台本概要
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タイトル | オカ魔王さま(後編) |
---|---|
作者名 | ヒデじい |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 5人用台本(男2、女2、不問1) ※兼役あり |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
モテないオカマの魔王様が異世界に行くお話。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
魔王 | 男 | 42 | オカマ |
ヴァイオレット | 女 | 22 | 魔王様の部下。独身 |
女神 | 女 | 12 | 癒やし系 |
スライム | 不問 | 22 | やられ役。かわいい |
オーク | 男 | 15 | 襲い役 |
マスター | 男 | 14 | 酒場のマスター。オークとの兼役推奨 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:魔王、ヴァイオレット、女神の一行、異世界に降り立つ
女神:着きました。
女神:ここが異世界、『ルナティック・ナイトメア』でございます。
ヴァイオレット:ほほう、ここが異世界でございますか。
魔王:なんだか殺伐としたところね。
魔王:空は赤いし、禍々しい空気が漂っているわ。
女神:先ほどの説明にも書かせていただきましたが、この世界は現在『邪神』と名乗る恐ろしい悪魔に支配されております。
女神:そのせいで人々は恐怖に震える毎日を送っていまして・・・。
女神:ぜひ、お二人の力でこの世界をお救いください。
魔王:なるほど・・・その邪神ちゃんとやらを倒せばいいのね。任せて頂戴・・・!
魔王:
魔王:
魔王:
0:ヴァイオレット、興奮しながら魔王に話しかける
ヴァイオレット:魔王様! 魔王様! ご自分のステータスをご覧になってみてください。
魔王:ステータス・・・? どれどれ・・・。
魔王:『レベル999、力999、魔力999、美しさ999・・・・』
魔王:おお・・・バッチリ反映されてるわね!
ヴァイオレット:いやー、魔王様は元から最強でしたが、さらに最強でございますね!
魔王:オーーホッホ! 異世界転生最高ね!
女神:ふふ、喜んでいただけたようで何よりです。
女神:さて、なにか質問などはございますか?
女神:分からないことがあればお答えしますよ。
魔王:そうね・・・。ちなみに・・・この世界にはイケメンはいるのかしら?
女神:はい。それはもうたくさんおりますよ。
女神:この世界では強い方がモテますから、きっと邪神を倒した暁には大人気になれるでしょう。
魔王:あら・・・そう? 楽しみだわ〜!
魔王:オーホッホッホ!
ヴァイオレット:魔王様! 魔王様! レベル999ってどれぐらい強いのでしょうね! 試してみたくなりますね。
魔王:そうね・・・。まずはかるーく腕試ししてみたいところだわ・・・。
魔王:
魔王:
魔王:
0:女神、何かに気づく
女神:あら・・・? あちらの方でなにか騒ぎが起きているようですね・・・。
女神:
女神:
女神:
0:スライムがオークに襲われている
オーク:グエッヘッヘッヘ・・・。スラちゃんよ。
オーク:良いもの持ってんじゃねーか?
オーク:ちょーっと譲ってくんねえか? 腹減っててなあ・・・。
スライム:ぐっ・・・嫌だ!
スライム:このお饅頭は、おばあちゃんへのプレゼントなんだ!
スライム:お前なんかに死んでも渡すもんか!
オーク:ほう・・・。
オーク:そうかそうか。じゃあ仕方ないなあ。
オーク:うーっかり口が滑ってお前ごと食べちゃうかもしれんなあ。
スライム:くっ・・・。
オーク:グエッヘッヘッヘ・・・。
スライム:うう、だめだ。威勢を吐いてみたけど体が震えちゃう・・・。
スライム:ごめんねおばあちゃん・・・。
スライム:僕、ここまでみたいだ・・・。
スライム:
スライム:
スライム:
0:魔王、あきれながら
魔王:あら・・・典型的な三下ね。まったく・・・見てられないわね。
ヴァイオレット:やれやれ、どこの世界でも同じような光景が繰り広げられているのですね。
魔王:丁度良いわね。レベル999のパワー、試させてもらうわ!
魔王:
魔王:
魔王:
0:魔王、オークの前に割り込む
魔王:そこまでよ!
ヴァイオレット:そこまででございます!
