声劇台本置き場

バラク：……………………は？ バラク：これは…どういう事だ…… アグレス：…………サーシャは…………死んだ バラク：んなこと見りゃ分かんだよ！！ リネアネ：大きい声出さないで！ リネアネ：アグレスが今どんな気持ちか…分からないあんたじゃないでしょ？ バラク：っぐ…………クソッ！！ アグレス：バラク………すまない…… バラク：っお前が……お前が謝んじゃねーよ バラク：分かってんだよ！ただの八つ当たりだって！！ バラク：でも…これは……… アグレス：……すまない バラク：っ………… フォルグ：リネアネ、私たちがいない間に何があった リネアネ：…………あんたたちが王都に向かってから一時間もしないうちに帝国軍の男が来たの リネアネ：名前は確か…ファルガ・ミュルガイア、帝国近衛師団団長とか言ってたわね フォルグ：ファルガ・ミュルガイア…… リネアネ：なに、知り合い？ フォルグ：いや、何でもない。続けてくれ リネアネ：…？まぁいいや リネアネ：で、骸とか言う奴も何人か連れてきてたのよ。そっちは余裕だったんだけどさ リネアネ：そのファルガってやつが大問題。結界カンタンに破ってくるし、普通に超強いし リネアネ：あたしあいつ嫌い フォルグ：お前にそこまで言わせるとは、現師団長も伊達ではないようだな リネアネ：そう言うこと。それで苦戦してる時にサーシャちゃんが孤児院からそとに出てきて援護してくれたんだけど リネアネ：あたしが油断した隙に生きてた骸に捕まっちゃってさ…ファルガに攻撃される寸前でアグレスが助けてくれたの フォルグ：戦いの最中で油断とはお前らしいな リネアネ：えへへー…… フォルグ：……サーシャの最後はどうだった リネアネ：かっこよかったよ。好きな男の子守る為に身を挺したんだもん…… リネアネ：かっこ悪いわけないじゃない………… フォルグ：そうか……そうだったな。すまなかった リネアネ：それで？カール君とケルミアちゃんはどうしたの フォルグ：…ケルミアは着いたときには手遅れだった リネアネ：…カール君は無事だったのね フォルグ：そうだ。だが、敵のギフトに罹っていてな フォルグ：アグレスに託して自分で逝ったようだ リネアネ：そっかぁ……頑張ったのね…… フォルグ：ああ、あの年齢で大したものだ………… フォルグ：……皆疲れただろう。今日はゆっくり休んで諸々明日決めよう リネアネ：そうね………… 0： 0： 0： バラク：（M）今日はやばいことが馬鹿みたいに起きた バラク：（M）助けに行った仲間は死に、急いで帰ればサーシャが棺に入ってる バラク：（M）気づいたときにはアグレスに向かって声を荒げていた…… バラク：（M）カールもサーシャのことも俺がやらせたのにな………… バラク：（M）アグの友として失格だろうなぁとか珍しく自己嫌悪しながらも バラク：（M）嫌いな「奴」と話すべく、目を閉じて眠りにつく 0： 0： 0： バラク：…………おい、いんだろ？出て来いよ ？？？：やぁやぁ…急にどうしたのかな？ バラク：ふざけんな、分かってんだろ ？？？：あはははごめんごめん。君から繋いでくれるのが久しぶりだからうれしくてね バラク：チッ…… ？？？：それで、どれについて聞きたいのかな？ バラク：どれじゃねぇ、全部だ ？？？：全部かぁ…全部って言われてもね…… ？？？：ボクなぁんも知らないんだよねー バラク：…は？ ？？？：は？じゃないよ。ボクは何も知らないんだ バラク：んなわけねぇだろ！！ ？？？：そんなこと言われてもねー今回のことにはなんにも干渉してないんだ バラク：じゃあなんで…… ？？？：おやおやぁ？自分で分からないのかい？ バラク：なに？ ？？？：そんなことはないはずさ。キミの心の底でずっと渦巻いてるんだから バラク：まさか…っ！言うな… ？？？：図星かな…じゃあ答え合わせと行こうか ？？？：…………キミが悪いんじゃないか バラク：ぐっ………… ？？？