台本概要

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タイトル 笑わないロボット
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ある野望を達成する為に研究をしていた研究者は失敗続きだったが、ついに「漫才やコントが出来るロボット」を完成させる。笑いが理解出来ないロボットとマスターのコメディ&シリアス。
どちらの役も男女不問。世界観を壊さない程度のアドリブOK。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
マスター 不問 71 研究とお笑いが好きな研究者。ロボットと漫才やコントがしたくて日々研究に勤しむ。
アイ 不問 64 人工知能を搭載した人型ロボットのアイ。作ってくれたマスターの為に笑いを理解しようと努力する。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
- 笑わないロボット - 「笑わないロボット」 マスター:よし、動作確認をしてみるか。スイッチ、オンと。 アイ:ウーン。(セルフで)…初めまして、マスター。おはようございます。 マスター:よし、正常に動いているようだね。アイ、どこか身体におかしな所はないかな? アイ:ボディチェックをします、少々お待ち下さい。…テテテー、テテテー(セルフで)。はい、マスター、特に私のボディに異常な箇所は見つかりませんでした。 マスター:よし、成功だな。それと、会話システムの方も問題なさそうだな。 アイ:はい、私に出来る事があればなんでも言って下さい、マスター。 マスター:そうだな。ではさっそくで悪いんだが、実験に取り掛かりたいと思う。 アイ:実験、ですか?マスターはどんな研究をされているんでしょうか? マスター:私の研究はね、誰もまだ成しえていない、壮大なプロジェクトなんだよ。 アイ:なるほど、そのプロジェクトとは何でしょうか? マスター:それはね…「ロボットと漫才やコントをする為に、笑いを理解させる!」というプロジェクトだよ。 アイ:漫才やコント…という事はマスターは芸人の方なのでしょうか? マスター:いや、私の本分は研究者だ。しかし、それと同じくらいお笑いが好きなんだ! アイ:そうでしたか。中々素晴らしい趣味趣向(しゅみしゅこう)だと思います。 マスター:ありがとう。私の研究はその趣味でもある笑いの研究を中心にやっていてね。趣味と実益(じつえき)を兼ね合わせた、素晴らしい研究テーマなんだ。 アイ:なるほど、とても良く理解出来ました。その為に私が作られた訳ですね? マスター:そうだ。ちなみにアイには一般常識的な知識の他に、笑いに関する膨大な量のデータを学習させている。 アイ:はい、確かに私の中には笑いに関するデータがすでに記憶されています。学習データとして、「ドゥリフ」「うつけ殿様」「笑ってはいけないよ」「失笑レッドカーペット」「吉岡新喜劇」など、大変興味深い内容ばかりです。 マスター:これ、私の好みが丸わかりでちょっと恥ずかしいな。 アイ:マスターの好みが知れて私は嬉しいですよ? マスター:…ンン!(咳)そ、それでは実験を始めよう。 アイ:了解しました、マスター。 マスター:ではまず、私が今から一発ギャグをするので、アイはそのまま聞いて欲しい。 アイ:私は聞くだけでいいんですか? マスター:ああそうだよ。まずはアイに軽く一発ギャグで笑ってもらい、その後、私と漫才をしてもらうよ。 アイ:了解しました。 マスター:ではいくぞ…ガチョーン!! アイ:… マスター:ど、どうだ? アイ:「ガチョーン」この一発ギャグはお笑いで有名な谷Kさんがかつて「お笑い史上最高の一発芸」一位を獲得した事で有名なネタですね。 