台本概要
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タイトル | ジプシー 【バーカウンターシリーズ5】 |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男1、不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
主人公は、私立探偵の柊蓮弥(ひいらぎ れんや) 彼が仕事を終えてバーに入ってくるところから始まります。 長い小説の最後の部分だけを切り抜いた感じにシナリオを作りました。 小説の中身は演者さんの想像にお任せします。 バーカウンターシリーズは、バーカウンターを舞台にした、バーテンダーとのやり取りや、客同士のやり取りを描いた、短編の物語です。 このシリーズは、登場人物が繋がっている場合もありますが、基本的に一話完結です。 103 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
柊 | 男 | 29 | 私立探偵、柊 廉也(ひいらぎ れんや) |
バーテンダー | 不問 | 30 | Barのマスター |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:バーカウンタシリーズ5(ジプシー)
0:
0:
0:男が一人店に入ってくる
0:
バーテンダー:いらっしゃいませ
0:
0:黙って、いつもの席につく男
0:
0:この男は私立探偵、柊 廉也(ひいらぎ れんや)
0:仕事で、プライベートで、彼はよくこの店を使う
0:特に仕事終わりにこの店で酒を飲むのが日課のようになっている
0:
柊:はぁ・・・
:
バーテンダー:お疲れ様でした。
バーテンダー:ご注文は?
:
柊:ジントニック
:
バーテンダー:かしこまりました
:
柊:はぁ・・・
0:
0:落ち込んだ表情を見せる柊
0:
バーテンダー:お待たせいたしました、ジントニックです。
:
柊:あぁ、ありがとう
:
バーテンダー:あまりご気分がよろしくないようですね
バーテンダー:お仕事ですか?
:
柊:あぁ
:
バーテンダー:そうですか・・・
バーテンダー:そういえば、ご依頼主の彼女は、あれからどうなりましたか?
:
柊:・・・
:
バーテンダー:失礼しました、特にお伺いしたかった訳ではございませんので
:
柊:・・・ダメだった・・
:
バーテンダー:・・・そうでしたか
:
柊:間に合わなかったよ
柊:
柊:あれだけ
柊:あれだけ、俺が何とかするから
柊:待っててくれって言ったのに
柊:もう少しだったのに・・・
柊:
柊:全部自分一人で背負い込んで
柊:俺までかばって
柊:
柊:行っちまったよ
柊:遠いところへさ
:
バーテンダー:そうだったんですか
バーテンダー:しかし、彼女の依頼内容は・・・たしか・・・
:
柊:あぁ、そうさ
柊:俺が守らなきゃいけなかったんだよ
柊:それなのに
柊:逆に守られたなんてな
柊:
柊:情けない話さ
柊:探偵失格だな
:
バーテンダー:そうだったんですか
バーテンダー:
バーテンダー:しかし、私などが言えたような事ではありませんが
バーテンダー:そういう事もあるんじゃないでしょうか
バーテンダー:
バーテンダー:探偵失格だなんて・・・・柊(ひいらぎ)様らしくありませんよ
:
柊:そうだな
柊:俺もそう思うよ
:
バーテンダー:では・・・
:
柊:でもさ、
柊:今日のはそれだけじゃないのさ
:
バーテンダー:と、いいますと?
:
柊:こんな探偵なんてヤクザな仕事しているとさ
柊:もう人との出会いとか、別れなんて慣れっこになってると思ってたけど
柊:
柊:こんな別れはさすがに
柊:辛いな
:
バーテンダー:・・・・
0:
0:ジントニックを飲み干す柊
0:
柊:マスター、ジントニックもう一杯くれないか
:
バーテンダー:かしこまりました
0:
0:カクテルを作るバーテンダー
0:
バーテンダー:お待たせしました、どうぞ
0:
0:注文のジントニックとは別のものを出すバーテンダー
0:
柊:マスター、これは?
:
バーテンダー:どうそ、ジプシーです。
:
柊:いや、そうじゃなくて
柊:どうして俺に、こんなカクテルを・・・
:
バーテンダー:実は先日、一ノ瀬様がお店に入らっしゃいまして
バーテンダー:柊様がいらしたら、これを出して欲しいと注文を受けました
:
柊:彼女が?
