台本概要

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タイトル コクセン×リカセン【先生ランキング】
作者名 うどんマン  (@hello_udon_don)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(不問2) ※兼役あり
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 学級新聞に掲載された好きな先生ランキング。
チヤホヤされたいリカセンがとった行動とは。

【配役】
セリフ量的に学先生と豊先生と華先生は3役兼ねです!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
葉っぱ先生 81 理科の先生。変人
学先生 53 国語の先生。爽やか【学&豊&華】
豊先生 25 図工の先生。地味【学&豊&華】
華先生 7 保健室の先生。ギャル【学&豊&華】
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:とある学校の職員室 0:理科の葉っぱ先生がテストの採点をしている 葉っぱ先生:「先生の授業が分かりやすいおかげで、今まで苦手だった化学式が好きになりました!」 葉っぱ先生:ん~素晴らしい、あなたは100点です 葉っぱ先生:「先生のような素敵な恩師に出会えて良かった!」 葉っぱ先生:ん~にじゅうまる。あなたも100点です 葉っぱ先生:「葉っぱ先生大好き!」 葉っぱ先生:んーふふふふふふふふふふふふふふ!はなまる、はなまる、にじゅうはなまる!あなたは150点ですよ!!! 豊先生:あの…葉っぱ先生…、もう少し静かに採点できませんか…? 葉っぱ先生:これはこれは図画工作の豊(ゆたか)先生。こんにちはぁ~ 豊先生:はい…、こんにちは…。 葉っぱ先生:私の採点がうるさかったですか? 豊先生:はい…。 葉っぱ先生:いえね、私のテストの答案用紙には、授業の感想を書く自由記述欄を設けているのですが… 葉っぱ先生:可愛い生徒たちが愛と熱量のある言葉で私をチヤホヤするものですから、私のエタノールは沸騰不可欠でしてぇ。。。! 豊先生:はあ。なんでもいいですけどお静かに。お願いしますね…。 葉っぱ先生:はいぃ、以後気を付けますぅ~。(相変わらずジメジメと暗い先生ですねぇ。塩をかけてやったら小さくなるんじゃないでしょうか) 豊先生:では、私は次の授業の準備をしないといけないので… 0:豊先生が立ち上がった時、一枚の紙がおちる 葉っぱ先生:おや。何か落としましたよ豊先生 豊先生:ああ、すみません…。ありがとうございます… 葉っぱ先生:これは…?? 豊先生:うちのクラスの生徒がつくった学級新聞ですよ… 葉っぱ先生:ほぉ~学級新聞 豊先生:ええ、修学旅行の思い出とか…。好きな給食ランキングとか…。なかなか面白いですよ…。 葉っぱ先生:どれどれ…。おや、本当ですねぇ。 葉っぱ先生:ん。これは!!「好きな先生ランキング」!!なんて面白そうな!! 豊先生:ああ、えっと…。やっぱりやめた方がいいかも…。葉っぱ先生、私は次の授業に… 葉っぱ先生:んふふふ、そんなに私の人気ぶりが妬ましいですかぁ?? 豊先生:そ、そうじゃなくて… 葉っぱ先生:ええい、貸しなさい!! 豊先生:あ~れ~…。 葉っぱ先生:どれどれ~。おや、「第3位、図工の豊先生」 豊先生:…ど、どうも。 葉っぱ先生:やるじゃないですかぁ~!こんな根暗、てっきり最下位かと 豊先生:失礼ですよ…。 葉っぱ先生:「第2位、保健の華(はな)先生」 豊先生:ああ、男子生徒からの票がすごい…。 葉っぱ先生:「第1位、国語の学(まなぶ)先生」 豊先生:やっぱり。