台本概要
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タイトル | バディ4 ~敵討ちと、再会~ |
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作者名 | 赤影 (@akakage_sekiyou) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 5人用台本(男3、女1、不問1) |
時間 | 40 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
シリアルキラー狩りのバディは、実はカイトによってケンヤが洗脳されて成り立っていたバディだった。 それを明らかにしたもう一つのバディ・リョウタとケイ。 半人外であるケンヤの傷は癒えたが、体は普通の人間であるカイトの怪我は治りきっていない状況で、さらに事態は悪化する。 それは前々回カイトとケンヤが殺した男狩り・高野の師匠の富岡による敵討ちだった。 強敵高野よりもさらに強い富岡との戦闘。 そして互いに衝突した二つのバディが、再び相まみえる。 154 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
カイト | 男 | 73 | 目の能力者。 己の目的のためにケンヤを洗脳していたが、リョウタとケイにその秘密を暴かれた。 肩を怪我してからは銃を使う事が多くなった。 |
ケンヤ | 男 | 71 | 狼の半人外。 カイトに洗脳されていた事を知ったが、カイトの目的を知り、引き続きバディとして活動を続ける事に。 洗脳中よりも嗅覚と勘が鋭くなっている。 武器は鉄パイプ。 |
リョウタ | 男 | 76 | 耳の能力者。 相手の聴覚を乗っ取り、バディであるケイの言霊を直接頭に叩き込む。 ケイの能力で己の能力を底上げできる。 武器は銃を使う事が多い。 |
ケイ | 不問 | 69 | 言霊の能力者。 ケイの能力を乗せた言葉を聞いた相手は、その言葉の呪縛を受ける。 リョウタが聴覚を乗っ取る事で確実に相手に言葉を届けている。 武器は刀。 |
富岡 | 女 | 58 | 富岡春香(とみおかはるか) 誘惑の能力者。 高野の師匠。弟子の仇を取りに来た。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
富岡:ああ、なんて事・・・私の可愛い弟子が・・・里美が殺されただなんて・・・許せない・・・許せない・・・っ!
富岡:何処のどいつか知らないけれど、絶対に殺してやるわ・・・
富岡:待っててね、里美。私が敵(かたき)をとってあげる・・・
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リョウタ:イヤージャック
ケイ:『リョウタの怪我はすぐ治る』
リョウタ:ケイ、まずは自分の怪我でしょ?ケイの方が重傷なんだから
ケイ:ヤダ!リョウタの体の方が大事!
リョウタ:俺は頑丈だから大丈夫。ほら、銃弾がかすったところだってもう治ってる
ケイ:でも・・・
リョウタ:でもじゃない。ほら、イヤージャック
ケイ:・・・『私の怪我はすぐ治る』
リョウタ:うん
ケイ:はぁあもう・・・リョウタに痛い思いさせやがってあの野郎共・・・
リョウタ:俺よりケイの方が痛かったでしょ。鉄パイプが背中に直撃したんだから
ケイ:そりゃ痛かったよ?呼吸できなかったもん。だけど私より、リョウタに怪我させた事の方が罪が重い
リョウタ:それは俺も同じ。俺よりケイに怪我させた事の方がむかつく
ケイ:ぁああうぜぇ!!
リョウタ:ケーイ?叫ぶと傷に響くよ?
ケイ:リョウタに言われて自分には何回も言霊(ことだま)使ってるから大丈夫だよ
リョウタ:それでも
ケイ:・・・はぁい
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富岡:まずはあの子の足取りを掴まなきゃ。最後にターゲットにした奴は誰か・・・
富岡:そのためには情報収集ね。あの子が良く狩りをしていたのはあそこだから・・・あのあたりで私も狩りをしてみようかしら
富岡:そうしたら、釣れるかしら?私の可愛い里美を殺したクズは
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カイト:あー、くそっ。痛ぇ・・・
ケンヤ:お前、あのケイとか言う奴みたいに自分には能力使えないのかよ?
ケンヤ:病は気からっつーだろ?怪我が早く治るよう暗示かけらんねぇの?
カイト:残念ながら使えねぇんだよ。鏡で試してみたが、直接目を見ないとだめらしい
ケンヤ:ふぅん・・・その点、音の方が便利なのな
カイト:それもあるが、あのでかい方・・・リョウタの能力と組み合わせられるのが厄介だ
カイト:おそらくケイの方は耳を完全にふさげば何とかなる。だが、リョウタに聴覚を奪われたら、それこそ鼓膜(こまく)を破るくらいしねぇと防げないかもな
ケンヤ:それで防げなかったら最悪じゃねぇか
カイト:ああ。音が聞こえないのにケイの言霊だけはしっかり聞こえる事になるからな
ケンヤ:マジで厄介だな、あいつら・・・
カイト:・・・お前だけなら、奴らの能力を無効化できる可能性も・・・
ケンヤ:お、マジか!?
カイト:・・・いや、これも不確定だ。それにお前との約束を破る事になる
ケンヤ:?ああ、あいつらの声が聞こえないって感じに、お前の能力で俺を洗脳するって事か?
カイト:ああ・・・ってかお前、ほんと俺の洗脳が解けてから脳筋じゃなくなったな
ケンヤ:俺の頭が弱くなってたのはテメェのせいだろうが
カイト:悪かったって
ケンヤ:とりあえず、まぁ、あいつらの対策としての洗脳ならノーカンにしてやるよ
ケンヤ:本当に対策になるならな?
カイト:う、それは・・・
ケンヤ:あいつらの方が能力者として、お前より上なんだろ?
カイト:・・・クソッ
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富岡:はぁ・・・ようやく見つけた、里美を殺した奴ら・・・
富岡:探すのに何日もかかっちゃったじゃない・・・お陰でもうお腹いっぱいよ。太っちゃったらどうしてくれるのかしら・・・
富岡:・・・ああ、あいつらにダイエットに付き合ってもらえばいいのね・・・
富岡:私のペットにして、たくさんたくさんいたぶってあげる・・・そして苦痛にまみれて死んでも、食べてあげないの・・・無駄死に♡
富岡:私の可愛い可愛い里美を殺したんだもの。そんな奴らの血肉なんて、この体に取り入れたくないわ。考えるだけでもおぞましい・・・
富岡:待っててね、里美。天国のあなたのもとへ、すぐに奴らの悲鳴を届けてあげるわ・・・
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リョウタ:ふぅん
ケイ:どうしたの、リョウタ?
リョウタ:面白い事になりそうだよ
ケイ:面白い事?
リョウタ:うん。高野の師匠の富岡って奴が、カイトとケンヤを狙ってるみたい
ケイ:へぇ・・・へぇええ
リョウタ:目つき、変わったね
ケイ:だってさ、そいつ、男狩りの師匠って事は、能力同じでしょ?
