台本概要

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タイトル 「うぃざーず/うぃっちーず」第一話「Awakening.」
作者名 なぎ@泣き虫保護者  (@fuyu_number10)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 20 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 ある姉弟の魔法への目覚め、そしてこれからどうなる、ってところまで・・・
思いつくまま書いてみましたので今後どう転がるかはわかりません!

※台本をご利用になる際は、Twitterにてぜひお報せくださいませ。
お伺いできる限り聴かせていただければと存じます。

なお、特に商用利用の場合において、著作権は放棄していません。無断での転載はお断りします。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
71 天野 彗(あまの すい)姉弟の姉。
63 天野 昴(あまの すばる)姉弟の弟。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 彗:(N)離れ離れだった私たちは。 昴:(N)ある時、突然再会の時を迎えた。 彗:(N)両親と、私たち二人しか、知らないはずの秘密を抱えたまま。 昴:(N)運命は、転がっていく。 彗or昴:「うぃざーど/うぃっちーず(仮)」第一話「awakening」 0:朝のキッチンにて。 彗:「(ふざけ気味に)おぉ~い!早くしろぉ~!」 0:彗、昴のお尻を蹴る 昴:「痛い!!!」 彗:「(呆れながら)アンタ何してんのよ!平たく焼いたら、菜箸(さいばし)でちょいちょいって畳むだけでしょ!?」 昴:「卵焼き無理だってー!スクランブルエッグで我慢してよ!ってか火を使ってるんだから暴れないでよ!危ないでしょ!」 彗:「(徐々にヒートアップ)嫌よ!アタシは卵焼きがいいの!甘くて!ふわっとろの!しっかりしろー!絶対やれるから!」 昴:「注文多いけど、これ難しいんだからね!」 彗:「あー!砂糖が焦げる!!」 昴:「ほら・・・彗が蹴るから・・・」 彗:「アタシのせいだっての?!理不尽だ!!」 昴:「理不尽なのは彗だからね!?」 彗:「いいから巻け!畳め!!」 昴:「待って、無理だってば!」 彗:「いいから早くぅ!!」 0:間。姉弟の食卓の上に、黒く焦げた部分が多いスクランブルエッグ。 昴:「・・・。」 彗:「・・・何でこうなった・・・?」 昴:「・・・だから言ったじゃん。いきなり卵焼きはムリって・・・。」 彗:「・・・何でアンタは最初っから無理無理言うかなぁ・・・できないならできないで練習しなさいよね。」 昴:「いや、だって・・・。」 彗:「ママがいつまでも作ってくれるとでも?!卵焼き一つ作れないんじゃ将来困るわよ!?」 昴:「じゃあ何が出来れば合格なのさ・・・。」 彗:「・・・(考え込んで)・・・NIKU JAGA?」 昴:「昭和・・・ってか何で英語風・・・。」 彗:「何?」 昴:「何でもない・・・肉じゃがねぇ・・・。僕はゼリーがあれば生きていけるし・・・。」 彗:「カブトムシか!?そだ、肉じゃがといえばさ・・・ママの肉じゃがって食べたことないねぇ・・・。」 昴:「あー、そっか・・・そういえばそうだね・・・。」 昴:  昴:(N)そもそも。まさか幼いころに生き別れた姉弟が、両親がヨリを戻したことでまた一緒に暮らすことになるなんて・・・。 