台本概要
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タイトル | 【中編】「劇場版!女児たちのお戯(たわむ)れ」 |
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作者名 | ふらん☆くりん (@Frank_lin01) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 7人用台本(男1、女6) ※兼役あり |
時間 | 50 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
【あらすじ】 ついにあの作品が劇場版に! なんやかんやで始まった究極の「ヒーローごっこ」。果たして、物語はどんな展開を迎えるのか! ※この作品は「女児たちのお戯(たわむ)れ」の劇場版【中編】となっております。3部作構成となっておりますので、前編・中編・後編を通しで演じてくださるとありがたいです。 【著作権について】 本作品の著作権は全て作者である「ふらん☆くりん」に帰属します。 また、いかなる場合であっても当方は著作権の放棄はいたしません。 【禁止事項】 ●商業目的での利用 ●台本の無断使用、無断転載、自作発言等 ●過度なアドリブ、セリフの大幅な改変等 【ご利用に際してのお願い】 ●台本の利用に際しては作者X(旧ツイッター)DMに連絡をお願いいたします。 ●配信等で利用される場合は①作品名、②作者名、③台本掲載URLを掲示していただけると嬉しいです。 ●たくさんの方の演技を聴きに行きたいので、可能であれば告知文にメンションを付けていただけると嬉しいです。 347 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
まさみ | 女 | 39 | さくら組の幼稚園児。少しお転婆な女の子。【光の戦士クリスタル・ブルー役(兼役/ヘンゲルの母役)】 |
ゆず子 | 女 | 35 | いちご組の幼稚園児。しっかり者でお姉さんタイプの女の子。【光の戦士クリスタル・レッド役】 |
えりな | 女 | 32 | もも組の幼稚園児。少し幼い感じの女の子。【光の戦士クリスタル・グリーン役】 |
たえこ | 女 | 34 | ひまわり組の幼稚園児。元気いっぱいの女の子。【光の戦士クリスタル・イエロー役】 |
さゆり | 女 | 38 | ばら組の幼稚園児。優しくて真面目な性格の女の子。【光の戦士クリスタル・パープル役(兼役/召使い役)】 |
ふとし | 男 | 43 | たんぽぽ組の幼稚園児。あかねと同じクラスでガキ大将的存在だが、実は寂しがり屋な一面もある。【闇皇帝ヘンゲル(兼役/施設職員役、国のお偉いさん役)】 |
あかね | 女 | 37 | たんぽぽ組の幼稚園児。大人しい性格で人見知り。【謎のヒロイン役(兼役/ヒーロー編の5人を連行する人役)】 |
ナレーション | 不問 | 3 | どなたかが兼ね役で読んでください。 |
民衆 | 不問 | 3 | ゆず子、えりな、たえこ、あかね役の方が演じてください。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
タイトル:劇場版!女児たちのお*戯《たわむ》れ【中編 】
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登場人物:
まさみ:さくら組の幼稚園児。少しお転婆な女の子。【光の戦士クリスタル・ブルー役(兼役/ヘンゲルの母役)】
ゆず子:いちご組の幼稚園児。しっかり者でお姉さんタイプの女の子。【光の戦士クリスタル・レッド役】
えりな:もも組の幼稚園児。少し幼い感じの女の子。【光の戦士クリスタル・グリーン役】
たえこ:ひまわり組の幼稚園児。元気いっぱいの女の子。【光の戦士クリスタル・イエロー役】
さゆり:ばら組の幼稚園児。優しくて真面目な性格の女の子。【光の戦士クリスタル・パープル役(兼役/召使い役)】
ふとし:たんぽぽ組の幼稚園児。あかねと同じクラスでガキ大将的存在だが、実は寂しがり屋な一面もある。【闇皇帝ヘンゲル(兼役/施設職員役、国のお偉いさん役)】
あかね:たんぽぽ組の幼稚園児。大人しい性格で人見知り。【謎のヒロイン役(兼役/ヒーロー編の5人を連行する人役)】
ナレーション:どなたかが兼役で読んでください。
民衆:ゆず子、えりな、たえこ、あかね役の方が演じてください。
:
:『』のセリフ以外は基本的に幼稚園児の声で演じてください。
:(M)はモノローグ(独白)、〈〉はト書き、()は心の声です。
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本編:
ナレーション:これは、とある幼稚園を舞台にした仲良し女児5人組が織り成すハートフルコメディの「劇場版【中編】」である。
ナレーション:前回までのあらすじ。何の*因果《いんが》か、たんぽぽ組のお友達、あかねちゃんの相談を受けることになった女児たち5人組。あかねちゃんに付きまとっていたふとし君も巻き込んでの究極の「ヒーローごっこ」が今、幕を開けるのであった。
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たえこ:じゃあそろそろはじめよっか。3・2・1あくしょん!!
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:【究極の「ヒーローごっこ」スタート!】(ここからは『』以外は幼稚園児の声で演じてください)
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あかね:「わたしはだれ?どこからきたの?ねぇ!だれかこたえてよぉ!!おねがい…おねがいだから!」
あかね:はっ!〈目が覚める〉
あかね:…はぁ、はぁ…ゆめ…か…。
あかね:(M)まいばんのようにおなじゆめをみる。わたしはくらやみにむかってなんどもおなじしつもんをくりかえす。だが、いくらこえをからそうともへんじはない。そしてきまって、わたしはなきさけびながらあさをむかえるのだった。
:
たえこ:〈大人口調で〉『2050年*某月某所《ぼうづきぼうしょ》』
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:くそぉ!!なんでこうもうまくいかないんだ!
ふとし:〈大人口調で〉『(M)「全人類*闇人化《やみびとか》計画」…この闇皇帝ヘンゲル様が*直々《じきじき》に考案した新たな侵略作戦だ。今までの侵略者のような破壊と恐怖による侵略ではなく、人の心の*隙間《すきま》に「闇の種子」を埋め込むことで、対象の人間を洗脳し、俺たちと同じ種族に作り替える。まさに平和的かつ理想的な作戦だった。それなのに…。』
ゆず子:【クリスタル・レッド】
ゆず子:くりすたるふぁいやーすとーむ!!
ゆず子:〈浄化の炎が闇人たちを包み込む〉
えりな:【クリスタル・グリーン】
えりな:れっどないす!やみびとかしたにんげんがもとにもどっていくわ!そんじゃあたしも!くりすたるろーりんぐとるねーど!
えりな:〈浄化の竜巻に闇人たちが巻き込まれていく〉
ふとし:や、やめろ!おれの、おれのけいかくのじゃまをするなぁぁ!!
まさみ:【クリスタル・ブルー】
まさみ:このちょうしでどんどんいくよ!くりすたるうぉーたーすぷらーっしゅ!
まさみ:〈浄化の大波が工作員を飲み込んでいく〉
たえこ:【クリスタル・イエロー】
たえこ:こっちはまかせて!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!
たえこ:〈浄化の雷が工作員に落ちる〉
さゆり:【クリスタル・パープル】
さゆり:あたしだってまけないんだから!くりすたるひーりんぐしゃわー!
さゆり:〈浄化のシャワーが工作員の頭上に降り注ぐ〉
ふとし:うぬぬ…やみびとかしたにんげんだけでなく、こうさくいんまでじょうかするとは…しかたない。きょうのところはここまでにしといてやる!だが、つぎにあうときはこうはいかないからな!おぼえてろよ!