ケイ:誘惑(ゆうわく)の能力でカイトとケンヤを惑(まど)わせて、それでいたぶるの、目に見えてんじゃん。譲らねぇよ?
リョウタ:ふふ
ケイ:リョウタに痛い思いさせた奴を、なんで譲ってやんなきゃなんないわけ?あいつらを横取りしようってんなら、そいつ殺そ
リョウタ:そうだね
ケイ:そんで、カイトとケンヤにもたっぷり痛い目見せてあげるの
リョウタ:うん。俺とケイの受けた痛みの何十倍もの痛み、あいつらに味わわせてやろう?
ケイ:うん!それがいい!そうしよう!
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ケンヤ:ったく。買い出しくらい俺一人で充分だっての
カイト:いや、いつ奴らに出くわすかわからねぇんだ。できるだけ行動は共にした方がいい
ケンヤ:お前は俺の保護者か!
カイト:ちげぇよ。お前の鼻と俺の目、両方合わせても奴らの気配しかわからなかったんだ。一人で行動してる時に出くわしたら、それこそ詰みだろうが
ケンヤ:俺が奴らに負けるとでも?
カイト:あいつらが一般人なら、お前が勝つだろうさ。が、残念な事に奴らは能力者だ。用心に越した事はない
カイト:俺達は完全に奴らの反感を買っちまったようだからな
ケンヤ:それに関しちゃ、俺達だってやられてんだ。お互い様だろ
カイト:だからこそ、いつ出くわしてもいいように一緒に行動すんだよ
ケンヤ:はぁ・・・俺はそもそも群れるのは好きじゃねぇんだがな
カイト:わかってる。だが・・・俺はお前と違ってまだ傷が癒えてねぇんだ。お前の力が必要なんだよ
ケンヤ:けっ。男に言われても何も嬉しくねぇな
カイト:俺も女相手に言いたかったぜ
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富岡:なら、私はいかが?
カイト:なっ!
ケンヤ:誰だ、テメェ
富岡:初めまして。わたくし、富岡と申します。以後、お見知りおきを
ケンヤ:で?その富岡さんが俺達に何の用だよ?
富岡:いえ、偶然後ろを歩いておりましたら、どうやら女性をお求めのようでしたから。私、お水をしておりますので、素敵な殿方を前にそのようなお話を小耳にはさんでは、居てもたってもいられず・・・
ケンヤ:お呼びじゃねぇんだよ。消えな
カイト:待て。お前、ただ者じゃねぇな?
富岡:ええ。殿方を喜ばせるプロですわ
カイト:そういう意味じゃねぇ。普通の人間、ってわけじゃねぇだろ?
ケンヤ:だな。血の匂いがプンプンしやがる
ケンヤ:(血と・・・なんか、すげぇ・・・いい匂い・・・が・・・)
富岡:あら、レディの匂いを嗅ぐのはベッドの中だけにして下さる?
カイト:そのベッドは棺桶、なんてオチじゃねぇだろうな?
富岡:ふふふ。お上手だ事
カイト:はぐらかすな
富岡:嫌ですわ。そんな物騒なお話。そんな事よりも、今夜、私とご一緒して下さらない?
カイト:ご一緒、だと・・・?
富岡:ええ。私とお二人、三人で♡
ケンヤ:・・・とんだ痴女だな。だが、悪くねぇ
カイト:は?おい、ケンヤ?
富岡:うふふ、そちらのお兄さんはお誘いに乗って下さるという事でよろしいのかしら?
ケンヤ:ああ、いいぜ
カイト:おい!
ケンヤ:お前も来いよ、カイト
カイト:何、言って・・・
カイト:(・・・いや、でも・・・こんな機会は・・・あれ・・・?)
ケンヤ:こんないい女が誘ってくれてんだ。断るなんて無粋(ぶすい)だろ?
カイト:・・・あ、ああ・・・そう、だな・・・
富岡:まぁ嬉しい!では早速、お宿を決めましょう?
富岡:そうですねぇ・・・せっかくの三人ですから、アブノーマルなところが宜しいでしょうか・・・
ケンヤ:いいねぇ。野外プレイってか?
カイト:いや、せめて室内で、頼む・・・
カイト:(俺は・・・今、何を・・・?)
富岡:では、人目につかない廃墟、なんていかがです?スリルがあっていいでしょう?
ケンヤ:いいぜ。ちょうどいいとこ知ってんだ。なぁ、カイト
カイト:ああ・・・
富岡:まぁ!では、案内して頂けるかしら?素敵なベッドに♡
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0:高野と戦った廃墟にて
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ケンヤ:ここだ
カイト:いいところだろう?
富岡:ええ、とっても素敵。ここがあの子の最期の場所なのね
カイト:あの子?
富岡:ええ。あなた達が殺した私の可愛い弟子、高野里美(たかのさとみ)よ
ケンヤ:ああ、あいつか・・・あいつは・・・いい女だった・・・
カイト:ああ。忘れられない、女だ・・・
富岡:でしょうねぇ・・・忘れていたらどうしようかと思ったわ
ケンヤ:忘れねぇよ・・・
富岡:それで、あの子をどうやって殺したの?
カイト:それは・・・ターゲットにされたケンヤを囮にして・・・
ケンヤ:高野に惚れ込んだ俺がカイトを攻撃して・・・
カイト:それから・・・
富岡:それから?
ケンヤ:俺が、カイトのバディだった事を思い出して・・・
カイト:二人で、高野を攻撃して・・・
ケンヤ:俺がとどめをさした・・・
富岡:そう・・・二人で里美をいたぶってくれたわけね・・・
カイト:わ、悪い!あんたの弟子だったなんて知らなかったんだ!
ケンヤ:惚れた女をこの手にかけちまうなんて、俺はなんてことを・・・!
富岡:許さない・・・許さないわっ!
富岡:あの子が受けた痛みを、屈辱を、あんた達にじっくりと味わわせてあげる!
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ケイ:リョウタ!リョウタ!富岡があいつらに接触しちゃったよ!
リョウタ:わかってる。けどもう少し我慢
ケイ:なんで!?あいつら富岡にとられちゃうよ!?
リョウタ:大丈夫。富岡はあいつらをすぐには殺したりしない
ケイ:でも!
リョウタ:ケーイ。ケンヤが高野に誘惑されたのは、何でだった?
ケイ:それは、カイトの観察が甘かったから・・・
リョウタ:そう。で、富岡は高野の師匠。もちろん高野よりも能力は上。つまり?
ケイ:・・・しっかり能力を把握しとかないと私達もあいつらと同じ目に遭う
リョウタ:分かってんじゃん
ケイ:・・・ああ。あいつらを使って富岡の能力を見極めるって事か
リョウタ:そ
ケイ:さっすがリョウタだね!私達は安全に敵の能力を見極められるし、あいつらは同じ轍(てつ)を踏んで痛い目を見る。そんでもって富岡を排除したら今度は私達に痛めつけられる
ケイ:あはははは!敵ながら哀れなほどに滑稽(こっけい)だね!