学先生、圧倒的ですよね…。 葉っぱ先生:え? 豊先生:爽やかだし、かっこいいし、頭いいし、まぁ…当然の結果ですかね… 葉っぱ先生:国語?ん。国語…? 豊先生:葉っぱ先生…? 葉っぱ先生:あれれれれ、見間違えたかなぁ、おかしいなぁ。。。 豊先生:だから見ないほうがいいって言ったのに… 葉っぱ先生:豊くん、なんかこの新聞おかしいの。。。僕の名前が見当たらないの。。。 豊先生:動揺しすぎてキャラぶれしてますよ… 葉っぱ先生:どうして!!!!!! 豊先生:私に言われても… 葉っぱ先生:「大好き」という文字で溢れたこの答案用紙の数々!!見てください!!これは幻ですか!?こんなに慕われている私を差し置いて、どうしてあいつなんかが!! 豊先生:あいつって…。まぁ…それは… 葉っぱ先生:「第1位、理科の葉っぱ先生」!! 豊先生:勝手に改ざんしないでください… 葉っぱ先生:どうしてーー!!! 華先生:葉っぱっち~、職員室の外まで聞こえてるよー。ちょっと静かに… 華先生:って、豊っちも!え~一緒にいるなんてめずらし~ 豊先生:保健の華先生…。なんてタイミングの悪い… 華先生:2人で何見てんのさ~?およよぉ~学級新聞~からの好きな先生ランキング~ 華先生:あは!あたし2位じゃ~ん、すご~! 華先生:で、え、、葉っぱっち最下位?うける~ 葉っぱ先生:さ、ささささいかい… 華先生:「まじキモイ」「実験オタク」「いつも一人で笑ってる」「不審者」 葉っぱ先生:…っ! 華先生:あは!めっちゃ言われてんじゃん! 葉っぱ先生:私が、きも…い、だと…??? 華先生:あ、でもちゃんといい意見もあるよ…! 葉っぱ先生:いい意見…!! 華先生:「テストはちょろくて好き」 葉っぱ先生:…っ!!! 豊先生:華先生…もうやめてあげてください… 葉っぱ先生:ぬおおおおおおおおおおおおお!!!!!!! 豊先生:あー…、走ってどっか行っちゃった… 葉っぱ先生:結局はスタイルか!!第二位のバカヤローー!!! 華先生:廊下は走んなよ~~! 0:ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 0:廊下 葉っぱ先生:ぬおおおおおおおん! 葉っぱ先生:ふぅ。ここか。あの忌々しい国語の学先生が授業をしているクラスは 葉っぱ先生:ガラガラガラ。授業中失礼しますよぉ。 学先生:おや葉っぱ先生、どうかしましたか? 葉っぱ先生:学校一人気の学先生の授業がどんなものなのか、気になったので見学をしに来たのですよぉ。 学先生:け、見学ですか? 葉っぱ先生:はいぃ。(人気の理由なんて、どうせ賄賂か何かに決まっているのです。) 葉っぱ先生:ささ、私のことは無視していただいて結構ですので、授業を続けて下さいなぁ 学先生:は、はぁ。先に言って下されば、お席も準備できたのに… 葉っぱ先生:ああ、そういう気遣いとかいいんで。続けて下さい 学先生:そ、そうですか。では… 学先生:テストの解説を続けるぞー 学先生:「きっちゃんはお母さんにサラダをつくってあげることにしました」とあるが、その理由として正しいものを選べ。 学先生:これは先生、授業で散々言ったよなぁ?答えはAだ。間違えたやつは反省するように。 生徒たち:…。 学先生:じゃあどうしてAか、わかるやつ発表してくれー 生徒たち:…。 学先生:うーん。先生、そんな難しいことは言ってないんだがなぁ 葉っぱ先生:(誰も手を上げないとは。むふふ。ここは私が問題の不備を指摘して、いっちょ先生の威厳を落としてやりましょうかね。) 葉っぱ先生:はい!学先生、それは本当にAなのでしょうかぁ。 学先生:ん、葉っぱ先生 葉っぱ先生:きっちゃんさんがつくるサラダが何サラダかにもよりますが、トマトを使用しているのであればリコピンが豊富。 