台本概要

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タイトル Hestory. 歩みもとめれば
作者名 塩結ノ介  (@siodemusunde)
ジャンル ファンタジー
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 "君"が目を覚ますと、電車のような乗り物の中にいた。
目の前には不思議な風貌の人物が一人。
穏やかに語るその人物は「君の最初の友人」らしい。

っていう神様みたいなひとが命たちとお話しているお話です。
大体8-10分でさくっと読めます!
改変アドリブ、尺調等お任せします。商用・非商用等の利用範囲特に問いません!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り手 不問 15 穏やかに語る不思議な人物
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:”君”が目を覚ましてあたりを見渡す。目の前で本を読んでいる誰かがそれに気づいた。 語り手:おや、目が覚めたかい? 語り手:おはよう、そして初めまして。気分はどうかな。 語り手: 語り手:よかった、元気そうだね。 語り手: 語り手:ふふ、驚いている…かな。 語り手:ごめんね、生憎私は視えないんだ。 語り手:でも君の聲(こえ)は聞こえているから、この状況に戸惑っているのは分かるよ。 語り手: 語り手:私かい?私は…そうだな。「君の最初の友人」だ。 語り手:どうせ次に逢う時には忘れてしまっているだろうが…この場では、それが最適解と言えるかな。 語り手: 語り手:そんなことより、早速私の話を聞いてはくれないか? 語り手:時間というのはどうやら有限でね。長話にはなるが君にとっても大切なものになるだろうから、どうか付き合ってほしい。 語り手: 語り手:ありがとう。 0: 語り手:君はこれから、とても美しく眩しい世界へ旅に出る。 語り手:上を見上げれば雄大に広がる空の蒼。 語り手:足元には強く咲き誇る瑞々しい緑。 語り手:時に空は蒼から茜に、茜から藍にその姿を変え、 語り手:夜には無数の美しく輝く光の粒がまぶされる。 語り手:そして君は、そんな世界で逞しく自由に生きる多くの命と出会うだろう。 語り手: 語り手:そう、君も彼らと同じだ。 語り手: 語り手:姿かたちは少し違うかもしれないけど、根本的な所はみんな変わらないんだよ。 語り手:君が真摯に向き合えば、きっと心を通わせることだって出来るはずさ。 0: 語り手:ふふ、楽しみかい? 語り手:気に入ってもらえたようでよかった、嬉しいよ。 0: 語り手:…でもね。光というものは、眩しければ眩しいほど濃く影を落とす。 語り手:君はいつか、その暗く冷たい影に触れてしまうことがあるかもしれない。 語り手:そんな影の中で俯き、顔を伏せてしまった時。この世界から光が消えてしまった。この世界は暗く冷たい、酷い世界だと思ってしまうかもしれない。 0: 語り手:…不安を煽ってしまったかな、ごめんね。 語り手:でも、大丈夫。 語り手:これから言うことを、どうか覚えていて。 0: 語り手:影の中にいる時こそ、顔を上げて周りを見てごらん。 語り手:影の隣には必ず光がある。決して全部消えてしまったりなどしていない。その光を見失わなければ、いつか君の影は晴れる。 語り手:だから、君は何があっても大丈夫だ。 0: 語り手:…よかった。少しは安心できたようだね。 語り手:ふふ、君はどうやら感情が豊かみたいだ。きっとたくさんの人から君は愛されるだろうね。 0: 語り手:そろそろ時間だね。私の長話に付き合ってくれてありがとう。とても楽しい時間だったよ。 語り手:…あぁ、私は一緒に行けないんだ。ここでお別れだよ。 語り手: 語り手:…名前…?私のかい? 語り手: 語り手:…ははは!いやぁ…私の名前を気にしたのは君で二人目だよ。まさかこんな子がまた現れるなんてね。 語り手: 語り手:…うん、私の名前は「光」だ。 語り手:古い友人に貰った名だよ。 0: 語り手:さぁ、到着だ。ここからは君の足で歩む旅が始まる。 語り手:どうかたくさんのものを見て、聴いて、そしてもしいつかまた逢えたその時には、君が歩んだ旅の物語を聞かせておくれ。 語り手: 語り手:大丈夫。この世界は君を拒まない。 語り手: 語り手:行ってらっしゃい、君の旅が明るく楽しいものになることを願っているよ。 0:旅立っていく友人の姿を見送る。 0: 0:暫くすると遠くで鐘が鳴る。 語り手:さて…。そろそろかな。 0:足音が聞こえて振り返る 語り手:あ、待っていたよ。 0:振り向くと、「光。」と呼ぶ声がした。 語り手:…!! 語り手:君は……! 語り手: 語り手:久しぶり、随分大きくなったね。 語り手:会えて…嬉しいよ。 語り手: 語り手:…実はね、さっき名前を聞かれたんだ。 語り手:初めて君から貰った名を名乗ったよ。 語り手: 語り手:昔、君が影に満ちた目をして、ここに戻ろうと私の前に現れた時。 語り手:君の「光を見つけることは出来なかった」という声に、私は酷く動揺したんだ。 語り手:正直何を話したのかも覚えていない。私を静かに見つめる君に、必死で取り留めもない綺麗事を吐き続けていたような気もする。 語り手: 語り手:だけど、これだけははっきりと覚えているよ。 語り手:いつの間にか光が戻った目で君が言ったんだ。「君に名前があるのだとしたら、それはきっと光だ」と。 語り手: 語り手:あの時の私は光と言うにはあまりにもおぼろげで、ただただ皆の旅立ちを見送るだけの存在のはずだった。 語り手: 語り手:君が私に、他の意味を持たせてくれたんだ。 語り手:…私の光は、君だったのかもしれないね。 0: 語り手:…旅は、どうだったかな。 語り手:幸せだったかい? 語り手:…楽しかったかい? 0: 語り手:そうかい。それは……本当に、何よりだよ。 0: 語り手:さあ中へおいで。 語り手:短い間ではあるが、たくさん聞かせておくれ。君の歩んだ素晴らしい旅物語を。