オーク:むむ!! 何だ貴様らは・・・。
スライム:誰・・・?
魔王:通りすがりの救世主よ。
魔王:見苦しいわ。弱い者いじめはおやめなさい。
ヴァイオレット:ええ、さもないと痛い目を見ますよ!
オーク:何だこいつら・・・。やけに自信満々だな・・・。
魔王:ふふん。
スライム:だめだよお兄ちゃんたち! このオークはすっごく凶暴なんだ!
スライム:僕に構わず、早く逃げて・・・!!!
オーク:おい、てめえら! この俺様が誰かわかってんのか!!
魔王:ふふん、知らないわ。誰よ貴方。
ヴァイオレット:ええ、知りませんね。あいにく我々は異世界人ですから。
オーク:なんだと・・・。俺様は邪神様の直属の部下!
オーク:四天王の一人、オークゾンビだ!
オーク:物凄く強いんだぞ! 分かってんのか!!
魔王:へえ、そうなの。お強いのね。
オーク:ぐっ・・・。やけに自信満々だな・・・。ちなみにてめえ! レベルはいくつだ!
魔王:ふふん。
ヴァイオレット:ふふふ・・・。
魔王:それじゃあ参考までに教えてあげるわ。
魔王:私のレベルは999!
ヴァイオレット:そう、そして年は801歳!
魔王:ですがもちろんフルパワーであなたと戦うつもりはないからご安心なさい!
オーク:は・・・!?
オーク:レベル・・・999だと・・・!!!
スライム:レベル999・・・!?
オーク:ありえねえ・・・!! ウソつけ!
魔王:ふふん、あいにくホントなの。
魔王:ごめんね、異世界人だから仕方ないの。
ヴァイオレット:そのとおり、異世界人は何かよくわからないけど最強なのです!
オーク:異世界人だと・・・!?
魔王:そうよ。邪神を倒してこの世界を救うために別の世界からやってきた存在、それがワタシ。
オーク:邪神様を倒す・・・!?
オーク:おい! てめえ!!
オーク:わかってんのか!?
オーク:俺様は強いんだぞ!! そしてもちろん邪神様は最強だ!!
オーク:悪いことは言わねえ! 痛い目見たくなかったらさっさと引きやがれ!
魔王:はあ・・・よく吠えるわね・・・。
ヴァイオレット:魔王様、ここは少しだけ力をお見せしてはどうでしょう。
魔王:そうね〜。じゃあレベル999の実力、少しだけ見せてあげようかしら。
魔王:じゃあ・・・えーっと、この魔法を使ってみるわ。
魔王:
魔王:
魔王:
0:魔王、呪文を唱える
魔王:はああああ・・・!!
魔王:エターナル・ダーク・フレイム!!
魔王:
魔王:
魔王:
0:魔法がオークの耳をかすめる
オーク:そんな・・・エターナル・ダーク・フレイムだと・・・!!!!
オーク:まさか、この呪文を使うやつがいるとは・・・初めて見た・・・。ありえねえ・・・。
魔王:どう? 実力差が分かったかしら?
オーク:くっ・・・・。
オーク:わかったよ、撤退してやる。
オーク:オーク族はな、無駄な戦いはしねーんだ。
オーク:レベル差がありすぎる場合は戦わねえ・・・。
オーク:結果は見えてるからな。引いてやる。
魔王:あら・・・素直ね。オーホッホッホ!!
魔王:邪神ちゃんによろしくね。後で私が倒しに行ってあげるから、伝えておいて頂戴。
オーク:ぐっ! この借りは必ず返す!
オーク:覚えてやがれ!
オーク:
オーク:
オーク:
0:オーク、立ち去る
ヴァイオレット:やれやれ、本当に三下のセリフですね。
魔王:まったくね。まあスライムちゃんが助かって何よりだわ。
魔王:
魔王:
魔王:
0:
スライム:あのあの! お兄さんたち! ありがとう・・・!!
魔王:あら、気にしないで頂戴。たまたま通りかかっただけだから。
スライム:お兄さんたち、すごいね・・・! 勇気があるんだね・・・!
スライム:さっき、邪神を倒すって言ってたけど・・・ホントなの?
