台本概要
2086 views
タイトル | ScreamOut!! |
---|---|
作者名 | アール/ドラゴス (@Dragoss_R) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 4人用台本(男2、女1、不問1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
スクリームアウト!! こんな生きづらい世の中に、少しでもこの想いが響いてくれればいい。 学生バンド「四方山バナシ」はオリジナル曲を作ることになり…。 「人と違って何が悪い。俺は俺だ。ここにいる。」 2086 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
リュウ | 男 | 67 | べース担当。中学校で少しいじめられた経験がある。 |
ユウタ | 男 | 49 | キーボード担当。ピアノを習っていたので作曲はお手の物。 |
アユナ | 女 | 46 | ギターボーカル担当。ミステリアスな雰囲気。 |
ミヅキ | 不問 | 41 | ドラム担当。ずっとポジティブでテンションが高い感じ。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ユウタ:お、出番だな。はい、じゃあ準備開始ー。
ミヅキ:はーい!
リュウ:…初披露、大丈夫かなあ。
アユナ:大丈夫だよ。私がサポートするし。練習も完璧になるまでやったんだからさ。一緒に楽しもう?
リュウ:あはは、ありがとう。…よし、いっちょかましてやりますか!
アユナ:うん、その意気だよ。
ユウタ:オーケー、こっち準備できた。
ミヅキ:こっちもオッケー!
アユナ:…よし。じゃあMC、頼んだよ。いつも通り、全力で!
0:
0:
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リュウ:皆さん、こんにちは。「四方山バナシ」(ヨモヤマバナシ)です!
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0:―――――――――
0:Scream Out!!
0:―――――――――
シーン転換
0:ファミレスにて。
0:
リュウ:オリジナル曲の制作?
ユウタ:そう!ほら、俺達もバンド組んでもう三か月くらい経つじゃん?だからそろそろ「四方山バナシ」(ヨモヤマバナシ)初のオリ曲、作ってみてもいいんじゃないかって思ってさ!どうかな!
ミヅキ:ウチは良いと思う!ライブにも何回か出させてもらって経験も積んでるしね!作曲もユウタがいるから問題ないし!
アユナ:うん。オリジナル曲って、バンドにとって大切なものだし。そろそろ私も欲しいなって思ってたところ。
ユウタ:そうだろ!リュウもいいよな!
リュウ:おう!なんだかオリジナルの曲とかそういうのが形になるのって、凄いこう、わくわくするな!
アユナ:…でも、ひとつだけ懸念点を上げるとするなら、作詞。私たちの誰がやるの?
ユウタ:それは大丈夫だろう。だってこの中に一人、めちゃくちゃ作詞に向いてるやつがいるだろ。ほら。
0:
0:リュウ以外の三人がリュウの方を一斉に見る。
0:
リュウ:……え、俺ぇ!?
0:
ユウタ:ほら、だって俺は曲は作れるけど文章の才能ないし、ミヅキは国語のテスト毎回赤点だし。
ミヅキ:本当に才能がない、ウチには。(キリッ)
アユナ:なんでキリッとしてるの?
リュウ:いや、まあ二人はわかるよ。でも、俺よりもアユナくんのがそういうの上手いんじゃない?だっていつも小説とか読んでるし、何よ「四方山バナシ」のボーカルはアユナくんだぜ。
リュウ:ボーカルの人が歌いたい歌詞で曲作ったほうがいいんじゃねえのそういうのって。
ユウタ:あー。俺も最初はアユナのがいいかなって思ったんだけどさ。よくよく考えたら、リュウって感受性高いし、元演劇部だから感動させるの上手そうだし!
ユウタ:だから、人の心を揺さぶるリリックはリュウのが向いてるんじゃないか、という結論に至ったんだよ!
ミヅキ:それに、リュウの部屋結構小説あるし、アユナほどじゃないかもだけど物語の知識はあるっしょ!
リュウ:いや、まあ確かに読むけどあれほとんどラノベだし!
アユナ:まあでも、ラノベも物語には変わりないよ。歌の歌詞も大体は小さな物語のようなものだし。
リュウ:…そうかもしんないけどさあ。
ユウタ:頼むよ、リュウ。
リュウ:…いや、俺でいいってんなら別にいいんだけどさ。アユナくんは書きたくないの?
アユナ:私は別に書いてもいいんだけど、ここ最近ちょっと文化祭の準備で任されたことが忙しくて。それに、単純にキミがどんな歌詞を書くのか見てみたい。
リュウ:どんな歌詞って…。期待にこたえられるかわかんないよ?
ミヅキ:まあいいじゃん、歌詞なんて四人とも書いたことないんだし。何事も挑戦挑戦!
ユウタ:とりあえずやってみてくれよ、頼む!
リュウ:…わかったよ。やれるだけやってみる。
ユウタ:ありがとう!とりあえず俺ができるだけはやく曲作ってくるから、それを聴いて書いてみてくれ。
リュウ:了解。
ミヅキ:おぉ、めっちゃ楽しみ!
