台本概要
179 views
タイトル | 大好きだった ~女性版~ |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 1人用台本(女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
女性のひとり読み台本です。 子供の頃から大好きだった人への失恋を描いた作品です。 この話には男性版もあります。 179 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
語り | 女 | - |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:私は今、結婚式場の披露宴会場にいる。
0:今日は、私の従妹(いとこ)、誠司(せいじ)さんの結婚式
0:
0:白いスーツ姿で、メイン席に座る誠司さん
0:隣には、ウェディングドレスを着た誠司さんの奥さんになる人・・・
0:
0:7つ年上の誠司さんは、一人っ子の私にとって、
0:兄のような存在であり、憧れだった。
0:
0:特にイケメンじゃないし、これと言ってスポーツが得意な訳じゃない。
0:でも、凄く優しくて、いつも私を構ってくれてた。
0:
0:誠司さんの聞かせてくれる話は、私にとっては、いつも大人の世界の事で、
0:誠司さんの好きな歌も、本も、私の大切な大人のアイテムだった。
0:
0:そんな誠司さんが、結婚しちゃうんだなぁ・・・
0:
0:結婚式は滞りなく進んで行くけど、
0:目の前で何が起きているのか、私はまだ受け止められずにいるのだろう。
0:私だけが一人取り残された空間で、周りの映像だけが動いている
0:そんな感覚だった
0:
0:披露宴が終わりに近づき、食事の最後にコーヒーが出された時。
0:コーヒーの香りが、私をようやく現実世界へと引き戻してくれた。
0:
0:コーヒーかぁ・・・
0:
0:コーヒーの香りを嗅ぐと浮かび上がってくる、誠司さんへの想いの記憶
0:
0:誠司さんは、いつもブラックコーヒーを飲んでいた
0:
0:私も誠司さんの真似をして、美味しくもないブラックコーヒーを無理して飲んでたなぁ
0:この大人の味を美味しいと思えるようになった時、誠司さんに追いつけるような気がしていた。
0:
0:お母さんのお兄さんの子どもが誠司さん。
0:子供の頃、誠司さんを男性として意識した時、
0:私と誠司さんは親族だから結婚できないんだと悲しんでたけど、
0:ある日、従妹同士は結婚出来ると知って、すごくドキドキしてたのを覚えている。
0:
0:早く誠司さんに追いつきたくて、いつも背伸びしてた。
0:だから、いつも同級生の男の子達が、みんな子供に見えていた。
0:
0:いつしか、ブラックコーヒーの味を美味しいと思えるようになったけど、
0:誠司さんとの距離は、少ししか縮まらなかった気がする。
0:
0:私もようやく18歳になったのに、
0:今年、高校を卒業して、大学生になれるのに、
0:そうしたら、もう少し誠司さんに近づけると思っていたのに、
0:また誠司さんは、私を置いて先に行っちゃうんだね
0:
0:私は最後のコーヒーを口にした
0:ブラックの苦みが、この恋の終わりを私に告げている
0:
0:でも
0:誠司さんには幸せになって欲しいな
0:
0:真っ白なドレスを着た奥さんになる人は、とても綺麗で優しそう。
0:誠司さんが選んだ人だから、きっといい人なんだろうね。
0:
0:よかったね。
0:
0:結婚おめでとう、幸せにね。
0:
0:お兄ちゃん
0:大好きだったよ
0:
0:私は今、結婚式場の披露宴会場にいる。
0:今日は、私の従妹(いとこ)、誠司(せいじ)さんの結婚式
0:
0:白いスーツ姿で、メイン席に座る誠司さん
0:隣には、ウェディングドレスを着た誠司さんの奥さんになる人・・・
0:
0:7つ年上の誠司さんは、一人っ子の私にとって、
0:兄のような存在であり、憧れだった。
0:
0:特にイケメンじゃないし、これと言ってスポーツが得意な訳じゃない。
0:でも、凄く優しくて、いつも私を構ってくれてた。
0:
0:誠司さんの聞かせてくれる話は、私にとっては、いつも大人の世界の事で、
0:誠司さんの好きな歌も、本も、私の大切な大人のアイテムだった。
0:
0:そんな誠司さんが、結婚しちゃうんだなぁ・・・
0:
0:結婚式は滞りなく進んで行くけど、
0:目の前で何が起きているのか、私はまだ受け止められずにいるのだろう。
0:私だけが一人取り残された空間で、周りの映像だけが動いている
0:そんな感覚だった
0:
0:披露宴が終わりに近づき、食事の最後にコーヒーが出された時。
0:コーヒーの香りが、私をようやく現実世界へと引き戻してくれた。
0:
0:コーヒーかぁ・・・
0:
0:コーヒーの香りを嗅ぐと浮かび上がってくる、誠司さんへの想いの記憶
0:
0:誠司さんは、いつもブラックコーヒーを飲んでいた
0:
0:私も誠司さんの真似をして、美味しくもないブラックコーヒーを無理して飲んでたなぁ
0:この大人の味を美味しいと思えるようになった時、誠司さんに追いつけるような気がしていた。
0:
0:お母さんのお兄さんの子どもが誠司さん。
0:子供の頃、誠司さんを男性として意識した時、
0:私と誠司さんは親族だから結婚できないんだと悲しんでたけど、
0:ある日、従妹同士は結婚出来ると知って、すごくドキドキしてたのを覚えている。
0:
0:早く誠司さんに追いつきたくて、いつも背伸びしてた。
0:だから、いつも同級生の男の子達が、みんな子供に見えていた。
0:
0:いつしか、ブラックコーヒーの味を美味しいと思えるようになったけど、
0:誠司さんとの距離は、少ししか縮まらなかった気がする。
0:
0:私もようやく18歳になったのに、
0:今年、高校を卒業して、大学生になれるのに、
0:そうしたら、もう少し誠司さんに近づけると思っていたのに、
0:また誠司さんは、私を置いて先に行っちゃうんだね
0:
0:私は最後のコーヒーを口にした
0:ブラックの苦みが、この恋の終わりを私に告げている
0:
0:でも
0:誠司さんには幸せになって欲しいな
0:
0:真っ白なドレスを着た奥さんになる人は、とても綺麗で優しそう。
0:誠司さんが選んだ人だから、きっといい人なんだろうね。
0:
0:よかったね。
0:
0:結婚おめでとう、幸せにね。
0:
0:お兄ちゃん
0:大好きだったよ