台本概要

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タイトル 魅了
作者名 すみんこ  (@suminko0211)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(女1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 絵に魅了されると言いますが、実は絵が人に魅了されているのかもしれないですね。
私達人間が気づいていないだけで、無機物と言われる彼らにも見られているのかも…?

※絵画は女性を想定して書きましたが、男性にしても構いません。(その場合はご連絡頂ますようお願いします。)

◆禁止事項◆
・営利目的での使用。
・台本の無断転載、自作発言等。

◆お願い◆
・台本使用の際は作者のX(旧Twitter)にご連絡いただけると嬉しいです。
・配信等で使用される場合、《作品名、作者名、台本URL》の内の2点を掲示していただけると嬉しいです。
・告知の際にメンションしていただけると、気付けて時間が合えば聞きにいけるので助かります。
・アーカイブがあれば教えていただけると、嬉しいです。
・使用時の連絡は任意ですが、お芝居聞きたいので使用前や使用後でも教えていただけると嬉しいです。
・演者様の性別は問いませんが、女性役を男性が演じる(逆パターンも)場合はご連絡頂ますようお願いします。

☆上記記載の内容を含め、気になることなどありましたらX(旧Twitter)までご連絡ください☆

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
13 絵画。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
私:私はずっとここにいる。 私:いつからいたのか覚えていないくらい前から…ずっと。 私:繰り返される毎日に不満はある。でも動くことができない私にはどうすることもできない。ただ大人しく、ここにいるだけ。 : 私:今日も沢山の人が私を見にやってくる。 私:『綺麗だ』とか『素敵だ』とかそんなことばかり…。私はそんなんじゃないのに。 : 私:人の流れが途絶えて静かになった。すると、ずっと後ろから見ていた男性が私に近づいてきた。 私:あぁ、どうせこの人も今までの人と同じなんだろう。そう思っていたけど…違った。 : 私:「え…?」 私:彼は私を見つめたまま涙を流し始めた。突然のことで私は頭が真っ白になる。 : 私:「どうしたの?大丈夫?」 私:私の言葉は彼には届かない。 私:静かに私を見つめる彼の目に、胸が締め付けられた。 : 私:「何故そんなに寂しそうなの?」 私:彼はその日から毎日私に会いに来てくれた。 私:何か話をするわけでもなく、ただ見つめ合っていた。 私:彼は人が沢山いるときは遠くからじっと見ているけれど、人がいなくなると近くに来てくれる。 : 私:私のために、こんなにも時間を使ってくれる人なんて今までいなかったから、嬉しいような恥ずかしいような…初めての感覚。 : 私:そんな日が続き出会ったときと同じ季節が近づいてきた頃…私は買われた。 私:私は丁寧に箱にしまわれ、布に包まれた。 : 私:もう彼に会うことができないんだと思うと、寂しさが込み上げてくる。 私:「最後に彼に会いたかった。声が聞きいてみたかった。」 : 私:私はどこに連れて行かれるんだろう…不安な気持ちは、箱から出された眩しさと共に消えた。 私:光に慣れはじめた私の目の前には、会いたいと思っていた彼がいた。 私:突然のことで夢でも見ているのかと自分の目を疑ってしまう。 私:彼は私を部屋のどこからでも見える場所に案内して、飾った。 私:これから毎日彼と二人きりの時間を過ごせることに幸せな気持ちになる。 私:私を見つめる彼の目は今までと変わらなくて、嬉しい。 : 私:「ありがとう。」 : 私:呟いた私に彼は驚いた表情を向けた。 私:そこで初めて、私は頬をつたっているものに気がついた。 : 私:命の宿っていないはずの『絵』から涙が出ていたら、驚くのも無理はない。 私:普通なら怖がりそうなのに、彼は愛おしそうに私の涙を拭った。 :END

私:私はずっとここにいる。 私:いつからいたのか覚えていないくらい前から…ずっと。 私:繰り返される毎日に不満はある。でも動くことができない私にはどうすることもできない。ただ大人しく、ここにいるだけ。 : 私:今日も沢山の人が私を見にやってくる。 私:『綺麗だ』とか『素敵だ』とかそんなことばかり…。私はそんなんじゃないのに。 : 私:人の流れが途絶えて静かになった。すると、ずっと後ろから見ていた男性が私に近づいてきた。 私:あぁ、どうせこの人も今までの人と同じなんだろう。そう思っていたけど…違った。 : 私:「え…?」 私:彼は私を見つめたまま涙を流し始めた。突然のことで私は頭が真っ白になる。 : 私:「どうしたの?大丈夫?」 私:私の言葉は彼には届かない。 私:静かに私を見つめる彼の目に、胸が締め付けられた。 : 私:「何故そんなに寂しそうなの?」 私:彼はその日から毎日私に会いに来てくれた。 私:何か話をするわけでもなく、ただ見つめ合っていた。 私:彼は人が沢山いるときは遠くからじっと見ているけれど、人がいなくなると近くに来てくれる。 : 私:私のために、こんなにも時間を使ってくれる人なんて今までいなかったから、嬉しいような恥ずかしいような…初めての感覚。 : 私:そんな日が続き出会ったときと同じ季節が近づいてきた頃…私は買われた。 私:私は丁寧に箱にしまわれ、布に包まれた。 : 私:もう彼に会うことができないんだと思うと、寂しさが込み上げてくる。 私:「最後に彼に会いたかった。声が聞きいてみたかった。」 : 私:私はどこに連れて行かれるんだろう…不安な気持ちは、箱から出された眩しさと共に消えた。 私:光に慣れはじめた私の目の前には、会いたいと思っていた彼がいた。 私:突然のことで夢でも見ているのかと自分の目を疑ってしまう。 私:彼は私を部屋のどこからでも見える場所に案内して、飾った。 私:これから毎日彼と二人きりの時間を過ごせることに幸せな気持ちになる。 私:私を見つめる彼の目は今までと変わらなくて、嬉しい。 : 私:「ありがとう。」 : 私:呟いた私に彼は驚いた表情を向けた。 私:そこで初めて、私は頬をつたっているものに気がついた。 : 私:命の宿っていないはずの『絵』から涙が出ていたら、驚くのも無理はない。 私:普通なら怖がりそうなのに、彼は愛おしそうに私の涙を拭った。 :END