アユナ:うん。私も楽しみにしてるから。
ユウタ:じゃ、という訳で!「四方山バナシ」のオリジナル曲計画、スタートだ!
ミヅキ:おー!
アユナ:おー。
リュウ:…本当に俺が任されてよかったのだろうか?
話数転換。
0:場面転換。
0:
0:一週間後、練習スタジオにて。
0:
ユウタ:お前ら、曲作ってきたぞー!
ミヅキ:おー!だいぶ早かったね!
ユウタ:なんかすぐにインスピレーションが降ってきてさ、案外早くできたんだ。とりあえず、聴いてみてくれるか?
アユナ:オーケー。
リュウ:天下のユウタ大先生の作り上げたロック、ちゃんと耳に刻まないとな…。
ユウタ:変なハードルの上げ方をするな!ったく…。まあいいや、じゃ流すぞー。
0:
0:ユウタの作ってきた曲が流れる。
0:
ミヅキ:おぉ、結構激しめロックな感じだ。
ユウタ:おう、コンセプトとしては“自分の思いをぶちまけろー”って感じのイメージで作った。
アユナ:いいね。ベースラインが効いてて、そこにキーボードが入ってアクセントになってる。流石。
リュウ:…で、これに合う歌詞を俺が作ってくるわけだ。
ユウタ:そういうことになる。…どうだ、いけそうか?
リュウ:んー、まあ精一杯頑張らせていただく。
ミヅキ:じゃ、頼んだぞリュウ!期待してるからさ!
リュウ:期待してるって言われると凄いプレッシャーになるからやめていただきたいんだが…!?
アユナ:まあ、大丈夫だよ。好きなように書けばいい。全員素人なんだからさ、気楽にいこ。
リュウ:ありがとうアユナくん…。とりあえずやってみる!
ユウタ:よし、じゃあそういうことで!練習再開するぞー。
シーン転換。
0:場面転換。
0:
0:リュウの部屋。
0:
リュウ:作詞、かあ。…ファンタジーな自作小説は何回か書いたことあったけど、歌、だもんな…。
リュウ:…やっぱり万人受けするようなかっこいい歌詞のほうがいいのかなあ…。…難しい。
0:
0:
0:
アユナ:(回想)好きなように書けばいい。全員素人なんだからさ、気楽にいこ。
0:
0:
0:
リュウ:好きなように、か…。…よし。
0:場面転換。
0:
0:さらに一週間後。練習スタジオ。
0:
リュウ:なんとか、なんとか書き上げてきたぞ…。
アユナ:おー、お疲れさま。
ミヅキ:リュウも書くの早いよな。流石元演劇部!
リュウ:多分関係ないぜそれ?
ユウタ:じゃ、早速見せてもらっていいか?
リュウ:おう。…なんかちょっと恥ずかしいけど、こんな感じ。
0:
0:三人、リュウの書いてきた歌詞を見る。
0:
リュウ:コンセプトとしては、世の中への不満って感じ。自分の思ってることを満足に言い合えないこの世界に、少しでもありのままの自分の叫びを聞いてほしい、って思って書いてみました。
リュウ:結構ここに書いたことは本心でさ。俺の代わりにアユナくんに叫んでもらえればって思って。…まあ、何番煎じだよって感じだし、だいぶ暗い歌詞になっちゃったんだけど。
ミヅキ:…いや、めっちゃよくねこれ。
ユウタ:うん。曲調にもピッタリだし、心からの叫びって言うのが凄い伝わってきて…!流石だよ、リュウ!
リュウ:ホントか!?あー、よかった…。そう言ってもらえて凄いほっとしたわ…。
アユナ:…いいこと思いついた。
ミヅキ:ん?どうしたのアユナちゃん。
アユナ:ねえ、この歌詞はキミの思ってる気持ちを書いたんだよね。
リュウ:そうだね。…まあ感情をぶちまけたから、刺さる人は少ないだろうけど…。
アユナ:なら、これを私一人で歌うのはもったいないよ。
リュウ:……と、言いますと?
アユナ:これ、ツインボーカルで行こう。キミと私で。
リュウ:えぇ!?
ユウタ:おぉ、ナイスアイデアだな!初のオリジナル曲でツインボーカルっての、攻めてていいじゃん!
ミヅキ:ね!リュウとアユナちゃんがこの歌詞を…。想像しただけで凄いかっこいいじゃん!
リュウ:い、いやでも俺歌上手くないけど平気…?
ミヅキ:はぁ!?お前で歌上手くなかったらウチの歌なんてボエボエリサイタルになっちゃうんですけど!!喧嘩売ってる!?
