台本概要
527 views
タイトル | 朝をさがして |
---|---|
作者名 | 卯佐美 満月。 (@33nekko) |
ジャンル | 童話 |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
僕 | 不問 | - |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
:「君は……アサを知ってるかい?」
:ここは月と星が優しく灯る
:安息の王が治める夜の国。
:
:夜の国の北端。
:淡く七色に煌めく雪が降りつもり
:煉瓦造りの町並みが美しい
:
:針のない大きな時計塔がある此処が、僕の住む町。
:
:〝トゥルムドルフ〟
:
:僕は宙鯨が星吹く日に産まれてから、今日までずっとアサを探している。
:
:世界が力強さと暖かさに包まれて、
:目も眩むような光に満ちる時を「アサ」と名付け
:アサに恋をした月の民ハーゼ。
:
:けれど、傍に行く事は叶わず見つめるだけだった。
:
:恋に焦がれたハーゼは、共に生きてはゆけない時を嘆き、
:時計の針を夜に隠してしまった。
:
:時を止め、アサを忘れようとしても眩い光への想いは募るばかり……。
:そして、アサに恋したハーゼが夜空に溶けた日から、
:七色の淡雪が降るようになった……。
:
:それがこの町の物語。
:
:「僕は、アサを知りたい。」
:
:夜に隠した時計の針を見つけられたらアサに出会えるはずなんだ。
:いつか、雲のパン屋さんがそう言って笑ってた。
:だから僕は旅に出た。
:
:黒い夜の煌めきと囁きの隙間を
:僕は探して、探して、探して。
:
:銀河の湖のフラミンゴがフラリとふらつくほど
:僕は歩いて、歩いて、歩いて。
:
:探し、歩き続けて十日ほど経った。
:十の月が空に踊る日に、気まぐれなオーロラの揺りかごに包まれた時計の針を、見つけたんだ。
:
:オーロラの揺りかごを揺らす片翼のピューマは、僕に問いかける。
:
:〝貴方は、どうして朝を知りたいのですか……?〟
:
:「僕は産まれてから、ずっとアサを探しているんだ。」
:
:「だけどね、わからないんだ……。何故探しているのか。」
:
:「だから僕はアサに会いたい!!僕は、アサを知りたいんだ……。」
:
:
:片翼のピューマは、瞳から星屑を零すと、伏し目がちに微笑み、時計の針を差し出してくれた。
:
:僕は、大切に時計の針を抱き締めて町へと急いだ。
:
:
:流れ星より早く、早く、早く……!
:
:
:僕は時計塔を駆け上がり、そっと針をはめ込んだ。
:
:「カチリ」
:
:時計の鐘の音が響く。
:高らかに、誇らしげに、動き始めた時を歌う。
:
:
:ここは夜の国の北端。
:淡く七色に煌めく雪が降りつもり、
:煉瓦造りの町並みが美しい
:大きな時計塔がある町
:〝トゥルムドルフ〟
:
:十日毎、十の月が踊る夜の先に朝がやって来る町。
:
:「ーーー僕はね、朝を知っていたよ。」
:「君は……アサを知ってるかい?」
:ここは月と星が優しく灯る
:安息の王が治める夜の国。
:
:夜の国の北端。
:淡く七色に煌めく雪が降りつもり
:煉瓦造りの町並みが美しい
:
:針のない大きな時計塔がある此処が、僕の住む町。
:
:〝トゥルムドルフ〟
:
:僕は宙鯨が星吹く日に産まれてから、今日までずっとアサを探している。
:
:世界が力強さと暖かさに包まれて、
:目も眩むような光に満ちる時を「アサ」と名付け
:アサに恋をした月の民ハーゼ。
:
:けれど、傍に行く事は叶わず見つめるだけだった。
:
:恋に焦がれたハーゼは、共に生きてはゆけない時を嘆き、
:時計の針を夜に隠してしまった。
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:時を止め、アサを忘れようとしても眩い光への想いは募るばかり……。
:そして、アサに恋したハーゼが夜空に溶けた日から、
:七色の淡雪が降るようになった……。
:
:それがこの町の物語。
:
:「僕は、アサを知りたい。」
:
:夜に隠した時計の針を見つけられたらアサに出会えるはずなんだ。
:いつか、雲のパン屋さんがそう言って笑ってた。
:だから僕は旅に出た。
:
:黒い夜の煌めきと囁きの隙間を
:僕は探して、探して、探して。
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:銀河の湖のフラミンゴがフラリとふらつくほど
:僕は歩いて、歩いて、歩いて。
:
:探し、歩き続けて十日ほど経った。
:十の月が空に踊る日に、気まぐれなオーロラの揺りかごに包まれた時計の針を、見つけたんだ。
:
:オーロラの揺りかごを揺らす片翼のピューマは、僕に問いかける。
:
:〝貴方は、どうして朝を知りたいのですか……?〟
:
:「僕は産まれてから、ずっとアサを探しているんだ。」
:
:「だけどね、わからないんだ……。何故探しているのか。」
:
:「だから僕はアサに会いたい!!僕は、アサを知りたいんだ……。」
:
:
:片翼のピューマは、瞳から星屑を零すと、伏し目がちに微笑み、時計の針を差し出してくれた。
:
:僕は、大切に時計の針を抱き締めて町へと急いだ。
:
:
:流れ星より早く、早く、早く……!
:
:
:僕は時計塔を駆け上がり、そっと針をはめ込んだ。
:
:「カチリ」
:
:時計の鐘の音が響く。
:高らかに、誇らしげに、動き始めた時を歌う。
:
:
:ここは夜の国の北端。
:淡く七色に煌めく雪が降りつもり、
:煉瓦造りの町並みが美しい
:大きな時計塔がある町
:〝トゥルムドルフ〟
:
:十日毎、十の月が踊る夜の先に朝がやって来る町。
:
:「ーーー僕はね、朝を知っていたよ。」