:
:-------------------回想シーン
ふとし:【ヘンゲル】
ふとし:なんということだ…だれよりもつよかったあのちちうえが、びょうきごときでいのちをおとすとは。なんとあっけない。
まさみ:【ヘンゲルの母】
まさみ:へんげる…きをたしかにもつのです。これからはあなたがやみこうていのなをひきつぎ、このていこくにはんえいをもたらさなければならないのですよ。
ふとし:ふふふ…。
まさみ:なにがおかしいのです?
ふとし:ははうえ、これがわらわずにいられましょうか!おれはいま、わきあがるこうようかんをおさえるのにひっしなのです!ようやくうるさいちちうえがいなくなった!これからはこのおれが「やみこうていへんげる」として、このていこくだけでなく、このうちゅうをもしはいしてくれようぞ!ふはははは!!!
まさみ:へんげる、いせいがいいのはけっこうですが、ちちをぐろうすることはだんじてゆるしません!
ふとし:ははうえ、あなたもおれのけいかくにはじゃまなのですよ。
まさみ:な、なにをいっているの?
まさみ:〈大人口調で〉『(明らかに様子がおかしい…それにヘンゲルから漂うこの邪悪なオーラは何?)』
ふとし:〈大人口調で〉『(ほう…今の瞬間、母上の心に*隙間《すきま》ができたぞ。ちょうど良い、こいつを試す良い機会だ。)』
ふとし:そらよ!〈母の心に闇の種子を埋め込む〉
まさみ:なっ?
まさみ:(こ、これは!まさかやみのしゅし!なぜこのこがこんなものをもっているの?あ…あぁ!わたしのなかでしゅしがめぶいてひろがっていく!あ、あなた…わたしは…もう…。)
ふとし:ふふふ…どうだ?やみにそめられたきぶんは?
まさみ:うふふ…さいこうですわ!へんげるさまぁ♡わたくしのこのいのち、ごじゆうにおつかいください。
ふとし:よし、じっけんはせいこうだ。
さゆり:【召使い】
さゆり:おめでとうございます、へんげるさま。これであなたさまは、はれてやみこうていのざにしゅうにんされました。これからどうなさいますか?
ふとし:めしつかいよ、つぎはこのほしをわがものとする。
さゆり:ちきゅう…ですか?
ふとし:そうだ。このほしをしんりゃくして、ていこくはんえいのいしづえとしてくれるわ!ふははは!!
:
:-------------------(闇皇帝就任式にて)
さゆり:それではへんげるさま、みんしゅうのまえでたからかにせんげんなさってくださいませ。
ふとし:うむ…。みなのもの!このたび、わがいだいなるちち「やみこうていばいどる」は、やまいにたおれ、しんだ。そしておれはちちよりせいしきにやみこうていのざをひきつぐことになったのだ!
民衆:わー!!〈歓声〉
ふとし:おれはこれからちきゅうをしんりゃくし、わがものとする!そしておれはかならずやそのいぎょうをたっせいし、わがていこくにさらなるはんえいをもたらすことをここにせんげんする!
民衆:わー!!へんげるさまばんざーい!!〈歓声〉
まさみ:まぁ!!なんとりりしいおすがた!!へんげるさまこそ、わがていこくのおうにふさわしいおかたですわ!
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ふとし:えんぜつはおわったぞ。これよりさくせんをすいこうする。まずはてはじめにこうさくいんをちきゅうにおくりこむのだ!
さゆり:はっ!おおせのままに!
:-------------------(回想終了)
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ふとし:おのれ…ひかりのせんしえんじぇる・くりすたるめ!やみこうていのいしんにかけて、かならずやきさまらもろともちきゅうをわがものにしてくれるわ!
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:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あー…つかれた。
ゆず子:あれだけのてきをじょうかしたんだもの。とうぜんよ。
たえこ:でもさっきのせんとうでだいぶてきのせんりょくをけずれたんじゃない?
さゆり:そうね。さすがにしばらくはうごけないはずよ。
まさみ:わたしはまだたたかいたりないけどね!
たえこ:じゃあつぎはもっとはたらいてもらわなくちゃね!
まさみ:げげっ!いまのなし!
ゆず子:あはは!
:-------------------(カランコロンと来客を告げる音がする)
えりな:おっ!ひさびさのおきゃくさまだ!
さゆり:いらっしゃいませ!
ゆず子:どうぞゆっくりみていってくださいね。
あかね:あ…はい。
まさみ:どうです?かわいいしょうひんがいっぱいでしょ?
あかね:はい。おみせのふんいきもぴんくでとういつされていて、なんだかめるへんちっくですてきです。
えりな:でしょでしょ?こだわってつくったんだぁ!ほめてくれてうれしいな。
あかね:そんな…おもったことをいっただけです。
たえこ:じゃあ…ほめていただいたおれいに、これ、わたしたちからのぷれぜんとです。
あかね:え…いいんですか?こんなたかそうなねっくれす…。
たえこ:いいんですよ。せっかくのごえんですからうけとってください。もしよかったらつけてみますか?
あかね:はい!〈ネックレスを着ける〉
さゆり:まあ!とってもおにあいですよ。
ゆず子:おきゃくさまにぴったりですね!
えりな:ほんとほんと!すごくすてき!
あかね:ありがとうございます…ぐすん…うう…。〈嬉しさのあまり泣き出す〉
たえこ:おきゃくさま、どうかなさいましたか?
あかね:ごめんなさい…こんなによくしてもらったの、うまれてはじめてだったから…。
ゆず子:そうだったの。
えりな:そうだ!せっかくだし、わたしたちおともだちにならない?
あかね:え…?
まさみ:それいいね!なろなろ!
あかね:わたしと…ともだちになってくれるの?
たえこ:ええ。あなたさえよければ。
あかね:はい!よろこんで!
ゆず子:じゃあまずはじこしょうかいからかな。わたしはゆず子、よろしくね。
えりな:アタチはえりな!
さゆり:あたしはさゆりよ。
まさみ:まさみだよ!よろしくね!
たえこ:アタイはたえこ。よろしく。
あかね:わ、わたしはあかねっていうの。よ、よろしくね。
ゆず子:そんなにきんちょうしなくてもだいじょうぶだよ。
あかね:だって…ともだちなんてできたことないから。
たえこ:いいのよ。じょじょになれていけば。
まさみ:そうそう。あせんなくてもだいじょうぶ。
えりな:ねぇみんな、せっかくあかねちゃんとおともだちになれたわけだし、これからおしゃべりたいむにしない?
ゆず子:さんせい!
まさみ:わたしも!
たえこ:いいね!いっぱいはなそう!
さゆり:あたしもさんせい!あかねちゃんともっとなかよくなりたい。
あかね:わ、わたしもみなさんとたくさんおしゃべりしたいです。
えりな:おっけー!じゃあおしゃべりたいむすたーと!
あかね:(M)こうしてわたしははじめてはいったこのみせで、とてもすてきなひとたちにめぐりあえたのだった。はじめてのともだち、はじめてのおしゃべりかい…そのすべてがしんせんで、たのしくて、わたしはときがすぎるのもわすれていた。
まさみ:あ、もうこんなじかん。
たえこ:たのしいじかんはあっというまだね。
えりな:それじゃそろそろおひらきにしますか。
ゆず子:そうだね。めっちゃたのしかった。
あかね:わたしも!またみんなとおしゃべりしたいな。
さゆり:いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:うん!またくるね!
