台本概要

 194 views 

タイトル 神無町 死体処理係 第一話「ショウタ」
作者名 そーたに  (@sotaniOwO)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 神無町
法律のないこの町ではそこら中に死体が転がっている
それを片付けるのが僕たち「死体処理係」の仕事だ

 194 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ショウタ 24 11歳 死体処理係初仕事
おばさん 20 おばさん 長年この仕事
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: ショウタ:(吐く) おばさん:ほら、全部出した方が楽だよ おばさん:口ゆすいどいで。あたしはここ片付けとくから 0: 0: ショウタ:神無町(かんなちょう) ショウタ:法の呪縛から解き放たれたこの街は、死体がそこかしこに転がっている ショウタ:それを片付けるのが、僕ら「死体処理係」の役目だ 0: 0: ショウタ:今日から一緒にお仕事させていただきます!ショウタです!よろしくお願いします! おばさん:いらっしゃい、坊主。嫌われ者の「死体処理係」にようこそ。 おばさん:どういう事情でここに来たかは知らないが、初仕事で吐かないようにだけは気をつけるんだね。 ショウタ:はい!ご安心ください! 0: 0: 0: ショウタ:僕のあの威勢は、どこから来たんだろうか 0: 0: おばさん:おかえり。スッキリしたかい? ショウタ:・・はい、なんとか おばさん:なら、仕事だ。処理するから手伝っておくれ。 0: 0: ショウタ:目の前に転がってるのは、異臭のする吐しゃ物にまみれたグズグズの死体 ショウタ:やっぱり生の死体なんて見るもんじゃない・・ 0: 0: おばさん:こんなんじゃ身元確認しようにも誰だか分かりゃしないね おばさん:ショウタ、報告書に「身元不明」って書いといてくれ ショウタ:あ、はい おばさん:書けたらそっちの足持っとくれ。布にくるんで、台車に乗っけて、焼却炉へ持ってくよ ショウタ:分かりました 0: 0: ショウタ:これが僕の初仕事だった。 ショウタ:グズグズの死体と、燃える焼却炉の光だけが目に焼き付いている 0: 0: 0: おばさん:今日はこれだけだね、初仕事お疲れショウタ。 ショウタ:お疲れ様です。 おばさん:付いてきな。歓迎会も兼ねて、あたしの行きつけを教えてやるよ。 ショウタ:でも、僕お金なんて(持ってないですよ?) おばさん:(被せて)知ってるよ。奢ってやるから安心しな。 ショウタ:ありがとうございます! 0: 0:バーにて おばさん:そういえばショウタ、やっぱり聞いてもいいかい? ショウタ:え、なんですか? おばさん:なんでこの仕事しようと思ったんだい。 ショウタ:え・・ おばさん:この「死体処理」って仕事は知っての通り、臭くて、汚くて、皆から嫌われて当たり前みたいな仕事だ。 おばさん:そんな仕事に進んで就くなんてやつは、ある程度の事情がなきゃおかしいんだよ。 おばさん:最初は聞かないなんて言っちまったけど、そんな歳でどんな事情があるのか、どうしても気になっちまったのさ。 ショウタ:・・実は僕、戸籍がないんです。 おばさん:・・・ ショウタ:両親に生まれたばかりで捨てられて、拾ってくれた優しいおじさんが、僕を育ててくれたんです。 ショウタ:そのおじさんもこの前亡くなってしまって、自分で生活しなきゃならなくなって仕方なくこの仕事を・・ おばさん:なんだ、そんなことかい。 ショウタ:・・え? おばさん:そんなこと、この街じゃ在り来りだよ。 おばさん:戸籍がないのは驚いたけど、親がいないってのはよく聞く話さ。この街にゃ「法律」なんて言葉は通用しないからね。 ショウタ:じゃあ、おばさんはなんでこの仕事をやってるんですか? おばさん:うん? ショウタ:おばさんも、なにか事情があってこの仕事やってるんじゃないんですか? おばさん:あたしの事情なんて大したもんじゃないよ。老い先短い老婆のやる仕事なんてこんなものしかないからね。 おばさん:でも、ちゃんと誇りをもってやるんだよ。こんな仕事をやるのはあたし達しかいないんだからね。 ショウタ:・・はい、分かりました。 おばさん:にしてもショウタ、あんだけ「ご安心ください!」とか言ってたくせに、結局吐いちまったね。ははは ショウタ:ぐっ、言わないでくださいよ。 おばさん:その調子だと、次もまた吐いちまうね。あたしの仕事を増やさないようにしてくれよ。 ショウタ:はい、すみません・・ おばさん:まぁあたしも、せっかく出来た部下を失いたくないからね。しっかり働いてくれよ! ショウタ:はい、頑張ります!