彗:「ん~・・・まぁ焦げてないとこは食べれるから今日はこれで許す。」 昴:「うん・・・。」 彗:「どした?」 昴:「んーん。今更だけど、僕らが一緒に暮らすようになったのって、驚きだな、って。」 彗:「そうね。二度と会うことないんだな、って思ってた。」 昴:「そうなの?」 彗:「そりゃそうでしょ。パパが再婚する、っていうからさ、どんな人かと思ったらママだったとかさ。 彗:普通ヨリ戻したからって再婚する?同じ相手とさ。」 昴:「そういうものかなー?」 彗:「まぁアタシも経験したわけじゃないからね。そういうこともあり得るんだろうけど・・・ 彗:昴、アンタに会えるっていうのがさ。楽しみだったわけよ。(小声で)なのにさ・・・。」 昴:「僕も彗に会えるって聞いて・・・びっくりしたし・・・(小声で)嬉しかったし・・・。」 彗:「そう?そりゃ何より。(玉子焼きを食べ始める)うんうん。焦げてないとこは美味しいじゃん・・・。」 昴:「?」 0:場面転換。夜の浴室。彗が入浴している。 彗:「はぁ~・・・昴、覚えてるのかな・・・アタシたちの不思議な力のこと・・・。」 彗:「(幼い声で)ねぇ、パパ、私と昴はどうして、チューしたら魔法みたいな力が使えるの?」 彗の父:「彗、お前と昴には、不思議な力があるんだよ。」 彗:(幼い声で)「ふしぎな、ちから?」 彗の父:「そうだよ。でも、昴もそうだけど、この力は無闇に使っちゃだめだ。ちゃんとコントロールできるまではね。」 彗:(幼い声で)「こんとろーる・・・?わかった!」 彗:(今の声で)「コントロール、ねぇ・・・。」 0:不意に、彗の胸に言い知れない「何かが起こるかもしれない」という感情が沸き起こる。 彗:っ・・・? 0:場面転換。夜の庭先。風呂上がりの彗が、望遠鏡を覗く昴を見つける。 彗:「ふぃ~極楽極楽~・・・昴?」 昴:「何~?」 彗:「部屋真っ暗にして、何してんの?」 昴:「みずがめ座流星群~・・・。」 彗:「そういえばそんなこと言ってたわね。どう?見える?」 昴:「んー、見えるよ~。結構飛んでるね。」 彗:「ほほぅ・・・どれどれ~?」 昴:「え?ちょ、彗、近い近い!」 彗:「おおー、凄い凄い!飛んでるねー!って何よ昴ー、照れてるの?」 昴:「そりゃそうでしょ!」 彗:「ひひひ、いい匂いでしょ~?シャンプー変えたんだ~。」 昴:「知ってる、知ってるよ!風呂に置いてるの見たもん!」 彗:「んー、そう?(すんすんと昴の匂いもかぐ)昴もいい匂いするね~・・・!」 昴:「ちょ、彗!あぶな!」 彗:「わひゃっ!?」 0:倒れる望遠鏡。彗が昴に覆いかぶさるように倒れる。昴に何か予感めいたものが走る。 彗:「昴・・・」 昴:「・・・あっ、うん」 彗:「・・・・・・ごめん!」 昴:「ん!?」 0:彗、昴に口づけする。家中に風が吹き、彗の周りに数個の火が現れる。 彗:「ん・・・ふふっ・・・昴ぅ・・・見て・・・!火が飛んでる!」 昴:「(キスされて驚きを隠せず)彗?!何で!?」 彗:「えー?だってさぁ・・・早く「チカラ」を使ってみたかったんだもん・・・。」 昴:「「チカラ」?なんだよそれ!」 彗:「え?」 昴:「え?」 彗:「昴、もしかして覚えてないの・・・?ほら、これ・・・」(と舞い散る火の粉を指さす) 0:場面転換。天体観測を中断して、お茶を用意した彗と昴。 昴:「うーん・・・そんな話したっけなぁ・・・?」 彗:「え~!?あんなに衝撃的な出来事だったのに!?ってかアタシのファーストキスだったのに!!」 昴:「いやいや、そんな小さなころのことなんてノーカンで良くない!?」 