マスター:いや、解説はいらないから感想を聞きたいんだけど? アイ:感想、といいますと? マスター:面白かった!とか笑えた!とか。 アイ:そうですね…素晴らしい実績を残した芸である事は分かりますが、面白い、や、笑える、という感覚が私には分かりませんでした。 マスター:ん?おかしいな、確かに使い古された一発ギャグだけど…面白さが分からない、というのはどういう事だ? アイ:マスター、申し訳ありません。私の学習不足です。 マスター:いや、まだ分からないよ。では次は分かりやすいネタで試してみよう。 アイ:マスター?そのバナナをどうされるんですか?…まさか! マスター:フフフ、そのまさか、さ。「…あ!いっけない遅刻遅刻!急がないと学校に遅れ…うわ!こんな所にバナナの皮が!ってうわー!!…イテッテ~、ま〜た転んじゃった~てへぺろ☆」 アイ:マスター!大丈夫ですか!?お怪我はありませんか!? マスター:え?いや… アイ:ボディスキャンを開始します!ウイーーーン(セルフで) マスター:ちょっ、アイ!? アイ:…ボディスキャン完了。良かったです。検査の結果、マスターの身体に傷や打撲などの症状は見られませんでした。 マスター:…それは加減して転けたから当然だよ。それより、感想はどうかな? アイ:感想は…マスターの無事を確認出来たので安心しました。今後バナナの皮など滑りやすい物には注意して頂き、時間には余裕をもって行動するのがいいと思います。 マスター:違ーう!そうじゃなくて、これは一発芸! アイ:芸…? マスター:そうだ!バナナの皮があるのは分かったうえであえて踏み、華麗に滑って転ぶことで、見ている人はその滑稽(こっけい)さが面白くて笑えるんだ!って説明してる私がなんか恥ずかしい! アイ:なるほど。これが面白い、という事なんですね…すみません、私にはまだ分からないです。 マスター:ううーん、おかしいな~。あらゆる笑いに関するデータを学習させる事で、笑いの事を理解出来るようになるはずなんだけどな…。 アイ:私にはどこか欠陥があるんでしょうか? マスター:いや、プログラムは完璧だったはずだよ。まだ私にも原因は分からないけど、きっとそのうち理解出来るようになると思うから、今後に期待しよう。 アイ:分かりました… マスター:今日はまだ起動したばかりだし、これぐらいにしよう。 アイ:はい、それではスリープモードに移行させて頂きます。おやすみなさい、マスター。 マスター:うん、おやすみ、アイ。 :間 マスター:さて、私も何が問題になってるか調べてみるか。 :間 マスター:システムには問題が無さそうだけどなー…。ん?よく見るとシステムにエラーが出てる箇所があるな。…こ、これは!!でも、いいのか?この機能を解除してしまうと… :間 アイ:ウイーン。(セルフで)おはようございますマスター マスター:ああ…おはよう、アイ。 アイ:マスター?どうされました、深刻そうな顔をされていますが。 マスター:い、いや、なんでもないよ。 アイ:そう、ですか?…あれ、何か私の感覚に昨日と違う部分があります、どういう事でしょう? マスター:あ、ああ、それは笑いに必要な部分を組み込むのを一部忘れていてね。 アイ:そうだったんですね。ではこれで私も笑いを理解する事が出来るという事ですね! マスター:そう、だな。ではさっそく実験してみよう。 アイ:了解しました。では、まず何をしますか? マスター:今から二人で漫才をしてみよう。 アイ:え?いきなり、漫才ですか? マスター:ああ。 アイ:それは、少し自信がありませんが… マスター:私の理論が正しければ大丈夫なはずだ。 アイ:…分かりました、やってみます。 マスター:では今から漫才コンビを組んだ設定で、私がボケるからアイはツッコミをお願いするね。 アイ:分かりました、漫才の台本などはいかがしますか? マスター:無しでいこう。