台本概要

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タイトル チックタックと七夕の願い事
作者名 レンga  (@renganovel)
ジャンル 童話
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 チックタックシリーズ第八弾

◆◆あらすじ◆◆

7月7日……七夕の夜。
食いしん坊のネズミ、チックは、願い事を書いた短冊を
笹のてっぺんにつけようと、笹を登っていました。

臆病者のネズミ、タックは、チックに危ないと声をかけます。
チックは、タックの言う事をきかず、ずんずん笹の上に登っていき……

ロマンチックで、ユーモラスで、ちょっぴりおバカな
七夕と、願い事を巡る、絵本風カートゥーンコメディ!

「チックタックと七夕の願い事」

◆◆◆◆◆◆◆◆

ディズニーチックな、カートゥーンな雰囲気の台本です。
登場人物がネズミなので
どちらも男女不問です。

男×男 女×女 男×女

好きな組み合わせで楽しんでいただけます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
チック 不問 47 楽観主義、何とかなると思ってる。 チーズが大好き。 金色の懐中時計が宝物。 ひらめきが得意。 他の鼠より長いしっぽがトレードマーク 探偵を目指している。 タックは友人兼助手だと思ってる。
タック 不問 48 現実主義で心配性であわてんぼう 昔ねこにしっぽを半分かじられて 猫が大嫌い。 茶色のハンチング帽を被ってる。 夢は探偵になること。 チックは友人兼助手だと思ってる。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
:  0:タイトルコール タック:「チックタックと!」 チック:「七夕の願い事!」  :  0:間  :  0:ハンチング帽を被った、あわてんぼうのネズミ、タックが 0:相棒の食いしん坊ネズミ、チックを探しているようです。  :  タック:おーい!チック! タック:チック!おーい!チックってば! タック:どこだーい!チックー!  :  チック:うんしょ……よいしょ…… チック:タックぅ!騒がしいよ……! チック:よいしょ……! タック:チック?あれ、チックの声がするのにチックがいないよ! チック:僕はここさ……! タック:どこだい? タック:声がすぐ近くなのはわかるんだけど……! チック:ほら、近くに七夕の笹があるだろう? タック:笹? タック:あ、これの事かい? タック:ずいぶん大きな笹だね、わあ、たくさんの短冊がぶら下がってる! タック:色とりどりできれいだねえ。 チック:僕は……よいしょ。 チック:その笹の上の方さ……!  :  0:タックが上を見上げると、笹の上の方がしなっているのが分かりました。 0:目を凝らしてみると、チックのぽってりとした体が懸命に 0:笹をよじ登っているのが分かります。  :  タック:わあ!これは大変だ!大変だ! タック:ち、チック!どうして!なんだってそんなところに登っているのさ! タック:君は登るのは苦手なんだから、危ないよ! チック:大丈夫さ!こんな笹くらい……よいしょ…… チック:僕にかかれば……へっちゃらさ……! タック:チック!チック!降りておいでよ! タック:笹がしなってるよ!きっと重すぎるのさ!君の体重が! チック:タック!君はひどいことをいうネズミだ! チック:せっかく僕が、願い事の短冊を チック:一番高いところに結んで、叶いやすくしようとしてるってのに! タック:チック!高いところに結べば叶いやすいなんてことないんだよ! タック:そのあたりで結んで、降りてきなよ! タック:チック!君のことだから、 タック:どうせ「おいしいチーズを山ほど食べられますように」って願い事だろう!?  :  チック:タック!全く君は!失礼なネズミだなあ! チック:君が僕のことをどう思ってるかはよーくわかったよ! チック:ふんだ!(ぷいっ) チック:意地でも、てっぺんに結んでやるう……よいしょ……!  :  0:チックは、意地を張って、ずんずん上へと登っていきます。  :  タック:わわわ!待っておくれよチック! タック:俺が悪かったから!降りてきておくれよ! タック:大変だ!大変だ! タック:チックが笹を登るたびに、どんどん笹がしなってくる!! チック:うんしょ……よいっしょ……!!  :  0:チックが、色とりどりの短冊を押しのけながら 0:笹の上まで上っていくと 0:笹が、どんどんしなって、曲がっていきました。  :  タック:ああ!大変だ!大変なことになった! タック:チック!危ないよお!俺は君が心配なのさ!  :  チック:よいしょっと……! チック:よし、この辺でいいだろう! チック:……えい、えい、よっと! チック:ようし、結べたぞー! チック:下にいるタックに自慢してやろう! チック:おーい!タックー!見てるかい!結んだよー! タック:チック! チック:あれ?タック? チック:なんで君が、僕の目の前にいるんだい? タック:君の体重で、地面すれすれまで笹がしなってるのさ! チック:なんてこった! タック:ほら、短冊をくくりつけたのはちゃんと見たから! タック:この手をつかんで、早く降りるんだ! タック:笹がばいーん!って戻ったら大変だ! タック:きっと飛ばされちゃうだろう! チック:そんなの大丈夫さぁ! チック:まったく、タックは臆病者で心配性だなあ! チック:でも、君の好意だ、その手はつかんであげよう。 チック:よいしょ。ほら、つかんだよ。  :  0:チックが、タックの手を強く握ります。  :  タック:チック!じゃあ、「いちにのさん」で飛び降りるんだぞ! チック:わかったよ、タック! タック:いち チック:にの タック:さん チック:えーい!  :  0:チックが飛び降りようとした時 0:突然、しなっていた笹がばいーん!となって 0:チックとタックは、勢いよく飛んで行ってしまいました。  :  タック:うわああああああああああ!!! タック:笹がばいーん!ってなったああああ!!! チック:タック!君の言うとおりだったね!!!飛ばされちゃった! タック:手をつないでたから、俺まで飛んじゃったよ!チック! チック:ごめんよタック!! チック:でも、どこまで飛んでいくんだろうねえ!! タック:ずいぶん遠くまで飛ばされてるみたいだあああ!!! チック:わあああああ!  :  0:間  :  0:タックは、どこか知らない場所に落ちてきました。  :  タック:ぐへー! タック:っと……ここはどこだ? チック:わああああ!! タック:大変だ!チックがこっちに……! タック:ぐえ!  :  0:少し遅れて、チックがタックの上に落っこちてきます。  :  チック:いててて…… チック:あれ、タックはどこだい? タック:チック……ここだよ……君のお尻の下さ……! チック:タック!君はいつも変なところにいるね。 タック:チック、君にだけは言われたくないよ……! タック:えっと、どいてくれないかな……! チック:よいしょ。 チック:これでいいかい? タック:ありがとう、チック。 タック:それで、ここはどこなんだろうね…… タック:なんだかさらさらした砂が流れてるみたい……  :  チック:た……タック! タック:なんだい、チック! チック:タック!びっくりだ!ここはあれだよ! タック:もう、チック! タック:君、あれじゃあわからないよ? チック:タック!ここはほら、空の上さ! タック:……え?空の上? チック:タック!