:
バーテンダー:はい
:
柊:彼女が来たなら、どうして・・・
:
バーテンダー:柊様には言わないで欲しいと、一ノ瀬様から固く口留めをされましたので
:
柊:そうか・・・
:
バーテンダー:申し訳ございません
:
柊:いや・・・
柊:いいんだ・・・
柊:彼女がこれを・・・
0:
0:カクテルを見つめる柊
0:
バーテンダー:あの方は、もう、ご自分がどうなさるのかを、決めていらしたのかもしれませんね。
:
柊:そうだったのか・・・
柊:
柊:ジプシー・・・
柊:『しばしの別れ』か・・・
:
バーテンダー:ヨーロッパの放浪民族であるジプシー。
バーテンダー:同じ場所に留まっていられない彼らは
バーテンダー:その場所で育んだ友人や恋仲になった人と別れる時・・・
バーテンダー:
バーテンダー:それが永遠の別れになることを知っていながらも
バーテンダー:しばしの別れ
バーテンダー:そう言ってお互いの心を慰める
バーテンダー:そんな話を聞いたことがあります
:
柊:永遠・・でも、しばしの別れ・・か
:
バーテンダー:胸にしみる話ですね
:
柊:そう思うと、少し永遠が短く感じるな
:
バーテンダー:そうですね
0:
0:少し笑みの戻る柊
0:
バーテンダー:このカクテルをご注文なさるとき
バーテンダー:彼女・・・微笑んでましたよ
バーテンダー:とても美しい笑顔でした
:
柊:まったく・・敵わないなぁ
:
バーテンダー:そうですね
:
柊:所詮、男は女の掌(てのひら)の上か・・・
:
バーテンダー:さ、折角ですから、どうぞお召し上がりください。
:
柊:あぁ、そうだな
柊:いただくよ
:
バーテンダー:では、私はジントニックをいただく事にいたいます。
:
柊:え?
柊:どうして、マスターが?
:
バーテンダー:折角ですから、二人で彼女に
:
柊:はは、そうか
柊:そうだな
0:
0:自分のジントニックを作り、手にもつバーテンダー
0:
バーテンダー:では、彼女に
:
柊:ああ、最高だった女に
0:
0:二人でグラスを合わせる
0:
柊:乾杯
0:
0:完
0:
0:バーカウンタシリーズ5(ジプシー)
0:
0:
0:男が一人店に入ってくる
0:
バーテンダー:いらっしゃいませ
0:
0:黙って、いつもの席につく男
0:
0:この男は私立探偵、柊 廉也(ひいらぎ れんや)
0:仕事で、プライベートで、彼はよくこの店を使う
0:特に仕事終わりにこの店で酒を飲むのが日課のようになっている
0:
柊:はぁ・・・
:
バーテンダー:お疲れ様でした。
バーテンダー:ご注文は?
:
柊:ジントニック
:
バーテンダー:かしこまりました
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柊:はぁ・・・
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0:落ち込んだ表情を見せる柊
0:
バーテンダー:お待たせいたしました、ジントニックです。
:
柊:あぁ、ありがとう
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バーテンダー:あまりご気分がよろしくないようですね
バーテンダー:お仕事ですか?
:
柊:あぁ
:
バーテンダー:そうですか・・・
バーテンダー:そういえば、ご依頼主の彼女は、あれからどうなりましたか?
