台本概要
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タイトル | ツミビトバディ 9 夏の疑問 |
---|---|
作者名 | 野菜 (@irodlinatuyasai) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
世界は、長い年月の後に、今や魔法がすべての生活を支える世界に変化していた。 しかし、世界は変われども人間はたいして変わらない。 そんな中、義勇軍「Seasons」がいつの間にか立ち上がった。 春夏秋冬、それぞれ二人のリーダーがバディとして率いる集団のようだ。 曰く、バディは罪人である。 曰く、バディの片割れには首輪がつけられ、生殺与奪をもうひとりが握っている。 曰く、彼らの目的はーーー国滅ぼし。 全シリーズを通して8人キャラが登場します。 人数変更、兼ね役大歓迎です。観測者であり、犠牲者であり、加害者。夏組です。 33 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
七津 | 不問 | 21 | 夏組。最初の被検体は、ひとりで秘密を抱えることができなかった。 罪状=計画的大量殺人の指揮 |
ヒセン | 不問 | 21 | 夏組。どんな悪事だって、親友がいるなら無敵だった。 罪状=娯楽的な戦争犯罪 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:サマーメンバーには、あらかじめ魔法武器が支給されていた。
0:ボスが設計し、七津とヒセンが量産させた。
0:自爆装置である。
七津:もう、休もうか。
ヒセン:ダメだ。まだ、歩ける。
0:戦時用エネルギー貯蔵庫の破壊。
0:成功したものの、負ったケガは軽くない。
七津:冬川の攻撃も、自爆攻撃も耐えた大国軍人はさすがだな。笑うしかない。
ヒセン:止まるな。手を引いてやるから。
七津:止まれば、もう歩けないと?
ヒセン:だって、前回だって、お前。
七津:私たちの後に実験されたスプリングは、前回の記憶がないらしい。
ヒセン:それは……少し、羨ましいな。
七津:覚えていたら共に手を取って戦っていなかったかもしれないな。
ヒセン:オータムは俺たちより先、ん?後だったっけか?
七津:ラクはスプリングの後だったな。
七津:すまない、やはり座らせてくれ。
ヒセン:…………分かった。
七津:君だけでも中央へ。ボスも見つけやすいだろう。
ヒセン:いや、残る。
七津:そうか。
0:せめて陰になればと、燃え残っていた木に背を預ける。
0:かろうじて燃え残っただけの、穴だらけの大木。
七津:命令に、背いてしまうだろうか。
ヒセン:俺より先に死ぬなって命令?
七津:常々、不思議だったのだよ。
七津:もはやゾンビとも言える我々に「死ぬな」、という命令はどうなのかと。
ヒセン:それはまあ言葉のあやってものだろ。
七津:命令に背くと爆発するという仕組みであるなら、判断基準はなんだ?
ヒセン:俺に聞かれてもなあ。
七津:そもそも、隷属の首輪をはめる条件に「罪人であること」が含まれるのはなぜだ?
ヒセン:お前、それ以上は……
七津:亜奇は言っていた。「知ろうとしないことは、罪だ」と。
ヒセン:俺たちは、何かを知らない?知らされていない?
七津:冬川はボスの正体を知らされていなかった。スプリングは自分たちにされた実験を知らなかった。
七津:ではオータムは?我々サマーは何を知り、何を知らされていない?
0:
0:
0:しばらくの沈黙ののち、会話は続いた。
ヒセン:義勇軍を作る前。そもそも、俺たちはボスと一緒に大国をつくったよな。
七津:楽しかったな、いろんな国を相手取るのは。
ヒセン:なんでまた壊すんだろうな。
七津:ボスに聞いてみろ。
ヒセン:聞いたら答えてくれると思うか?