葉っぱ先生:紫外線によるお肌へのダメージが抑制できるので、お召しになるお母様も喜ばれるかと。 葉っぱ先生:ですので、答えはAではなく、Dの食生活を見直すため、になるかと!! 学先生:食生活…。まぁ、先生のおっしゃることも正しいんでしょうが、 学先生:この問題文で聞かれている「きっちゃんがサラダをつくろうと思った動機」に当てはまるものはAになります。 葉っぱ先生:動機…。人の感情なんて、細胞が細胞分裂をするようにコロコロ変わるものでしょう。 葉っぱ先生:ましてや、「きっちゃん」さんの…他人の本当の気持ちなんて私たちにはわかりっこありません。 葉っぱ先生:その上で本当にAが正解だと…? 学先生:きっちゃんの感情は作者が描いたものですから、正解があるんです。 葉っぱ先生:なんと…!物語に出てくる登場人物の感情には正解がある、と! 学先生:ええ 葉っぱ先生:これはたまげましたよぉ。それは、マグニチュード6の震源地が正確に算出できる技術ということかもしれません。 葉っぱ先生:はたまた三角フラスコがどうして三角なのかということ。三角錐フラスコではダメなのか。四角ではダメなのか。リービッヒ冷却器で代用可能か 葉っぱ先生:全ての元素が化学式で表すことができるに等しく、それはまさに!正解があると!そういうことなのですね!? 学先生:え、えっと、よく分かりませんが、そうなんじゃないでしょうか。。。 葉っぱ先生:すごい。。。!!それは凄すぎます。。。!! 学先生:(んー、適当に返事しちゃったけど、嬉しそうだからまぁいっか) 葉っぱ先生:では、次の設問は!?このお話に登場するアフリカ象の冬眠期間!不可解な点があるんです、問題文では… 学先生:あ、あの、葉っぱ先生。続きは職員室でいかがでしょう。。。 葉っぱ先生:自惚れないでちょうだい!!好きな先生ランキング第一位だからって私を追い出さそうとして!! 学先生:ラ、ランキング? 葉っぱ先生:もういいです!どうせ私は最下位ですものね!最下位ですものねぇえええ!!ふーーーん! 学先生:何があったか知りませんが、先生、落ち着いて。面倒くさい彼女みたいになってますから 葉っぱ先生:ぶーーーん! 学先生:あぁ、行ってしまわれた。。。 葉っぱ先生:等速直線運動で走る私は、誰にも止められませーーん!! 学先生:廊下は走っちゃダメですよー! 0: 0:キーンコーンカーンコーン 0: 0:生物第二準備室 葉っぱ先生:はぁ。私の可愛いミジンコ君。聞いて下さい。 葉っぱ先生:先ほど、我がライバルである学先生の授業を見学に行ったのですよぉ。 葉っぱ先生:そしたらなんだか私が余計な質問ばかりしてしまったようで、生徒たちに睨まれるわ、先生を困らせてしまうわで、結局追い出されてしまいましたぁ。 葉っぱ先生:結局私は何がしたかったのでしょうねぇ。 葉っぱ先生:私の友達は、ミジンコ君しかいません。こうやって素直にお話できる相手も…。 葉っぱ先生:おや、細胞分裂…ミカヅキモ君、君も友達になってくれるというのですか。。。?んふふ、んふふふふ、ありがとう、ありがとう。 学先生:私もお友達になりたいのですが 葉っぱ先生:おや、いつから人間の言葉が話せるように。。。微生物に語りかけすぎておかしくなってしまったのでしょうか。。。 学先生:あはは、何を言ってるんですか。俺ですよ、俺 葉っぱ先生:人間の言葉を話すなら私とは分かり合えないかもしれません。。。 学先生:葉っぱ先生?? 葉っぱ先生:はい…?ぬわぁ!?コクセン!! 学先生:なんですかその呼び方(笑) 葉っぱ先生:国語の先生… 学先生:でもそうだなぁ。微生物がいいなら、俺もなっちゃおうかな~。「マナブキモ」とかどうです? 