:-----------------------------
あかね:あー、たのしかった。まさかわたしにこんなにたくさんのおともだちができるなんて…ゆめみたい。
あかね:(M)そう…おもえばわたしはうまれてからずっとひとりぼっちだった。
:
:-------------------回想シーン
あかね:ねぇ、しせつのしょくいんさん。わたしのおとうさんとおかあさんはどこにいるの?
ふとし:【施設職員】
ふとし:あかね、なんどもいわせないでくれ。きみのごりょうしんはね、きみがうまれたあとすぐにじこでなくなったんだ。
あかね:そっか…しんじゃったんだ。
ふとし:さあ、わかったらへやにもどってべんきょうでもしてなさい。
あかね:はい…。
ふとし:(そうだ、それでいい。おまえはここでおとなしくかわれていればいいんだ。)
あかね:〈大人口調で〉『(M)私の本当の名はあかねではない。あかねという名前は施設の職員が付けたものだ。私には幼い頃の記憶がなかった。自分が何者なのか、どこから来たのかさえも分からない。ただ一つ確かなことがあるとすれば、自分が何か特別な存在としてこの世に生を受けた感覚があることだけだ。』
あかね:…このままずっとひとりぼっちなのかな。
:-------------------回想終了
:
さゆり:〈フラッシュバック〉いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:わたし、もうひとりじゃないんだ。うふふ…とってもしあわせ。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(そうね、みんながあなたのものになればもっとしあわせになれるわよ)
あかね:え?なに?いまのこえ。…きのせい…か。
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あかねちゃん、いいこだったね、
まさみ:そうだね。さいしょはおとなしくてさびしそうなかんじだったけどね。
ゆず子:わたしもおもった。かこになにかかなしいことがあったかのような。
さゆり:そうね。でもあたしたちとおしゃべりしてだいぶふっきれたみたいね。
たえこ:うん。またきてくれるといいな。
えりな:そのときはまたみんなでおしゃべりしたいね。
まさみ:うん!もちろん!
ゆず子:はぁ…このままてきがしんりゃくをあきらめてくれたらいいのにな。
たえこ:ほんとそうよね。
まさみ:いっそこっちからせめこんじゃうってのはどう?
さゆり:それはあまりさんせいできないかも。
まさみ:どうして?わたしはこのままうけみのせんとうをつづけていてもきりがないとおもうけどな。
ゆず子:たしかにまさみのいうこともいちりあるきはするけどね。ただ、てきのきぼやせんりょくがわからないじょうたいで、うかつにこちらからせめこむのはきけんだわ。
たえこ:ゆず子のいうとおりね。わたしたちはちきゅうをまもるさいごのとりでなんだから、こうどうはしんちょうにしないとね。それに「えんじぇる・くりすたる」が、くにのかんかつかにおかれているいじょう、めいれいがいのかってなせんとうはゆるされていないしね。
えりな:あー!なんかもどかしいなー!ていうかさ、そもそもさいしょのけっせいだんかいからおかしくなかった?
まさみ:そうそう、なんかわけわかんないままつれてこられてさぁ…。
さゆり:そういやそうだったわね。
:
:-------------------回想シーン
ゆず子:くっ…いったいなんなんですか!
えりな:ほんとほんと!わたし、おしごとのまっさいちゅうだったのに!
たえこ:わたしもまちあるいてたらいきなりつかまってれんこうされたのよ!
さゆり:ちゃんとせつめいしてもらえるんでしょうね?
まさみ:なっとくできないようなりゆうだったらゆるさないからね!
あかね:【5人を連行した人】
あかね:きみたち、ほんとうにすまなかったね。じつはげんざい、きんきゅうじたいがはっせいしていてね、ぜひきみたちのちからをかりたいんだ。くわしいないようはこれからせつめいがあるから、ちゃんときくように。
:------------------部屋の奥から人影が現れる
ゆず子:え?あのひとってまさか…。
まさみ:うん。たぶんそうよね。
たえこ:ゆめ…じゃないわよね?
さゆり:わたし、はじめてみたんだけど。
えりな:ねぇ!なんであなたがここにいるんですか?おしえてください!
ゆず子:おえらいさん!〈同時に〉
まさみ:おえらいさん!〈同時に〉
さゆり:おえらいさん!〈同時に〉
たえこ:おえらいさん!〈同時に〉
えりな:おえらいさん!〈同時に〉
ふとし:【国のお偉いさん】
ふとし:しょくん、てあらなまねをしてもうしわけない。じつは、ちきゅうはいまねらわれている。しょくんらもきいたことがあるだろう?あるひとつぜんひとがかわったかのようにきょうあくになったひとたちのことを。
たえこ:あー、そういえば、にゅーすでいってたかもしれない。
ふとし:そう、まさにそのことだよ。そしてそのげんきょうがこのじんぶつだ。
ゆず子:このひとは?
まさみ:どこかにんげんとはすこしちがうような…。
ふとし:そうだ。このじんぶつは「やみこうていへんげる」といって、まあかんたんにいってしまえばちきゅうをしんりゃくしにきた、いせいじんのおやだまだ。
えりな:やみこうていへんげる…。
たえこ:じゃあこいつがにんげんをきょうあくにかえてるってこと?
ふとし:そのとおりだ。しかもわるいことに、こいつはにんげんのせいかくだけじゃなく、しゅぞくそのものをやつらとおなじにかえてしまう。
さゆり:じゃあ…このままだとちきゅうじんが、ぜんいんいせいじんになっちゃうってこと?
ふとし:ごめいとう。ちきゅうがやつらのてにわたるのもじかんのもんだいということだ。
ゆず子:そんな…じゃあどうしたらいいの?
ふとし:そこで、われわれはやつらがにんげんをつくりかえるしくみをかいせきし、それにたいこうできるしゅだんをかいはつすることにせいこうした。それがこのへんしんぶれすれっとと、くりすたるすーつだ。
まさみ:くりすたるすーつ?なんじゃそりゃ?
ふとし:じつはこのくりすたるすーつには、やつらによってつくりかえられてしまったにんげんをじょうかし、もとにもどすちからがある。しかも、すーつをきることでしんたいきのうやこうげきりょく、ぼうぎょりょくといったせんとうにひつようなのうりょくがおおはばにあっぷするため、やつらにたいしちょくせつこうげきをおこなうこともできる。
えりな:すごいじゃん!じゃあそのすーつをたくさんつくってたたかえば、そいつらをやっつけられるってこと?
ふとし:ふむ…それなんだが、じつはこのすーつはあるとくしゅなほうせきからつくられていてな、いまのてくのろじーでは5つつくるのがせいいっぱいだったのだ。しかもこれはだれでもきれるというわけではなく、すーつにてきごうしたもののみがみにつけることができるようになっている。
たえこ:つまり、そのてきごうしゃってのがアタイたちってこと?
ふとし:そうだ。よくわかったな。
さゆり:そんなのどこでしらべたのよ?
ゆず子:わたし、そんなけんさなんてうけたおぼえないわよ。
ふとし:きみたち、せんしゅうのにようびはどこにいたかおぼえているかな?