彗:「良くないわよ!アタシが覚えてる限りアレがノーカンになることはない! 彗:ノーカンだとしてもさっきやった!だから返せ!乙女の純情を!」 昴:「話逸れてない?!ってか無理だし!?」 彗:「む~っ!!」 昴:「いや、むくれても無理だよ!?」 彗:「・・・ぷっぷくぷー!!」 昴:「怒ってるのか楽しんでるのかどっちかにしてよ!? 昴:・・・それよりも彗?その火は消えないの?ってか危ないんだけど?」 彗:「んー・・・いや、楽しんではないけど・・・さっきいくつか消えちゃったけどさ、 彗:コイツだけ全然消えないのね。どうしたらいいのかな?」 昴:「火、ということは・・・」 0:昴、ガラスポットを取り出す。 昴:「彗、この中に入れられる?」 彗:「ここに?何で?」 昴:「酸素がなくなったら消えるかなと。」 彗:「昴!アンタ天才じゃん!やればできる子!!」 昴:「いや中学生の理科・・・!」 彗:「んじゃ、よい、しょっと・・・?」 0:彗が誘導するが火はガラスポットに入らない。 彗:「あれー?んしょ、この、よっ、と・・・」 昴:「え?何してるの彗?」 彗:「えぇ?何って・・・入らないのよ、これが・・・っんしょ!・・・ほっ!」 昴:「うわ!あっぶ!!!」 彗:「ええ・・・え!わっ・・・とと!!」 0:シュボッ、という音とともに火が消える。そして彗の母が彗に無言で「げんこつ」をお見舞いする。 彗:「いだっ!!」 昴:「母さん・・・お、おかえり・・・。」 0:場面転換。昴の自室。昴と彗。 彗:「っていうかさ、昴のチカラは何で発動?してないの?」 昴:「発動て・・・でも確かにそうだね・・・」 彗:「あの時は何があったんだっけ・・・?すっごい風が吹いて・・・急にひんやりして・・・。」 昴:「それで?」 彗:「昴が、・・・どこ見てるのか分からないような眼をしてて・・・」 昴:「はい?」 彗:「急に、「僕はこの世界を変えてやる!」とか言い出して・・・」 昴:「(嫌そうに)ぅえ・・・?」 彗:「ママにげんこつされて正気に戻ったんだっけ」 昴:「何気に母さん最強なんだよね・・・」 彗:「それで結局どういうチカラなのか・・・分からないわけだけど・・・。 昴:「風を起こしたりできるのかな・・・?んー・・・!(と気合を入れてみる)」 彗:「え・・・昴何そのポーズ・・・。」 昴:「「俺の右手が真っ赤に燃える」的な?」 彗:「何よそれ・・・中二かよ・・・。それにしても何も出ないわね?」 昴:「まぁこれで何か出ても怖いんだけど(昴、突然苦しみだす)・・・ぅぅっ・・・。」 彗:「え?」 昴:「う・・・ぐぁ・・・はっ、はっ(呼吸が荒くなる)な、に、こ・・・れ・・・・・・」 0:部屋の中を強い風が吹き荒れる。 彗:「ちょっと、昴!?」 昴:「・・・。」 彗:「昴、昴!!」 昴:「す、い・・・?・・・サワ・・・る、ナ・・・!」 0:昴、彗を突き飛ばす 彗:「ぅわ!?」 0:強い風はどんどん温度を下げて冷風になる。 彗:「!?さむっ・・・!何なのこれ・・・!」 昴:「すい・・・彗・・・!」 彗:「え・・・?」 0:風が収まり、昴の周りを大きな雪の結晶のようなものが廻っている。 昴:「何だかわかんないけど・・・もしかして僕も・・・?」 彗:「うん・・・たぶん・・・っていうか昴、アンタ大丈夫なの?」 昴:「えっと・・・たぶん・・・急に胸が苦しくなったんだけど・・・今は何だかすっきりしてるし・・・ほっ!」 0:アイスコーヒーが入ったグラスに雪の結晶が飛び込み、一瞬で凍結する。 彗:「・・・はぁっ!?」 昴:「えへへ・・・なんか出来ちゃった・・・。」 彗:「ぐぬぬ・・・!