台本概要
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タイトル | WRITER × WRITER 第2話:売れたいが熟れない |
---|---|
作者名 | 電【動自転】車男 |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
性別変更、一人称変更、語尾変更有りの約30分台本です
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
作家 | 不問 | 217 | 原稿を仕上げない作家 やる気を出さない事には全力を出す |
編集者 | 不問 | 218 | 作家の担当編集者 この努力がいつか報われるといいですね 作家からは土橋(どばし)君と呼ばれているが本名は土橋(どばし) |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:作家の部屋に入室する編集者、部屋の中で座椅子をひっくり返して寝ているフリをしてる作家を発見する
編集者:先生おはようございまーす…って寝てるし
作家:Zzz……
0:作家の顔を覗き込む編集者
編集者:……はぁ…いつもはうるさいけど先生だって黙っていれば、とでも言うと思いましたか?
作家:なんだい?何も言ってくれないのかい?
編集者:言いませんよ寝てるフリでしょう?
作家:あら、バレた?
編集者:バレバレですよ…だってゼットゼットゼットって言ってるだけですからね
作家:やっぱり?
編集者:やっぱりです
作家:あ、ところで土橋君、私の1文字目の大文字のゼットと小文字のゼットの発音の違いに気付いてくれたかい?あそこ結構こだわっていたんだけど
編集者:そうなんですか…全然気が付かなったですよ…。なんですか大文字と小文字の違いって、全部同じに聞こえましたよ
作家:ちなみに全角の発音だよ?
編集者:えぇ…半角の発音もあるんですか
作家:ないよ?
編集者:でしょうね
作家:えぇ…そこはいつもみたいに「そうなんですか?」とか乗ってきてくれたまえよ
編集者:嫌ですよ
作家:なぜだい?
編集者:何故でしょうね…胸に手を当ててよく考えて下さい
作家:えぇ…うん………はい。
0:編集者の胸を触る作家
編集者:っ…!?ちょっと何するんですか!
作家:見たら分かるだろう土橋君?もちろん仕事だよ
編集者:もちろん仕事はしてないですよ、してるのはただのセクハラですよ。
作家:え?君って女の子だっけ?
編集者:先生が女の子かも知れませんよ?
作家:セクハラって同性でも成立するのかい?
編集者:質問に質問で返さないで下さいよ
作家:先に質問返しをしたのは土橋君だよ?
編集者:……。
作家:無視をしないでくれよ土橋君〜寂しいのだよぉ
編集者:あ、すみません、返す言葉がなかったのでもういいのかと
作家:良くないよ…暇なんだよ〜会話しようよ〜お話しを紡ごうよ
編集者:暇じゃないですよ先生、仕事してくださいよ、作家なんですからお話を紡ぐだけやっていて下さいよ
作家:はぁ…やだなぁ…
編集者:やだなぁってアンタ
作家:なんかね…土橋君
編集者:なんですか?
作家:胸を触る仕事がしたい
編集者:ああ、乳しぼり体験のスタッフとかですか?
作家:えー牛は嫌なのだよ
0:興味無さそうにする、そっけない編集者
編集者:ああそうですか
作家:私は…君がいいのだよ。土橋君?
編集者:なんかカッコつけてますけど、つまりまた私のを触るって事ですよね?
作家:私の一番になってくれないかい?
編集者:そんな一番は嫌です
作家:お乳を出した子は一等賞だよ?
編集者:嫌ですよ…そんな不名誉な。なんか昔の歌っぽいですし
0:キメる作家
作家:君しか……いないのだよ
編集者:間を溜めますねぇ…
作家:頼むよ土橋君…他の子には全て断られてしまって後がないのだよ
編集者:じゃあ消去法じゃないですか!?君しかいないってそういう意味ですか!
作家:嘘はついていないだろう?
編集者:まぁそうですけど
作家:私は誠実な作家だからね
編集者:誠実は作家は作家業をしっかりやってると思うんですけど、原稿はいつ頃に出来るんですか?
作家:うーん、教会の式場で誓いのキスをした1時間後かな
編集者:長っ…先生に合う結婚相手から探さなきゃじゃないですかぁ!
作家:あぁ、探すのは大丈夫、既に見つけてはいるから
編集者:そうなんですか、どんな人なんですか?
作家:何故君に言わなければいけないのかね?恥ずかしいよ
編集者:先生の恋路をお手伝いする為です。こうでもしないと原稿書いてくれないじゃないですか
作家:え、君この話本気で信じているのかい?
編集者:えぇもう、少しでも希望があるなら全力でサポートしますよ…なんでも
作家:なんでも?なんでもかい!じゃあ君が代わりに書いてくれてまえよ
編集者:だからゴーストライターにはならないんですって!それよりもその相手を教えてくださいよ!
作家:なんでも?
編集者:なんでも!
作家:分かったよその子はね…女の子
編集者:でしょうね、よく聞くパターンです。
作家:…か、どうかは分からないんだよ
編集者:女の子じゃないんですか?
作家:だって連れションした事ないから
編集者:はぁ…私の時もそうでしたが、何故あなたの中には性別を確認する方法が連れションしかないんですか!
作家:この前のは土橋君から言い始めたんじゃないか
編集者:そうでしたっけ?
作家:そうだとも私が便座を温めてあげたのだよ?
編集者:おっさんの温もり…
作家:誰がオッサンだ、失礼だな土橋君
編集者:じゃあバッサンのぬくもり…
作家:バッサンってなんだい、オッサンの対義語かい?
編集者:オッサンの対義語だい
作家:オッサンの対義語なのかい…
編集者:はい
作家:あのさあんまり関係ない話してもいい?
編集者:ダメです
作家:甘いの反対ってなんなんだろうね
編集者:ダメって言ったのに…
作家:辛いものを食べた後に甘い物で舌を癒すとか聞いた事があるのだよ
編集者:はぁ
作家:苦い物に…例えばコーヒーだな?、にシュガーを入れて味を調節したり
編集者:はぁ
作家:でも酸っぱい物には甘さが足りないし甘酸っぱいなんて言葉もある
編集者:はぁ
作家:なんだねさっきからはぁはぁはぁはぁ、へぇ理屈かい!?
編集者:まだ何も言ってないじゃないですか
作家:それはもう言っているようなものだよ土橋君?…そしてキッチン、キッチンにある砂糖の隣にしまってある白い粒はなんだね?
編集者:まぁ…塩ですね
作家:だろう?しょっぱいのだよ土橋君、話が早くて助かるよありがとう
編集者:どういたしまして、今は空気読まずにケチをつけたい機嫌ではなかったので
作家:そうかい、とにかくだ甘いの反対側が分からないんだよ
編集者:なんですかね、甘くないでいいんじゃないですかね
作家:そんなちょっと考えれば出てくる様な答えなら私も思っているのだよ土橋君
編集者:チッ…じゃあちゃんと考えましょうか
作家:おや…やっぱり舌打ちかい?
編集者:咀嚼音です
作家:絶対嘘なのだよ?
編集者:今流行りの咀嚼のASMRです
作家:あー…今は飯をクチャクチャと食べるのが流行りなのかい?
編集者:そうなんじゃないですか?知りませんが、
作家:どっちなんだい…
編集者:そんな事より
作家:そんな事って土橋君…
編集者:ちゃんと考えますよ
作家:何を?甘いの対義語?
編集者:はい、離婚の対義語です
作家:なんだい、ビックバンの事か
編集者:森羅万象の対義語を出さないでくださいよ、で結局先生の気になる人って誰なんですか?
作家:それはね…お前だー!
編集者:…怖い話のオチですか?
作家:お前を食べる為だよー!
編集者:もしかしなくても、狼ですか?