:
柊:・・・
:
バーテンダー:失礼しました、特にお伺いしたかった訳ではございませんので
:
柊:・・・ダメだった・・
:
バーテンダー:・・・そうでしたか
:
柊:間に合わなかったよ
柊:
柊:あれだけ
柊:あれだけ、俺が何とかするから
柊:待っててくれって言ったのに
柊:もう少しだったのに・・・
柊:
柊:全部自分一人で背負い込んで
柊:俺までかばって
柊:
柊:行っちまったよ
柊:遠いところへさ
:
バーテンダー:そうだったんですか
バーテンダー:しかし、彼女の依頼内容は・・・たしか・・・
:
柊:あぁ、そうさ
柊:俺が守らなきゃいけなかったんだよ
柊:それなのに
柊:逆に守られたなんてな
柊:
柊:情けない話さ
柊:探偵失格だな
:
バーテンダー:そうだったんですか
バーテンダー:
バーテンダー:しかし、私などが言えたような事ではありませんが
バーテンダー:そういう事もあるんじゃないでしょうか
バーテンダー:
バーテンダー:探偵失格だなんて・・・・柊(ひいらぎ)様らしくありませんよ
:
柊:そうだな
柊:俺もそう思うよ
:
バーテンダー:では・・・
:
柊:でもさ、
柊:今日のはそれだけじゃないのさ
:
バーテンダー:と、いいますと?
:
柊:こんな探偵なんてヤクザな仕事しているとさ
柊:もう人との出会いとか、別れなんて慣れっこになってると思ってたけど
柊:
柊:こんな別れはさすがに
柊:辛いな
:
バーテンダー:・・・・
0:
0:ジントニックを飲み干す柊
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柊:マスター、ジントニックもう一杯くれないか
:
バーテンダー:かしこまりました
0:
0:カクテルを作るバーテンダー
0:
バーテンダー:お待たせしました、どうぞ
0:
0:注文のジントニックとは別のものを出すバーテンダー
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柊:マスター、これは?
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バーテンダー:どうそ、ジプシーです。
:
柊:いや、そうじゃなくて
柊:どうして俺に、こんなカクテルを・・・
:
バーテンダー:実は先日、一ノ瀬様がお店に入らっしゃいまして
バーテンダー:柊様がいらしたら、これを出して欲しいと注文を受けました
:
柊:彼女が?
:
バーテンダー:はい
:
柊:彼女が来たなら、どうして・・・
:
バーテンダー:柊様には言わないで欲しいと、一ノ瀬様から固く口留めをされましたので
:
柊:そうか・・・
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バーテンダー:申し訳ございません
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柊:いや・・・
柊:いいんだ・・・
柊:彼女がこれを・・・
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0:カクテルを見つめる柊
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バーテンダー:あの方は、もう、ご自分がどうなさるのかを、決めていらしたのかもしれませんね。
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柊:そうだったのか・・・
柊:
柊:ジプシー・・・
柊:『しばしの別れ』か・・・
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バーテンダー:ヨーロッパの放浪民族であるジプシー。
バーテンダー:同じ場所に留まっていられない彼らは
バーテンダー:その場所で育んだ友人や恋仲になった人と別れる時・・・
バーテンダー:
バーテンダー:それが永遠の別れになることを知っていながらも
バーテンダー:しばしの別れ
バーテンダー:そう言ってお互いの心を慰める
バーテンダー:そんな話を聞いたことがあります
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柊:永遠・・でも、しばしの別れ・・か
:
バーテンダー:胸にしみる話ですね
:
柊:そう思うと、少し永遠が短く感じるな
:
バーテンダー:そうですね
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0:少し笑みの戻る柊
0:
バーテンダー:このカクテルをご注文なさるとき
バーテンダー:彼女・・・微笑んでましたよ
バーテンダー:とても美しい笑顔でした
:
柊:まったく・・敵わないなぁ
:
バーテンダー:そうですね
:
柊:所詮、男は女の掌(てのひら)の上か・・・
:
バーテンダー:さ、折角ですから、どうぞお召し上がりください。
:
柊:あぁ、そうだな
柊:いただくよ
:
バーテンダー:では、私はジントニックをいただく事にいたいます。
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柊:え?
柊:どうして、マスターが?
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バーテンダー:折角ですから、二人で彼女に
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柊:はは、そうか
柊:そうだな
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0:自分のジントニックを作り、手にもつバーテンダー
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バーテンダー:では、彼女に
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柊:ああ、最高だった女に
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0:二人でグラスを合わせる
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柊:乾杯
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0:完
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