台本概要

 632 views 

タイトル 迷いネズミのチックとタック
作者名 レンga  (@renganovel)
ジャンル 童話
演者人数 2人用台本(不問2) ※兼役あり
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 チックタックシリーズ第一弾

◆◆あらすじ◆◆

二匹のネズミ
チックとタック

迷い込んだ屋敷に住み着き
のんびり豊かに暮らしていた二匹の生活は
突然現れた「ラットバスターズ」と呼ばれる人間に
あっという間に壊されてしまう。

二匹は彼らにつかまる前に
この屋敷から逃げ出すことができるのか!

ユーモラスな二匹のネズミが織りなす!
ハラハラドキドキな脱出劇!

◆◆◆◆◆◆◆◆

ディズニーチックな、カートゥーンな雰囲気の台本です。
登場人物がネズミなので
どちらも男女不問です。

男×男 女×女 男×女

好きな組み合わせで楽しんでいただけます。
最後に現れる猫は、演者のどちらかが演じていただけると幸いです。

◆◆許可範囲◆◆

①アドリブ可
②男女比率変更可
③語尾などの軽微な台詞変更可

◆◆◆◆◆◆◆◆

台本作家修行中です。
読んでいただけまして、本当にありがとうございます。
もし、読みにくい部分、演者様からのこうしたほうがいいのではと言う
アイデア、ご指摘がございましたら
下記のTwitterへDMをいただけますと嬉しいです。
そのほか、感想などもいただけると
泣いて喜びますので、ぜひよろしくお願いします。

 632 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
チック 不問 62 楽観主義、何とかなると思ってる。 チーズが大好き。 金色の懐中時計が宝物。 ひらめきが得意。 他の鼠より長いしっぽがトレードマーク 探偵を目指している。 タックは友人兼助手だと思ってる。
タック 不問 63 俺 現実主義で心配性であわてんぼう 昔ねこにしっぽを半分かじられて 猫が大嫌い。 茶色のハンチング帽を被ってる。 夢は探偵になること。 チックは友人兼助手だと思ってる。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:タック、慌てた様子で屋敷の巣穴に走りこんでくる。 0:タック、巣の中をあわただしく走り回る。  :  タック:おいおいチック! こりゃあ大変なことになっちまったぞ!  :  0:チック、巣の中央に積まれたチーズにのんびり座り 0:もぐもぐとチーズを幸せそうにほおばりながら話を聞く  :  チック:(もぐもぐ)なんだい、タック。慌てて戻ってきて。 タック:これはのんびりしていられない!大変なことになっちまった! チック:タック、そんなに巣の中を走り回っても、僕にはなんにもわかんないよ(もぐもぐ)  :  タック:チック!チーズをそんなにほおばってる場合じゃない! チック:そんなこと言われたって、チーズの方が口に飛び込んでくるのさぁ(もぐもぐ) タック:ああ大変だ! ああ大変だ! チック:どうしたってのさ、そんなに慌てて。 チック:ちょっとは僕を見習いなよ、ネズミには余裕が必要だよ。 チック:話ならゆっくり聞いてあげるから、ほら、そこのカマンベールチーズに座りなよ。 タック:チック!驚かずに、聞くんだ! 聞いても慌てるんじゃないよ! チック:まずはタック、君が落ち着て立ち止まるべきだと思うけどなあ。  :  0:タック、チックの目の前でピタリと立ち止まる。  :  タック:俺たちのことが、この屋敷の人間にばれたんだ! チック:わあ、それはたいへんだあ(棒読み)  :  0:タック、また走り回る。  :  タック:これは大変なことだ!この巣がバレたら殺されてしまうかもしれない! チック:大丈夫だよタック。人間にこの巣がバレるわけないじゃないか。 タック:俺もそう思ったんだが、そうも言ってられなくなっちまったんだ! チック:なぜだい? チック:まさか人間も、猫のゲージのすぐ後ろに、ネズミの巣があるだなんて思わないだろう。 タック:そうだろうとも! タック:でも、聞こえちまったんだ! チック:タック、なにが聞こえたんだい?  :  タック:「こんにちは!ラットバスターズですー」って声が!  :  チック:わあお(素直に驚いたように) タック:これは大変だ!大変なことになったぞ! チック:タック、確かに君の言うように、これは大変なことかもしれない! タック:そうだろうとも!彼らはネズミに容赦がないからな! チック:僕たちは、ここから逃げないといけないだろう。 タック:まさしくその通りだ!俺たちはここから早く逃げないといけない! チック:ここから逃げるためには、まずは…… タック:準備が大切だ!慌てて逃げだしても、彼らの思うツボ! チック:そう、だからひとまずここにあるチーズをすべて食べないと。(もぐもぐもぐもぐ) チック:できれば、この屋敷のチーズをすべて食べてからでも チック:きっと遅くはないだろうと思う。(もぐもぐ)  :  0:チック、チーズをひょいひょいと口に運ぶ。 0:タック、めをまんまるにして足を止める。  :  タック:なんで、どうしてそうなっちまうんだ、チック! タック:どうか、理由を説明してくれ!  :  チック:タック。よーく聞いておくれよ? チック:ここの屋敷のチーズは チック:今まで出会ったどんなチーズよりも上質で チック:……僕としては、できればここから出たくないのさっ チック:こんな素晴らしい場所、他にあるはずがないからね。 タック:それはそうだろうさ! タック:でも!もうラットバスターズがこの屋敷中をきっと探してる! タック:血眼(ちまなこ)になって、俺たちを探し回ってるんだ! タック:いつか必ず見つかるぞ!そうなっちまったらおしまいだ!  :  0:タック、帽子掛けになっている小枝から茶色のハンチング帽を取り、被る。  :  チック:なんだい、タック。帽子なんか被って、もう出ていくつもりかい? タック:チック、君も一緒に行くんだ! チック:気が進まない理由はさっき言ったはずだけどなあ。 タック:君をおいて俺一人で逃げれるはずなんかないだろう! タック:俺と君は、二匹で一匹だ! チック:まったくもう、タック、君には参ったものだよ。 チック:仕方ない、君一人で逃げてもうまくいくはずがないしね チック:僕もついて行ってあげよう。 チック:持てるだけのチーズを持ってね。  :  タック:チック、君ならきっと、そう言ってくれると思ったさ! タック:そうとなれば、さあ!行こう!  :  0:タック、チックの手を引いて巣の外へと走り出そうとする。  :  チック:まっておくれよタック。 チック:その行動力はとっても魅力的だけど チック:僕には僕の、リズムと言うものがあってね タック:チック!のんびりなんて、今はできないんだよ! タック:大事にしてる懐中時計と、必要な分のチーズをもって! タック:さあ!早く逃げよう! チック:まったくもう、君はせっかちだなあ。  :  0:チック、えっちらおっちらと準備をする。  :  チック:じゅんびできたよ(口いっぱいにチーズを詰め込んで) タック:そんなにいっぱいチーズを口に詰め込んで、大丈夫か? チック:だいじょうぶ(もごもごしながら) チック:僕の頬袋は君の4倍さ!(流暢に) タック:顔がパンパンで見てくれは良くないけど タック:チック、君が良ければそれでいいさ!  :  タック:さあ!行こう! チック:ああもう、そんなに強く手を引っ張らないでおくれよ!  :  0:チックとタック、巣から飛び出す。  :  タック:慎重に、しかし大胆に行こう! チック:それじゃあ、猫のゲージの横を抜けて、本棚を登るなんてどうかな チック:幸い、今ゲージの中に猫はいないことだし! タック:本棚から先はどうするんだ!? チック:なんだいタック、逃げよう逃げよう言いながら、逃げ道は考えていなかったのかい? タック:俺をバカにするんじゃないよ!考えくらいあったさ! タック:でも、チック。君の意見を聞いてあげようって言う、俺なりのはからいさ! チック:そうかい。 チック:本棚に登れば、ほら、あそこ  :  0:チック、本棚の上の近くの壁にある、排気口を指さす。  :  チック:あの排気口に入れるだろう? タック:おおっと!おおむね俺と同じ意見だったみたいだな! チック:さあて、どうだかなあ。 タック:俺の考えとぴったりおんなじさ! タック:さ、本棚に急ごう! 人間に見つかっちまう前にさ! チック:タックは調子がいいなあ。  :  0:二匹とも、本棚の上に登る。 0:登ったとたん、部屋の扉が開く。  :  タック:わあ!扉が開いた!奴らが来るぞ! チック:タック、落ち着いて早く排気口に入るんだ! タック:どうしよう!どうしよう!みつかっちまう! チック:タック!君が先に入らないと僕も入れない! タック:ああそうだな! 先に入るからすぐに後に続くんだぞ!  :  0:タック、排気口に勢いよく入る。  :  チック:ようし、それじゃあ僕も……!うっ!  :  0:チック、頬袋に入れたチーズが邪魔で、頭が排気口に入らない。  :  タック:チック!どうしたんだ!何があった! チック:あちゃあ。これはまいった。 タック:チーズをそんなに頬袋に入れてるから、通れなくなっちまったんだな! チック:大丈夫だよ。お尻から入れば……  :  0:チック、一度引き返してお尻から排気口に入るが、やっぱり頭で詰まってしまう!  : タック:チック!君のお尻が俺の目の前にあるけど、それ以上は無理なのか!? チック:やっぱりダメみたいだ! チック:このチーズたちは、ここから出たくないらしい。 チック:君とはここでお別れだ。 チック:僕はここでこのチーズたちをすべて食べてからじゃないと逃げられない! タック:バカ言うんじゃないさ! チック! タック:俺がしっぽを引っ張ってやる! タック:思いっきり引っ張るぞ! きっと大丈夫さ! チック:ちょっと! タック! それは……! タック:いくぞー! タック:いち! にの! さん! えーーーい!(チックのしっぽを思いっきり引っ張る)  :  0:タック、チックのしっぽを思いっきり引っ張るが、頭が引っ掛かって首がみにょーんって伸びるイメージ(アニメ的表現)  :  チック:タック! むりだよ! 頭が引っ掛かってる! タック:だいじょうぶさ……! ググググ! (パチンコのゴムを引っ張ってるみたいな感じ) タック:グググ……(この後手を放しちゃってチック飛びます) チック:タック! 大変だ! 奴らがこっちを見た! タック:わ! それはたいへんだ! ……あ(手を放す)  :  0:タック、チックのしっぽを放してしまう。 0:チック、パチンコの要領で勢いよく人間の方へ飛んでいく。 0:ビューーーーーン!!!  :  チック:タック、手を放しちゃ……! チック:アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!(飛ぶ)  :  0:タック、排気口の穴の入り口に走り、中から外を見る。 0:勢いよく飛んでいくチックが、人間の顔に直撃する場面を見る。  :  タック:チックゥウウウウウウウウ!  :  タック:あああ! なんてこった! チックが人間の顔面に直撃だ……! タック:何とか助け出さなきゃ……! チック:タック! 君だけでも逃げるんだ! チック:僕なら大丈夫! 君だけでも、どうか逃げ延びてくれ!  :  タック:俺が! タック:君をおいて! タック:逃げれるわけがないだろう!  :  0:タック、助走をつけて本棚の上から飛ぶ!  :  タック:俺は! 君を助けに! 飛んでいくさ!……とう! チック:タック! そんな無茶な! 本棚から飛ぶなんて! タック:うわああああああああああ!!!  :  0:タック、チックがぶつかった人間に再度ぶつかる。 0:人間、驚いて足を滑らせ転倒。 0:ゆっくり、スローモーションで倒れる人間の顔面の上での会話。  :  チック:わあ! 人間が転ぶよ! タック、この手をつかんで! タック:チック! 君と2人で人間を倒したんだ! チック:物理的に倒れてるから! ほら! あぶないからこの手をつかんで! タック:チック! わかった! ……つかんだぞ! チック:よし、人間が地面に倒れた瞬間、地面に降りて走るんだ! タック:それは名案だ! 奴らが扉を開けてくれたからな! チック:そうだ! 奴らが開けた扉から、部屋の外に出れば! タック:この部屋から出れれば、後は郵便受けの穴から外に出られる! チック:さあ! とぶよ!  :  タック:いち! チック:にの! タック:さん!(同時) チック:さん!(同時) タック:よっと! 大成功だ! あとは走るだけ! チック:僕らならへっちゃらさ! いこう! タック!  :  0:チックとタック、倒れた人間から飛び降り、勢いよく出口に走っていく。 0:もう一人の人間が、二匹を見つけて追いかけてくる。  :  タック:(走りながら)チック! もう一人の人間が追いかけてきているのに気が付いてる? チック:(走りながら)タック! 振りむいちゃいけない! 郵便受けまであと少しだ! タック:まずは俺が土台になるから君が上に登ってくれ! チック:わかった!そしたら僕がこの懐中時計のチェーンをを垂らして引っ張り上げる! タック:よし! それでいこう! チック:もう着くよ! 後ろは振り返らない! あっという間に終わらせよう!  :  0:二匹が郵便受けまでたどり着く。 0:タックが土台になって、チックを上に登らせる。  :  タック:さあ! チック! 上に登って! チック:うんしょ! よいしょ! タック:チック! 君! 重過ぎるよ! もしかして、太ったか!? チック:うんしょ……! 今余計なことを言わないでくれるかい? タック:よし! 登り切ったね……! チック:さあ! 今度は君の番だよタック! このチェーンをつかむんだ! タック:わかった! ……っと! もう大丈夫だ! 引っ張ってくれ! チック:……よいしょ……! ああああ! 人間が目の前だ! タック:チック! 見るな! ただ引っ張るんだ! チック:ぼ、僕としたことが……! えええええええい!  :  0:人間の手がタックをつかむ寸前で、二匹が同時に郵便受けから外に転がり落ちる。  :  0:二匹は、家の外の青々とした芝生の上にすってんころりん転がっている。  :  タック:逃げ切ったね…… チック:間一髪だったよ……君が人間の手につかまる寸前だった。 タック:チック、君のおかげさ。ありがとう。 チック:何を言うんだい、タック。 チック:君が僕を助けてくれたから逃げられたんだろう。 タック:俺たちは、二匹で一匹と言っただろう! チック:タック、君は素晴らしい相棒さ!  :  猫(どちらか):にゃああああああああん!!!!  : 0:庭に放たれていた猫が、二匹を見つける。 0:二匹、猫とばっちり目が合う。  :  タック:そういえば、ゲージに猫、いなかったな。 チック:君の言葉を借りると……そうだね、 チック:これは……! 大変なことになった!  :  タック:逃げよう! チック!(走り出す) チック:タック! 逃げよう!(走り出す)  :  猫(どちらか):にゃあああああああああああああああああん!(フェードアウト)  :   :  0:了-続く-  :

0:タック、慌てた様子で屋敷の巣穴に走りこんでくる。 0:タック、巣の中をあわただしく走り回る。  :  タック:おいおいチック! こりゃあ大変なことになっちまったぞ!  :  0:チック、巣の中央に積まれたチーズにのんびり座り 0:もぐもぐとチーズを幸せそうにほおばりながら話を聞く  :  チック:(もぐもぐ)なんだい、タック。慌てて戻ってきて。 タック:これはのんびりしていられない!大変なことになっちまった! チック:タック、そんなに巣の中を走り回っても、僕にはなんにもわかんないよ(もぐもぐ)  :  タック:チック!チーズをそんなにほおばってる場合じゃない! チック:そんなこと言われたって、チーズの方が口に飛び込んでくるのさぁ(もぐもぐ) タック:ああ大変だ! ああ大変だ! チック:どうしたってのさ、そんなに慌てて。 チック:ちょっとは僕を見習いなよ、ネズミには余裕が必要だよ。 チック:話ならゆっくり聞いてあげるから、ほら、そこのカマンベールチーズに座りなよ。 タック:チック!驚かずに、聞くんだ! 聞いても慌てるんじゃないよ! チック:まずはタック、君が落ち着て立ち止まるべきだと思うけどなあ。  :  0:タック、チックの目の前でピタリと立ち止まる。  :  タック:俺たちのことが、この屋敷の人間にばれたんだ! チック:わあ、それはたいへんだあ(棒読み)  :  0:タック、また走り回る。  :  タック:これは大変なことだ!この巣がバレたら殺されてしまうかもしれない! チック:大丈夫だよタック。人間にこの巣がバレるわけないじゃないか。 タック:俺もそう思ったんだが、そうも言ってられなくなっちまったんだ! チック:なぜだい? チック:まさか人間も、猫のゲージのすぐ後ろに、ネズミの巣があるだなんて思わないだろう。 タック:そうだろうとも! タック:でも、聞こえちまったんだ! チック:タック、なにが聞こえたんだい?  :  タック:「こんにちは!ラットバスターズですー」って声が!  :  チック:わあお(素直に驚いたように) タック:これは大変だ!大変なことになったぞ! チック:タック、確かに君の言うように、これは大変なことかもしれない! タック:そうだろうとも!彼らはネズミに容赦がないからな! チック:僕たちは、ここから逃げないといけないだろう。 タック:まさしくその通りだ!俺たちはここから早く逃げないといけない! チック:ここから逃げるためには、まずは…… タック:準備が大切だ!慌てて逃げだしても、彼らの思うツボ! チック:そう、だからひとまずここにあるチーズをすべて食べないと。(もぐもぐもぐもぐ) チック:できれば、この屋敷のチーズをすべて食べてからでも チック:きっと遅くはないだろうと思う。(もぐもぐ)  :  0:チック、チーズをひょいひょいと口に運ぶ。 0:タック、めをまんまるにして足を止める。  :  タック:なんで、どうしてそうなっちまうんだ、チック! タック:どうか、理由を説明してくれ!  :  チック:タック。よーく聞いておくれよ? チック:ここの屋敷のチーズは チック:今まで出会ったどんなチーズよりも上質で チック:……僕としては、できればここから出たくないのさっ チック:こんな素晴らしい場所、他にあるはずがないからね。 タック:それはそうだろうさ! タック:でも!もうラットバスターズがこの屋敷中をきっと探してる! タック:血眼(ちまなこ)になって、俺たちを探し回ってるんだ! タック:いつか必ず見つかるぞ!そうなっちまったらおしまいだ!  :  0:タック、帽子掛けになっている小枝から茶色のハンチング帽を取り、被る。  :  チック:なんだい、タック。帽子なんか被って、もう出ていくつもりかい? タック:チック、君も一緒に行くんだ! チック:気が進まない理由はさっき言ったはずだけどなあ。 タック:君をおいて俺一人で逃げれるはずなんかないだろう! タック:俺と君は、二匹で一匹だ! チック:まったくもう、タック、君には参ったものだよ。 チック:仕方ない、君一人で逃げてもうまくいくはずがないしね チック:僕もついて行ってあげよう。 チック:持てるだけのチーズを持ってね。  :  タック:チック、君ならきっと、そう言ってくれると思ったさ! タック:そうとなれば、さあ!行こう!  :  0:タック、チックの手を引いて巣の外へと走り出そうとする。  :  チック:まっておくれよタック。 チック:その行動力はとっても魅力的だけど チック:僕には僕の、リズムと言うものがあってね タック:チック!のんびりなんて、今はできないんだよ! タック:大事にしてる懐中時計と、必要な分のチーズをもって! タック:さあ!早く逃げよう! チック:まったくもう、君はせっかちだなあ。  :  0:チック、えっちらおっちらと準備をする。  :  チック:じゅんびできたよ(口いっぱいにチーズを詰め込んで) タック:そんなにいっぱいチーズを口に詰め込んで、大丈夫か? チック:だいじょうぶ(もごもごしながら) チック:僕の頬袋は君の4倍さ!(流暢に) タック:顔がパンパンで見てくれは良くないけど タック:チック、君が良ければそれでいいさ!  :  タック:さあ!行こう! チック:ああもう、そんなに強く手を引っ張らないでおくれよ!  :  0:チックとタック、巣から飛び出す。  :  タック:慎重に、しかし大胆に行こう! チック:それじゃあ、猫のゲージの横を抜けて、本棚を登るなんてどうかな チック:幸い、今ゲージの中に猫はいないことだし! タック:本棚から先はどうするんだ!? チック:なんだいタック、逃げよう逃げよう言いながら、逃げ道は考えていなかったのかい? タック:俺をバカにするんじゃないよ!考えくらいあったさ! タック:でも、チック。君の意見を聞いてあげようって言う、俺なりのはからいさ! チック:そうかい。 チック:本棚に登れば、ほら、あそこ  :  0:チック、本棚の上の近くの壁にある、排気口を指さす。  :  チック:あの排気口に入れるだろう? タック:おおっと!おおむね俺と同じ意見だったみたいだな! チック:さあて、どうだかなあ。 タック:俺の考えとぴったりおんなじさ! タック:さ、本棚に急ごう! 人間に見つかっちまう前にさ! チック:タックは調子がいいなあ。  :  0:二匹とも、本棚の上に登る。 0:登ったとたん、部屋の扉が開く。  :  タック:わあ!扉が開いた!奴らが来るぞ! チック:タック、落ち着いて早く排気口に入るんだ! タック:どうしよう!どうしよう!みつかっちまう! チック:タック!君が先に入らないと僕も入れない! タック:ああそうだな! 先に入るからすぐに後に続くんだぞ!  :  0:タック、排気口に勢いよく入る。  :  チック:ようし、それじゃあ僕も……!うっ!  :  0:チック、頬袋に入れたチーズが邪魔で、頭が排気口に入らない。  :  タック:チック!どうしたんだ!何があった! チック:あちゃあ。これはまいった。 タック:チーズをそんなに頬袋に入れてるから、通れなくなっちまったんだな! チック:大丈夫だよ。お尻から入れば……  :  0:チック、一度引き返してお尻から排気口に入るが、やっぱり頭で詰まってしまう!  : タック:チック!君のお尻が俺の目の前にあるけど、それ以上は無理なのか!? チック:やっぱりダメみたいだ! チック:このチーズたちは、ここから出たくないらしい。 チック:君とはここでお別れだ。 チック:僕はここでこのチーズたちをすべて食べてからじゃないと逃げられない! タック:バカ言うんじゃないさ! チック! タック:俺がしっぽを引っ張ってやる! タック:思いっきり引っ張るぞ! きっと大丈夫さ! チック:ちょっと! タック! それは……! タック:いくぞー! タック:いち! にの! さん! えーーーい!(チックのしっぽを思いっきり引っ張る)  :  0:タック、チックのしっぽを思いっきり引っ張るが、頭が引っ掛かって首がみにょーんって伸びるイメージ(アニメ的表現)  :  チック:タック! むりだよ! 頭が引っ掛かってる! タック:だいじょうぶさ……! ググググ! (パチンコのゴムを引っ張ってるみたいな感じ) タック:グググ……(この後手を放しちゃってチック飛びます) チック:タック! 大変だ! 奴らがこっちを見た! タック:わ! それはたいへんだ! ……あ(手を放す)  :  0:タック、チックのしっぽを放してしまう。 0:チック、パチンコの要領で勢いよく人間の方へ飛んでいく。 0:ビューーーーーン!!!  :  チック:タック、手を放しちゃ……! チック:アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!(飛ぶ)  :  0:タック、排気口の穴の入り口に走り、中から外を見る。 0:勢いよく飛んでいくチックが、人間の顔に直撃する場面を見る。  :  タック:チックゥウウウウウウウウ!  :  タック:あああ! なんてこった! チックが人間の顔面に直撃だ……! タック:何とか助け出さなきゃ……! チック:タック! 君だけでも逃げるんだ! チック:僕なら大丈夫! 君だけでも、どうか逃げ延びてくれ!  :  タック:俺が! タック:君をおいて! タック:逃げれるわけがないだろう!  :  0:タック、助走をつけて本棚の上から飛ぶ!  :  タック:俺は! 君を助けに! 飛んでいくさ!……とう! チック:タック! そんな無茶な! 本棚から飛ぶなんて! タック:うわああああああああああ!!!  :  0:タック、チックがぶつかった人間に再度ぶつかる。 0:人間、驚いて足を滑らせ転倒。 0:ゆっくり、スローモーションで倒れる人間の顔面の上での会話。  :  チック:わあ! 人間が転ぶよ! タック、この手をつかんで! タック:チック! 君と2人で人間を倒したんだ! チック:物理的に倒れてるから! ほら! あぶないからこの手をつかんで! タック:チック! わかった! ……つかんだぞ! チック:よし、人間が地面に倒れた瞬間、地面に降りて走るんだ! タック:それは名案だ! 奴らが扉を開けてくれたからな! チック:そうだ! 奴らが開けた扉から、部屋の外に出れば! タック:この部屋から出れれば、後は郵便受けの穴から外に出られる! チック:さあ! とぶよ!  :  タック:いち! チック:にの! タック:さん!(同時) チック:さん!(同時) タック:よっと! 大成功だ! あとは走るだけ! チック:僕らならへっちゃらさ! いこう! タック!  :  0:チックとタック、倒れた人間から飛び降り、勢いよく出口に走っていく。 0:もう一人の人間が、二匹を見つけて追いかけてくる。  :  タック:(走りながら)チック! もう一人の人間が追いかけてきているのに気が付いてる? チック:(走りながら)タック! 振りむいちゃいけない! 郵便受けまであと少しだ! タック:まずは俺が土台になるから君が上に登ってくれ! チック:わかった!そしたら僕がこの懐中時計のチェーンをを垂らして引っ張り上げる! タック:よし! それでいこう! チック:もう着くよ! 後ろは振り返らない! あっという間に終わらせよう!  :  0:二匹が郵便受けまでたどり着く。 0:タックが土台になって、チックを上に登らせる。  :  タック:さあ! チック! 上に登って! チック:うんしょ! よいしょ! タック:チック! 君! 重過ぎるよ! もしかして、太ったか!? チック:うんしょ……! 今余計なことを言わないでくれるかい? タック:よし! 登り切ったね……! チック:さあ! 今度は君の番だよタック! このチェーンをつかむんだ! タック:わかった! ……っと! もう大丈夫だ! 引っ張ってくれ! チック:……よいしょ……! ああああ! 人間が目の前だ! タック:チック! 見るな! ただ引っ張るんだ! チック:ぼ、僕としたことが……! えええええええい!  :  0:人間の手がタックをつかむ寸前で、二匹が同時に郵便受けから外に転がり落ちる。  :  0:二匹は、家の外の青々とした芝生の上にすってんころりん転がっている。  :  タック:逃げ切ったね…… チック:間一髪だったよ……君が人間の手につかまる寸前だった。 タック:チック、君のおかげさ。ありがとう。 チック:何を言うんだい、タック。 チック:君が僕を助けてくれたから逃げられたんだろう。 タック:俺たちは、二匹で一匹と言っただろう! チック:タック、君は素晴らしい相棒さ!  :  猫(どちらか):にゃああああああああん!!!!  : 0:庭に放たれていた猫が、二匹を見つける。 0:二匹、猫とばっちり目が合う。  :  タック:そういえば、ゲージに猫、いなかったな。 チック:君の言葉を借りると……そうだね、 チック:これは……! 大変なことになった!  :  タック:逃げよう! チック!(走り出す) チック:タック! 逃げよう!(走り出す)  :  猫(どちらか):にゃあああああああああああああああああん!(フェードアウト)  :   :  0:了-続く-  :