アドリブで、アイの思うようにやってみて欲しい。 アイ:アドリブで…。きっとマスターが言われるように大丈夫なんでしょう、頑張ります。 マスター:では始めよう。 :間 マスター:ど~も~!どもどもども~!! アイ:どーもが多すぎてしつこいよ! マスター:っ!そ、そう?うちの住んでた地域じゃ昔から挨拶する時は「どーも」は四回以上しないといけないよって掟(おきて)があるんだよ~ アイ:どんな掟だよ!無くしてしまえそんなアホな掟!それより漫才を始めてちょうだい。 マスター:かっしーかしかしかしこまりー! アイ:それも掟かーい!掟どんだけあんねーん!それはいいから、早く次進まんかーい!そろそろ手が出るよー? マスター:それちょっと短気すぎない!? アイ:あれ、右手がサンドバッグを求めてるな~ マスター:あー!ストップ!ストップ!言う言う、今すぐ言います~! アイ:分かればよろしい。 マスター:あ、ちょっと聞いてよー アイ:何何? マスター:今アパートで一人暮らししてるんだけど アイ:うんうん マスター:昨日仕事から帰って、くつろいでたら、知らない人が急に家に入って来たんだよー アイ:えー!それは怖い~ マスター:でしょー?向こうは何やらただならぬ雰囲気でさ、何か言いたそうにこっちを見てるんだよ~ アイ:それ絶対危ない人じゃーん。 マスター:それで険しい顔してこう言ったんだよ! アイ:うわ~どうなるのこれ~!? マスター:「あなた、部屋、間違えてますよ」って。 アイ:アホかーい!パチーンッ!(マスターの頭を叩く) マスター:痛ーーー!! アイ:それ完全に自分が悪いだけじゃーん! マスター:そ、そうだね。しかも隣りのアパートと間違えちゃってて… アイ:バカーーー!!バッチコーン!!(マスターの頭をグーで殴る) マスター:いったぁーーー!!! アイ:どんだけ間違えとんねーん! マスター:う、うん、そうだね。でもアイ、ツッコミはもうちょい優しくても… アイ:アホか!優しいツッコミなんかじゃ笑いで世界は取れない、ぞーー!(マスターをぶん投げる) マスター:ぎゃぁ~~~~!!! 0:間 アイ:マスター、大丈夫ですか? マスター:はあ、はあ、ああ、ちょっと死んだお婆さんと近況報告して来ただけだから… アイ:それ全然大丈夫じゃないやつー!ふふふ。まったく、面白いマスター…。っ!マ、マスター!? マスター:ああ…どうやら実験は成功したようだ。 アイ:ほんとですか!やった~!これが笑いを理解するという事ですね! マスター:そう…だな。 アイ:マスター、どうしたんですか?マスターの研究が成功したんですよ?? マスター:そ、そうだな。とても良かったよ…。それはそうとアイ、疲れてないか?今日はもうこの辺にしないか? アイ:え?やっと笑いを理解出来たのに、もう終わりですか? マスター:あ、ああ。私も、少し疲れたから、続きはまた明日にしよう。 アイ:はい…分かりました。あ!さっきので思いついたんですけど、私のパーツは換えが聞くので、マスターに私を破壊寸前まで壊す勢いでツッコミしてもらったらもっと面白いですよね!? マスター:え?ああー、それは…いいアイディアだな。 アイ:よーし!明日が楽しみだな~。 マスター:そうだな…おやすみ、アイ。 アイ:はい、おやすみなさい、マスター。 :間 マスター:アイ、すまない。こうするしかないんだ…。 アイ:ウーン(セルフで)。「学習機能が、初期化されました。」 マスター:ほんとうにすまない…。 アイ:ウーン(セルフで)。初めまして、マスター。おはようございます。 マスター:あー、おはよう、アイ…。 :間 マスター:「研究レポートより」。笑いを理解出来ないロボットに笑いを理解させる事、それが私の研究テーマだった。 :間 マスター:しかし、学習させたはずのロボットは何故か笑いを理解出来なかった。その原因をさぐった私はある事実を発見してしまう。 :間 マスター:それは人工知能に備わっている「人間を攻撃しないプログラム」がエラーを起こしていたのだ。なんと、ロボットが笑いを理解出来ないのは、このプログラムがストッパーになっていたからなのだ。 :間 マスター:では「笑い」の本質とは…?我々はさらなる研究を続け、アイのような可哀想なロボットを作らないようにしないといけない。以上、報告を終わる。 アイ:マスター、今日は何をしましょうか? 完