リョウタ:最高だろう?
ケイ:うん!
リョウタ:じゃあケイ。頼むよ
ケイ:任せて!『リョウタの聴力は富岡の能力を聞き洩(も)らさない』
リョウタ:さぁ、聞かせろ。お前の能力を・・・
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0:廃墟
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富岡:分かるわよねぇ?私の可愛い里美を殺したんだから、どうすればいいか
カイト:ああ・・・
ケンヤ:あんたの言う事を何でも聞く・・・
カイト:それで、罪滅ぼしになるなら・・・
富岡:うふふふ。物分かりが良くて助かるわぁ。まぁ、私の力の前では男なんてみんなそうなるんだけれど
ケンヤ:まずは何をすればいい?
富岡:焦らないの。そうね、まずはあなたが怪我をさせたっていうカイトの肩を、このナイフでつついてみましょうか
ケンヤ:わかった
カイト:服は脱いだ方がいいよな
富岡:ええ。いい子ね
ケンヤ:ふんっ
カイト:ぐぁあああっ!
富岡:ああ・・・いい悲鳴よ・・・きっと、あの子の悲鳴には遠く及ばないでしょうけど
カイト:・・・っ、つ、次、は・・・?
富岡:あなたが銃でケンヤの足を撃ちぬいたんでしょう?もう一度、撃ちぬきましょう?
カイト:わか、った・・・
ケンヤ:がぁああっ!
富岡:ああ、これで、あの子の能力が効いていたところまでの再現はできたのね
カイト:あ、ああ・・・
富岡:じゃあここからが本番。あの子は香りと視線で男を落としていた。けれど私はさらに言葉でも誘惑できる
富岡:さぁ、今度はあなた達があの子にした仕打ちを、自分達にする番よ
ケンヤ:わか・・・った・・・
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リョウタ:おっと、これはまずいな
ケイ:何?どうしたの?
リョウタ:富岡の能力はわかった。匂いと視線と言葉での誘惑らしい
ケイ:え、ずるくない?
リョウタ:男には、らしいから。女には効かないのかも知れん
ケイ:うーん・・・微妙なとこだなぁ・・・
リョウタ:けどもう待ってられそうにないんだよね
ケイ:え?
リョウタ:カイトとケンヤに、高野にした攻撃と同じ攻撃を、お互いにするように命じてる
ケイ:え!あいつらお互いに殺しあっちゃうじゃん!
リョウタ:うん。だから、もう割り込みに行かないと
ケイ:分かった!じゃあ急ご!『私とリョウタの足は速い!』
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0:廃墟
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ケンヤ:オラァ!
カイト:クッ!このっ!
ケンヤ:クソッ、足が・・・っ!
カイト:ちょこまかと逃げやがって・・・!
富岡:いいわぁ、いいわぁ・・・そうやってあの子を追い詰めたのね・・・
富岡:そのまま自分達も追い詰めるといいわ!
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リョウタ:させねぇよ?
リョウタ:イヤージャック!
ケイ:『私とリョウタ以外動くな!!』
カイト:なっ!
ケンヤ:ぐっ!
富岡:な、何!?
リョウタ:おーおー、割とぎりぎりだったな
ケイ:セーフだったね
富岡:誰よ、あんた達!
リョウタ:ここで素直に名乗る馬鹿がいるか?
ケイ:富岡春香(とみおかはるか)、だっけ。悪いけどさぁ、そいつらに先に目ぇつけてたの、私らなんだわ
ケイ:勝手に手ぇ出してんじゃねぇよ
ケンヤ:お、前、ら・・・
カイト:なん、で・・・ここに・・・
リョウタ:どっかのお馬鹿さん二人組が、同じ手に引っかかって殺られそうになってるから、わざわざ助けに来てやったんだよ
ケイ:テメェらにここで死なれちゃ、借りが返せねぇだろうが
リョウタ:ったく、世話の焼ける敵さんだな
ケイ:全くだぜ
富岡:何なのよ、あんた達!
ケイ:効きが悪ぃな・・・『富岡、黙れ』
富岡:ぐっ!?
カイト:テ、メェ・・・ら・・・
ケイ:あんたらさぁ、ばっかじゃねぇの?一回引っかかった事になんでまた引っかかってんのさ
リョウタ:学習能力皆無だな
ケンヤ:何、言って、やが・・・
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『カイトとケンヤは洗脳されてない』
カイト:っ!・・・あ、あれ・・・俺、達・・・
ケンヤ:なんでまた、ここに・・・?
富岡:くっ!!
リョウタ:そこの女にまんまと誘惑されて、互いに殺し合ってたんだよ
カイト:そん、な!
ケンヤ:クソッ!
リョウタ:少しは学習しような?
ケイ:ま、おかげで私達はそいつの能力が分かったわけだけど
カイト:俺達を、囮に使ったのか・・・!
ケイ:馬鹿言うんじゃねぇよ
リョウタ:見つけた時にはもう富岡に目ぇつけられてたんだよ
ケイ:私達にばっか気が向いて、周りが見えてなかったんだねぇ。目の能力者のくせに
カイト:くっ!
ケンヤ:・・・おい、一つ聞かせろ。何で俺達を助けた?
ケイ:助けた?
リョウタ:おーおー、勘違いしてんなぁ
リョウタ:助けたんじゃねぇよ。横取りされないようにしただけだ
富岡:こ、の・・・っ!
リョウタ:お前らはそこで見てな
ケイ:私達が、あんたらが負けた奴を悠々(ゆうゆう)と叩きのめす姿をね!
ケンヤ:ふざけんなっ!そいつは俺達が
ケイ:できるわけねぇだろ、その怪我で
カイト:戦える!
リョウタ:大人しくしてろ。富岡を殺したら、次はお前らだ
富岡:く、この・・・っ!
ケイ:さすがに強いなぁ。もう喋り始めてる
リョウタ:さっさとご退場願おうか
0:
0:銃を構えるリョウタ
0:
富岡:くぅ!私を、守れ!
ケンヤ:っ!体が!?
ケンヤ:ぐぁあああっ
リョウタ:おっと
カイト:ケンヤ!
ケイ:ケンヤが富岡の盾に!?
リョウタ:狼男の血を引いてるのが仇(あだ)になったな。匂いと言葉で操ったか
ケイ:ああもうめんどくさいなぁ!
ケイ:『富岡に魅力なんてない!』
リョウタ:おいケイ!
ケイ:げほっげほっ!