魔王:ええ、そうよ。サクッと倒してこの世界を救ってあげるわ。
ヴァイオレット:ふふん、我々にお任せください!
スライム:わあ・・・すごいね! 勇者様だ!
魔王:オーホッホ! 勇者!?
魔王:ワタシは魔王だけど・・・そう呼ばれるのも悪くないわね!
スライム:あのあの! 勇者様! 僕も一緒に連れてってくれませんか!
スライム:貴方たちのお手伝いをしたいんです。
スライム:そして僕も貴方たちみたいな勇気を身に着けたい・・・!
女神:あらあら、まあまあ。ふふっ、早速モテモテですね。
魔王:ふふん。良いわよ! ついてらっしゃい!
ヴァイオレット:お仲間が増えましたね。さすが魔王様、素晴らしい人徳です。
スライム:わーい! ありがとう!!
魔王:それにしても・・・このあとはどうすれば良いのかしら?
魔王:邪神ちゃんを倒すにしても、この世界についての情報が足りなすぎるわ。
ヴァイオレット:そうですね。しばらくは情報収集に努めるのはどうでしょう。
スライム:そうだ! ギルドに冒険者登録しませんか?
魔王:ギルド?
女神:ええ、良いですね。
女神:ギルドでは色んなクエストがありますから、そこで仕事をこなすのはおすすめです。
女神:お金もたまりますし、人脈も広げることができるでしょう。
魔王:あら、楽しそうね。スラちゃん、そのギルドとやらに連れてってくれる?
スライム:はーい!
スライム:
スライム:
スライム:
0:ギルドにて、ギルドマスターが出迎える。
マスター:らっしゃい。
マスター:おや、兄さんたち、新顔だな。
魔王:お邪魔するわ。冒険者登録をしてみたいのだけど、お願いできるかしら。
マスター:登録希望かい。
マスター:じゃあここにお名前とステータスを書いてくれるかい?
魔王:あら・・・ステータスを書かないといけないの?
ヴァイオレット:気が引けますね・・・。まあ書かないといけないのなら仕方ありませんね。
魔王:さらさら〜っと。はい、書いたわ。
マスター:ふんふん。なるほど・・・。
マスター:は・・・!?
マスター:レベル・・・999・・・!?
マスター:
マスター:
0:ギルド内にいた人々が驚く
モブ:レベル999ですって・・・・!! ありえない・・・!!
ヴァイオレット:おやおや・・・騒ぎになっちゃいましたね・・・。
魔王:ふう、まいったわねえ。そんなに驚かないで頂戴。
マスター:いや、このレベルは異常だろ・・・。少なくとも俺っちは見たことがねえ。
魔王:ごめんね、こちらの常識に乏しくて・・・。オーホッホッホ!
スライム:あのねあのね! この人達はすごいんだよ!
スライム:あのオークを追い払ったんだ!
マスター:何と・・・すげえ勇気だな。
女神:はい、そうなのです。お二人はまさに勇者!
女神:そして邪神を倒してこの世界を救ってくれる方なのですよ。
マスター:邪神を・・・!? す、すげえなあ・・・本物の勇者じゃねえか。
魔王:あらあら、照れるわねえ。
魔王:もう・・・そんなに褒めないでよ!
魔王:恥ずかしいからちょーっとお花摘みに行ってくるわ!
ヴァイオレット:いやあ、こそばゆいですね。魔王様、私もお供いたします!
ヴァイオレット:
ヴァイオレット:
ヴァイオレット:
0:魔王とヴァイオレット、席を外す
マスター:ちなみにスライムくん、あんたも登録するかい?
スライム:うん、お願いするよ〜!
マスター:じゃあレベルを書いてくれるかい?
スライム:はい。カキカキ〜っと。
スライム:
スライム:
スライム:
0:マスター、登録用紙を見ながら唸る
マスター:ほう、レベル200万か・・・! やるじゃねえか。なかなか鍛えてるんだな。
スライム:まだまだだよ・・・。
スライム:さっきのオークはレベル5000万だったし。
マスター:うむ・・・そして邪神の奴はレベル1兆だからな。
マスター:この世界のレベル上限は1兆だから、まさに最強というにふさわしい。
スライム:うん、でも勇者様は凄いよね。
スライム:レベルがたったの3桁しかないのに、自信満々でオークと渡り合ったんだ!