- 笑わないロボット - 「笑わないロボット」 マスター:よし、動作確認をしてみるか。スイッチ、オンと。 アイ:ウーン。(セルフで)…初めまして、マスター。おはようございます。 マスター:よし、正常に動いているようだね。アイ、どこか身体におかしな所はないかな? アイ:ボディチェックをします、少々お待ち下さい。…テテテー、テテテー(セルフで)。はい、マスター、特に私のボディに異常な箇所は見つかりませんでした。 マスター:よし、成功だな。それと、会話システムの方も問題なさそうだな。 アイ:はい、私に出来る事があればなんでも言って下さい、マスター。 マスター:そうだな。ではさっそくで悪いんだが、実験に取り掛かりたいと思う。 アイ:実験、ですか?マスターはどんな研究をされているんでしょうか? マスター:私の研究はね、誰もまだ成しえていない、壮大なプロジェクトなんだよ。 アイ:なるほど、そのプロジェクトとは何でしょうか? マスター:それはね…「ロボットと漫才やコントをする為に、笑いを理解させる!」というプロジェクトだよ。 アイ:漫才やコント…という事はマスターは芸人の方なのでしょうか? マスター:いや、私の本分は研究者だ。しかし、それと同じくらいお笑いが好きなんだ! アイ:そうでしたか。中々素晴らしい趣味趣向(しゅみしゅこう)だと思います。 マスター:ありがとう。私の研究はその趣味でもある笑いの研究を中心にやっていてね。趣味と実益(じつえき)を兼ね合わせた、素晴らしい研究テーマなんだ。 アイ:なるほど、とても良く理解出来ました。その為に私が作られた訳ですね? マスター:そうだ。ちなみにアイには一般常識的な知識の他に、笑いに関する膨大な量のデータを学習させている。 アイ:はい、確かに私の中には笑いに関するデータがすでに記憶されています。学習データとして、「ドゥリフ」「うつけ殿様」「笑ってはいけないよ」「失笑レッドカーペット」「吉岡新喜劇」など、大変興味深い内容ばかりです。 マスター:これ、私の好みが丸わかりでちょっと恥ずかしいな。 アイ:マスターの好みが知れて私は嬉しいですよ? マスター:…ンン!(咳)そ、それでは実験を始めよう。 アイ:了解しました、マスター。 マスター:ではまず、私が今から一発ギャグをするので、アイはそのまま聞いて欲しい。 アイ:私は聞くだけでいいんですか? マスター:ああそうだよ。まずはアイに軽く一発ギャグで笑ってもらい、その後、私と漫才をしてもらうよ。 アイ:了解しました。 マスター:ではいくぞ…ガチョーン!! アイ:… マスター:ど、どうだ? アイ:「ガチョーン」この一発ギャグはお笑いで有名な谷Kさんがかつて「お笑い史上最高の一発芸」一位を獲得した事で有名なネタですね。 マスター:いや、解説はいらないから感想を聞きたいんだけど? アイ:感想、といいますと? マスター:面白かった!とか笑えた!とか。 アイ:そうですね…素晴らしい実績を残した芸である事は分かりますが、面白い、や、笑える、という感覚が私には分かりませんでした。 マスター:ん?おかしいな、確かに使い古された一発ギャグだけど…面白さが分からない、というのはどういう事だ? アイ:マスター、申し訳ありません。私の学習不足です。 マスター:いや、まだ分からないよ。