葉っぱ先生:…あなた、私を侮辱しに来たのですか!? 学先生:え? 葉っぱ先生:この私に微生物しか友達がいないとでも!? 学先生:さっきそう言って… 葉っぱ先生:ふーーん!人気ランキング第一位のわりには随分とお暇なのですねぇ!最下位の私にちょっかいをかける時間があるくらいですから! 学先生:いや、先生が悲しそうに出ていくから、なんだか気になっちゃって 葉っぱ先生:さすが、第一位はお優しいんですね 学先生:葉っぱ先生。さっきは助かりました 葉っぱ先生:はい? 学先生:先生が質問してくれなかったら、きっと地獄みたいな空気になってましたよ 葉っぱ先生:おっしゃっていることがよく分かりません 学先生:生徒たちに問いかけても誰も手を挙げて発言しようとしなかったですから。 学先生:ああいう時って、俺、何のために授業やってんだろうってネガティブになっちゃうんで。助かりました。 葉っぱ先生:はあ。そうなのですね 学先生:葉っぱ先生みたいに、問題に対して疑問を持つことってとっても大事なことだと思うんですよね。 学先生:最近の生徒たちは、自分の答えがあってればそれでいいなんて思ってるでしょうから。それだと、成長しないんです。 学先生:だから、納得できるまで先生みたいに情熱的に意見してくれないと。 葉っぱ先生:私は別に。いつも通りにふるまっただけですが 学先生:あはは、そこが凄いって言ってるんですよ。 学先生:宮沢賢治も言っています。「無意識から溢れるものでなければ、多くは無力か詐欺である」と 葉っぱ先生:は、はぁ。 学先生:あと、先生頭いいんですね。トマトの話とか、アフリカ象のこととか、勉強になったなぁ。さすが理科の先生だ 葉っぱ先生:な、なんですか気持ちの悪い。それは専門分野だから…ってどうしてあなたにそんなこと… 学先生:あれ、俺友達になりたいって言いましたよね 葉っぱ先生:え、えええ 学先生:はい、友情の握手 葉っぱ先生:や、やめてくださいぃぃいいい!!あなたのような眩しい人は初めてだ!葉っぱ、光合成しちゃうよぉ!! 学先生:何を言ってるんですか(笑) 葉っぱ先生:眩しいよぉ。。。青いリトマス紙が赤色になっちゃうぅ。。。! 学先生:ん?よく分かんねぇけど、赤色になっちゃえ! 葉っぱ先生:はわぁっ。。。! 学先生:こんなしょうもないもんつくる暇があったら、勉強しろってんだ。 葉っぱ先生:それは、学級新聞…! 学先生:廊下は走っちゃダメですよ。慌てて走ったら、落としたことにさえ気付けませんからね 葉っぱ先生:か、返して… 学先生:はい、ビリビリの刑です。 学先生:ランキングとか、優劣とか、くだらねぇっすよ。 葉っぱ先生:学先生… 学先生:人の気持ち考えろよって、これつくったやつ呼び出して俺が怒っときましたから。 葉っぱ先生:どうして、そんな、私のために…。 学先生:ああ俺、こういうの大嫌いなんすよねぇ 葉っぱ先生:笑顔が、怖いぃ… 学先生:ん? 葉っぱ先生:わ、私は気にしてないので、大丈夫ですよ? 学先生:俺、それも言いましたよね?登場人物の気持ちに正解はあるんですよって 葉っぱ先生:登場人物だなんで。まるで私が物語のいちキャラクターであるかのような言い方を 学先生:どうでしょう 葉っぱ先生:私はこの通り生きてますから 学先生:そうです、俺たちは生きてるんです。だからなおさら理解されたい 葉っぱ先生:え? 学先生:キーワードの前後には大抵、そこに込められた思いが隠されているんです。文章問題を解くときの鉄則ですよ 葉っぱ先生:なんだか、国語の先生みたいだ。 学先生:ええ、国語の先生です。 葉っぱ先生:そうですよね…私ったらなんだか当たり前のことを… 学先生:素直になっていいんですよ。それが難しかったら、俺の前だけでも 葉っぱ先生:…っ!! 学先生:ん? 