作家:そうだよ土橋君、男は皆狼なのさ…気をつけたまえよ?
編集者:こっちは真剣なんです、真面目にやって下さいよ先生
0:イヤそうに返事をする作家
作家:はぁ〜〜〜い
編集者:ハイは1回!
作家:?、え、1回だよね?
編集者:はい
作家:え?じゃあなんで怒ったの?
編集者:言いがかりってご存じですか?
作家:知ってるよ、今の君だね?
編集者:はい、これ趣味なんです
作家:なんて悪趣味だい…
編集者:ストレス発散になるんですよ
作家:酷い人だねぇドバッサン
編集者:誰がドバッサンですか
作家:いいじゃないか、土橋君だからドバッサン…実にピッタリな名前だ、君の名付け親に感謝しなければならないね
編集者:いや、私の両親もドバッサンなんですが…
作家:それはそうと私の気になる人は…
編集者:自分から話せるんじゃないですか
作家:意外とこういうものは人に聞いて欲しかったりするものなのだよ
編集者:恥ずかしがらずに最初から教えて下さいよ
作家:物事には順序があるのだよ土橋君、恥ずかしさに慣れてからじゃないと話す気には慣れないよだよ
編集者:そうでしたか…あ、続けて下さい
作家:あー!どうしようかなー!無料版はここまでにしよーかなー!
編集者:ちょっ…思いつきでビジネスを始めないでください
作家:まぁ、冗談はここからにして
編集者:今までのはなんだったんですか、もうこれっきりにしてくださいよ
作家:え…これっきりって…。辞めないでくれたまえよ土橋君ー!給料は今まで通り払うからぁー!
編集者:それ普通じゃないですか、何も変わってないし、1歩も譲歩してないし…そこは何かを釣りあげてくださいよ
作家:え、首をかい?
編集者:なんで文豪はすぐ括りたがるのか…
作家:そこにハングマンノットがあるからさ
編集者:それ、紐の結び方ですよね?そもそもその言葉は人工物には使わない言葉なんですよ。
作家:で、あれば何を釣りあげれば良いんだい?
編集者:じゃあヒントです、私は原稿を上げない作家のせいで安月給です。ロクに物を食べれてません。…さぁ、言葉を扱う作家ならこれで筆者の、もとい私の気持ちが理解できますよね?
作家:すまない、ら抜き言葉が気になって話が入ってこなかった
編集者:言葉の扱い方の方向性が思っていたのと違う!…と言いたいところですが、ら抜き言葉したの最後だけですよね?前半まるっと聞いてなかったんですか?
作家:実は私は34文字以上の文章を見聞きすると脳がショートしてしまうのだよ
編集者:じゃあ作家向いてないし、ら抜き言葉は34文字以降の事だよコラ
作家:オラつく君も可愛いねぇ
編集者:うるさいですよ
作家:ふっ…冗談だ、土橋君私には何を釣りあげれば良いか分かったよ
編集者:そうですか
作家:ズバリ…マグロだな?
編集者:え…先生…全然違います
作家:違うのかい!?
編集者:はい
作家:だってロクに物が食べれてないと
編集者:先生も、ら抜き言葉じゃないですか
作家:なあに君のセリフの再現さ…。それに実は私は、ら抜き言葉を気にした事がないのだよ
編集者:でしょうね、いつも適当だからですよね
作家:違うよ土橋君、私は作家じゃないからだよ。
編集者:作家ですよ。ちゃんと作家の自覚を持ってくださいよ…あと、あまり食べれてないとはいえマグロは日持ちしないので頼みませんよ
作家:この世には冷蔵庫という便利な家具があるのをご存知なあい?
編集者:もちろんご存知の上で言ってますよ。それにマグロ欲しかったら欲しいって言いますから、釣り上げて欲しいとは言いませんから
作家:そうかい…残念だよ。じゃあマグロは無しという事で
編集者:はい
作家:今まで通りよろしくお願いします
編集者:いや、オイオイオイ
作家:いや、なになになに?
編集者:なに?じゃないですよ、何も変わってないじゃないですか、ノーアップデートですよ
作家:あぁ、私とデートしたいのかね?
編集者:言ってませんよそんな事
作家:仕方ない…マグロの代わりに肩もみ券をあげよう
編集者:いらないですよ、そんな子供のプレゼントみたいな物は
作家:ならばオトナのプレゼントらしく乳揉み券にしよう
編集者:どっちかと言うとそれ私から先生へのプレゼントじゃないですか?
作家:ふーむ土橋君は文句ばかり何も無くとも、もみ合いになるねぇ…
編集者:一体誰のせいだと…
作家:…分かったこうしよう、交渉的にこうしよう、土橋君には私と一日ベッタリできる券をあげよう
0:徐々に先生の顔に近づく編集者
編集者:いらないですよ。そんなもの無くても先生が逃げないようにベッタリと張り付いて見てますからねぇ…!
作家:ちょっ…ちょっとやめてくれたまい…近い。あー、わかったよ。降参だ。教えてくれないか?君が釣り上げて欲しい物はなんだい?
編集者:降参って…別にクイズじゃないんですけどねぇ。だから、私の釣り上げて欲しい物は
0:釣り上げての「て」の辺りから食い気味に入る作家
作家:あぁ、最初から何となく気づいていたが嫌だから給料とは言わんでくれよ?
0:一息で言い切る編集者
編集者:ヤダよ給料だよ分かってたんじゃねーかコノヤロウ金を出せ
作家:怖いよ強盗かい土橋君…?それならばマグロを大金で売ればいいじゃないか
編集者:ツテがねーんですよ
作家:それに給料は君の会社から出るから私とはなんの関係もないのだよ
編集者:そんなん初めから知っとるわ、アンタから給料なんて一度たりとも貰ってねーんですからねぇ…!
作家:なんだい分っていたんじゃないかコノヤロウ金を出せ
編集者:テメェのせいで安月給なのにそこから更に金を取る気かオイ?
作家:土橋君…怒りすぎて口調が二転三転してるよ…?
編集者:まぁ、わざとですがね
作家:あぁ、やっぱりそうかい
編集者:さて、そろそろ聞きましょうか。先生の気になる人
作家:そういえばそんな話題もあったねぇ。
編集者:どんな人なんですか?身長とか
作家:身長は…君くらいかな
編集者:へぇ…私くらいなんですか
作家:体重も君くらいだ
編集者:ちょっと先生、女性に体重の話はNGOですよ?
作家:なんだね、女性に体重の話は非政府組織って
編集者:NGOはノー、グッドだよ、オッサン。の略です
作家:誰がオッサンだ、それに君は女性なのかね?
編集者:さぁ…?
作家:さぁって君…
編集者:信じるか信じないかは先生次第です
作家:何を?何を信じればいいんだい?
編集者:まぁまぁ…で、その人はどんな髪型なんですか?
作家:なんだろうね…君みたいな髪型だよ
編集者:なんかもうさっきから適当に答えてません?
作家:ふふん…どうだろうねぇ?信じるか信じないかは君次第だよ…土橋君?
編集者:あぁ、そうですか…。では内面について聞きますね。どんな性格ですか?
作家:うーん、全体的に怒りっぽい感じだねぇ
編集者:怒りっぽい…なるほど
作家:まぁそこも可愛いんだけどもね
編集者:あー、ご馳走様です
作家:別に食べてないよ!?