マスター:レベル差がありすぎる場合、オークは見逃してくれることが多いとはいえ・・・なかなか出来ることじゃねえぜ。
スライム:そうそう。それに『エターナル・ダーク・フレイム』を実戦で使ったんだよ!
マスター:『エターナル・ダーク・フレイム』か。三歳児が覚えるような超初級呪文だもんな。
マスター:そんな呪文を自信満々にぶっ放すなんてそりゃすげえ度胸だ。
女神:ふふ、そうなのです!
女神:何でもこの世界で心身を鍛えたいとのことで、自らあんな低いステータスを設定されたんですよ。
女神:どM・・・もとい、素晴らしい勇気です♪
マスター:ほほう、よく分からんが自らにハンデを課しているのか・・・。
マスター:見上げた勇気だな。尊敬するわ。
マスター:これはホンマモンの勇者だな!
マスター:
マスター:
マスター:
魔王:おまたせ〜。
ヴァイオレット:ただいま戻りました。おや、話が盛り上がっているようですね?
スライム:今ね今ね! 勇者様たちのお話をしてたんだよ。
スライム:みんなで勇者様の勇気を褒め称えてたんだ!
魔王:全くもう・・・褒めすぎよ!
スライム:ゆ・う・しゃ! ゆ・う・しゃ!
女神:ゆ・う・しゃ! ゆ・う・しゃ!
マスター:いえーい! 勇者にカンパ〜い!
魔王:恥ずかしいわね・・・。
ヴァイオレット:ふふ、しかし悪くない気分ですね。勇者というのも。
魔王:それじゃあ、この調子で邪神を倒すわよ〜! そしてモテモテになって結婚するわよ!
ヴァイオレット:ええ、我々は最強です! かるーく捻ってやりましょう!
女神:はいっ! 最強の勇者です!
スライム:頑張るぞ〜!!
スライム:
スライム:
スライム:
スライム:
女神:異世界転生は『リバース』とも言います。
女神:リバース・・・反対。
女神:もしかしたら・・・転生先は価値観が真逆の世界かもしれませんね。
女神:え? レベル上限の件・・・ですか?
女神:もちろん私は・・・ちゃんと説明書に書きましたよ?(ニッコリ
0:魔王、ヴァイオレット、女神の一行、異世界に降り立つ
女神:着きました。
女神:ここが異世界、『ルナティック・ナイトメア』でございます。
ヴァイオレット:ほほう、ここが異世界でございますか。
魔王:なんだか殺伐としたところね。
魔王:空は赤いし、禍々しい空気が漂っているわ。
女神:先ほどの説明にも書かせていただきましたが、この世界は現在『邪神』と名乗る恐ろしい悪魔に支配されております。
女神:そのせいで人々は恐怖に震える毎日を送っていまして・・・。
女神:ぜひ、お二人の力でこの世界をお救いください。
魔王:なるほど・・・その邪神ちゃんとやらを倒せばいいのね。任せて頂戴・・・!
魔王:
魔王:
魔王:
0:ヴァイオレット、興奮しながら魔王に話しかける
ヴァイオレット:魔王様! 魔王様! ご自分のステータスをご覧になってみてください。
魔王:ステータス・・・? どれどれ・・・。
魔王:『レベル999、力999、魔力999、美しさ999・・・・』
魔王:おお・・・バッチリ反映されてるわね!
ヴァイオレット:いやー、魔王様は元から最強でしたが、さらに最強でございますね!
魔王:オーーホッホ! 異世界転生最高ね!
女神:ふふ、喜んでいただけたようで何よりです。
女神:さて、なにか質問などはございますか?
女神:分からないことがあればお答えしますよ。
魔王:そうね・・・。ちなみに・・・この世界にはイケメンはいるのかしら?
女神:はい。それはもうたくさんおりますよ。
女神:この世界では強い方がモテますから、きっと邪神を倒した暁には大人気になれるでしょう。
魔王:あら・・・そう? 楽しみだわ〜!
魔王:オーホッホッホ!