：カールとケルミアが攫われたのも、サーシャが死んだのもキミのせいだ バラク：………… ？？？：何故か…………ボクがあげたギフトの力を使えば死なない未来を作れたはずだろ？ ？？？：なのにそれをしなかった。力を隠した… ？？？：アグレスの為かなぁ？違うな。自分の為に他を犠牲にして隠し続けている ？？？：怖いんだ……【天命】だと知られたときに、どんな風に思われるか ？？？：全てキミの仕業だったと思われることに怯えている ？？？：結局自分のことしか考えちゃいないんだ ？？？：分かったかい？ボクに八つ当たりしに来たんだろうけど、それもお門違いだよ バラク：……クソッ ？？？：はぁ……今日のキミはつまらないな。いつもなら飄々と嚙みついてくるのに随分と素直だ ？？？：アグレスの話とか聞きたかったけど仕方ない。もう時間みたいだ………… バラク：………… 0： 0： 0： バラク：……ちくしょう アグレス：バラク……入るぞ バラク：…………アグ… アグレス：昨夜はよく眠れたか？ バラク：そりゃ、もちろんぐっすりと アグレス：…そうか アグレス：…………もう、お前の噓も簡単に見抜けるようになった バラク：は？いきなりどうした アグレス：俺を信用出来ないか？ バラク：んなわ……け アグレス：俺はお前を信用している アグレス：頼りにもしている アグレス：今は言えないことが多いと思うが、必ず言ってくれると信じてる バラク：……どうして アグレス：仲間だから……いや、違うな アグレス：唯一背中を預けられる心友だからな バラク：アグレス…… アグレス：顔洗って身支度をしたら広間に来い。今日のことで会議をする バラク：……あぁ、すぐ行く 0： 0： 0： 0： 0： ジルメナス：ミュルガイア。貴様には失望したぞ ファルガ：申し訳ございません…… ジルメナス：貸してやった骸は一人も帰ってこず、依頼した子どもも回収出来ず…… ジルメナス：剰えサーシャ・スターシアを殺したと………… ファルガ：………… ジルメナス：近衛師団団長としての矜持はどこに行った？ ジルメナス：それとも…妻と娘に手をかけられないとやる気が出ぬか？ ファルガ：お待ちください！それだけは……どうかそれだけは ジルメナス：ふん……表向きは最強と名高いお前が失態を犯すということの意味分かっているな？ ファルガ：はい、承知しております ジルメナス：なら結果で示せ。近衛師団団長ファルガ・ミュルガイアよ ファルガ：はっ！！ ジルメナス：貴様に最後のチャンスをやろう ジルメナス：ヴァレル、ミィティア入れ ヴァレル：失礼します ミィティア：失礼するわ ジルメナス：貴様にはこの二人を連れて城外の守備をしてもらう ジルメナス：部隊は第一、第二、第九を連れていくがよい ファルガ：承知しました ヴァレル：失礼ながら王よ、質問がございます ジルメナス：許可しよう ヴァレル：ありがとうございます。では一つだけ…此度の部隊編成は何の為のものなのでしょう ジルメナス：それを今から説明すると言うのに、毎度小賢しい奴よの ヴァレル：お褒め頂き恐悦至極にございます ジルメナス：先日そこのミュルガイアが任務を遂行できずに帰還してな、砂利共の虎の尾を踏んだらしい ヴァレル：その砂利共が此処に攻めて来ると？ ジルメナス：そうだ。人数は三人、その内ギフテッドは一人 ヴァレル：三人中ギフテッド一人に対しては大分過剰戦力な気がしますが…… ジルメナス：そうでもない。死霊兵千六百を相手にほぼ無傷で勝利出来る程度の実力はあるらしい ヴァレル：ほう………正体を聞いても？ ジルメナス：よかろう ジルメナス：一人はアグレス・ログルス。我が一族の汚点 ジルメナス：二人目はフォルグ・アル・ネフェリム。前帝王に仕えていた元近衛師団団長だ ファルガ：……！ ジルメナス：三人目はバラク・オーディス。お前ら一族の末弟だ ヴァレル：！？ ミィティア：！？ ジルメナス：お前たちを呼んだのはそう言うことだ ヴァレル：これはこれは……千載一遇のチャンスが巡ってきたな… ミィティア：あの出来損ないあんな所にいたのね…… ミィティア：…ふふっまた痛めつけてやろうかしら ヴァレル：ふん、程々で留めておけよ ミィティア：分かってるって ヴァレル：王よこの様な機会を頂き感謝します ヴァレル：期待には必ずや答えて見せましょう！！ ジルメナス：そうか。お前たち期待しておるぞ ファルガ：はっ！ ヴァレル：はっ！ ミィティア：は！ 0： 0： ファルガ：……ふぅ ミィティア：はんっ！なぁに？あんた、ジルメナス様の任務失敗したの？ダッサァ ファルガ：……うるさい ミィティア：そんで家族人質にされて何も出来ないって ミィティア：そんな足手まといもう捨てればいいじゃない ファルガ：それ以上口を開くな ミィティア：な、何よ事実でしょ？ ファルガ：私は家族の為にこの国に命を捧げている。家族を悪く言うな ミィティア：…なによマジになちゃって…慰めてあげてんのに ヴァレル：お前……まだ諦めてなかったのか ミィティア：別にいいじゃない…アタシより強いのあいつしかいないんだもん ヴァレル：まぁいい。任務に支障が出なければな ミィティア：分かってるわよ 0： 0： 0： リネアネ：おっそーーい フォルグ：…揃ったか バラク：わりぃな、昨日考えすぎて眠れなかった リネアネ：お？……お！？どした？どうしたー！？？ リネアネ：バラクが素直なんだけどぉ…キモチ悪い バラク：お前後で一発殴らせろ リネアネ：あ、戻ったーそうそうこれがバラク……って一発殴るの！？ バラク：いいよな？アグ アグレス：好きなだけやるといい バラク：あいよ リネアネ：え゛っ？ホントにやんの？ねぇ本気なの？？ アグレス：バカは置いておいて今日の話だが…… リネアネ：だからあたしはバカじゃなーーーーい アグレス：遮るな。話が進まないだろう リネアネ：あい…… バラク：やっぱすんとすんのな フォルグ：それでアグレス、どうするつもりだ アグレス：…………王座を奪りに行こうと思います バラク：王座を…… リネアネ：奪りにぃいいいいい！？ フォルグ：それは本気で言っているのか？ アグレス：はい、ジルメナスに代わって俺が王になります アグレス：…六歳の時に捨てられてからずっと考えていました アグレス：ジルメナスが統治する今のこの国では滅びる未来しか存在しない アグレス：それでも民が動かないのは分かっているから… リネアネ：分かってるって何を？ アグレス：ジルメナスの後ろにいる最強の戦士を アグレス：そしてその人が次期帝王であり、変われば国が良くなる事を確信している リネアネ：へぇーそんな人いるんだ アグレス：名をアグレウス・ログルス アグレス：俺が唯一尊敬している兄だ リネアネ：あんた兄弟いたの！？ バラク：お前知らなすぎだろ… リネアネ：仕方ないじゃない…そこに興味ないもの フォルグ：それで、どうやって奪るつもりだ？ アグレス：基本は変わりません。こっちの戦力は俺とバラクと先生の三人しかいませんから リネアネ：なんであたしが入ってないのよ アグレス：リネアネがここを離れたら誰が子どもの面倒を見るんだ？ リネアネ：そんなのカール君とケルミアちゃんに任せれば………あ バラク：二人はもういない リネアネ：ごめん… アグレス：………… バラク：まぁ心配すんな『ここに帝国軍はもう来ない』から リネアネ：なんで分かんのよ バラク：勘だよ。俺の勘は良く当たるだろ？ リネアネ：外してるところしか記憶にないけど… バラク：まぁ大丈夫だ。だから安心して子どものお守りしてろ バラク：お前が居ないとみんな不安になるだろ リネアネ：ぐぅ…確かにそうだけどー フォルグ：必ず帰って来る。だからここは任せたぞ リネアネ：そこは心配してないわよ！ アグレス：なら大丈夫だな。いつも通りにして待っていろ リネアネ：…分かったわよ アグレス：では、準備を整えて一時間後正門に集合 アグレス：国を変えに行くぞ バラク：おう！ フォルグ：あぁ 0： 0： 0： アグレス：（M）覚悟は当の昔に決めていた。この先は誰も失わない アグレス：（M）必ず全員で帰る。先に逝った仲間のためにも成し遂げてみせる アグレス：カール、ケルミア…サーシャ アグレス：見ていてくれ 0： 0： バラク：（M）奴に言われたことがずっと引っかかっている バラク：（M）俺がアグレスを信用できてないだと？ バラク：（M）そんなわけない。初めて会ったあの時からあいつに惚れて付いてきた バラク：（M）サーシャが死んだのは俺の罪だ。もうこれ以上アグレスに負担はかけさせない バラク：親友…俺がお前を王にする 0： 0： 0： フォルグ：…早いな。時間までまだあるぞ フォルグ：準備は出来たのか？ バラク：ん？あぁー俺が早いのは珍しいってか フォルグ：そうだな。いつも遅刻ギリギリのお前が十五分も前に来ているからな バラク：…………まぁ、そうかもな フォルグ：どうかしたか？ バラク：…センセェに頼みがある……………………………………… 0： フォルグ：なるほど、私の役目はそうならないようにする事 フォルグ：もしそうなった場合は……… バラク：あぁ、その時は… バラク：俺を見捨てて遠慮なく先に行ってくれ フォルグ：また難しい要求をするな…お前は バラク：センセェには簡単なことだろ フォルグ：簡単な訳あるか。たかが三年、されど三年 フォルグ：家を捨てたとはいえ、親の代わりに育ててきたつもりだ フォルグ：そんな我が子同然のお前が、ここまで覚悟を決めて戦場に出ようとしている フォルグ：…………簡単な訳があるか バラク：…わりぃなセンセェ バラク：でも、頼めるのセンセェしかいねぇんだ バラク：同じ戦場で子を失ったことがあるアンタにしか フォルグ：…分かっている バラク：じゃあ……頼んだぜ「先生」 フォルグ：……あぁ アグレス：…早いなバラク バラク：いやぁ緊張しちまってよぉ。直ぐに準備終わっちまった アグレス：……？お前が？珍しいな アグレス：それで、先生とは何を話してたんだ？ バラク：ん？緊張解してもらってたんだよ フォルグ：…そうだな。身体がガチガチに固まっていたからマッサージをな フォルグ：お前も受けていくか？ アグレス：俺は大丈夫です。もう時間ですし フォルグ：そうか、そうだったな リネアネ：揃ってるわね…… アグレス：リネアネ バラク：なんだ？見送りか？ リネアネ：当たり前じゃない リネアネ：見送りくらいするわよ アグレス：そうか。ありがとう リネアネ：とりあえずそこに並びなさい アグレス：…？ リネアネ：……並んだわね。それじゃいくわよ アグレス：何を……っ！？ 0： リネアネ：天風 リネアネ：静寂の潺 リネアネ：未来は明々 リネアネ：刻々と温情を リネアネ：創成たる魂に リネアネ：天凪の覈べを綴る リネアネ：spirit＿of＿calm＿lord 0： アグレス：……これは リネアネ：昨日サーシャちゃんの見て作ったの リネアネ：オリジナルの結界術 バラク：作ったって……これそんなレベルじゃねぇぞ リネアネ：あたしが住んでた国にね、こんな教えがあるの リネアネ：「強靭な身体は、強靭な魂から」って リネアネ：これはあんたたちの精神力に直結してる リネアネ：効果が強くなるのも弱くなるのも自分次第 リネアネ：でも…信じてるから リネアネ：大丈夫だって。あたし信じてる アグレス：…………ありがとうリネアネ アグレス：これで心置きなく戦える リネアネ：だから約束して…絶対に帰ってくるって アグレス：あぁ、必ず帰って来る。そうだよなバラク バラク：……そうだなぁ。やることやって祝杯を上げに帰ってくるさ リネアネ：…ネフェリム頼んだわよ フォルグ：分かっている。任せておけ リネアネ：うん…任せたぞ リネアネ：じゃああんたたち…いってらっしゃい！ アグレス：うん、行ってきます バラク：おう、行ってきます 0： 0： 0： 0： 0： フォルグ：見えてきたな バラク：だなぁ。