編集者:いや、性的な…ヤラシイ方じゃなくて
作家:あぁ、そういう事かい、だとしても食べていないよ。人の肉は日持ちしないからね
編集者:分かってないじゃないですか。食糧的ではなくて…あぁもう分かりませんかねぇ、ノロケとかを聞いた時にご馳走様って言うじゃないですか
作家:あぁ、そういう意味の方かね
編集者:それに日持ちするかしないかって…判断基準がマグロと一緒じゃないですか
作家:いやぁ、マグロかどうかは分からないよ?まだ食べてないからね
編集者:ですからヤラシイ方じゃないんですよ
作家:ところで土橋君…官能小説はラブストーリーの究極点だとは思わないかい?
編集者:究極過ぎます、究極過ぎますとも、で、内面の話は?
作家:ふぅん…内面と言われても…あと思いつくのは、せっかちさんって事くらいかねぇ
編集者:へぇ、…その人はせっかちで怒りっぽいんですね
作家:そうだねぇ…「早くして下さいよ!」が口癖だしねぇ
編集者:口癖を知っているって事は割と近い関係性なんですね、カフェかなんかの店員を一方的に好きになっているのかと思いましたよ
作家:店員の口癖くらいなら、そのカフェに通ってたらそのうち分かる気もするが…だいたいそんな感じだよ?
編集者:確かにカフェの店員はあまり早くしろなんて言いませんもんねぇ。何を早くして欲しいんでしょう…
作家:さぁね、原稿か何かじゃないかな
編集者:なんか先生と一緒ですね
作家:他にも名前も間違えられる度に「土橋です」と、言ってたなぁ
編集者:え?
作家:そんでもって決めセリフが「私の両親もドバッサンなんですが」かな
編集者:…そ…れは、もしかしなくても私じゃないですか!
作家:その通りだよ土橋クン
編集者:何が怒りっぽくてせっかちですか!先生が原稿出さないのが悪いんですよ!
作家:えぇ…なんだいせっかちな…はい、原稿
編集者:用紙だけじゃなくて物語を書き込んだ原稿用紙が欲しんですよ
作家:と、言われてもなぁ
編集者:あんまり書かないと先生が寝てる間にこっそり冷蔵庫の食べ物パクっちゃいますよ?パクって、パクパクしちゃいますよ?
作家:なんだいパクパクするって咀嚼音でも録音するのかい?
編集者:いえ、さっきの話とは全く関係ありませんよ?
作家:なるほど…土橋君の「ど」は泥棒の「ど」なのかい…
編集者:このまま行くと…ですけどね
作家:そんな悲しい事言わんでくれたまえよぉ
編集者:ですから食うもんがないんですって!そんなに言うなら原稿上げて私の給料も上げて下さいよ!
作家:えぇ無理だよお土橋くぅん…それにもう盗まれてるし…
編集者:まだ何も盗んでないですよ
作家:いいや!盗んでるさ…恋泥棒が私の心をね…!
0:1文字ずつややゆっくりとした発音
編集者:…はやく原稿書きなさいよ
作家:アレ…決まったと思ったのだけれど…
編集者:決まってないですよ…それにこの家なんにもないんですもん、ある価値のありそうなものはこの白紙の原稿用紙の山くらいですよ。盗んでも意味が無いです
作家:おや、原稿用紙を盗むという事は恋泥棒が代わりに書いてくれるということかい?仕事泥棒〜
編集者:誰が恋泥棒だ、それにゴーストライターはしないんですって
作家:うん…まぁ、君が書いた原稿の原稿料は私に振り込まれるのだかね
編集者:アンタが1番の給料泥棒だよ…あ、そういえば
作家:なんだね恋泥棒君
編集者:土橋です、全く関係ない話なんですが、なんで先生は私に合鍵をくれたのですか?
作家:だって私の担当だし、頻繁に家に来るだろう?
編集者:別にピンポンでもいいじゃないですか
作家:いやぁ、ピンポンの度に鍵を開けに玄関まで行くのが面倒でねぇ
編集者:そんな理由で…?もしかしたら本当に泥棒するタイプの手癖の悪い編集かもしれないんですよ?そういうベビーシッターやお手伝いさんのニュース見たことありますよ?
作家:大丈夫さ、私の持ってるマスターキーが家の中に無いと君の持ってるサブキーは使えないらしいからね
編集者:そういえばそんな設定ありましたね
作家:設定と言われるとなんだかキャラクター原案というか、なりきりの人みたいな気もするが…
編集者:ちゃんと分かってますよ、セキュリティの業者にカギの機械を取り付けて貰った時に初期設定もお願いしたんですよね?
作家:そうなのだよ、ほとんど業者任せだったから私はやり方をよく知らないのだが、今思うと面倒くさがらずサブキーのみでも開けられるようにしておけば良かったよ
編集者:先生小さい物とか、よく失くしますもんね
作家:それもそうだが…君が何時でも入れるようにだよ?
編集者:おや、それですとやはり私が悪い編集だったらどうするんですか
作家:大丈夫だよ、君は多分泥棒しないから
編集者:その根拠は?
作家:私が君を信じてるからでは、ダメかな?
編集者:……キマってるじゃないですか。
作家:え?何がだい?
編集者:なんでもないです
作家:え?キマってた?カッコよかったかい?
編集者:もう、なんでもないですから、ほら!シナリオ書きますよ!せっかく調子出てきたんですから
作家:そうだねぇ、今日は色々と盛り上がっているから今回の話はエロ路線で行こう!大筋はセクハラ系の流れで…
編集者:ちょ、ちょ…早速ドクターストップなんですけど
作家:人がせっかくやる気を出した所を悪いと思っている担当編集の土橋君。一体なんだい?
編集者:そんなに思ってないですよ。確かに先生がやる気を出すのは珍しい事なので、少し悪いなとは思ってますが。とはいえセクハラ系は今キビシイんですよ、色々とコンプライアンスとかで
作家:えぇ…じゃあ同性で行くよ。同性ならセクハラにならんだろう?
編集者:それが同性でもセクハラになったり、そもそも同性うんぬんがディープでモノによっては炎上しやすいんですよ
作家:もろちん炎上は嫌だねぇ…ところでマッチポンプとエッチポンプって似てるとは思わないか?
編集者:は、話を聞いて欲しいんスけど…
作家:はて、何かね?
編集者:なんか今、こっちの業界の性の問題そのものが色々変わってきてまして…性自認ってご存知ですか?
作家:ん…あ、ゴメン…今の話ちょっと聞いていたよ
編集者:ぉお…聞いてるんじゃないですか、てっきり聞き逃したのかと思いましたよ
作家:性自認については私も知ってはいるが、我々も結構あやふやじゃないかね?
編集者:まぁその辺は色々あるという事で…
作家:うぅん
編集者:との事なので遠慮がちな表現と言いますか…そんな感じでお願いします
作家:なるほどね、分かった分かった、包むよオブラートに。0.1ミリとかでいい?
編集者:早速エロいじゃねーか!
作家:おやおやァン?0.1ミリから何を想像したのかな?いやーんセクハラー
編集者:うーんコノヤロウ…あのですね先生、ウチの編集社と言いますか出版社と言いますか先生が台本を送る会社としましては、18禁などの大人なアダルトコンテンツに抵触しないくらいのシナリオを求めている訳なのですよ
作家:はぁ
編集者:ですのでセクハラ系やエロ系といった成人向け以外でお願いします
作家:むしろ若い子達向け青年系の方が精力(勢力)が強いと思うよ…二つの意味で
編集者:それでいて良い感じにヒットさせて、また売れちゃってください
作家:またって…今まで売れてたみたいな
編集者:ちゃんと売れてたじゃないですか、昔。その頃の先生の書く話は面白かったんですから!だから私先生の担当になる事が出来て嬉しかったんですよ?
作家:ぉぉ…そこまで言ってくれるのは嬉しいが、それでは今の私の書く話はつまらないという風にも聞こえるが?