ユウタ:出た。歌が上手い人ほど「自分、歌ヘタなんで…。」っていう現象。ちなみにこれはアユナも同罪。
アユナ:え。飛び火した。
リュウ:いやいや、それに俺、歌いながらベース弾ける自信ねぇし…。
アユナ:そこは安心していいよ。私が教えてあげるから。私も歌いながらリードギターやるの結構大変だったけど、コツさえつかめれば大丈夫なはず。
ミヅキ:さっすがアユナちゃん!頼もしい!
リュウ:うぅ、本当に平気かよ…。
ユウタ:まあ、次のライブまでまだ全然時間はあるし、猛特訓だな!
ミヅキ:あれ、もう次のライブ予定決まったんだっけ?
ユウタ:あぁ。一か月後。“学校”でだ。
リュウ:え?それって、まさか…。
ユウタ:ああ。
0:
ユウタ:「四方山バナシ」オリジナル曲初披露は、一か月後の文化祭のステージにする!
0:
リュウ:な、なんだってぇー!?
話数転換。
0:場面転換。
0:
0:二週間後、練習スタジオ。
0:
アユナ:うん、流石の呑み込みの早さだね。もうだいぶ歌いながら弾けてる。
リュウ:そりゃよかったけどさ…。なあ、これホントに文化祭でやんの…?…はあ。
ユウタ:いや、悪かったって。まさかお前が高校もそんなに嫌いなんて知らなかったんだよ…。
ミヅキ:そういえば聞いてなかったけど、なんでリュウは学校嫌いなんだ?
リュウ:学校というか、同学年の奴らが嫌いなんだよ。中学時代、ちょっといじめられてたってのもあってさ。
ミヅキ:え!?リュウ、いじめられてたの…?
リュウ:そうだよ。あれ、ミヅキには言ってなかったっけか。
ミヅキ:初耳だけど…。何があったの?
リュウ:…あいつらは、「自分と違う」と思うとこぞって狙って、差別しようとするんだ。…俺はそれが嫌で、俺だけでもその子に優しくしようとして…。結果標的にされちまったんだよ。
ユウタ:あの時はそんなことも知らずに手を差し伸べてやれなくて、本当にごめんな…。
リュウ:いいんだよ。もう過ぎたことだしな。
アユナ:…私もあんまり中学校は好きじゃなかったよ。周りに合わせないといけない、あの空気感が嫌いだった。
ミヅキ:そっか。この中で中学校別だったのウチだけだから、二人は知ってるのか。
リュウ:そそ。んで、実はその時の気持ちも歌詞に組み込んでみたんだ。「人と違って何が悪い 私は私でここにいる」ってとこね。
ユウタ:サビ前の歌詞か。…解説聞いてからだと余計響くリリックだな。
リュウ:ま、歌詞は適当に書いてるように見えて、俺なりに結構考えてるよってことさ。暗い話しちゃってごめんね。練習再開しようか。
ミヅキ:そうだな…。…あのさ。
ユウタ:ん?
ミヅキ:四人で頑張って練習してさ。必死に歌って、かき鳴らして。学校のみんなにこの歌詞を響かせてやろうよ!
アユナ:…そうだね。少しでもこの歌が、リュウの思いがみんなに伝わればいいなあ。
ユウタ:そのためにはやっぱり、練習あるのみだな。
リュウ:…!
ユウタ:さあ、三人とも!気合い入れていくぞ!
0:
ミヅキ:(同時に)おうっ!
アユナ:(同時に)うん。
リュウ:(同時に)ああ!
シーン転換。
0:場面転換。
0:
0:本番前日。
0:
アユナ:ふぅ…。うん、完璧だね。
ミヅキ:凄い一体感…!これは明日、大盛り上がり間違いなしだな!
ユウタ:あぁ、これならいける!…じゃ、この後休憩挟んでから、本番のセトリ全部通して練習終了で!
ミヅキ:はーい!
リュウ:……。
ユウタ:あれ。なんかお前、元気ないな?
リュウ:ん?いや、そんなことねぇよ。疲れただけ。…ちょっと外の風当たってくるわ。暑い。
ミヅキ:おう、行ってらー。
アユナ:……。
シーン転換。
0:外の風に当たるリュウ。
0:
リュウ:…はぁ。
アユナ:ねえ。
リュウ:うおっ。なんだ、アユナくんか。君も涼みに来たの?
アユナ:うん。ちょっとね。
0:
0:少し無言が続く。
0:
アユナ:…明日、不安?
リュウ:へ?…いやいや、あんだけ仕上げたんだから、不安なんてないよ。
アユナ:そうじゃなくて。…高校のクラスメイトもあんまり得意じゃないんでしょ?そんな奴らがいっぱいいる中で自分の思いを乗せた歌を歌うの、プレッシャーに感じてるのかなって。
リュウ:あぁ…。
アユナ:…私、キミの書いた歌詞を初めて見たとき、凄いなって思ったんだ。
リュウ:凄い…?
