台本概要

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タイトル 翔と風香
作者名 冷凍みかん-光柑-  (@mikanchilled)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 男女サシ台本です。ご自由になさってください。名前をお借りしたお二方、本当にありがとうございます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
38 大学生。面倒くさがりだが、思いやりに溢れる
風香 37 クールできっぱりとした性格。たまに見せるユーモアが可愛らしい
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
翔:〈M〉10月10日、季節はすっかり秋だ。というか妙に肌寒く、先日「はんてん」をおろした。赤地に白黒のチェックというこの「ねんねこ」は、風香が高校生の時に僕にプレゼントしてくれたのだ 翔:〈M〉普段から僕も風香もこもりがちなので、休みはもっぱら家で過ごすのだが、今日はなにやら様子がおかしい 風香:外に、出かけます 翔:〈M〉出かける準備をした風香が部屋の入口に仁王立ちしていた 風香:翔、車を出しなさい 翔:〈M〉女王のごとくきっぱりと命令する彼女。それをコタツから眺める僕 風香:さあ準備をしなさい 翔:風香、買い出しは平日の夜に済ませてある。今夜は鍋にするって決めただろ 風香:私がこの寒い日に、駅前のデパートへ日々の食材を買いに行くわけないじゃない。そんなの翔が行ってよね 翔:言い切るところ間違ってるぞ。それで、今日は何を買いに行くんだ? 風香:うさぎを買います 翔:なんだって? 風香:正確には、リアルなうさぎの置物が欲しいのよ。 翔:妙なものを増やしたくないんだが 風香:大丈夫。リアルと言っても、貯金箱のように実用的なモノでもかまわないし、ピーターラビットのように服を着ていてもかまわない 翔:写真で我慢するという案はないのか 風香:ありえないわ。今日を半袖で出かけるのと同じくらいにありえない 翔:そもそも出かけたくないんだがな 風香:そんなこと言ってるとデブになるわよ 翔:急に辛辣な言葉を吐くなっ! 風香:ああ違った。出不精(でぶしょう)になるわよ、この筆不精(ふでぶしょう)さん 0:文通しないのにさも怠惰であるかのような罵倒は 0:此の際いいとして。 翔:それで、うさぎの置物を買ってどうするんだ 風香:置きます 翔:〈M〉風香が僕の背中に覆いかぶさる 風香:翔の肩に、置きます。ウフフ 翔:うーん、、僕はここから離れたくないな 風香:なんでよ?私とのお出かけに不満はないでしょう 翔:お昼を食べたから、眠い 風香:昼だって寝かさないわよ 翔:ひど過ぎる、、僕は関係の改善を要求する 風香:却下よ 翔:はいはい、そうですか 風香:まったく。意地でも行かないというのね 翔:うーん 風香:、、もう知らないわ 翔:〈M〉不意に風香が立ち上がる 風香:あばよ 翔:あ、風香さん?おい、どこ行くんだよ 風香:一人でホームセンターいくもん 翔:いくもんって、、わかったよ、車出すから 風香:フフフ、最初から大人しく従っていればよかったのよ。早く行きましょう。時間は有限よ 翔:〈M〉ホームセンターに着くと、入り口で大福を売っていた 翔:風香、大福だ 風香:あなたってすぐ横道にそれるのね。だめよ。今日はうさぎの置物だから 翔:ほんとに買うの? 風香:目星はつけてるの 翔:〈M〉ホームセンターは月末に向けたハロウィン仕様になっていて、園芸コーナーにもカボチャのランタンだの、角をはやしたドワーフだのが並んでいる 風香:うさぎはどこかしら。なんてね 翔:〈M〉森のように茂る、観葉植物らの間をさまよう風香は 風香:アリスみたい? 翔:ハートの女王みたいだ 風香:はねるわよ、首を 翔:〈M〉僕ののどぼとけに人差し指を突き立てる風香 翔:ごくり、、 風香:いま唾を飲み込んだでしょ。のどの動きってどうしてこんなにも愛おしいのかしら 翔:わからないよ、考えたこともない 風香:フフフ、 翔:〈M〉風香の人差し指が僕の下アゴ、唇、鼻先へと跳ねる 風香:ぴょんぴょん、ぴょん。 翔:〈M〉彼女のイタズラっぽい表情を見ていると、なにもかもどうでもよくなる 風香:また飲み込んだ。ちょっとくらい我慢してみたら 翔:、、っ!いいから、さっさと、うさぎを買うよ 風香:ノリノリね 翔:はやく家に帰りたいだけだ 風香:そうね、早く家に帰りましょう 翔:〈M〉会計を済ませ、丁寧にラッピングされたうさぎの置物を抱える風香 風香:さきに車で待っていて。私はよるところがあるから 翔:〈M〉エンジンをかけ、風香を待つ 翔:〈M〉帰ったら鍋の準備をしなきゃ。ご飯は、2合でいいだろう 風香:おまたせ 翔:風香、夕飯のことなんだけど 風香:口をあけて 翔:は? 風香:えい 翔:あが、、!? 風香:その大福は報酬よ 翔:〈M〉大福をこぼさないようモグモグしている僕は、多分相当まぬけな顔をしているだろう 風香:いつもありがとう、翔 翔:〈M〉彼女の凛とした顔に、ふんわりとした笑みが浮かぶ 0:ー終ー

翔:〈M〉10月10日、季節はすっかり秋だ。というか妙に肌寒く、先日「はんてん」をおろした。赤地に白黒のチェックというこの「ねんねこ」は、風香が高校生の時に僕にプレゼントしてくれたのだ 翔:〈M〉普段から僕も風香もこもりがちなので、休みはもっぱら家で過ごすのだが、今日はなにやら様子がおかしい 風香:外に、出かけます 翔:〈M〉出かける準備をした風香が部屋の入口に仁王立ちしていた 風香:翔、車を出しなさい 翔:〈M〉女王のごとくきっぱりと命令する彼女。それをコタツから眺める僕 風香:さあ準備をしなさい 翔:風香、買い出しは平日の夜に済ませてある。今夜は鍋にするって決めただろ 風香:私がこの寒い日に、駅前のデパートへ日々の食材を買いに行くわけないじゃない。そんなの翔が行ってよね 翔:言い切るところ間違ってるぞ。それで、今日は何を買いに行くんだ? 風香:うさぎを買います 翔:なんだって? 風香:正確には、リアルなうさぎの置物が欲しいのよ。 翔:妙なものを増やしたくないんだが 風香:大丈夫。リアルと言っても、貯金箱のように実用的なモノでもかまわないし、ピーターラビットのように服を着ていてもかまわない 翔:写真で我慢するという案はないのか 風香:ありえないわ。今日を半袖で出かけるのと同じくらいにありえない 翔:そもそも出かけたくないんだがな 風香:そんなこと言ってるとデブになるわよ 翔:急に辛辣な言葉を吐くなっ! 風香:ああ違った。出不精(でぶしょう)になるわよ、この筆不精(ふでぶしょう)さん 0:文通しないのにさも怠惰であるかのような罵倒は 0:此の際いいとして。 翔:それで、うさぎの置物を買ってどうするんだ 風香:置きます 翔:〈M〉風香が僕の背中に覆いかぶさる 風香:翔の肩に、置きます。ウフフ 翔:うーん、、僕はここから離れたくないな 風香:なんでよ?私とのお出かけに不満はないでしょう 翔:お昼を食べたから、眠い 風香:昼だって寝かさないわよ 翔:ひど過ぎる、、僕は関係の改善を要求する 風香:却下よ 翔:はいはい、そうですか 風香:まったく。意地でも行かないというのね 翔:うーん 風香:、、もう知らないわ 翔:〈M〉不意に風香が立ち上がる 風香:あばよ 翔:あ、風香さん?おい、どこ行くんだよ 風香:一人でホームセンターいくもん 翔:いくもんって、、わかったよ、車出すから 風香:フフフ、最初から大人しく従っていればよかったのよ。早く行きましょう。時間は有限よ 翔:〈M〉ホームセンターに着くと、入り口で大福を売っていた 翔:風香、大福だ 風香:あなたってすぐ横道にそれるのね。だめよ。今日はうさぎの置物だから 翔:ほんとに買うの? 風香:目星はつけてるの 翔:〈M〉ホームセンターは月末に向けたハロウィン仕様になっていて、園芸コーナーにもカボチャのランタンだの、角をはやしたドワーフだのが並んでいる 風香:うさぎはどこかしら。なんてね 翔:〈M〉森のように茂る、観葉植物らの間をさまよう風香は 風香:アリスみたい? 翔:ハートの女王みたいだ 風香:はねるわよ、首を 翔:〈M〉僕ののどぼとけに人差し指を突き立てる風香 翔:ごくり、、 風香:いま唾を飲み込んだでしょ。のどの動きってどうしてこんなにも愛おしいのかしら 翔:わからないよ、考えたこともない 風香:フフフ、 翔:〈M〉風香の人差し指が僕の下アゴ、唇、鼻先へと跳ねる 風香:ぴょんぴょん、ぴょん。 翔:〈M〉彼女のイタズラっぽい表情を見ていると、なにもかもどうでもよくなる 風香:また飲み込んだ。ちょっとくらい我慢してみたら 翔:、、っ!いいから、さっさと、うさぎを買うよ 風香:ノリノリね 翔:はやく家に帰りたいだけだ 風香:そうね、早く家に帰りましょう 翔:〈M〉会計を済ませ、丁寧にラッピングされたうさぎの置物を抱える風香 風香:さきに車で待っていて。私はよるところがあるから 翔:〈M〉エンジンをかけ、風香を待つ 翔:〈M〉帰ったら鍋の準備をしなきゃ。ご飯は、2合でいいだろう 風香:おまたせ 翔:風香、夕飯のことなんだけど 風香:口をあけて 翔:は? 風香:えい 翔:あが、、!? 風香:その大福は報酬よ 翔:〈M〉大福をこぼさないようモグモグしている僕は、多分相当まぬけな顔をしているだろう 風香:いつもありがとう、翔 翔:〈M〉彼女の凛とした顔に、ふんわりとした笑みが浮かぶ 0:ー終ー