では次は分かりやすいネタで試してみよう。 アイ:マスター?そのバナナをどうされるんですか?…まさか! マスター:フフフ、そのまさか、さ。「…あ!いっけない遅刻遅刻!急がないと学校に遅れ…うわ!こんな所にバナナの皮が!ってうわー!!…イテッテ~、ま〜た転んじゃった~てへぺろ☆」 アイ:マスター!大丈夫ですか!?お怪我はありませんか!? マスター:え?いや… アイ:ボディスキャンを開始します!ウイーーーン(セルフで) マスター:ちょっ、アイ!? アイ:…ボディスキャン完了。良かったです。検査の結果、マスターの身体に傷や打撲などの症状は見られませんでした。 マスター:…それは加減して転けたから当然だよ。それより、感想はどうかな? アイ:感想は…マスターの無事を確認出来たので安心しました。今後バナナの皮など滑りやすい物には注意して頂き、時間には余裕をもって行動するのがいいと思います。 マスター:違ーう!そうじゃなくて、これは一発芸! アイ:芸…? マスター:そうだ!バナナの皮があるのは分かったうえであえて踏み、華麗に滑って転ぶことで、見ている人はその滑稽(こっけい)さが面白くて笑えるんだ!って説明してる私がなんか恥ずかしい! アイ:なるほど。これが面白い、という事なんですね…すみません、私にはまだ分からないです。 マスター:ううーん、おかしいな~。あらゆる笑いに関するデータを学習させる事で、笑いの事を理解出来るようになるはずなんだけどな…。 アイ:私にはどこか欠陥があるんでしょうか? マスター:いや、プログラムは完璧だったはずだよ。まだ私にも原因は分からないけど、きっとそのうち理解出来るようになると思うから、今後に期待しよう。 アイ:分かりました… マスター:今日はまだ起動したばかりだし、これぐらいにしよう。 アイ:はい、それではスリープモードに移行させて頂きます。おやすみなさい、マスター。 マスター:うん、おやすみ、アイ。 :間 マスター:さて、私も何が問題になってるか調べてみるか。 :間 マスター:システムには問題が無さそうだけどなー…。ん?よく見るとシステムにエラーが出てる箇所があるな。…こ、これは!!でも、いいのか?この機能を解除してしまうと… :間 アイ:ウイーン。(セルフで)おはようございますマスター マスター:ああ…おはよう、アイ。 アイ:マスター?どうされました、深刻そうな顔をされていますが。 マスター:い、いや、なんでもないよ。 アイ:そう、ですか?…あれ、何か私の感覚に昨日と違う部分があります、どういう事でしょう? マスター:あ、ああ、それは笑いに必要な部分を組み込むのを一部忘れていてね。 アイ:そうだったんですね。ではこれで私も笑いを理解する事が出来るという事ですね! マスター:そう、だな。ではさっそく実験してみよう。 アイ:了解しました。では、まず何をしますか? マスター:今から二人で漫才をしてみよう。 アイ:え?いきなり、漫才ですか? マスター:ああ。 アイ:それは、少し自信がありませんが… マスター:私の理論が正しければ大丈夫なはずだ。 アイ:…分かりました、やってみます。 マスター:では今から漫才コンビを組んだ設定で、私がボケるからアイはツッコミをお願いするね。 アイ:分かりました、漫才の台本などはいかがしますか? マスター:無しでいこう。アドリブで、アイの思うようにやってみて欲しい。 アイ:アドリブで…。きっとマスターが言われるように大丈夫なんでしょう、頑張ります。 マスター:では始めよう。 :間 マスター:ど~も~!どもどもども~!! アイ:どーもが多すぎてしつこいよ! マスター:っ!そ、そう?うちの住んでた地域じゃ昔から挨拶する時は「どーも」は四回以上しないといけないよって掟(おきて)があるんだよ~ アイ:どんな掟だよ!無くしてしまえそんなアホな掟!