編集者:今は全く書いてないじゃないですか、また大きく当ててくださいよ
作家:ふーん…と、言われてもねぇ
編集者:私の給料も上がりますし
作家:って、それが目的だろう…!?
編集者:そんな事ないですよ、あくまでこれは主産物です
作家:やっぱりそれが目的じゃあないか
編集者:ですからそんな事ないですよ、私はまた先生の書くシナリオが読めたらそれだけで幸せですから
作家:本当にそれだけ?
編集者:まぁ、あとは頂くモン頂けたら…
作家:やっぱりお金なのかい
編集者:なんだかんだで生きていくのには必要ですから
作家:ふぅん…確かにそれもそうか…さて、そんな土橋君の為にもどうしたら売れるかを考えてみるとしようか
編集者:はい
作家:まずは客層を考えてみようか、土橋君その辺にある週間だか月間だか年間だか世紀間だかの名前を忘れたがシナリオ雑誌を取ってくれまいか?
編集者:何ですか世紀間って…全然発行しないじゃないですか。あと、自分が掲載されている雑誌の名前くらい覚えておいてください…あぁ、ありましたよ
作家:ありがとう…えぇっと…あった、このページを見てくれ土橋君
編集者:ああ、人気投票のページですね
作家:そう、これは昨年の人気投票の結果なのだが、上位の方を見てくれ…どう思う?
編集者:どうって…何がですか?…多分何かそれっぽい理屈を今から語りそうな気がします。そういう流れです。
作家:うん、まあそういう流れなんだけどさ。分かっているなら黙っておいてくれまいか、土橋君よ
編集者:すみませんコイツ図に乗ってんなーっていう機嫌だったのでつい
作家:なんだろうね…この感じ…これが、、涙?
編集者:なんにも流れてないっスよ
作家:ん?あ、そうかい
編集者:それで?なんなんですか?
作家:そうなんです
編集者:だから何が!?
作家:この人気投票は良いと思ったシナリオのチェックにナイスのマークをつけて投票する事ができるインターネットによる投票の物だ
編集者:そうですね。今年はハガキではなくパソコンやスマホからになりましたね
作家:ひとつのシナリオに1ナイスしか投票できないがナイスができるシナリオの数に制限はない。
編集者:はい、その通りです
作家:極端な事を言ってしまえば全てのシナリオにナイスを付けることも出来る
編集者:順位の変動は全くありませんが、そうですね
作家:さて、そのような状況下で上位の方に立てたシナリオを見ていこう…するとどうだろう、女性のみのシナリオが多いのだよ
編集者:まあ、そのような傾向はありますね
作家:そもそもココの読者は女性が多い
編集者:そうですね
作家:いわゆるT層からF1層にあたる年代だ
編集者:なんですかそれ?
作家:君、出版業界にいるんじゃないのかね…あー、これは広告やマーケティングする時などに使われる用語で、購買層を性別とか…年齢などで分けた名称になるのだよ
編集者:ふーん
作家:T層は13歳から19歳までの男女で、F1層は20歳から34歳までの女性を指すのだ
編集者:ほえー興味がなさそう
作家:自分を客観視出来る事は良い事だね、土橋君
編集者:あ、声に出してました?
作家:うん出ていたよ土橋君
編集者:すいません、故意に出してました。なんかフィックスとかアグリーとか…オポチュニティとかの説明を受けている気分でした
作家:別にカッコつけては居ないんだかねぇ…どちらかと言えば君はこちら側の職業の人間のはずなのだが…
編集者:先生、お言葉ですがひとつよろしいですか?
作家:君散々お言葉だったじゃないか…今更許可を取らんでも良いと思うよ私は
編集者:ありがとうございます。では言わせてもらいますが、私に用語を説明するのと売れる為のアイデアを出すのではどちらのプライオリティが高いかは一目瞭然だと思うのですが
作家:プライオリティ…優先順位という意味だね?
編集者:よく分かりましたね
作家:君もなんだか意識高そう系じゃないか
編集者:さっきのお返しです
作家:ふん、君もなんだかカワイイ所があるじゃないか
編集者:お可愛い先生に言われると照れますね
作家:おや、皮肉のつもりだったんだが
編集者:あら、私もそのつもりだったのですが
作家:なるほどね
編集者:はい
作家:さて話は戻るが…上を目指すには女に媚びろという訳だ
編集者:身も蓋もないですね
作家:女性向けの雑誌で男ウケを狙ってもあまり効果が見込めないからね
編集者:女性向けという程、女性向けでもないんですがね、たまたま女性が多いだけで
作家:そもそも媚びると漢字には女という文字がある、漢字の意味からも女が男の気引こうとする所があるそうだ
編集者:つまり女の気を引くシナリオがウケがいいと
作家:まぁ、大雑把に言うだがね、そしてターゲットである女の文字は、好きや嫌い、そして嫉妬などにも使われてるのだよ
編集者:漢字の話ばかり…先生は今、なにぱち先生なんでしょうか
作家:4パチ先生です
編集者:勝手にパチ屋に行かないでください
作家:土橋君そもそも女性の話をしてる時にパチンコとはどういうことかね?
編集者:お?セクハラか?
作家:…さて、つまり女性という字は主に感情を指し示す状態に象徴され、使われるという事だ。男女の脳の違いという本が昔流行った時にも同じ事が言われていたね…ちなみに男は理論らしい
編集者:意外とまともなことも言えるんですね
作家:すごい見くびられてるんだね…私は
編集者:まあまあ
作家:それと男が入る漢字はあまり知らない…が、男という漢字は田んぼの力、つまり労働力として見られている訳だ
編集者:じゃあ先生は女性かもしれませんね
作家:なぜだい?
編集者:作家として全く労働してないからです
作家:言ってくれるね土橋君…それだと君は男性になるし男女雇用機会均等法は雇用した途端に男だらけの社会になるよ
編集者:なんかそういう設定のギャグ漫画描きません?
作家:私は絵が描けないし、女性向けと言っているだろう…!
編集者:そもそも思ったんですけど、女性向けなら男性出した方が良くないですか?ほら女性向け漫画とかって基本恋愛系が多いじゃないですか、そうなると必然的に男が出てくるんですよ
作家:もちろん私もそう思ったよ、だがこれはシナリオの雑誌なのだよ。演じたいと思う読者が女性である以上、男性の登場人物を出すのは難しいのだ
編集者:なるほど…
作家:だからこその女性同士なのだ
編集者:はい?
作家:百合はいいぞ土橋君、美しい秘密の花園なのだよ
編集者:はぁ
作家:女性のみのシナリオ、それでいて恋愛系…この二つの条件を同時に満たす事が出来る
編集者:かもしれませんね、同性同士のセクハラにならなければ
作家:だから官能は究極の恋愛と言っただろう
編集者:ダメです。
作家:お願いだよ土橋君〜
編集者:上目遣いでもダメです
作家:私がやると言ったらやるんだよ、言う事を聞け
編集者:上から目線でもダメです
作家:ダメかぁ
編集者:はい、ダメです
作家:…さて、感情が乏しい君には分からないかもしれんが女性は感情ベースだ、
編集者:失礼な
作家:最近ではそんな感情を揺さぶられる事をエモいと言うらしいじゃないか
編集者:らしいですね
作家:つまり女性が女性を喜ばせる百合を書けば良いのだよ…!エモいのだよ!
編集者:リッシンベンの方の喜ばせるでなければいいんじゃないですか
作家:読者も私も土橋君も嬉しいWIN WIN WINな関係を築ける…。だから女を喜ばせると書いて…嬉しいと読むのだよ!
編集者:まさか、それが言いたい為に…!?
