう。 ヒセン:「消耗品の」民草を集めに、か? 七津:使い捨てるか決めるのは、我らがボスだ。 0:七津は、うっすらと笑みをうかべた。 ヒセン:私たちは、また作り直されるんだろうか。 七津:いいかげん、休息が欲しいものだな。 0:二体の動く死体は、町に放たれた。