七津:おそらく。
ヒセン:…………そう、かもな。知りたいと言えば、答えてくれる人だよな。
七津:言葉が足りない、とも言えるな。
ヒセン:確かにな。
七津:……命令を、してくれないか悪友(バディ)。
七津:あの呪われた光だけが、証明してくれるんだ。
七津:私はまだ独りではないと。
七津:君が幻ではなく、この世界に存在していると。
ヒセン:分かった。
0:ヒセンは立ち上がり、使い慣れた大斧を手にする。
ヒセン:命令だ、親友(バディ)。
ヒセン:これから俺のすることを、赦(ゆる)さないでくれ。
0:ヒセンの斧が、光を放った隷属の首輪を断ち切る。
0:バディの首と共に。
ヒセン:…………なんだよ。
ヒセン:俺たちなんて後回しでいいのに。
ヒセン:なんで来ちまったんだよ、ボス。
ヒセン:俺たちはもう、休みたい。
0:普段おしゃべりな機械人形は、淡々と七津を回復させた。
0:七津を死から遠ざけるオーダーメイドの不死魔法。
0:体こそまだ動かせないものの、七津は口を開いた。
七津:ボス、判断を誤ったな。
七津:救助には、順番がある。
0:スチームパンクの機械人形は、首をかしげる。
ヒセン:ボス、中央都市の集合場所、目印は冬川の落下地点になってる。
七津:今回の作戦、最初に死ぬのは冬川だ、ボス。
0:サマーメンバーには、あらかじめ魔法武器が支給されていた。
0:ボスが設計し、七津とヒセンが量産させた。
0:自爆装置である。
七津:もう、休もうか。
ヒセン:ダメだ。まだ、歩ける。
0:戦時用エネルギー貯蔵庫の破壊。
0:成功したものの、負ったケガは軽くない。
七津:冬川の攻撃も、自爆攻撃も耐えた大国軍人はさすがだな。笑うしかない。
ヒセン:止まるな。手を引いてやるから。
七津:止まれば、もう歩けないと?
ヒセン:だって、前回だって、お前。
七津:私たちの後に実験されたスプリングは、前回の記憶がないらしい。
ヒセン:それは……少し、羨ましいな。
七津:覚えていたら共に手を取って戦っていなかったかもしれないな。
ヒセン:オータムは俺たちより先、ん?後だったっけか?
七津:ラクはスプリングの後だったな。
七津:すまない、やはり座らせてくれ。
ヒセン:…………分かった。
七津:君だけでも中央へ。ボスも見つけやすいだろう。
ヒセン:いや、残る。
七津:そうか。
0:せめて陰になればと、燃え残っていた木に背を預ける。
0:かろうじて燃え残っただけの、穴だらけの大木。
七津:命令に、背いてしまうだろうか。
ヒセン:俺より先に死ぬなって命令?
七津:常々、不思議だったのだよ。
七津:もはやゾンビとも言える我々に「死ぬな」、という命令はどうなのかと。
ヒセン:それはまあ言葉のあやってものだろ。
七津:命令に背くと爆発するという仕組みであるなら、判断基準はなんだ?
ヒセン:俺に聞かれてもなあ。
七津:そもそも、隷属の首輪をはめる条件に「罪人であること」が含まれるのはなぜだ?
ヒセン:お前、それ以上は……
七津:亜奇は言っていた。「知ろうとしないことは、罪だ」と。
ヒセン:俺たちは、何かを知らない?知らされていない?
七津:冬川はボスの正体を知らされていなかった。スプリングは自分たちにされた実験を知らなかった。
七津:ではオータムは?我々サマーは何を知り、何を知らされていない?
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0:しばらくの沈黙ののち、会話は続いた。
ヒセン:義勇軍を作る前。そもそも、俺たちはボスと一緒に大国をつくったよな。
七津:楽しかったな、いろんな国を相手取るのは。
ヒセン:なんでまた壊すんだろうな。
七津:ボスに聞いてみろ。
ヒセン:聞いたら答えてくれると思うか?
七津:おそらく。
ヒセン:…………そう、かもな。知りたいと言えば、答えてくれる人だよな。
七津:言葉が足りない、とも言えるな。
ヒセン:確かにな。
七津:……命令を、してくれないか悪友(バディ)。
七津:あの呪われた光だけが、証明してくれるんだ。
七津:私はまだ独りではないと。
七津:君が幻ではなく、この世界に存在していると。
ヒセン:分かった。
0:ヒセンは立ち上がり、使い慣れた大斧を手にする。
ヒセン:命令だ、親友(バディ)。
ヒセン:これから俺のすることを、赦(ゆる)さないでくれ。
0:ヒセンの斧が、光を放った隷属の首輪を断ち切る。
0:バディの首と共に。
ヒセン:…………なんだよ。
ヒセン:俺たちなんて後回しでいいのに。
ヒセン:なんで来ちまったんだよ、ボス。
ヒセン:俺たちはもう、休みたい。
0:普段おしゃべりな機械人形は、淡々と七津を回復させた。
0:七津を死から遠ざけるオーダーメイドの不死魔法。
0:体こそまだ動かせないものの、七津は口を開いた。
七津:ボス、判断を誤ったな。
七津:救助には、順番がある。
0:スチームパンクの機械人形は、首をかしげる。
ヒセン:ボス、中央都市の集合場所、目印は冬川の落下地点になってる。
七津:今回の作戦、最初に死ぬのは冬川だ、ボス。