台本概要

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タイトル 大好きだった ~女性版~
作者名 Danzig
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(女1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 女性のひとり読み台本です。

子供の頃から大好きだった人への失恋を描いた作品です。
この話には男性版もあります。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り -
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0:私は今、結婚式場の披露宴会場にいる。 0:今日は、私の従妹(いとこ)、誠司(せいじ)さんの結婚式 0: 0:白いスーツ姿で、メイン席に座る誠司さん 0:隣には、ウェディングドレスを着た誠司さんの奥さんになる人・・・ 0: 0:7つ年上の誠司さんは、一人っ子の私にとって、 0:兄のような存在であり、憧れだった。 0: 0:特にイケメンじゃないし、これと言ってスポーツが得意な訳じゃない。 0:でも、凄く優しくて、いつも私を構ってくれてた。 0: 0:誠司さんの聞かせてくれる話は、私にとっては、いつも大人の世界の事で、 0:誠司さんの好きな歌も、本も、私の大切な大人のアイテムだった。 0: 0:そんな誠司さんが、結婚しちゃうんだなぁ・・・ 0: 0:結婚式は滞りなく進んで行くけど、 0:目の前で何が起きているのか、私はまだ受け止められずにいるのだろう。 0:私だけが一人取り残された空間で、周りの映像だけが動いている 0:そんな感覚だった 0: 0:披露宴が終わりに近づき、食事の最後にコーヒーが出された時。 0:コーヒーの香りが、私をようやく現実世界へと引き戻してくれた。 0: 0:コーヒーかぁ・・・ 0: 0:コーヒーの香りを嗅ぐと浮かび上がってくる、誠司さんへの想いの記憶 0: 0:誠司さんは、いつもブラックコーヒーを飲んでいた 0: 0:私も誠司さんの真似をして、美味しくもないブラックコーヒーを無理して飲んでたなぁ 0:この大人の味を美味しいと思えるようになった時、誠司さんに追いつけるような気がしていた。 0: 0:お母さんのお兄さんの子どもが誠司さん。 0:子供の頃、誠司さんを男性として意識した時、 0:私と誠司さんは親族だから結婚できないんだと悲しんでたけど、 0:ある日、従妹同士は結婚出来ると知って、すごくドキドキしてたのを覚えている。 0: 0:早く誠司さんに追いつきたくて、いつも背伸びしてた。 0:だから、いつも同級生の男の子達が、みんな子供に見えていた。 0: 0:いつしか、ブラックコーヒーの味を美味しいと思えるようになったけど、 0:誠司さんとの距離は、少ししか縮まらなかった気がする。 0: 0:私もようやく18歳になったのに、 0:今年、高校を卒業して、大学生になれるのに、 0:そうしたら、もう少し誠司さんに近づけると思っていたのに、 0:また誠司さんは、私を置いて先に行っちゃうんだね 0: 0:私は最後のコーヒーを口にした 0:ブラックの苦みが、この恋の終わりを私に告げている 0: 0:でも 0:誠司さんには幸せになって欲しいな 0: 0:真っ白なドレスを着た奥さんになる人は、とても綺麗で優しそう。 0:誠司さんが選んだ人だから、きっといい人なんだろうね。 0: 0:よかったね。 0: 0:結婚おめでとう、幸せにね。 0: 0:お兄ちゃん 0:大好きだったよ

0: 0:私は今、結婚式場の披露宴会場にいる。 0:今日は、私の従妹(いとこ)、誠司(せいじ)さんの結婚式 0: 0:白いスーツ姿で、メイン席に座る誠司さん 0:隣には、ウェディングドレスを着た誠司さんの奥さんになる人・・・ 0: 0:7つ年上の誠司さんは、一人っ子の私にとって、 0:兄のような存在であり、憧れだった。 0: 0:特にイケメンじゃないし、これと言ってスポーツが得意な訳じゃない。 0:でも、凄く優しくて、いつも私を構ってくれてた。 0: 0:誠司さんの聞かせてくれる話は、私にとっては、いつも大人の世界の事で、 0:誠司さんの好きな歌も、本も、私の大切な大人のアイテムだった。 0: 0:そんな誠司さんが、結婚しちゃうんだなぁ・・・ 0: 0:結婚式は滞りなく進んで行くけど、 0:目の前で何が起きているのか、私はまだ受け止められずにいるのだろう。 0:私だけが一人取り残された空間で、周りの映像だけが動いている 0:そんな感覚だった 0: 0:披露宴が終わりに近づき、食事の最後にコーヒーが出された時。 0:コーヒーの香りが、私をようやく現実世界へと引き戻してくれた。 0: 0:コーヒーかぁ・・・ 0: 0:コーヒーの香りを嗅ぐと浮かび上がってくる、誠司さんへの想いの記憶 0: 0:誠司さんは、いつもブラックコーヒーを飲んでいた 0: 0:私も誠司さんの真似をして、美味しくもないブラックコーヒーを無理して飲んでたなぁ 0:この大人の味を美味しいと思えるようになった時、誠司さんに追いつけるような気がしていた。 0: 0:お母さんのお兄さんの子どもが誠司さん。 0:子供の頃、誠司さんを男性として意識した時、 0:私と誠司さんは親族だから結婚できないんだと悲しんでたけど、 0:ある日、従妹同士は結婚出来ると知って、すごくドキドキしてたのを覚えている。 0: 0:早く誠司さんに追いつきたくて、いつも背伸びしてた。 0:だから、いつも同級生の男の子達が、みんな子供に見えていた。 0: 0:いつしか、ブラックコーヒーの味を美味しいと思えるようになったけど、 0:誠司さんとの距離は、少ししか縮まらなかった気がする。 0: 0:私もようやく18歳になったのに、 0:今年、高校を卒業して、大学生になれるのに、 0:そうしたら、もう少し誠司さんに近づけると思っていたのに、 0:また誠司さんは、私を置いて先に行っちゃうんだね 0: 0:私は最後のコーヒーを口にした 0:ブラックの苦みが、この恋の終わりを私に告げている 0: 0:でも 0:誠司さんには幸せになって欲しいな 0: 0:真っ白なドレスを着た奥さんになる人は、とても綺麗で優しそう。 0:誠司さんが選んだ人だから、きっといい人なんだろうね。 0: 0:よかったね。 0: 0:結婚おめでとう、幸せにね。 0: 0:お兄ちゃん 0:大好きだったよ