0:”君”が目を覚ましてあたりを見渡す。目の前で本を読んでいる誰かがそれに気づいた。 語り手:おや、目が覚めたかい? 語り手:おはよう、そして初めまして。気分はどうかな。 語り手: 語り手:よかった、元気そうだね。 語り手: 語り手:ふふ、驚いている…かな。 語り手:ごめんね、生憎私は視えないんだ。 語り手:でも君の聲(こえ)は聞こえているから、この状況に戸惑っているのは分かるよ。 語り手: 語り手:私かい?私は…そうだな。「君の最初の友人」だ。 語り手:どうせ次に逢う時には忘れてしまっているだろうが…この場では、それが最適解と言えるかな。 語り手: 語り手:そんなことより、早速私の話を聞いてはくれないか? 語り手:時間というのはどうやら有限でね。長話にはなるが君にとっても大切なものになるだろうから、どうか付き合ってほしい。 語り手: 語り手:ありがとう。 0: 語り手:君はこれから、とても美しく眩しい世界へ旅に出る。 語り手:上を見上げれば雄大に広がる空の蒼。 語り手:足元には強く咲き誇る瑞々しい緑。 語り手:時に空は蒼から茜に、茜から藍にその姿を変え、 語り手:夜には無数の美しく輝く光の粒がまぶされる。 語り手:そして君は、そんな世界で逞しく自由に生きる多くの命と出会うだろう。 語り手: 語り手:そう、君も彼らと同じだ。 語り手: 語り手:姿かたちは少し違うかもしれないけど、根本的な所はみんな変わらないんだよ。 語り手:君が真摯に向き合えば、きっと心を通わせることだって出来るはずさ。 0: 語り手:ふふ、楽しみかい? 語り手:気に入ってもらえたようでよかった、嬉しいよ。 0: 語り手:…でもね。光というものは、眩しければ眩しいほど濃く影を落とす。 語り手:君はいつか、その暗く冷たい影に触れてしまうことがあるかもしれない。 語り手:そんな影の中で俯き、顔を伏せてしまった時。この世界から光が消えてしまった。この世界は暗く冷たい、酷い世界だと思ってしまうかもしれない。 0: 語り手:…不安を煽ってしまったかな、ごめんね。 語り手:でも、大丈夫。 語り手:これから言うことを、どうか覚えていて。 0: 語り手:影の中にいる時こそ、顔を上げて周りを見てごらん。 語り手:影の隣には必ず光がある。決して全部消えてしまったりなどしていない。その光を見失わなければ、いつか君の影は晴れる。 語り手:だから、君は何があっても大丈夫だ。 0: 語り手:…よかった。少しは安心できたようだね。 語り手:ふふ、君はどうやら感情が豊かみたいだ。きっとたくさんの人から君は愛されるだろうね。 0: 語り手:そろそろ時間だね。私の長話に付き合ってくれてありがとう。とても楽しい時間だったよ。 語り手:…あぁ、私は一緒に行けないんだ。ここでお別れだよ。 語り手: 語り手:…名前…?私のかい? 語り手: 語り手:…ははは!いやぁ…私の名前を気にしたのは君で二人目だよ。まさかこんな子がまた現れるなんてね。 語り手: 語り手:…うん、私の名前は「光」だ。 語り手:古い友人に貰った名だよ。 0: 語り手:さぁ、到着だ。ここからは君の足で歩む旅が始まる。 語り手:どうかたくさんのものを見て、聴いて、そしてもしいつかまた逢えたその時には、君が歩んだ旅の物語を聞かせておくれ。 語り手: 語り手:大丈夫。この世界は君を拒まない。 語り手: 語り手:行ってらっしゃい、君の旅が明るく楽しいものになることを願っているよ。 0:旅立っていく友人の姿を見送る。 0: 0:暫くすると遠くで鐘が鳴る。 語り手:さて…。そろそろかな。 0:足音が聞こえて振り返る 語り手:あ、待っていたよ。 0:振り向くと、「光。」と呼ぶ声がした。 語り手:…!! 語り手:君は……! 語り手: 語り手:久しぶり、随分大きくなったね。 語り手:会えて…嬉しいよ。 語り手: 語り手:…実はね、さっき名前を聞かれたんだ。 語り手:初めて君から貰った名を名乗ったよ。 語り手: 語り手:昔、君が影に満ちた目をして、ここに戻ろうと私の前に現れた時。 語り手:君の「光を見つけることは出来なかった」という声に、私は酷く動揺したんだ。 語り手:正直何を話したのかも覚えていない。私を静かに見つめる君に、必死で取り留めもない綺麗事を吐き続けていたような気もする。 語り手: 語り手:だけど、これだけははっきりと覚えているよ。 語り手:いつの間にか光が戻った目で君が言ったんだ。「君に名前があるのだとしたら、それはきっと光だ」と。 語り手: 語り手:あの時の私は光と言うにはあまりにもおぼろげで、ただただ皆の旅立ちを見送るだけの存在のはずだった。 語り手: 語り手:君が私に、他の意味を持たせてくれたんだ。 語り手:…私の光は、君だったのかもしれないね。 0: 語り手:…旅は、どうだったかな。 語り手:幸せだったかい? 語り手:…楽しかったかい? 0: 語り手:そうかい。それは……本当に、何よりだよ。 0: 語り手:さあ中へおいで。 語り手:短い間ではあるが、たくさん聞かせておくれ。君の歩んだ素晴らしい旅物語を。