台本概要

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タイトル CrossCrown
作者名 愁有  (@syu_boikone)
ジャンル ファンタジー
演者人数 7人用台本(男5、不問2)
時間 30 分
台本使用規定 商用、非商用問わず作者へ連絡要
説明 Crossシリーズ第4話
難しい漢字を使用しているので前読みは必須です
詠唱集を出したのでそちらで確認して頂ければ幸いです

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
アグレス 140 1話参照
フォルグ 74 2話参照
ファルガ 60 2話参照
アグレウス 68 アグレウスの兄 めっちゃ優しいしかっこいい 理想の兄
ジルメナス 不問 19 2話参照
クロム 42 骸の隊長 かなり強い
ラグナ=コット 不問 - 神 ???もラグナ=コットなのでやってね
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
アグレウス:………来たか、我が弟よ 0: 0: 0: アグレス:……! アグレス:先生下ろしてください!! フォルグ:アグレス気が付いたか フォルグ:熱がある。まだ担がれておけ アグレス:下ろせ!! フォルグ:……ぁ! アグレス:はぁはぁ……何故見捨てた…… フォルグ:…… アグレス:何故見捨てた!フォルグ・アル・ネフェリム!! フォルグ:…それがバラクとの約束だったからだ アグレス:約束だと? フォルグ:そうだ。出発前に約束を交わした アグレス:それで、はい分かりましたと返事をしたのか? フォルグ:……あぁ アグレス:ふざけるなっ!! アグレス:ワールドNO.20(ウィーギンティー)の貴方なら助けられたはずだ! フォルグ:……お前を犠牲にしてか? アグレス:っ…… フォルグ:皆お前に懸けて託している フォルグ:そのお前を見捨てろと? フォルグ:そんなことをしたら先に逝った子たちに怒られるだろうな アグレス:だが…それでもっ…… アグレス:カールとケルミアは俺が殺した! アグレス:サーシャは俺を庇って目の前で死んだ! アグレス:それなのにバラクまで…………… アグレス:……もう無理だ……目的を成し遂げたとき隣りにいてほしい人はもう………… アグレス:……誰もいない アグレス:戦う理由が亡くなった…… アグレス:俺はもう戦えない…………… フォルグ:……少し昔話をしよう フォルグ:私が前帝王に仕えていた頃の話だ フォルグ:ギフトの力が国力に直結する様になり戦争が頻発した フォルグ:近衛師団団長だった私は当然のように前線に出た フォルグ:……当時、部下として同じ部隊にいた息子と一緒にな アグレス:息子………?まさか… フォルグ:あぁ…その通りだ。目の前で殉職した フォルグ:私に国の未来と若い命の安寧を託し、笑って逝ったよ アグレス:……笑って フォルグ:その後、妻は息子を死なせたことに怒り、心を病んで自ら命を絶ってしまったがな アグレス:そんな…… フォルグ:息子の想いに応える為に始めた活動が今の孤児院だ フォルグ:若い命を助け育む。……まぁ死なせてしまっているがな アグレス:そうですよ……みんな死んだ……… フォルグ:だが託された想いは残っている アグレス:っ…… フォルグ:お前は…ここで先に逝った仲間達の想いを途切れさせるのか? アグレス:それは…… フォルグ:そこで這いつくばって止まってる暇はあるのか? フォルグ:託されたお前の未来は絶望か? アグレス:…………… フォルグ:立って進め。男なら泣くな フォルグ:案ずるな、お前は一人じゃない。私も……同じ気持ちだ… アグレス:え…? アグレス:……ははっ……泣くなって言ったくせに アグレス:先生だって泣いてるじゃないですか…… フォルグ:……………すまない アグレス:……確かに アグレス:あいつらの想いが重荷な訳がない…… アグレス:(ごめんな……) アグレス:(俺、全部背負うよ……みんなの気持ちを無駄になんかしない) アグレス:(だから……この足を一歩踏み出すために背中を押してくれ) アグレス:(……………ありがとうみんな) アグレス:(行って来ます) フォルグ:…アグレス? アグレス:すみません、もう大丈夫です フォルグ:…そうか。いい顔になったな アグレス:先生がいなかったら俺は折れていました…ありがとうございます フォルグ:力になれたのなら何よりだ アグレス:それでこれからどうするか…ですね アグレス:二人じゃ流石に…………… フォルグ:そこは大丈夫だ アグレス:…ん?何故? フォルグ:ファルガこっちに来い ファルガ:……はい アグレス:……お前は フォルグ:そう敵対心を出すな フォルグ:ファルガはもう味方だ アグレス:…でもこいつはサーシャを……… ファルガ:そうです隊長……私は彼の大事な人を手にかけています ファルガ:それにまだ味方になると決めたわけじゃ…… フォルグ:アグレス、お前のギフトの力でファルガに打ち込まれている呪いを消してくれ ファルガ:なっ……まさか彼が? アグレス:…… フォルグ:そうだ。アグレスがあのあま…… アグレス:待ってください先生 フォルグ:なんだ? アグレス:そいつの呪いを解いたとして、その後そいつが仲間になる保証があるんですか? フォルグ:それは…… ファルガ:この呪いを解いていただけるなら私は……師団長を捨てます!! アグレス:なっ!……………何故そこまで ファルガ:…私はジルメナスに忠誠を誓っていません。師団長の地位も望んで立っているわけではない フォルグ:私が居なくなってから何があった ファルガ:……前帝王が崩御して間もなく、ジルメナスが即位しました ファルガ:そして、ジルメナスが王になることに反対していた勢力が抗争を起こし ファルガ:これをアグレウス様が一人で収めたのです アグレス:そんなことが… ファルガ:その後、半数の人間が軍を辞めていきました ファルガ:当時近衛師団団長だった貴方も居なくなってしまった フォルグ:そうだな……迷惑をかけた ファルガ:そうですね……私の地獄はそこから始まった ファルガ:簡潔に言うと、家族を人質に取られ逆らえないよう呪いを打たれました アグレス:そうまでして手元に置いておきたい理由があるということか ファルガ:ギフトの力ですよ ファルガ:私のギフト【鑑定】は視た物の情報を得ることが出来る ファルガ:決して強い能力ではないがジルメナスにはある目的があった アグレス:まさか… ファルガ:そう、【天喰】を見つけ出し手中に収めること ファルガ:まぁ「天」を冠するギフトには効かないので見つけることはできないんですけどね フォルグ:そうだったのか ファルガ:私は家族の為に戦っています。呪いが解け家族の安寧が確立するのなら ファルガ:喜んでこの国を捨てましょう ファルガ:だから……どうか呪いを解いてはくれないでしょうか……… アグレス:…分かった。呪いを解こう ファルガ:っありがとうございます…… アグレス:だが条件がある! ファルガ:何でしょうか アグレス:……この戦いがひと段落したらお前を二発殴る アグレス:一発はサーシャの分、二発目はリネアネの分だ アグレス:覚悟しておけ ファルガ:その程度甘んじて受け入れましょう アグレス:いいですね先生? フォルグ:あぁ、私も目を瞑ろう アグレス:決定だ。絶対に殴るからな?覚悟しろよ ファルガ:ははっ、分かりました 0: 0: 0: ジルメナス:どうなっている!! ジルメナス:城外の戦闘が終わったと思いきや二番区が更地に変わっただと!? ジルメナス:ヴァレルもミィティアもミュルガイアも戻ってこない ジルメナス:ありえん!我が一族の汚点が強いはずがないのだ……… ジルメナス:だが……… ジルメナス:クロム クロム:ここに…… ジルメナス:骸全隊で城内全てを警戒しろ クロム:承知 ジルメナス:鼠一匹通すな クロム:お任せください ジルメナス:行け クロム:はっ ジルメナス:………ふぅ アグレウス:お疲れですね父上 ジルメナス:アグレウスか。