台本概要

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タイトル あなたのこと
作者名 VAL  (@bakemonohouse)
ジャンル ホラー
演者人数 1人用台本(女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 母から息子にあてた言葉です。
5分ほどだと思います。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
1
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
私:私はあなたのことをたくさん知ってる。いつもはぶっきらぼうに見えるけど、実は誰よりも優しい不器用な子だって事。 私:本当は好きなのに自分に自信が無くて、言葉にできないままずっと引きずってしまう事。 私:落ち込んでる時、周りに悟られないようにいつもよりも明るく振る舞ってしまう事。 私:あなたはそれを周りに言われると否定するけど、みんなわかってるんだよ?だってあなたはすぐに顔に出るから。 私:あなたが大好きだった犬のサニー。捨て犬だったあの子を見た時、あなたは何も言わなかった。でも私はすぐに気付いたよ。ああ。この子を連れて帰りたいんだなって。 私:連れて帰っていいよ。って言った時、花が咲いた様に笑ったね。私はあの笑顔を今でも忘れません。太陽よりも眩しく思いました。 私:それからご飯の度に楽しませてもらいました。苦手なものが出てきた時の苦笑い。実は私、あの顔好きなの。可愛くて仕方なかった。 私:そういえば、うちのハンバーグ。人参が入っていたの知っていましたか?あなたが大嫌いな野菜です。多分気付いていなかったと思います。だってハンバーグの度に声のトーンが1つ上がるんだもの。とても幸せでした。 私:学校でテストが始まってからは毎日大変でしたね。苦手教科の理科はいつも残念な点数だったのを覚えています。 私:こんなの将来使わないよ!って言ったあなたに私は叱ったと思います。今だからちゃんと伝えます。はい。使いません。少なくとも私は使ったことありません。あなたが正しかったと思います。 私:受験生になってちょうど反抗期が来ましたね。呼び方がママから母さんに変わった時、もしかしたらそろそろかな?と心構えはしていましたが、実際訪れると傷つくものですね。 私:喧嘩してしばらくたった母の日、ごめんって一言だけ書いた手紙と1輪のカーネーションが机の上に置いてありましたね。それが嬉しくて、でも枯れるのが悲しくて写真を撮りました。今でも私の宝物です。 私:社会人になってからは毎日忙しくなりましたね。顔を合わす時間も減ってきたと思います。少し寂しいですけど、あなたの頑張る後ろ姿を見送るのは嬉しいです。 私:体には充分気を付けてください。まだ若くても後でそのしわ寄せが来ますよ。これは私の体験談なので間違いありません。 私:私はあなたの事を沢山知っています。 私:……でも知らない事もあります。1つ質問してもいいですか? 私:今日一緒に歩いていた女性は誰ですか?他の場所に行くつもりなんですか?私の幸せを奪うつもりなんですか? 私:あの女から貴方を奪ったしわ寄せですか?全部知ってるんですか?知ってしまったら私を母とは呼んでくれないですか? 私:あなたは……私の全てを知っていますか?

私:私はあなたのことをたくさん知ってる。いつもはぶっきらぼうに見えるけど、実は誰よりも優しい不器用な子だって事。 私:本当は好きなのに自分に自信が無くて、言葉にできないままずっと引きずってしまう事。 私:落ち込んでる時、周りに悟られないようにいつもよりも明るく振る舞ってしまう事。 私:あなたはそれを周りに言われると否定するけど、みんなわかってるんだよ?だってあなたはすぐに顔に出るから。 私:あなたが大好きだった犬のサニー。捨て犬だったあの子を見た時、あなたは何も言わなかった。でも私はすぐに気付いたよ。ああ。この子を連れて帰りたいんだなって。 私:連れて帰っていいよ。って言った時、花が咲いた様に笑ったね。私はあの笑顔を今でも忘れません。太陽よりも眩しく思いました。 私:それからご飯の度に楽しませてもらいました。苦手なものが出てきた時の苦笑い。実は私、あの顔好きなの。可愛くて仕方なかった。 私:そういえば、うちのハンバーグ。人参が入っていたの知っていましたか?あなたが大嫌いな野菜です。多分気付いていなかったと思います。だってハンバーグの度に声のトーンが1つ上がるんだもの。とても幸せでした。 私:学校でテストが始まってからは毎日大変でしたね。苦手教科の理科はいつも残念な点数だったのを覚えています。 私:こんなの将来使わないよ!って言ったあなたに私は叱ったと思います。今だからちゃんと伝えます。はい。使いません。少なくとも私は使ったことありません。あなたが正しかったと思います。 私:受験生になってちょうど反抗期が来ましたね。呼び方がママから母さんに変わった時、もしかしたらそろそろかな?と心構えはしていましたが、実際訪れると傷つくものですね。 私:喧嘩してしばらくたった母の日、ごめんって一言だけ書いた手紙と1輪のカーネーションが机の上に置いてありましたね。それが嬉しくて、でも枯れるのが悲しくて写真を撮りました。今でも私の宝物です。 私:社会人になってからは毎日忙しくなりましたね。顔を合わす時間も減ってきたと思います。少し寂しいですけど、あなたの頑張る後ろ姿を見送るのは嬉しいです。 私:体には充分気を付けてください。まだ若くても後でそのしわ寄せが来ますよ。これは私の体験談なので間違いありません。 私:私はあなたの事を沢山知っています。 私:……でも知らない事もあります。1つ質問してもいいですか? 私:今日一緒に歩いていた女性は誰ですか?他の場所に行くつもりなんですか?私の幸せを奪うつもりなんですか? 私:あの女から貴方を奪ったしわ寄せですか?全部知ってるんですか?知ってしまったら私を母とは呼んでくれないですか? 私:あなたは……私の全てを知っていますか?