ヴァイオレット:魔王様! 魔王様! レベル999ってどれぐらい強いのでしょうね! 試してみたくなりますね。
魔王:そうね・・・。まずはかるーく腕試ししてみたいところだわ・・・。
魔王:
魔王:
魔王:
0:女神、何かに気づく
女神:あら・・・? あちらの方でなにか騒ぎが起きているようですね・・・。
女神:
女神:
女神:
0:スライムがオークに襲われている
オーク:グエッヘッヘッヘ・・・。スラちゃんよ。
オーク:良いもの持ってんじゃねーか?
オーク:ちょーっと譲ってくんねえか? 腹減っててなあ・・・。
スライム:ぐっ・・・嫌だ!
スライム:このお饅頭は、おばあちゃんへのプレゼントなんだ!
スライム:お前なんかに死んでも渡すもんか!
オーク:ほう・・・。
オーク:そうかそうか。じゃあ仕方ないなあ。
オーク:うーっかり口が滑ってお前ごと食べちゃうかもしれんなあ。
スライム:くっ・・・。
オーク:グエッヘッヘッヘ・・・。
スライム:うう、だめだ。威勢を吐いてみたけど体が震えちゃう・・・。
スライム:ごめんねおばあちゃん・・・。
スライム:僕、ここまでみたいだ・・・。
スライム:
スライム:
スライム:
0:魔王、あきれながら
魔王:あら・・・典型的な三下ね。まったく・・・見てられないわね。
ヴァイオレット:やれやれ、どこの世界でも同じような光景が繰り広げられているのですね。
魔王:丁度良いわね。レベル999のパワー、試させてもらうわ!
魔王:
魔王:
魔王:
0:魔王、オークの前に割り込む
魔王:そこまでよ!
ヴァイオレット:そこまででございます!
オーク:むむ!! 何だ貴様らは・・・。
スライム:誰・・・?
魔王:通りすがりの救世主よ。
魔王:見苦しいわ。弱い者いじめはおやめなさい。
ヴァイオレット:ええ、さもないと痛い目を見ますよ!
オーク:何だこいつら・・・。やけに自信満々だな・・・。
魔王:ふふん。
スライム:だめだよお兄ちゃんたち! このオークはすっごく凶暴なんだ!
スライム:僕に構わず、早く逃げて・・・!!!
オーク:おい、てめえら! この俺様が誰かわかってんのか!!
魔王:ふふん、知らないわ。誰よ貴方。
ヴァイオレット:ええ、知りませんね。あいにく我々は異世界人ですから。
オーク:なんだと・・・。俺様は邪神様の直属の部下!
オーク:四天王の一人、オークゾンビだ!
オーク:物凄く強いんだぞ! 分かってんのか!!
魔王:へえ、そうなの。お強いのね。
オーク:ぐっ・・・。やけに自信満々だな・・・。ちなみにてめえ! レベルはいくつだ!
魔王:ふふん。
ヴァイオレット:ふふふ・・・。
魔王:それじゃあ参考までに教えてあげるわ。
魔王:私のレベルは999!
ヴァイオレット:そう、そして年は801歳!
魔王:ですがもちろんフルパワーであなたと戦うつもりはないからご安心なさい!
オーク:は・・・!?
オーク:レベル・・・999だと・・・!!!
スライム:レベル999・・・!?
オーク:ありえねえ・・・!! ウソつけ!
魔王:ふふん、あいにくホントなの。
魔王:ごめんね、異世界人だから仕方ないの。
ヴァイオレット:そのとおり、異世界人は何かよくわからないけど最強なのです!
オーク:異世界人だと・・・!?
魔王:そうよ。邪神を倒してこの世界を救うために別の世界からやってきた存在、それがワタシ。
オーク:邪神様を倒す・・・!?
オーク:おい! てめえ!!
オーク:わかってんのか!?
オーク:俺様は強いんだぞ!! そしてもちろん邪神様は最強だ!!
オーク:悪いことは言わねえ! 痛い目見たくなかったらさっさと引きやがれ!