ここはほら!!! チック:『あまのがわ』だよ!!! タック:あ、あ、あまのがわあああ? タック:あまのがわって、あの『天の川』かい? チック:きっとそうだよ! チック:だって、ほら、ここに流れてる砂は、 チック:小さい星のカタチをしてるよ? チック:しかも今日は七夕じゃないか、タック! チック:僕たちは、飛ばされて、あまのがわまで飛んでちゃったんだよぅ! タック:な、なんてこった!  :  0:タックは、真ん丸なお目目をぱちくりさせて 0:ずれたハンチング帽を治しました。  :  タック:これは大変……というか、ロマンチックだね! チック:でも、タックぅ。 タック:なんだい、チック。 チック:こんなこと言うと、ロマンチックじゃなくなっちゃうけど チック:「あまのがわ」は、チーズじゃなかったんだね。  :  0:チックは、星の砂を少し口の中に含み 0:まずそうな顔をしました。  :  タック:そりゃあそうさ! タック:もし、あまのがわがチーズだったら、おり姫様と彦星様は タック:七月七日にチーズを食べる話になっちゃうじゃないか チック:それはそれでロマンチックだと思うけどなあ……じゅるり。 タック:そりゃあ、チックはそうかもしれないけど……!  :  0:タックは、遠くの方をみて、何かに気が付きました。 0:指をさして、チックの方を見ます。  :  タック:あ!すごいよ!見てみなよチック!! チック:ん?どうしたんだい? チック:もしかして、食べられる星の砂を見つけたかい? チック:僕がどこを食べても砂なんだ……(おくちざらざら) タック:星の砂を食べちゃダメじゃないか! タック:ほら、あそこさ!少し遠いけど……! チック:なんだいタック……! チック:……!あ!すごい!あまのがわに橋がかかってる! タック:そうさ!ほら、今まさに!おり姫様と彦星様が一年ぶりに出会ってるよ! チック:一年ぶりの再会かあ……すごいなあ、すごいなあ! タック:これが、ロマンチックってやつだね……! タック:俺の相棒のチックとは大違いさ……!(ぼそぼそ) チック:何か言ったかい?タック。 タック:何も言ってないよ。チック。 チック:何か聞こえたけどなあ…… タック:空耳じゃないかい?  :  0:タックは少し、口笛を鳴らしました。 0:ぴーぷー  :  チック:でも、本当に…… チック:すごいところを見られたねえ、タック。 チック:僕のおかげだねえ、タック。 チック:ねえ、タック……。 タック:これはね、チック! タック:不幸中の幸いって奴さ! タック:こら!星の砂を食べるのはいい加減やめるんだ!チック! チック:星の砂は、ぜんぜんチーズじゃなかったよ、タック……。  :  0:タックは、何かを思い出したかのように、チックに声をかけました。  :  タック:あ、そういえば、チック。 チック:なんだい、タック。  :  タック:君が短冊に書いた願い事って、結局なんだったんだい?  :  チック:ああ、なんだ、タック。 チック:そんなことが知りたいのかい? タック:ちょっと気になっただけさ。 チック:えっとねえ、そうだなあ。 チック:……ないしょ。 タック:チックの事だから、やっぱりチーズの願い事だろう? チック:さあて、どうだかなあ。  :   :  チック:「ずっと二匹で一匹でいられますように」って書いたなんて(ぼそぼそ) チック:恥ずかしくって言えないよ、タック。(ぼそぼそ)  :  タック:なにか言ったかい?チック。 チック:なにも言ってないよ! チック:さ、僕たちは、帰る方法を考えよう! タック:ああああ!!! タック:そ、そうだった!!! タック:大変だ!! タック:大変なことになっちまった! チック:タック!落ち着くんだ! チック:ネズミには、落ち着きが大切だよ。 チック:僕らなら大丈夫さ!二匹で考えよう。 タック:そ、そうだね。 タック:いつも、二匹でいろんなトラブルを乗り越えてきたんだ。 チック:うん! タック:俺たちはいつだって、二匹で一匹さ!!  :   :  チック:ふふ。 チック:「めでたし、めでたし」  :   :  0:おしまい。  :

