台本概要
85 views
タイトル | WRITER × WRITER 第3話:連載と連帯 |
---|---|
作者名 | 電【動自転】車男 |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
性別変更、一人称変更、語尾変更有りの約20分台本です 声劇は楽しんだもん勝ちなので優勝していってください 85 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
作家 | 不問 | 110 | 原稿を仕上げない作家 ノリがフラフラと気分次第なので話し方と内容がコロコロ変わる |
編集者 | 不問 | 113 | 作家の担当編集者 中々原稿を完成させない作家に振り回されている 作家からは土橋(どばし)君と呼ばれているが本名は土橋(どばし) |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:作家の部屋に入る編集者
編集者:はい、ドアガチャおざーす
作家:お、おざあす…え?おざーすってなんだい?
編集者:あぁ、おはようございますって意味です
作家:あぁ…おはようね土橋君。…言葉を扱う作家の前ですごい言葉遣いだね?
編集者:…原稿上げない作家は作家じゃないので…
作家:じゃ、じゃあなんだというのだね?
編集者:ただの人ですね
作家:酷いよ土橋君…
編集者:じゃあ作家なら作家らしく原稿書いてくださいよぉ
作家:えー、作家だから原稿を書くというのはいささか決めつけでは無いかね?
編集者:そうですか?
作家:時代はボーダーレスだよ?
編集者:とはいえ書かない作家がどこにいるんですか
作家:最近は書かずにパソコンに打ち込んで執筆している作家もいるのだよ?書くだけが作家ではないという事さ
編集者:じゃあ打ち込んだんですか?
作家:いいや?
編集者:打ち込んでないんじゃないですか
作家:中にはそういう作家もいるという話しさ、それに私はパソコンを持っていないからね
編集者:で…すよね?
作家:うむ
編集者:で、何かしらの形で原稿は出来たんですか?
作家:うむ
編集者:本当ですか!?え、どこですか?
作家:あー、すまないウソなのだよ
編集者:やっぱりね!そうだと思いましたよ!
作家:はぁ…作家というのは罪な仕事さ…フィクションでお客の心を騙し続ける…
編集者:誰がお客だ…確かにフィクションを書くのが作家のひとつの形だとは思いますが、編集者に嘘を吐くのを作家とは言わないんですよ
作家:そうかね?
編集者:そうです
作家:なんの権限で…
編集者:編集者の権限で。…もう作家が罪な仕事でもなんでもいいんで仕事してくださいよ。現在進行形で仕事してないじゃないですか、ただの罪ですよ
作家:ふむ…では作家らしい所を土橋君に見せようじゃないか!
編集者:最初から見せてくださいよ
作家:あーもーやる気が無くなったのだよー?今やろうと思っていたのにやれと言われるとやる気が無くなるのだよー?
編集者:親に勉強しろって言われた子供ですか!?あぁもう分かりましたから!やれとは言いませんから!
作家:ではやらなくても良いと言う事だね!土橋君久々の休みだ遊びに行こう!
編集者:…やれ
作家:こ、怖いよ土橋君…
編集者:先生に休みなんてないですよ、今までが休みだったんですから
作家:果たしてそうかな?
編集者:…どういう事ですか?
作家:私は今まで休んでいない…という事だよ?
編集者:…は?
作家:実は…サボっていたのさ!
編集者:知ってますよ
作家:あ、あれ?知ってたの?
編集者:はい
作家:い、いつからだい?
編集者:だいぶ前から
作家:ああ…
編集者:仕事してください
作家:はぁ…嫌だねぇ
編集者:嫌だってアンタ
作家:時に土橋君、君はタイプライターを知ってるかな?
編集者:知ってますよ、文字を打ち込む装置ですよね?
作家:その通りだ土橋君、さすが出版業界の人間だけある
編集者:それはどうも
作家:どうだい?私の代わりにタイプでライターしてみないかい?
編集者:嫌ですよ、ゴーストライターはしませんから!
作家:どうしても?
編集者:どうしてもです!
作家:せっかくこの私が譲ろうとしているのにかい?
編集者:いいです、先生の永久欠番です
作家:ふぅむ…となると君はタイプだね?
編集者:タイプ?
作家:ライターではないからタイプ。タイプなのだよ
編集者:はあ…
作家:ところで君はどんな人がタイプだい?