富岡:はんっ!人の能力に過干渉すれば、己に返ってくる事も知らないの?おチビちゃん
ケンヤ:いや、ナイスだぜ、言霊使い!オラァ!
富岡:くっ!?
0:
カイト:・・・またあんたらに救われたな・・・ケイが能力を酷使(こくし)したお陰で、富岡の能力が薄れた
カイト:これなら俺もケンヤも動ける
ケイ:テメェらは足でまといっげほ
リョウタ:(小声で)・・・ケイ、気持ちはわかるが、ここは奴らを利用しよう
ケイ:(小声で)利用・・・?
リョウタ:(小声で)そう、利用
ケイ:(小声で)わかった・・・
0:
ケンヤ:避けんなやッラァ!!
富岡:レディにっ!暴力なんて!最低ね!
0:
リョウタ:おいカイト。ここは共闘といこうじゃないか
カイト:・・・ああ。悔しいが、俺達だけじゃあいつには勝てねぇ
リョウタ:こっちもあんまりケイに負担をかけたくないからな
ケイ:私は・・・っ!・・・けどまぁ、リョウタが言うなら、仕方ない
リョウタ:そうと決まれば、ケイは能力に集中して。ケンヤが誘惑されないように。カイトは俺と一緒にケイを守りつつケンヤの援護だ
カイト:指図されるのは癪(しゃく)だが・・・わかった!
リョウタ:行くぞ!イヤージャック
ケイ:『ケンヤに富岡の能力は効かない!』
カイト:当たれぇえ!
リョウタ:・・・(無言で発砲)
富岡:くっ!このっ!寄ってたかってっ!
ケンヤ:テメェら!俺に当てんじゃねぇぞ!?特にリョウタ!
リョウタ:おーおー、当たんないように動いてくれや
ケンヤ:ぁあ!?
カイト:よそ見すんな!
富岡:はぁあっ!
ケイ:『効かないよ!』
富岡:チッ!
富岡:(後ろのチビをどうにかしないと、私の能力が弱まる!けど、手前の奴ら三人が邪魔!)
ケンヤ:戦いの最中に考え事かぁ!?
富岡:キャッ!
リョウタ:今だ!
カイト:オラァアアアア!
富岡:きゃぁあああ!助けてぇええ!!
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0:富岡の声に反応するように、物陰から人が飛び出してきた。
0:
ケンヤ:なぁ!?
カイト:誰だ、あのおっさん!?
ケイ:チッ!食い残しか!
リョウタ:虫の息だからって放置するんじゃなかったな
富岡:はぁっ、はぁっ・・・危なかったわ・・・
富岡:・・・ああ・・・私の可愛い子ブタちゃん・・・私のためにこんなになっちゃって・・・許さない・・・許さないわっ!
富岡:里美だけじゃなく、ペットまで私から奪うなんて!!
カイト:ペット、だと?
ケンヤ:趣味悪っ!
富岡:うるさい!!
富岡:(でも分が悪いのは確か・・・ここはっ)
富岡:ケンヤ!後ろの大きい奴があなたを狙ってた事、気付かなかったの!?
ケンヤ:何!?
リョウタ:は?狙ってねぇよ
富岡:嘘よ!私は確かに見たわ!
ケイ:リョウタが嘘つくわけねぇだろふざけんな!
カイト:ケンヤ!惑わされるな!
ケンヤ:え?あ、お、おう!
富岡:(今のうちに・・・っ!)
ケイ:『動くな富岡ぁ!!』
富岡:ぐぅっ!!
ケイ:よくもリョウタに攻撃の目を向けさせようとしやがったな、クソアマ・・・
リョウタ:落ち着けケイ
ケイ:『私は誘惑されない』
リョウタ:ケイ!
ケイ:チェンジだ犬っころ!
ケンヤ:誰が犬っころだ!
ケイ:切り刻んでやらぁあ!!
富岡:くっ!体が!!
カイト:おいリョウタ!テメェの相棒、突っ走ってんぞ!
リョウタ:チッ。とにかく援護だ!間違ってもケイに当てんじゃねぇぞ!
カイト:わかってらぁ!
富岡:いやっ!ケンヤ!私を守って!
ケンヤ:う、ぐぅう・・・っ!
カイト:耐えろケンヤ!
ケイ:死ねやオラァア!!
リョウタ:ケイ!
富岡:きゃあああああ!!
ケイ:どけよケンヤァ!!
ケンヤ:わ、悪ぃ!体が、勝手に!
カイト:くっ、すまん、ケンヤ!俺の目を見ろ!
ケンヤ:っ!
カイト:『その場から動くな』
ケンヤ:っああ!
リョウタ:やるじゃねぇか。ケンヤから引き離せ、ケイ!
ケイ:おう!
富岡:いやっ、来るな!来るなぁあ!!
カイト:すばしっこいな!
リョウタ:イヤージャック!
ケイ:『止まれ、富岡!』
ケイ:はぁあああああ!!!!
富岡:いやぁあああああああ!!!!
0:
0:鮮血があたりに飛び散った
0:
ケイ:はぁ・・・はぁ・・・
リョウタ:大丈夫か、ケイ!
ケイ:うん・・・ちょっと、疲れた・・・
富岡:・・・ぐ・・・ぅ、う・・・
リョウタ:まだ生きてやがったか
0:
0:数発の銃弾が、富岡の頭や体を撃ちぬいた
0:
0:
ケンヤ:おい、富岡はどうなった?片はついたのか!?
カイト:ああ。富岡は死んだ。もう動いていいぞ
ケンヤ:ふぅ・・・
0:
ケイ:・・・リョウ・・・タ・・・疲、れ・・・
リョウタ:ケイ!・・・ったく、能力の使いすぎだ
リョウタ:おい、そこの怪我人共
ケンヤ:あ?
リョウタ:富岡を殺したら次はお前らだって言ったけどな。事情が変わった
カイト:・・・・・・だろうな・・・
リョウタ:一週間後だ。一週間後、あんたらとの決着は、ここでつける
ケンヤ:上等じゃねぇか!
カイト:・・・いいだろう。それまでは互いに接触はなし。それが条件だ
リョウタ:ハッ。ケイが寝てるとは言え、助太刀(すけだち)してやった上に見逃してやってんのはこっちだぜ?
ケンヤ:んだと!?
カイト:ケンヤ。確かにテメェの言う通りだ。が、怪我してるとは言え、今は一対二。分が悪いのはそっちなんじゃねぇのか?
リョウタ:言うじゃねぇか
カイト:一週間、お互い療養(りょうよう)期間と・・・いこうじゃ、ねぇ、か・・・
ケンヤ:あ、おいカイト!?
リョウタ:おーおー、血の流し過ぎでぶっ倒れてんじゃねぇか
リョウタ:で?起きてるのは俺とお前だけになったわけだが、どうする?
