台本概要
143 views
タイトル | 美人とオフ会をしたら息子が行方不明になった件 |
---|---|
作者名 | Danzig |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) ※兼役あり |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
SNSで知り合った男女がオフ会をする話です。 アドリブ、改変OKです。 登場人物の名前はキャストさんの都合で変更していただいて構いません。 〇〇という部分にもお好きな名前を入れて頂いて問題ありません。 男性キャストさんは、 ナレーション(N)、心の声(心)、リアル声、DMの内容と使い分けてください。 最後にアドリブがあります。 男性キャストさんのセリフが多いです。 143 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
エン | 男 | 69 | SNSで写真を送る趣味を持つ男 |
カナ | 女 | 68 | SNSで知り合った女性 |
DMの内容 | 男 | 1 | DMの内容 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:美人とオフ会をしたら息子が行方不明になった件
0:
0:
0:暗い部屋、パソコンの画面を見つめる男
0:
エン:こいつもダメか・・・やっぱりな
エン:あぁ・・こいつもダメだな・・・
:
エン(N):俺の趣味は、インターネットのSNSを徘徊する事だ。
エン(N):いや、徘徊というのはちょっと違うかもしれないな。
エン(N):
エン(N):俺にはキチンとした目的がある。
エン(N):だから、徘徊とは言えない。
エン(N):俺はSNSを回って、特定の女性を見つける事を目的としている。
エン(N):
エン(N):出会い系?
エン(N):違うな
エン(N):
エン(N):ただの「出会い厨」と一緒にして欲しくはない。
エン(N):俺は、ただ女性と出会う事を目的としている訳ではない。
エン(N):
エン(N):では何か。
エン(N):
エン(N):俺は、「自分の写真を女性に見てもらう事」を目的としている。
:
エン:チッ、この女もダメか
エン:こいつは「ワンチャン、イケる」と思ったんだがな・・・
:
エン(N):俺のSNSでのハンドルネームは、いつも決まって「エンジェル」としている。
エン(N):
エン(N):俺の顔はお世辞にもそれほどいいとは言えない。
エン(N):だが、俺の身体の一部分だけは、誰にも負けない自信がある。
エン(N):だから、知り合った女性には、俺の自慢の部分を見てもらう事にしている。
:
DMの内容:〇〇さん、
DMの内容:こんにちは、エンジェルです。
DMの内容:今日は、あなたとお近づきになれた印に、僕の写真を送ります。
DMの内容:僕の写真というよりは、僕のリトルエンジェルの写真を送ります。
DMの内容:僕のリトルエンジェルは、いつもは照れ屋なのですが、大好きな人の前では、リトルエンジェルが、キングデビルに変わってしまいます。
DMの内容:〇〇さんの事を想うと、僕のエンジェルは、いつもキングデビルになって困ってしまいます。
DMの内容:〇〇さんは、僕のキングデビルを見てどう思いますか?
DMの内容:よければ、感想を聞かせてください。
:
エン(N):いつも、こんな具合の文章と、俺のリトルエンジェルの写真を送っている。
エン(N):
エン(N):予想通り、多くの場合、即ブロックされる。
エン(N):ははは、そりゃそうだよな
エン(N):しかし、俺のリトルエンジェルに魅力を感じない女には、俺のから願い下げだ。
エン(N):
エン(N):ごく稀(まれ)にだが、反応を示す女性がいる。
エン(N):しかし、その多くは
エン(N):「小さい」だの
エン(N):「出直してこい」だの
エン(N):「よくそんな粗末なものを見せられるな」だのと書いて来る。
エン(N):だが、それらは恐らく負け惜しみの類(たぐい)だろう。
エン(N):勿論、そんな奴らにも、俺は興味がない。
:
エン:あぁ、俺を満足されられる女性は居ないものか・・・
:
エン(N):こうして、いつも俺はSNSを巡(めぐ)っている
エン(N):
エン(N):だが、ある時、とあるSNSで、俺にDMの返信が届いた。
:
カナ:ご連絡ありがとうございます。
カナ:添付の写真を拝見させて頂きました。
カナ:あなたのリトルエンジェルは、とても壮麗(そうれい)ですね。
カナ:思わす恍惚(こうこつ)としてしまいました。
カナ:そして、あなたの、私(わたくし)を想って下さる誠意と、
カナ:写真を送って下さる勇気に感銘を受けました。
カナ:是非、今後とも私と良いお付き合いをして下さればと思います。
:
エン(心):来た!
エン(心):俺はこういう反応を待っていたんだよ。
エン(心):これは一週間前に知り合ったカナからだな。
エン(心):彼女にDMを送ったのは昨日だから、直ぐに返信をくれたのか・・・
:
エン(N):だが、喜びと同時に、俺の脳裏に、ふとした不安がよぎる。
エン(N):このカナという女性。
エン(N):プロフィールには、確かに女性とあるが、「ネカマ」だという事も十分あり得る。
エン(N):いや、ネカマでないにしても、
エン(N):出会い系で、俺に課金をさせる事が目的か、
エン(N):はたまた、ヤクザの美人局(つつもたせ)という可能性もある。
エン(N):
エン(N):やはり、ここは慎重にならざるを得ない。
エン(N):しかし、本当に素人女性だったのなら、このチャンスは絶対に逃がしたくはない・・・
エン(N):
エン(N):ここは焦らず、暫く様子をみるべきだろう・・・
エン(N):
エン(N):今にも遠吠えをするかのように、キングデビルに変身しそうな、俺のリトルエンジェルをなだめつつ、
エン(N):それから少しの間、俺は、カナとDMで会話を続けた。
エン(N):
エン(N):カナとDMでの会話でわかった事は、
エン(N):彼女は、知能指数の高そうな文章を書くという事。
エン(N):使われる語彙(ごい)や、言い回し、漢字の類(たぐい)に女性っぽさと、知性が感じられる。
エン(N):出会い系の遊んでいる女や、ヤクザとは無縁な感じがする・・・
エン(N):
エン(N):少しのやり取りの中で、彼女について分かって来た事がある。
エン(N):彼女は30台半(なかば)くらいの女性であり、高学歴で、高収入。
エン(N):だが、学歴の高さ故に、男性との出会いが少ない。
エン(N):また、仕事柄、立場的にも男性系風俗やホストには行きにくい。
エン(N):それ故、SNSで、自分の身元を詮索しないで遊んでくれる男を探していたようだ。
エン(N):
エン(N):これは俺にとっても好都合だった
エン(N):「お互いの身元は詮索しない」
エン(N):これが二人の関係を続けていく条件となり、俺達は急速に近づいて行った。
エン(N):
エン(N):この数日の間に、彼女から俺のリトルエンジェルの写真をリクエストされ
エン(N):俺は、彼女の顔写真をリクエストした。
エン(N):
エン(N):彼女は美人で、見るからに知性的な女性だった。
エン(N):こういう女性ほど、性的欲求は高いものだ
エン(N):
エン(N):そして、俺とカナが、かなり打ち解けた関係となったある日
エン(N):彼女の方から、こんなDMが来た。
:
カナ:「今度、二人で会って、お食事でもしませんか?
カナ:その後で、よろしければ、少しお酒でも飲みませんか?」
:
エン(N):このDMを見た瞬間、俺のリトルエンジェルが「ワオーン!」と、遠吠えを始めた。
エン(N):これはもう会うしかない。
エン(N):しかし、焦っていると思われたくもない。
エン(N):でも、機会を逸してしまったら、こんなチャンスは二度とないかもしれない。
エン(N):
エン(N):頭の中の葛藤を悟られまいと、俺は慎重に「会おう」という返事をした。
エン(N):
エン(N):そして、約束の日
エン(N):俺は約束のNホテルへと向かった
エン(N):ロビーには、カナが待っていた。
エン(N):カナは、俺に送って来た顔写真と同じ容姿だった。
:
エン(心):スゲー、本当に来た、本当に来たよ!
エン(心):しかも写真で見るよりも美人じゃねぇか!
エン(心):細身で高身長、まさに出来る女って感じだぜ
エン(心):あの身体が今夜・・・フフフフ・・・
:
エン(N):俺は、逸る気持ちを抑えながら、カナの元にゆっくり歩み寄って、挨拶をする。
:
エン:(思いっきり恰好付けた声で)カナさんですか?
:
カナ:え、ええ・・・あの
:
エン:やっぱりそうでした。
エン:初めまして、エンジェルです。
:
カナ:あぁ、エンジェルさん、こちらこそ初めまして
カナ:今日は、よろしくお願いします。
カナ:エンジェルさん、この後・・・
カナ:えーっと、こういうホテルでハンドルネームで呼ぶのは、何だか少し恥ずかしいですね。
カナ:皆さん、いつもハンドルネームで呼び合っていらっしゃるのでしょうか?
カナ:私は、こういうのは初めてなものですから・・・
:
エン:僕もSNSの人と会うのは初めてなので、分かりませんが、
エン:皆さん、ハンドルネームで呼び合っているみたいですね。
エン:僕のハンドルネームは、自分でもちょっと恥ずかしいので、「エン」とでも読んでください。
:
カナ:分かりました。
カナ:エンさんですね。
:
エン:カナさんは、何とお呼びすればいいですか?
:
カナ:私は名前の一部がカナなので、そのまま「カナ」と呼んでいただければ結構です。
:
エン:分かりました。
エン:カナさんですね。
:
エン(心):カナが名前の一部か・・・
エン(心):香苗(かなえ)、佳奈美(かなみ)、若菜(わかな)・・・そんな感じかな
エン(心):高学歴女性で、可愛い名前、このギャップがたまらん。
エン(心):そして、この女が今夜、俺のリトルエンジェルで・・・グフフフフ・・・・
:
エン:では、カナさん
エン:改めまして、よろしくお願いします。
エン:今日の食事はどこに行きましょうか?
エン:それとも、食事の前に、どこか少し遊びにでも行きますか?
:
カナ:あ、すみません。
カナ:遊びの事とか、あまり考えてませんでしたので
カナ:このホテルのレストランに予約を入れてしまいました。
カナ:あと15分くらいです。
カナ:遊びに行くなら、キャンセルをしますけど・・・
:
エン:いえ、構いません。
エン:気を使っていただいて、ありがとうございます。
エン:本当なら、僕がお店を予約しないといけなかったですね。
:
カナ:いえ、そんな事ありません。
カナ:私の方こそ先走りしてしまって、すみません。
カナ:あの・・・やっぱり・・食事は先に済ませてしまった方がいいと思いまして・・・
:
エン:そうですか
:
エン(心):おーーーーーーー!
エン(心):これはいける、絶対にいけるぞ!
エン(心):この後、飯食って、酒飲んで、そして・・・グハハハハ
エン(心):俺のリトルエンジェル、それまで大人しくしててくれよ。
:
エン(N):それから俺達はレストランへと向かった。
エン(N):カナの予約していた店は、ホテルの上層階にあるイタリアンだった。
エン(N):気取らず、それでいて味がよく、雰囲気も良い、カナのセンスの良さを感じる店だった
エン(N):
エン(N):そして、カナとの食事は楽しいものだった
エン(N):だが俺は、この後の事で頭が一杯で、殆ど覚えていなかった
:
カナ:如何でしたか、このお店
:
エン:いやぁ、美味しかったです。
:
カナ:そうですか、よかったぁ
:
エン:カナさんのお話も面白かったし、久しぶりに楽しい食事ができました。
:
カナ:私の方こそ、楽しかったです。
カナ:なかなか、男性の方とお話しながら食事をする事も、ないものですから
カナ:ワインを少し飲み過ぎてしまったかもしれません。
:
エン:そうだったんですか
エン:でも、カナさんみたいな方が、男性と縁がないなんて、不思議ですね。
:
カナ:でも、実際はそんなものですよ・・・
:
エン:そうかもしれませんね。
:
カナ:・・・・・
:
エン:・・・・・
:
カナ:エンさん・・・この後・・どうします?