またここに戻ってくるとはな… アグレス：あの隊列……来ることを知っていたというより…… バラク：いつ攻めてこられても対応出来る様にって感じだな フォルグ：部隊は三部隊と言ったところか……どう攻める？ アグレス：……先に二人には言っておく アグレス：もし仮にアグレウス・ログルスが出てきたら全力で逃げろ バラク：なんでだ？ アグレス：戦って勝てる相手じゃないからだ アグレス：三人で挑んで漸く五分……最悪全滅する バラク：そんなに強いのか フォルグ：そうだな。世界で見ても五本の指に入る実力者だったはずだ バラク：まじかぁそれは出てこないことを祈るしかないな アグレス：作戦はいつも通り臨機応変に行く バラク：りょうかい！ フォルグ：分かった アグレス：……よし、行くぞ！！ 0： 0： 0： ミィティア：暇なんだけどぉホントに来るのかしら ファルガ：黙って仕事をしろ ミィティア：そんなこと言われてもねぇ ミィティア：来なかったら時間の無駄じゃない ファルガ：…来るさ ファルガ：あの目は必ず来る ファルガ：例え今日じゃなくても必ず来るさ ヴァレル：ほぉう、随分と確信を持っているようだ ファルガ：勘みたいなものですがね ヴァレル：まぁいいさ。私からすれば来てもらえるだけありがたい ファルガ：先ほどから気になっていたのですが、何故そこまでバラク・オーディスに固執……… ヴァレル：シー…お喋りの時間はお終いのようだ ヴァレル：噂をすれば来たよ ファルガ：っ！隊列シフトＡだ急げ！！ ヴァレル：大丈夫だ。ゆっくり行こう ファルガ：なっ何を勝手に！ ヴァレル：よぉーバラク久しぶりだな バラク：よぉークソオヤジ久しぶりだな ヴァレル：三年ぶりか、よく戻ってきた バラク：会ってない三年間で随分老いたみたいだなぁ バラク：戻ってきてねぇよ……お前らを殺りに来たんだよぉ！ ヴァレル：お前も会ってない内に随分と馬鹿になったようだ ヴァレル：頭の良さだけが取り柄だったのになぁ アグレス：お前もそうだが親も野蛮だよな バラク：一緒にすんなバカ アグレス：悪かったよ バラク：んで、隠居したじじいがこんな所に何の用だ？ ヴァレル：王からの勅命でお前たちを潰すように言われてな ヴァレル：……だが、お前がオーディス家に戻ってくるならそこの二人は見逃してやろう ファルガ：んなっ！？ヴァレル候何をいって…… バラク：断る！！ バラク：アホなのか？少なくともこっちはお前らを打倒しに来てんだよ バラク：誰がそんなふざけた要求呑むかよ ヴァレル：そうか……理に適った要求をしたつもりだったが ヴァレル：仕方がない……足でも折って引き摺って帰るとしよう ヴァレル：行くぞミィティア ミィティア：はぁい。ようやくいじめられるわね バラク：と言う訳だアグレス…あいつらの相手は俺がする アグレス：分かった……無茶するなよ バラク：お前もな、アグレス！ アグレス：では先生、他は俺達で何とかしましょう フォルグ：すまない。そうもいかないみたいだ アグレス：え？ ファルガ：隊長…… フォルグ：今は隊長ではない アグレス：っ…ファルガ・ミュルガイア フォルグ：お前が戦いたいのは承知だが、私がやる アグレス：先生の知り合いなんですか？ フォルグ：私の元一番弟子だ アグレス：……成程 アグレス：それは強いわけだ ファルガ：お褒め頂きありがとうございます アグレス：褒めたわけじゃない…お前は後で必ずぶん殴る。覚悟しておけ ファルガ：それは怖いですが…覚悟して待っておきましょう アグレス：それでは先生任せます フォルグ：助かる。お前も気を付けるんだぞ アグレス：分かってます。では残りは俺が片付けて来ます フォルグ：あぁ 0： 0： バラク：おっなんだ姉貴だいぶ似合ってない眼帯してんじゃねぇか バラク：兵団長辞めて海賊にでもなったかぁ？ ミィティア：随分と舐めた口利くじゃなぁい ミィティア：また昔みたいに虐められたいのかしら？ バラク：おいおい…まだ昔のままだと思ってんのか？ ミィティア：同じよぉ ミィティア：その減らず口も、見目の悪さも…噓つきもね バラク：そぉかよ バラク：じゃあ……舐め腐ったまま地獄に墜ちてくれよっ！ ミィティア：なっ！？ ヴァレル：……… バラク：チッ……邪魔すんなよクソオヤジ ヴァレル：娘を失うわけにはいかないからな、邪魔くらいはするさ ミィティア：パパッ！！ ヴァレル：お前も油断しすぎだバカ者 ヴァレル：こいつは今の私よりも強い。舐めているともう片目を持っていかれるぞ ミィティア：分かったわよ！ ミィティア：もう！ムカつくガキばっかでイヤになるわね ヴァレル：二人で確実に抑えて連れて帰る。いいな？ ミィティア：はいはい分かりました！ バラク：はぁ………めんどいが久々に本気でやるかぁ バラク：………「天都琴嚥刃」抜刀！！（ミィティアとアドリブで戦闘してください） ミィティア：（バラクとアドリブで戦闘してください） バラク：おっと！ ミィティア：そこ！『流動』！！ ヴァレル：帝国式闘術二式・流尾！ バラク：ぐっ……流石に二人同時は厳しいか… バラク：どーすっかなぁ………ってアグレス！？ 0： 0： ファルガ：まさかこんな所で隊長と相見えるとは思いませんでした フォルグ：私はもう隊長ではない ファルガ：私にとっての隊長はあなただけです フォルグ：今はお前が隊長だろう ファルガ：名ばかりですよこんなもの…… フォルグ：何かあったのか？ ファルガ：いえ……何でもありません フォルグ：そうか…… ファルガ：今は敵として貴方を止めさせて貰います フォルグ：……そうか ファルガ：…………… フォルグ：…………… ファルガ：帝国式闘術一式・龍牙！ フォルグ：帝国式闘術一式・龍牙 ファルガ：っう……二式・龍爪！ フォルグ：龍爪 ファルガ：はぁはぁ……流石ですね フォルグ：…お前も腕を上げたな フォルグ：だが、まだ甘い フォルグ：皇国流柔術壱番・下波！！ ファルガ：なっ！ぐふぁ…………… ファルガ：なんだ今のは…………… フォルグ：私が遠征先の国で身に着けてきた技術だ ファルガ：まさか他国の技術まで昇華しているとは…… フォルグ：それ以前にお前からは迷いを感じる フォルグ：お前が私を殺す気で戦っていれば、決着はまだ付かなかっただろう ファルガ：……もう私が戦えないとでも？ ファルガ：舐められたものですね…この程度で負けを認められるほど、背負っているものは軽くないんですよ ファルガ：家族のためにも私はもう負けられない！ フォルグ：そうか……リーンとフィンは元気か？ ファルガ：っ…………… フォルグ：…？ フォルグ：…そう言うことか。いかにも現帝王がやりそうなことだ フォルグ：家族を人質に取られているな？それも【法典】の呪い付きで ファルガ：何故それを…… フォルグ：元弟子のことくらい分かる ファルガ：やはり隊長は変わりませんね… フォルグ：ファルガ フォルグ：こちらに来い。私達には呪いを解く術がある ファルガ：え……？本当ですか？ フォルグ：本当だ。私としてもお前を手にかけるのは気が引ける ファルガ：…………それだったら… フォルグ：！？……済まない急用だ。この戦いが終わるまでに考えておいてくれ ファルガ：……………隊長 0： 0： アグレス：はぁはぁ…… アグレス：（おかしい…身体が熱い、重い。いつものように動かない） アグレス：っぐ、がっはぁ……… アグレス：（マズいダメージを受けすぎている……早く回復しないと） アグレス：…！ぐぁああああああああああ……… アグレス：なんだ今のは……まさか拒否反応……？ アグレス：（クソッ意識が遠のいていく……） バラク：アグレス大丈夫か！？ アグレス：バラク……何してる早く戻れ……戦線が崩壊するぞ バラク：何言ってんだよ！お前見捨てて勝っても意味ねぇだろうが アグレス：だが…… フォルグ：アグレス大丈夫か アグレス：先生まで何しているんですか…… フォルグ：お前が優先だ ミィティア：あらぁ？なぁにぃ？