何で昴は出来てアタシが出来ないの・・・!?」 昴:「いや・・・分かんないけど・・・。」 彗:「あー!!!もう!!!分からんものは分からん!!また明日にしよ!寝る!!」 昴:「お、お休み、彗・・・。」 彗:「お休み、昴!」 0:昴の部屋のドアが乱暴に閉まる。昴、右手をグーパーしながら。 昴:「・・・うーん・・・この感じ・・嫌な予感がする・・・。」 0:自室に戻った彗。 彗:「昴・・・さっきは・・・ごめんね。でもあたしだって恥ずかしいんだからな・・・うううぅ!」 0:彗、自室の別途に倒れ込み、枕に顔を押し付けてうなり続ける。 0:  0:続く。

0: 彗:(N)離れ離れだった私たちは。 昴:(N)ある時、突然再会の時を迎えた。 彗:(N)両親と、私たち二人しか、知らないはずの秘密を抱えたまま。 昴:(N)運命は、転がっていく。 彗or昴:「うぃざーど/うぃっちーず(仮)」第一話「awakening」 0:朝のキッチンにて。 彗:「(ふざけ気味に)おぉ~い!早くしろぉ~!」 0:彗、昴のお尻を蹴る 昴:「痛い!!!」 彗:「(呆れながら)アンタ何してんのよ!平たく焼いたら、菜箸(さいばし)でちょいちょいって畳むだけでしょ!?」 昴:「卵焼き無理だってー!スクランブルエッグで我慢してよ!ってか火を使ってるんだから暴れないでよ!危ないでしょ!」 彗:「(徐々にヒートアップ)嫌よ!アタシは卵焼きがいいの!甘くて!ふわっとろの!しっかりしろー!絶対やれるから!」 昴:「注文多いけど、これ難しいんだからね!」 彗:「あー!砂糖が焦げる!!」 昴:「ほら・・・彗が蹴るから・・・」 彗:「アタシのせいだっての?!理不尽だ!!」 昴:「理不尽なのは彗だからね!?」 彗:「いいから巻け!畳め!!」 昴:「待って、無理だってば!」 彗:「いいから早くぅ!!」 0:間。姉弟の食卓の上に、黒く焦げた部分が多いスクランブルエッグ。 昴:「・・・。」 彗:「・・・何でこうなった・・・?」 昴:「・・・だから言ったじゃん。いきなり卵焼きはムリって・・・。」 彗:「・・・何でアンタは最初っから無理無理言うかなぁ・・・できないならできないで練習しなさいよね。」 昴:「いや、だって・・・。」 彗:「ママがいつまでも作ってくれるとでも?!卵焼き一つ作れないんじゃ将来困るわよ!?」 昴:「じゃあ何が出来れば合格なのさ・・・。」 彗:「・・・(考え込んで)・・・NIKU JAGA?」 昴:「昭和・・・ってか何で英語風・・・。」 彗:「何?」 昴:「何でもない・・・肉じゃがねぇ・・・。僕はゼリーがあれば生きていけるし・・・。」 彗:「カブトムシか!?そだ、肉じゃがといえばさ・・・ママの肉じゃがって食べたことないねぇ・・・。」 昴:「あー、そっか・・・そういえばそうだね・・・。」 昴:  昴:(N)そもそも。まさか幼いころに生き別れた姉弟が、両親がヨリを戻したことでまた一緒に暮らすことになるなんて・・・。 彗:「ん~・・・まぁ焦げてないとこは食べれるから今日はこれで許す。」 昴:「うん・・・。」 彗:「どした?」 昴:「んーん。今更だけど、僕らが一緒に暮らすようになったのって、驚きだな、って。」 彗:「そうね。二度と会うことないんだな、って思ってた。」 昴:「そうなの?」 彗:「そりゃそうでしょ。パパが再婚する、っていうからさ、どんな人かと思ったらママだったとかさ。 彗:普通ヨリ戻したからって再婚する?同じ相手とさ。」 昴:「そういうものかなー?」 彗:「まぁアタシも経験したわけじゃないからね。そういうこともあり得るんだろうけど・・・ 彗:昴、アンタに会えるっていうのがさ。