ケンヤ:・・・俺一人でもやれるけどな。残念ながら俺達はバディ。二人で行動するもんだ。だから、この戦いはお預けだ
リョウタ:ほーお?待てができるとは、偉いじゃないか。いいぜ。俺も戦うならケイが起きてる時がいい。勝手に片づけたら拗(す)ねるからな
リョウタ:って事で、一週間後だ
ケンヤ:ああ。一週間後、テメェら二人、まとめて血祭りにあげてやるよ
リョウタ:おーおー、言ってろ
0:
ケンヤ:・・・今回は助けられた・・・が、次会ったらぜってぇぶっ殺す!
0:
リョウタ:ケイ、起きたら拗ねるだろうな・・・けど、一週間、我慢な
リョウタ:一週間したら、ケイを傷つけた奴らをフルボッコにしてやるから、な
0:
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0:ケンヤとリョウタはそれぞれの相方を抱え、背を向けて己のアジトへと戻っていった
0:
0:続く
0:
富岡:ああ、なんて事・・・私の可愛い弟子が・・・里美が殺されただなんて・・・許せない・・・許せない・・・っ!
富岡:何処のどいつか知らないけれど、絶対に殺してやるわ・・・
富岡:待っててね、里美。私が敵(かたき)をとってあげる・・・
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リョウタ:イヤージャック
ケイ:『リョウタの怪我はすぐ治る』
リョウタ:ケイ、まずは自分の怪我でしょ?ケイの方が重傷なんだから
ケイ:ヤダ!リョウタの体の方が大事!
リョウタ:俺は頑丈だから大丈夫。ほら、銃弾がかすったところだってもう治ってる
ケイ:でも・・・
リョウタ:でもじゃない。ほら、イヤージャック
ケイ:・・・『私の怪我はすぐ治る』
リョウタ:うん
ケイ:はぁあもう・・・リョウタに痛い思いさせやがってあの野郎共・・・
リョウタ:俺よりケイの方が痛かったでしょ。鉄パイプが背中に直撃したんだから
ケイ:そりゃ痛かったよ?呼吸できなかったもん。だけど私より、リョウタに怪我させた事の方が罪が重い
リョウタ:それは俺も同じ。俺よりケイに怪我させた事の方がむかつく
ケイ:ぁああうぜぇ!!
リョウタ:ケーイ?叫ぶと傷に響くよ?
ケイ:リョウタに言われて自分には何回も言霊(ことだま)使ってるから大丈夫だよ
リョウタ:それでも
ケイ:・・・はぁい
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富岡:まずはあの子の足取りを掴まなきゃ。最後にターゲットにした奴は誰か・・・
富岡:そのためには情報収集ね。あの子が良く狩りをしていたのはあそこだから・・・あのあたりで私も狩りをしてみようかしら
富岡:そうしたら、釣れるかしら?私の可愛い里美を殺したクズは
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カイト:あー、くそっ。痛ぇ・・・
ケンヤ:お前、あのケイとか言う奴みたいに自分には能力使えないのかよ?
ケンヤ:病は気からっつーだろ?怪我が早く治るよう暗示かけらんねぇの?
カイト:残念ながら使えねぇんだよ。鏡で試してみたが、直接目を見ないとだめらしい
ケンヤ:ふぅん・・・その点、音の方が便利なのな
カイト:それもあるが、あのでかい方・・・リョウタの能力と組み合わせられるのが厄介だ
カイト:おそらくケイの方は耳を完全にふさげば何とかなる。だが、リョウタに聴覚を奪われたら、それこそ鼓膜(こまく)を破るくらいしねぇと防げないかもな
ケンヤ:それで防げなかったら最悪じゃねぇか
カイト:ああ。音が聞こえないのにケイの言霊だけはしっかり聞こえる事になるからな
ケンヤ:マジで厄介だな、あいつら・・・
カイト:・・・お前だけなら、奴らの能力を無効化できる可能性も・・・
ケンヤ:お、マジか!?
カイト:・・・いや、これも不確定だ。それにお前との約束を破る事になる
ケンヤ:?ああ、あいつらの声が聞こえないって感じに、お前の能力で俺を洗脳するって事か?
カイト:ああ・・・ってかお前、ほんと俺の洗脳が解けてから脳筋じゃなくなったな
ケンヤ:俺の頭が弱くなってたのはテメェのせいだろうが
カイト:悪かったって
ケンヤ:とりあえず、まぁ、あいつらの対策としての洗脳ならノーカンにしてやるよ
ケンヤ:本当に対策になるならな?
カイト:う、それは・・・
ケンヤ:あいつらの方が能力者として、お前より上なんだろ?
カイト:・・・クソッ
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富岡:はぁ・・・ようやく見つけた、里美を殺した奴ら・・・
富岡:探すのに何日もかかっちゃったじゃない・・・お陰でもうお腹いっぱいよ。太っちゃったらどうしてくれるのかしら・・・
富岡:・・・ああ、あいつらにダイエットに付き合ってもらえばいいのね・・・
富岡:私のペットにして、たくさんたくさんいたぶってあげる・・・そして苦痛にまみれて死んでも、食べてあげないの・・・無駄死に♡
富岡:私の可愛い可愛い里美を殺したんだもの。そんな奴らの血肉なんて、この体に取り入れたくないわ。考えるだけでもおぞましい・・・
富岡:待っててね、里美。天国のあなたのもとへ、すぐに奴らの悲鳴を届けてあげるわ・・・
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リョウタ:ふぅん
ケイ:どうしたの、リョウタ?
リョウタ:面白い事になりそうだよ
ケイ:面白い事?
リョウタ:うん。高野の師匠の富岡って奴が、カイトとケンヤを狙ってるみたい
ケイ:へぇ・・・へぇええ
リョウタ:目つき、変わったね
ケイ:だってさ、そいつ、男狩りの師匠って事は、能力同じでしょ?
ケイ:誘惑(ゆうわく)の能力でカイトとケンヤを惑(まど)わせて、それでいたぶるの、目に見えてんじゃん。譲らねぇよ?
リョウタ:ふふ
ケイ:リョウタに痛い思いさせた奴を、なんで譲ってやんなきゃなんないわけ?あいつらを横取りしようってんなら、そいつ殺そ
リョウタ:そうだね
ケイ:そんで、カイトとケンヤにもたっぷり痛い目見せてあげるの
リョウタ:うん。俺とケイの受けた痛みの何十倍もの痛み、あいつらに味わわせてやろう?
ケイ:うん!それがいい!そうしよう!
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ケンヤ:ったく。買い出しくらい俺一人で充分だっての
カイト:いや、いつ奴らに出くわすかわからねぇんだ。できるだけ行動は共にした方がいい
ケンヤ:お前は俺の保護者か!