魔王:はあ・・・よく吠えるわね・・・。
ヴァイオレット:魔王様、ここは少しだけ力をお見せしてはどうでしょう。
魔王:そうね〜。じゃあレベル999の実力、少しだけ見せてあげようかしら。
魔王:じゃあ・・・えーっと、この魔法を使ってみるわ。
魔王:
魔王:
魔王:
0:魔王、呪文を唱える
魔王:はああああ・・・!!
魔王:エターナル・ダーク・フレイム!!
魔王:
魔王:
魔王:
0:魔法がオークの耳をかすめる
オーク:そんな・・・エターナル・ダーク・フレイムだと・・・!!!!
オーク:まさか、この呪文を使うやつがいるとは・・・初めて見た・・・。ありえねえ・・・。
魔王:どう? 実力差が分かったかしら?
オーク:くっ・・・・。
オーク:わかったよ、撤退してやる。
オーク:オーク族はな、無駄な戦いはしねーんだ。
オーク:レベル差がありすぎる場合は戦わねえ・・・。
オーク:結果は見えてるからな。引いてやる。
魔王:あら・・・素直ね。オーホッホッホ!!
魔王:邪神ちゃんによろしくね。後で私が倒しに行ってあげるから、伝えておいて頂戴。
オーク:ぐっ! この借りは必ず返す!
オーク:覚えてやがれ!
オーク:
オーク:
オーク:
0:オーク、立ち去る
ヴァイオレット:やれやれ、本当に三下のセリフですね。
魔王:まったくね。まあスライムちゃんが助かって何よりだわ。
魔王:
魔王:
魔王:
0:
スライム:あのあの! お兄さんたち! ありがとう・・・!!
魔王:あら、気にしないで頂戴。たまたま通りかかっただけだから。
スライム:お兄さんたち、すごいね・・・! 勇気があるんだね・・・!
スライム:さっき、邪神を倒すって言ってたけど・・・ホントなの?
魔王:ええ、そうよ。サクッと倒してこの世界を救ってあげるわ。
ヴァイオレット:ふふん、我々にお任せください!
スライム:わあ・・・すごいね! 勇者様だ!
魔王:オーホッホ! 勇者!?
魔王:ワタシは魔王だけど・・・そう呼ばれるのも悪くないわね!
スライム:あのあの! 勇者様! 僕も一緒に連れてってくれませんか!
スライム:貴方たちのお手伝いをしたいんです。
スライム:そして僕も貴方たちみたいな勇気を身に着けたい・・・!
女神:あらあら、まあまあ。ふふっ、早速モテモテですね。
魔王:ふふん。良いわよ! ついてらっしゃい!
ヴァイオレット:お仲間が増えましたね。さすが魔王様、素晴らしい人徳です。
スライム:わーい! ありがとう!!
魔王:それにしても・・・このあとはどうすれば良いのかしら?
魔王:邪神ちゃんを倒すにしても、この世界についての情報が足りなすぎるわ。
ヴァイオレット:そうですね。しばらくは情報収集に努めるのはどうでしょう。
スライム:そうだ! ギルドに冒険者登録しませんか?
魔王:ギルド?
女神:ええ、良いですね。
女神:ギルドでは色んなクエストがありますから、そこで仕事をこなすのはおすすめです。
女神:お金もたまりますし、人脈も広げることができるでしょう。
魔王:あら、楽しそうね。スラちゃん、そのギルドとやらに連れてってくれる?
スライム:はーい!
スライム:
スライム:
スライム:
0:ギルドにて、ギルドマスターが出迎える。
マスター:らっしゃい。
マスター:おや、兄さんたち、新顔だな。
魔王:お邪魔するわ。冒険者登録をしてみたいのだけど、お願いできるかしら。
マスター:登録希望かい。
マスター:じゃあここにお名前とステータスを書いてくれるかい?
魔王:あら・・・ステータスを書かないといけないの?
ヴァイオレット:気が引けますね・・・。まあ書かないといけないのなら仕方ありませんね。
魔王:さらさら〜っと。はい、書いたわ。
マスター:ふんふん。なるほど・・・。
マスター:は・・・!?
マスター:レベル・・・999・・・!?
マスター:
マスター:
0:ギルド内にいた人々が驚く
モブ:レベル999ですって・・・・!! ありえない・・・!!