お前が此処に自ら足を運ぶとは珍しい アグレウス:私(わたくし)は次期帝王ですから。この目で帝王の手腕を見るのも仕事のうちです ジルメナス:そうか……ならばこの戦いが終わるまで余の隣から動くな ジルメナス:それと、残っている全兵力をこの部屋に集めろ アグレウス:畏まりました ジルメナス:お前はこの国の最強戦力だ。出番はないが準備はしておけ アグレウス:失礼ながら父上……我が弟は必ず此処に来ますよ ジルメナス:ぬかせ……あのような砂利等……… アグレウス:お言葉ですが……貴方は我が弟を舐めすぎだ 0: 0: 0: ファルガ:それでこれからどうするんですか? フォルグ:やることはいつもと変わらないが…… フォルグ:どうするアグレス アグレス:少し時間をください。話をしなくてはいけない奴がいます フォルグ:話し?誰とだ? アグレス:……俺の心友を苦しめていた存在です フォルグ:そうか…私たちは何をすればいい? アグレス:俺は今から深層心理に潜ります。二人は俺の周りを警戒しておいてください フォルグ:分かった。ファルガ行くぞ ファルガ:了解です アグレス:…………………(深呼吸) 0: 0: アグレス:ここか……………!? ???:わぁぁぁぁぁぁぁい!!!!アグレスだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!! アグレス:ぐっ…クソッ離せ!! ???:いやだねーーだ!ボクは君にずっと会いたかったんだから!! アグレス:いいから離せ……俺はお前と話をしに来たんだ ???:話しー?ボクの好みとか聞きたいのかぁー? ???:それはねー……キーミッ……きゃぁぁあああああ言っちゃったーーー! アグレス:黙れ……そんなくだらないことを聞きに来たんじゃない ???:んーー?じゃあ何かなぁ ???キミの言葉なら何でも答えてあげるよ アグレス:そうか…なら応えてもらおう アグレス:まず……お前は何者だ ???:ボクの正体かー……キミ達人間はボクのことをよく知ってるはずだよぉ? アグレス:知ってるだと?お前の事など…………… ???:本当に?よく見てごらん……この華奢で美しい躰、神聖で眩しい顔を…………… ???:ああああーー!やっぱ見ないでぇ…恥ずかしい アグレス:おふざけに付き合ってる暇はない アグレス:さっさと答えろ ???:別にふざけてないんだけどなぁー ???:まぁそんなせっかちなアグレスも好きだぞぉ アグレス:答えろ ???:もーしっかたないなぁ…… ???:ボクの名前はラグナ=コット。このログルス帝国で崇拝されてる一柱さ アグレス:一柱だと…?お前があの神だというのか? ラグナ=コット:そうさ!ボクがこの国の子供達にギフトを授けている「あの」神さ!! アグレス:そうか…お前が諸悪の根源か アグレス:それが分かって良かったよ ラグナ=コット:うんうん良かった良かった! ラグナ=コット:それで、他には何が聞きたいのかな? アグレス:……何故バラクを見捨てた ラグナ=コット:見捨てた?あーごめんね。あれは僕も想定外だったんだ アグレス:なんだと……? ラグナ=コット:確かにバラクに【天命】を与えてから十四年間この国に干渉して来た ラグナ=コット:だけどあの瞬間だけは干渉出来なかったんだ アグレス:……そうなのか ラグナ=コット:そうなんだよねーあの時彼は初めて自分で選択したんだ アグレス:なら…良かった ラグナ=コット:あれ?二回目だったかな?まぁいっかー ラグナ=コット:それで聞きたいことはこれで全部かな? アグレス:聞きたいことはまだあるが時間がない ラグナ=コット:そっかーそれは残念だなー アグレス:あぁ、それと一つだけ言っておく ラグナ=コット:なにかな? アグレス:俺はお前を絶対に許さない。覚えておけ ラグナ=コット:うん覚えておくよ! アグレス:【天命】が俺の手にある以上お前の好きにはさせない ラグナ=コット:大丈夫!ボクの目的はもう達成されたからね アグレス:そうかならいい ラグナ=コット:じゃあねボクの大好きなアグレス ラグナ=コット:頑張ってね 0: 0: アグレス:……… フォルグ:戻ってきたかアグレス アグレス:はい、ありがとうございました ファルガ:それで、これからどうするんですか? アグレス:……三人で真正面から行く ファルガ:正気ですか!? アグレス:正気だ……もしかして分からないのか? ファルガ:何のことですか? アグレス:先生は? フォルグ:私も分からないな アグレス:そうですか…何故か分かりませんが王城の兵が一カ所に集まっているんです フォルグ:なに? アグレス:だから真正面から行っても何の問題もないんです ファルガ:何故集まってるかが分かるんですか? アグレス:【天】を司るギフトが集まってるからなのか、感覚が研ぎ澄まされていてる アグレス:臭い、振動、相手の心音から脈拍まで分かる ファルガ:なっ!そんなことが…… アグレス:ここからは向かいながら話す。行くぞ ファルガ:は、はい フォルグ:分かった アグレス:さっき兵が一カ所に集まっていると言いったが、別動隊もいるようだ ファルガ:別動隊ですか…… アグレス:あぁ、恐らく骸と言う奴だろう。数は十人か アグレス:その中に相当な使い手がいる。二人にはそいつらの相手を頼む フォルグ:了解した ファルガ:承知しました アグレス:ジルメナスの相手は俺一人でやる アグレス:だから挟撃されないようにしてもらいたい フォルグ:お前が行くところはこの国の全兵力がいる場所のはずだ フォルグ:一人で大丈夫なのか? アグレス:大丈夫です…それに巻き込んでしまいますから フォルグ:分かった。お前の背中は私たちで守ろう アグレス:ありがとうございます アグレス:…早速来ましたね クロム:おやぁ?これはこれは近衛師団団長様ではないですか フォルグ:アグレス先に行け アグレス:こいつがさっき言った使い手です。気をつけてください フォルグ:了解 フォルグ:……分かっていると思うが フォルグ:生きてちゃんと帰るぞアグレス フォルグ:無茶はしすぎるなよ アグレス:多少の無茶は見逃してくださいね フォルグ:あぁ……勝って帰ってこい! アグレス:はい!! クロム:簡単に行かせるとでも? ファルガ:簡単に追わせるとでも? クロム:おっと……何故貴方が邪魔をするのでしょうか ファルガ:もう近衛師団団長は捨てた ファルガ:この腐った国の為に戦う私はもういない クロム:なるほどなるほど……裏切りということですね ファルガ:最初から忠誠を誓った覚えはないな クロム:……分かりました。では帝国独立特殊任務小隊『骸』の隊長 クロム:このクロム・アベッジが断罪してあげましょう!! フォルグ:クロム・アベッジ…… フォルグ:ファルガそいつはダムナティオだ二人で行くぞ ファルガ:なっ!?ダムナティオってワールドNO,16(セーデキム)の? フォルグ:そうだ。出すぎるなよ ファルガ:どうして私はこう強敵とばかり…… フォルグ:諦めろ……行くぞ ファルガ:はい!! クロム:ヒヒっぶっ殺してやるよぉ!! 0: 0: 0: アグレス:(M)覚悟は出来てる。後はこの手に王の座を収めるだけ アグレス:(M)……待っていてくれみんな アグレス:(M)俺は緊張を解す様に一度手を握って緩めた アグレス:(M)自分には似合わないと笑いつつ気合いを入れるために言葉を発し扉に手をかける アグレス:行くぞ 0: 0: 0: ジルメナス:……貴様は アグレス:久しぶりだなジルメナス ジルメナス:ぬかせ、貴様の顔なんぞ二度と見ることはないと思っておったわ アグレス:そうだな。