えりな:せんしゅうはね、あいどるゆにっと「らぶてぃんくる」のらいぶかいじょうにいたわ。
ゆず子:え?わたしもそのらいぶいってた。
たえこ:アタイも…。
まさみ:まさか…。
さゆり:で、でもあそこでけんさなんてされなかったわよ。
ふとし:ふふふ…かいじょうにはいるまえに、なにかみにつけるようにいわれなかったかな?
ゆず子:ぶれすれっと…そう!ぶれすれっとをつけるようにいわれたわ!
たえこ:まさか…あのぶれすれっとになにかひみつが?
ふとし:そのとおりだよ。あのぶれすれっとにはてきごうしゃだけにはんのうし、そのじんぶつのたいないに「まいくろはっしんき」をちゅうにゅうするきのうがついていたのだ。
さゆり:なるほど…だからぶれすれっとをつけたときにちくっとしたのね。
えりな:それで、アタチたちをどうするつもりなの?
ふとし:きみたちにはこれからこのすーつをきて、われわれがごくひりにけっせいしたとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」のいちいんとして、やつらとたたかってもらう。
ゆず子:もしことわったら?
ふとし:そのときはしかたないね。たいないのはっしんきからもうどくがぶんぴつされて、いのちをおとすことになるだろうさ。
さゆり:な、なんてひきょうな!
さゆり:〈大人口調で〉『(まさかこのタイミングで「実はドッキリでした~」とかないでしょうね)』
ふとし:わるくおもわんでくれたまえ。これもひみつをまもるためだ。
まさみ:こんなのとてもじゃないけどなっとくなんてできない!
ふとし:なっとくなんてするひつようはないのだよ。ただ、うんめいだとおもってうけいれてくれればいいだけだ。
たえこ:つまりアタイたちにきょひけんはない…と?
ふとし:そういうことになるな。
えりな:わかったわよ!じゃあとっととあいつらぶったおしてやるから、はやくすーつをよこしなさいよ!
ゆず子:ちょっとあなた!なにかってにはなしすすめてるのよ!
えりな:だってきょひしたらしんじゃうんでしょ?だったらやるしかないんじゃない?
まさみ:それは…そうだけど…。
えりな:それに、こんなかわいいすーつきてたたかえるんだもん!なんかひーろーみたいでかっこいいじゃん!
ゆず子:(それがほんねか…。)
たえこ:でもまあ、やるしかないことにかわりはないか!わかった。アタイもやるよ!
さゆり:うう…じゃあ、あたしもやる。
まさみ:まあ…しかたないか。よし!わたしもやるよ!
ゆず子:あなたたち…。わかったわ!わたしもけっしんがついた!やれるだけやってみるよ!
ふとし:ふふふ。ぜんいんかくごはきまったようだな。ではしょくん、げんじこくをもってきみたちをとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」ににんめいする!かくじ、こころしてにんむにあたるように!
えりな:りょうかい!〈同時に〉
たえこ:りょうかい!〈同時に〉
ゆず子:りょうかい!〈同時に〉
まさみ:りょうかい!〈同時に〉
さゆり:りょうかい!〈同時に〉
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さゆり:〈大人口調で〉『(ほんとにドッキリじゃなかったんだ…)』
:-------------------回想終了
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えりな:けっきょくあのあとすーつにみちびかれるままへんしんしたんだけどさ。
ゆず子:まさかわたしがれっどにえらばれるとはね…。どうみても、ぜったいえりながれっどだとおもったのに。
たえこ:まあでも、れいせいちんちゃくなゆず子はれっどにむいてるとおもうよ。
まさみ:そうそう、ねっけつだけがれっどじゃないしさ。
さゆり:あたしもそうおもうわ。ゆず子がせんたいをひっぱってくれているおかけで、なんどもぴんちをきりぬけられたもの。
えりな:そうだよ。だからこれからもよろしくたのむぞ、れっど!
ゆず子:やだ…やめてよ、えりな!
:-------------------全員で笑い合う
:
:-------------------(闇帝国本拠地にて)
さゆり:【召使い】
さゆり:へんげるさま、おまたせいたしました。ようやくれいの「しんへいき」がかんせいしました!
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:おそいぞ!めしつかい!なにをもたもたしておったのだ!
さゆり:もうしわけございません。しょうしょう、せいのうてすとにじかんがかかってしまいまして。
ふとし:して、そのしんへいきのじつりょくは、いかほどのものなのだ?
さゆり:〈大人口調で〉『従来の物は拳銃タイプだったため、工作員が対象の人間に接触する必要がありました。しかも目の前にいる一人の人間に対してしか闇の種子を埋め込むことができないという効率の悪さが最大の弱点でした。しかし今回の新兵器はロボットタイプのため工作員を必要としません。しかもこれは自由に空を飛び回り、心の*隙間《すきま》ができた人間を自動で感知し上空から複数の人間に対して種子をばら*撒《ま》くことができるため、より効率的に人間を*闇人化《やみびとか》することができます。地上部隊が街で騒動を起こし人々に心の*隙間《すきま》を作ることが出来れば、あとはこの兵器が自動でやってくれますわ。』
ふとし:しかしもんだいは、「えんじぇる・くりすたる」だ。やつらのたかいしんたいのうりょくなら、じょうくうにいるこいつといえど、すぐにうちおとされてしまうのではないか?
さゆり:ごあんしんを。このへいきには、やつらのうごきをとめるとくしゅな「ねんちゃくねっと」をはっしゃすることができるようになっています。また、えんきょりからのこうげきにもたえられるよう、「ぼうぎょばりあ」もかんびしております。
ふとし:ほう…それはたのもしいな。ではつぎのさくせんにたいりょうとうにゅうするのだ!
さゆり:ははっ!
ふとし:ふふふ…これでしんりゃくさくせんをおおきくぜんしんさせることができる。まっていろ!「えんじぇる・くりすたる」!
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
あかね:こんにちは!きょうもきたよー!
ゆず子:あかねちゃんいらっしゃい!
えりな:きょうはあかねちゃんのために「すぺしゃるくっきー」をやいたんだ!
あかね:え!ほんと?うれしい!!
たえこ:みんなでたべよ!
まさみ:わー!たのしみ~!
あかね:(M)わたしがざっかや「えんじぇる」にかようようになって、はんとしがすぎようとしていた。わたしにとって、このおみせでだいすきなみんなとすごすじかんだけが、わたしにやすらぎといきるきぼうをあたえてくれた。
さゆり:あかねちゃんどうしたの?ぼーっとして。
あかね:ん?あー…なんでもないの。わたし、しあわせだなぁっておもってさ。
まさみ:きゅうにどうちゃったの?しんみりしちゃって。
あかね:わたしね、いままでずっとひとりぼっちだったから、こんなふうにおしゃべりして、わらいあえるおともだちができたことがうれしくて。
ゆず子:そうだったの。
あかね:ねぇ、みんな。これからもずっとわたしのたいせつなおともだちでいてくれる?
たえこ:なにいってんのよ、そんなのあたりまえにきまってるじゃない。
えりな:これからもアタチたち、ずっとずーっとともだちだよ!
ゆず子:もうあかねちゃんにさびしいおもいはさせないからね。
あかね:うう…ありがとう。とってもうれしい…。
まさみ:ほらほら、もうなかないの。かわいいかおがだいなしだぞ。
あかね:うん。えへへ…。
さゆり:さぁ、みんなでくっきーたべましょう。
:-------------------(突然、警報と共に出動命令が下る)
ゆず子:!?(しゅつどうめいれい?こんなときに?)