:  0:タイトルコール タック:「チックタックと!」 チック:「七夕の願い事!」  :  0:間  :  0:ハンチング帽を被った、あわてんぼうのネズミ、タックが 0:相棒の食いしん坊ネズミ、チックを探しているようです。  :  タック:おーい!チック! タック:チック!おーい!チックってば! タック:どこだーい!チックー!  :  チック:うんしょ……よいしょ…… チック:タックぅ!騒がしいよ……! チック:よいしょ……! タック:チック?あれ、チックの声がするのにチックがいないよ! チック:僕はここさ……! タック:どこだい? タック:声がすぐ近くなのはわかるんだけど……! チック:ほら、近くに七夕の笹があるだろう? タック:笹? タック:あ、これの事かい? タック:ずいぶん大きな笹だね、わあ、たくさんの短冊がぶら下がってる! タック:色とりどりできれいだねえ。 チック:僕は……よいしょ。 チック:その笹の上の方さ……!  :  0:タックが上を見上げると、笹の上の方がしなっているのが分かりました。 0:目を凝らしてみると、チックのぽってりとした体が懸命に 0:笹をよじ登っているのが分かります。  :  タック:わあ!これは大変だ!大変だ! タック:ち、チック!どうして!なんだってそんなところに登っているのさ! タック:君は登るのは苦手なんだから、危ないよ! チック:大丈夫さ!こんな笹くらい……よいしょ…… チック:僕にかかれば……へっちゃらさ……! タック:チック!チック!降りておいでよ! タック:笹がしなってるよ!きっと重すぎるのさ!君の体重が! チック:タック!君はひどいことをいうネズミだ! チック:せっかく僕が、願い事の短冊を チック:一番高いところに結んで、叶いやすくしようとしてるってのに! タック:チック!高いところに結べば叶いやすいなんてことないんだよ! タック:そのあたりで結んで、降りてきなよ! タック:チック!君のことだから、 タック:どうせ「おいしいチーズを山ほど食べられますように」って願い事だろう!?  :  チック:タック!全く君は!失礼なネズミだなあ! チック:君が僕のことをどう思ってるかはよーくわかったよ! チック:ふんだ!(ぷいっ) チック:意地でも、てっぺんに結んでやるう……よいしょ……!  :  0:チックは、意地を張って、ずんずん上へと登っていきます。  :  タック:わわわ!待っておくれよチック! タック:俺が悪かったから!降りてきておくれよ! タック:大変だ!大変だ! タック:チックが笹を登るたびに、どんどん笹がしなってくる!! チック:うんしょ……よいっしょ……!!  :  0:チックが、色とりどりの短冊を押しのけながら 0:笹の上まで上っていくと 0:笹が、どんどんしなって、曲がっていきました。  :  タック:ああ!大変だ!大変なことになった! タック:チック!危ないよお!俺は君が心配なのさ!  :  チック:よいしょっと……! チック:よし、この辺でいいだろう! チック:……えい、えい、よっと! チック:ようし、結べたぞー! チック:下にいるタックに自慢してやろう! チック:おーい!タックー!見てるかい!結んだよー! タック:チック! チック:あれ?タック? チック:なんで君が、僕の目の前にいるんだい? タック:君の体重で、地面すれすれまで笹がしなってるのさ! チック:なんてこった! タック:ほら、短冊をくくりつけたのはちゃんと見たから! タック:この手をつかんで、早く降りるんだ! タック:笹がばいーん!って戻ったら大変だ! タック:きっと飛ばされちゃうだろう! チック:そんなの大丈夫さぁ! チック:まったく、タックは臆病者で心配性だなあ! チック:でも、君の好意だ、その手はつかんであげよう。 チック:よいしょ。ほら、つかんだよ。  :  0:チックが、タックの手を強く握ります。  :  タック:チック!じゃあ、「いちにのさん」で飛び降りるんだぞ! チック:わかったよ、タック! タック:いち チック:にの タック:さん チック:えーい!  :  0:チックが飛び降りようとした時 0:突然、しなっていた笹がばいーん!となって 0:チックとタックは、勢いよく飛んで行ってしまいました。  :  タック:うわああああああああああ!!! タック:笹がばいーん!ってなったああああ!!! チック:タック!君の言うとおりだったね!!!飛ばされちゃった! タック:手をつないでたから、俺まで飛んじゃったよ!チック! チック:ごめんよタック!! チック:でも、どこまで飛んでいくんだろうねえ!! タック:ずいぶん遠くまで飛ばされてるみたいだあああ!!! チック:わあああああ!  :  0:間  :  0:タックは、どこか知らない場所に落ちてきました。  :  タック:ぐへー! タック:っと……ここはどこだ? チック:わああああ!! タック:大変だ!チックがこっちに……! タック:ぐえ!  :  0:少し遅れて、チックがタックの上に落っこちてきます。  :  チック:いててて…… チック:あれ、タックはどこだい? タック:チック……ここだよ……君のお尻の下さ……! チック:タック!君はいつも変なところにいるね。 タック:チック、君にだけは言われたくないよ……! タック:えっと、どいてくれないかな……! チック:よいしょ。 チック:これでいいかい? タック:ありがとう、チック。 タック:それで、ここはどこなんだろうね…… タック:なんだかさらさらした砂が流れてるみたい……  :  チック:た……タック! タック:なんだい、チック! チック:タック!びっくりだ!ここはあれだよ! タック:もう、チック! タック:君、あれじゃあわからないよ? チック:タック!ここはほら、空の上さ! タック:……え?空の上? チック:タック!ここはほら!!! チック:『あまのがわ』だよ!!! タック:あ、あ、あまのがわあああ? タック:あまのがわって、あの『天の川』かい? チック:きっとそうだよ! チック:だって、ほら、ここに流れてる砂は、 チック:小さい星のカタチをしてるよ? チック:しかも今日は七夕じゃないか、タック! チック:僕たちは、飛ばされて、あまのがわまで飛んでちゃったんだよぅ! タック:な、なんてこった!  :  0:タックは、真ん丸なお目目をぱちくりさせて 0:ずれたハンチング帽を治しました。  :  タック:これは大変……というか、ロマンチックだね! チック:でも、タックぅ。 タック:なんだい、チック。 チック:こんなこと言うと、ロマンチックじゃなくなっちゃうけど チック:「あまのがわ」は、チーズじゃなかったんだね。  :  0:チックは、星の砂を少し口の中に含み 0:まずそうな顔をしました。  :  タック:そりゃあそうさ! タック:もし、あまのがわがチーズだったら、おり姫様と彦星様は タック:七月七日にチーズを食べる話になっちゃうじゃないか チック:それはそれでロマンチックだと思うけどなあ……じゅるり。 タック:そりゃあ、チックはそうかもしれないけど……!  :  0:タックは、遠くの方をみて、何かに気が付きました。 0:指をさして、チックの方を見ます。  :  タック:あ!すごいよ!見てみなよチック!! チック:ん?どうしたんだい? チック:もしかして、食べられる星の砂を見つけたかい? チック:僕がどこを食べても砂なんだ……(おくちざらざら) タック:星の砂を食べちゃダメじゃないか! タック:ほら、あそこさ!少し遠いけど……! チック:なんだいタック……! チック:……!あ!すごい!あまのがわに橋がかかってる! タック:そうさ!ほら、今まさに!おり姫様と彦星様が一年ぶりに出会ってるよ! チック:一年ぶりの再会かあ……すごいなあ、すごいなあ! タック:これが、ロマンチックってやつだね……! タック:俺の相棒のチックとは大違いさ……!(ぼそぼそ) チック:何か言ったかい?タック。 タック:何も言ってないよ。チック。 チック:何か聞こえたけどなあ…… タック:空耳じゃないかい?  :  0:タックは少し、口笛を鳴らしました。 0:ぴーぷー  :  チック:でも、本当に…… チック:すごいところを見られたねえ、タック。 チック:僕のおかげだねえ、タック。 チック:ねえ、タック……。 タック:これはね、チック! タック:不幸中の幸いって奴さ! タック:こら!星の砂を食べるのはいい加減やめるんだ!チック! チック:星の砂は、ぜんぜんチーズじゃなかったよ、タック……。  :  0:タックは、何かを思い出したかのように、チックに声をかけました。  :  タック:あ、そういえば、チック。 チック:なんだい、タック。  :  タック:君が短冊に書いた願い事って、結局なんだったんだい?  :  チック:ああ、なんだ、タック。 チック:そんなことが知りたいのかい? タック:ちょっと気になっただけさ。 チック:えっとねえ、そうだなあ。 チック:……ないしょ。 タック:チックの事だから、やっぱりチーズの願い事だろう? チック:さあて、どうだかなあ。  :   :  チック:「ずっと二匹で一匹でいられますように」って書いたなんて(ぼそぼそ) チック:恥ずかしくって言えないよ、タック。(ぼそぼそ)  :  タック:なにか言ったかい?チック。 チック:なにも言ってないよ! チック:さ、僕たちは、帰る方法を考えよう! タック:ああああ!!! タック:そ、そうだった!!! タック:大変だ!! タック:大変なことになっちまった! チック:タック!落ち着くんだ! チック:ネズミには、落ち着きが大切だよ。 チック:僕らなら大丈夫さ!二匹で考えよう。 タック:そ、そうだね。 タック:いつも、二匹でいろんなトラブルを乗り越えてきたんだ。 チック:うん! タック:俺たちはいつだって、二匹で一匹さ!!  :   :  チック:ふふ。 チック:「めでたし、めでたし」  :   :  0:おしまい。  :