俺もお前の顔なんて金輪際見たくない ジルメナス:して、何しに此処に来た ジルメナス:分不相応にも程があるぞ? アグレス:此処に何しにか… アグレス:お前を王の座から引きずり下ろしに来た ジルメナス:ふっふ……はっはっはっはっは ジルメナス:我を王から降ろすと…… ジルメナス:随分と舐めてくれたものだ ジルメナス:貴様には絶望をくれてやろう ジルメナス:アグレウス出て来い アグレウス:……はい父上 ジルメナス:そして此処には帝国兵が八百いる ジルメナス:この戦力差でどう勝つと? アグレス:黙れ…… ジルメナス:なに? アグレス:お前らの断末魔は少しうるさそうだ…… 0: アグレス:静定 アグレス:神授の森 アグレス:遍く閑静の咆哮 アグレス:刹那に終息 アグレス:遂に乙成し アグレス:天能贈与『終慎遍瀞罰國』 アグレス:継譜 アグレス:忌避聖堂 アグレス:天暈に許しを乞う アグレス:彷徨いし魂に憐れみを アグレス:慈悲を供物に アグレス:鬼籍を刻み墓標に堕とす アグレス:遍く者たちよ アグレス:在鎮かに喰らい尽くす アグレス:神忌冠刻『魂喰救遍奪堕』 0: ジルメナス:…………… ジルメナス:(なんだこれは!?何の音も出さず兵はすべて倒れ声も出ぬ!) ジルメナス:(どうなっている!アグレスがやったのか?あの砂利の何処にこんな力が……) ジルメナス:(グヌッ声が発せられなければ【法典】を使えぬ) アグレウス:これ程とは……… ジルメナス:(アグレウス!……こやつがいればこんな砂利如き……) アグレウス:父上は何もせずそこで見ていてください アグレウス:これは私とアグレスの戦いだ ジルメナス:(ふざけるな!何を勝手にっ) アグレウス:…………… ジルメナス:(っ……) アグレウス:それでいいのです アグレウス:さて、待たせたねアグレス アグレス:……兄様 アグレウス:今一度聞こうか……此処に何しに来たんだい? アグレス:…この国を変える為……『王に成りに来ました』 アグレウス:……逞しくなったね アグレウス:でも…分かっているはずだよ。それがどういうことか アグレス:分かってます……だから超えさせてもらいます アグレウス:フフッ…言う様になったね アグレス:兄様が相手ですから アグレウス:そうだね アグレウス:じゃあ始める前に……あれ覚えてるかい? アグレス:覚えています アグレウス:さすが優秀な弟だ アグレウス:では始めるよ アグレス:はい アグレウス:汝、潔癖たる魂に闘争を アグレス:汝、不純無き御心に剣戦を アグレウス:御身に盛大な敬愛を アグレス:御身に最大の尊敬を アグレウス:我が名はアグレウス・ログルス アグレス:我が名はアグレス・ログルス アグレウス:いざ…… アグレス:参る!! 0: 0: 0: クロム:クッハハハハハハハハハハハハハハハハハ クロム:師団長が揃いも揃ってその程度ですか!! クロム:弱い……弱すぎるッ ファルガ:はぁはぁ……強すぎる フォルグ:そうだな ファルガ:そうだなって随分と軽くないですか…… フォルグ:そうか…すまない クロム:だいぶ期待外れだ…まだギフトも使ってないというのに クロム:たった四個しか数字は変わらないのにここまで格下になるとは…… ファルガ:随分な言われようですね フォルグ:仕方ない。現状二人でこのザマだからな ファルガ:ははっ…そうですね ファルガ:それでどうします? フォルグ:やることは何も変わらない フォルグ:奴も体力は無限ではないからな フォルグ:挟撃しつつ隙が出来たら攻撃だ ファルガ:了解しました クロム:意味のない作戦会議は終わりましたかぁ? フォルグ:あぁ、お前を倒す算段はついた クロム:そーーですかぁ!それは楽しみですねぇ…… クロム:では絶望の継続と行きましょうかっ!! ファルガ:!?ぐはっ クロム:弱いほうから片付けるのは定石ですよ! フォルグ:ふっ!! クロム:……急所に大ぶりの一撃 クロム:ぐふ…ふぅはははははははははっ クロム:この程度が隙になるとでも思ったんですかァ? フォルグ:ぐっ…… クロム:部下を見捨てた速さは称賛に値しますが クロム:随分と舐められたものだ ファルガ:まだ死んでないけどな クロム:おやおやぁ侮りましたかね ファルガ:あんなので仕留められたと思っているならそうだなっ! クロム:おっと…奇襲のつもりですか? ファルガ:私の役目はお前の隙を作ること ファルガ:それが出来るのなら何でもするさ! フォルグ:ファルガ突っ込みすぎるな フォルグ:死ぬぞ! ファルガ:止めないでください! ファルガ:逆らえなかったとは言え、私のせいで隊長の大事にしていた子どもを三人も殺してしまった… ファルガ:こんなのでこの罪が消えるとは思っていませんが、このくらいしか出来ないんです フォルグ:……バカ者 ファルガ:はぁああああああああっ!! クロム:師弟愛はいいですけど攻撃が単調すぎやしませんかぁ? ファルガ:がっはぁ…… フォルグ:ファルガ!! ファルガ:まだです!!まだ隙を作れていません! フォルグ:お前…………… クロム:あぁあ……流石に目の前でちょろちょろされるのはストレスが溜まりますねぇ クロム:さっさと終わらせてしまいますかっ! 0: 0: 0: アグレウス:腕を上げたねアグレス アグレス:兄様には及びません…… アグレウス:そうでもないよ、前に手合わせした時から随分成長してる アグレス:十年も前のこと、強くなって当然です アグレウス:ふふ……そうだね、もう十年も前か アグレウス:見た目は変わらず、ずっと可愛い弟のままだ アグレス:可愛いなどと……今は死合の最中ですよ アグレウス:死合なんて怖い言葉を使うね アグレウス:でも…そっか今は敵同士……真面目にやらないとね アグレス:(来るっ!) アグレウス:正しき秩序を今此処に≪ノヴァ_オルド_イグニス≫ アグレス:ぐっ……(兄様の能力の一つ…なんて圧だ) アグレス:これからが本番ですね アグレス:今度はこちらから行きます! アグレウス:うん、おいで! アグレス:皇国流柔術参番・波紋! アグレウス:良い攻撃だ…けどまだ甘い アグレス:なっ!? アグレウス:隙ありだよ アグレウス:帝国式闘術一式・龍牙 アグレス:ぐっ…… アグレウス:やるね、防がれるとは思はなかったよ アグレス:本気になっていない兄様の攻撃など体勢を崩していても防ぐのは容易いですよ アグレウス:おや、煽られてしまったね アグレウス:ではもう少し力を込めようかな アグレウス:帝国式闘術三式・龍爪 アグレス:皇国流柔術伍番・渦波! アグレウス:力を受け流す技か、うまいね アグレス:この程度受け流せなくては皆を守れませんから アグレウス:そっか……身も心も強くなったんだね アグレス:……? アグレウス:それなら本気でやらないと失礼だね…… 0: アグレウス:秩序正しき龍王よ アグレウス:在、神秘の扉を開く アグレウス:聖紋携えしこの躰を汝に捧ぐ アグレウス:我、天砕く者成り アグレウス:≪龍装ドラグハート≫ 0: アグレス:(来た……兄様のギフト【龍化】) アグレス:(ここからがスタートライン……勝利に繋げるために力を振り絞れ!) アグレウス:この力を使うのも久しぶりだ アグレウス:…手加減は終わり。本気で行くよ アグレス:望むところです アグレウス:ふっ!! アグレス:くっ……(スピードとパワーがさっきまでとは段違いだ) アグレス:だが負けるわけにはいかない! アグレス:皇国流柔術壱番・下波! アグレウス:じゃあこれはどうかな? アグレウス:降臨せし暴風の嵐≪ミナス_アドヴェントス_テンペスタ≫ アグレス:んな!?暴風による広範囲攻撃…… アグレス:皇国流剣術三刀・陽炎! アグレウス:動きの緩急で幻影を生み出す技か アグレウス:まさか躱されるとはね アグレス:ここだ! アグレウス:…偉大なる王の炎をここに現す≪レクス_マグナ_フランマ≫ アグレス:読まれてたっ…がぁあああ! アグレウス:…ごめんね アグレウス:次期帝王として私も負けるわけにはいかない アグレス:…はぁああっ! アグレウス:っ!?