編集者:あぁ仕事を休まない人です
作家:心と日程に余裕とゆとりを持っている人だね?
編集者:違います、断じて違います
作家:そんなに断言しなくても…傷ついてスランプだ…
編集者:何あからさまな嘘をついてるんですか…言っときますが、先生は日程押しているんですからね?
作家:日程推し?
編集者:そんなファンクラブはないです
作家:じゃあ私のファンクラブは…
編集者:ないです
作家:えぇ…ないのかい?
編集者:さあ…どこかにはあるんじゃないですか?知りませんが
作家:えぇ…適当な
編集者:先生のファンは…私一人じゃ役不足ですか?
作家:…土橋君…
編集者:先生…
作家:違うよ?
編集者:え?
作家:役不足というのは、その人に対して役目が軽い時に使うものなのだよ?力不足という意味で使うのなら役者不足というのが正しい表現なのだよ土橋君、分かったかい?私は言葉を正しく扱う作家だ、尊敬してくれてもいいんだよ?
編集者:あぁ…やっぱり合ってるじゃないですか
作家:え?
編集者:休んでばかりの先生のファンなんて、いつも苦労をかけられている私にとっては綿よりも軽い物なんですよ?
作家:ひ、酷い
編集者:冗談ですよ…
作家:何がだい?綿よりも軽い事がかい?それともファンがかい?
編集者:もちろん綿よりも軽い事がですよ、私は先生のファンですから
作家:そうか…それは良かったのだよ
編集者:先生は作家なんですから、私の嘘を…フィクション位は見抜いて下さいよ
作家:いやぁ、君の嘘が完璧すぎて何も聞こえなかったよ
編集者:そんなわけないじゃないですか、聞こえなかったらそもそも嘘の話にすらならないじゃないですよ
作家:おや、嘘がバレてしまったよ…見抜けないし見抜かれた…完敗だ。ライターの座を君に譲ろう…今日から君がライターだ
編集者:そう言ってもダメですよ?
作家:私の遺志を継いでくれたまへよ?
編集者:いえ、私には先生の遺志は継げませんから
作家:内容は主にサボりに関する事だがね
編集者:…絶対に先生で話を完結させて下さいね…!
作家:…さて、そんな献身的でファンな土橋君にはファン第1号の称号をあげよう…公式だよ?
編集者:はあ…ありがとうございます
作家:さて、ファン特典の特権として私がアシスタントになってあげようじゃないか
編集者:アシスタント…?私にアシスタント体験をさせてくれるのではなく?
作家:そうだとも、主に君が書いて私が横で手伝う…それが特権さ
編集者:と、言われましても書いた事がないので何も分かりません。なので折角ですが私はあの青い扉から辞退します
作家:大丈夫だよ土橋君!安心したまい、設定などは私の前回の執筆までの設定を使ってくれて構わないからね!最高の続きを書いてくれたまえ土橋君!
編集者:だからゴーストライターはしないんですよ!私は先生の物語が読みたいんです!
作家:その先生は君のが読みたいと言ってるよ?
編集者:その君は先生のが読みたいと言っています!
作家:はぁ…分かった…私の負けだ、この続きは君が好きに書くといい
編集者:…何も変わってないじゃないですか!?何かを譲歩したように見せかけて私に仕事させているだけじゃないですか!
作家:あぁ!作家は嘘をつく職業だからね!
編集者:私に対してではないんですよ先生!
作家:そんなに怒らんでも…ちょっとしたおちゃめじゃないか
編集者:そのちょっとしたが多過ぎるんですよ!全然ちょっとしてないんですよ
作家:じゃあどうしたらいいんだい?
編集者:書けばいいんですよ!書けば!
作家:何を?シナリオ?
編集者:違いますよ!…え?あ、そうですよ!
作家:やったあシナリオじゃないやあ!
編集者:いやいやいや!シナリオですから!
作家:だって違うと言ったじゃないか
編集者:まさかここでボケないと思わなかったからびっくりしましたよ!
作家:スカし…という技術さ
編集者:だ…からそれを原稿の中で活かして下さいよ
作家:で、今日は何の用だい?返せる金はもうないのだよ?
編集者:金なんて貸してないですよ、貸せる程お金ないので
作家:おや、可哀想に…
編集者:先生が原稿を上げないせいですよ?
0:急に何かを思い出す作家
作家:あ!