アユナ:うん。中学の頃酷いこと言われて、高校でも周りが嫌で…。私だったらきっと、自分の思いを歌詞に載せるなんてことできなくなっちゃってると思うんだよ。
アユナ:でも君は、それでもなお、“叫ぼうとしてる”。気づいてほしいって、私という存在は、私たちはここにいるんだって、主張しようとしてる。
アユナ:だから私は、この曲をキミと歌いたかったんだ。この曲を“叫ぶ”には、私一人じゃダメだろうから。
リュウ:アユナくん…。
アユナ:大丈夫。キミの叫びは絶対に届くよ。勿論、一人では無理だったけれど。私たちなら。いや―――。
アユナ:「四方山バナシ」なら!
リュウ:…! そう、だね!ありがとう、アユナくん。…明日は、轟かせてやろう!俺たちの歌を、“叫び”を!
アユナ:うん。その調子だよ。さ、そろそろ戻ろう。もうすぐ休憩終了だし。最後の通し練習、頑張ろう。
リュウ:おう!
話数転換。
0:場面転換。
0:
0:本番当日。文化祭会場、執事喫茶。
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アユナ:おかえりなさいませ、お館様(やかたさま)方。
ミヅキ:えー、すごっ!アユナちゃんめっちゃ執事服似合ってる!
ユウタ:本当にな…。アユナの身長が高いのも相まってめっちゃ映える…。
アユナ:そうかな?ありがとう、二人とも。…さ、席までご案内いたします。こちらへどうぞ。
0:
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ユウタ:あれ、そういえばリュウは?どこにもいない?
アユナ:あぁ、彼は料理を作る係だからウエイターはしないのです。
ミヅキ:え!?ここの料理ちゃんと作ってんの!?
アユナ:ええ。隣が家庭科室なのが幸いしまして、きちんと一品一品手作りでございます。
ユウタ:はぁー、気合入ってんなあ…。
ミヅキ:ね。これは料理楽しみだなあ!
アユナ:誠心誠意、真心を込めて作らせていただいております。
ユウタ:…なんかすごい執事のロールプレイ上手いな、アユナ。
ミヅキ:臨場感えぐい。
ユウタ:お、あれリュウじゃね?
0:
0:
リュウ:…お待たせいたしました。こちら、たんぽぽオムライスでございます。
ミヅキ:おぉ、リュウも案外似合うじゃん、執事服!
リュウ:…なんでいるのお前ら。恥ずかし…。
ユウタ:俺らのクラスは人余っちゃってさ、午後俺たちステージ出るからあんまり文化祭楽しめないだろってことで回らせてもらってんだよ。
ミヅキ:そしたら執事喫茶なんて面白そうなことやってるからお邪魔したんだよー。いやぁ、ガチ面白いわ恥ずかしがってるリュウ!
リュウ:うるせぇー!
アユナ:駄目ですよ。そのような口の利き方をしては。
リュウ:アユナくんがなんかすごいノリノリなんですけど!?
シーン転換。
0:場面転換。
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0:本番十分前。
0:
ミヅキ:おぉー、今出てるバンド結構盛り上がってるなあ…。
ユウタ:大丈夫だよ、このバンドを超える演奏をしてやりゃいいだけだよ。それに、俺達にはオリジナル曲もあるしな!
リュウ:……あー、ダメだ。やっぱり本番前になると凄い緊張する…。
アユナ:大丈夫だよ。キミ、本番に強いし。
ミヅキ:はははっ!確かにいつも本番機転利かせてよくアドリブとか入れてるよね、リュウ。
ユウタ:俺は本番に弱いから、本当羨ましい限りだわ…。
リュウ:あ、そういやユウタ。今日のMCはどんなこと喋るんだ?
ユウタ:…あ、思いついた。
ミヅキ:…どしたん?
ユウタ:本番十分前になって言うの、本当ごめんなんだけどさ。今日のMC、リュウに任せらんないかな?
リュウ:はぁ!?お前、キラーパスが過ぎるぞ!?
ユウタ:でも、お前がMCで曲への思いを語ったほうが絶対いいと思うんだよ!マジで急な思いつきなんだけど!
アユナ:賛成。その方があの歌を響かせられると思う。
リュウ:で、でも…。
ミヅキ:もしMCで詰まったらウチとかユウタが助けるからさ!いつもユウタがやってるみたいに、やってみてくれよ…!
リュウ:…わかった。
ユウタ:ありがとう!
アユナ:…じゃ、もうすぐ呼ばれるだろうし、円陣組んでおく?
ミヅキ:いいね!
ユウタ:よし、じゃあパッと済ますぞ!
リュウ:りょ、了解。
0:
0:四人が右手を重ねる。
0:
ユウタ:今日は絶対、ステージ成功させるぞー!
0:
ユウタ:(同時に)おー!
ミヅキ:(同時に)おぉー!
アユナ:(同時に)おー。
リュウ:(同時に)おー…!