突破したのか…… アグレス:(この距離ならっ!) アグレス:皇国流柔術奥義・津波! アグレウス:あれを突破してきたのは称賛だけどこんなパンチじゃ…… アグレウス:(なんだ?一撃毎に威力が増して……) アグレウス:まさか…っ アグレス:そうです、この技は生まれた衝撃を体内で循環させ アグレス:攻撃を繰り返すほど威力が上昇する! アグレウス:一歩間違えれば自爆してしまうような技を…… アグレス:そんな半端な覚悟でここには来ていません! アグレウス:そうだね…私は侮っていたようだ アグレウス:帝国式闘術極式・龍逆鱗 アグレス:んぐっっ!?(まだだ……もう少しで届く) アグレス:(致命傷を食らおうが手を止めるな、託してくれたみんなの想いから目を背けるな!!) アグレウス:……よく頑張ったね アグレウス:でも…これでお終いだよ アグレウス:正しき秩序を今此処に≪ノヴァ オルド イグニス≫ アグレス:……………………………………… アグレス:ははっ……あはははは アグレウス:……? アグレス:掴んだ……ギリギリ届いた……… アグレウス:掴んだ?……っ!それは龍装の鱗? アグレス:はい…神にすら届きうる兄様の力に対抗するためには アグレス:こうするしかなかった… アグレウス:まさか… アグレス:兄様の力…使わせて頂きます! 0: アグレス:天覆う暗雲払い アグレス:在、天理を律す アグレス:充たされぬ其の空虚に神威を注ぐ アグレス:我、難を超える者成り アグレス:天豈装天都命ノ神 0: 0: クロム:ははっ存外しぶといですねぇ ファルガ:…がはっごほっ フォルグ:ファルガ大丈夫か ファルガ:だい…じょうぶです… フォルグ:(傷を負いすぎている。限界が近いか…) クロム:そこの人は限界が近そうですねぇ クロム:どうしますか?二人でも攻めきれないのに一人で戦いますか? フォルグ:そうだな。そもそも私達の目的は、お前を倒すことじゃない クロム:ほぉう? フォルグ:お前をここに留めておけるのならそれでいい クロム:そうですかそうですかぁ クロム:足止めされていたわけだ… クロム:あッふぁ…ぐふはははははははははははははは… クロム:むかつくなぁあ クロム:ムカつきますねぇ クロム:格下に時間を稼がれているワタシぃ ファルガ:雰囲気が変わった…? クロム:怨叉の鐘 クロム:ギフト【死霊】発動『死宴怨擬』 ファルガ:なっ!?死霊だと… クロム:貴方達も二人だったので言い訳はなしですよぉ? ファルガ:ぐっ……隊長私のことは気にかけず撤退してください ファルガ:…隊長? フォルグ:……アルマ ファルガ:知り合いですか? フォルグ:…私の息子だ ファルガ:そんな… クロム:【死霊】はその地に眠る魂を蘇らすギフト クロム:まさか貴方の息子を蘇らせられるとは…棚から牡丹餅ですねぇ ファルガ:マズい!隊長逃げッ…ぐはっ クロム:余所見厳禁!貴方の相手はワタシだ クロム:死霊共そっちの男を殺せ ファルガ:ぐっ…隊長… クロム:だからぁ人の心配する前に自分の心配したらどうだぁ!? フォルグ:……………………… フォルグ:(あぁ、このままだとファルガは死に私も死ぬ) フォルグ:(そうなったらアグレスも死ぬだろう) フォルグ:(それはダメだな…託して逝った子たちが報われない) フォルグ:(すまないアルマ…もう一度会えて良かった……) クロム:これでお終いだ! ファルガ:……クソッ… フォルグ:そうはさせない ファルガ:た、隊長! クロム:ヒヒっ……自分の息子を殺して来たかぁ!! フォルグ:……クロム・アベッジ フォルグ:息子に会わせてくれたこと感謝する クロム:敵に感謝とは、気でも狂いましたかぁ? フォルグ:ああ、吹っ切れたよ フォルグ:ファルガ、お前はそこで休んでおけ フォルグ:後は私一人で充分だ クロム:あ?さっきまで二人で手も足も出なかった癖に何を…… フォルグ:練氣解放『九玄阿修羅ノ僧』 クロム:なんだそれは…… フォルグ:一つだけ教えてやろうNO,16(セーデキム) フォルグ:私の本来の名はフォルグス・トルネアスだ クロム:……………は? ファルガ:それって…… クロム:その名前はNO,3(トリア)の物だ! クロム:お前のような格下が3(トリア)な訳がねぇッ…がっっ…… フォルグ:NO,20(ウィーギンティー)は、何の力も使わずになった数字だ フォルグ:悪いな、先を急ぐから早々に終わらせて貰った ファルガ:一撃で……強い クロム:ヒヒっあひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ クロム:ぬるいですねぇ! ファルガ:こいつまだ! 0: クロム:死屍 クロム:怨叉の鐘 クロム:戯曲を前に クロム:屍の上で踊る クロム:さぁ酔い知る時間だ クロム:拓け宴を クロム:天能贈与『死宴怨叉擬屍』 0: ファルガ:天能贈与…… クロム:これで終わりだァ!! フォルグ:阿修羅一面・無月一 クロム:ぼァ…………… フォルグ:今の私に天能贈与は遊びに過ぎない フォルグ:…息子とカール、ケルミアの命を弄んだお前を許すことはないだろう フォルグ:ファルガ行くぞ ファルガ:は、はい! クロム:ジルメナス様……申し訳あり…ま……せん 0: 0: 0: アグレウス:(やはりお前だったんだね…アグレス) アグレウス:(M)弟を一目見た時嬉しさと同時に悲しさを覚えた アグレウス:(M)この子を殺さないといけないのかと アグレウス:(M)だが、その心配は打ち砕かれた アグレウス:(M)私と同等…いやそれ以上の力を掴み取ったのだ アグレウス:(M)もう憂慮することは何もない アグレウス:(M)後は自分の役目を全うするのみ アグレス:天祇灯嚥刃抜刀 アグレウス:さぁ…最終決戦だ! アグレス:何故楽しそうなのです? アグレウス:それはまだ秘密だよ…… アグレウス:帝国式闘術五式・龍翼刃 アグレス:皇国流剣術一刀・飛燕 アグレウス:完全に互角……いやアグレスの方が少し上かな? アグレス:疲弊してる兄様が少し劣るのは当然です アグレウス:そうだね……じゃあ、技術も経験も関係の無い アグレウス:純粋な力の奔流で圧倒しよう アグレウス:遅れるなよアグレス アグレス:はい! 0: アグレウス:我、アグレウス・ログルスの名の元に神秘の塔を祀る アグレス:天剱の御業と識れ アグレウス:陽月を束ねるは臣炫の王 アグレス:星天に上がる光の柱 アグレウス:祭壇を彩るは明恍の姫 アグレス:暁を遮る理の徽 アグレウス:塔門の鍵は開かれた アグレス:縛りの賽は投げられた アグレウス:今此処に聖なる龍紋を刻む アグレス:先の未来に黎黒の痕を遺す アグレウス:舞い昇れ『サンクトゥス_レウス_インシグネ』 アグレス:舞い上がれ『惺天紋・凱嶽・縳棃ノ柱』 0: アグレウス:(手にして間もない力なのに使いこなし、この技を相殺出来る程の技を即席で作ったのか) アグレウス:(もう大丈夫だね……………) アグレウス:アグレス……これで最後だ アグレウス:ソルフラム_セルクイア解放 アグレス:っ… アグレス:……力を貸してくれ… アグレス:行くぞバラク!!天都琴嚥刃抜刀!! アグレス:はぁああああああああああああっ!! アグレウス:………………………… アグレス:………………………… アグレウス:本当に強くなったねアグレス…… アグレス:兄様! アグレス:…何故最後まで本気で戦わなかったのですか…… アグレウス:バカ者……最愛の弟に殺気を込めた剣など振れるものか アグレス:…兄様 アグレウス:お前を見た時からこの結末は決めていた アグレウス:だから気にする必要はない アグレス:なんでそんなこと… アグレウス:次期帝王と言われていたが私にそんな気はなかった… アグレウス:お前が…お前こそが王になるべきなんだ アグレウス:逞しく優しい心を持ったお前がこの国の民を導くんだ アグレス:兄…様 アグレウス:この愚かな兄との約束だ アグレウス:必ず善い王になりなさい アグレス:はい……必ず成って見せます アグレウス:いい顔だ…託したよアグレス…… アグレウス:イーリア…先に逝くことを許してくれ アグレウス:この先もずっと愛しているよ…………… アグレス:兄様……ありがとうございました アグレス:待っていてください…………… 0: 0: 0: 0: 0: アグレウス:これは待ち望んでいた姿が未来へと繋がる親愛の一紋≪Crosscrown≫ アグレウス:第四話【王質の継承】 アグレウス:想いは伝えたよ……この先のお前の未来を私は見守り続けよう