編集者:どうしたんですか?またおもらしですか?
作家:またってなんだい!?してないよ!
編集者:そうでしたか
作家:土橋君、私もいい大人だよ?そういうのはハタチでやめたのだ
編集者:遅っ!?
作家:私の筆の進み具合がかい?
編集者:それもそうですし、怪我も病気も患っていないのなら、もっと早くトイレに行けるようになりましょうよ
作家:はいはい
編集者:はいは10回!
作家:はいはいはいはいはいはいはいはいはいはい
編集者:じゃあ原稿を上げてくださいね?
作家:いいえ
編集者:クソが。筆の進み具合も何も先生止まってるじゃないですか
作家:ナチュラルに口からクソを漏らすんだね…チミは
編集者:あなたの節穴という節穴が便器に見えたもので
作家:ひどいよ土橋君
編集者:酷くないです、ところで先生は何を思い出されていたのですか?
作家:あ、えー。あ、そういえばその話だったね
編集者:はい
作家:いやね、最近私が好きな漫画家の先生が呟くアプリケーションを始めたのだよ
編集者:そうなんですか
作家:そうなのだよ土橋君、君の名前に良く似たあの先生だよ?
編集者:あーネットのニュースになってましたね
作家:確かその先生が、アプリを初めて最初に呟いたのは5月24日なのだよ
編集者:なるほど
作家:そして我らがWRITER × WRITER(ライター×ライター)の第一話が上げられたのが5月22日…2日前なのだよ
編集者:はい
作家:つまり!我々の思いが先生を復活させたのだよ!
編集者:はぁ…偶然ではないですかね?確かにもう何年もお休みになられていた先生ですけども…
作家:偶然でもなんでも良いのだよ土橋君、またあの先生の漫画が読めると思うと…目から
0:食い気味に入る編集者と諦める作家
編集者:おもらし
作家:…もうそれでいいよ、土橋君
編集者:じゃあこの流れに乗っかって先生も書いちゃいましょう
作家:え、それとこれとは話が別だよ
編集者:なんで!?
作家:と、言いたいところだが土橋君、残念な事に1本、短編のシナリオを書いてきたのだよ
編集者:全然残念じゃないですけど、え?ほんとに書いたんですか?あの先生が!?
作家:そうだとも
編集者:なんで…普段全く書かないのに…
作家:何か時間が余っていてね…暇つぶしに思った事をスラスラと書いてたらこうなったのだよ
編集者:時間は余ってませんし、ずっとスラスラ書いてくださいよ
作家:これ趣味にしようかな
編集者:仕事にしてください
作家:えー
編集者:…にしても、先生は作家だったんですね
作家:し、失礼な…私は作家なのだよ…
編集者:何か以前と言ってる事が二転三転してる気もしますが、まあ良いでしょう
作家:凄い上からだ…
編集者:先生が下に落ちまくったんですよ、原稿を落としまくったんですよ
作家:じゃあこれがその原稿だ、持ち上げてくれたまえよ?
編集者:ヨイショはしませんが読ませて頂きます
作家:購読?
編集者:音読です
作家:黙読じゃないんだね
編集者:声に出されて恥ずかしい様な文章なんですか?
作家:いや、そうでは無いが…元々シナリオの台本である為、声に出す事を想定して書いてるのさ
編集者:なら良かったです。
作家:定期購読するかい?
編集者:しませんよ、お金も無いので
作家:月に0.0本の新作をあげるよ?
編集者:じゃあ金だけ取られるじゃないですか…いいんですよそんな事は、じゃあ読みますよ?
