台本概要

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タイトル ツミビトバディ 11 秋による真相
作者名 野菜  (@irodlinatuyasai)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 世界は、長い年月の後に、今や魔法がすべての生活を支える世界に変化していた。
しかし、世界は変われども人間はたいして変わらない。

そんな中、立ち上がった義勇軍。
春夏秋冬、それぞれ二人のリーダーがバディとして率いる集団だ。彼らの目的はーーー国滅ぼし。
数多を犠牲にした喜劇は、ゆっくりと終わりに向かう。
全シリーズを通して8人キャラが登場します。
人数変更、兼ね役大歓迎です。世界を創り給うたのは。枝別れた師弟の話。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
亜奇 不問 30 秋組。サントのあらゆる方面においての師匠。罪滅ぼしのために弟子のサントのしりぬぐいや後始末に忙しい。 罪状=他人に一切の興味を持たず、放置したこと。
ラク 不問 30 秋組。亜奇の手先となって動いているが、生来の殺人鬼。 罪状=生まれてきたこと。欲望のままに生きていること。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:中庭を見渡せる二階の窓。 0:亜奇から渡された銃を手に、ラクは降りてくる。 亜奇:お疲れー。いやほんと精密射撃。 ラク:言っておくけどもうできないから。奇跡だよ。 亜奇:この局面で奇跡出してくれるのが大事なんだよ。 ラク:で、死んだか? 亜奇:動かないことを死と呼ぶならね。 ラク:解体するか? 亜奇:あはは、もっとすごいことするんだよ。 ラク:あっそ。 亜奇:俺たちの生きていた頃はプログラミングって言ってたんだけどね。 ラク:知らん。 亜奇:だよねー。科学とかは? ラク:あんたそういうの信じるのか。 亜奇:そうだね、おとぎ話みたいな扱いだよねー。 ラク:頭割るのか。 亜奇:順番に歯車を押すと開くのさ。ここの板をね、あらかじめ作っておいたものと交換するんだ。 ラク:で? 亜奇:お、聞いてくれる? ラク:興味ない。 亜奇:じゃあさっき預けたカバンの中にリンゴあるから、食べながら座ってて。 ラク:乗った。 亜奇:よく考えたら、ラクは俺が義勇軍裏切っててもなんとも思わないの? ラク:あんたはただのビジネスパートナー。それ以外はすごくどうでもいい。 亜奇:いいねえ明解。 亜奇:俺とサントは師弟だった。俺が師匠ね。 亜奇:俺たちは、人を殺しても赦(ゆる)される世界に行きたかったんだ。 ラク:そんな場所があるのか。 亜奇:無いからこんなことになってるんだ。 ラク:…………ああ。「悪者退治」なら、殺しも許されるって? 亜奇:ひとり殺すと罪人で、千人殺すと英雄なんだよ。 ラク:なんの話? 亜奇:年寄りの昔話。 亜奇:毎日死刑のたのしい国をつくろうとして失敗しちゃったんだよね、この国は。 ラク:そりゃあ年寄りだな。不死研究もついで? 亜奇:ラクなら分かるんじゃない? ラク:死なないなら何回も遊べるから? 亜奇:俺もそんな理由。サントは研究の方が好きになっちゃったけど。 亜奇:人体実験しても怒られない世界がいいんだって。 亜奇:俺の科学は、サントの魔法の土台になって、もう忘れ去られた。 亜奇:俺の科学・医学の技術や歴史、学問の多くは、魔法の前では無価値なんだ。 亜奇:勘、とでも言わないと信じてもらえない。 ラク:リンゴ食い終わったから帰っていい? 亜奇:いやいや、こういう時はアレでしょ。 ラク:話を聞いたからには生かして返さない? 亜奇:それそれ。とはいっても、ラクに絶対勝てないからおねがいになるんだけど。 ラク:隷属の首輪か? 亜奇:それ、魔法契約のひとつね。登録した声とキーワードで光るの。契約破ると爆発するけど。 ラク:仕組みを聞くと単純だな。 亜奇:手順さえ守れば外せるよ。外す? ラク:外していいわけ? 亜奇:外したいかな。せっかく今サントのデータ消したのに、バレたら面白くないじゃん。 ラク:このあとはどうなるの。 亜奇:ラク次第かな。記憶、消す?大国から逃げる? ラク:義勇軍は。 亜奇:モルモット……ああ、サントの人体実験ね。 亜奇:その被害者のナツくんハルちゃんたちはまた一緒に活動するんじゃない? ラク:記憶消しまくりだな。 亜奇:後片付けは得意だからね。 亜奇:弟子が狂ったことを知ろうとしなかった、俺の償いだよ。 ラク:ふーん。 亜奇:それで、ラクはどうしたい? 亜奇:すべてを忘れて旅に出るか。 亜奇:俺と嘘を吐き続けるか。 ラク:…………僕ってモルモットになってたりするのか? 亜奇:覚えてない?首輪つけた夜にサントの部屋行ったの。 ラク:……不死? 亜奇:俺に近いかも。定期的に手入れしていれば二階までジャンプとか余裕余裕。 ラク:そう。 亜奇:手入れしなければ自然死できるから、安心してね。 ラク:…………。 亜奇:決まった? ラク:…………それなら、僕は。