0: ショウタ:(吐く) おばさん:ほら、全部出した方が楽だよ おばさん:口ゆすいどいで。あたしはここ片付けとくから 0: 0: ショウタ:神無町(かんなちょう) ショウタ:法の呪縛から解き放たれたこの街は、死体がそこかしこに転がっている ショウタ:それを片付けるのが、僕ら「死体処理係」の役目だ 0: 0: ショウタ:今日から一緒にお仕事させていただきます!ショウタです!よろしくお願いします! おばさん:いらっしゃい、坊主。嫌われ者の「死体処理係」にようこそ。 おばさん:どういう事情でここに来たかは知らないが、初仕事で吐かないようにだけは気をつけるんだね。 ショウタ:はい!ご安心ください! 0: 0: 0: ショウタ:僕のあの威勢は、どこから来たんだろうか 0: 0: おばさん:おかえり。スッキリしたかい? ショウタ:・・はい、なんとか おばさん:なら、仕事だ。処理するから手伝っておくれ。 0: 0: ショウタ:目の前に転がってるのは、異臭のする吐しゃ物にまみれたグズグズの死体 ショウタ:やっぱり生の死体なんて見るもんじゃない・・ 0: 0: おばさん:こんなんじゃ身元確認しようにも誰だか分かりゃしないね おばさん:ショウタ、報告書に「身元不明」って書いといてくれ ショウタ:あ、はい おばさん:書けたらそっちの足持っとくれ。布にくるんで、台車に乗っけて、焼却炉へ持ってくよ ショウタ:分かりました 0: 0: ショウタ:これが僕の初仕事だった。 ショウタ:グズグズの死体と、燃える焼却炉の光だけが目に焼き付いている 0: 0: 0: おばさん:今日はこれだけだね、初仕事お疲れショウタ。 ショウタ:お疲れ様です。 おばさん:付いてきな。歓迎会も兼ねて、あたしの行きつけを教えてやるよ。 ショウタ:でも、僕お金なんて(持ってないですよ?) おばさん:(被せて)知ってるよ。奢ってやるから安心しな。 ショウタ:ありがとうございます! 0: 0:バーにて おばさん:そういえばショウタ、やっぱり聞いてもいいかい? ショウタ:え、なんですか? おばさん:なんでこの仕事しようと思ったんだい。 ショウタ:え・・ おばさん:この「死体処理」って仕事は知っての通り、臭くて、汚くて、皆から嫌われて当たり前みたいな仕事だ。 おばさん:そんな仕事に進んで就くなんてやつは、ある程度の事情がなきゃおかしいんだよ。 おばさん:最初は聞かないなんて言っちまったけど、そんな歳でどんな事情があるのか、どうしても気になっちまったのさ。 ショウタ:・・実は僕、戸籍がないんです。 おばさん:・・・ ショウタ:両親に生まれたばかりで捨てられて、拾ってくれた優しいおじさんが、僕を育ててくれたんです。 ショウタ:そのおじさんもこの前亡くなってしまって、自分で生活しなきゃならなくなって仕方なくこの仕事を・・ おばさん:なんだ、そんなことかい。 ショウタ:・・え? おばさん:そんなこと、この街じゃ在り来りだよ。 おばさん:戸籍がないのは驚いたけど、親がいないってのはよく聞く話さ。この街にゃ「法律」なんて言葉は通用しないからね。 ショウタ:じゃあ、おばさんはなんでこの仕事をやってるんですか? おばさん:うん? ショウタ:おばさんも、なにか事情があってこの仕事やってるんじゃないんですか? おばさん:あたしの事情なんて大したもんじゃないよ。老い先短い老婆のやる仕事なんてこんなものしかないからね。 おばさん:でも、ちゃんと誇りをもってやるんだよ。こんな仕事をやるのはあたし達しかいないんだからね。 ショウタ:・・はい、分かりました。 おばさん:にしてもショウタ、あんだけ「ご安心ください!」とか言ってたくせに、結局吐いちまったね。ははは ショウタ:ぐっ、言わないでくださいよ。 おばさん:その調子だと、次もまた吐いちまうね。あたしの仕事を増やさないようにしてくれよ。 ショウタ:はい、すみません・・ おばさん:まぁあたしも、せっかく出来た部下を失いたくないからね。しっかり働いてくれよ! ショウタ:はい、頑張ります!