ミヅキ:(N)ずっと仮面を被っていた。感情を押し殺して、私は本当に生きているの?空は今日も青いまま。
ユウタ:(N)ぐっと拳を握っていた。理不尽に慣れた目で、話を合わせて生きているの。こんな日々はもう嫌だ。
アユナ:(N)色眼鏡で見て気味が悪い。叫んでいるのに届かない。
リュウ:(N)人と違って何が悪い。私は私でここにいる―――!!
シーン転換。
リュウ:それでは、聴いてください!
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リュウ:「Scream Out!!」(スクリームアウト)!
0:
0:
0:End
ユウタ:お、出番だな。はい、じゃあ準備開始ー。
ミヅキ:はーい!
リュウ:…初披露、大丈夫かなあ。
アユナ:大丈夫だよ。私がサポートするし。練習も完璧になるまでやったんだからさ。一緒に楽しもう?
リュウ:あはは、ありがとう。…よし、いっちょかましてやりますか!
アユナ:うん、その意気だよ。
ユウタ:オーケー、こっち準備できた。
ミヅキ:こっちもオッケー!
アユナ:…よし。じゃあMC、頼んだよ。いつも通り、全力で!
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リュウ:皆さん、こんにちは。「四方山バナシ」(ヨモヤマバナシ)です!
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0:Scream Out!!
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シーン転換
0:ファミレスにて。
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リュウ:オリジナル曲の制作?
ユウタ:そう!ほら、俺達もバンド組んでもう三か月くらい経つじゃん?だからそろそろ「四方山バナシ」(ヨモヤマバナシ)初のオリ曲、作ってみてもいいんじゃないかって思ってさ!どうかな!
ミヅキ:ウチは良いと思う!ライブにも何回か出させてもらって経験も積んでるしね!作曲もユウタがいるから問題ないし!
アユナ:うん。オリジナル曲って、バンドにとって大切なものだし。そろそろ私も欲しいなって思ってたところ。
ユウタ:そうだろ!リュウもいいよな!
リュウ:おう!なんだかオリジナルの曲とかそういうのが形になるのって、凄いこう、わくわくするな!
アユナ:…でも、ひとつだけ懸念点を上げるとするなら、作詞。私たちの誰がやるの?
ユウタ:それは大丈夫だろう。だってこの中に一人、めちゃくちゃ作詞に向いてるやつがいるだろ。ほら。
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0:リュウ以外の三人がリュウの方を一斉に見る。
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リュウ:……え、俺ぇ!?
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ユウタ:ほら、だって俺は曲は作れるけど文章の才能ないし、ミヅキは国語のテスト毎回赤点だし。
ミヅキ:本当に才能がない、ウチには。(キリッ)
アユナ:なんでキリッとしてるの?
リュウ:いや、まあ二人はわかるよ。でも、俺よりもアユナくんのがそういうの上手いんじゃない?だっていつも小説とか読んでるし、何よ「四方山バナシ」のボーカルはアユナくんだぜ。
リュウ:ボーカルの人が歌いたい歌詞で曲作ったほうがいいんじゃねえのそういうのって。
ユウタ:あー。俺も最初はアユナのがいいかなって思ったんだけどさ。よくよく考えたら、リュウって感受性高いし、元演劇部だから感動させるの上手そうだし!
ユウタ:だから、人の心を揺さぶるリリックはリュウのが向いてるんじゃないか、という結論に至ったんだよ!
ミヅキ:それに、リュウの部屋結構小説あるし、アユナほどじゃないかもだけど物語の知識はあるっしょ!
リュウ:いや、まあ確かに読むけどあれほとんどラノベだし!
アユナ:まあでも、ラノベも物語には変わりないよ。歌の歌詞も大体は小さな物語のようなものだし。
リュウ:…そうかもしんないけどさあ。
ユウタ:頼むよ、リュウ。
リュウ:…いや、俺でいいってんなら別にいいんだけどさ。アユナくんは書きたくないの?
アユナ:私は別に書いてもいいんだけど、ここ最近ちょっと文化祭の準備で任されたことが忙しくて。それに、単純にキミがどんな歌詞を書くのか見てみたい。
リュウ:どんな歌詞って…。期待にこたえられるかわかんないよ?
ミヅキ:まあいいじゃん、歌詞なんて四人とも書いたことないんだし。何事も挑戦挑戦!
ユウタ:とりあえずやってみてくれよ、頼む!
リュウ:…わかったよ。やれるだけやってみる。
ユウタ:ありがとう!とりあえず俺ができるだけはやく曲作ってくるから、それを聴いて書いてみてくれ。
リュウ:了解。
ミヅキ:おぉ、めっちゃ楽しみ!
アユナ:うん。私も楽しみにしてるから。
ユウタ:じゃ、という訳で!「四方山バナシ」のオリジナル曲計画、スタートだ!
ミヅキ:おー!
アユナ:おー。
リュウ:…本当に俺が任されてよかったのだろうか?