どうしちゃったのかしらぁ？ バラク：まぁ流石に追ってくるよな…… ミィティア：フフッ雑魚にぼろ雑巾みたいにされちゃって可哀想に ミィティア：待ってなさい…今楽にしてあげるからぁ ヴァレル：バラクだけは生かしておけよ ミィティア：分かってるわよ……でもぉそこのボロ雑巾くらいにはなってもらうけどね！！ 0： ミィティア：剝動 ミィティア：大巖の女王 ミィティア：奔る流閃華 ミィティア：星転を穿つ ミィティア：留まれ、踊れ、迸れ ミィティア：清廉たる身に月桂樹の祝福を ミィティア：天能贈与『嬉嬉傀儡流鞭剝華』 0： ファルガ：……これは バラク：マジかよ…… バラク：天能贈与…使えねぇと思ってたんだけどな ミィティア：ふふっ…あっははははははははははははは ミィティア：あのカールってガキの天能贈与を喰らって完全に片目が失明してから ミィティア：感覚が研ぎ澄まされたのよぉ ミィティア：私の【流動】は物体に動きを与える ミィティア：だけど天能贈与になった今空間そのものに干渉できる！ ミィティア：こんな風に… アグレス：ぐあっ…… バラク：何！？ ミィティア：防御不能の絶対攻撃 ミィティア：それがアタシの嬉嬉傀儡流鞭剝華よ！！ ミィティア：そらそらそらそらぁ！！！！ バラク：っぐぅ…………… アグレス：っ……かはっ ミィティア：どうしたぁ？抵抗してみなよぉ！ バラク：（やばいな…アグレスがもうもたねぇ。このままじゃ全滅だ） バラク：（らしくないが……決めるしかねぇか） バラク：…センセェ フォルグ：……………バラク バラク：あぁ…アグレスを連れて行ってくれ フォルグ：………分かった アグレス：バラク…何言って……先生なにを フォルグ：行くぞ アグレス：待って…… バラク：わりぃなアグレス……『ここでお別れだ』 アグレス：ふざけるな！ ミィティア：そうよ！逃がすとでも思ってるわけ？ ヴァレル：ミィティア待て ミィティア：なんでよ！ ヴァレル：なんだバラク。戻ってくる気になったか？ バラク：バカ言うなよクソオヤジ バラク：『お前らはここで道づれだ』 ヴァレル：なに？ バラク：もう未来は確定した。俺と一緒に死ぬんだよ ミィティア：何そんな妄言吐いてんのよ、この状況が分からないわけぇ？ ヴァレル：そうだ。未来が確定だと？そんな芸当【天命】でもない限り…… バラク：俺の持つギフトがその【天命】だ アグレス：なっ…… ミィティア：はぁあ！？ バラク：アグ…隠してて悪かった バラク：でも…ようやく噓まみれで縛られた人生から解放される… バラク：センセェ走れ！！ フォルグ：……！ ヴァレル：ミィティア！これ以上奴に使わせるな！！ バラク：もう…遅ぇよ…… 0： バラク：天現 アグレス：止めろ…… バラク：天都の神殿 アグレス：止めてくれ……… バラク：凰者が命給 バラク：星穹に至る アグレス：バラクっ バラク：弦曳くは彼方 アグレス：お前まで… バラク：思慕を雫に馳せ バラク：我が御汝に祈り奉る アグレス：お前までいなくならないでくれ！！ バラク：大丈夫、心配すんな バラク：…アグ！お前はこの先『必ず立派で理想の王になる』！！ バラク：みんながそうしたように俺もお前に託す バラク：あとコレ……よっと バラク：俺の愛刀<天都琴嚥刃>だ、大事に使ってくれ…… バラク：じゃあなアグレス…俺のたった一人の心友 バラク：……『天祈瞑涛天ノ雫』 アグレス：逝くな！バラァァアアアアアアク 0： バラク：へえぇ、面白い事考えてんだな！ バラク：じゃあお前が王に成る時、俺が右腕としてサポートしてやんよ！ バラク：これからよろしくなアグ！！ 0： アグレス：約束破ってるじゃないか……バカバラク…… 0： 0： 0： 0： 0： バラク：これは隠し続けていた真実が想いとして託される絆伝の一命≪Crossbond≫ バラク：第三話【心友の想雫】 バラク：あれが俺の最初の噓だ バラク：先に逝ったみんなと、お前の手の届かない場所で見守ってるぜ