作家:土橋君の読み聞かせのはじまりはじまり〜
編集者:ちょっと静かにして下さい…えっと、なになに…
0:原稿を読む編集者
編集者:部屋の中に居る女にワイファイをタダ乗りしたいからパスワード教えて?と声をかけながら入室する男
編集者:いきなりなんだ、教えるかボケと答える女
編集者:別にいいじゃないか減るもんでもないんだしと返す男
編集者:減るんだよ、如実にストレスで寿命が減るんだよと返す女
編集者:だったら牛乳を飲めばいいじゃないか、買ってくるよと返す男
編集者:じゃあ百本でも二百本でも買ってこいよと返す女
編集者:ならその分のお金ちょうだいと返す男
編集者:なんでお前のタダ乗りによってイライラするんだからお前の金で買えと返す女
編集者:なんだ?お前の買えで金って?と返す男
編集者:お前の金で買えだよと返す女
編集者:やだよ、百本も二百本も買うんだったらワイファイ買った方が早いよと返す男
編集者:じゃあそうしろよと返す女
編集者:じゃあこういうのはどうだろう?寿命を減らす為に牛乳の買うのではなく伸ばすためにワイファイを買おう!と提案する男
編集者:別にワイファイで延命してる訳じゃないし、2個もあっても使わないしと返す女
編集者:じゃあその余った1個ちょうだいよと返す男
編集者:帰れ!と怒鳴る女
編集者:ここ俺ん家だよと返す男
編集者:ちげぇよと返す女
編集者:別にいいんだよ、俺は知り合いの家を点々とする冒険家、みんなが俺の家で俺がみんなの家なんだ…と返す男
編集者:毎日来られるとすげぇ迷惑なんだけどと返す女
編集者:なかなかに近未来的でシームレスだろ?と返す男
編集者:ホームレスだよと返す女
0:読み終わる編集者
編集者:…なるほどこういう話ですか
作家:そうなのだよ、どうだったかね?
編集者:…ト書きが多い!というかト書きしかありませんでしたよ!
作家:そうかい?
編集者:そうですよ!なんですかナントカと返す男、ナントカと返す女って
作家:ト書きだねぇ
編集者:それしかないじゃないですか!セリフゼロですよ!
作家:ダメかい?
編集者:ダメですよ!シナリオライターとしてセリフゼロの台本はシナリオじゃないですから!えぇ!?さっきからト書きト書きト書きト書き…!お前はト書き先生か!!
作家:はい、ト書き先生です
編集者:そこはいいえ、の即答で良いんですよ!
0:即答する作家
作家:いいえ
編集者:今じゃない!
作家:そんなに文句があるなら君が私の代わりに書けばいいじゃないか
編集者:だからゴーストライターはしないんですって
作家:私は最後の作者コメントだけ書くよ
編集者:あとがき先生もダメなんですよ!
作家:あとがきを見ました
編集者:え!?
作家:あとがきを見ました
編集者:何がですか
作家:あれ?レジであとがきを見ましたと言うとドリンクと文句をサービスしてくれるのでは無いのかね?
編集者:ここはレジじゃないし、そんなシステムはないですよ!テレビ番組じゃありませんし
作家:残念だよ、あ土橋先生
編集者:土橋ですー!!
0:作家の部屋に入る編集者
編集者:はい、ドアガチャおざーす
作家:お、おざあす…え?おざーすってなんだい?
編集者:あぁ、おはようございますって意味です
作家:あぁ…おはようね土橋君。…言葉を扱う作家の前ですごい言葉遣いだね?
編集者:…原稿上げない作家は作家じゃないので…
作家:じゃ、じゃあなんだというのだね?
編集者:ただの人ですね
作家:酷いよ土橋君…
編集者:じゃあ作家なら作家らしく原稿書いてくださいよぉ
作家:えー、作家だから原稿を書くというのはいささか決めつけでは無いかね?
編集者:そうですか?
作家:時代はボーダーレスだよ?
編集者:とはいえ書かない作家がどこにいるんですか
作家:最近は書かずにパソコンに打ち込んで執筆している作家もいるのだよ?書くだけが作家ではないという事さ
編集者:じゃあ打ち込んだんですか?
作家:いいや?
編集者:打ち込んでないんじゃないですか
作家:中にはそういう作家もいるという話しさ、それに私はパソコンを持っていないからね
編集者:で…すよね?
作家:うむ
編集者:で、何かしらの形で原稿は出来たんですか?
作家:うむ
編集者:本当ですか!?え、どこですか?
作家:あー、すまないウソなのだよ
編集者:やっぱりね!そうだと思いましたよ!
作家:はぁ…作家というのは罪な仕事さ…フィクションでお客の心を騙し続ける…
編集者:誰がお客だ…確かにフィクションを書くのが作家のひとつの形だとは思いますが、編集者に嘘を吐くのを作家とは言わないんですよ
作家:そうかね?
編集者:そうです
作家:なんの権限で…
編集者:編集者の権限で。…もう作家が罪な仕事でもなんでもいいんで仕事してくださいよ。現在進行形で仕事してないじゃないですか、ただの罪ですよ
作家:ふむ…では作家らしい所を土橋君に見せようじゃないか!