話数転換。
0:場面転換。
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0:一週間後、練習スタジオにて。
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ユウタ:お前ら、曲作ってきたぞー!
ミヅキ:おー!だいぶ早かったね!
ユウタ:なんかすぐにインスピレーションが降ってきてさ、案外早くできたんだ。とりあえず、聴いてみてくれるか?
アユナ:オーケー。
リュウ:天下のユウタ大先生の作り上げたロック、ちゃんと耳に刻まないとな…。
ユウタ:変なハードルの上げ方をするな!ったく…。まあいいや、じゃ流すぞー。
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0:ユウタの作ってきた曲が流れる。
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ミヅキ:おぉ、結構激しめロックな感じだ。
ユウタ:おう、コンセプトとしては“自分の思いをぶちまけろー”って感じのイメージで作った。
アユナ:いいね。ベースラインが効いてて、そこにキーボードが入ってアクセントになってる。流石。
リュウ:…で、これに合う歌詞を俺が作ってくるわけだ。
ユウタ:そういうことになる。…どうだ、いけそうか?
リュウ:んー、まあ精一杯頑張らせていただく。
ミヅキ:じゃ、頼んだぞリュウ!期待してるからさ!
リュウ:期待してるって言われると凄いプレッシャーになるからやめていただきたいんだが…!?
アユナ:まあ、大丈夫だよ。好きなように書けばいい。全員素人なんだからさ、気楽にいこ。
リュウ:ありがとうアユナくん…。とりあえずやってみる!
ユウタ:よし、じゃあそういうことで!練習再開するぞー。
シーン転換。
0:場面転換。
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0:リュウの部屋。
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リュウ:作詞、かあ。…ファンタジーな自作小説は何回か書いたことあったけど、歌、だもんな…。
リュウ:…やっぱり万人受けするようなかっこいい歌詞のほうがいいのかなあ…。…難しい。
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アユナ:(回想)好きなように書けばいい。全員素人なんだからさ、気楽にいこ。
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リュウ:好きなように、か…。…よし。
0:場面転換。
0:
0:さらに一週間後。練習スタジオ。
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リュウ:なんとか、なんとか書き上げてきたぞ…。
アユナ:おー、お疲れさま。
ミヅキ:リュウも書くの早いよな。流石元演劇部!
リュウ:多分関係ないぜそれ?
ユウタ:じゃ、早速見せてもらっていいか?
リュウ:おう。…なんかちょっと恥ずかしいけど、こんな感じ。
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0:三人、リュウの書いてきた歌詞を見る。
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リュウ:コンセプトとしては、世の中への不満って感じ。自分の思ってることを満足に言い合えないこの世界に、少しでもありのままの自分の叫びを聞いてほしい、って思って書いてみました。
リュウ:結構ここに書いたことは本心でさ。俺の代わりにアユナくんに叫んでもらえればって思って。…まあ、何番煎じだよって感じだし、だいぶ暗い歌詞になっちゃったんだけど。
ミヅキ:…いや、めっちゃよくねこれ。
ユウタ:うん。曲調にもピッタリだし、心からの叫びって言うのが凄い伝わってきて…!流石だよ、リュウ!
リュウ:ホントか!?あー、よかった…。そう言ってもらえて凄いほっとしたわ…。
アユナ:…いいこと思いついた。
ミヅキ:ん?どうしたのアユナちゃん。
アユナ:ねえ、この歌詞はキミの思ってる気持ちを書いたんだよね。
リュウ:そうだね。…まあ感情をぶちまけたから、刺さる人は少ないだろうけど…。
アユナ:なら、これを私一人で歌うのはもったいないよ。
リュウ:……と、言いますと?
アユナ:これ、ツインボーカルで行こう。キミと私で。
リュウ:えぇ!?
ユウタ:おぉ、ナイスアイデアだな!初のオリジナル曲でツインボーカルっての、攻めてていいじゃん!
ミヅキ:ね!リュウとアユナちゃんがこの歌詞を…。想像しただけで凄いかっこいいじゃん!
リュウ:い、いやでも俺歌上手くないけど平気…?
ミヅキ:はぁ!?お前で歌上手くなかったらウチの歌なんてボエボエリサイタルになっちゃうんですけど!!喧嘩売ってる!?
ユウタ:出た。歌が上手い人ほど「自分、歌ヘタなんで…。」っていう現象。ちなみにこれはアユナも同罪。
アユナ:え。飛び火した。
リュウ:いやいや、それに俺、歌いながらベース弾ける自信ねぇし…。
アユナ:そこは安心していいよ。私が教えてあげるから。私も歌いながらリードギターやるの結構大変だったけど、コツさえつかめれば大丈夫なはず。
ミヅキ:さっすがアユナちゃん!頼もしい!
リュウ:うぅ、本当に平気かよ…。
ユウタ:まあ、次のライブまでまだ全然時間はあるし、猛特訓だな!
ミヅキ:あれ、もう次のライブ予定決まったんだっけ?