たえこ:!?(ばしょはこのみせのすぐそばだわ!)
まさみ:!?(でも…あかねちゃんをおいてはいけないし)
さゆり:!?(いったいどうしたら…)
えりな:!?(しかたない)あかねちゃん、いまちかくでばくはつじこがおきたらしくて、ここはきけんだからアタチとひなんしましょう。
あかね:え?ばくはつじこ?
えりな:そうよ。ほかのみんなにはこれからようすをみにいってもらうから、さきにアタチたちだけでいきましょう!
あかね:え…でも。それじゃゆず子ちゃんたちがあぶないんじゃ…。
ゆず子:わたしたちならだいじょうぶよ!こうみえてきたえてるから!
たえこ:そうよ、だからここはアタイらにまかせてはやくにげて。
まさみ:またみんなでおしゃべりしよ!
さゆり:まってるね!
あかね:みんな…わかった。みんなもきをつけて!
えりな:さ、いきましょ。
あかね:うん。〈えりなと避難する〉
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ゆず子:よし…みんな!しゅつどうよ!
たえこ:おうよ!
まさみ:ひさびさのせんとうかぁ!うでがなるぜ!
さゆり:いきましょう!
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ナレーション:こうして、物語はとーっても長くなりそうなので、後編へ続くのであった。
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:【中編】~完~
タイトル:劇場版!女児たちのお*戯《たわむ》れ【中編 】
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登場人物:
まさみ:さくら組の幼稚園児。少しお転婆な女の子。【光の戦士クリスタル・ブルー役(兼役/ヘンゲルの母役)】
ゆず子:いちご組の幼稚園児。しっかり者でお姉さんタイプの女の子。【光の戦士クリスタル・レッド役】
えりな:もも組の幼稚園児。少し幼い感じの女の子。【光の戦士クリスタル・グリーン役】
たえこ:ひまわり組の幼稚園児。元気いっぱいの女の子。【光の戦士クリスタル・イエロー役】
さゆり:ばら組の幼稚園児。優しくて真面目な性格の女の子。【光の戦士クリスタル・パープル役(兼役/召使い役)】
ふとし:たんぽぽ組の幼稚園児。あかねと同じクラスでガキ大将的存在だが、実は寂しがり屋な一面もある。【闇皇帝ヘンゲル(兼役/施設職員役、国のお偉いさん役)】
あかね:たんぽぽ組の幼稚園児。大人しい性格で人見知り。【謎のヒロイン役(兼役/ヒーロー編の5人を連行する人役)】
ナレーション:どなたかが兼役で読んでください。
民衆:ゆず子、えりな、たえこ、あかね役の方が演じてください。
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:『』のセリフ以外は基本的に幼稚園児の声で演じてください。
:(M)はモノローグ(独白)、〈〉はト書き、()は心の声です。
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本編:
ナレーション:これは、とある幼稚園を舞台にした仲良し女児5人組が織り成すハートフルコメディの「劇場版【中編】」である。
ナレーション:前回までのあらすじ。何の*因果《いんが》か、たんぽぽ組のお友達、あかねちゃんの相談を受けることになった女児たち5人組。あかねちゃんに付きまとっていたふとし君も巻き込んでの究極の「ヒーローごっこ」が今、幕を開けるのであった。
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たえこ:じゃあそろそろはじめよっか。3・2・1あくしょん!!
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:【究極の「ヒーローごっこ」スタート!】(ここからは『』以外は幼稚園児の声で演じてください)
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あかね:「わたしはだれ?どこからきたの?ねぇ!だれかこたえてよぉ!!おねがい…おねがいだから!」
あかね:はっ!〈目が覚める〉
あかね:…はぁ、はぁ…ゆめ…か…。
あかね:(M)まいばんのようにおなじゆめをみる。わたしはくらやみにむかってなんどもおなじしつもんをくりかえす。だが、いくらこえをからそうともへんじはない。そしてきまって、わたしはなきさけびながらあさをむかえるのだった。
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たえこ:〈大人口調で〉『2050年*某月某所《ぼうづきぼうしょ》』
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:くそぉ!!なんでこうもうまくいかないんだ!
ふとし:〈大人口調で〉『(M)「全人類*闇人化《やみびとか》計画」…この闇皇帝ヘンゲル様が*直々《じきじき》に考案した新たな侵略作戦だ。今までの侵略者のような破壊と恐怖による侵略ではなく、人の心の*隙間《すきま》に「闇の種子」を埋め込むことで、対象の人間を洗脳し、俺たちと同じ種族に作り替える。まさに平和的かつ理想的な作戦だった。それなのに…。』
ゆず子:【クリスタル・レッド】
ゆず子:くりすたるふぁいやーすとーむ!!
ゆず子:〈浄化の炎が闇人たちを包み込む〉
えりな:【クリスタル・グリーン】
えりな:れっどないす!やみびとかしたにんげんがもとにもどっていくわ!そんじゃあたしも!くりすたるろーりんぐとるねーど!
えりな:〈浄化の竜巻に闇人たちが巻き込まれていく〉
ふとし:や、やめろ!おれの、おれのけいかくのじゃまをするなぁぁ!!
まさみ:【クリスタル・ブルー】
まさみ:このちょうしでどんどんいくよ!くりすたるうぉーたーすぷらーっしゅ!
まさみ:〈浄化の大波が工作員を飲み込んでいく〉
たえこ:【クリスタル・イエロー】
たえこ:こっちはまかせて!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!
たえこ:〈浄化の雷が工作員に落ちる〉
さゆり:【クリスタル・パープル】
さゆり:あたしだってまけないんだから!くりすたるひーりんぐしゃわー!
さゆり:〈浄化のシャワーが工作員の頭上に降り注ぐ〉
ふとし:うぬぬ…やみびとかしたにんげんだけでなく、こうさくいんまでじょうかするとは…しかたない。きょうのところはここまでにしといてやる!だが、つぎにあうときはこうはいかないからな!おぼえてろよ!
:
:-------------------回想シーン
ふとし:【ヘンゲル】
ふとし:なんということだ…だれよりもつよかったあのちちうえが、びょうきごときでいのちをおとすとは。なんとあっけない。
まさみ:【ヘンゲルの母】
まさみ:へんげる…きをたしかにもつのです。これからはあなたがやみこうていのなをひきつぎ、このていこくにはんえいをもたらさなければならないのですよ。
ふとし:ふふふ…。
まさみ:なにがおかしいのです?
ふとし:ははうえ、これがわらわずにいられましょうか!おれはいま、わきあがるこうようかんをおさえるのにひっしなのです!ようやくうるさいちちうえがいなくなった!これからはこのおれが「やみこうていへんげる」として、このていこくだけでなく、このうちゅうをもしはいしてくれようぞ!ふはははは!!!
まさみ:へんげる、いせいがいいのはけっこうですが、ちちをぐろうすることはだんじてゆるしません!
ふとし:ははうえ、あなたもおれのけいかくにはじゃまなのですよ。
まさみ:な、なにをいっているの?
まさみ:〈大人口調で〉『(明らかに様子がおかしい…それにヘンゲルから漂うこの邪悪なオーラは何?)』
ふとし:〈大人口調で〉『(ほう…今の瞬間、母上の心に*隙間《すきま》ができたぞ。ちょうど良い、こいつを試す良い機会だ。)』
ふとし:そらよ!〈母の心に闇の種子を埋め込む〉
まさみ:なっ?