編集者:最初から見せてくださいよ
作家:あーもーやる気が無くなったのだよー?今やろうと思っていたのにやれと言われるとやる気が無くなるのだよー?
編集者:親に勉強しろって言われた子供ですか!?あぁもう分かりましたから!やれとは言いませんから!
作家:ではやらなくても良いと言う事だね!土橋君久々の休みだ遊びに行こう!
編集者:…やれ
作家:こ、怖いよ土橋君…
編集者:先生に休みなんてないですよ、今までが休みだったんですから
作家:果たしてそうかな?
編集者:…どういう事ですか?
作家:私は今まで休んでいない…という事だよ?
編集者:…は?
作家:実は…サボっていたのさ!
編集者:知ってますよ
作家:あ、あれ?知ってたの?
編集者:はい
作家:い、いつからだい?
編集者:だいぶ前から
作家:ああ…
編集者:仕事してください
作家:はぁ…嫌だねぇ
編集者:嫌だってアンタ
作家:時に土橋君、君はタイプライターを知ってるかな?
編集者:知ってますよ、文字を打ち込む装置ですよね?
作家:その通りだ土橋君、さすが出版業界の人間だけある
編集者:それはどうも
作家:どうだい?私の代わりにタイプでライターしてみないかい?
編集者:嫌ですよ、ゴーストライターはしませんから!
作家:どうしても?
編集者:どうしてもです!
作家:せっかくこの私が譲ろうとしているのにかい?
編集者:いいです、先生の永久欠番です
作家:ふぅむ…となると君はタイプだね?
編集者:タイプ?
作家:ライターではないからタイプ。タイプなのだよ
編集者:はあ…
作家:ところで君はどんな人がタイプだい?
編集者:あぁ仕事を休まない人です
作家:心と日程に余裕とゆとりを持っている人だね?
編集者:違います、断じて違います
作家:そんなに断言しなくても…傷ついてスランプだ…
編集者:何あからさまな嘘をついてるんですか…言っときますが、先生は日程押しているんですからね?
作家:日程推し?
編集者:そんなファンクラブはないです
作家:じゃあ私のファンクラブは…
編集者:ないです
作家:えぇ…ないのかい?
編集者:さあ…どこかにはあるんじゃないですか?知りませんが
作家:えぇ…適当な
編集者:先生のファンは…私一人じゃ役不足ですか?
作家:…土橋君…
編集者:先生…
作家:違うよ?
編集者:え?
作家:役不足というのは、その人に対して役目が軽い時に使うものなのだよ?力不足という意味で使うのなら役者不足というのが正しい表現なのだよ土橋君、分かったかい?私は言葉を正しく扱う作家だ、尊敬してくれてもいいんだよ?
編集者:あぁ…やっぱり合ってるじゃないですか
作家:え?
編集者:休んでばかりの先生のファンなんて、いつも苦労をかけられている私にとっては綿よりも軽い物なんですよ?
作家:ひ、酷い
編集者:冗談ですよ…
作家:何がだい?綿よりも軽い事がかい?それともファンがかい?
編集者:もちろん綿よりも軽い事がですよ、私は先生のファンですから
作家:そうか…それは良かったのだよ
編集者:先生は作家なんですから、私の嘘を…フィクション位は見抜いて下さいよ
作家:いやぁ、君の嘘が完璧すぎて何も聞こえなかったよ
編集者:そんなわけないじゃないですか、聞こえなかったらそもそも嘘の話にすらならないじゃないですよ
作家:おや、嘘がバレてしまったよ…見抜けないし見抜かれた…完敗だ。ライターの座を君に譲ろう…今日から君がライターだ
編集者:そう言ってもダメですよ?
作家:私の遺志を継いでくれたまへよ?
編集者:いえ、私には先生の遺志は継げませんから
作家:内容は主にサボりに関する事だがね
編集者:…絶対に先生で話を完結させて下さいね…!
作家:…さて、そんな献身的でファンな土橋君にはファン第1号の称号をあげよう…公式だよ?
編集者:はあ…ありがとうございます
作家:さて、ファン特典の特権として私がアシスタントになってあげようじゃないか
編集者:アシスタント…?私にアシスタント体験をさせてくれるのではなく?
