台本概要

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タイトル 米と小麦の下僕たち
作者名 801らぃと  (@puchin_smile)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ※性別設定は、男女のサシ劇ですが、特にご使用いただく方の性別は問いません。演技上のアドリブも構いません。

※作者運営のラジオ風配信で作成した台本であり、作者の処女作でございます。楽しく演っていただければ良いので、設定などの諸々について…「細かいことは、気にすんな〜!」精神でご使用くださいませ。

※もし台本使用した際、「使ったよ」と教えてくれたら、全身全霊で喜びますので、良かったら教えてくださいませ…\(^o^)/(アーカイブ等あれば聴きに行きます)

※演者様同士でご飯派かパン派かの議論もすると楽しいと思います。
特にどうでも良いことですが、作者はご飯派です←

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
炊飯 米仔 41 炊飯米仔(すいはん こめこ) ・ご飯大好き!食いっぷりの良い白米(はくまい)女学園に通う高校2年生女子 ・好きな食べ物は白飯! ・特技は、白飯をおかずに白飯を食べること! ・パン派とは分かり合えないと思っている。
小麦 潘次郎 34 小麦潘次郎(こむぎ ぱんじろう) ・毎食1斤食べるくらいのパン派 ・潘(ぱん)大附属高校に通う2年生男子 ・ご飯派とは分かり合えないと思っている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:主食が根本的に違える二人が通学途中、出会い頭に衝突するとこからスタートーーー  :  0:タイトルコール「米と小麦の下僕(げぼく)たち」 炊飯 米仔:米と 小麦 潘次郎:小麦の 炊飯 米仔:下僕(げぼく)たち(同時) 小麦 潘次郎:下僕(げぼく)たち(同時)  :  炊飯 米仔:わぁ〜!遅刻しちゃう〜! 炊飯 米仔:※ナレ(私、炊飯米仔(すいはん こめこ)!十七歳!今日は小テストがあるから早出なのに、すっかり忘れてたおっちょこちょい♪てへぺろ⭐︎なご飯を愛しすぎている普通の女の子!) 炊飯 米仔:もうぅ〜お母さん!いつも早炊きモードにして!って言ってるのに!まじおこ案件〜あ〜!イライラしたら余計にお腹空いちゃった!急いで持ってきたからほぐしてないけど…今日のブランド米はどうかなぁ〜いざ!オープン! 0:炊飯器の蓋を開けるーーー 炊飯 米仔:お〜!艶があって美し〜良い匂い〜今日のしゃもじはコレにして…いただきまーす! 炊飯 米仔:もぐっ…んぅ〜粘り気が少し強めで、甘みも強い…これもリピ決定だわ!  :  炊飯 米仔:※ナレ(と、呑気にご飯を堪能しながら角を曲がった先で、私の運命を変える人と出会ったのだ)  :  0: 炊飯 米仔:きゃあ!(同時に) 小麦 潘次郎:うわぁ!(同時に)  :  炊飯 米仔:いったぁ… 小麦 潘次郎:いってぇ…悪りぃ、大丈夫か…あ、やべ、パンどこ行った?あ、あったあった。  :  炊飯 米仔:えぇ…こちらこそ…見えなかったのでっ、あ!ご飯!炊飯器壊れてないかな?あ、大丈夫そ〜良かった!  :  0:そして自分の顔をお互い見るという謎現象が起こる(一時停止)ーーー  :  炊飯 米仔:はぁあ!?(同時) 小麦 潘次郎:はぁあ?!(同時)  :  0:二人とも動揺しながら、お互いを指差すーーー  :  小麦 潘次郎:うぉぇおい!