ヴァイオレット:おやおや・・・騒ぎになっちゃいましたね・・・。
魔王:ふう、まいったわねえ。そんなに驚かないで頂戴。
マスター:いや、このレベルは異常だろ・・・。少なくとも俺っちは見たことがねえ。
魔王:ごめんね、こちらの常識に乏しくて・・・。オーホッホッホ!
スライム:あのねあのね! この人達はすごいんだよ!
スライム:あのオークを追い払ったんだ!
マスター:何と・・・すげえ勇気だな。
女神:はい、そうなのです。お二人はまさに勇者!
女神:そして邪神を倒してこの世界を救ってくれる方なのですよ。
マスター:邪神を・・・!? す、すげえなあ・・・本物の勇者じゃねえか。
魔王:あらあら、照れるわねえ。
魔王:もう・・・そんなに褒めないでよ!
魔王:恥ずかしいからちょーっとお花摘みに行ってくるわ!
ヴァイオレット:いやあ、こそばゆいですね。魔王様、私もお供いたします!
ヴァイオレット:
ヴァイオレット:
ヴァイオレット:
0:魔王とヴァイオレット、席を外す
マスター:ちなみにスライムくん、あんたも登録するかい?
スライム:うん、お願いするよ〜!
マスター:じゃあレベルを書いてくれるかい?
スライム:はい。カキカキ〜っと。
スライム:
スライム:
スライム:
0:マスター、登録用紙を見ながら唸る
マスター:ほう、レベル200万か・・・! やるじゃねえか。なかなか鍛えてるんだな。
スライム:まだまだだよ・・・。
スライム:さっきのオークはレベル5000万だったし。
マスター:うむ・・・そして邪神の奴はレベル1兆だからな。
マスター:この世界のレベル上限は1兆だから、まさに最強というにふさわしい。
スライム:うん、でも勇者様は凄いよね。
スライム:レベルがたったの3桁しかないのに、自信満々でオークと渡り合ったんだ!
マスター:レベル差がありすぎる場合、オークは見逃してくれることが多いとはいえ・・・なかなか出来ることじゃねえぜ。
スライム:そうそう。それに『エターナル・ダーク・フレイム』を実戦で使ったんだよ!
マスター:『エターナル・ダーク・フレイム』か。三歳児が覚えるような超初級呪文だもんな。
マスター:そんな呪文を自信満々にぶっ放すなんてそりゃすげえ度胸だ。
女神:ふふ、そうなのです!
女神:何でもこの世界で心身を鍛えたいとのことで、自らあんな低いステータスを設定されたんですよ。
女神:どM・・・もとい、素晴らしい勇気です♪
マスター:ほほう、よく分からんが自らにハンデを課しているのか・・・。
マスター:見上げた勇気だな。尊敬するわ。
マスター:これはホンマモンの勇者だな!
マスター:
マスター:
マスター:
魔王:おまたせ〜。
ヴァイオレット:ただいま戻りました。おや、話が盛り上がっているようですね?
スライム:今ね今ね! 勇者様たちのお話をしてたんだよ。
スライム:みんなで勇者様の勇気を褒め称えてたんだ!
魔王:全くもう・・・褒めすぎよ!
スライム:ゆ・う・しゃ! ゆ・う・しゃ!
女神:ゆ・う・しゃ! ゆ・う・しゃ!
マスター:いえーい! 勇者にカンパ〜い!
魔王:恥ずかしいわね・・・。
ヴァイオレット:ふふ、しかし悪くない気分ですね。勇者というのも。
魔王:それじゃあ、この調子で邪神を倒すわよ〜! そしてモテモテになって結婚するわよ!
ヴァイオレット:ええ、我々は最強です! かるーく捻ってやりましょう!
女神:はいっ! 最強の勇者です!
スライム:頑張るぞ〜!!
スライム:
スライム:
スライム:
スライム:
女神:異世界転生は『リバース』とも言います。
女神:リバース・・・反対。
女神:もしかしたら・・・転生先は価値観が真逆の世界かもしれませんね。
女神:え? レベル上限の件・・・ですか?
女神:もちろん私は・・・ちゃんと説明書に書きましたよ?(ニッコリ