作家:そうだとも、主に君が書いて私が横で手伝う…それが特権さ
編集者:と、言われましても書いた事がないので何も分かりません。なので折角ですが私はあの青い扉から辞退します
作家:大丈夫だよ土橋君!安心したまい、設定などは私の前回の執筆までの設定を使ってくれて構わないからね!最高の続きを書いてくれたまえ土橋君!
編集者:だからゴーストライターはしないんですよ!私は先生の物語が読みたいんです!
作家:その先生は君のが読みたいと言ってるよ?
編集者:その君は先生のが読みたいと言っています!
作家:はぁ…分かった…私の負けだ、この続きは君が好きに書くといい
編集者:…何も変わってないじゃないですか!?何かを譲歩したように見せかけて私に仕事させているだけじゃないですか!
作家:あぁ!作家は嘘をつく職業だからね!
編集者:私に対してではないんですよ先生!
作家:そんなに怒らんでも…ちょっとしたおちゃめじゃないか
編集者:そのちょっとしたが多過ぎるんですよ!全然ちょっとしてないんですよ
作家:じゃあどうしたらいいんだい?
編集者:書けばいいんですよ!書けば!
作家:何を?シナリオ?
編集者:違いますよ!…え?あ、そうですよ!
作家:やったあシナリオじゃないやあ!
編集者:いやいやいや!シナリオですから!
作家:だって違うと言ったじゃないか
編集者:まさかここでボケないと思わなかったからびっくりしましたよ!
作家:スカし…という技術さ
編集者:だ…からそれを原稿の中で活かして下さいよ
作家:で、今日は何の用だい?返せる金はもうないのだよ?
編集者:金なんて貸してないですよ、貸せる程お金ないので
作家:おや、可哀想に…
編集者:先生が原稿を上げないせいですよ?
0:急に何かを思い出す作家
作家:あ!
編集者:どうしたんですか?またおもらしですか?
作家:またってなんだい!?してないよ!
編集者:そうでしたか
作家:土橋君、私もいい大人だよ?そういうのはハタチでやめたのだ
編集者:遅っ!?
作家:私の筆の進み具合がかい?
編集者:それもそうですし、怪我も病気も患っていないのなら、もっと早くトイレに行けるようになりましょうよ
作家:はいはい
編集者:はいは10回!
作家:はいはいはいはいはいはいはいはいはいはい
編集者:じゃあ原稿を上げてくださいね?
作家:いいえ
編集者:クソが。筆の進み具合も何も先生止まってるじゃないですか
作家:ナチュラルに口からクソを漏らすんだね…チミは
編集者:あなたの節穴という節穴が便器に見えたもので
作家:ひどいよ土橋君
編集者:酷くないです、ところで先生は何を思い出されていたのですか?
作家:あ、えー。あ、そういえばその話だったね
編集者:はい
作家:いやね、最近私が好きな漫画家の先生が呟くアプリケーションを始めたのだよ
編集者:そうなんですか
作家:そうなのだよ土橋君、君の名前に良く似たあの先生だよ?
編集者:あーネットのニュースになってましたね
作家:確かその先生が、アプリを初めて最初に呟いたのは5月24日なのだよ
編集者:なるほど
作家:そして我らがWRITER × WRITER(ライター×ライター)の第一話が上げられたのが5月22日…2日前なのだよ
編集者:はい
作家:つまり!我々の思いが先生を復活させたのだよ!
編集者:はぁ…偶然ではないですかね?確かにもう何年もお休みになられていた先生ですけども…
作家:偶然でもなんでも良いのだよ土橋君、またあの先生の漫画が読めると思うと…目から
0:食い気味に入る編集者と諦める作家
編集者:おもらし
作家:…もうそれでいいよ、土橋君
編集者:じゃあこの流れに乗っかって先生も書いちゃいましょう
作家:え、それとこれとは話が別だよ
編集者:なんで!?
作家:と、言いたいところだが土橋君、残念な事に1本、短編のシナリオを書いてきたのだよ
編集者:全然残念じゃないですけど、え?ほんとに書いたんですか?あの先生が!?