アグレウス:………来たか、我が弟よ 0: 0: 0: アグレス:……! アグレス:先生下ろしてください!! フォルグ:アグレス気が付いたか フォルグ:熱がある。まだ担がれておけ アグレス:下ろせ!! フォルグ:……ぁ! アグレス:はぁはぁ……何故見捨てた…… フォルグ:…… アグレス:何故見捨てた!フォルグ・アル・ネフェリム!! フォルグ:…それがバラクとの約束だったからだ アグレス:約束だと? フォルグ:そうだ。出発前に約束を交わした アグレス:それで、はい分かりましたと返事をしたのか? フォルグ:……あぁ アグレス:ふざけるなっ!! アグレス:ワールドNO.20(ウィーギンティー)の貴方なら助けられたはずだ! フォルグ:……お前を犠牲にしてか? アグレス:っ…… フォルグ:皆お前に懸けて託している フォルグ:そのお前を見捨てろと? フォルグ:そんなことをしたら先に逝った子たちに怒られるだろうな アグレス:だが…それでもっ…… アグレス:カールとケルミアは俺が殺した! アグレス:サーシャは俺を庇って目の前で死んだ! アグレス:それなのにバラクまで…………… アグレス:……もう無理だ……目的を成し遂げたとき隣りにいてほしい人はもう………… アグレス:……誰もいない アグレス:戦う理由が亡くなった…… アグレス:俺はもう戦えない…………… フォルグ:……少し昔話をしよう フォルグ:私が前帝王に仕えていた頃の話だ フォルグ:ギフトの力が国力に直結する様になり戦争が頻発した フォルグ:近衛師団団長だった私は当然のように前線に出た フォルグ:……当時、部下として同じ部隊にいた息子と一緒にな アグレス:息子………?まさか… フォルグ:あぁ…その通りだ。目の前で殉職した フォルグ:私に国の未来と若い命の安寧を託し、笑って逝ったよ アグレス:……笑って フォルグ:その後、妻は息子を死なせたことに怒り、心を病んで自ら命を絶ってしまったがな アグレス:そんな…… フォルグ:息子の想いに応える為に始めた活動が今の孤児院だ フォルグ:若い命を助け育む。……まぁ死なせてしまっているがな アグレス:そうですよ……みんな死んだ……… フォルグ:だが託された想いは残っている アグレス:っ…… フォルグ:お前は…ここで先に逝った仲間達の想いを途切れさせるのか? アグレス:それは…… フォルグ:そこで這いつくばって止まってる暇はあるのか? フォルグ:託されたお前の未来は絶望か? アグレス:…………… フォルグ:立って進め。男なら泣くな フォルグ:案ずるな、お前は一人じゃない。私も……同じ気持ちだ… アグレス:え…? アグレス:……ははっ……泣くなって言ったくせに アグレス:先生だって泣いてるじゃないですか…… フォルグ:……………すまない アグレス:……確かに アグレス:あいつらの想いが重荷な訳がない…… アグレス:(ごめんな……) アグレス:(俺、全部背負うよ……みんなの気持ちを無駄になんかしない) アグレス:(だから……この足を一歩踏み出すために背中を押してくれ) アグレス:(……………ありがとうみんな) アグレス:(行って来ます) フォルグ:…アグレス? アグレス:すみません、もう大丈夫です フォルグ:…そうか。いい顔になったな アグレス:先生がいなかったら俺は折れていました…ありがとうございます フォルグ:力になれたのなら何よりだ アグレス:それでこれからどうするか…ですね アグレス:二人じゃ流石に…………… フォルグ:そこは大丈夫だ アグレス:…ん?何故? フォルグ:ファルガこっちに来い ファルガ:……はい アグレス:……お前は フォルグ:そう敵対心を出すな フォルグ:ファルガはもう味方だ アグレス:…でもこいつはサーシャを……… ファルガ:そうです隊長……私は彼の大事な人を手にかけています ファルガ:それにまだ味方になると決めたわけじゃ…… フォルグ:アグレス、お前のギフトの力でファルガに打ち込まれている呪いを消してくれ ファルガ:なっ……まさか彼が? アグレス:…… フォルグ:そうだ。アグレスがあのあま…… アグレス:待ってください先生 フォルグ:なんだ? アグレス:そいつの呪いを解いたとして、その後そいつが仲間になる保証があるんですか? フォルグ:それは…… ファルガ:この呪いを解いていただけるなら私は……師団長を捨てます!! アグレス:なっ!……………何故そこまで ファルガ:…私はジルメナスに忠誠を誓っていません。師団長の地位も望んで立っているわけではない フォルグ:私が居なくなってから何があった ファルガ:……前帝王が崩御して間もなく、ジルメナスが即位しました ファルガ:そして、ジルメナスが王になることに反対していた勢力が抗争を起こし ファルガ:これをアグレウス様が一人で収めたのです アグレス:そんなことが… ファルガ:その後、半数の人間が軍を辞めていきました ファルガ:当時近衛師団団長だった貴方も居なくなってしまった フォルグ:そうだな……迷惑をかけた ファルガ:そうですね……私の地獄はそこから始まった ファルガ:簡潔に言うと、家族を人質に取られ逆らえないよう呪いを打たれました アグレス:そうまでして手元に置いておきたい理由があるということか ファルガ:ギフトの力ですよ ファルガ:私のギフト【鑑定】は視た物の情報を得ることが出来る ファルガ:決して強い能力ではないがジルメナスにはある目的があった アグレス:まさか… ファルガ:そう、【天喰】を見つけ出し手中に収めること ファルガ:まぁ「天」を冠するギフトには効かないので見つけることはできないんですけどね フォルグ:そうだったのか ファルガ:私は家族の為に戦っています。呪いが解け家族の安寧が確立するのなら ファルガ:喜んでこの国を捨てましょう ファルガ:だから……どうか呪いを解いてはくれないでしょうか……… アグレス:…分かった。呪いを解こう ファルガ:っありがとうございます…… アグレス:だが条件がある! ファルガ:何でしょうか アグレス:……この戦いがひと段落したらお前を二発殴る アグレス:一発はサーシャの分、二発目はリネアネの分だ アグレス:覚悟しておけ ファルガ:その程度甘んじて受け入れましょう アグレス:いいですね先生? フォルグ:あぁ、私も目を瞑ろう アグレス:決定だ。絶対に殴るからな?覚悟しろよ ファルガ:ははっ、分かりました 0: 0: 0: ジルメナス:どうなっている!! ジルメナス:城外の戦闘が終わったと思いきや二番区が更地に変わっただと!? ジルメナス:ヴァレルもミィティアもミュルガイアも戻ってこない ジルメナス:ありえん!我が一族の汚点が強いはずがないのだ……… ジルメナス:だが……… ジルメナス:クロム クロム:ここに…… ジルメナス:骸全隊で城内全てを警戒しろ クロム:承知 ジルメナス:鼠一匹通すな クロム:お任せください ジルメナス:行け クロム:はっ ジルメナス:………ふぅ アグレウス:お疲れですね父上 ジルメナス:アグレウスか。お前が此処に自ら足を運ぶとは珍しい アグレウス:私(わたくし)は次期帝王ですから。この目で帝王の手腕を見るのも仕事のうちです ジルメナス:そうか……ならばこの戦いが終わるまで余の隣から動くな ジルメナス:それと、残っている全兵力をこの部屋に集めろ アグレウス:畏まりました ジルメナス:お前はこの国の最強戦力だ。