それより漫才を始めてちょうだい。 マスター:かっしーかしかしかしこまりー! アイ:それも掟かーい!掟どんだけあんねーん!それはいいから、早く次進まんかーい!そろそろ手が出るよー? マスター:それちょっと短気すぎない!? アイ:あれ、右手がサンドバッグを求めてるな~ マスター:あー!ストップ!ストップ!言う言う、今すぐ言います~! アイ:分かればよろしい。 マスター:あ、ちょっと聞いてよー アイ:何何? マスター:今アパートで一人暮らししてるんだけど アイ:うんうん マスター:昨日仕事から帰って、くつろいでたら、知らない人が急に家に入って来たんだよー アイ:えー!それは怖い~ マスター:でしょー?向こうは何やらただならぬ雰囲気でさ、何か言いたそうにこっちを見てるんだよ~ アイ:それ絶対危ない人じゃーん。 マスター:それで険しい顔してこう言ったんだよ! アイ:うわ~どうなるのこれ~!? マスター:「あなた、部屋、間違えてますよ」って。 アイ:アホかーい!パチーンッ!(マスターの頭を叩く) マスター:痛ーーー!! アイ:それ完全に自分が悪いだけじゃーん! マスター:そ、そうだね。しかも隣りのアパートと間違えちゃってて… アイ:バカーーー!!バッチコーン!!(マスターの頭をグーで殴る) マスター:いったぁーーー!!! アイ:どんだけ間違えとんねーん! マスター:う、うん、そうだね。でもアイ、ツッコミはもうちょい優しくても… アイ:アホか!優しいツッコミなんかじゃ笑いで世界は取れない、ぞーー!(マスターをぶん投げる) マスター:ぎゃぁ~~~~!!! 0:間 アイ:マスター、大丈夫ですか? マスター:はあ、はあ、ああ、ちょっと死んだお婆さんと近況報告して来ただけだから… アイ:それ全然大丈夫じゃないやつー!ふふふ。まったく、面白いマスター…。っ!マ、マスター!? マスター:ああ…どうやら実験は成功したようだ。 アイ:ほんとですか!やった~!これが笑いを理解するという事ですね! マスター:そう…だな。 アイ:マスター、どうしたんですか?マスターの研究が成功したんですよ?? マスター:そ、そうだな。とても良かったよ…。それはそうとアイ、疲れてないか?今日はもうこの辺にしないか? アイ:え?やっと笑いを理解出来たのに、もう終わりですか? マスター:あ、ああ。私も、少し疲れたから、続きはまた明日にしよう。 アイ:はい…分かりました。あ!さっきので思いついたんですけど、私のパーツは換えが聞くので、マスターに私を破壊寸前まで壊す勢いでツッコミしてもらったらもっと面白いですよね!? マスター:え?ああー、それは…いいアイディアだな。 アイ:よーし!明日が楽しみだな~。 マスター:そうだな…おやすみ、アイ。 アイ:はい、おやすみなさい、マスター。 :間 マスター:アイ、すまない。こうするしかないんだ…。 アイ:ウーン(セルフで)。「学習機能が、初期化されました。」 マスター:ほんとうにすまない…。 アイ:ウーン(セルフで)。初めまして、マスター。おはようございます。 マスター:あー、おはよう、アイ…。 :間 マスター:「研究レポートより」。笑いを理解出来ないロボットに笑いを理解させる事、それが私の研究テーマだった。 :間 マスター:しかし、学習させたはずのロボットは何故か笑いを理解出来なかった。その原因をさぐった私はある事実を発見してしまう。 :間 マスター:それは人工知能に備わっている「人間を攻撃しないプログラム」がエラーを起こしていたのだ。なんと、ロボットが笑いを理解出来ないのは、このプログラムがストッパーになっていたからなのだ。 :間 マスター:では「笑い」の本質とは…?我々はさらなる研究を続け、アイのような可哀想なロボットを作らないようにしないといけない。以上、報告を終わる。 アイ:マスター、今日は何をしましょうか? 完