楽しみだったわけよ。(小声で)なのにさ・・・。」 昴:「僕も彗に会えるって聞いて・・・びっくりしたし・・・(小声で)嬉しかったし・・・。」 彗:「そう?そりゃ何より。(玉子焼きを食べ始める)うんうん。焦げてないとこは美味しいじゃん・・・。」 昴:「?」 0:場面転換。夜の浴室。彗が入浴している。 彗:「はぁ~・・・昴、覚えてるのかな・・・アタシたちの不思議な力のこと・・・。」 彗:「(幼い声で)ねぇ、パパ、私と昴はどうして、チューしたら魔法みたいな力が使えるの?」 彗の父:「彗、お前と昴には、不思議な力があるんだよ。」 彗:(幼い声で)「ふしぎな、ちから?」 彗の父:「そうだよ。でも、昴もそうだけど、この力は無闇に使っちゃだめだ。ちゃんとコントロールできるまではね。」 彗:(幼い声で)「こんとろーる・・・?わかった!」 彗:(今の声で)「コントロール、ねぇ・・・。」 0:不意に、彗の胸に言い知れない「何かが起こるかもしれない」という感情が沸き起こる。 彗:っ・・・? 0:場面転換。夜の庭先。風呂上がりの彗が、望遠鏡を覗く昴を見つける。 彗:「ふぃ~極楽極楽~・・・昴?」 昴:「何~?」 彗:「部屋真っ暗にして、何してんの?」 昴:「みずがめ座流星群~・・・。」 彗:「そういえばそんなこと言ってたわね。どう?見える?」 昴:「んー、見えるよ~。結構飛んでるね。」 彗:「ほほぅ・・・どれどれ~?」 昴:「え?ちょ、彗、近い近い!」 彗:「おおー、凄い凄い!飛んでるねー!って何よ昴ー、照れてるの?」 昴:「そりゃそうでしょ!」 彗:「ひひひ、いい匂いでしょ~?シャンプー変えたんだ~。」 昴:「知ってる、知ってるよ!風呂に置いてるの見たもん!」 彗:「んー、そう?(すんすんと昴の匂いもかぐ)昴もいい匂いするね~・・・!」 昴:「ちょ、彗!あぶな!」 彗:「わひゃっ!?」 0:倒れる望遠鏡。彗が昴に覆いかぶさるように倒れる。昴に何か予感めいたものが走る。 彗:「昴・・・」 昴:「・・・あっ、うん」 彗:「・・・・・・ごめん!」 昴:「ん!?」 0:彗、昴に口づけする。家中に風が吹き、彗の周りに数個の火が現れる。 彗:「ん・・・ふふっ・・・昴ぅ・・・見て・・・!火が飛んでる!」 昴:「(キスされて驚きを隠せず)彗?!何で!?」 彗:「えー?だってさぁ・・・早く「チカラ」を使ってみたかったんだもん・・・。」 昴:「「チカラ」?なんだよそれ!」 彗:「え?」 昴:「え?」 彗:「昴、もしかして覚えてないの・・・?ほら、これ・・・」(と舞い散る火の粉を指さす) 0:場面転換。天体観測を中断して、お茶を用意した彗と昴。 昴:「うーん・・・そんな話したっけなぁ・・・?」 彗:「え~!?あんなに衝撃的な出来事だったのに!?ってかアタシのファーストキスだったのに!!」 昴:「いやいや、そんな小さなころのことなんてノーカンで良くない!?」 彗:「良くないわよ!アタシが覚えてる限りアレがノーカンになることはない! 彗:ノーカンだとしてもさっきやった!だから返せ!乙女の純情を!」 昴:「話逸れてない?!ってか無理だし!?」 彗:「む~っ!!」 昴:「いや、むくれても無理だよ!?」 彗:「・・・ぷっぷくぷー!!」 昴:「怒ってるのか楽しんでるのかどっちかにしてよ!? 昴:・・・それよりも彗?その火は消えないの?ってか危ないんだけど?」 彗:「んー・・・いや、楽しんではないけど・・・さっきいくつか消えちゃったけどさ、 彗:コイツだけ全然消えないのね。どうしたらいいのかな?」 