0:中庭を見渡せる二階の窓。 0:亜奇から渡された銃を手に、ラクは降りてくる。 亜奇:お疲れー。いやほんと精密射撃。 ラク:言っておくけどもうできないから。奇跡だよ。 亜奇:この局面で奇跡出してくれるのが大事なんだよ。 ラク:で、死んだか? 亜奇:動かないことを死と呼ぶならね。 ラク:解体するか? 亜奇:あはは、もっとすごいことするんだよ。 ラク:あっそ。 亜奇:俺たちの生きていた頃はプログラミングって言ってたんだけどね。 ラク:知らん。 亜奇:だよねー。科学とかは? ラク:あんたそういうの信じるのか。 亜奇:そうだね、おとぎ話みたいな扱いだよねー。 ラク:頭割るのか。 亜奇:順番に歯車を押すと開くのさ。ここの板をね、あらかじめ作っておいたものと交換するんだ。 ラク:で? 亜奇:お、聞いてくれる? ラク:興味ない。 亜奇:じゃあさっき預けたカバンの中にリンゴあるから、食べながら座ってて。 ラク:乗った。 亜奇:よく考えたら、ラクは俺が義勇軍裏切っててもなんとも思わないの? ラク:あんたはただのビジネスパートナー。それ以外はすごくどうでもいい。 亜奇:いいねえ明解。 亜奇:俺とサントは師弟だった。俺が師匠ね。 亜奇:俺たちは、人を殺しても赦(ゆる)される世界に行きたかったんだ。 ラク:そんな場所があるのか。 亜奇:無いからこんなことになってるんだ。 ラク:…………ああ。「悪者退治」なら、殺しも許されるって? 亜奇:ひとり殺すと罪人で、千人殺すと英雄なんだよ。 ラク:なんの話? 亜奇:年寄りの昔話。 亜奇:毎日死刑のたのしい国をつくろうとして失敗しちゃったんだよね、この国は。 ラク:そりゃあ年寄りだな。不死研究もついで? 亜奇:ラクなら分かるんじゃない? ラク:死なないなら何回も遊べるから? 亜奇:俺もそんな理由。サントは研究の方が好きになっちゃったけど。 亜奇:人体実験しても怒られない世界がいいんだって。 亜奇:俺の科学は、サントの魔法の土台になって、もう忘れ去られた。 亜奇:俺の科学・医学の技術や歴史、学問の多くは、魔法の前では無価値なんだ。 亜奇:勘、とでも言わないと信じてもらえない。 ラク:リンゴ食い終わったから帰っていい? 亜奇:いやいや、こういう時はアレでしょ。 ラク:話を聞いたからには生かして返さない? 亜奇:それそれ。とはいっても、ラクに絶対勝てないからおねがいになるんだけど。 ラク:隷属の首輪か? 亜奇:それ、魔法契約のひとつね。登録した声とキーワードで光るの。契約破ると爆発するけど。 ラク:仕組みを聞くと単純だな。 亜奇:手順さえ守れば外せるよ。外す? ラク:外していいわけ? 亜奇:外したいかな。せっかく今サントのデータ消したのに、バレたら面白くないじゃん。 ラク:このあとはどうなるの。 亜奇:ラク次第かな。記憶、消す?大国から逃げる? ラク:義勇軍は。 亜奇:モルモット……ああ、サントの人体実験ね。 亜奇:その被害者のナツくんハルちゃんたちはまた一緒に活動するんじゃない? ラク:記憶消しまくりだな。 亜奇:後片付けは得意だからね。 亜奇:弟子が狂ったことを知ろうとしなかった、俺の償いだよ。 ラク:ふーん。 亜奇:それで、ラクはどうしたい? 亜奇:すべてを忘れて旅に出るか。 亜奇:俺と嘘を吐き続けるか。 ラク:…………僕ってモルモットになってたりするのか? 亜奇:覚えてない?首輪つけた夜にサントの部屋行ったの。 ラク:……不死? 亜奇:俺に近いかも。定期的に手入れしていれば二階までジャンプとか余裕余裕。 ラク:そう。 亜奇:手入れしなければ自然死できるから、安心してね。 ラク:…………。 亜奇:決まった? ラク:…………それなら、僕は。