その顔!!俺じゃないか!?はぁ!? 炊飯 米仔:いやぁあ!なんで?!私が目の前にいるの?!  :  0:少し間  :  小麦 潘次郎:これは…俗に言う入れ替わりってやつなのか?はぁ!?今ぶつかった衝撃で?! 炊飯 米仔:考えたくないけど、そう言わざるを得ないわね。 小麦 潘次郎:どうすんだよ!これから学校なのに! 炊飯 米仔:それは私もよ!朝から小テストあるし! 小麦 潘次郎:はぁあ…なっちまったもんはしょうがねぇ…状況を整理するためにも、まずお互い誰なのか話そう…俺の名前は、小麦潘次郎(こむぎ ぱんじろう)、潘(ぱん)大付属高校二年…見ての通りパン派だ、ちなみに朝食のパンは無事だ。 炊飯 米仔:私は炊飯米仔(すいはん こめこ)、白米女学園(はくまい じょがくえん)二年…お察しの通り、絶対的ご飯派よ。 小麦 潘次郎:((ため息))はぁ…よりによって、入れ替わった相手がご飯派かよ…「女子だ!」って一瞬浮ついた自分を殴りたい… 炊飯 米仔:はぁ!?ふざけんじゃないわよ!出会ってすぐにご飯を貶す(けなす)ような人と入れ替わったなんて、夢なら即刻覚めてほしいわ!  :  小麦 潘次郎:だぁああ、言い合っても仕方ねぇ!おい炊飯!入れ替わりを解く方法を探すぞ! 炊飯 米仔:ふんっ、言われなくても分かってるわよ!それで?言い出したからには、小麦くんに何か考えでもあるのかしら? 小麦 潘次郎:…あぁ…実は昨日…下校中に怪しいフードを被った占い師が、ちょうどこの角を曲がった先のところにいてな…なぜかよく分からないんだが、『明日、あなたに最大の転機が訪れますよ』って声をかけられてよ。 炊飯 米仔:な、なんか色々ツッコミたいこと満載だけど…まぁいいわ、それで? 小麦 潘次郎:それで、俺は面白半分で話を聞いたんだ。そしたら、『明日、この場所で運命的な出会いがある。その相手と和解出来たとき、あなたの未来は明るくなり…逆に出来なかったときは、暗黒に閉ざされる』って…占い師が言ってきたんだ。これって偶然か?転機って、絶対今の状況だろ?! 炊飯 米仔:確かに…偶然にしちゃ出来すぎてるわね…今この状況がそれと言わんばかりに…。占い師はその後どうなったの? 小麦 潘次郎:あぁ…占い師はその後、俺に笑いながら『楽しみにしてますよ』って言い残して荷物をまとめて行っちまった。顔も見え男か女かも分からない、不思議な感じだった。結局、こいつは何が言いたかったんだ?って思いながら俺も帰ったが…あの占い師!言いたい放題言いやがって!くっそぉお!こうなると分かってたら、もっと色々聞いたのに…!寝たら全部忘れて、ついさっき思い出した俺もバカだが! 炊飯 米仔:とにかく!そいつがこの件に関わっているのは確かなようね!そいつの思惑(おもわく)に乗らざるを得ないのは癪(しゃく)だけど、しょうがないわ!そいつの話を聞く限り、戻るためには…『相手と和解すれば戻れる』って…言ってたのよね? 小麦 潘次郎:あぁ…まず一番に思いつく打開策は、そういうことになる…な。  :  0:少しの間  :  炊飯 米仔:無理無理無理!絶っっっっ対無理ぃい!パン派とは分かり合えないぃいい!!!! 小麦 潘次郎:何言ってんだ!俺だってご飯派と和解?はぁ!?できねぇよ!!むしろ、したくねぇよ!!でも仕方ないだろ!!!入れ替わったままお互いの学校に行くか?家ではパンとご飯まで入れ替えて食べなきゃいけないんだぞ!!!良いのか?!それでも!!? 炊飯 米仔:…戻れなかったら…これからずっと、ご飯じゃなくて、パンの…生活? 