葉っぱ先生:えっと、ええっと、午後からとてつもない酸性雨が降るようなので、溶けないうちに帰りましょうかねぇ~あわわ 学先生:葉っぱ先生? 葉っぱ先生:私は忙しいので、これにて失礼致します…っ!! 学先生:あ。 葉っぱ先生:ぶーーん!! 学先生:もう。廊下は走っちゃダメだぞー! 葉っぱ先生:慣性の法則に従う私は、誰にも止められませーん! 学先生:なんのこっちゃ。 学先生:でもまぁ、楽しそうだからいっか。 葉っぱ先生:ぶーーーーーん!!!!!♪ 0: 学先生:まだまだ俺たちの授業は始まったばかり。つづく

0:とある学校の職員室 0:理科の葉っぱ先生がテストの採点をしている 葉っぱ先生:「先生の授業が分かりやすいおかげで、今まで苦手だった化学式が好きになりました!」 葉っぱ先生:ん~素晴らしい、あなたは100点です 葉っぱ先生:「先生のような素敵な恩師に出会えて良かった!」 葉っぱ先生:ん~にじゅうまる。あなたも100点です 葉っぱ先生:「葉っぱ先生大好き!」 葉っぱ先生:んーふふふふふふふふふふふふふふ!はなまる、はなまる、にじゅうはなまる!あなたは150点ですよ!!! 豊先生:あの…葉っぱ先生…、もう少し静かに採点できませんか…? 葉っぱ先生:これはこれは図画工作の豊(ゆたか)先生。こんにちはぁ~ 豊先生:はい…、こんにちは…。 葉っぱ先生:私の採点がうるさかったですか? 豊先生:はい…。 葉っぱ先生:いえね、私のテストの答案用紙には、授業の感想を書く自由記述欄を設けているのですが… 葉っぱ先生:可愛い生徒たちが愛と熱量のある言葉で私をチヤホヤするものですから、私のエタノールは沸騰不可欠でしてぇ。。。! 豊先生:はあ。なんでもいいですけどお静かに。お願いしますね…。 葉っぱ先生:はいぃ、以後気を付けますぅ~。(相変わらずジメジメと暗い先生ですねぇ。塩をかけてやったら小さくなるんじゃないでしょうか) 豊先生:では、私は次の授業の準備をしないといけないので… 0:豊先生が立ち上がった時、一枚の紙がおちる 葉っぱ先生:おや。何か落としましたよ豊先生 豊先生:ああ、すみません…。ありがとうございます… 葉っぱ先生:これは…?? 豊先生:うちのクラスの生徒がつくった学級新聞ですよ… 葉っぱ先生:ほぉ~学級新聞 豊先生:ええ、修学旅行の思い出とか…。好きな給食ランキングとか…。なかなか面白いですよ…。 葉っぱ先生:どれどれ…。おや、本当ですねぇ。 葉っぱ先生:ん。これは!!「好きな先生ランキング」!!なんて面白そうな!! 豊先生:ああ、えっと…。やっぱりやめた方がいいかも…。葉っぱ先生、私は次の授業に… 葉っぱ先生:んふふふ、そんなに私の人気ぶりが妬ましいですかぁ?? 豊先生:そ、そうじゃなくて… 葉っぱ先生:ええい、貸しなさい!! 豊先生:あ~れ~…。 葉っぱ先生:どれどれ~。おや、「第3位、図工の豊先生」 豊先生:…ど、どうも。 葉っぱ先生:やるじゃないですかぁ~!こんな根暗、てっきり最下位かと 豊先生:失礼ですよ…。 葉っぱ先生:「第2位、保健の華(はな)先生」 豊先生:ああ、男子生徒からの票がすごい…。 葉っぱ先生:「第1位、国語の学(まなぶ)先生」 豊先生:やっぱり。学先生、圧倒的ですよね…。 葉っぱ先生:え? 豊先生:爽やかだし、かっこいいし、頭いいし、まぁ…当然の結果ですかね… 葉っぱ先生:国語?ん。国語…? 豊先生:葉っぱ先生…? 葉っぱ先生:あれれれれ、見間違えたかなぁ、おかしいなぁ。。。 豊先生:だから見ないほうがいいって言ったのに… 葉っぱ先生:豊くん、なんかこの新聞おかしいの。。。僕の名前が見当たらないの。。。 豊先生:動揺しすぎてキャラぶれしてますよ… 葉っぱ先生:どうして!!!!!! 