作家:キマったねぇ土橋君
編集者:はぁ…私はまんまと先生のカッコつけに嵌められた訳ですね
作家:ハメられたとは土橋君…エモいというよりエロいね
編集者:うるせぇよ!
作家:怖いよドバッサン
編集者:土橋ですゥーーッ!!
0:作家の部屋に入室する編集者、部屋の中で座椅子をひっくり返して寝ているフリをしてる作家を発見する
編集者:先生おはようございまーす…って寝てるし
作家:Zzz……
0:作家の顔を覗き込む編集者
編集者:……はぁ…いつもはうるさいけど先生だって黙っていれば、とでも言うと思いましたか?
作家:なんだい?何も言ってくれないのかい?
編集者:言いませんよ寝てるフリでしょう?
作家:あら、バレた?
編集者:バレバレですよ…だってゼットゼットゼットって言ってるだけですからね
作家:やっぱり?
編集者:やっぱりです
作家:あ、ところで土橋君、私の1文字目の大文字のゼットと小文字のゼットの発音の違いに気付いてくれたかい?あそこ結構こだわっていたんだけど
編集者:そうなんですか…全然気が付かなったですよ…。なんですか大文字と小文字の違いって、全部同じに聞こえましたよ
作家:ちなみに全角の発音だよ?
編集者:えぇ…半角の発音もあるんですか
作家:ないよ?
編集者:でしょうね
作家:えぇ…そこはいつもみたいに「そうなんですか?」とか乗ってきてくれたまえよ
編集者:嫌ですよ
作家:なぜだい?
編集者:何故でしょうね…胸に手を当ててよく考えて下さい
作家:えぇ…うん………はい。
0:編集者の胸を触る作家
編集者:っ…!?ちょっと何するんですか!
作家:見たら分かるだろう土橋君?もちろん仕事だよ
編集者:もちろん仕事はしてないですよ、してるのはただのセクハラですよ。
作家:え?君って女の子だっけ?
編集者:先生が女の子かも知れませんよ?
作家:セクハラって同性でも成立するのかい?
編集者:質問に質問で返さないで下さいよ
作家:先に質問返しをしたのは土橋君だよ?
編集者:……。
作家:無視をしないでくれよ土橋君〜寂しいのだよぉ
編集者:あ、すみません、返す言葉がなかったのでもういいのかと
作家:良くないよ…暇なんだよ〜会話しようよ〜お話しを紡ごうよ
編集者:暇じゃないですよ先生、仕事してくださいよ、作家なんですからお話を紡ぐだけやっていて下さいよ
作家:はぁ…やだなぁ…
編集者:やだなぁってアンタ
作家:なんかね…土橋君
編集者:なんですか?
作家:胸を触る仕事がしたい
編集者:ああ、乳しぼり体験のスタッフとかですか?
作家:えー牛は嫌なのだよ
0:興味無さそうにする、そっけない編集者
編集者:ああそうですか
作家:私は…君がいいのだよ。土橋君?
編集者:なんかカッコつけてますけど、つまりまた私のを触るって事ですよね?
作家:私の一番になってくれないかい?
編集者:そんな一番は嫌です
作家:お乳を出した子は一等賞だよ?
編集者:嫌ですよ…そんな不名誉な。なんか昔の歌っぽいですし
0:キメる作家
作家:君しか……いないのだよ
編集者:間を溜めますねぇ…
作家:頼むよ土橋君…他の子には全て断られてしまって後がないのだよ
編集者:じゃあ消去法じゃないですか!?君しかいないってそういう意味ですか!
作家:嘘はついていないだろう?
編集者:まぁそうですけど
作家:私は誠実な作家だからね
編集者:誠実は作家は作家業をしっかりやってると思うんですけど、原稿はいつ頃に出来るんですか?
作家:うーん、教会の式場で誓いのキスをした1時間後かな
編集者:長っ…先生に合う結婚相手から探さなきゃじゃないですかぁ!
作家:あぁ、探すのは大丈夫、既に見つけてはいるから
編集者:そうなんですか、どんな人なんですか?
作家:何故君に言わなければいけないのかね?恥ずかしいよ
編集者:先生の恋路をお手伝いする為です。こうでもしないと原稿書いてくれないじゃないですか
作家:え、君この話本気で信じているのかい?
編集者:えぇもう、少しでも希望があるなら全力でサポートしますよ…なんでも
作家:なんでも?なんでもかい!じゃあ君が代わりに書いてくれてまえよ
編集者:だからゴーストライターにはならないんですって!それよりもその相手を教えてくださいよ!
作家:なんでも?
編集者:なんでも!
作家:分かったよその子はね…女の子
編集者:でしょうね、よく聞くパターンです。
作家:…か、どうかは分からないんだよ
編集者:女の子じゃないんですか?
作家:だって連れションした事ないから
編集者:はぁ…私の時もそうでしたが、何故あなたの中には性別を確認する方法が連れションしかないんですか!
作家:この前のは土橋君から言い始めたんじゃないか
編集者:そうでしたっけ?
作家:そうだとも私が便座を温めてあげたのだよ?
編集者:おっさんの温もり…
作家:誰がオッサンだ、失礼だな土橋君
編集者:じゃあバッサンのぬくもり…
作家:バッサンってなんだい、オッサンの対義語かい?
編集者:オッサンの対義語だい
作家:オッサンの対義語なのかい…
編集者:はい
作家:あのさあんまり関係ない話してもいい?
編集者:ダメです
作家:甘いの反対ってなんなんだろうね
編集者:ダメって言ったのに…
作家:辛いものを食べた後に甘い物で舌を癒すとか聞いた事があるのだよ
編集者:はぁ
作家:苦い物に…例えばコーヒーだな?、にシュガーを入れて味を調節したり
編集者:はぁ
作家:でも酸っぱい物には甘さが足りないし甘酸っぱいなんて言葉もある
編集者:はぁ
作家:なんだねさっきからはぁはぁはぁはぁ、へぇ理屈かい!?
編集者:まだ何も言ってないじゃないですか
作家:それはもう言っているようなものだよ土橋君?…そしてキッチン、キッチンにある砂糖の隣にしまってある白い粒はなんだね?
編集者:まぁ…塩ですね
作家:だろう?しょっぱいのだよ土橋君、話が早くて助かるよありがとう
編集者:どういたしまして、今は空気読まずにケチをつけたい機嫌ではなかったので
作家:そうかい、とにかくだ甘いの反対側が分からないんだよ
編集者:なんですかね、甘くないでいいんじゃないですかね
作家:そんなちょっと考えれば出てくる様な答えなら私も思っているのだよ土橋君
編集者:チッ…じゃあちゃんと考えましょうか
作家:おや…やっぱり舌打ちかい?
編集者:咀嚼音です
作家:絶対嘘なのだよ?
編集者:今流行りの咀嚼のASMRです
作家:あー…今は飯をクチャクチャと食べるのが流行りなのかい?
編集者:そうなんじゃないですか?知りませんが、
作家:どっちなんだい…
編集者:そんな事より
作家:そんな事って土橋君…
編集者:ちゃんと考えますよ
作家:何を?甘いの対義語?
編集者:はい、離婚の対義語です
作家:なんだい、ビックバンの事か
編集者:森羅万象の対義語を出さないでくださいよ、で結局先生の気になる人って誰なんですか?
作家:それはね…お前だー!
編集者:…怖い話のオチですか?
作家:お前を食べる為だよー!
編集者:もしかしなくても、狼ですか?
作家:そうだよ土橋君、男は皆狼なのさ…気をつけたまえよ?
編集者:こっちは真剣なんです、真面目にやって下さいよ先生
0:イヤそうに返事をする作家
作家:はぁ〜〜〜い
編集者:ハイは1回!