小麦 潘次郎:あぁ…そうだ、俺は…パンじゃなくて…くっ、ご飯の生活だ… 炊飯 米仔:うっ…うううっ…それは、一番避けたい未来…くぅうぅ…分かったわ…今だけは、パンとご飯の双方を…理解できる様に…しましょう。 小麦 潘次郎:…よし…そうと決まれば、まずはお互いの良さを理解し合おう。丁度、昼食持ってきているしな…少し味を知ったら和解もしやすいんじゃないか?あー…言っとくが、俺はご飯を食べたことは今までに一度もない。家族もパン派でな…実家がパン屋なんだ。 炊飯 米仔:…実は、私もパンを食べたことがないの。家が懐石(かいせき)料理屋なこともあって、食事は和食が基本で、家族もパンに縁がなかったから…パン派を理解する機会すらなかったわ…  :  0:それぞれ昼ご飯の一部を交換するーーー  :  炊飯 米仔:それじゃあ…(恐る恐る) 小麦 潘次郎:お、おう…(恐る恐る)  :  炊飯 米仔:いただきます!もぐっ(同時) 小麦 潘次郎:いただきます!もぐっ(同時)  :  0:お互い食べながら、顔を見合わすーーー  :  炊飯 米仔:ん?!…(同時) 小麦 潘次郎:ん!?…(同時)  :  炊飯 米仔:(飲み込んでから)っなに…!?このふわふわの食感…!あと、噛む度にお米とはまた違った甘味と小麦の香りを感じる…何これ!? 小麦 潘次郎:(飲み込んでから)っおいっ…!!ご飯ってこんな甘みがあるのか?!一粒一粒が際立って、小麦とは違うモチッとした食感も面白いな! 炊飯 米仔:ハッ…!(我に返る) (同時) 小麦 潘次郎:ハッ…!(我に返る) (同時)  :  0:気まずい雰囲気が流れるーーー  :  炊飯 米仔:… 小麦 潘次郎:…  :  0:空気が気まずくなり、炊飯が耐えられず口をひらくーーー  :  炊飯 米仔:んぅう…っごめん…!私、パンのこと誤解してた!言い訳になるけど、パンは食べられるものじゃないって家族から言われてたの…こんな、ご飯と同じくらい美味しいものだとは思ってなかった…食べてもないのに先入観で、失礼なこと言って…分かり合えないとか言ってごめんなさい。 小麦 潘次郎:いや…俺も…炊飯と同じだ…。ちゃんと知りもしないで、思い込みで言うのは間違ってた。こんなうまい食べ物だとは思ってなかった。 炊飯 米仔:ぷっ…あははは! 小麦 潘次郎:え、俺なんかおかしいこと言ったか!? 炊飯 米仔:あぁ…!ごめんっ!違うの!私たち食べる前はあんなに歪み(いがみ)合ってたのに、すぐお互いの良さを理解して、和解できたんだって思ったら、なんか拍子抜けちゃって… 小麦 潘次郎:ぷっ…言われてみれば確かに…(笑)ついさっき出会った俺たちがこの光景を見たら、滑稽(こっけい)に思うだろうな!  :  0:二人で笑い合うーーー 炊飯 米仔:あはははははははははは!(同時) 小麦 潘次郎:あはははははははははは!(同時)  :  0:爆笑し終えた二人が、ふと落ち着くと入れ替わりが戻っていたーーー  :  炊飯 米仔:ちょ…えぇ!?戻ってる!! 小麦 潘次郎:うぉああ!ほんとだ!!!  :  炊飯 米仔:一体何が起こったんだか…よく分からないけど、とりあえず戻れて良かったわね! 小麦 潘次郎:あぁ、なにはともあれ、戻れて良かった…あの占い師に今度会ったら、問い詰めておくから任しとけ! 炊飯 米仔:ふふっ、よろしく頼むわ!でも、パンのことを理解するきっかけを作ってくれたこと“だけ”は、あの占い師に感謝するわ。これからは、色んなパンを食べる機会もつくってみる。あ、ご実家パン屋さんだっけ?