出番はないが準備はしておけ アグレウス:失礼ながら父上……我が弟は必ず此処に来ますよ ジルメナス:ぬかせ……あのような砂利等……… アグレウス:お言葉ですが……貴方は我が弟を舐めすぎだ 0: 0: 0: ファルガ:それでこれからどうするんですか? フォルグ:やることはいつもと変わらないが…… フォルグ:どうするアグレス アグレス:少し時間をください。話をしなくてはいけない奴がいます フォルグ:話し?誰とだ? アグレス:……俺の心友を苦しめていた存在です フォルグ:そうか…私たちは何をすればいい? アグレス:俺は今から深層心理に潜ります。二人は俺の周りを警戒しておいてください フォルグ:分かった。ファルガ行くぞ ファルガ:了解です アグレス:…………………(深呼吸) 0: 0: アグレス:ここか……………!? ???:わぁぁぁぁぁぁぁい!!!!アグレスだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!! アグレス:ぐっ…クソッ離せ!! ???:いやだねーーだ!ボクは君にずっと会いたかったんだから!! アグレス:いいから離せ……俺はお前と話をしに来たんだ ???:話しー?ボクの好みとか聞きたいのかぁー? ???:それはねー……キーミッ……きゃぁぁあああああ言っちゃったーーー! アグレス:黙れ……そんなくだらないことを聞きに来たんじゃない ???:んーー?じゃあ何かなぁ ???キミの言葉なら何でも答えてあげるよ アグレス:そうか…なら応えてもらおう アグレス:まず……お前は何者だ ???:ボクの正体かー……キミ達人間はボクのことをよく知ってるはずだよぉ? アグレス:知ってるだと?お前の事など…………… ???:本当に?よく見てごらん……この華奢で美しい躰、神聖で眩しい顔を…………… ???:ああああーー!やっぱ見ないでぇ…恥ずかしい アグレス:おふざけに付き合ってる暇はない アグレス:さっさと答えろ ???:別にふざけてないんだけどなぁー ???:まぁそんなせっかちなアグレスも好きだぞぉ アグレス:答えろ ???:もーしっかたないなぁ…… ???:ボクの名前はラグナ=コット。このログルス帝国で崇拝されてる一柱さ アグレス:一柱だと…?お前があの神だというのか? ラグナ=コット:そうさ!ボクがこの国の子供達にギフトを授けている「あの」神さ!! アグレス:そうか…お前が諸悪の根源か アグレス:それが分かって良かったよ ラグナ=コット:うんうん良かった良かった! ラグナ=コット:それで、他には何が聞きたいのかな? アグレス:……何故バラクを見捨てた ラグナ=コット:見捨てた?あーごめんね。あれは僕も想定外だったんだ アグレス:なんだと……? ラグナ=コット:確かにバラクに【天命】を与えてから十四年間この国に干渉して来た ラグナ=コット:だけどあの瞬間だけは干渉出来なかったんだ アグレス:……そうなのか ラグナ=コット:そうなんだよねーあの時彼は初めて自分で選択したんだ アグレス:なら…良かった ラグナ=コット:あれ?二回目だったかな?まぁいっかー ラグナ=コット:それで聞きたいことはこれで全部かな? アグレス:聞きたいことはまだあるが時間がない ラグナ=コット:そっかーそれは残念だなー アグレス:あぁ、それと一つだけ言っておく ラグナ=コット:なにかな? アグレス:俺はお前を絶対に許さない。覚えておけ ラグナ=コット:うん覚えておくよ! アグレス:【天命】が俺の手にある以上お前の好きにはさせない ラグナ=コット:大丈夫!ボクの目的はもう達成されたからね アグレス:そうかならいい ラグナ=コット:じゃあねボクの大好きなアグレス ラグナ=コット:頑張ってね 0: 0: アグレス:……… フォルグ:戻ってきたかアグレス アグレス:はい、ありがとうございました ファルガ:それで、これからどうするんですか? アグレス:……三人で真正面から行く ファルガ:正気ですか!? アグレス:正気だ……もしかして分からないのか? ファルガ:何のことですか? アグレス:先生は? フォルグ:私も分からないな アグレス:そうですか…何故か分かりませんが王城の兵が一カ所に集まっているんです フォルグ:なに? アグレス:だから真正面から行っても何の問題もないんです ファルガ:何故集まってるかが分かるんですか? アグレス:【天】を司るギフトが集まってるからなのか、感覚が研ぎ澄まされていてる アグレス:臭い、振動、相手の心音から脈拍まで分かる ファルガ:なっ!そんなことが…… アグレス:ここからは向かいながら話す。行くぞ ファルガ:は、はい フォルグ:分かった アグレス:さっき兵が一カ所に集まっていると言いったが、別動隊もいるようだ ファルガ:別動隊ですか…… アグレス:あぁ、恐らく骸と言う奴だろう。数は十人か アグレス:その中に相当な使い手がいる。二人にはそいつらの相手を頼む フォルグ:了解した ファルガ:承知しました アグレス:ジルメナスの相手は俺一人でやる アグレス:だから挟撃されないようにしてもらいたい フォルグ:お前が行くところはこの国の全兵力がいる場所のはずだ フォルグ:一人で大丈夫なのか? アグレス:大丈夫です…それに巻き込んでしまいますから フォルグ:分かった。お前の背中は私たちで守ろう アグレス:ありがとうございます アグレス:…早速来ましたね クロム:おやぁ?これはこれは近衛師団団長様ではないですか フォルグ:アグレス先に行け アグレス:こいつがさっき言った使い手です。気をつけてください フォルグ:了解 フォルグ:……分かっていると思うが フォルグ:生きてちゃんと帰るぞアグレス フォルグ:無茶はしすぎるなよ アグレス:多少の無茶は見逃してくださいね フォルグ:あぁ……勝って帰ってこい! アグレス:はい!! クロム:簡単に行かせるとでも? ファルガ:簡単に追わせるとでも? クロム:おっと……何故貴方が邪魔をするのでしょうか ファルガ:もう近衛師団団長は捨てた ファルガ:この腐った国の為に戦う私はもういない クロム:なるほどなるほど……裏切りということですね ファルガ:最初から忠誠を誓った覚えはないな クロム:……分かりました。では帝国独立特殊任務小隊『骸』の隊長 クロム:このクロム・アベッジが断罪してあげましょう!! フォルグ:クロム・アベッジ…… フォルグ:ファルガそいつはダムナティオだ二人で行くぞ ファルガ:なっ!?ダムナティオってワールドNO,16(セーデキム)の? フォルグ:そうだ。出すぎるなよ ファルガ:どうして私はこう強敵とばかり…… フォルグ:諦めろ……行くぞ ファルガ:はい!! クロム:ヒヒっぶっ殺してやるよぉ!! 0: 0: 0: アグレス:(M)覚悟は出来てる。後はこの手に王の座を収めるだけ アグレス:(M)……待っていてくれみんな アグレス:(M)俺は緊張を解す様に一度手を握って緩めた アグレス:(M)自分には似合わないと笑いつつ気合いを入れるために言葉を発し扉に手をかける アグレス:行くぞ 0: 0: 0: ジルメナス:……貴様は アグレス:久しぶりだなジルメナス ジルメナス:ぬかせ、貴様の顔なんぞ二度と見ることはないと思っておったわ アグレス:そうだな。俺もお前の顔なんて金輪際見たくない ジルメナス:して、何しに此処に来た ジルメナス:分不相応にも程があるぞ? アグレス:此処に何しにか… アグレス:お前を王の座から引きずり下ろしに来た ジルメナス:ふっふ……はっはっはっはっは ジルメナス:我を王から降ろすと…… ジルメナス:随分と舐めてくれたものだ ジルメナス:貴様には絶望をくれてやろう ジルメナス:アグレウス出て来い アグレウス:……はい父上 ジルメナス:そして此処には帝国兵が八百いる ジルメナス:この戦力差でどう勝つと? アグレス:黙れ…… ジルメナス:なに? アグレス:お前らの断末魔は少しうるさそうだ…… 0: アグレス:静定 アグレス:神授の森 アグレス:遍く閑静の咆哮 アグレス:刹那に終息 アグレス:遂に乙成し アグレス:天能贈与『終慎遍瀞罰國』 アグレス:継譜 アグレス:忌避聖堂 アグレス:天暈に許しを乞う アグレス:彷徨いし魂に憐れみを アグレス:慈悲を供物に アグレス:鬼籍を刻み墓標に堕とす アグレス:遍く者たちよ アグレス:在鎮かに喰らい尽くす アグレス:神忌冠刻『魂喰救遍奪堕』 0: ジルメナス:…………… ジルメナス:(なんだこれは!?