作家:?、え、1回だよね?
編集者:はい
作家:え?じゃあなんで怒ったの?
編集者:言いがかりってご存じですか?
作家:知ってるよ、今の君だね?
編集者:はい、これ趣味なんです
作家:なんて悪趣味だい…
編集者:ストレス発散になるんですよ
作家:酷い人だねぇドバッサン
編集者:誰がドバッサンですか
作家:いいじゃないか、土橋君だからドバッサン…実にピッタリな名前だ、君の名付け親に感謝しなければならないね
編集者:いや、私の両親もドバッサンなんですが…
作家:それはそうと私の気になる人は…
編集者:自分から話せるんじゃないですか
作家:意外とこういうものは人に聞いて欲しかったりするものなのだよ
編集者:恥ずかしがらずに最初から教えて下さいよ
作家:物事には順序があるのだよ土橋君、恥ずかしさに慣れてからじゃないと話す気には慣れないよだよ
編集者:そうでしたか…あ、続けて下さい
作家:あー!どうしようかなー!無料版はここまでにしよーかなー!
編集者:ちょっ…思いつきでビジネスを始めないでください
作家:まぁ、冗談はここからにして
編集者:今までのはなんだったんですか、もうこれっきりにしてくださいよ
作家:え…これっきりって…。辞めないでくれたまえよ土橋君ー!給料は今まで通り払うからぁー!
編集者:それ普通じゃないですか、何も変わってないし、1歩も譲歩してないし…そこは何かを釣りあげてくださいよ
作家:え、首をかい?
編集者:なんで文豪はすぐ括りたがるのか…
作家:そこにハングマンノットがあるからさ
編集者:それ、紐の結び方ですよね?そもそもその言葉は人工物には使わない言葉なんですよ。
作家:で、あれば何を釣りあげれば良いんだい?
編集者:じゃあヒントです、私は原稿を上げない作家のせいで安月給です。ロクに物を食べれてません。…さぁ、言葉を扱う作家ならこれで筆者の、もとい私の気持ちが理解できますよね?
作家:すまない、ら抜き言葉が気になって話が入ってこなかった
編集者:言葉の扱い方の方向性が思っていたのと違う!…と言いたいところですが、ら抜き言葉したの最後だけですよね?前半まるっと聞いてなかったんですか?
作家:実は私は34文字以上の文章を見聞きすると脳がショートしてしまうのだよ
編集者:じゃあ作家向いてないし、ら抜き言葉は34文字以降の事だよコラ
作家:オラつく君も可愛いねぇ
編集者:うるさいですよ
作家:ふっ…冗談だ、土橋君私には何を釣りあげれば良いか分かったよ
編集者:そうですか
作家:ズバリ…マグロだな?
編集者:え…先生…全然違います
作家:違うのかい!?
編集者:はい
作家:だってロクに物が食べれてないと
編集者:先生も、ら抜き言葉じゃないですか
作家:なあに君のセリフの再現さ…。それに実は私は、ら抜き言葉を気にした事がないのだよ
編集者:でしょうね、いつも適当だからですよね
作家:違うよ土橋君、私は作家じゃないからだよ。
編集者:作家ですよ。ちゃんと作家の自覚を持ってくださいよ…あと、あまり食べれてないとはいえマグロは日持ちしないので頼みませんよ
作家:この世には冷蔵庫という便利な家具があるのをご存知なあい?
編集者:もちろんご存知の上で言ってますよ。それにマグロ欲しかったら欲しいって言いますから、釣り上げて欲しいとは言いませんから
作家:そうかい…残念だよ。じゃあマグロは無しという事で
編集者:はい
作家:今まで通りよろしくお願いします
編集者:いや、オイオイオイ
作家:いや、なになになに?
編集者:なに?じゃないですよ、何も変わってないじゃないですか、ノーアップデートですよ
作家:あぁ、私とデートしたいのかね?
編集者:言ってませんよそんな事
作家:仕方ない…マグロの代わりに肩もみ券をあげよう
編集者:いらないですよ、そんな子供のプレゼントみたいな物は
作家:ならばオトナのプレゼントらしく乳揉み券にしよう
編集者:どっちかと言うとそれ私から先生へのプレゼントじゃないですか?
作家:ふーむ土橋君は文句ばかり何も無くとも、もみ合いになるねぇ…
編集者:一体誰のせいだと…
作家:…分かったこうしよう、交渉的にこうしよう、土橋君には私と一日ベッタリできる券をあげよう
0:徐々に先生の顔に近づく編集者
編集者:いらないですよ。そんなもの無くても先生が逃げないようにベッタリと張り付いて見てますからねぇ…!
作家:ちょっ…ちょっとやめてくれたまい…近い。あー、わかったよ。降参だ。教えてくれないか?君が釣り上げて欲しい物はなんだい?
編集者:降参って…別にクイズじゃないんですけどねぇ。だから、私の釣り上げて欲しい物は
0:釣り上げての「て」の辺りから食い気味に入る作家
作家:あぁ、最初から何となく気づいていたが嫌だから給料とは言わんでくれよ?
0:一息で言い切る編集者
編集者:ヤダよ給料だよ分かってたんじゃねーかコノヤロウ金を出せ
作家:怖いよ強盗かい土橋君…?それならばマグロを大金で売ればいいじゃないか
編集者:ツテがねーんですよ
作家:それに給料は君の会社から出るから私とはなんの関係もないのだよ
編集者:そんなん初めから知っとるわ、アンタから給料なんて一度たりとも貰ってねーんですからねぇ…!
作家:なんだい分っていたんじゃないかコノヤロウ金を出せ
編集者:テメェのせいで安月給なのにそこから更に金を取る気かオイ?
作家:土橋君…怒りすぎて口調が二転三転してるよ…?
編集者:まぁ、わざとですがね
作家:あぁ、やっぱりそうかい
編集者:さて、そろそろ聞きましょうか。先生の気になる人
作家:そういえばそんな話題もあったねぇ。
編集者:どんな人なんですか?身長とか
作家:身長は…君くらいかな
編集者:へぇ…私くらいなんですか
作家:体重も君くらいだ
編集者:ちょっと先生、女性に体重の話はNGOですよ?
作家:なんだね、女性に体重の話は非政府組織って
編集者:NGOはノー、グッドだよ、オッサン。の略です
作家:誰がオッサンだ、それに君は女性なのかね?
編集者:さぁ…?
作家:さぁって君…
編集者:信じるか信じないかは先生次第です
作家:何を?何を信じればいいんだい?
編集者:まぁまぁ…で、その人はどんな髪型なんですか?
作家:なんだろうね…君みたいな髪型だよ
編集者:なんかもうさっきから適当に答えてません?
作家:ふふん…どうだろうねぇ?信じるか信じないかは君次第だよ…土橋君?
編集者:あぁ、そうですか…。では内面について聞きますね。どんな性格ですか?
作家:うーん、全体的に怒りっぽい感じだねぇ
編集者:怒りっぽい…なるほど
作家:まぁそこも可愛いんだけどもね
編集者:あー、ご馳走様です
作家:別に食べてないよ!?
編集者:いや、性的な…ヤラシイ方じゃなくて
作家:あぁ、そういう事かい、だとしても食べていないよ。人の肉は日持ちしないからね
編集者:分かってないじゃないですか。食糧的ではなくて…あぁもう分かりませんかねぇ、ノロケとかを聞いた時にご馳走様って言うじゃないですか
作家:あぁ、そういう意味の方かね
編集者:それに日持ちするかしないかって…判断基準がマグロと一緒じゃないですか
作家:いやぁ、マグロかどうかは分からないよ?まだ食べてないからね
編集者:ですからヤラシイ方じゃないんですよ
作家:ところで土橋君…官能小説はラブストーリーの究極点だとは思わないかい?
