台本概要

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タイトル ツミビトバディ 15(終) 願い
作者名 野菜  (@irodlinatuyasai)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 世界は、長い年月の後に、今や魔法がすべての生活を支える世界に変化していた。
しかし、世界は変われども人間はたいして変わらない。そんな中、立ち上がった義勇軍。
春夏秋冬、それぞれ二人のリーダーがバディとして率いる集団だ。彼らの目的はーーー国滅ぼし。
数多を犠牲にした喜劇は、ゆっくりと終わりに向かう。

全シリーズを通して8人キャラが登場します。人数変更、兼ね役大歓迎です。
罪に問われてでも、互いを救いたかった冬組の後日譚。


本編のシリアスムードを台無しにしてかまわない方は後に「台無しバディ」シリーズがあります。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
サント 不問 13 孤児院の院長先生。地下室にこもって、あんまり出てこない。すべてを消したはずなのに、冬川のことだけは覚えていた。 罪状=世界のことわりの破壊
冬川 不問 17 亡霊。魔法が成り立つ世界にサントが変えたためか、まだ心だけが近くでうろついている。 罪状=かつて、大罪人であるサントを助けようとしたこと。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:孤児院、地下室。時の流れなど、とうに忘れてしまった。 0:機械人形は手と頭を動かし続ける。 0:その傍らに小さな魂が寄り添うようにただよっていることを、知る者はいない。 冬川:バカ人形。 サント:また失敗ですねー。 冬川:少しくらい、休んでくださいよ。 サント:次、次はどの肉で実験しましょうか。 サント:まだおチビの細胞では試せませんね。歯がゆいものです。 冬川:サントが壊れたりしないのは、知ってますけど。 サント:うーん。今使っている物質では難しいかもしれませんねー。 0:大きな冷蔵庫。実験台、培養液、実験器具の山。 冬川:でもそれは、 冬川:その肉は。 0:とりわけ大切そうに保管されている、肉片の浮いたガラス瓶。 0:それは、大国中央から、あの日サントが持ち帰った人肉の一部。 冬川:ボクじゃありませんよ。 0: 0: 冬川:あの日打ち上がった後、能力を使って起爆弾をはなったボクの体は。 冬川:どこまでも反動で上に上に飛んだ。 冬川:飛んで、 冬川:燃えあがって、 冬川:灰になって。 冬川:落ちてこないところに行ってしまった。 冬川:なんで落ちてこないのかは分からない。 サント:おチビ、待っていてくださいね。 冬川:たしかにもう生きてはいないけれど。 冬川:その肉は、ボクじゃないんですよ。 0: サント:ワタクシに終わりはない。 サント:彼岸に向かったあなたを追いかけていくことは、できない。 サント:それならば呼び戻そう。 サント:肉が信号で動くならば、それはあなたか。 サント:かつての旧(ふる)い世界ではコタエはなかった。 サント:だが、それは旧(ふる)いからだ。 サント:あらゆる旧(ふる)い知識など、ワタクシの魔法の土台でしかない。 サント:そう、魔法だ。新しき世界の基盤。 サント:あなたの魂がまだいてくれるなら。あなたの器が出来上がるまで待っていてくれるならば。 サント:ワタクシは、魔法の力で呼び戻して見せよう。 サント:あなたと、今度こそ、話をしよう。 0: 0: 冬川:バカ人形。 サント:おチビ。 冬川:話が、したいです。 サント:あなたの声が聞きたいです。 冬川:無理だって分かっていますけど。 サント:もう少しです、もう少し。 冬川:生まれ変わるとか、死を受け入れるとか、そうすべきなのは分かってます。 サント:どうか、そばにいて。待っていてください。 冬川:……どうして、ボクを忘れてくれなかったの。 サント:ワタクシは、いつまでだって諦めませんから。 0: サント:いつか、かならず。 冬川:……話したいな、サント。 0: 冬川:でも、ずっと昔の死者の復元なんてできちゃったら、世界が変わってしまいますね。 サント:おチビ。 冬川:返事なんて聞こえてないだろうに。ほんと、ボクのことよく呼びますよね。 サント:世界の理(ことわり)を壊してでも、あなたを呼び戻してみせます。 冬川:世界と、並べられちゃうんだ、ボク。 0:どうして。 0:なんで。 0:それでも。 冬川:サント。…………ごめんね、ありがとう。

0:孤児院、地下室。時の流れなど、とうに忘れてしまった。 0:機械人形は手と頭を動かし続ける。 0:その傍らに小さな魂が寄り添うようにただよっていることを、知る者はいない。 冬川:バカ人形。 サント:また失敗ですねー。 冬川:少しくらい、休んでくださいよ。 サント:次、次はどの肉で実験しましょうか。 サント:まだおチビの細胞では試せませんね。歯がゆいものです。 冬川:サントが壊れたりしないのは、知ってますけど。 サント:うーん。今使っている物質では難しいかもしれませんねー。 0:大きな冷蔵庫。実験台、培養液、実験器具の山。 冬川:でもそれは、 冬川:その肉は。 0:とりわけ大切そうに保管されている、肉片の浮いたガラス瓶。 0:それは、大国中央から、あの日サントが持ち帰った人肉の一部。 冬川:ボクじゃありませんよ。 0: 0: 冬川:あの日打ち上がった後、能力を使って起爆弾をはなったボクの体は。 冬川:どこまでも反動で上に上に飛んだ。 冬川:飛んで、 冬川:燃えあがって、 冬川:灰になって。 冬川:落ちてこないところに行ってしまった。 冬川:なんで落ちてこないのかは分からない。 サント:おチビ、待っていてくださいね。 冬川:たしかにもう生きてはいないけれど。 冬川:その肉は、ボクじゃないんですよ。 0: サント:ワタクシに終わりはない。 サント:彼岸に向かったあなたを追いかけていくことは、できない。 サント:それならば呼び戻そう。 サント:肉が信号で動くならば、それはあなたか。 サント:かつての旧(ふる)い世界ではコタエはなかった。 サント:だが、それは旧(ふる)いからだ。 サント:あらゆる旧(ふる)い知識など、ワタクシの魔法の土台でしかない。 サント:そう、魔法だ。新しき世界の基盤。 サント:あなたの魂がまだいてくれるなら。あなたの器が出来上がるまで待っていてくれるならば。 サント:ワタクシは、魔法の力で呼び戻して見せよう。 サント:あなたと、今度こそ、話をしよう。 0: 0: 冬川:バカ人形。 サント:おチビ。 冬川:話が、したいです。 サント:あなたの声が聞きたいです。 冬川:無理だって分かっていますけど。 サント:もう少しです、もう少し。 冬川:生まれ変わるとか、死を受け入れるとか、そうすべきなのは分かってます。 サント:どうか、そばにいて。待っていてください。 冬川:……どうして、ボクを忘れてくれなかったの。 サント:ワタクシは、いつまでだって諦めませんから。 0: サント:いつか、かならず。 冬川:……話したいな、サント。 0: 冬川:でも、ずっと昔の死者の復元なんてできちゃったら、世界が変わってしまいますね。 サント:おチビ。 冬川:返事なんて聞こえてないだろうに。ほんと、ボクのことよく呼びますよね。 サント:世界の理(ことわり)を壊してでも、あなたを呼び戻してみせます。 冬川:世界と、並べられちゃうんだ、ボク。 0:どうして。 0:なんで。 0:それでも。 冬川:サント。…………ごめんね、ありがとう。