作家:そうだとも
編集者:なんで…普段全く書かないのに…
作家:何か時間が余っていてね…暇つぶしに思った事をスラスラと書いてたらこうなったのだよ
編集者:時間は余ってませんし、ずっとスラスラ書いてくださいよ
作家:これ趣味にしようかな
編集者:仕事にしてください
作家:えー
編集者:…にしても、先生は作家だったんですね
作家:し、失礼な…私は作家なのだよ…
編集者:何か以前と言ってる事が二転三転してる気もしますが、まあ良いでしょう
作家:凄い上からだ…
編集者:先生が下に落ちまくったんですよ、原稿を落としまくったんですよ
作家:じゃあこれがその原稿だ、持ち上げてくれたまえよ?
編集者:ヨイショはしませんが読ませて頂きます
作家:購読?
編集者:音読です
作家:黙読じゃないんだね
編集者:声に出されて恥ずかしい様な文章なんですか?
作家:いや、そうでは無いが…元々シナリオの台本である為、声に出す事を想定して書いてるのさ
編集者:なら良かったです。
作家:定期購読するかい?
編集者:しませんよ、お金も無いので
作家:月に0.0本の新作をあげるよ?
編集者:じゃあ金だけ取られるじゃないですか…いいんですよそんな事は、じゃあ読みますよ?
作家:土橋君の読み聞かせのはじまりはじまり〜
編集者:ちょっと静かにして下さい…えっと、なになに…
0:原稿を読む編集者
編集者:部屋の中に居る女にワイファイをタダ乗りしたいからパスワード教えて?と声をかけながら入室する男
編集者:いきなりなんだ、教えるかボケと答える女
編集者:別にいいじゃないか減るもんでもないんだしと返す男
編集者:減るんだよ、如実にストレスで寿命が減るんだよと返す女
編集者:だったら牛乳を飲めばいいじゃないか、買ってくるよと返す男
編集者:じゃあ百本でも二百本でも買ってこいよと返す女
編集者:ならその分のお金ちょうだいと返す男
編集者:なんでお前のタダ乗りによってイライラするんだからお前の金で買えと返す女
編集者:なんだ?お前の買えで金って?と返す男
編集者:お前の金で買えだよと返す女
編集者:やだよ、百本も二百本も買うんだったらワイファイ買った方が早いよと返す男
編集者:じゃあそうしろよと返す女
編集者:じゃあこういうのはどうだろう?寿命を減らす為に牛乳の買うのではなく伸ばすためにワイファイを買おう!と提案する男
編集者:別にワイファイで延命してる訳じゃないし、2個もあっても使わないしと返す女
編集者:じゃあその余った1個ちょうだいよと返す男
編集者:帰れ!と怒鳴る女
編集者:ここ俺ん家だよと返す男
編集者:ちげぇよと返す女
編集者:別にいいんだよ、俺は知り合いの家を点々とする冒険家、みんなが俺の家で俺がみんなの家なんだ…と返す男
編集者:毎日来られるとすげぇ迷惑なんだけどと返す女
編集者:なかなかに近未来的でシームレスだろ?と返す男
編集者:ホームレスだよと返す女
0:読み終わる編集者
編集者:…なるほどこういう話ですか
作家:そうなのだよ、どうだったかね?
編集者:…ト書きが多い!というかト書きしかありませんでしたよ!
作家:そうかい?
編集者:そうですよ!なんですかナントカと返す男、ナントカと返す女って
作家:ト書きだねぇ
編集者:それしかないじゃないですか!セリフゼロですよ!
作家:ダメかい?
編集者:ダメですよ!シナリオライターとしてセリフゼロの台本はシナリオじゃないですから!えぇ!?さっきからト書きト書きト書きト書き…!お前はト書き先生か!!
作家:はい、ト書き先生です
編集者:そこはいいえ、の即答で良いんですよ!
0:即答する作家
作家:いいえ
編集者:今じゃない!
作家:そんなに文句があるなら君が私の代わりに書けばいいじゃないか
編集者:だからゴーストライターはしないんですって
作家:私は最後の作者コメントだけ書くよ
編集者:あとがき先生もダメなんですよ!
作家:あとがきを見ました
編集者:え!?
作家:あとがきを見ました
編集者:何がですか
作家:あれ?レジであとがきを見ましたと言うとドリンクと文句をサービスしてくれるのでは無いのかね?
編集者:ここはレジじゃないし、そんなシステムはないですよ!テレビ番組じゃありませんし
作家:残念だよ、あ土橋先生
編集者:土橋ですー!!