ユウタ:あぁ。一か月後。“学校”でだ。
リュウ:え?それって、まさか…。
ユウタ:ああ。
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ユウタ:「四方山バナシ」オリジナル曲初披露は、一か月後の文化祭のステージにする!
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リュウ:な、なんだってぇー!?
話数転換。
0:場面転換。
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0:二週間後、練習スタジオ。
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アユナ:うん、流石の呑み込みの早さだね。もうだいぶ歌いながら弾けてる。
リュウ:そりゃよかったけどさ…。なあ、これホントに文化祭でやんの…?…はあ。
ユウタ:いや、悪かったって。まさかお前が高校もそんなに嫌いなんて知らなかったんだよ…。
ミヅキ:そういえば聞いてなかったけど、なんでリュウは学校嫌いなんだ?
リュウ:学校というか、同学年の奴らが嫌いなんだよ。中学時代、ちょっといじめられてたってのもあってさ。
ミヅキ:え!?リュウ、いじめられてたの…?
リュウ:そうだよ。あれ、ミヅキには言ってなかったっけか。
ミヅキ:初耳だけど…。何があったの?
リュウ:…あいつらは、「自分と違う」と思うとこぞって狙って、差別しようとするんだ。…俺はそれが嫌で、俺だけでもその子に優しくしようとして…。結果標的にされちまったんだよ。
ユウタ:あの時はそんなことも知らずに手を差し伸べてやれなくて、本当にごめんな…。
リュウ:いいんだよ。もう過ぎたことだしな。
アユナ:…私もあんまり中学校は好きじゃなかったよ。周りに合わせないといけない、あの空気感が嫌いだった。
ミヅキ:そっか。この中で中学校別だったのウチだけだから、二人は知ってるのか。
リュウ:そそ。んで、実はその時の気持ちも歌詞に組み込んでみたんだ。「人と違って何が悪い 私は私でここにいる」ってとこね。
ユウタ:サビ前の歌詞か。…解説聞いてからだと余計響くリリックだな。
リュウ:ま、歌詞は適当に書いてるように見えて、俺なりに結構考えてるよってことさ。暗い話しちゃってごめんね。練習再開しようか。
ミヅキ:そうだな…。…あのさ。
ユウタ:ん?
ミヅキ:四人で頑張って練習してさ。必死に歌って、かき鳴らして。学校のみんなにこの歌詞を響かせてやろうよ!
アユナ:…そうだね。少しでもこの歌が、リュウの思いがみんなに伝わればいいなあ。
ユウタ:そのためにはやっぱり、練習あるのみだな。
リュウ:…!
ユウタ:さあ、三人とも!気合い入れていくぞ!
0:
ミヅキ:(同時に)おうっ!
アユナ:(同時に)うん。
リュウ:(同時に)ああ!
シーン転換。
0:場面転換。
0:
0:本番前日。
0:
アユナ:ふぅ…。うん、完璧だね。
ミヅキ:凄い一体感…!これは明日、大盛り上がり間違いなしだな!
ユウタ:あぁ、これならいける!…じゃ、この後休憩挟んでから、本番のセトリ全部通して練習終了で!
ミヅキ:はーい!
リュウ:……。
ユウタ:あれ。なんかお前、元気ないな?
リュウ:ん?いや、そんなことねぇよ。疲れただけ。…ちょっと外の風当たってくるわ。暑い。
ミヅキ:おう、行ってらー。
アユナ:……。
シーン転換。
0:外の風に当たるリュウ。
0:
リュウ:…はぁ。
アユナ:ねえ。
リュウ:うおっ。なんだ、アユナくんか。君も涼みに来たの?
アユナ:うん。ちょっとね。
0:
0:少し無言が続く。
0:
アユナ:…明日、不安?
リュウ:へ?…いやいや、あんだけ仕上げたんだから、不安なんてないよ。
アユナ:そうじゃなくて。…高校のクラスメイトもあんまり得意じゃないんでしょ?そんな奴らがいっぱいいる中で自分の思いを乗せた歌を歌うの、プレッシャーに感じてるのかなって。
リュウ:あぁ…。
アユナ:…私、キミの書いた歌詞を初めて見たとき、凄いなって思ったんだ。
リュウ:凄い…?
アユナ:うん。中学の頃酷いこと言われて、高校でも周りが嫌で…。私だったらきっと、自分の思いを歌詞に載せるなんてことできなくなっちゃってると思うんだよ。
アユナ:でも君は、それでもなお、“叫ぼうとしてる”。気づいてほしいって、私という存在は、私たちはここにいるんだって、主張しようとしてる。
アユナ:だから私は、この曲をキミと歌いたかったんだ。この曲を“叫ぶ”には、私一人じゃダメだろうから。
リュウ:アユナくん…。
アユナ:大丈夫。キミの叫びは絶対に届くよ。勿論、一人では無理だったけれど。私たちなら。いや―――。
アユナ:「四方山バナシ」なら!