何の音も出さず兵はすべて倒れ声も出ぬ!) ジルメナス:(どうなっている!アグレスがやったのか?あの砂利の何処にこんな力が……) ジルメナス:(グヌッ声が発せられなければ【法典】を使えぬ) アグレウス:これ程とは……… ジルメナス:(アグレウス!……こやつがいればこんな砂利如き……) アグレウス:父上は何もせずそこで見ていてください アグレウス:これは私とアグレスの戦いだ ジルメナス:(ふざけるな!何を勝手にっ) アグレウス:…………… ジルメナス:(っ……) アグレウス:それでいいのです アグレウス:さて、待たせたねアグレス アグレス:……兄様 アグレウス:今一度聞こうか……此処に何しに来たんだい? アグレス:…この国を変える為……『王に成りに来ました』 アグレウス:……逞しくなったね アグレウス:でも…分かっているはずだよ。それがどういうことか アグレス:分かってます……だから超えさせてもらいます アグレウス:フフッ…言う様になったね アグレス:兄様が相手ですから アグレウス:そうだね アグレウス:じゃあ始める前に……あれ覚えてるかい? アグレス:覚えています アグレウス:さすが優秀な弟だ アグレウス:では始めるよ アグレス:はい アグレウス:汝、潔癖たる魂に闘争を アグレス:汝、不純無き御心に剣戦を アグレウス:御身に盛大な敬愛を アグレス:御身に最大の尊敬を アグレウス:我が名はアグレウス・ログルス アグレス:我が名はアグレス・ログルス アグレウス:いざ…… アグレス:参る!! 0: 0: 0: クロム:クッハハハハハハハハハハハハハハハハハ クロム:師団長が揃いも揃ってその程度ですか!! クロム:弱い……弱すぎるッ ファルガ:はぁはぁ……強すぎる フォルグ:そうだな ファルガ:そうだなって随分と軽くないですか…… フォルグ:そうか…すまない クロム:だいぶ期待外れだ…まだギフトも使ってないというのに クロム:たった四個しか数字は変わらないのにここまで格下になるとは…… ファルガ:随分な言われようですね フォルグ:仕方ない。現状二人でこのザマだからな ファルガ:ははっ…そうですね ファルガ:それでどうします? フォルグ:やることは何も変わらない フォルグ:奴も体力は無限ではないからな フォルグ:挟撃しつつ隙が出来たら攻撃だ ファルガ:了解しました クロム:意味のない作戦会議は終わりましたかぁ? フォルグ:あぁ、お前を倒す算段はついた クロム:そーーですかぁ!それは楽しみですねぇ…… クロム:では絶望の継続と行きましょうかっ!! ファルガ:!?ぐはっ クロム:弱いほうから片付けるのは定石ですよ! フォルグ:ふっ!! クロム:……急所に大ぶりの一撃 クロム:ぐふ…ふぅはははははははははっ クロム:この程度が隙になるとでも思ったんですかァ? フォルグ:ぐっ…… クロム:部下を見捨てた速さは称賛に値しますが クロム:随分と舐められたものだ ファルガ:まだ死んでないけどな クロム:おやおやぁ侮りましたかね ファルガ:あんなので仕留められたと思っているならそうだなっ! クロム:おっと…奇襲のつもりですか? ファルガ:私の役目はお前の隙を作ること ファルガ:それが出来るのなら何でもするさ! フォルグ:ファルガ突っ込みすぎるな フォルグ:死ぬぞ! ファルガ:止めないでください! ファルガ:逆らえなかったとは言え、私のせいで隊長の大事にしていた子どもを三人も殺してしまった… ファルガ:こんなのでこの罪が消えるとは思っていませんが、このくらいしか出来ないんです フォルグ:……バカ者 ファルガ:はぁああああああああっ!! クロム:師弟愛はいいですけど攻撃が単調すぎやしませんかぁ? ファルガ:がっはぁ…… フォルグ:ファルガ!! ファルガ:まだです!!まだ隙を作れていません! フォルグ:お前…………… クロム:あぁあ……流石に目の前でちょろちょろされるのはストレスが溜まりますねぇ クロム:さっさと終わらせてしまいますかっ! 0: 0: 0: アグレウス:腕を上げたねアグレス アグレス:兄様には及びません…… アグレウス:そうでもないよ、前に手合わせした時から随分成長してる アグレス:十年も前のこと、強くなって当然です アグレウス:ふふ……そうだね、もう十年も前か アグレウス:見た目は変わらず、ずっと可愛い弟のままだ アグレス:可愛いなどと……今は死合の最中ですよ アグレウス:死合なんて怖い言葉を使うね アグレウス:でも…そっか今は敵同士……真面目にやらないとね アグレス:(来るっ!) アグレウス:正しき秩序を今此処に≪ノヴァ_オルド_イグニス≫ アグレス:ぐっ……(兄様の能力の一つ…なんて圧だ) アグレス:これからが本番ですね アグレス:今度はこちらから行きます! アグレウス:うん、おいで! アグレス:皇国流柔術参番・波紋! アグレウス:良い攻撃だ…けどまだ甘い アグレス:なっ!? アグレウス:隙ありだよ アグレウス:帝国式闘術一式・龍牙 アグレス:ぐっ…… アグレウス:やるね、防がれるとは思はなかったよ アグレス:本気になっていない兄様の攻撃など体勢を崩していても防ぐのは容易いですよ アグレウス:おや、煽られてしまったね アグレウス:ではもう少し力を込めようかな アグレウス:帝国式闘術三式・龍爪 アグレス:皇国流柔術伍番・渦波! アグレウス:力を受け流す技か、うまいね アグレス:この程度受け流せなくては皆を守れませんから アグレウス:そっか……身も心も強くなったんだね アグレス:……? アグレウス:それなら本気でやらないと失礼だね…… 0: アグレウス:秩序正しき龍王よ アグレウス:在、神秘の扉を開く アグレウス:聖紋携えしこの躰を汝に捧ぐ アグレウス:我、天砕く者成り アグレウス:≪龍装ドラグハート≫ 0: アグレス:(来た……兄様のギフト【龍化】) アグレス:(ここからがスタートライン……勝利に繋げるために力を振り絞れ!) アグレウス:この力を使うのも久しぶりだ アグレウス:…手加減は終わり。本気で行くよ アグレス:望むところです アグレウス:ふっ!! アグレス:くっ……(スピードとパワーがさっきまでとは段違いだ) アグレス:だが負けるわけにはいかない! アグレス:皇国流柔術壱番・下波! アグレウス:じゃあこれはどうかな? アグレウス:降臨せし暴風の嵐≪ミナス_アドヴェントス_テンペスタ≫ アグレス:んな!?暴風による広範囲攻撃…… アグレス:皇国流剣術三刀・陽炎! アグレウス:動きの緩急で幻影を生み出す技か アグレウス:まさか躱されるとはね アグレス:ここだ! アグレウス:…偉大なる王の炎をここに現す≪レクス_マグナ_フランマ≫ アグレス:読まれてたっ…がぁあああ! アグレウス:…ごめんね アグレウス:次期帝王として私も負けるわけにはいかない アグレス:…はぁああっ! アグレウス:っ!?突破したのか…… アグレス:(この距離ならっ!) アグレス:皇国流柔術奥義・津波! アグレウス:あれを突破してきたのは称賛だけどこんなパンチじゃ…… アグレウス:(なんだ?一撃毎に威力が増して……) アグレウス:まさか…っ アグレス:そうです、この技は生まれた衝撃を体内で循環させ アグレス:攻撃を繰り返すほど威力が上昇する! アグレウス:一歩間違えれば自爆してしまうような技を…… アグレス:そんな半端な覚悟でここには来ていません! アグレウス:そうだね…私は侮っていたようだ アグレウス:帝国式闘術極式・龍逆鱗 アグレス:んぐっっ!?