編集者:究極過ぎます、究極過ぎますとも、で、内面の話は?
作家:ふぅん…内面と言われても…あと思いつくのは、せっかちさんって事くらいかねぇ
編集者:へぇ、…その人はせっかちで怒りっぽいんですね
作家:そうだねぇ…「早くして下さいよ!」が口癖だしねぇ
編集者:口癖を知っているって事は割と近い関係性なんですね、カフェかなんかの店員を一方的に好きになっているのかと思いましたよ
作家:店員の口癖くらいなら、そのカフェに通ってたらそのうち分かる気もするが…だいたいそんな感じだよ?
編集者:確かにカフェの店員はあまり早くしろなんて言いませんもんねぇ。何を早くして欲しいんでしょう…
作家:さぁね、原稿か何かじゃないかな
編集者:なんか先生と一緒ですね
作家:他にも名前も間違えられる度に「土橋です」と、言ってたなぁ
編集者:え?
作家:そんでもって決めセリフが「私の両親もドバッサンなんですが」かな
編集者:…そ…れは、もしかしなくても私じゃないですか!
作家:その通りだよ土橋クン
編集者:何が怒りっぽくてせっかちですか!先生が原稿出さないのが悪いんですよ!
作家:えぇ…なんだいせっかちな…はい、原稿
編集者:用紙だけじゃなくて物語を書き込んだ原稿用紙が欲しんですよ
作家:と、言われてもなぁ
編集者:あんまり書かないと先生が寝てる間にこっそり冷蔵庫の食べ物パクっちゃいますよ?パクって、パクパクしちゃいますよ?
作家:なんだいパクパクするって咀嚼音でも録音するのかい?
編集者:いえ、さっきの話とは全く関係ありませんよ?
作家:なるほど…土橋君の「ど」は泥棒の「ど」なのかい…
編集者:このまま行くと…ですけどね
作家:そんな悲しい事言わんでくれたまえよぉ
編集者:ですから食うもんがないんですって!そんなに言うなら原稿上げて私の給料も上げて下さいよ!
作家:えぇ無理だよお土橋くぅん…それにもう盗まれてるし…
編集者:まだ何も盗んでないですよ
作家:いいや!盗んでるさ…恋泥棒が私の心をね…!
0:1文字ずつややゆっくりとした発音
編集者:…はやく原稿書きなさいよ
作家:アレ…決まったと思ったのだけれど…
編集者:決まってないですよ…それにこの家なんにもないんですもん、ある価値のありそうなものはこの白紙の原稿用紙の山くらいですよ。盗んでも意味が無いです
作家:おや、原稿用紙を盗むという事は恋泥棒が代わりに書いてくれるということかい?仕事泥棒〜
編集者:誰が恋泥棒だ、それにゴーストライターはしないんですって
作家:うん…まぁ、君が書いた原稿の原稿料は私に振り込まれるのだかね
編集者:アンタが1番の給料泥棒だよ…あ、そういえば
作家:なんだね恋泥棒君
編集者:土橋です、全く関係ない話なんですが、なんで先生は私に合鍵をくれたのですか?
作家:だって私の担当だし、頻繁に家に来るだろう?
編集者:別にピンポンでもいいじゃないですか
作家:いやぁ、ピンポンの度に鍵を開けに玄関まで行くのが面倒でねぇ
編集者:そんな理由で…?もしかしたら本当に泥棒するタイプの手癖の悪い編集かもしれないんですよ?そういうベビーシッターやお手伝いさんのニュース見たことありますよ?
作家:大丈夫さ、私の持ってるマスターキーが家の中に無いと君の持ってるサブキーは使えないらしいからね
編集者:そういえばそんな設定ありましたね
作家:設定と言われるとなんだかキャラクター原案というか、なりきりの人みたいな気もするが…
編集者:ちゃんと分かってますよ、セキュリティの業者にカギの機械を取り付けて貰った時に初期設定もお願いしたんですよね?
作家:そうなのだよ、ほとんど業者任せだったから私はやり方をよく知らないのだが、今思うと面倒くさがらずサブキーのみでも開けられるようにしておけば良かったよ
編集者:先生小さい物とか、よく失くしますもんね
作家:それもそうだが…君が何時でも入れるようにだよ?
編集者:おや、それですとやはり私が悪い編集だったらどうするんですか
作家:大丈夫だよ、君は多分泥棒しないから
編集者:その根拠は?
作家:私が君を信じてるからでは、ダメかな?
編集者:……キマってるじゃないですか。
作家:え?何がだい?
編集者:なんでもないです
作家:え?キマってた?カッコよかったかい?
編集者:もう、なんでもないですから、ほら!シナリオ書きますよ!せっかく調子出てきたんですから
作家:そうだねぇ、今日は色々と盛り上がっているから今回の話はエロ路線で行こう!大筋はセクハラ系の流れで…
編集者:ちょ、ちょ…早速ドクターストップなんですけど
作家:人がせっかくやる気を出した所を悪いと思っている担当編集の土橋君。一体なんだい?
編集者:そんなに思ってないですよ。確かに先生がやる気を出すのは珍しい事なので、少し悪いなとは思ってますが。とはいえセクハラ系は今キビシイんですよ、色々とコンプライアンスとかで
作家:えぇ…じゃあ同性で行くよ。同性ならセクハラにならんだろう?
編集者:それが同性でもセクハラになったり、そもそも同性うんぬんがディープでモノによっては炎上しやすいんですよ
作家:もろちん炎上は嫌だねぇ…ところでマッチポンプとエッチポンプって似てるとは思わないか?
編集者:は、話を聞いて欲しいんスけど…
作家:はて、何かね?
編集者:なんか今、こっちの業界の性の問題そのものが色々変わってきてまして…性自認ってご存知ですか?
作家:ん…あ、ゴメン…今の話ちょっと聞いていたよ
編集者:ぉお…聞いてるんじゃないですか、てっきり聞き逃したのかと思いましたよ
作家:性自認については私も知ってはいるが、我々も結構あやふやじゃないかね?
編集者:まぁその辺は色々あるという事で…
作家:うぅん
編集者:との事なので遠慮がちな表現と言いますか…そんな感じでお願いします
作家:なるほどね、分かった分かった、包むよオブラートに。0.1ミリとかでいい?
編集者:早速エロいじゃねーか!
作家:おやおやァン?0.1ミリから何を想像したのかな?いやーんセクハラー
編集者:うーんコノヤロウ…あのですね先生、ウチの編集社と言いますか出版社と言いますか先生が台本を送る会社としましては、18禁などの大人なアダルトコンテンツに抵触しないくらいのシナリオを求めている訳なのですよ
作家:はぁ
編集者:ですのでセクハラ系やエロ系といった成人向け以外でお願いします
作家:むしろ若い子達向け青年系の方が精力(勢力)が強いと思うよ…二つの意味で
編集者:それでいて良い感じにヒットさせて、また売れちゃってください
作家:またって…今まで売れてたみたいな
編集者:ちゃんと売れてたじゃないですか、昔。その頃の先生の書く話は面白かったんですから!だから私先生の担当になる事が出来て嬉しかったんですよ?
作家:ぉぉ…そこまで言ってくれるのは嬉しいが、それでは今の私の書く話はつまらないという風にも聞こえるが?
編集者:今は全く書いてないじゃないですか、また大きく当ててくださいよ
作家:ふーん…と、言われてもねぇ
編集者:私の給料も上がりますし
作家:って、それが目的だろう…!?