リュウ:…! そう、だね!ありがとう、アユナくん。…明日は、轟かせてやろう!俺たちの歌を、“叫び”を!
アユナ:うん。その調子だよ。さ、そろそろ戻ろう。もうすぐ休憩終了だし。最後の通し練習、頑張ろう。
リュウ:おう!
話数転換。
0:場面転換。
0:
0:本番当日。文化祭会場、執事喫茶。
0:
アユナ:おかえりなさいませ、お館様(やかたさま)方。
ミヅキ:えー、すごっ!アユナちゃんめっちゃ執事服似合ってる!
ユウタ:本当にな…。アユナの身長が高いのも相まってめっちゃ映える…。
アユナ:そうかな?ありがとう、二人とも。…さ、席までご案内いたします。こちらへどうぞ。
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0:
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ユウタ:あれ、そういえばリュウは?どこにもいない?
アユナ:あぁ、彼は料理を作る係だからウエイターはしないのです。
ミヅキ:え!?ここの料理ちゃんと作ってんの!?
アユナ:ええ。隣が家庭科室なのが幸いしまして、きちんと一品一品手作りでございます。
ユウタ:はぁー、気合入ってんなあ…。
ミヅキ:ね。これは料理楽しみだなあ!
アユナ:誠心誠意、真心を込めて作らせていただいております。
ユウタ:…なんかすごい執事のロールプレイ上手いな、アユナ。
ミヅキ:臨場感えぐい。
ユウタ:お、あれリュウじゃね?
0:
0:
リュウ:…お待たせいたしました。こちら、たんぽぽオムライスでございます。
ミヅキ:おぉ、リュウも案外似合うじゃん、執事服!
リュウ:…なんでいるのお前ら。恥ずかし…。
ユウタ:俺らのクラスは人余っちゃってさ、午後俺たちステージ出るからあんまり文化祭楽しめないだろってことで回らせてもらってんだよ。
ミヅキ:そしたら執事喫茶なんて面白そうなことやってるからお邪魔したんだよー。いやぁ、ガチ面白いわ恥ずかしがってるリュウ!
リュウ:うるせぇー!
アユナ:駄目ですよ。そのような口の利き方をしては。
リュウ:アユナくんがなんかすごいノリノリなんですけど!?
シーン転換。
0:場面転換。
0:
0:本番十分前。
0:
ミヅキ:おぉー、今出てるバンド結構盛り上がってるなあ…。
ユウタ:大丈夫だよ、このバンドを超える演奏をしてやりゃいいだけだよ。それに、俺達にはオリジナル曲もあるしな!
リュウ:……あー、ダメだ。やっぱり本番前になると凄い緊張する…。
アユナ:大丈夫だよ。キミ、本番に強いし。
ミヅキ:はははっ!確かにいつも本番機転利かせてよくアドリブとか入れてるよね、リュウ。
ユウタ:俺は本番に弱いから、本当羨ましい限りだわ…。
リュウ:あ、そういやユウタ。今日のMCはどんなこと喋るんだ?
ユウタ:…あ、思いついた。
ミヅキ:…どしたん?
ユウタ:本番十分前になって言うの、本当ごめんなんだけどさ。今日のMC、リュウに任せらんないかな?
リュウ:はぁ!?お前、キラーパスが過ぎるぞ!?
ユウタ:でも、お前がMCで曲への思いを語ったほうが絶対いいと思うんだよ!マジで急な思いつきなんだけど!
アユナ:賛成。その方があの歌を響かせられると思う。
リュウ:で、でも…。
ミヅキ:もしMCで詰まったらウチとかユウタが助けるからさ!いつもユウタがやってるみたいに、やってみてくれよ…!
リュウ:…わかった。
ユウタ:ありがとう!
アユナ:…じゃ、もうすぐ呼ばれるだろうし、円陣組んでおく?
ミヅキ:いいね!
ユウタ:よし、じゃあパッと済ますぞ!
リュウ:りょ、了解。
0:
0:四人が右手を重ねる。
0:
ユウタ:今日は絶対、ステージ成功させるぞー!
0:
ユウタ:(同時に)おー!
ミヅキ:(同時に)おぉー!
アユナ:(同時に)おー。
リュウ:(同時に)おー…!
ミヅキ:(N)ずっと仮面を被っていた。感情を押し殺して、私は本当に生きているの?空は今日も青いまま。
ユウタ:(N)ぐっと拳を握っていた。理不尽に慣れた目で、話を合わせて生きているの。こんな日々はもう嫌だ。
アユナ:(N)色眼鏡で見て気味が悪い。叫んでいるのに届かない。
リュウ:(N)人と違って何が悪い。私は私でここにいる―――!!
シーン転換。
リュウ:それでは、聴いてください!
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リュウ:「Scream Out!!」(スクリームアウト)!
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0:
0:End