カイト:ちげぇよ。お前の鼻と俺の目、両方合わせても奴らの気配しかわからなかったんだ。一人で行動してる時に出くわしたら、それこそ詰みだろうが
ケンヤ:俺が奴らに負けるとでも?
カイト:あいつらが一般人なら、お前が勝つだろうさ。が、残念な事に奴らは能力者だ。用心に越した事はない
カイト:俺達は完全に奴らの反感を買っちまったようだからな
ケンヤ:それに関しちゃ、俺達だってやられてんだ。お互い様だろ
カイト:だからこそ、いつ出くわしてもいいように一緒に行動すんだよ
ケンヤ:はぁ・・・俺はそもそも群れるのは好きじゃねぇんだがな
カイト:わかってる。だが・・・俺はお前と違ってまだ傷が癒えてねぇんだ。お前の力が必要なんだよ
ケンヤ:けっ。男に言われても何も嬉しくねぇな
カイト:俺も女相手に言いたかったぜ
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富岡:なら、私はいかが?
カイト:なっ!
ケンヤ:誰だ、テメェ
富岡:初めまして。わたくし、富岡と申します。以後、お見知りおきを
ケンヤ:で?その富岡さんが俺達に何の用だよ?
富岡:いえ、偶然後ろを歩いておりましたら、どうやら女性をお求めのようでしたから。私、お水をしておりますので、素敵な殿方を前にそのようなお話を小耳にはさんでは、居てもたってもいられず・・・
ケンヤ:お呼びじゃねぇんだよ。消えな
カイト:待て。お前、ただ者じゃねぇな?
富岡:ええ。殿方を喜ばせるプロですわ
カイト:そういう意味じゃねぇ。普通の人間、ってわけじゃねぇだろ?
ケンヤ:だな。血の匂いがプンプンしやがる
ケンヤ:(血と・・・なんか、すげぇ・・・いい匂い・・・が・・・)
富岡:あら、レディの匂いを嗅ぐのはベッドの中だけにして下さる?
カイト:そのベッドは棺桶、なんてオチじゃねぇだろうな?
富岡:ふふふ。お上手だ事
カイト:はぐらかすな
富岡:嫌ですわ。そんな物騒なお話。そんな事よりも、今夜、私とご一緒して下さらない?
カイト:ご一緒、だと・・・?
富岡:ええ。私とお二人、三人で♡
ケンヤ:・・・とんだ痴女だな。だが、悪くねぇ
カイト:は?おい、ケンヤ?
富岡:うふふ、そちらのお兄さんはお誘いに乗って下さるという事でよろしいのかしら?
ケンヤ:ああ、いいぜ
カイト:おい!
ケンヤ:お前も来いよ、カイト
カイト:何、言って・・・
カイト:(・・・いや、でも・・・こんな機会は・・・あれ・・・?)
ケンヤ:こんないい女が誘ってくれてんだ。断るなんて無粋(ぶすい)だろ?
カイト:・・・あ、ああ・・・そう、だな・・・
富岡:まぁ嬉しい!では早速、お宿を決めましょう?
富岡:そうですねぇ・・・せっかくの三人ですから、アブノーマルなところが宜しいでしょうか・・・
ケンヤ:いいねぇ。野外プレイってか?
カイト:いや、せめて室内で、頼む・・・
カイト:(俺は・・・今、何を・・・?)
富岡:では、人目につかない廃墟、なんていかがです?スリルがあっていいでしょう?
ケンヤ:いいぜ。ちょうどいいとこ知ってんだ。なぁ、カイト
カイト:ああ・・・
富岡:まぁ!では、案内して頂けるかしら?素敵なベッドに♡
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0:高野と戦った廃墟にて
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ケンヤ:ここだ
カイト:いいところだろう?
富岡:ええ、とっても素敵。ここがあの子の最期の場所なのね
カイト:あの子?
富岡:ええ。あなた達が殺した私の可愛い弟子、高野里美(たかのさとみ)よ
ケンヤ:ああ、あいつか・・・あいつは・・・いい女だった・・・
カイト:ああ。忘れられない、女だ・・・
富岡:でしょうねぇ・・・忘れていたらどうしようかと思ったわ
ケンヤ:忘れねぇよ・・・
富岡:それで、あの子をどうやって殺したの?
カイト:それは・・・ターゲットにされたケンヤを囮にして・・・
ケンヤ:高野に惚れ込んだ俺がカイトを攻撃して・・・
カイト:それから・・・
富岡:それから?
ケンヤ:俺が、カイトのバディだった事を思い出して・・・
カイト:二人で、高野を攻撃して・・・
ケンヤ:俺がとどめをさした・・・
富岡:そう・・・二人で里美をいたぶってくれたわけね・・・
カイト:わ、悪い!あんたの弟子だったなんて知らなかったんだ!
ケンヤ:惚れた女をこの手にかけちまうなんて、俺はなんてことを・・・!
富岡:許さない・・・許さないわっ!
富岡:あの子が受けた痛みを、屈辱を、あんた達にじっくりと味わわせてあげる!
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ケイ:リョウタ!リョウタ!富岡があいつらに接触しちゃったよ!
リョウタ:わかってる。けどもう少し我慢
ケイ:なんで!?あいつら富岡にとられちゃうよ!?
リョウタ:大丈夫。富岡はあいつらをすぐには殺したりしない
ケイ:でも!
リョウタ:ケーイ。ケンヤが高野に誘惑されたのは、何でだった?
ケイ:それは、カイトの観察が甘かったから・・・
リョウタ:そう。で、富岡は高野の師匠。もちろん高野よりも能力は上。つまり?
ケイ:・・・しっかり能力を把握しとかないと私達もあいつらと同じ目に遭う
リョウタ:分かってんじゃん
ケイ:・・・ああ。あいつらを使って富岡の能力を見極めるって事か
リョウタ:そ
ケイ:さっすがリョウタだね!私達は安全に敵の能力を見極められるし、あいつらは同じ轍(てつ)を踏んで痛い目を見る。そんでもって富岡を排除したら今度は私達に痛めつけられる
ケイ:あはははは!敵ながら哀れなほどに滑稽(こっけい)だね!
リョウタ:最高だろう?
ケイ:うん!
リョウタ:じゃあケイ。頼むよ
ケイ:任せて!『リョウタの聴力は富岡の能力を聞き洩(も)らさない』
リョウタ:さぁ、聞かせろ。お前の能力を・・・
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0:廃墟
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富岡:分かるわよねぇ?私の可愛い里美を殺したんだから、どうすればいいか
カイト:ああ・・・
ケンヤ:あんたの言う事を何でも聞く・・・
カイト:それで、罪滅ぼしになるなら・・・
富岡:うふふふ。物分かりが良くて助かるわぁ。まぁ、私の力の前では男なんてみんなそうなるんだけれど
ケンヤ:まずは何をすればいい?