編集者:そんな事ないですよ、あくまでこれは主産物です
作家:やっぱりそれが目的じゃあないか
編集者:ですからそんな事ないですよ、私はまた先生の書くシナリオが読めたらそれだけで幸せですから
作家:本当にそれだけ?
編集者:まぁ、あとは頂くモン頂けたら…
作家:やっぱりお金なのかい
編集者:なんだかんだで生きていくのには必要ですから
作家:ふぅん…確かにそれもそうか…さて、そんな土橋君の為にもどうしたら売れるかを考えてみるとしようか
編集者:はい
作家:まずは客層を考えてみようか、土橋君その辺にある週間だか月間だか年間だか世紀間だかの名前を忘れたがシナリオ雑誌を取ってくれまいか?
編集者:何ですか世紀間って…全然発行しないじゃないですか。あと、自分が掲載されている雑誌の名前くらい覚えておいてください…あぁ、ありましたよ
作家:ありがとう…えぇっと…あった、このページを見てくれ土橋君
編集者:ああ、人気投票のページですね
作家:そう、これは昨年の人気投票の結果なのだが、上位の方を見てくれ…どう思う?
編集者:どうって…何がですか?…多分何かそれっぽい理屈を今から語りそうな気がします。そういう流れです。
作家:うん、まあそういう流れなんだけどさ。分かっているなら黙っておいてくれまいか、土橋君よ
編集者:すみませんコイツ図に乗ってんなーっていう機嫌だったのでつい
作家:なんだろうね…この感じ…これが、、涙?
編集者:なんにも流れてないっスよ
作家:ん?あ、そうかい
編集者:それで?なんなんですか?
作家:そうなんです
編集者:だから何が!?
作家:この人気投票は良いと思ったシナリオのチェックにナイスのマークをつけて投票する事ができるインターネットによる投票の物だ
編集者:そうですね。今年はハガキではなくパソコンやスマホからになりましたね
作家:ひとつのシナリオに1ナイスしか投票できないがナイスができるシナリオの数に制限はない。
編集者:はい、その通りです
作家:極端な事を言ってしまえば全てのシナリオにナイスを付けることも出来る
編集者:順位の変動は全くありませんが、そうですね
作家:さて、そのような状況下で上位の方に立てたシナリオを見ていこう…するとどうだろう、女性のみのシナリオが多いのだよ
編集者:まあ、そのような傾向はありますね
作家:そもそもココの読者は女性が多い
編集者:そうですね
作家:いわゆるT層からF1層にあたる年代だ
編集者:なんですかそれ?
作家:君、出版業界にいるんじゃないのかね…あー、これは広告やマーケティングする時などに使われる用語で、購買層を性別とか…年齢などで分けた名称になるのだよ
編集者:ふーん
作家:T層は13歳から19歳までの男女で、F1層は20歳から34歳までの女性を指すのだ
編集者:ほえー興味がなさそう
作家:自分を客観視出来る事は良い事だね、土橋君
編集者:あ、声に出してました?
作家:うん出ていたよ土橋君
編集者:すいません、故意に出してました。なんかフィックスとかアグリーとか…オポチュニティとかの説明を受けている気分でした
作家:別にカッコつけては居ないんだかねぇ…どちらかと言えば君はこちら側の職業の人間のはずなのだが…
編集者:先生、お言葉ですがひとつよろしいですか?
作家:君散々お言葉だったじゃないか…今更許可を取らんでも良いと思うよ私は
編集者:ありがとうございます。では言わせてもらいますが、私に用語を説明するのと売れる為のアイデアを出すのではどちらのプライオリティが高いかは一目瞭然だと思うのですが
作家:プライオリティ…優先順位という意味だね?
編集者:よく分かりましたね
作家:君もなんだか意識高そう系じゃないか
編集者:さっきのお返しです
作家:ふん、君もなんだかカワイイ所があるじゃないか
編集者:お可愛い先生に言われると照れますね
作家:おや、皮肉のつもりだったんだが
編集者:あら、私もそのつもりだったのですが
作家:なるほどね
編集者:はい
作家:さて話は戻るが…上を目指すには女に媚びろという訳だ
編集者:身も蓋もないですね
作家:女性向けの雑誌で男ウケを狙ってもあまり効果が見込めないからね
編集者:女性向けという程、女性向けでもないんですがね、たまたま女性が多いだけで
作家:そもそも媚びると漢字には女という文字がある、漢字の意味からも女が男の気引こうとする所があるそうだ
編集者:つまり女の気を引くシナリオがウケがいいと
作家:まぁ、大雑把に言うだがね、そしてターゲットである女の文字は、好きや嫌い、そして嫉妬などにも使われてるのだよ
編集者:漢字の話ばかり…先生は今、なにぱち先生なんでしょうか
作家:4パチ先生です
編集者:勝手にパチ屋に行かないでください
作家:土橋君そもそも女性の話をしてる時にパチンコとはどういうことかね?
編集者:お?セクハラか?
作家:…さて、つまり女性という字は主に感情を指し示す状態に象徴され、使われるという事だ。男女の脳の違いという本が昔流行った時にも同じ事が言われていたね…ちなみに男は理論らしい
編集者:意外とまともなことも言えるんですね
作家:すごい見くびられてるんだね…私は
編集者:まあまあ
作家:それと男が入る漢字はあまり知らない…が、男という漢字は田んぼの力、つまり労働力として見られている訳だ
編集者:じゃあ先生は女性かもしれませんね
作家:なぜだい?
編集者:作家として全く労働してないからです
作家:言ってくれるね土橋君…それだと君は男性になるし男女雇用機会均等法は雇用した途端に男だらけの社会になるよ
編集者:なんかそういう設定のギャグ漫画描きません?
作家:私は絵が描けないし、女性向けと言っているだろう…!
編集者:そもそも思ったんですけど、女性向けなら男性出した方が良くないですか?ほら女性向け漫画とかって基本恋愛系が多いじゃないですか、そうなると必然的に男が出てくるんですよ
作家:もちろん私もそう思ったよ、だがこれはシナリオの雑誌なのだよ。演じたいと思う読者が女性である以上、男性の登場人物を出すのは難しいのだ
編集者:なるほど…
作家:だからこその女性同士なのだ
編集者:はい?
作家:百合はいいぞ土橋君、美しい秘密の花園なのだよ
編集者:はぁ
作家:女性のみのシナリオ、それでいて恋愛系…この二つの条件を同時に満たす事が出来る
編集者:かもしれませんね、同性同士のセクハラにならなければ
作家:だから官能は究極の恋愛と言っただろう
編集者:ダメです。
作家:お願いだよ土橋君〜
編集者:上目遣いでもダメです
作家:私がやると言ったらやるんだよ、言う事を聞け
編集者:上から目線でもダメです
作家:ダメかぁ
編集者:はい、ダメです
作家:…さて、感情が乏しい君には分からないかもしれんが女性は感情ベースだ、
編集者:失礼な
作家:最近ではそんな感情を揺さぶられる事をエモいと言うらしいじゃないか
編集者:らしいですね
作家:つまり女性が女性を喜ばせる百合を書けば良いのだよ…!エモいのだよ!
編集者:リッシンベンの方の喜ばせるでなければいいんじゃないですか
作家:読者も私も土橋君も嬉しいWIN WIN WINな関係を築ける…。だから女を喜ばせると書いて…嬉しいと読むのだよ!
編集者:まさか、それが言いたい為に…!?
作家:キマったねぇ土橋君
編集者:はぁ…私はまんまと先生のカッコつけに嵌められた訳ですね
作家:ハメられたとは土橋君…エモいというよりエロいね
編集者:うるせぇよ!
作家:怖いよドバッサン
編集者:土橋ですゥーーッ!!