(まだだ……もう少しで届く) アグレス:(致命傷を食らおうが手を止めるな、託してくれたみんなの想いから目を背けるな!!) アグレウス:……よく頑張ったね アグレウス:でも…これでお終いだよ アグレウス:正しき秩序を今此処に≪ノヴァ オルド イグニス≫ アグレス:……………………………………… アグレス:ははっ……あはははは アグレウス:……? アグレス:掴んだ……ギリギリ届いた……… アグレウス:掴んだ?……っ!それは龍装の鱗? アグレス:はい…神にすら届きうる兄様の力に対抗するためには アグレス:こうするしかなかった… アグレウス:まさか… アグレス:兄様の力…使わせて頂きます! 0: アグレス:天覆う暗雲払い アグレス:在、天理を律す アグレス:充たされぬ其の空虚に神威を注ぐ アグレス:我、難を超える者成り アグレス:天豈装天都命ノ神 0: 0: クロム:ははっ存外しぶといですねぇ ファルガ:…がはっごほっ フォルグ:ファルガ大丈夫か ファルガ:だい…じょうぶです… フォルグ:(傷を負いすぎている。限界が近いか…) クロム:そこの人は限界が近そうですねぇ クロム:どうしますか?二人でも攻めきれないのに一人で戦いますか? フォルグ:そうだな。そもそも私達の目的は、お前を倒すことじゃない クロム:ほぉう? フォルグ:お前をここに留めておけるのならそれでいい クロム:そうですかそうですかぁ クロム:足止めされていたわけだ… クロム:あッふぁ…ぐふはははははははははははははは… クロム:むかつくなぁあ クロム:ムカつきますねぇ クロム:格下に時間を稼がれているワタシぃ ファルガ:雰囲気が変わった…? クロム:怨叉の鐘 クロム:ギフト【死霊】発動『死宴怨擬』 ファルガ:なっ!?死霊だと… クロム:貴方達も二人だったので言い訳はなしですよぉ? ファルガ:ぐっ……隊長私のことは気にかけず撤退してください ファルガ:…隊長? フォルグ:……アルマ ファルガ:知り合いですか? フォルグ:…私の息子だ ファルガ:そんな… クロム:【死霊】はその地に眠る魂を蘇らすギフト クロム:まさか貴方の息子を蘇らせられるとは…棚から牡丹餅ですねぇ ファルガ:マズい!隊長逃げッ…ぐはっ クロム:余所見厳禁!貴方の相手はワタシだ クロム:死霊共そっちの男を殺せ ファルガ:ぐっ…隊長… クロム:だからぁ人の心配する前に自分の心配したらどうだぁ!? フォルグ:……………………… フォルグ:(あぁ、このままだとファルガは死に私も死ぬ) フォルグ:(そうなったらアグレスも死ぬだろう) フォルグ:(それはダメだな…託して逝った子たちが報われない) フォルグ:(すまないアルマ…もう一度会えて良かった……) クロム:これでお終いだ! ファルガ:……クソッ… フォルグ:そうはさせない ファルガ:た、隊長! クロム:ヒヒっ……自分の息子を殺して来たかぁ!! フォルグ:……クロム・アベッジ フォルグ:息子に会わせてくれたこと感謝する クロム:敵に感謝とは、気でも狂いましたかぁ? フォルグ:ああ、吹っ切れたよ フォルグ:ファルガ、お前はそこで休んでおけ フォルグ:後は私一人で充分だ クロム:あ?さっきまで二人で手も足も出なかった癖に何を…… フォルグ:練氣解放『九玄阿修羅ノ僧』 クロム:なんだそれは…… フォルグ:一つだけ教えてやろうNO,16(セーデキム) フォルグ:私の本来の名はフォルグス・トルネアスだ クロム:……………は? ファルガ:それって…… クロム:その名前はNO,3(トリア)の物だ! クロム:お前のような格下が3(トリア)な訳がねぇッ…がっっ…… フォルグ:NO,20(ウィーギンティー)は、何の力も使わずになった数字だ フォルグ:悪いな、先を急ぐから早々に終わらせて貰った ファルガ:一撃で……強い クロム:ヒヒっあひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ クロム:ぬるいですねぇ! ファルガ:こいつまだ! 0: クロム:死屍 クロム:怨叉の鐘 クロム:戯曲を前に クロム:屍の上で踊る クロム:さぁ酔い知る時間だ クロム:拓け宴を クロム:天能贈与『死宴怨叉擬屍』 0: ファルガ:天能贈与…… クロム:これで終わりだァ!! フォルグ:阿修羅一面・無月一 クロム:ぼァ…………… フォルグ:今の私に天能贈与は遊びに過ぎない フォルグ:…息子とカール、ケルミアの命を弄んだお前を許すことはないだろう フォルグ:ファルガ行くぞ ファルガ:は、はい! クロム:ジルメナス様……申し訳あり…ま……せん 0: 0: 0: アグレウス:(やはりお前だったんだね…アグレス) アグレウス:(M)弟を一目見た時嬉しさと同時に悲しさを覚えた アグレウス:(M)この子を殺さないといけないのかと アグレウス:(M)だが、その心配は打ち砕かれた アグレウス:(M)私と同等…いやそれ以上の力を掴み取ったのだ アグレウス:(M)もう憂慮することは何もない アグレウス:(M)後は自分の役目を全うするのみ アグレス:天祇灯嚥刃抜刀 アグレウス:さぁ…最終決戦だ! アグレス:何故楽しそうなのです? アグレウス:それはまだ秘密だよ…… アグレウス:帝国式闘術五式・龍翼刃 アグレス:皇国流剣術一刀・飛燕 アグレウス:完全に互角……いやアグレスの方が少し上かな? アグレス:疲弊してる兄様が少し劣るのは当然です アグレウス:そうだね……じゃあ、技術も経験も関係の無い アグレウス:純粋な力の奔流で圧倒しよう アグレウス:遅れるなよアグレス アグレス:はい! 0: アグレウス:我、アグレウス・ログルスの名の元に神秘の塔を祀る アグレス:天剱の御業と識れ アグレウス:陽月を束ねるは臣炫の王 アグレス:星天に上がる光の柱 アグレウス:祭壇を彩るは明恍の姫 アグレス:暁を遮る理の徽 アグレウス:塔門の鍵は開かれた アグレス:縛りの賽は投げられた アグレウス:今此処に聖なる龍紋を刻む アグレス:先の未来に黎黒の痕を遺す アグレウス:舞い昇れ『サンクトゥス_レウス_インシグネ』 アグレス:舞い上がれ『惺天紋・凱嶽・縳棃ノ柱』 0: アグレウス:(手にして間もない力なのに使いこなし、この技を相殺出来る程の技を即席で作ったのか) アグレウス:(もう大丈夫だね……………) アグレウス:アグレス……これで最後だ アグレウス:ソルフラム_セルクイア解放 アグレス:っ… アグレス:……力を貸してくれ… アグレス:行くぞバラク!!天都琴嚥刃抜刀!! アグレス:はぁああああああああああああっ!! アグレウス:………………………… アグレス:………………………… アグレウス:本当に強くなったねアグレス…… アグレス:兄様! アグレス:…何故最後まで本気で戦わなかったのですか…… アグレウス:バカ者……最愛の弟に殺気を込めた剣など振れるものか アグレス:…兄様 アグレウス:お前を見た時からこの結末は決めていた アグレウス:だから気にする必要はない アグレス:なんでそんなこと… アグレウス:次期帝王と言われていたが私にそんな気はなかった… アグレウス:お前が…お前こそが王になるべきなんだ アグレウス:逞しく優しい心を持ったお前がこの国の民を導くんだ アグレス:兄…様 アグレウス:この愚かな兄との約束だ アグレウス:必ず善い王になりなさい アグレス:はい……必ず成って見せます アグレウス:いい顔だ…託したよアグレス…… アグレウス:イーリア…先に逝くことを許してくれ アグレウス:この先もずっと愛しているよ…………… アグレス:兄様……ありがとうございました アグレス:待っていてください…………… 0: 0: 0: 0: 0: アグレウス:これは待ち望んでいた姿が未来へと繋がる親愛の一紋≪Crosscrown≫ アグレウス:第四話【王質の継承】 アグレウス:想いは伝えたよ……この先のお前の未来を私は見守り続けよう