富岡:焦らないの。そうね、まずはあなたが怪我をさせたっていうカイトの肩を、このナイフでつついてみましょうか
ケンヤ:わかった
カイト:服は脱いだ方がいいよな
富岡:ええ。いい子ね
ケンヤ:ふんっ
カイト:ぐぁあああっ!
富岡:ああ・・・いい悲鳴よ・・・きっと、あの子の悲鳴には遠く及ばないでしょうけど
カイト:・・・っ、つ、次、は・・・?
富岡:あなたが銃でケンヤの足を撃ちぬいたんでしょう?もう一度、撃ちぬきましょう?
カイト:わか、った・・・
ケンヤ:がぁああっ!
富岡:ああ、これで、あの子の能力が効いていたところまでの再現はできたのね
カイト:あ、ああ・・・
富岡:じゃあここからが本番。あの子は香りと視線で男を落としていた。けれど私はさらに言葉でも誘惑できる
富岡:さぁ、今度はあなた達があの子にした仕打ちを、自分達にする番よ
ケンヤ:わか・・・った・・・
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リョウタ:おっと、これはまずいな
ケイ:何?どうしたの?
リョウタ:富岡の能力はわかった。匂いと視線と言葉での誘惑らしい
ケイ:え、ずるくない?
リョウタ:男には、らしいから。女には効かないのかも知れん
ケイ:うーん・・・微妙なとこだなぁ・・・
リョウタ:けどもう待ってられそうにないんだよね
ケイ:え?
リョウタ:カイトとケンヤに、高野にした攻撃と同じ攻撃を、お互いにするように命じてる
ケイ:え!あいつらお互いに殺しあっちゃうじゃん!
リョウタ:うん。だから、もう割り込みに行かないと
ケイ:分かった!じゃあ急ご!『私とリョウタの足は速い!』
0:
0:
0:廃墟
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ケンヤ:オラァ!
カイト:クッ!このっ!
ケンヤ:クソッ、足が・・・っ!
カイト:ちょこまかと逃げやがって・・・!
富岡:いいわぁ、いいわぁ・・・そうやってあの子を追い詰めたのね・・・
富岡:そのまま自分達も追い詰めるといいわ!
0:
リョウタ:させねぇよ?
リョウタ:イヤージャック!
ケイ:『私とリョウタ以外動くな!!』
カイト:なっ!
ケンヤ:ぐっ!
富岡:な、何!?
リョウタ:おーおー、割とぎりぎりだったな
ケイ:セーフだったね
富岡:誰よ、あんた達!
リョウタ:ここで素直に名乗る馬鹿がいるか?
ケイ:富岡春香(とみおかはるか)、だっけ。悪いけどさぁ、そいつらに先に目ぇつけてたの、私らなんだわ
ケイ:勝手に手ぇ出してんじゃねぇよ
ケンヤ:お、前、ら・・・
カイト:なん、で・・・ここに・・・
リョウタ:どっかのお馬鹿さん二人組が、同じ手に引っかかって殺られそうになってるから、わざわざ助けに来てやったんだよ
ケイ:テメェらにここで死なれちゃ、借りが返せねぇだろうが
リョウタ:ったく、世話の焼ける敵さんだな
ケイ:全くだぜ
富岡:何なのよ、あんた達!
ケイ:効きが悪ぃな・・・『富岡、黙れ』
富岡:ぐっ!?
カイト:テ、メェ・・・ら・・・
ケイ:あんたらさぁ、ばっかじゃねぇの?一回引っかかった事になんでまた引っかかってんのさ
リョウタ:学習能力皆無だな
ケンヤ:何、言って、やが・・・
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『カイトとケンヤは洗脳されてない』
カイト:っ!・・・あ、あれ・・・俺、達・・・
ケンヤ:なんでまた、ここに・・・?
富岡:くっ!!
リョウタ:そこの女にまんまと誘惑されて、互いに殺し合ってたんだよ
カイト:そん、な!
ケンヤ:クソッ!
リョウタ:少しは学習しような?
ケイ:ま、おかげで私達はそいつの能力が分かったわけだけど
カイト:俺達を、囮に使ったのか・・・!
ケイ:馬鹿言うんじゃねぇよ
リョウタ:見つけた時にはもう富岡に目ぇつけられてたんだよ
ケイ:私達にばっか気が向いて、周りが見えてなかったんだねぇ。目の能力者のくせに
カイト:くっ!
ケンヤ:・・・おい、一つ聞かせろ。何で俺達を助けた?
ケイ:助けた?
リョウタ:おーおー、勘違いしてんなぁ
リョウタ:助けたんじゃねぇよ。横取りされないようにしただけだ
富岡:こ、の・・・っ!
リョウタ:お前らはそこで見てな
ケイ:私達が、あんたらが負けた奴を悠々(ゆうゆう)と叩きのめす姿をね!
ケンヤ:ふざけんなっ!そいつは俺達が
ケイ:できるわけねぇだろ、その怪我で
カイト:戦える!
リョウタ:大人しくしてろ。富岡を殺したら、次はお前らだ
富岡:く、この・・・っ!
ケイ:さすがに強いなぁ。もう喋り始めてる
リョウタ:さっさとご退場願おうか
0:
0:銃を構えるリョウタ
0:
富岡:くぅ!私を、守れ!
ケンヤ:っ!体が!?
ケンヤ:ぐぁあああっ
リョウタ:おっと
カイト:ケンヤ!
ケイ:ケンヤが富岡の盾に!?
リョウタ:狼男の血を引いてるのが仇(あだ)になったな。匂いと言葉で操ったか
ケイ:ああもうめんどくさいなぁ!
ケイ:『富岡に魅力なんてない!』
リョウタ:おいケイ!
ケイ:げほっげほっ!
富岡:はんっ!人の能力に過干渉すれば、己に返ってくる事も知らないの?おチビちゃん
ケンヤ:いや、ナイスだぜ、言霊使い!オラァ!
富岡:くっ!?
0:
カイト:・・・またあんたらに救われたな・・・ケイが能力を酷使(こくし)したお陰で、富岡の能力が薄れた
カイト:これなら俺もケンヤも動ける
ケイ:テメェらは足でまといっげほ
リョウタ:(小声で)・・・ケイ、気持ちはわかるが、ここは奴らを利用しよう
ケイ:(小声で)利用・・・?
リョウタ:(小声で)そう、利用
ケイ:(小声で)わかった・・・
0:
ケンヤ:避けんなやッラァ!!
富岡:レディにっ!暴力なんて!最低ね!