豊先生:私に言われても… 葉っぱ先生:「大好き」という文字で溢れたこの答案用紙の数々!!見てください!!これは幻ですか!?こんなに慕われている私を差し置いて、どうしてあいつなんかが!! 豊先生:あいつって…。まぁ…それは… 葉っぱ先生:「第1位、理科の葉っぱ先生」!! 豊先生:勝手に改ざんしないでください… 葉っぱ先生:どうしてーー!!! 華先生:葉っぱっち~、職員室の外まで聞こえてるよー。ちょっと静かに… 華先生:って、豊っちも!え~一緒にいるなんてめずらし~ 豊先生:保健の華先生…。なんてタイミングの悪い… 華先生:2人で何見てんのさ~?およよぉ~学級新聞~からの好きな先生ランキング~ 華先生:あは!あたし2位じゃ~ん、すご~! 華先生:で、え、、葉っぱっち最下位?うける~ 葉っぱ先生:さ、ささささいかい… 華先生:「まじキモイ」「実験オタク」「いつも一人で笑ってる」「不審者」 葉っぱ先生:…っ! 華先生:あは!めっちゃ言われてんじゃん! 葉っぱ先生:私が、きも…い、だと…??? 華先生:あ、でもちゃんといい意見もあるよ…! 葉っぱ先生:いい意見…!! 華先生:「テストはちょろくて好き」 葉っぱ先生:…っ!!! 豊先生:華先生…もうやめてあげてください… 葉っぱ先生:ぬおおおおおおおおおおおおお!!!!!!! 豊先生:あー…、走ってどっか行っちゃった… 葉っぱ先生:結局はスタイルか!!第二位のバカヤローー!!! 華先生:廊下は走んなよ~~! 0:ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 0:廊下 葉っぱ先生:ぬおおおおおおおん! 葉っぱ先生:ふぅ。ここか。あの忌々しい国語の学先生が授業をしているクラスは 葉っぱ先生:ガラガラガラ。授業中失礼しますよぉ。 学先生:おや葉っぱ先生、どうかしましたか? 葉っぱ先生:学校一人気の学先生の授業がどんなものなのか、気になったので見学をしに来たのですよぉ。 学先生:け、見学ですか? 葉っぱ先生:はいぃ。(人気の理由なんて、どうせ賄賂か何かに決まっているのです。) 葉っぱ先生:ささ、私のことは無視していただいて結構ですので、授業を続けて下さいなぁ 学先生:は、はぁ。先に言って下されば、お席も準備できたのに… 葉っぱ先生:ああ、そういう気遣いとかいいんで。続けて下さい 学先生:そ、そうですか。では… 学先生:テストの解説を続けるぞー 学先生:「きっちゃんはお母さんにサラダをつくってあげることにしました」とあるが、その理由として正しいものを選べ。 学先生:これは先生、授業で散々言ったよなぁ?答えはAだ。間違えたやつは反省するように。 生徒たち:…。 学先生:じゃあどうしてAか、わかるやつ発表してくれー 生徒たち:…。 学先生:うーん。先生、そんな難しいことは言ってないんだがなぁ 葉っぱ先生:(誰も手を上げないとは。むふふ。ここは私が問題の不備を指摘して、いっちょ先生の威厳を落としてやりましょうかね。) 葉っぱ先生:はい!学先生、それは本当にAなのでしょうかぁ。 学先生:ん、葉っぱ先生 葉っぱ先生:きっちゃんさんがつくるサラダが何サラダかにもよりますが、トマトを使用しているのであればリコピンが豊富。 葉っぱ先生:紫外線によるお肌へのダメージが抑制できるので、お召しになるお母様も喜ばれるかと。 葉っぱ先生:ですので、答えはAではなく、Dの食生活を見直すため、になるかと!! 学先生:食生活…。まぁ、先生のおっしゃることも正しいんでしょうが、 学先生:この問題文で聞かれている「きっちゃんがサラダをつくろうと思った動機」に当てはまるものはAになります。 葉っぱ先生:動機…。人の感情なんて、細胞が細胞分裂をするようにコロコロ変わるものでしょう。 葉っぱ先生:ましてや、「きっちゃん」さんの…他人の本当の気持ちなんて私たちにはわかりっこありません。 葉っぱ先生:その上で本当にAが正解だと…? 学先生:きっちゃんの感情は作者が描いたものですから、正解があるんです。 葉っぱ先生:なんと…!物語に出てくる登場人物の感情には正解がある、と! 学先生:ええ 葉っぱ先生:これはたまげましたよぉ。それは、マグニチュード6の震源地が正確に算出できる技術ということかもしれません。 葉っぱ先生:はたまた三角フラスコがどうして三角なのかということ。三角錐フラスコではダメなのか。四角ではダメなのか。リービッヒ冷却器で代用可能か 葉っぱ先生:全ての元素が化学式で表すことができるに等しく、それはまさに!正解があると!そういうことなのですね!? 学先生:え、えっと、よく分かりませんが、そうなんじゃないでしょうか。。。 葉っぱ先生:すごい。。。!!それは凄すぎます。。。!! 学先生:(んー、適当に返事しちゃったけど、嬉しそうだからまぁいっか) 葉っぱ先生:では、次の設問は!?このお話に登場するアフリカ象の冬眠期間!不可解な点があるんです、問題文では… 学先生:あ、あの、葉っぱ先生。続きは職員室でいかがでしょう。。。 葉っぱ先生:自惚れないでちょうだい!!好きな先生ランキング第一位だからって私を追い出さそうとして!! 学先生:ラ、ランキング? 葉っぱ先生:もういいです!どうせ私は最下位ですものね!最下位ですものねぇえええ!!ふーーーん! 学先生:何があったか知りませんが、先生、落ち着いて。面倒くさい彼女みたいになってますから 葉っぱ先生:ぶーーーん! 学先生:あぁ、行ってしまわれた。。。 葉っぱ先生:等速直線運動で走る私は、誰にも止められませーーん!! 学先生:廊下は走っちゃダメですよー! 0: 0:キーンコーンカーンコーン 0: 0:生物第二準備室 葉っぱ先生:はぁ。私の可愛いミジンコ君。聞いて下さい。 葉っぱ先生:先ほど、我がライバルである学先生の授業を見学に行ったのですよぉ。 葉っぱ先生:そしたらなんだか私が余計な質問ばかりしてしまったようで、生徒たちに睨まれるわ、先生を困らせてしまうわで、結局追い出されてしまいましたぁ。 葉っぱ先生:結局私は何がしたかったのでしょうねぇ。 葉っぱ先生:私の友達は、ミジンコ君しかいません。こうやって素直にお話できる相手も…。 葉っぱ先生:おや、細胞分裂…ミカヅキモ君、君も友達になってくれるというのですか。。。?んふふ、んふふふふ、ありがとう、ありがとう。 学先生:私もお友達になりたいのですが 葉っぱ先生:おや、いつから人間の言葉が話せるように。。。微生物に語りかけすぎておかしくなってしまったのでしょうか。。。 学先生:あはは、何を言ってるんですか。俺ですよ、俺 葉っぱ先生:人間の言葉を話すなら私とは分かり合えないかもしれません。。。 学先生:葉っぱ先生?? 葉っぱ先生:はい…?ぬわぁ!?コクセン!! 学先生:なんですかその呼び方(笑) 葉っぱ先生:国語の先生… 学先生:でもそうだなぁ。微生物がいいなら、俺もなっちゃおうかな~。「マナブキモ」とかどうです? 葉っぱ先生:…あなた、私を侮辱しに来たのですか!? 学先生:え? 葉っぱ先生:この私に微生物しか友達がいないとでも!? 学先生:さっきそう言って… 葉っぱ先生:ふーーん!人気ランキング第一位のわりには随分とお暇なのですねぇ!最下位の私にちょっかいをかける時間があるくらいですから! 学先生:いや、先生が悲しそうに出ていくから、なんだか気になっちゃって 葉っぱ先生:さすが、第一位はお優しいんですね 学先生:葉っぱ先生。さっきは助かりました 葉っぱ先生:はい? 