とても美味しかったから今度調べて買いに行くわね! 小麦 潘次郎:あぁ、ありがとう。“下僕(げぼく)の小麦”って名前のパン屋だ…俺も感謝しなくちゃな…今まで避けていたご飯を、これからは食べてみるよ。…うぉ…やべっ、時間大丈夫か?!ギリギリか?! 炊飯 米仔:あぁあ!そうだった!急がないと!ギリかな?! 小麦 潘次郎:お互い、学校に間に合うと良いな!こんなことに巻き込んじまって悪かった!気をつけてな! 炊飯 米仔:ありがとう!小麦くんのせいじゃないし!気にしないで!それじゃあ、気をつけてね!またどこかで! 0:お互い反対方向で走り出すーーー  :  炊飯 米仔:あ!(同時) 小麦 潘次郎:あ!(同時)  :  0:同時に振り返ってーーー  :  炊飯 米仔:ごちそうさまでした!(同時) 小麦 潘次郎:ごちそうさまでした!(同時)  :  0:了

0:主食が根本的に違える二人が通学途中、出会い頭に衝突するとこからスタートーーー  :  0:タイトルコール「米と小麦の下僕(げぼく)たち」 炊飯 米仔:米と 小麦 潘次郎:小麦の 炊飯 米仔:下僕(げぼく)たち(同時) 小麦 潘次郎:下僕(げぼく)たち(同時)  :  炊飯 米仔:わぁ〜!遅刻しちゃう〜! 炊飯 米仔:※ナレ(私、炊飯米仔(すいはん こめこ)!十七歳!今日は小テストがあるから早出なのに、すっかり忘れてたおっちょこちょい♪てへぺろ⭐︎なご飯を愛しすぎている普通の女の子!) 炊飯 米仔:もうぅ〜お母さん!いつも早炊きモードにして!って言ってるのに!まじおこ案件〜あ〜!イライラしたら余計にお腹空いちゃった!急いで持ってきたからほぐしてないけど…今日のブランド米はどうかなぁ〜いざ!オープン! 0:炊飯器の蓋を開けるーーー 炊飯 米仔:お〜!艶があって美し〜良い匂い〜今日のしゃもじはコレにして…いただきまーす! 炊飯 米仔:もぐっ…んぅ〜粘り気が少し強めで、甘みも強い…これもリピ決定だわ!  :  炊飯 米仔:※ナレ(と、呑気にご飯を堪能しながら角を曲がった先で、私の運命を変える人と出会ったのだ)  :  0: 炊飯 米仔:きゃあ!(同時に) 小麦 潘次郎:うわぁ!(同時に)  :  炊飯 米仔:いったぁ… 小麦 潘次郎:いってぇ…悪りぃ、大丈夫か…あ、やべ、パンどこ行った?あ、あったあった。  :  炊飯 米仔:えぇ…こちらこそ…見えなかったのでっ、あ!ご飯!炊飯器壊れてないかな?あ、大丈夫そ〜良かった!  :  0:そして自分の顔をお互い見るという謎現象が起こる(一時停止)ーーー  :  炊飯 米仔:はぁあ!?(同時) 小麦 潘次郎:はぁあ?!(同時)  :  0:二人とも動揺しながら、お互いを指差すーーー  :  小麦 潘次郎:うぉぇおい!その顔!!俺じゃないか!?はぁ!? 炊飯 米仔:いやぁあ!なんで?!私が目の前にいるの?!  :  0:少し間  :  小麦 潘次郎:これは…俗に言う入れ替わりってやつなのか?はぁ!?今ぶつかった衝撃で?! 炊飯 米仔:考えたくないけど、そう言わざるを得ないわね。 小麦 潘次郎:どうすんだよ!これから学校なのに! 炊飯 米仔:それは私もよ!朝から小テストあるし! 小麦 潘次郎:はぁあ…なっちまったもんはしょうがねぇ…状況を整理するためにも、まずお互い誰なのか話そう…俺の名前は、小麦潘次郎(こむぎ ぱんじろう)、潘(ぱん)大付属高校二年…見ての通りパン派だ、ちなみに朝食のパンは無事だ。 炊飯 米仔:私は炊飯米仔(すいはん こめこ)、白米女学園(はくまい じょがくえん)二年…お察しの通り、絶対的ご飯派よ。 小麦 潘次郎:((ため息))はぁ…よりによって、入れ替わった相手がご飯派かよ…「女子だ!」って一瞬浮ついた自分を殴りたい… 炊飯 米仔:はぁ!?ふざけんじゃないわよ!出会ってすぐにご飯を貶す(けなす)ような人と入れ替わったなんて、夢なら即刻覚めてほしいわ!  :  小麦 潘次郎:だぁああ、言い合っても仕方ねぇ!おい炊飯!入れ替わりを解く方法を探すぞ! 炊飯 米仔:ふんっ、言われなくても分かってるわよ!それで?言い出したからには、小麦くんに何か考えでもあるのかしら? 小麦 潘次郎:…あぁ…実は昨日…下校中に怪しいフードを被った占い師が、ちょうどこの角を曲がった先のところにいてな…なぜかよく分からないんだが、『明日、あなたに最大の転機が訪れますよ』って声をかけられてよ。 炊飯 米仔:な、なんか色々ツッコミたいこと満載だけど…まぁいいわ、それで? 小麦 潘次郎:それで、俺は面白半分で話を聞いたんだ。そしたら、『明日、この場所で運命的な出会いがある。その相手と和解出来たとき、あなたの未来は明るくなり…逆に出来なかったときは、暗黒に閉ざされる』って…占い師が言ってきたんだ。これって偶然か?転機って、絶対今の状況だろ?! 炊飯 米仔:確かに…偶然にしちゃ出来すぎてるわね…今この状況がそれと言わんばかりに…。占い師はその後どうなったの? 小麦 潘次郎:あぁ…占い師はその後、俺に笑いながら『楽しみにしてますよ』って言い残して荷物をまとめて行っちまった。顔も見え男か女かも分からない、不思議な感じだった。結局、こいつは何が言いたかったんだ?って思いながら俺も帰ったが…あの占い師!言いたい放題言いやがって!くっそぉお!こうなると分かってたら、もっと色々聞いたのに…!寝たら全部忘れて、ついさっき思い出した俺もバカだが! 炊飯 米仔:とにかく!そいつがこの件に関わっているのは確かなようね!そいつの思惑(おもわく)に乗らざるを得ないのは癪(しゃく)だけど、しょうがないわ!そいつの話を聞く限り、戻るためには…『相手と和解すれば戻れる』って…言ってたのよね? 小麦 潘次郎:あぁ…まず一番に思いつく打開策は、そういうことになる…な。  :  0:少しの間  :  炊飯 米仔:無理無理無理!絶っっっっ対無理ぃい!パン派とは分かり合えないぃいい!!!! 小麦 潘次郎:何言ってんだ!俺だってご飯派と和解?はぁ!?できねぇよ!!むしろ、したくねぇよ!!でも仕方ないだろ!!!入れ替わったままお互いの学校に行くか?家ではパンとご飯まで入れ替えて食べなきゃいけないんだぞ!!!良いのか?!それでも!!? 炊飯 米仔:…戻れなかったら…これからずっと、ご飯じゃなくて、パンの…生活? 小麦 潘次郎:あぁ…そうだ、俺は…パンじゃなくて…くっ、ご飯の生活だ… 炊飯 米仔:うっ…うううっ…それは、一番避けたい未来…くぅうぅ…分かったわ…今だけは、パンとご飯の双方を…理解できる様に…しましょう。 小麦 潘次郎:…よし…そうと決まれば、まずはお互いの良さを理解し合おう。丁度、昼食持ってきているしな…少し味を知ったら和解もしやすいんじゃないか?あー…言っとくが、俺はご飯を食べたことは今までに一度もない。家族もパン派でな…実家がパン屋なんだ。 炊飯 米仔:…実は、私もパンを食べたことがないの。家が懐石(かいせき)料理屋なこともあって、食事は和食が基本で、家族もパンに縁がなかったから…パン派を理解する機会すらなかったわ…  :  0:それぞれ昼ご飯の一部を交換するーーー  :  炊飯 米仔:それじゃあ…(恐る恐る) 小麦 潘次郎:お、おう…(恐る恐る)  :  炊飯 米仔:いただきます!