まさみ:(こ、これは!まさかやみのしゅし!なぜこのこがこんなものをもっているの?あ…あぁ!わたしのなかでしゅしがめぶいてひろがっていく!あ、あなた…わたしは…もう…。)
ふとし:ふふふ…どうだ?やみにそめられたきぶんは?
まさみ:うふふ…さいこうですわ!へんげるさまぁ♡わたくしのこのいのち、ごじゆうにおつかいください。
ふとし:よし、じっけんはせいこうだ。
さゆり:【召使い】
さゆり:おめでとうございます、へんげるさま。これであなたさまは、はれてやみこうていのざにしゅうにんされました。これからどうなさいますか?
ふとし:めしつかいよ、つぎはこのほしをわがものとする。
さゆり:ちきゅう…ですか?
ふとし:そうだ。このほしをしんりゃくして、ていこくはんえいのいしづえとしてくれるわ!ふははは!!
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:-------------------(闇皇帝就任式にて)
さゆり:それではへんげるさま、みんしゅうのまえでたからかにせんげんなさってくださいませ。
ふとし:うむ…。みなのもの!このたび、わがいだいなるちち「やみこうていばいどる」は、やまいにたおれ、しんだ。そしておれはちちよりせいしきにやみこうていのざをひきつぐことになったのだ!
民衆:わー!!〈歓声〉
ふとし:おれはこれからちきゅうをしんりゃくし、わがものとする!そしておれはかならずやそのいぎょうをたっせいし、わがていこくにさらなるはんえいをもたらすことをここにせんげんする!
民衆:わー!!へんげるさまばんざーい!!〈歓声〉
まさみ:まぁ!!なんとりりしいおすがた!!へんげるさまこそ、わがていこくのおうにふさわしいおかたですわ!
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ふとし:えんぜつはおわったぞ。これよりさくせんをすいこうする。まずはてはじめにこうさくいんをちきゅうにおくりこむのだ!
さゆり:はっ!おおせのままに!
:-------------------(回想終了)
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ふとし:おのれ…ひかりのせんしえんじぇる・くりすたるめ!やみこうていのいしんにかけて、かならずやきさまらもろともちきゅうをわがものにしてくれるわ!
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:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あー…つかれた。
ゆず子:あれだけのてきをじょうかしたんだもの。とうぜんよ。
たえこ:でもさっきのせんとうでだいぶてきのせんりょくをけずれたんじゃない?
さゆり:そうね。さすがにしばらくはうごけないはずよ。
まさみ:わたしはまだたたかいたりないけどね!
たえこ:じゃあつぎはもっとはたらいてもらわなくちゃね!
まさみ:げげっ!いまのなし!
ゆず子:あはは!
:-------------------(カランコロンと来客を告げる音がする)
えりな:おっ!ひさびさのおきゃくさまだ!
さゆり:いらっしゃいませ!
ゆず子:どうぞゆっくりみていってくださいね。
あかね:あ…はい。
まさみ:どうです?かわいいしょうひんがいっぱいでしょ?
あかね:はい。おみせのふんいきもぴんくでとういつされていて、なんだかめるへんちっくですてきです。
えりな:でしょでしょ?こだわってつくったんだぁ!ほめてくれてうれしいな。
あかね:そんな…おもったことをいっただけです。
たえこ:じゃあ…ほめていただいたおれいに、これ、わたしたちからのぷれぜんとです。
あかね:え…いいんですか?こんなたかそうなねっくれす…。
たえこ:いいんですよ。せっかくのごえんですからうけとってください。もしよかったらつけてみますか?
あかね:はい!〈ネックレスを着ける〉
さゆり:まあ!とってもおにあいですよ。
ゆず子:おきゃくさまにぴったりですね!
えりな:ほんとほんと!すごくすてき!
あかね:ありがとうございます…ぐすん…うう…。〈嬉しさのあまり泣き出す〉
たえこ:おきゃくさま、どうかなさいましたか?
あかね:ごめんなさい…こんなによくしてもらったの、うまれてはじめてだったから…。
ゆず子:そうだったの。
えりな:そうだ!せっかくだし、わたしたちおともだちにならない?
あかね:え…?
まさみ:それいいね!なろなろ!
あかね:わたしと…ともだちになってくれるの?
たえこ:ええ。あなたさえよければ。
あかね:はい!よろこんで!
ゆず子:じゃあまずはじこしょうかいからかな。わたしはゆず子、よろしくね。
えりな:アタチはえりな!
さゆり:あたしはさゆりよ。
まさみ:まさみだよ!よろしくね!
たえこ:アタイはたえこ。よろしく。
あかね:わ、わたしはあかねっていうの。よ、よろしくね。
ゆず子:そんなにきんちょうしなくてもだいじょうぶだよ。
あかね:だって…ともだちなんてできたことないから。
たえこ:いいのよ。じょじょになれていけば。
まさみ:そうそう。あせんなくてもだいじょうぶ。
えりな:ねぇみんな、せっかくあかねちゃんとおともだちになれたわけだし、これからおしゃべりたいむにしない?
ゆず子:さんせい!
まさみ:わたしも!
たえこ:いいね!いっぱいはなそう!
さゆり:あたしもさんせい!あかねちゃんともっとなかよくなりたい。
あかね:わ、わたしもみなさんとたくさんおしゃべりしたいです。
えりな:おっけー!じゃあおしゃべりたいむすたーと!
あかね:(M)こうしてわたしははじめてはいったこのみせで、とてもすてきなひとたちにめぐりあえたのだった。はじめてのともだち、はじめてのおしゃべりかい…そのすべてがしんせんで、たのしくて、わたしはときがすぎるのもわすれていた。
まさみ:あ、もうこんなじかん。
たえこ:たのしいじかんはあっというまだね。
えりな:それじゃそろそろおひらきにしますか。
ゆず子:そうだね。めっちゃたのしかった。
あかね:わたしも!またみんなとおしゃべりしたいな。
さゆり:いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:うん!またくるね!
:-----------------------------
あかね:あー、たのしかった。まさかわたしにこんなにたくさんのおともだちができるなんて…ゆめみたい。
あかね:(M)そう…おもえばわたしはうまれてからずっとひとりぼっちだった。
:
:-------------------回想シーン
あかね:ねぇ、しせつのしょくいんさん。わたしのおとうさんとおかあさんはどこにいるの?
ふとし:【施設職員】
ふとし:あかね、なんどもいわせないでくれ。きみのごりょうしんはね、きみがうまれたあとすぐにじこでなくなったんだ。
あかね:そっか…しんじゃったんだ。
ふとし:さあ、わかったらへやにもどってべんきょうでもしてなさい。
あかね:はい…。
ふとし:(そうだ、それでいい。おまえはここでおとなしくかわれていればいいんだ。)
あかね:〈大人口調で〉『(M)私の本当の名はあかねではない。あかねという名前は施設の職員が付けたものだ。私には幼い頃の記憶がなかった。自分が何者なのか、どこから来たのかさえも分からない。ただ一つ確かなことがあるとすれば、自分が何か特別な存在としてこの世に生を受けた感覚があることだけだ。』
あかね:…このままずっとひとりぼっちなのかな。
:-------------------回想終了
:
さゆり:〈フラッシュバック〉いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:わたし、もうひとりじゃないんだ。うふふ…とってもしあわせ。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(そうね、みんながあなたのものになればもっとしあわせになれるわよ)
あかね:え?なに?いまのこえ。…きのせい…か。
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:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あかねちゃん、いいこだったね、
まさみ:そうだね。さいしょはおとなしくてさびしそうなかんじだったけどね。
ゆず子:わたしもおもった。かこになにかかなしいことがあったかのような。
さゆり:そうね。でもあたしたちとおしゃべりしてだいぶふっきれたみたいね。
たえこ:うん。またきてくれるといいな。
えりな:そのときはまたみんなでおしゃべりしたいね。
まさみ:うん!もちろん!