昴:「火、ということは・・・」 0:昴、ガラスポットを取り出す。 昴:「彗、この中に入れられる?」 彗:「ここに?何で?」 昴:「酸素がなくなったら消えるかなと。」 彗:「昴!アンタ天才じゃん!やればできる子!!」 昴:「いや中学生の理科・・・!」 彗:「んじゃ、よい、しょっと・・・?」 0:彗が誘導するが火はガラスポットに入らない。 彗:「あれー?んしょ、この、よっ、と・・・」 昴:「え?何してるの彗?」 彗:「えぇ?何って・・・入らないのよ、これが・・・っんしょ!・・・ほっ!」 昴:「うわ!あっぶ!!!」 彗:「ええ・・・え!わっ・・・とと!!」 0:シュボッ、という音とともに火が消える。そして彗の母が彗に無言で「げんこつ」をお見舞いする。 彗:「いだっ!!」 昴:「母さん・・・お、おかえり・・・。」 0:場面転換。昴の自室。昴と彗。 彗:「っていうかさ、昴のチカラは何で発動?してないの?」 昴:「発動て・・・でも確かにそうだね・・・」 彗:「あの時は何があったんだっけ・・・?すっごい風が吹いて・・・急にひんやりして・・・。」 昴:「それで?」 彗:「昴が、・・・どこ見てるのか分からないような眼をしてて・・・」 昴:「はい?」 彗:「急に、「僕はこの世界を変えてやる!」とか言い出して・・・」 昴:「(嫌そうに)ぅえ・・・?」 彗:「ママにげんこつされて正気に戻ったんだっけ」 昴:「何気に母さん最強なんだよね・・・」 彗:「それで結局どういうチカラなのか・・・分からないわけだけど・・・。 昴:「風を起こしたりできるのかな・・・?んー・・・!(と気合を入れてみる)」 彗:「え・・・昴何そのポーズ・・・。」 昴:「「俺の右手が真っ赤に燃える」的な?」 彗:「何よそれ・・・中二かよ・・・。それにしても何も出ないわね?」 昴:「まぁこれで何か出ても怖いんだけど(昴、突然苦しみだす)・・・ぅぅっ・・・。」 彗:「え?」 昴:「う・・・ぐぁ・・・はっ、はっ(呼吸が荒くなる)な、に、こ・・・れ・・・・・・」 0:部屋の中を強い風が吹き荒れる。 彗:「ちょっと、昴!?」 昴:「・・・。」 彗:「昴、昴!!」 昴:「す、い・・・?・・・サワ・・・る、ナ・・・!」 0:昴、彗を突き飛ばす 彗:「ぅわ!?」 0:強い風はどんどん温度を下げて冷風になる。 彗:「!?さむっ・・・!何なのこれ・・・!」 昴:「すい・・・彗・・・!」 彗:「え・・・?」 0:風が収まり、昴の周りを大きな雪の結晶のようなものが廻っている。 昴:「何だかわかんないけど・・・もしかして僕も・・・?」 彗:「うん・・・たぶん・・・っていうか昴、アンタ大丈夫なの?」 昴:「えっと・・・たぶん・・・急に胸が苦しくなったんだけど・・・今は何だかすっきりしてるし・・・ほっ!」 0:アイスコーヒーが入ったグラスに雪の結晶が飛び込み、一瞬で凍結する。 彗:「・・・はぁっ!?」 昴:「えへへ・・・なんか出来ちゃった・・・。」 彗:「ぐぬぬ・・・!何で昴は出来てアタシが出来ないの・・・!?」 昴:「いや・・・分かんないけど・・・。」 彗:「あー!!!もう!!!分からんものは分からん!!また明日にしよ!寝る!!」 昴:「お、お休み、彗・・・。」 彗:「お休み、昴!」 0:昴の部屋のドアが乱暴に閉まる。昴、右手をグーパーしながら。 昴:「・・・うーん・・・この感じ・・嫌な予感がする・・・。」 0:自室に戻った彗。 彗:「昴・・・さっきは・・・ごめんね。でもあたしだって恥ずかしいんだからな・・・うううぅ!」 0:彗、自室の別途に倒れ込み、枕に顔を押し付けてうなり続ける。 0:  0:続く。