もぐっ(同時) 小麦 潘次郎:いただきます!もぐっ(同時)  :  0:お互い食べながら、顔を見合わすーーー  :  炊飯 米仔:ん?!…(同時) 小麦 潘次郎:ん!?…(同時)  :  炊飯 米仔:(飲み込んでから)っなに…!?このふわふわの食感…!あと、噛む度にお米とはまた違った甘味と小麦の香りを感じる…何これ!? 小麦 潘次郎:(飲み込んでから)っおいっ…!!ご飯ってこんな甘みがあるのか?!一粒一粒が際立って、小麦とは違うモチッとした食感も面白いな! 炊飯 米仔:ハッ…!(我に返る) (同時) 小麦 潘次郎:ハッ…!(我に返る) (同時)  :  0:気まずい雰囲気が流れるーーー  :  炊飯 米仔:… 小麦 潘次郎:…  :  0:空気が気まずくなり、炊飯が耐えられず口をひらくーーー  :  炊飯 米仔:んぅう…っごめん…!私、パンのこと誤解してた!言い訳になるけど、パンは食べられるものじゃないって家族から言われてたの…こんな、ご飯と同じくらい美味しいものだとは思ってなかった…食べてもないのに先入観で、失礼なこと言って…分かり合えないとか言ってごめんなさい。 小麦 潘次郎:いや…俺も…炊飯と同じだ…。ちゃんと知りもしないで、思い込みで言うのは間違ってた。こんなうまい食べ物だとは思ってなかった。 炊飯 米仔:ぷっ…あははは! 小麦 潘次郎:え、俺なんかおかしいこと言ったか!? 炊飯 米仔:あぁ…!ごめんっ!違うの!私たち食べる前はあんなに歪み(いがみ)合ってたのに、すぐお互いの良さを理解して、和解できたんだって思ったら、なんか拍子抜けちゃって… 小麦 潘次郎:ぷっ…言われてみれば確かに…(笑)ついさっき出会った俺たちがこの光景を見たら、滑稽(こっけい)に思うだろうな!  :  0:二人で笑い合うーーー 炊飯 米仔:あはははははははははは!(同時) 小麦 潘次郎:あはははははははははは!(同時)  :  0:爆笑し終えた二人が、ふと落ち着くと入れ替わりが戻っていたーーー  :  炊飯 米仔:ちょ…えぇ!?戻ってる!! 小麦 潘次郎:うぉああ!ほんとだ!!!  :  炊飯 米仔:一体何が起こったんだか…よく分からないけど、とりあえず戻れて良かったわね! 小麦 潘次郎:あぁ、なにはともあれ、戻れて良かった…あの占い師に今度会ったら、問い詰めておくから任しとけ! 炊飯 米仔:ふふっ、よろしく頼むわ!でも、パンのことを理解するきっかけを作ってくれたこと“だけ”は、あの占い師に感謝するわ。これからは、色んなパンを食べる機会もつくってみる。あ、ご実家パン屋さんだっけ?とても美味しかったから今度調べて買いに行くわね! 小麦 潘次郎:あぁ、ありがとう。“下僕(げぼく)の小麦”って名前のパン屋だ…俺も感謝しなくちゃな…今まで避けていたご飯を、これからは食べてみるよ。…うぉ…やべっ、時間大丈夫か?!ギリギリか?! 炊飯 米仔:あぁあ!そうだった!急がないと!ギリかな?! 小麦 潘次郎:お互い、学校に間に合うと良いな!こんなことに巻き込んじまって悪かった!気をつけてな! 炊飯 米仔:ありがとう!小麦くんのせいじゃないし!気にしないで!それじゃあ、気をつけてね!またどこかで! 0:お互い反対方向で走り出すーーー  :  炊飯 米仔:あ!(同時) 小麦 潘次郎:あ!(同時)  :  0:同時に振り返ってーーー  :  炊飯 米仔:ごちそうさまでした!(同時) 小麦 潘次郎:ごちそうさまでした!(同時)  :  0:了