0:
リョウタ:おいカイト。ここは共闘といこうじゃないか
カイト:・・・ああ。悔しいが、俺達だけじゃあいつには勝てねぇ
リョウタ:こっちもあんまりケイに負担をかけたくないからな
ケイ:私は・・・っ!・・・けどまぁ、リョウタが言うなら、仕方ない
リョウタ:そうと決まれば、ケイは能力に集中して。ケンヤが誘惑されないように。カイトは俺と一緒にケイを守りつつケンヤの援護だ
カイト:指図されるのは癪(しゃく)だが・・・わかった!
リョウタ:行くぞ!イヤージャック
ケイ:『ケンヤに富岡の能力は効かない!』
カイト:当たれぇえ!
リョウタ:・・・(無言で発砲)
富岡:くっ!このっ!寄ってたかってっ!
ケンヤ:テメェら!俺に当てんじゃねぇぞ!?特にリョウタ!
リョウタ:おーおー、当たんないように動いてくれや
ケンヤ:ぁあ!?
カイト:よそ見すんな!
富岡:はぁあっ!
ケイ:『効かないよ!』
富岡:チッ!
富岡:(後ろのチビをどうにかしないと、私の能力が弱まる!けど、手前の奴ら三人が邪魔!)
ケンヤ:戦いの最中に考え事かぁ!?
富岡:キャッ!
リョウタ:今だ!
カイト:オラァアアアア!
富岡:きゃぁあああ!助けてぇええ!!
0:
0:富岡の声に反応するように、物陰から人が飛び出してきた。
0:
ケンヤ:なぁ!?
カイト:誰だ、あのおっさん!?
ケイ:チッ!食い残しか!
リョウタ:虫の息だからって放置するんじゃなかったな
富岡:はぁっ、はぁっ・・・危なかったわ・・・
富岡:・・・ああ・・・私の可愛い子ブタちゃん・・・私のためにこんなになっちゃって・・・許さない・・・許さないわっ!
富岡:里美だけじゃなく、ペットまで私から奪うなんて!!
カイト:ペット、だと?
ケンヤ:趣味悪っ!
富岡:うるさい!!
富岡:(でも分が悪いのは確か・・・ここはっ)
富岡:ケンヤ!後ろの大きい奴があなたを狙ってた事、気付かなかったの!?
ケンヤ:何!?
リョウタ:は?狙ってねぇよ
富岡:嘘よ!私は確かに見たわ!
ケイ:リョウタが嘘つくわけねぇだろふざけんな!
カイト:ケンヤ!惑わされるな!
ケンヤ:え?あ、お、おう!
富岡:(今のうちに・・・っ!)
ケイ:『動くな富岡ぁ!!』
富岡:ぐぅっ!!
ケイ:よくもリョウタに攻撃の目を向けさせようとしやがったな、クソアマ・・・
リョウタ:落ち着けケイ
ケイ:『私は誘惑されない』
リョウタ:ケイ!
ケイ:チェンジだ犬っころ!
ケンヤ:誰が犬っころだ!
ケイ:切り刻んでやらぁあ!!
富岡:くっ!体が!!
カイト:おいリョウタ!テメェの相棒、突っ走ってんぞ!
リョウタ:チッ。とにかく援護だ!間違ってもケイに当てんじゃねぇぞ!
カイト:わかってらぁ!
富岡:いやっ!ケンヤ!私を守って!
ケンヤ:う、ぐぅう・・・っ!
カイト:耐えろケンヤ!
ケイ:死ねやオラァア!!
リョウタ:ケイ!
富岡:きゃあああああ!!
ケイ:どけよケンヤァ!!
ケンヤ:わ、悪ぃ!体が、勝手に!
カイト:くっ、すまん、ケンヤ!俺の目を見ろ!
ケンヤ:っ!
カイト:『その場から動くな』
ケンヤ:っああ!
リョウタ:やるじゃねぇか。ケンヤから引き離せ、ケイ!
ケイ:おう!
富岡:いやっ、来るな!来るなぁあ!!
カイト:すばしっこいな!
リョウタ:イヤージャック!
ケイ:『止まれ、富岡!』
ケイ:はぁあああああ!!!!
富岡:いやぁあああああああ!!!!
0:
0:鮮血があたりに飛び散った
0:
ケイ:はぁ・・・はぁ・・・
リョウタ:大丈夫か、ケイ!
ケイ:うん・・・ちょっと、疲れた・・・
富岡:・・・ぐ・・・ぅ、う・・・
リョウタ:まだ生きてやがったか
0:
0:数発の銃弾が、富岡の頭や体を撃ちぬいた
0:
0:
ケンヤ:おい、富岡はどうなった?片はついたのか!?
カイト:ああ。富岡は死んだ。もう動いていいぞ
ケンヤ:ふぅ・・・
0:
ケイ:・・・リョウ・・・タ・・・疲、れ・・・
リョウタ:ケイ!・・・ったく、能力の使いすぎだ
リョウタ:おい、そこの怪我人共
ケンヤ:あ?
リョウタ:富岡を殺したら次はお前らだって言ったけどな。事情が変わった
カイト:・・・・・・だろうな・・・
リョウタ:一週間後だ。一週間後、あんたらとの決着は、ここでつける
ケンヤ:上等じゃねぇか!
カイト:・・・いいだろう。それまでは互いに接触はなし。それが条件だ
リョウタ:ハッ。ケイが寝てるとは言え、助太刀(すけだち)してやった上に見逃してやってんのはこっちだぜ?
ケンヤ:んだと!?
カイト:ケンヤ。確かにテメェの言う通りだ。が、怪我してるとは言え、今は一対二。分が悪いのはそっちなんじゃねぇのか?
リョウタ:言うじゃねぇか
カイト:一週間、お互い療養(りょうよう)期間と・・・いこうじゃ、ねぇ、か・・・
ケンヤ:あ、おいカイト!?
リョウタ:おーおー、血の流し過ぎでぶっ倒れてんじゃねぇか
リョウタ:で?起きてるのは俺とお前だけになったわけだが、どうする?
ケンヤ:・・・俺一人でもやれるけどな。残念ながら俺達はバディ。二人で行動するもんだ。だから、この戦いはお預けだ
リョウタ:ほーお?待てができるとは、偉いじゃないか。いいぜ。俺も戦うならケイが起きてる時がいい。勝手に片づけたら拗(す)ねるからな
リョウタ:って事で、一週間後だ
ケンヤ:ああ。一週間後、テメェら二人、まとめて血祭りにあげてやるよ
リョウタ:おーおー、言ってろ
0:
ケンヤ:・・・今回は助けられた・・・が、次会ったらぜってぇぶっ殺す!
0:
リョウタ:ケイ、起きたら拗ねるだろうな・・・けど、一週間、我慢な
リョウタ:一週間したら、ケイを傷つけた奴らをフルボッコにしてやるから、な
0:
0:
0:ケンヤとリョウタはそれぞれの相方を抱え、背を向けて己のアジトへと戻っていった
0:
0:続く
0: