台本概要

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タイトル チックタックとオバケの家
作者名 レンga  (@renganovel)
ジャンル 童話
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 チックタックシリーズ第四弾

◆◆あらすじ◆◆

雨の降る夜、ネズミたちはオバケ屋敷に迷い込む……!

二匹のネズミ
チーズが大好き!怖いもの知らずな『チック』
臆病者だけど、負けず嫌いな『タック』

愉快な二匹のネズミが
オバケが現れる家に迷い込んでしまった!
そして、チックの大切な懐中時計が
オバケに持ち去られてしまう!

二匹は、オバケから懐中時計を取り返し
オバケ屋敷から逃げ出すことができるのか!

ハロウィンでも、ハロウィン以外でも楽しめる!
ハラハラドキドキなカートゥーンファンタジーコメディ!!

◆◆◆◆◆◆◆◆

ディズニーチックな、カートゥーンな雰囲気の台本です。
登場人物がネズミなので
どちらも男女不問です。

男×男 女×女 男×女

好きな組み合わせで楽しんでいただけます。

◆◆許可範囲◆◆

①アドリブ可
②男女比率変更可
③語尾などの軽微な台詞変更可

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
チック 不問 97 楽観主義、何とかなると思ってる。 チーズが大好き。 金色の懐中時計が宝物。 ひらめきが得意。 他の鼠より長いしっぽがトレードマーク 探偵を目指している。 タックは友人兼助手だと思ってる。
タック 不問 93 現実主義で心配性であわてんぼう 昔ねこにしっぽを半分かじられて 猫が大嫌い。 茶色のハンチング帽を被ってる。 夢は探偵になること。 チックは友人兼助手だと思ってる。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:『タイトルコール』  :  チック:チックタックとー!(なんか元気に) タック:お、オバケの家ぇ……(おびえながら)  :  0:間  :  0:夜の街路地を、タックとチックが歩いている。 0:タック、壁に貼ってある何かを見つけて立ち止まり、突然慌てだす。  :  タック:チック! チック! 大変だ! タック:これは大変だよ! チック!  :  チック:どうしたのさ、タック。(パルメザンチーズを両手でもってポリポリかじる。) チック:せっかく三日月がきれいだからって チック:のんびりお散歩していたのに、突然慌てだして。  :  0:チックは、特に気にしないので 0:パルメザンチーズの欠片をポリポリしながら歩き続ける。  :  タック:大変なものを見つけてしまったんだ、チック! チック:まったく、いったい何を見つけたらそんなに大騒ぎできるんだい? タック:いいから! 立ち止まってくれよ! タック:チック! 俺を置いていく気かい!?(両手をぱたぱた) チック:タックはしょうがないネズミだなあ。 チック:取り乱していては、足元をすくわれてしまうよ?(チーズぽりぽり) チック:それでいったい、何を見つけたんだい?  :  0:チック、足を止めてタックのもとまでのんびり向かっていく。  :  タック:これさ! こんな張り紙が、そこら中に貼ってある! チック:なになに? チック:『ネズミ駆除ならおまかせ! ラットバスターズ! 事務所はすぐそば!』 タック:大変だ! この辺の家にはお邪魔できないぞ! タック:チック! 町を変えようよ! 怖くておいそれと巣を作れない! チック:ラットバスターズはチェーン店だから チック:どこに行ったって気を付けなきゃいけないさ。 タック:なんだってー! なんてこった!!  :  0:チック、ラットバスターズのそばに貼ってある他の張り紙に興味を持つ。  :  チック:僕はその張り紙より、こっちの方がおもしろいなあ。 タック:なんだい、チック。 タック:どうせチーズの広告か何かだろう? チック:タック、君が僕のことをどう思っているかはよく分かったよ。 タック:だって、いつもそうじゃないかー! チック:いつもはそうかもしれないけれど、今回は違うよ? タック:そうかいそうかい。ええと、なになに? タック:『オバケ注意!』 チック:変な張り紙だろう? タック。 チック:オバケなんかいるはずないのにね。  :  0:タック、恐怖で固まって動けない。  :  チック:ん? タック? どうしたのさ固まって。  :  0:チック、にこぉっと笑う。  :  チック:もしかして、オバケが怖いのかい? タック:な、なにを言うのさ、チック。(ガクブル) タック:オバケなんているわけないじゃないか! あはは…… チック:そうさ! オバケなんかいるはずないんだよ! チック:だからきっと、この張り紙は誰かのいたずらだろうね! タック:そ、そうだよねチック! タック:きっと誰かのいたずらさ! チック:わあ! タック! あそこの家の角の白い影は何だい!? タック:わあああああ!!! きっとオバケだよチックううううう!!!  :  0:タック、とっさにチックの後ろに隠れる。  :  チック:嘘だよタック。 チック:だから僕の陰に隠れなくても大丈夫さ。 タック:ひどいぞチック! タック:これはとても笑えない冗談だ! とてもひどいと俺は思うぞ! チック:悪かったよタック。 チック:君を見ていたら、ちょっぴりからかいたくなったのさ。 タック:俺はしばらく引きずるぞ! 時が来たら仕返ししてやる!  :  チック:悪かったって……! 許してくれてもいいじゃないかぁ……。 チック:っと、これは……もしかして雨かい? タック:突然雨が降ってきたな! タック:さっきまできれいな三日月が見えていたのに タック:気が付けば厚い雲で星空も隠れてしまっている!  :  0:雨がはじめはぽつぽつと 0:しかし次第に大雨になっていく。  :  チック:タック! 雨がだんだん強くなってきたよ! チック:このままじゃ風邪をひいてしまうよ! タック:チック! それじゃあこの辺で、雨宿できて一晩過ごせる場所に行こう! チック:この辺りなら、家がたくさんあるからお邪魔し放題だね! タック:でもダメだ……! タック:この辺りの家にはきっと、ラットバスターズの魔の手が伸びてる。 タック:人がいなさそうで、寝泊まりできる場所にしよう。 チック:タックは難しいことを言うなあ。 チック:人がいなければチーズもないじゃないか。 タック:今はチーズは後回しだ! タック:うわあ! 雷もなりだしたぞ! チック:そうだ! 一ついい場所を知ってるよ、タック! タック:さすがチックだ! で、そこはここから近いのかい? チック:すぐ近くさ! ほら、こっちだよ、タック!  :  0:二匹は走ってとある洋館にたどり着く。 0:人の姿はなく、苔が生え、つたが絡みついたその風貌は 0:さながらお化け屋敷のような、不気味な雰囲気を持っていた。  :  チック:ここさ! チック:少し前に、この屋敷からチーズの匂いがしたんだ! チック:空き家のはずだから、人はいないよ、タック! タック:なんか不気味な洋館だね……壁につたが絡みついてるよ、チック。 チック:今はそんな選り≪えり≫好みしていられないだろう、タック。 チック:人がいなくて、雨をしのげて、チーズの匂いがする空き家なんて チック:滅多にないんだからさ。 タック:別に俺は、チーズの匂いはしなくていいんだけど チック:僕が嫌なのさ! 『もしかして、どこかにチーズがあるかも?』 チック:っていうワクワク感がないと、楽しくないだろう? タック。 タック:空き家を見つけてくれたのは君だ、チック。 タック:俺が文句を言う筋合いはないな、悪かったよ。 チック:いいのさ、タック。 チック:それじゃあ、さっそくお邪魔させてもらおう。 タック:そうだね、お邪魔しよう! チック:っと、都合よく玄関の扉が半開きになってるよ、タック。 タック:俺たちは運がいい! 人もいないことだし、正々堂々玄関から中に入っちゃおう! チック:そうしよう!  :  0:二匹は、少しだけ開いている玄関の扉の隙間から 0:洋館のなかに入ることに成功した。  :  タック:わあ、明かりがないから真っ暗だね……! チック:鼻を効かせれば、見えないものも見えるものだよ……(くんくん) タック:君は鼻がいいからなあ。 チック:チーズの匂いがもししたなら、真っ暗でも、もし目が無くなっても チック:寸分の狂いもなく見つけられる自信があるよ!  :  0:突然、扉がバターンと閉まる。  :  タック:わあ!!! タック:突然扉がバターンって閉まった!!! タック:どうしよう、チック! オバケかもしれない! チック:大丈夫だよ、タック。 チック:きっと風が扉を閉めただけさ。 タック:でも、本当に真っ暗になってしまったよ。 タック:窓からも、ぼんやりとしか明かりが入らないから タック:俺は君の顔もわからない! チック! 君は本当にチックかい? チック:もちろん、僕はチックだとも! チック:間違いなく、僕はチックさ!  :  0:ゴロゴロ……! 0:と、雷が鳴る。  :  タック:ひいい! タック:雷だ! すごいゴロゴロ鳴っている! チック:好都合じゃないか! 雷が鳴れば、一瞬だけどあたりが分かる! チック:よし、タック、こうしよう。 タック:なんだい、チック。 タック:またよからぬことを考えているわけではあるまいね? チック:僕は今から匂いを頼りにチーズを探しに行く。 チック:この家には、必ずチーズがあるはずさ チック:僕の鼻がそう言っているんだ。間違いない。  :  タック:そんなの、明るくなってからでも遅くはないじゃないか! チック:明るくなってからじゃ遅いのさ! チック:僕は、今おなかが減っているんだ。 チック:今はらぺこなら、今チーズを探さないと! チック:それじゃ、探してくるよ! タック:ちょっと待っておくれよ、チック……! チック:さあて、チーズ、チーズっと……(くんくん)  :  0:チックがタックのもとを離れて、チーズを探しに行こうとした瞬間 0:何か白い影がチックのそばを通り過ぎ 0:チックがひっくり返る。 0:ちょうど雷が鳴ると、屋敷が一瞬明るくなり 0:白い影が中央の階段を上った奥の扉に消えていくのが分かる。  :  タック:わあ!!! タック:チック! オバケだ! オバケが君の方に走っていったぞ! チック:ぎゃああ! 何かがぶつかった!(すってんころりん) タック:チック、大丈夫か!? わあ! 雷も! チック:あいたたた…… チック:わあ! これは大変なことかもしれない! タック:大変だ! 大変なことになったぞ! オバケが出た! タック:ここはオバケの家だったんだ! さっさと外に出てしまおう! チック:ダメだ、タック……! チック:僕の大切な懐中時計が、さっきの白い影に盗まれた! タック:なななな!!! なんだって!!!! タック:ずっと君が持っていた、あの懐中時計が盗られたのかい!? チック:そうさ! あれはとても大切なものなんだ! タック:そうかい、チック! タック:残念だけれど、あきらめて逃げなければね! タック:オバケが相手では、お、俺達にはどうしようもないよ! チック:何を言っているんだい、タック。 チック:オバケなんかいるわけないじゃないか! タック:で、でもチック! 君も見ただろう? タック:雷の光で明るくなった時に タック:白い影が君の懐中時計を奪っていくのを! チック:確かに見たさ! すばやくて影に見えたけれど チック:僕はあれがオバケだとは思わないなあ! タック:君は強情だな! あれはきっとオバケさ! タック:相手がオバケでは、お、俺でもさすがに太刀打ちできない! タック:懐中時計はあきらめて、逃げよう!  :  0:チック、タックをなめるように見る。 0:雷で明るくなるたびに、チックと目があうタック。  :  0:間  :  チック:タック。 チック:君、もしかして チック:オバケが、怖いのかい? 0:間 タック:……こ、怖いかだって? タック:怖いわけではないさ!(怖い) タック:でも、物理的にオバケとは争えないだろう?(怖い) チック:タック、君はオバケが怖いから チック:早くこの屋敷から外に出たいんだろう? タック:何を言うのさ! 怖いわけないだろう!?(怖い) タック:チック、君は決めつけが過ぎるよ!(怖い) タック:オバケなんか、ま、全く怖いわけがないだろう!(怖い) チック:僕はきっと君よりも、オバケが怖くないと思うよ! タック:いいや、お、俺の方が怖くないね!(怖い) チック:本当かい? タック:本当だとも! 賭けてもいいさ! チック:僕は懐中時計を、どうにか取り戻したいんだけれど。 タック:そ、それなら俺が先に行こう! タック:チック、それで俺がオバケが怖くないという証明になるだろう? チック:さっすがタック!!! チック:君は勇敢で素晴らしいネズミだ!  :  0:がたがた震えるタックが、チックの前に立つ。 0:チラチラと事あるごとに後ろを振り返りながら 0:タックはおびえながら先導する。  :  タック:それじゃあ、慎重かつ大胆に行こう。 チック:さっきの白い影、階段を上った先の チック:奥の部屋に入っていったはずさ! チック:そこから探すべきだと、僕は思うな! タック:そ、そうだなチック! タック:その作戦で進めていこう。 タック:ゆっくり、ゆっくり行くんだ! お、おびえているんじゃないぞ! チック:急がないと、オバケに懐中時計が食べられてしまうかもしれない! タック:えええ! オバケは懐中時計も食べてしまうのかい!? チック:きっと食べるだろうね。 チック:きっとチーズも食べるよ。 タック:ネズミは食べないかな。 チック:どうだかなあ。 タック:きっと食べないさ! チック:ほら、早く行こうよ! タック:チック、いいかい? タック:君のその行動力は魅力的だと思うけれどね タック:俺には、俺のリズムと言うものが少なからずあるのさ。 チック:ほうら、そうやって言って、やっぱり怖いんじゃないか! タック:怖くないと言っているだろう! タック:ほら、行こう、チック! チック:そうだね! 行こう! まずは階段を上らないと!  :  0:タック、先導して階段を上っていく。 0:途中まで上って、振り返り、上がってきた段数を数える。  :  タック:よいしょっと……あ。 タック:はち、きゅう、じゅう チック:タック、階段の段数を数えてどうしたんだい? タック:じゅういち、じゅうに……じゅうさん。 タック:チック、この階段、十三段だよ。(びくびく) チック:なんだい、タック。 チック:縁起が悪いって話なら、僕はナンセンスだと思うけどな。 タック:なんだか気味が悪いなあ。 チック:それなら、ほら、こうやって!  :  0:チック、階段を一段ぴょんとジャンプして飛ばす。  :  チック:よっと。 チック:一段飛ばしちゃえば十二段さ! タック:チック、君は脳みそまでチーズかと思ったけど タック:天才かもしれない。……よっと。 チック:物事は考えようだよ! よし、奥の扉に急ごう! タック:そうだね、チック!  :  チック:(少し走った感じ)よし、扉までついたぞ。 タック:この奥にいるかもしれないんだね……! タック:白いオバケが……っと! うわあ!  :  0:奥の扉まで近づくと、突然扉がバーンと開く。 0:中から花瓶が飛んでくる。 0:花瓶がタックの頭にスポーンってハマる。  :  チック:タック! 危ない! チック:突然扉が開いて……! 部屋の中から花瓶が! タック:花瓶が飛んできた……!!! ぐえええ!! チック:タックううう!! 大丈夫かい!? チック:花瓶が頭にすっぽり入っているよ! タック:あいたたた…… タック:これは!! ポルターガイストかもしれない!!! チック:オバケが家具とか花瓶とかを浮かせる奴だね! タック:そうさ! きっとそれで花瓶が飛んできたのさ! チック:タック、君がとても気の毒だから、 チック:僕も花瓶を引っこ抜くの手伝ってあげるよ。 タック:本当かい!? なかなか抜けなくて苦労していたのさ……! ぐぐぐぐぐ!(自分で引っ張る) チック:僕も引っ張るから、気を付けてね! えーい! ぐぐぐぐぐ!(引っ張ってあげる) タック:ぐぬぬぬぬぬ……!! 抜けない! チック:抜けないね、タックううううう!!! ぐぐぐぐぐ!!! タック:チック、ごめん……! チック:どうしたんだい、タック。 タック:これは、今言うべきではないのかもしれないけど タック:花瓶の内側から君の顔を見ると、とても不細工で面白いね。  :  0:チック、むすっとして、力任せにビンを引っ張る。  :  チック:君を手伝ってあげているのに!(怒って引っ張る) チック:タック! その言い方はないんじゃないか!?(怒って引っ張る) タック:ごめんよ! タック:でも、とっても面白かったさ!!! チック:タック! 君は大変ひどいネズミだ! えーい!!  :  0:ビンがスポーンと抜け 0:勢いでよろめいたタックは部屋の中に入ってしりもちをつく。  :  タック:わあああああああ!  タック:ぬ、抜けたよチック! ありがとう! タック:こ、ここは……! 部屋の中かい!? タック:明かりがないから真っ暗闇だよ……! チック:タック、君はもっと言葉を選ぶべきだ! タック:ごめんよチック。 おもしろくなっちゃったんだ。 チック:しかたのないネズミだなあ。  :  チック:タック、君が今しりもちをついているのが、さっきの部屋の中だよ。 タック:雷の明かりじゃなきゃ、うまく見えないけど タック:とっても散らかっているなあ。 チック:そこがもしかすると、オバケの部屋かもしれないぞ? タック:お、オバケ!? 本当かい!? た、大変だ……(びくびく) チック:その部屋に、僕の懐中時計は見当たらないかい? タック:ちょ、ちょっと待つんだ、チック。 タック:少し探してみよう。  :  タック:割れたお皿……倒れた本棚、さかさまになった椅子…… タック:部屋の中、オバケの暴れた跡があるよ、チック。  :  0:そんななか、暗闇の中に光る金の懐中時計と 0:赤い二つの目ん玉がこちらを見ているのに気が付く。  :  チック:ど、どうしたんだい?タック。固まっちゃって。 タック:わあああああああ!!!! タック:チック! 大変だ! これは大変なことだ!!! チック:どうしたというのさ、タック。 チック:何を見たのか教えてくれ! タック:は、早く逃げよう! オバケがいる! オバケの目が暗闇に浮かんだんだ! チック:懐中時計はあったのかい!? タック:か、懐中時計は……こ、これだ! すぐそばにあったよ! チック:それは良かった!!! 感謝するよ!!! チック:チーズは!? 見つけられたかい!? タック:チーズは探していないのさ! チック:うっすらチーズの香りがするのに、ここにはチーズはないかもしれない! チック:とっても不思議だ……。 タック:君の体の匂いじゃないかい? チック:僕はそんな、いい匂いがするのかい?(自分の体をくんかくんか) タック:君はいつもチーズくさいよ。 チック:チーズはくさくないさ! ひどい言い方をするなあタック!(ぷんすか!)  :  チック:それで、他に何か見つかった物はあるかい? タック:ええと、そうだなあ。 タック:キラキラしたものがいくつも隠してあった! タック:小銭から、銅板、そのほかキラキラしてる鉱石さ! チック:キラキラしたものを、集めていたということかい? タック:きっと、そうだろうと思うよ、チック。 タック:ほら、懐中時計を受け取りに来てほしい。  :  0:チックも部屋の中に入り、タックの側による。 0:タックから懐中時計を受け取る。  :  チック:ありがとう、タック。懐中時計を見つけてくれて! タック:偶然しりもち着いたすぐそばにあってよかったよ……! チック:でも、君が言っていた、オバケと言うのはどこにいるのさ? タック:目を合わせないようにしているから、全く分からないよ! チック:この暗い部屋の、どこかに潜んでいるというわけだね。  :  0:その時、雷と共に白い影がまた現れて 0:チックとタックの目の前に立つ。  : タック:……ん? なにかガサゴソ音が……  タック:わああああああああああああ!!! タック:オバケが目の前にあらわれたああああああああ!!!! チック:落ち着くんだ、タック! チック:よく見るんだ、こいつはオバケなんかじゃないぞ! タック:オバケさ! オバケさ! お、オバケが出たぞ! チック:タック!!! しっかりするんだ!  チック:こいつは白いオバケじゃない! タック:大変だ! たいへんだああああああ!!!  :  チック:タック! こいつは猫だ! 白い猫だよ、タック! チック:オバケじゃない! キラキラしたものを集めていただけの猫だ!  :  0:ちょうどそのタイミングで長い雷鳴がなり 0:タックも、その白い影……白い猫の姿を目撃する。  :  タック:(息を切らせて)なあんだ、オバケじゃないのか。 タック:ふう、そうか、オバケじゃないのか。これは一安心だ。(よかったね) チック:タック、ほら言っただろう。 チック:オバケじゃないって!(どやあ)  :  猫(どちらか):にゃああああああん  :  タック:オバケじゃなくて、猫? チック:そうさ、オバケじゃなくて白い猫が チック:きらきらしているものを集めていたのさ!  :  タック:チック、大変だ! これは大変なことになった! チック:どうしたんだい、タック!  :  タック:お、オバケじゃなくて猫だ……!(驚愕の新事実)  :  タック:ね、猫だあああああああああああああ!!!! チック:わああああ!!! そうだ! 猫もダメだ! タック:チック! 懐中時計はしっかりと握っているかい? チック:タック! 大丈夫さ! もうだれにもとられないぞ! タック:それじゃあ、猫から逃げよう! チック:真っ暗だけど、僕らならまっすぐ逃げれるはずさ! タック:それじゃあ、いくよ、チック!(走り出す) チック:急いで逃げよう! 行こう!タック(走り出す)  :  猫(どちらか):にゃあああああああああああああああああん!(フェードアウト)  :   :  0:おしまい!(続く)  :

0:『タイトルコール』  :  チック:チックタックとー!(なんか元気に) タック:お、オバケの家ぇ……(おびえながら)  :  0:間  :  0:夜の街路地を、タックとチックが歩いている。 0:タック、壁に貼ってある何かを見つけて立ち止まり、突然慌てだす。  :  タック:チック! チック! 大変だ! タック:これは大変だよ! チック!  :  チック:どうしたのさ、タック。(パルメザンチーズを両手でもってポリポリかじる。) チック:せっかく三日月がきれいだからって チック:のんびりお散歩していたのに、突然慌てだして。  :  0:チックは、特に気にしないので 0:パルメザンチーズの欠片をポリポリしながら歩き続ける。  :  タック:大変なものを見つけてしまったんだ、チック! チック:まったく、いったい何を見つけたらそんなに大騒ぎできるんだい? タック:いいから! 立ち止まってくれよ! タック:チック! 俺を置いていく気かい!?(両手をぱたぱた) チック:タックはしょうがないネズミだなあ。 チック:取り乱していては、足元をすくわれてしまうよ?(チーズぽりぽり) チック:それでいったい、何を見つけたんだい?  :  0:チック、足を止めてタックのもとまでのんびり向かっていく。  :  タック:これさ! こんな張り紙が、そこら中に貼ってある! チック:なになに? チック:『ネズミ駆除ならおまかせ! ラットバスターズ! 事務所はすぐそば!』 タック:大変だ! この辺の家にはお邪魔できないぞ! タック:チック! 町を変えようよ! 怖くておいそれと巣を作れない! チック:ラットバスターズはチェーン店だから チック:どこに行ったって気を付けなきゃいけないさ。 タック:なんだってー! なんてこった!!  :  0:チック、ラットバスターズのそばに貼ってある他の張り紙に興味を持つ。  :  チック:僕はその張り紙より、こっちの方がおもしろいなあ。 タック:なんだい、チック。 タック:どうせチーズの広告か何かだろう? チック:タック、君が僕のことをどう思っているかはよく分かったよ。 タック:だって、いつもそうじゃないかー! チック:いつもはそうかもしれないけれど、今回は違うよ? タック:そうかいそうかい。ええと、なになに? タック:『オバケ注意!』 チック:変な張り紙だろう? タック。 チック:オバケなんかいるはずないのにね。  :  0:タック、恐怖で固まって動けない。  :  チック:ん? タック? どうしたのさ固まって。  :  0:チック、にこぉっと笑う。  :  チック:もしかして、オバケが怖いのかい? タック:な、なにを言うのさ、チック。(ガクブル) タック:オバケなんているわけないじゃないか! あはは…… チック:そうさ! オバケなんかいるはずないんだよ! チック:だからきっと、この張り紙は誰かのいたずらだろうね! タック:そ、そうだよねチック! タック:きっと誰かのいたずらさ! チック:わあ! タック! あそこの家の角の白い影は何だい!? タック:わあああああ!!! きっとオバケだよチックううううう!!!  :  0:タック、とっさにチックの後ろに隠れる。  :  チック:嘘だよタック。 チック:だから僕の陰に隠れなくても大丈夫さ。 タック:ひどいぞチック! タック:これはとても笑えない冗談だ! とてもひどいと俺は思うぞ! チック:悪かったよタック。 チック:君を見ていたら、ちょっぴりからかいたくなったのさ。 タック:俺はしばらく引きずるぞ! 時が来たら仕返ししてやる!  :  チック:悪かったって……! 許してくれてもいいじゃないかぁ……。 チック:っと、これは……もしかして雨かい? タック:突然雨が降ってきたな! タック:さっきまできれいな三日月が見えていたのに タック:気が付けば厚い雲で星空も隠れてしまっている!  :  0:雨がはじめはぽつぽつと 0:しかし次第に大雨になっていく。  :  チック:タック! 雨がだんだん強くなってきたよ! チック:このままじゃ風邪をひいてしまうよ! タック:チック! それじゃあこの辺で、雨宿できて一晩過ごせる場所に行こう! チック:この辺りなら、家がたくさんあるからお邪魔し放題だね! タック:でもダメだ……! タック:この辺りの家にはきっと、ラットバスターズの魔の手が伸びてる。 タック:人がいなさそうで、寝泊まりできる場所にしよう。 チック:タックは難しいことを言うなあ。 チック:人がいなければチーズもないじゃないか。 タック:今はチーズは後回しだ! タック:うわあ! 雷もなりだしたぞ! チック:そうだ! 一ついい場所を知ってるよ、タック! タック:さすがチックだ! で、そこはここから近いのかい? チック:すぐ近くさ! ほら、こっちだよ、タック!  :  0:二匹は走ってとある洋館にたどり着く。 0:人の姿はなく、苔が生え、つたが絡みついたその風貌は 0:さながらお化け屋敷のような、不気味な雰囲気を持っていた。  :  チック:ここさ! チック:少し前に、この屋敷からチーズの匂いがしたんだ! チック:空き家のはずだから、人はいないよ、タック! タック:なんか不気味な洋館だね……壁につたが絡みついてるよ、チック。 チック:今はそんな選り≪えり≫好みしていられないだろう、タック。 チック:人がいなくて、雨をしのげて、チーズの匂いがする空き家なんて チック:滅多にないんだからさ。 タック:別に俺は、チーズの匂いはしなくていいんだけど チック:僕が嫌なのさ! 『もしかして、どこかにチーズがあるかも?』 チック:っていうワクワク感がないと、楽しくないだろう? タック。 タック:空き家を見つけてくれたのは君だ、チック。 タック:俺が文句を言う筋合いはないな、悪かったよ。 チック:いいのさ、タック。 チック:それじゃあ、さっそくお邪魔させてもらおう。 タック:そうだね、お邪魔しよう! チック:っと、都合よく玄関の扉が半開きになってるよ、タック。 タック:俺たちは運がいい! 人もいないことだし、正々堂々玄関から中に入っちゃおう! チック:そうしよう!  :  0:二匹は、少しだけ開いている玄関の扉の隙間から 0:洋館のなかに入ることに成功した。  :  タック:わあ、明かりがないから真っ暗だね……! チック:鼻を効かせれば、見えないものも見えるものだよ……(くんくん) タック:君は鼻がいいからなあ。 チック:チーズの匂いがもししたなら、真っ暗でも、もし目が無くなっても チック:寸分の狂いもなく見つけられる自信があるよ!  :  0:突然、扉がバターンと閉まる。  :  タック:わあ!!! タック:突然扉がバターンって閉まった!!! タック:どうしよう、チック! オバケかもしれない! チック:大丈夫だよ、タック。 チック:きっと風が扉を閉めただけさ。 タック:でも、本当に真っ暗になってしまったよ。 タック:窓からも、ぼんやりとしか明かりが入らないから タック:俺は君の顔もわからない! チック! 君は本当にチックかい? チック:もちろん、僕はチックだとも! チック:間違いなく、僕はチックさ!  :  0:ゴロゴロ……! 0:と、雷が鳴る。  :  タック:ひいい! タック:雷だ! すごいゴロゴロ鳴っている! チック:好都合じゃないか! 雷が鳴れば、一瞬だけどあたりが分かる! チック:よし、タック、こうしよう。 タック:なんだい、チック。 タック:またよからぬことを考えているわけではあるまいね? チック:僕は今から匂いを頼りにチーズを探しに行く。 チック:この家には、必ずチーズがあるはずさ チック:僕の鼻がそう言っているんだ。間違いない。  :  タック:そんなの、明るくなってからでも遅くはないじゃないか! チック:明るくなってからじゃ遅いのさ! チック:僕は、今おなかが減っているんだ。 チック:今はらぺこなら、今チーズを探さないと! チック:それじゃ、探してくるよ! タック:ちょっと待っておくれよ、チック……! チック:さあて、チーズ、チーズっと……(くんくん)  :  0:チックがタックのもとを離れて、チーズを探しに行こうとした瞬間 0:何か白い影がチックのそばを通り過ぎ 0:チックがひっくり返る。 0:ちょうど雷が鳴ると、屋敷が一瞬明るくなり 0:白い影が中央の階段を上った奥の扉に消えていくのが分かる。  :  タック:わあ!!! タック:チック! オバケだ! オバケが君の方に走っていったぞ! チック:ぎゃああ! 何かがぶつかった!(すってんころりん) タック:チック、大丈夫か!? わあ! 雷も! チック:あいたたた…… チック:わあ! これは大変なことかもしれない! タック:大変だ! 大変なことになったぞ! オバケが出た! タック:ここはオバケの家だったんだ! さっさと外に出てしまおう! チック:ダメだ、タック……! チック:僕の大切な懐中時計が、さっきの白い影に盗まれた! タック:なななな!!! なんだって!!!! タック:ずっと君が持っていた、あの懐中時計が盗られたのかい!? チック:そうさ! あれはとても大切なものなんだ! タック:そうかい、チック! タック:残念だけれど、あきらめて逃げなければね! タック:オバケが相手では、お、俺達にはどうしようもないよ! チック:何を言っているんだい、タック。 チック:オバケなんかいるわけないじゃないか! タック:で、でもチック! 君も見ただろう? タック:雷の光で明るくなった時に タック:白い影が君の懐中時計を奪っていくのを! チック:確かに見たさ! すばやくて影に見えたけれど チック:僕はあれがオバケだとは思わないなあ! タック:君は強情だな! あれはきっとオバケさ! タック:相手がオバケでは、お、俺でもさすがに太刀打ちできない! タック:懐中時計はあきらめて、逃げよう!  :  0:チック、タックをなめるように見る。 0:雷で明るくなるたびに、チックと目があうタック。  :  0:間  :  チック:タック。 チック:君、もしかして チック:オバケが、怖いのかい? 0:間 タック:……こ、怖いかだって? タック:怖いわけではないさ!(怖い) タック:でも、物理的にオバケとは争えないだろう?(怖い) チック:タック、君はオバケが怖いから チック:早くこの屋敷から外に出たいんだろう? タック:何を言うのさ! 怖いわけないだろう!?(怖い) タック:チック、君は決めつけが過ぎるよ!(怖い) タック:オバケなんか、ま、全く怖いわけがないだろう!(怖い) チック:僕はきっと君よりも、オバケが怖くないと思うよ! タック:いいや、お、俺の方が怖くないね!(怖い) チック:本当かい? タック:本当だとも! 賭けてもいいさ! チック:僕は懐中時計を、どうにか取り戻したいんだけれど。 タック:そ、それなら俺が先に行こう! タック:チック、それで俺がオバケが怖くないという証明になるだろう? チック:さっすがタック!!! チック:君は勇敢で素晴らしいネズミだ!  :  0:がたがた震えるタックが、チックの前に立つ。 0:チラチラと事あるごとに後ろを振り返りながら 0:タックはおびえながら先導する。  :  タック:それじゃあ、慎重かつ大胆に行こう。 チック:さっきの白い影、階段を上った先の チック:奥の部屋に入っていったはずさ! チック:そこから探すべきだと、僕は思うな! タック:そ、そうだなチック! タック:その作戦で進めていこう。 タック:ゆっくり、ゆっくり行くんだ! お、おびえているんじゃないぞ! チック:急がないと、オバケに懐中時計が食べられてしまうかもしれない! タック:えええ! オバケは懐中時計も食べてしまうのかい!? チック:きっと食べるだろうね。 チック:きっとチーズも食べるよ。 タック:ネズミは食べないかな。 チック:どうだかなあ。 タック:きっと食べないさ! チック:ほら、早く行こうよ! タック:チック、いいかい? タック:君のその行動力は魅力的だと思うけれどね タック:俺には、俺のリズムと言うものが少なからずあるのさ。 チック:ほうら、そうやって言って、やっぱり怖いんじゃないか! タック:怖くないと言っているだろう! タック:ほら、行こう、チック! チック:そうだね! 行こう! まずは階段を上らないと!  :  0:タック、先導して階段を上っていく。 0:途中まで上って、振り返り、上がってきた段数を数える。  :  タック:よいしょっと……あ。 タック:はち、きゅう、じゅう チック:タック、階段の段数を数えてどうしたんだい? タック:じゅういち、じゅうに……じゅうさん。 タック:チック、この階段、十三段だよ。(びくびく) チック:なんだい、タック。 チック:縁起が悪いって話なら、僕はナンセンスだと思うけどな。 タック:なんだか気味が悪いなあ。 チック:それなら、ほら、こうやって!  :  0:チック、階段を一段ぴょんとジャンプして飛ばす。  :  チック:よっと。 チック:一段飛ばしちゃえば十二段さ! タック:チック、君は脳みそまでチーズかと思ったけど タック:天才かもしれない。……よっと。 チック:物事は考えようだよ! よし、奥の扉に急ごう! タック:そうだね、チック!  :  チック:(少し走った感じ)よし、扉までついたぞ。 タック:この奥にいるかもしれないんだね……! タック:白いオバケが……っと! うわあ!  :  0:奥の扉まで近づくと、突然扉がバーンと開く。 0:中から花瓶が飛んでくる。 0:花瓶がタックの頭にスポーンってハマる。  :  チック:タック! 危ない! チック:突然扉が開いて……! 部屋の中から花瓶が! タック:花瓶が飛んできた……!!! ぐえええ!! チック:タックううう!! 大丈夫かい!? チック:花瓶が頭にすっぽり入っているよ! タック:あいたたた…… タック:これは!! ポルターガイストかもしれない!!! チック:オバケが家具とか花瓶とかを浮かせる奴だね! タック:そうさ! きっとそれで花瓶が飛んできたのさ! チック:タック、君がとても気の毒だから、 チック:僕も花瓶を引っこ抜くの手伝ってあげるよ。 タック:本当かい!? なかなか抜けなくて苦労していたのさ……! ぐぐぐぐぐ!(自分で引っ張る) チック:僕も引っ張るから、気を付けてね! えーい! ぐぐぐぐぐ!(引っ張ってあげる) タック:ぐぬぬぬぬぬ……!! 抜けない! チック:抜けないね、タックううううう!!! ぐぐぐぐぐ!!! タック:チック、ごめん……! チック:どうしたんだい、タック。 タック:これは、今言うべきではないのかもしれないけど タック:花瓶の内側から君の顔を見ると、とても不細工で面白いね。  :  0:チック、むすっとして、力任せにビンを引っ張る。  :  チック:君を手伝ってあげているのに!(怒って引っ張る) チック:タック! その言い方はないんじゃないか!?(怒って引っ張る) タック:ごめんよ! タック:でも、とっても面白かったさ!!! チック:タック! 君は大変ひどいネズミだ! えーい!!  :  0:ビンがスポーンと抜け 0:勢いでよろめいたタックは部屋の中に入ってしりもちをつく。  :  タック:わあああああああ!  タック:ぬ、抜けたよチック! ありがとう! タック:こ、ここは……! 部屋の中かい!? タック:明かりがないから真っ暗闇だよ……! チック:タック、君はもっと言葉を選ぶべきだ! タック:ごめんよチック。 おもしろくなっちゃったんだ。 チック:しかたのないネズミだなあ。  :  チック:タック、君が今しりもちをついているのが、さっきの部屋の中だよ。 タック:雷の明かりじゃなきゃ、うまく見えないけど タック:とっても散らかっているなあ。 チック:そこがもしかすると、オバケの部屋かもしれないぞ? タック:お、オバケ!? 本当かい!? た、大変だ……(びくびく) チック:その部屋に、僕の懐中時計は見当たらないかい? タック:ちょ、ちょっと待つんだ、チック。 タック:少し探してみよう。  :  タック:割れたお皿……倒れた本棚、さかさまになった椅子…… タック:部屋の中、オバケの暴れた跡があるよ、チック。  :  0:そんななか、暗闇の中に光る金の懐中時計と 0:赤い二つの目ん玉がこちらを見ているのに気が付く。  :  チック:ど、どうしたんだい?タック。固まっちゃって。 タック:わあああああああ!!!! タック:チック! 大変だ! これは大変なことだ!!! チック:どうしたというのさ、タック。 チック:何を見たのか教えてくれ! タック:は、早く逃げよう! オバケがいる! オバケの目が暗闇に浮かんだんだ! チック:懐中時計はあったのかい!? タック:か、懐中時計は……こ、これだ! すぐそばにあったよ! チック:それは良かった!!! 感謝するよ!!! チック:チーズは!? 見つけられたかい!? タック:チーズは探していないのさ! チック:うっすらチーズの香りがするのに、ここにはチーズはないかもしれない! チック:とっても不思議だ……。 タック:君の体の匂いじゃないかい? チック:僕はそんな、いい匂いがするのかい?(自分の体をくんかくんか) タック:君はいつもチーズくさいよ。 チック:チーズはくさくないさ! ひどい言い方をするなあタック!(ぷんすか!)  :  チック:それで、他に何か見つかった物はあるかい? タック:ええと、そうだなあ。 タック:キラキラしたものがいくつも隠してあった! タック:小銭から、銅板、そのほかキラキラしてる鉱石さ! チック:キラキラしたものを、集めていたということかい? タック:きっと、そうだろうと思うよ、チック。 タック:ほら、懐中時計を受け取りに来てほしい。  :  0:チックも部屋の中に入り、タックの側による。 0:タックから懐中時計を受け取る。  :  チック:ありがとう、タック。懐中時計を見つけてくれて! タック:偶然しりもち着いたすぐそばにあってよかったよ……! チック:でも、君が言っていた、オバケと言うのはどこにいるのさ? タック:目を合わせないようにしているから、全く分からないよ! チック:この暗い部屋の、どこかに潜んでいるというわけだね。  :  0:その時、雷と共に白い影がまた現れて 0:チックとタックの目の前に立つ。  : タック:……ん? なにかガサゴソ音が……  タック:わああああああああああああ!!! タック:オバケが目の前にあらわれたああああああああ!!!! チック:落ち着くんだ、タック! チック:よく見るんだ、こいつはオバケなんかじゃないぞ! タック:オバケさ! オバケさ! お、オバケが出たぞ! チック:タック!!! しっかりするんだ!  チック:こいつは白いオバケじゃない! タック:大変だ! たいへんだああああああ!!!  :  チック:タック! こいつは猫だ! 白い猫だよ、タック! チック:オバケじゃない! キラキラしたものを集めていただけの猫だ!  :  0:ちょうどそのタイミングで長い雷鳴がなり 0:タックも、その白い影……白い猫の姿を目撃する。  :  タック:(息を切らせて)なあんだ、オバケじゃないのか。 タック:ふう、そうか、オバケじゃないのか。これは一安心だ。(よかったね) チック:タック、ほら言っただろう。 チック:オバケじゃないって!(どやあ)  :  猫(どちらか):にゃああああああん  :  タック:オバケじゃなくて、猫? チック:そうさ、オバケじゃなくて白い猫が チック:きらきらしているものを集めていたのさ!  :  タック:チック、大変だ! これは大変なことになった! チック:どうしたんだい、タック!  :  タック:お、オバケじゃなくて猫だ……!(驚愕の新事実)  :  タック:ね、猫だあああああああああああああ!!!! チック:わああああ!!! そうだ! 猫もダメだ! タック:チック! 懐中時計はしっかりと握っているかい? チック:タック! 大丈夫さ! もうだれにもとられないぞ! タック:それじゃあ、猫から逃げよう! チック:真っ暗だけど、僕らならまっすぐ逃げれるはずさ! タック:それじゃあ、いくよ、チック!(走り出す) チック:急いで逃げよう! 行こう!タック(走り出す)  :  猫(どちらか):にゃあああああああああああああああああん!(フェードアウト)  :   :  0:おしまい!(続く)  :