学先生:先生が質問してくれなかったら、きっと地獄みたいな空気になってましたよ 葉っぱ先生:おっしゃっていることがよく分かりません 学先生:生徒たちに問いかけても誰も手を挙げて発言しようとしなかったですから。 学先生:ああいう時って、俺、何のために授業やってんだろうってネガティブになっちゃうんで。助かりました。 葉っぱ先生:はあ。そうなのですね 学先生:葉っぱ先生みたいに、問題に対して疑問を持つことってとっても大事なことだと思うんですよね。 学先生:最近の生徒たちは、自分の答えがあってればそれでいいなんて思ってるでしょうから。それだと、成長しないんです。 学先生:だから、納得できるまで先生みたいに情熱的に意見してくれないと。 葉っぱ先生:私は別に。いつも通りにふるまっただけですが 学先生:あはは、そこが凄いって言ってるんですよ。 学先生:宮沢賢治も言っています。「無意識から溢れるものでなければ、多くは無力か詐欺である」と 葉っぱ先生:は、はぁ。 学先生:あと、先生頭いいんですね。トマトの話とか、アフリカ象のこととか、勉強になったなぁ。さすが理科の先生だ 葉っぱ先生:な、なんですか気持ちの悪い。それは専門分野だから…ってどうしてあなたにそんなこと… 学先生:あれ、俺友達になりたいって言いましたよね 葉っぱ先生:え、えええ 学先生:はい、友情の握手 葉っぱ先生:や、やめてくださいぃぃいいい!!あなたのような眩しい人は初めてだ!葉っぱ、光合成しちゃうよぉ!! 学先生:何を言ってるんですか(笑) 葉っぱ先生:眩しいよぉ。。。青いリトマス紙が赤色になっちゃうぅ。。。! 学先生:ん?よく分かんねぇけど、赤色になっちゃえ! 葉っぱ先生:はわぁっ。。。! 学先生:こんなしょうもないもんつくる暇があったら、勉強しろってんだ。 葉っぱ先生:それは、学級新聞…! 学先生:廊下は走っちゃダメですよ。慌てて走ったら、落としたことにさえ気付けませんからね 葉っぱ先生:か、返して… 学先生:はい、ビリビリの刑です。 学先生:ランキングとか、優劣とか、くだらねぇっすよ。 葉っぱ先生:学先生… 学先生:人の気持ち考えろよって、これつくったやつ呼び出して俺が怒っときましたから。 葉っぱ先生:どうして、そんな、私のために…。 学先生:ああ俺、こういうの大嫌いなんすよねぇ 葉っぱ先生:笑顔が、怖いぃ… 学先生:ん? 葉っぱ先生:わ、私は気にしてないので、大丈夫ですよ? 学先生:俺、それも言いましたよね?登場人物の気持ちに正解はあるんですよって 葉っぱ先生:登場人物だなんで。まるで私が物語のいちキャラクターであるかのような言い方を 学先生:どうでしょう 葉っぱ先生:私はこの通り生きてますから 学先生:そうです、俺たちは生きてるんです。だからなおさら理解されたい 葉っぱ先生:え? 学先生:キーワードの前後には大抵、そこに込められた思いが隠されているんです。文章問題を解くときの鉄則ですよ 葉っぱ先生:なんだか、国語の先生みたいだ。 学先生:ええ、国語の先生です。 葉っぱ先生:そうですよね…私ったらなんだか当たり前のことを… 学先生:素直になっていいんですよ。それが難しかったら、俺の前だけでも 葉っぱ先生:…っ!! 学先生:ん? 葉っぱ先生:えっと、ええっと、午後からとてつもない酸性雨が降るようなので、溶けないうちに帰りましょうかねぇ~あわわ 学先生:葉っぱ先生? 葉っぱ先生:私は忙しいので、これにて失礼致します…っ!! 学先生:あ。 葉っぱ先生:ぶーーん!! 学先生:もう。廊下は走っちゃダメだぞー! 葉っぱ先生:慣性の法則に従う私は、誰にも止められませーん! 学先生:なんのこっちゃ。 学先生:でもまぁ、楽しそうだからいっか。 葉っぱ先生:ぶーーーーーん!!!!!♪ 0: 学先生:まだまだ俺たちの授業は始まったばかり。つづく