ゆず子:はぁ…このままてきがしんりゃくをあきらめてくれたらいいのにな。
たえこ:ほんとそうよね。
まさみ:いっそこっちからせめこんじゃうってのはどう?
さゆり:それはあまりさんせいできないかも。
まさみ:どうして?わたしはこのままうけみのせんとうをつづけていてもきりがないとおもうけどな。
ゆず子:たしかにまさみのいうこともいちりあるきはするけどね。ただ、てきのきぼやせんりょくがわからないじょうたいで、うかつにこちらからせめこむのはきけんだわ。
たえこ:ゆず子のいうとおりね。わたしたちはちきゅうをまもるさいごのとりでなんだから、こうどうはしんちょうにしないとね。それに「えんじぇる・くりすたる」が、くにのかんかつかにおかれているいじょう、めいれいがいのかってなせんとうはゆるされていないしね。
えりな:あー!なんかもどかしいなー!ていうかさ、そもそもさいしょのけっせいだんかいからおかしくなかった?
まさみ:そうそう、なんかわけわかんないままつれてこられてさぁ…。
さゆり:そういやそうだったわね。
:
:-------------------回想シーン
ゆず子:くっ…いったいなんなんですか!
えりな:ほんとほんと!わたし、おしごとのまっさいちゅうだったのに!
たえこ:わたしもまちあるいてたらいきなりつかまってれんこうされたのよ!
さゆり:ちゃんとせつめいしてもらえるんでしょうね?
まさみ:なっとくできないようなりゆうだったらゆるさないからね!
あかね:【5人を連行した人】
あかね:きみたち、ほんとうにすまなかったね。じつはげんざい、きんきゅうじたいがはっせいしていてね、ぜひきみたちのちからをかりたいんだ。くわしいないようはこれからせつめいがあるから、ちゃんときくように。
:------------------部屋の奥から人影が現れる
ゆず子:え?あのひとってまさか…。
まさみ:うん。たぶんそうよね。
たえこ:ゆめ…じゃないわよね?
さゆり:わたし、はじめてみたんだけど。
えりな:ねぇ!なんであなたがここにいるんですか?おしえてください!
ゆず子:おえらいさん!〈同時に〉
まさみ:おえらいさん!〈同時に〉
さゆり:おえらいさん!〈同時に〉
たえこ:おえらいさん!〈同時に〉
えりな:おえらいさん!〈同時に〉
ふとし:【国のお偉いさん】
ふとし:しょくん、てあらなまねをしてもうしわけない。じつは、ちきゅうはいまねらわれている。しょくんらもきいたことがあるだろう?あるひとつぜんひとがかわったかのようにきょうあくになったひとたちのことを。
たえこ:あー、そういえば、にゅーすでいってたかもしれない。
ふとし:そう、まさにそのことだよ。そしてそのげんきょうがこのじんぶつだ。
ゆず子:このひとは?
まさみ:どこかにんげんとはすこしちがうような…。
ふとし:そうだ。このじんぶつは「やみこうていへんげる」といって、まあかんたんにいってしまえばちきゅうをしんりゃくしにきた、いせいじんのおやだまだ。
えりな:やみこうていへんげる…。
たえこ:じゃあこいつがにんげんをきょうあくにかえてるってこと?
ふとし:そのとおりだ。しかもわるいことに、こいつはにんげんのせいかくだけじゃなく、しゅぞくそのものをやつらとおなじにかえてしまう。
さゆり:じゃあ…このままだとちきゅうじんが、ぜんいんいせいじんになっちゃうってこと?
ふとし:ごめいとう。ちきゅうがやつらのてにわたるのもじかんのもんだいということだ。
ゆず子:そんな…じゃあどうしたらいいの?
ふとし:そこで、われわれはやつらがにんげんをつくりかえるしくみをかいせきし、それにたいこうできるしゅだんをかいはつすることにせいこうした。それがこのへんしんぶれすれっとと、くりすたるすーつだ。
まさみ:くりすたるすーつ?なんじゃそりゃ?
ふとし:じつはこのくりすたるすーつには、やつらによってつくりかえられてしまったにんげんをじょうかし、もとにもどすちからがある。しかも、すーつをきることでしんたいきのうやこうげきりょく、ぼうぎょりょくといったせんとうにひつようなのうりょくがおおはばにあっぷするため、やつらにたいしちょくせつこうげきをおこなうこともできる。
えりな:すごいじゃん!じゃあそのすーつをたくさんつくってたたかえば、そいつらをやっつけられるってこと?
ふとし:ふむ…それなんだが、じつはこのすーつはあるとくしゅなほうせきからつくられていてな、いまのてくのろじーでは5つつくるのがせいいっぱいだったのだ。しかもこれはだれでもきれるというわけではなく、すーつにてきごうしたもののみがみにつけることができるようになっている。
たえこ:つまり、そのてきごうしゃってのがアタイたちってこと?
ふとし:そうだ。よくわかったな。
さゆり:そんなのどこでしらべたのよ?
ゆず子:わたし、そんなけんさなんてうけたおぼえないわよ。
ふとし:きみたち、せんしゅうのにようびはどこにいたかおぼえているかな?
えりな:せんしゅうはね、あいどるゆにっと「らぶてぃんくる」のらいぶかいじょうにいたわ。
ゆず子:え?わたしもそのらいぶいってた。
たえこ:アタイも…。
まさみ:まさか…。
さゆり:で、でもあそこでけんさなんてされなかったわよ。
ふとし:ふふふ…かいじょうにはいるまえに、なにかみにつけるようにいわれなかったかな?
ゆず子:ぶれすれっと…そう!ぶれすれっとをつけるようにいわれたわ!
たえこ:まさか…あのぶれすれっとになにかひみつが?
ふとし:そのとおりだよ。あのぶれすれっとにはてきごうしゃだけにはんのうし、そのじんぶつのたいないに「まいくろはっしんき」をちゅうにゅうするきのうがついていたのだ。
さゆり:なるほど…だからぶれすれっとをつけたときにちくっとしたのね。
えりな:それで、アタチたちをどうするつもりなの?
ふとし:きみたちにはこれからこのすーつをきて、われわれがごくひりにけっせいしたとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」のいちいんとして、やつらとたたかってもらう。
ゆず子:もしことわったら?
ふとし:そのときはしかたないね。たいないのはっしんきからもうどくがぶんぴつされて、いのちをおとすことになるだろうさ。
さゆり:な、なんてひきょうな!
さゆり:〈大人口調で〉『(まさかこのタイミングで「実はドッキリでした~」とかないでしょうね)』
ふとし:わるくおもわんでくれたまえ。これもひみつをまもるためだ。
まさみ:こんなのとてもじゃないけどなっとくなんてできない!
ふとし:なっとくなんてするひつようはないのだよ。ただ、うんめいだとおもってうけいれてくれればいいだけだ。
たえこ:つまりアタイたちにきょひけんはない…と?
ふとし:そういうことになるな。
えりな:わかったわよ!じゃあとっととあいつらぶったおしてやるから、はやくすーつをよこしなさいよ!
ゆず子:ちょっとあなた!なにかってにはなしすすめてるのよ!
えりな:だってきょひしたらしんじゃうんでしょ?だったらやるしかないんじゃない?
まさみ:それは…そうだけど…。
えりな:それに、こんなかわいいすーつきてたたかえるんだもん!なんかひーろーみたいでかっこいいじゃん!
ゆず子:(それがほんねか…。)
たえこ:でもまあ、やるしかないことにかわりはないか!わかった。アタイもやるよ!
さゆり:うう…じゃあ、あたしもやる。
まさみ:まあ…しかたないか。よし!わたしもやるよ!
ゆず子:あなたたち…。わかったわ!わたしもけっしんがついた!やれるだけやってみるよ!
ふとし:ふふふ。ぜんいんかくごはきまったようだな。ではしょくん、げんじこくをもってきみたちをとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」ににんめいする!かくじ、こころしてにんむにあたるように!
えりな:りょうかい!〈同時に〉
たえこ:りょうかい!〈同時に〉
ゆず子:りょうかい!〈同時に〉
まさみ:りょうかい!〈同時に〉
さゆり:りょうかい!〈同時に〉
:
さゆり:〈大人口調で〉『(ほんとにドッキリじゃなかったんだ…)』
:-------------------回想終了
:
えりな:けっきょくあのあとすーつにみちびかれるままへんしんしたんだけどさ。
ゆず子:まさかわたしがれっどにえらばれるとはね…。どうみても、ぜったいえりながれっどだとおもったのに。
たえこ:まあでも、れいせいちんちゃくなゆず子はれっどにむいてるとおもうよ。
まさみ:そうそう、ねっけつだけがれっどじゃないしさ。
さゆり:あたしもそうおもうわ。ゆず子がせんたいをひっぱってくれているおかけで、なんどもぴんちをきりぬけられたもの。
えりな:そうだよ。だからこれからもよろしくたのむぞ、れっど!
ゆず子:やだ…やめてよ、えりな!
:-------------------全員で笑い合う
:
:-------------------(闇帝国本拠地にて)
さゆり:【召使い】
さゆり:へんげるさま、おまたせいたしました。ようやくれいの「しんへいき」がかんせいしました!
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:おそいぞ!めしつかい!なにをもたもたしておったのだ!
さゆり:もうしわけございません。しょうしょう、せいのうてすとにじかんがかかってしまいまして。
ふとし:して、そのしんへいきのじつりょくは、いかほどのものなのだ?
さゆり:〈大人口調で〉『従来の物は拳銃タイプだったため、工作員が対象の人間に接触する必要がありました。しかも目の前にいる一人の人間に対してしか闇の種子を埋め込むことができないという効率の悪さが最大の弱点でした。しかし今回の新兵器はロボットタイプのため工作員を必要としません。しかもこれは自由に空を飛び回り、心の*隙間《すきま》ができた人間を自動で感知し上空から複数の人間に対して種子をばら*撒《ま》くことができるため、より効率的に人間を*闇人化《やみびとか》することができます。地上部隊が街で騒動を起こし人々に心の*隙間《すきま》を作ることが出来れば、あとはこの兵器が自動でやってくれますわ。』
ふとし:しかしもんだいは、「えんじぇる・くりすたる」だ。やつらのたかいしんたいのうりょくなら、じょうくうにいるこいつといえど、すぐにうちおとされてしまうのではないか?
さゆり:ごあんしんを。このへいきには、やつらのうごきをとめるとくしゅな「ねんちゃくねっと」をはっしゃすることができるようになっています。また、えんきょりからのこうげきにもたえられるよう、「ぼうぎょばりあ」もかんびしております。
ふとし:ほう…それはたのもしいな。ではつぎのさくせんにたいりょうとうにゅうするのだ!
さゆり:ははっ!
ふとし:ふふふ…これでしんりゃくさくせんをおおきくぜんしんさせることができる。まっていろ!「えんじぇる・くりすたる」!
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
あかね:こんにちは!きょうもきたよー!
ゆず子:あかねちゃんいらっしゃい!
えりな:きょうはあかねちゃんのために「すぺしゃるくっきー」をやいたんだ!
あかね:え!ほんと?うれしい!!
たえこ:みんなでたべよ!
まさみ:わー!たのしみ~!
あかね:(M)わたしがざっかや「えんじぇる」にかようようになって、はんとしがすぎようとしていた。わたしにとって、このおみせでだいすきなみんなとすごすじかんだけが、わたしにやすらぎといきるきぼうをあたえてくれた。
さゆり:あかねちゃんどうしたの?ぼーっとして。
あかね:ん?あー…なんでもないの。わたし、しあわせだなぁっておもってさ。
まさみ:きゅうにどうちゃったの?しんみりしちゃって。
あかね:わたしね、いままでずっとひとりぼっちだったから、こんなふうにおしゃべりして、わらいあえるおともだちができたことがうれしくて。
ゆず子:そうだったの。
あかね:ねぇ、みんな。これからもずっとわたしのたいせつなおともだちでいてくれる?
たえこ:なにいってんのよ、そんなのあたりまえにきまってるじゃない。
えりな:これからもアタチたち、ずっとずーっとともだちだよ!
ゆず子:もうあかねちゃんにさびしいおもいはさせないからね。
あかね:うう…ありがとう。とってもうれしい…。
まさみ:ほらほら、もうなかないの。かわいいかおがだいなしだぞ。
あかね:うん。えへへ…。
さゆり:さぁ、みんなでくっきーたべましょう。
:-------------------(突然、警報と共に出動命令が下る)
ゆず子:!?(しゅつどうめいれい?こんなときに?)
たえこ:!?(ばしょはこのみせのすぐそばだわ!)
まさみ:!?(でも…あかねちゃんをおいてはいけないし)
さゆり:!?(いったいどうしたら…)
えりな:!?(しかたない)あかねちゃん、いまちかくでばくはつじこがおきたらしくて、ここはきけんだからアタチとひなんしましょう。
あかね:え?ばくはつじこ?
えりな:そうよ。ほかのみんなにはこれからようすをみにいってもらうから、さきにアタチたちだけでいきましょう!
あかね:え…でも。それじゃゆず子ちゃんたちがあぶないんじゃ…。
ゆず子:わたしたちならだいじょうぶよ!こうみえてきたえてるから!
たえこ:そうよ、だからここはアタイらにまかせてはやくにげて。
まさみ:またみんなでおしゃべりしよ!
さゆり:まってるね!
あかね:みんな…わかった。みんなもきをつけて!
えりな:さ、いきましょ。
あかね:うん。〈えりなと避難する〉
:
ゆず子:よし…みんな!しゅつどうよ!
たえこ:おうよ!
まさみ:ひさびさのせんとうかぁ!うでがなるぜ!
さゆり:いきましょう!
:
ナレーション:こうして、物語はとーっても長くなりそうなので、後編へ続くのであった。
:
:【中編】~完~