:
エン:この後・・・ですか?
:
カナ:ええ、何か予定がおありですか?
:
エン:いえ、特に今日は予定がないので
:
カナ:そうですか・・・
:
エン(心):他に予定なんてある訳ないだろ!
エン(心):お前だよ、お前、
エン(心):今日の予定は、お前とリトルエンジェルのランデブーなんだよ!
:
カナ:では、このホテルの地下に雰囲気のいいバーがあるのですが、
カナ:いかがですか?
:
エン:ええ、いいですよ。
エン:カナさんがお望みとあらば
:
カナ:フフフ、よかった・・・
:
エン(N):そして、俺達はホテルの地下にあるバーへと向かった。
エン(N):エレベーターの中、カナが妙に俺に近い位置に立つ
エン(N):他の客がエレベータに乗り込んでくる時、カナは場所を移動するフリをして、俺の腕に触れてくる。
:
エン(心):おーーーーーーー!
エン(心):やっぱり、カナはその気だぞ!
エン(心):イケる、イケるぞー!
:
エン(N):俺達はバーに入った
エン(N):ウエイターがカウンター席を進めてきたが、
エン(N):カナの希望で、俺達は店の隅にあるボックス席のソファーに隣同士座る事になった
エン(N):
エン(N):そして、カナはソルティードック、俺はジントニックを注文した。
:
カナ:エンさん
カナ:では、改めて、二人の出会いに乾杯しましょう
:
エン:そうですね
エン:じゃぁ、カンパーイ
0:
0:グラスを重ねる
0:
カナ:フフフ
:
カナ:そういえば、エンさん。
カナ:お聞きしてもいいですか?
:
エン:ん?どうしました?
:
カナ:私に送って来た写真の事ですが
カナ:あれって皆さんに送っているんですか?
:
エン(心):ま、まずい・・・
エン(心):何とか誤魔化さないと・・・
:
エン:いえ、特定の人だけですよ
:
カナ:そうですか・・・
:
エン:気になりますか?
:
カナ:ま、まぁ・・・
:
エン:ははは
エン:僕は別に変態という訳じゃないんです。
エン:僕は、あの写真で、その女性の本質を見ているんですよ。
:
カナ:本質・・・ですか?
:
エン:ええ
エン:例えば、僕の写真を見て、直ぐにブロックするような女性は、
エン:自分の嫌な事から直ぐに逃げてしまう女性なんです。
エン:そして、何かしら悪態(あくたい)をつくような女性は、自分を誤魔化(ごまか)す女性なんです。
:
カナ:まぁ・・・
:
エン:そうやって僕は、僕のリトルエンジェルを使って、世の中という大きな括(くく)りで、女性を見ているんです。
:
カナ:そうなんですか
:
エン:そうなんですよ。
エン:まぁ、僕も自分のリトルエンジェルを使うのは気が引けるんですけどね。ははは
エン:でも、これも調査の為ですから仕方のない事なんです。
:
カナ:そんな事だとは知りませんでした・・・
:
エン(心):よっしゃー!
エン(心):これで何とか誤魔化せただろ
エン(心):後は、この流れで・・・
:
エン:やはり、皆さん、僕の事を変態だと思ってしまいますよね。
:
カナ:いえ、そんな事は・・・
カナ:では、私のような女性は、どんな女なのでしょうか?
:
エン:そうですね・・・
エン:カナさんのような反応をする女性は、キチンと自分と向き合っている女性ですね。
エン:常に自分の気持ちに正直であろうとする女性です。
:
カナ:そうなんですか・・・
:
エン:ええ、とても素敵で魅力的だと思います。
:
カナ:ありがとうございます。
カナ:そう言っていただけると、嬉しいです。
:
エン(心):もう一押しだ!
エン(心):頑張れ俺、大志(たいし)を抱(いだ)け、
エン(心):この俺のリトルエンジェルの為に
:
エン:ところで、カナさん
:
カナ:はい
:
エン:カナさんは、今日、僕と会う目的があったんじゃないんですか?
:
カナ:それは・・・・そうですが・・・
カナ:やはり、気が引けてしまって・・・
:
エン:カナさん、あなたは自分自身と向き合える、とても素直な女性だ。
エン:もっと、ご自分の心に耳を澄ませて、自分が本当は何がしたいのか、見つめてみてはどうでしょうか?
:
カナ:そうですね・・・
:
エン:ええ、きっと素敵な未来が待っていますよ
:
カナ:・・・・・
:
エン:さぁ
:
カナ:エンさん
:
エン:どうしまた?
:
カナ:あなたのリトルエンジェルを、今夜、私に下さらないかしら・・・
:
エン(心):よっしゃ、きたーーーーーーーー!
エン(心):いい女ゲットォ!
エン(心):俺のリトルエンジェルよ、おめでとおぉ!
:
エン:カナさん
エン:素直になれましたね。
エン:やはり、あなたは素敵な女性だ
:
カナ:そんな・・・恥ずかしい・・・
:
エン:勿論いいですよ
エン:今日から、俺のリトルエンジェルは、貴方のモノです。
:
カナ:まぁ、嬉しい・・・
:
エン:でも、カナさん
:
カナ:はい
:
エン:あなたは私のリトルエンジェルばかりに気を取られているようですが
エン:男は、リトルエンジェルの大きさが大事なんじゃないんです。
エン:そう、幾らリトルエンジェルがキングデビルになったとしても
エン:それだけではダメなんです。
:
カナ:まぁ、そうなんですか?
:
エン:ええ
エン:大事なのは大きさじゃない『テクニック』です。
:
カナ:まぁ
:
エン:それについても、今夜、貴方にタップリお伝えできると思いますよ。
:
カナ:わ、わかりました・・・
カナ:なんだかドキドキします・・・
:
エン(心):カナさんが照れてるところも、また可愛いなぁ
エン(心):もう少しだぞ、俺のリトルエンジェル
エン(心):あと少し、あと少しの辛抱だ
:
エン:カナさん、この後どうしますか?
:
カナ:はい・・・
カナ:あの・・・このホテルに部屋を取ってあります。
:
エン(心):おーーー
エン(心):カナさん、準備万端じゃないの!
:
エン:そうですか、では参りましょうか
:
カナ:はい
:
エン(N):こうして俺達は店を出た。
エン(N):店の支払いは彼女の部屋の清算と一緒になっているという。
エン(N):カナは、どこまでもスマートな女性だった
エン(N):
エン(N):俺達はエレベーターに乗り、彼女の部屋のある45階で降りた。
エン(N):そして、二人で腕を組みながら彼女の部屋の前まで行き、二人でドアを開けた・・・
0:
0:ベッドで寝かされているエンジェル
0:
エン:ん・・ん・・
0:
0:目が覚めるエンジェル
0:
エン:眩しい・・・
エン:あれ?
エン:ここは・・・
エン:えっと・・・俺はカナと・・・
:
カナ:目覚めましたか?
:
エン:あ、カナさん・・・おれ・・・
エン:う・・・・
:
カナ:あらあら
カナ:まだ麻酔が効いているから、体の自由は利きませんよ
:
エン(N):俺はどうやら、ベッドの上に寝かされているようだった。
エン(N):そして、俺の顔を覗き込んだカナの姿は、テレビドラマで見るような病院の手術着のようだった。
:
エン:カナさん、ここは?
:
カナ:ここは手術室ですよ。
:
エン:手術室?
エン:どうして?
:
カナ:どうしてって、バーであなたにお願いしたじゃないですか
:
エン:え?
エン:何を?
:
カナ:忘れちゃったんですか?
カナ:お願いしたじゃないですか「貴方のリトルエンジェルを私に下さい」って。
カナ:あなたも、今日からあなたのリトルエンジェルは私のモノだって仰ったでしょ?
カナ:だから頂いたんですよ。
:
エン:頂いたってどういう・・・
:
カナ:ほら、これですよ。
:
エン(N):彼女は何やら液体の入った瓶を俺に見せた。
エン(N):そしてその中には、見慣れたものが・・・・
エン(N):俺は嫌な予感を抱えながら、不自由な身体で何とか首を起こして、リトルエンジェルのある筈の場所を覗いた
:
エン:ない!
エン:俺のリトルエンジェルがない!
:
カナ:そりゃありませんよ、私が頂いたんですから。
:
エン:どうしてこんな事をしたんだよ!
:
カナ:どうしてって・・・切ってみたかったからですよ。
カナ:あなたがあんまり自慢するから・・・
カナ:私、人が自慢したものが欲しくなるんですよ。
:
エン:え?
:
カナ:そりゃ私も、さすがに最初は気が引けましたよ。 だから、躊躇(ちゅうちょ)してたんですけど・・・
カナ:でも、あなたが「自分が本当は何がしたいのか、見つめてみてはどうでしょうか」なんて背中を押してくれたから、
カナ:思い切って手術しちゃいました! うふ♪
:
エン:何が「手術しちゃいました! うふ」だよ。
エン:あれは、そういう意味じゃねぇんだよ!
:
カナ:あら、そうなんですか?
カナ:でも、あなたのおかげで、手術に踏み込む事が出来ました!
カナ:ありがとうございます。
:
エン:何、やり切った感満載のスッキリした顔してるんだよ。
エン:俺はこの先、リトルエンジェルなしで、どうやって生きていくんだよ。
:
カナ:それは心配しなくても、大丈夫です。
カナ:あなたのリトルエンジェルの代りに、医療用のカテーテルをつけておきましたから、
カナ:これで、立って用をたす事もできますよ。
:
エン:出来るか!
:
カナ:どうしてですか、オシッコをする機能は同じですよ。
:
エン:こんな情けないものを人前でだせるか
:
カナ:あら
カナ:男性は大きさじゃないって言ってませんでした?
:
エン:そ、そりゃ言ったけど
:
カナ:じゃぁ、いいじゃありませんか
:
エン:よくねぇんだよ
エン:返せよ!
:
カナ:何をですか?
:
エン:俺のリトルエンジェルを返せって言ってんだよ
:
カナ:えー
カナ:ダメなんですか?
:
エン:ダメに決まってるだろ、返せ!
:
カナ:ふー、そうですか・・・
カナ:分かりましたよ。
カナ:実はね。 私も、手に入れるまでは、あんなに欲しかったんですけどね、
カナ:いざ、自分のモノになってしまうと、こんなものかぁって思ってた所なんです。
:
エン:こんなものって・・・
:
カナ:あなたのリトルエンジェルは、一応、保存液の中に入れておきました。
カナ:ここに置いておきますね。
:
エン:おいおい
エン:ちゃんと元に戻してくれよ
:
カナ:私にはそんな手術は出来ませんよ。 私は取る専門ですから。
:
エン:取る専門って・・・他にも取られちゃった人いるの?
:
カナ:ええ、ネットで自慢げに見せつけてくる人のを頂いてますよ。
:
エン:そんな・・・
:
カナ:まぁ、あなたのリトルエンジェルも、どこかの病院にもって行けば、付けてもらえるかもしれませんね。
カナ:するなら、早い方がいいと思いますよ。
カナ:じゃぁ、私はこれで
:
エン:ちょ、どこ行くんだよ。
:
カナ:帰るんですよ。
カナ:もう、ここには用はありませんから。
カナ:あなたも、あと一時間くらいで身体が動くようになると思うので、気を付けて帰って下さいね。
:
エン:ちょっと、待ってくれよ
:
カナ:じゃぁ、さようなら
カナ:楽しかったですよ、エンジェルさん♪ うふ
:
エン:そんな・・・
エン:(アドリブ)
0:
0:美人とオフ会をしたら息子が行方不明になった件
0:
0:
0:暗い部屋、パソコンの画面を見つめる男
0:
エン:こいつもダメか・・・やっぱりな
エン:あぁ・・こいつもダメだな・・・
:
エン(N):俺の趣味は、インターネットのSNSを徘徊する事だ。
エン(N):いや、徘徊というのはちょっと違うかもしれないな。
エン(N):
エン(N):俺にはキチンとした目的がある。
エン(N):だから、徘徊とは言えない。
エン(N):俺はSNSを回って、特定の女性を見つける事を目的としている。
エン(N):
エン(N):出会い系?
エン(N):違うな
エン(N):
エン(N):ただの「出会い厨」と一緒にして欲しくはない。
エン(N):俺は、ただ女性と出会う事を目的としている訳ではない。
エン(N):
エン(N):では何か。
エン(N):
エン(N):俺は、「自分の写真を女性に見てもらう事」を目的としている。
:
エン:チッ、この女もダメか
エン:こいつは「ワンチャン、イケる」と思ったんだがな・・・
:
エン(N):俺のSNSでのハンドルネームは、いつも決まって「エンジェル」としている。
エン(N):
エン(N):俺の顔はお世辞にもそれほどいいとは言えない。
エン(N):だが、俺の身体の一部分だけは、誰にも負けない自信がある。
エン(N):だから、知り合った女性には、俺の自慢の部分を見てもらう事にしている。
:
DMの内容:〇〇さん、
DMの内容:こんにちは、エンジェルです。
DMの内容:今日は、あなたとお近づきになれた印に、僕の写真を送ります。
DMの内容:僕の写真というよりは、僕のリトルエンジェルの写真を送ります。
DMの内容:僕のリトルエンジェルは、いつもは照れ屋なのですが、大好きな人の前では、リトルエンジェルが、キングデビルに変わってしまいます。
DMの内容:〇〇さんの事を想うと、僕のエンジェルは、いつもキングデビルになって困ってしまいます。
DMの内容:〇〇さんは、僕のキングデビルを見てどう思いますか?
DMの内容:よければ、感想を聞かせてください。
:
エン(N):いつも、こんな具合の文章と、俺のリトルエンジェルの写真を送っている。
エン(N):
エン(N):予想通り、多くの場合、即ブロックされる。
エン(N):ははは、そりゃそうだよな
エン(N):しかし、俺のリトルエンジェルに魅力を感じない女には、俺のから願い下げだ。
エン(N):
エン(N):ごく稀(まれ)にだが、反応を示す女性がいる。
エン(N):しかし、その多くは
エン(N):「小さい」だの
エン(N):「出直してこい」だの
エン(N):「よくそんな粗末なものを見せられるな」だのと書いて来る。
エン(N):だが、それらは恐らく負け惜しみの類(たぐい)だろう。
エン(N):勿論、そんな奴らにも、俺は興味がない。
:
エン:あぁ、俺を満足されられる女性は居ないものか・・・
:
エン(N):こうして、いつも俺はSNSを巡(めぐ)っている
エン(N):
エン(N):だが、ある時、とあるSNSで、俺にDMの返信が届いた。
:
カナ:ご連絡ありがとうございます。
カナ:添付の写真を拝見させて頂きました。
カナ:あなたのリトルエンジェルは、とても壮麗(そうれい)ですね。
カナ:思わす恍惚(こうこつ)としてしまいました。
カナ:そして、あなたの、私(わたくし)を想って下さる誠意と、
カナ:写真を送って下さる勇気に感銘を受けました。
カナ:是非、今後とも私と良いお付き合いをして下さればと思います。
:
エン(心):来た!
エン(心):俺はこういう反応を待っていたんだよ。
エン(心):これは一週間前に知り合ったカナからだな。
エン(心):彼女にDMを送ったのは昨日だから、直ぐに返信をくれたのか・・・
:
エン(N):だが、喜びと同時に、俺の脳裏に、ふとした不安がよぎる。
エン(N):このカナという女性。
エン(N):プロフィールには、確かに女性とあるが、「ネカマ」だという事も十分あり得る。
エン(N):いや、ネカマでないにしても、
エン(N):出会い系で、俺に課金をさせる事が目的か、
エン(N):はたまた、ヤクザの美人局(つつもたせ)という可能性もある。
エン(N):
エン(N):やはり、ここは慎重にならざるを得ない。
エン(N):しかし、本当に素人女性だったのなら、このチャンスは絶対に逃がしたくはない・・・
エン(N):
エン(N):ここは焦らず、暫く様子をみるべきだろう・・・
エン(N):
エン(N):今にも遠吠えをするかのように、キングデビルに変身しそうな、俺のリトルエンジェルをなだめつつ、
エン(N):それから少しの間、俺は、カナとDMで会話を続けた。
エン(N):
エン(N):カナとDMでの会話でわかった事は、
エン(N):彼女は、知能指数の高そうな文章を書くという事。
エン(N):使われる語彙(ごい)や、言い回し、漢字の類(たぐい)に女性っぽさと、知性が感じられる。
エン(N):出会い系の遊んでいる女や、ヤクザとは無縁な感じがする・・・
エン(N):
エン(N):少しのやり取りの中で、彼女について分かって来た事がある。
エン(N):彼女は30台半(なかば)くらいの女性であり、高学歴で、高収入。
エン(N):だが、学歴の高さ故に、男性との出会いが少ない。
エン(N):また、仕事柄、立場的にも男性系風俗やホストには行きにくい。
エン(N):それ故、SNSで、自分の身元を詮索しないで遊んでくれる男を探していたようだ。
エン(N):
エン(N):これは俺にとっても好都合だった
エン(N):「お互いの身元は詮索しない」
エン(N):これが二人の関係を続けていく条件となり、俺達は急速に近づいて行った。
エン(N):
エン(N):この数日の間に、彼女から俺のリトルエンジェルの写真をリクエストされ
エン(N):俺は、彼女の顔写真をリクエストした。
エン(N):
エン(N):彼女は美人で、見るからに知性的な女性だった。
エン(N):こういう女性ほど、性的欲求は高いものだ
エン(N):
エン(N):そして、俺とカナが、かなり打ち解けた関係となったある日
エン(N):彼女の方から、こんなDMが来た。
:
カナ:「今度、二人で会って、お食事でもしませんか?
カナ:その後で、よろしければ、少しお酒でも飲みませんか?」
:
エン(N):このDMを見た瞬間、俺のリトルエンジェルが「ワオーン!」と、遠吠えを始めた。
エン(N):これはもう会うしかない。
エン(N):しかし、焦っていると思われたくもない。
エン(N):でも、機会を逸してしまったら、こんなチャンスは二度とないかもしれない。
エン(N):
エン(N):頭の中の葛藤を悟られまいと、俺は慎重に「会おう」という返事をした。
エン(N):
エン(N):そして、約束の日
エン(N):俺は約束のNホテルへと向かった
エン(N):ロビーには、カナが待っていた。
エン(N):カナは、俺に送って来た顔写真と同じ容姿だった。
:
エン(心):スゲー、本当に来た、本当に来たよ!
エン(心):しかも写真で見るよりも美人じゃねぇか!
エン(心):細身で高身長、まさに出来る女って感じだぜ
エン(心):あの身体が今夜・・・フフフフ・・・
:
エン(N):俺は、逸る気持ちを抑えながら、カナの元にゆっくり歩み寄って、挨拶をする。
:
エン:(思いっきり恰好付けた声で)カナさんですか?
:
カナ:え、ええ・・・あの
:
エン:やっぱりそうでした。
エン:初めまして、エンジェルです。
:
カナ:あぁ、エンジェルさん、こちらこそ初めまして
カナ:今日は、よろしくお願いします。
カナ:エンジェルさん、この後・・・
カナ:えーっと、こういうホテルでハンドルネームで呼ぶのは、何だか少し恥ずかしいですね。
カナ:皆さん、いつもハンドルネームで呼び合っていらっしゃるのでしょうか?
カナ:私は、こういうのは初めてなものですから・・・
:
エン:僕もSNSの人と会うのは初めてなので、分かりませんが、
エン:皆さん、ハンドルネームで呼び合っているみたいですね。
エン:僕のハンドルネームは、自分でもちょっと恥ずかしいので、「エン」とでも読んでください。
:
カナ:分かりました。
カナ:エンさんですね。
:
エン:カナさんは、何とお呼びすればいいですか?
:
カナ:私は名前の一部がカナなので、そのまま「カナ」と呼んでいただければ結構です。
:
エン:分かりました。
エン:カナさんですね。
:
エン(心):カナが名前の一部か・・・
エン(心):香苗(かなえ)、佳奈美(かなみ)、若菜(わかな)・・・そんな感じかな
エン(心):高学歴女性で、可愛い名前、このギャップがたまらん。
エン(心):そして、この女が今夜、俺のリトルエンジェルで・・・グフフフフ・・・・
:
エン:では、カナさん
エン:改めまして、よろしくお願いします。
エン:今日の食事はどこに行きましょうか?
エン:それとも、食事の前に、どこか少し遊びにでも行きますか?
:
カナ:あ、すみません。
カナ:遊びの事とか、あまり考えてませんでしたので
カナ:このホテルのレストランに予約を入れてしまいました。
カナ:あと15分くらいです。
カナ:遊びに行くなら、キャンセルをしますけど・・・
:
エン:いえ、構いません。
エン:気を使っていただいて、ありがとうございます。
エン:本当なら、僕がお店を予約しないといけなかったですね。
:
カナ:いえ、そんな事ありません。
カナ:私の方こそ先走りしてしまって、すみません。
カナ:あの・・・やっぱり・・食事は先に済ませてしまった方がいいと思いまして・・・
:
エン:そうですか
:
エン(心):おーーーーーーー!
エン(心):これはいける、絶対にいけるぞ!
エン(心):この後、飯食って、酒飲んで、そして・・・グハハハハ
エン(心):俺のリトルエンジェル、それまで大人しくしててくれよ。
:
エン(N):それから俺達はレストランへと向かった。
エン(N):カナの予約していた店は、ホテルの上層階にあるイタリアンだった。
エン(N):気取らず、それでいて味がよく、雰囲気も良い、カナのセンスの良さを感じる店だった
エン(N):
エン(N):そして、カナとの食事は楽しいものだった
エン(N):だが俺は、この後の事で頭が一杯で、殆ど覚えていなかった
:
カナ:如何でしたか、このお店
:
エン:いやぁ、美味しかったです。
:
カナ:そうですか、よかったぁ
:
エン:カナさんのお話も面白かったし、久しぶりに楽しい食事ができました。
:
カナ:私の方こそ、楽しかったです。
カナ:なかなか、男性の方とお話しながら食事をする事も、ないものですから
カナ:ワインを少し飲み過ぎてしまったかもしれません。
:
エン:そうだったんですか
エン:でも、カナさんみたいな方が、男性と縁がないなんて、不思議ですね。
:
カナ:でも、実際はそんなものですよ・・・
:
エン:そうかもしれませんね。
:
カナ:・・・・・
:
エン:・・・・・
:
カナ:エンさん・・・この後・・どうします?
:
エン:この後・・・ですか?
:
カナ:ええ、何か予定がおありですか?
:
エン:いえ、特に今日は予定がないので
:
カナ:そうですか・・・
:
エン(心):他に予定なんてある訳ないだろ!
エン(心):お前だよ、お前、
エン(心):今日の予定は、お前とリトルエンジェルのランデブーなんだよ!
:
カナ:では、このホテルの地下に雰囲気のいいバーがあるのですが、
カナ:いかがですか?
:
エン:ええ、いいですよ。
エン:カナさんがお望みとあらば
:
カナ:フフフ、よかった・・・
:
エン(N):そして、俺達はホテルの地下にあるバーへと向かった。
エン(N):エレベーターの中、カナが妙に俺に近い位置に立つ
エン(N):他の客がエレベータに乗り込んでくる時、カナは場所を移動するフリをして、俺の腕に触れてくる。
:
エン(心):おーーーーーーー!
エン(心):やっぱり、カナはその気だぞ!
エン(心):イケる、イケるぞー!
:
エン(N):俺達はバーに入った
エン(N):ウエイターがカウンター席を進めてきたが、
エン(N):カナの希望で、俺達は店の隅にあるボックス席のソファーに隣同士座る事になった
エン(N):
エン(N):そして、カナはソルティードック、俺はジントニックを注文した。
:
カナ:エンさん
カナ:では、改めて、二人の出会いに乾杯しましょう
:
エン:そうですね
エン:じゃぁ、カンパーイ
0:
0:グラスを重ねる
0:
カナ:フフフ
:
カナ:そういえば、エンさん。
カナ:お聞きしてもいいですか?
:
エン:ん?どうしました?
:
カナ:私に送って来た写真の事ですが
カナ:あれって皆さんに送っているんですか?
:
エン(心):ま、まずい・・・
エン(心):何とか誤魔化さないと・・・
:
エン:いえ、特定の人だけですよ
:
カナ:そうですか・・・
:
エン:気になりますか?
:
カナ:ま、まぁ・・・
:
エン:ははは
エン:僕は別に変態という訳じゃないんです。
エン:僕は、あの写真で、その女性の本質を見ているんですよ。
:
カナ:本質・・・ですか?
:
エン:ええ
エン:例えば、僕の写真を見て、直ぐにブロックするような女性は、
エン:自分の嫌な事から直ぐに逃げてしまう女性なんです。
エン:そして、何かしら悪態(あくたい)をつくような女性は、自分を誤魔化(ごまか)す女性なんです。
:
カナ:まぁ・・・
:
エン:そうやって僕は、僕のリトルエンジェルを使って、世の中という大きな括(くく)りで、女性を見ているんです。
:
カナ:そうなんですか
:
エン:そうなんですよ。
エン:まぁ、僕も自分のリトルエンジェルを使うのは気が引けるんですけどね。ははは
エン:でも、これも調査の為ですから仕方のない事なんです。
:
カナ:そんな事だとは知りませんでした・・・
:
エン(心):よっしゃー!
エン(心):これで何とか誤魔化せただろ
エン(心):後は、この流れで・・・
:
エン:やはり、皆さん、僕の事を変態だと思ってしまいますよね。
:
カナ:いえ、そんな事は・・・
カナ:では、私のような女性は、どんな女なのでしょうか?
:
エン:そうですね・・・
エン:カナさんのような反応をする女性は、キチンと自分と向き合っている女性ですね。
エン:常に自分の気持ちに正直であろうとする女性です。
:
カナ:そうなんですか・・・
:
エン:ええ、とても素敵で魅力的だと思います。
:
カナ:ありがとうございます。
カナ:そう言っていただけると、嬉しいです。
:
エン(心):もう一押しだ!
エン(心):頑張れ俺、大志(たいし)を抱(いだ)け、
エン(心):この俺のリトルエンジェルの為に
:
エン:ところで、カナさん
:
カナ:はい
:
エン:カナさんは、今日、僕と会う目的があったんじゃないんですか?
:
カナ:それは・・・・そうですが・・・
カナ:やはり、気が引けてしまって・・・
:
エン:カナさん、あなたは自分自身と向き合える、とても素直な女性だ。
エン:もっと、ご自分の心に耳を澄ませて、自分が本当は何がしたいのか、見つめてみてはどうでしょうか?
:
カナ:そうですね・・・
:
エン:ええ、きっと素敵な未来が待っていますよ
:
カナ:・・・・・
:
エン:さぁ
:
カナ:エンさん
:
エン:どうしまた?
:
カナ:あなたのリトルエンジェルを、今夜、私に下さらないかしら・・・
:
エン(心):よっしゃ、きたーーーーーーーー!
エン(心):いい女ゲットォ!
エン(心):俺のリトルエンジェルよ、おめでとおぉ!
:
エン:カナさん
エン:素直になれましたね。
エン:やはり、あなたは素敵な女性だ
:
カナ:そんな・・・恥ずかしい・・・
:
エン:勿論いいですよ
エン:今日から、俺のリトルエンジェルは、貴方のモノです。
:
カナ:まぁ、嬉しい・・・
:
エン:でも、カナさん
:
カナ:はい
:
エン:あなたは私のリトルエンジェルばかりに気を取られているようですが
エン:男は、リトルエンジェルの大きさが大事なんじゃないんです。
エン:そう、幾らリトルエンジェルがキングデビルになったとしても
エン:それだけではダメなんです。
:
カナ:まぁ、そうなんですか?
:
エン:ええ
エン:大事なのは大きさじゃない『テクニック』です。
:
カナ:まぁ
:
エン:それについても、今夜、貴方にタップリお伝えできると思いますよ。
:
カナ:わ、わかりました・・・
カナ:なんだかドキドキします・・・
:
エン(心):カナさんが照れてるところも、また可愛いなぁ
エン(心):もう少しだぞ、俺のリトルエンジェル
エン(心):あと少し、あと少しの辛抱だ
:
エン:カナさん、この後どうしますか?
:
カナ:はい・・・
カナ:あの・・・このホテルに部屋を取ってあります。
:
エン(心):おーーー
エン(心):カナさん、準備万端じゃないの!
:
エン:そうですか、では参りましょうか
:
カナ:はい
:
エン(N):こうして俺達は店を出た。
エン(N):店の支払いは彼女の部屋の清算と一緒になっているという。
エン(N):カナは、どこまでもスマートな女性だった
エン(N):
エン(N):俺達はエレベーターに乗り、彼女の部屋のある45階で降りた。
エン(N):そして、二人で腕を組みながら彼女の部屋の前まで行き、二人でドアを開けた・・・
0:
0:ベッドで寝かされているエンジェル
0:
エン:ん・・ん・・
0:
0:目が覚めるエンジェル
0:
エン:眩しい・・・
エン:あれ?
エン:ここは・・・
エン:えっと・・・俺はカナと・・・
:
カナ:目覚めましたか?
:
エン:あ、カナさん・・・おれ・・・
エン:う・・・・
:
カナ:あらあら
カナ:まだ麻酔が効いているから、体の自由は利きませんよ
:
エン(N):俺はどうやら、ベッドの上に寝かされているようだった。
エン(N):そして、俺の顔を覗き込んだカナの姿は、テレビドラマで見るような病院の手術着のようだった。
:
エン:カナさん、ここは?
:
カナ:ここは手術室ですよ。
:
エン:手術室?
エン:どうして?
:
カナ:どうしてって、バーであなたにお願いしたじゃないですか
:
エン:え?
エン:何を?
:
カナ:忘れちゃったんですか?
カナ:お願いしたじゃないですか「貴方のリトルエンジェルを私に下さい」って。
カナ:あなたも、今日からあなたのリトルエンジェルは私のモノだって仰ったでしょ?
カナ:だから頂いたんですよ。
:
エン:頂いたってどういう・・・
:
カナ:ほら、これですよ。
:
エン(N):彼女は何やら液体の入った瓶を俺に見せた。
エン(N):そしてその中には、見慣れたものが・・・・
エン(N):俺は嫌な予感を抱えながら、不自由な身体で何とか首を起こして、リトルエンジェルのある筈の場所を覗いた
:
エン:ない!
エン:俺のリトルエンジェルがない!
:
カナ:そりゃありませんよ、私が頂いたんですから。
:
エン:どうしてこんな事をしたんだよ!
:
カナ:どうしてって・・・切ってみたかったからですよ。
カナ:あなたがあんまり自慢するから・・・
カナ:私、人が自慢したものが欲しくなるんですよ。
:
エン:え?
:
カナ:そりゃ私も、さすがに最初は気が引けましたよ。 だから、躊躇(ちゅうちょ)してたんですけど・・・
カナ:でも、あなたが「自分が本当は何がしたいのか、見つめてみてはどうでしょうか」なんて背中を押してくれたから、
カナ:思い切って手術しちゃいました! うふ♪
:
エン:何が「手術しちゃいました! うふ」だよ。
エン:あれは、そういう意味じゃねぇんだよ!
:
カナ:あら、そうなんですか?
カナ:でも、あなたのおかげで、手術に踏み込む事が出来ました!
カナ:ありがとうございます。
:
エン:何、やり切った感満載のスッキリした顔してるんだよ。
エン:俺はこの先、リトルエンジェルなしで、どうやって生きていくんだよ。
:
カナ:それは心配しなくても、大丈夫です。
カナ:あなたのリトルエンジェルの代りに、医療用のカテーテルをつけておきましたから、
カナ:これで、立って用をたす事もできますよ。
:
エン:出来るか!
:
カナ:どうしてですか、オシッコをする機能は同じですよ。
:
エン:こんな情けないものを人前でだせるか
:
カナ:あら
カナ:男性は大きさじゃないって言ってませんでした?
:
エン:そ、そりゃ言ったけど
:
カナ:じゃぁ、いいじゃありませんか
:
エン:よくねぇんだよ
エン:返せよ!
:
カナ:何をですか?
:
エン:俺のリトルエンジェルを返せって言ってんだよ
:
カナ:えー
カナ:ダメなんですか?
:
エン:ダメに決まってるだろ、返せ!
:
カナ:ふー、そうですか・・・
カナ:分かりましたよ。
カナ:実はね。 私も、手に入れるまでは、あんなに欲しかったんですけどね、
カナ:いざ、自分のモノになってしまうと、こんなものかぁって思ってた所なんです。
:
エン:こんなものって・・・
:
カナ:あなたのリトルエンジェルは、一応、保存液の中に入れておきました。
カナ:ここに置いておきますね。
:
エン:おいおい
エン:ちゃんと元に戻してくれよ
:
カナ:私にはそんな手術は出来ませんよ。 私は取る専門ですから。
:
エン:取る専門って・・・他にも取られちゃった人いるの?
:
カナ:ええ、ネットで自慢げに見せつけてくる人のを頂いてますよ。
:
エン:そんな・・・
:
カナ:まぁ、あなたのリトルエンジェルも、どこかの病院にもって行けば、付けてもらえるかもしれませんね。
カナ:するなら、早い方がいいと思いますよ。
カナ:じゃぁ、私はこれで
:
エン:ちょ、どこ行くんだよ。
:
カナ:帰るんですよ。
カナ:もう、ここには用はありませんから。
カナ:あなたも、あと一時間くらいで身体が動くようになると思うので、気を付けて帰って下さいね。
:
エン:ちょっと、待ってくれよ
:
カナ:じゃぁ、さようなら
カナ:楽しかったですよ、エンジェルさん♪ うふ
:
エン:そんな・・・
エン:(アドリブ)