台本概要
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タイトル | ぼーいずるーむっ!-Best Life-(BL) |
---|---|
作者名 | 桜蛇あねり(おうじゃあねり) (@aneri_writer) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 4人用台本(男4) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
シェアハウスにて過ごす、4人の男たちが繰り広げる、騒がしい日常のコメディ台本。 今回はBL台本に仕上がっております。BL苦手な方はご注意ください。 ※直接的な描写はありませんが、会話の中にセンシティブな表現が含まれますので、ご注意ください。 ※名前変更、一人称、語尾変更、アドリブ、改変、ご自由にどうぞ! 節度を守って、楽しく演じましょう! 513 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
アキラ | 男 | 63 | 一番年上。頼りになるアニキ的な存在。 |
シュウ | 男 | 51 | クールな男の子。 |
ヒロ | 男 | 68 | 一番年下。かわいがられている。 |
リュウタロウ | 男 | 63 | なんでもノリノリなお祭り男。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:「ぼーいずるーむっ!-Best Life-」
:
リュウタロウ:これは、シェアハウスで共にすごしている、とある4人の日常である。
:
シュウ:ぼーいずるーむっ!
:
アキラ:【朝のひととき】
:
リュウタロウ:ほら、シュウ、口開けろって。
シュウ:いいって。自分で食べるから。
リュウタロウ:なーに?俺のウインナー、食べれないって言うの?
シュウ:ちげーよ。ってか近いって!
リュウタロウ:いいじゃん。こうやって、食べさせあいこするの、俺好きなんだよね。シュウは?俺のこと、嫌い?
シュウ:なんでそうなるんだよ。……嫌いじゃねぇっての。
リュウタロウ:そうだよね。じゃあ、俺のウインナー、食べれるよね。
シュウ:……ちっ。
リュウタロウ:はい、あーん。
シュウ:あむ。……んぐっ?おい、お前、これ、チョリソーじゃねぇか!かっら!
リュウタロウ:あー、ごめんごめん、シュウ、辛いの嫌いだったよね。はい、お水。
シュウ:(水を必死に飲む)
リュウタロウ:あー、いいね。水を飲んでるときのシュウの喉の動き…。なんかいいよね…。
シュウ:ぷはっ。やめろ、変な性癖出してくんな!
リュウタロウ:あーあ、ちょっと興奮しちゃったなぁ。
シュウ:おいやめろって!ち、近づくな…!
リュウタロウ:ねーえ、シュウ…。俺と今から…。
ヒロ:いい加減やめろぉぉぉぉ!
アキラ:だから何を見せられてんだって!朝っぱらから!
リュウタロウ:なんだよ、邪魔すんなよな。
ヒロ:いやいやいや!ねえ、俺らがいるのわかってるよなぁ!?人前でイチャイチャすんな!気まずいんだよ!
アキラ:やるなら部屋でやれ。
リュウタロウ:はーい。じゃあ行こうか、シュウ。
ヒロ:ちっがーう!!
シュウ:なんだよヒロ、朝から元気だな。
ヒロ:シュウもなんでそんな冷静なんだよ。
アキラ:開幕から飛ばしすぎだお前ら!
シュウ:はあ、わかってないな、お前ら。
アキラ:はぁ?
リュウタロウ:今回のタイトル、ヒロ、読み上げてみろ。
ヒロ:え?えと、「ぼーいずるーむっ!ベストライフ」
シュウ:ベストライフ、を略したら?
ヒロ:ベストライフ…びー…える…?
リュウタロウ:そういうことだ。
ヒロ:どーゆーことだよ!BLにしろってことか!?嫌だよ!やりたくねぇよ!
アキラ:ふむ…なるほど、BL、か。
ヒロ:え…アキラ?
リュウタロウ:ま、さすがにここでR指定のあれやこれやはできないからな。シュウ、部屋行くぞ。
シュウ:御意。
ヒロ:だあああ!もう!こいつらやっぱ付き合ってんの?どうなの!?あーあーあー、いっちゃった…。
アキラ:じゃあ、バランス的に俺はヒロとくっつけばいいんだな。
ヒロ:へ…?アキラ、さん…?
アキラ:お前のことは可愛くて、割とそういう目でも見られるからな。さ、俺らも部屋行くか。
ヒロ:行かねぇよ!え、待って、今回この話、そーゆー感じなの?
アキラ:タイトルがそうだからな。あきらめろ、ヒロ。
ヒロ:やだやだやだって!俺は絶対にやらねぇからな!この話は!コメディです!BLではありませんっ!
アキラ:と、いう夢を見たヒロであった。さ、部屋行くぞ。
ヒロ:あっ、ちょっ、や、やめ…離せ、離せよぉぉぉぉぉ!
:
ヒロ:ぼーいずるーむっ!
:
シュウ:【風邪をひきました】
:
アキラ:(M)アキラの場合。
:
ヒロ:アキラ、大丈夫か?
アキラ:すまんな。正直かなりヤバイ。
ヒロ:熱は…うわ、38度5分!?またあがったな。何か食べれそう?
アキラ:あー…食欲ねぇな。
ヒロ:ゼリー飲料とかだったらいけそうか?
アキラ:おう、それくらいだったら。…悪いな、ヒロ。今日学校じゃなかったっけ?
ヒロ:いーよ、今日の講義は一日くらいサボっても大丈夫なのばっかだから。
アキラ:助かる…。
ヒロ:シュウもリュウタロウも、今日は仕事だからなぁ。俺がしっかり看病してやんよ!
アキラ:ヒロ。ありがとう…な…。
ヒロ:アキラ、つらい?ゼリー飲料と薬、買ってくるから、ちょっと待っててな。
アキラ:待って。
ヒロ:ん?
アキラ:…行くな。
ヒロ:…へ?
アキラ:一人に…するな…。
ヒロ:えっ?えっ?
アキラ:やっぱ食べ物とかいらない…から…ここにいろ…。
ヒロ:え、あ、うん…。
アキラ:ふふ…ありがと…。
ヒロ:(M)以下、俺の心の叫びである。……だれこいつぅぅぅぅ!?え?なに!?待って、頭が追い付かないんだけど!?アキラ、だよな!?こんな、こんなアキラ見たことねぇぇぇ!高熱にやられたのか!?
ヒロ:……でも。そう、だよな。体調悪いときは…不安に、なる、よな。いつも、俺たちのリーダーだからって、一番年上だからって、しっかりしてるアキラだけど。こういう弱い一面も…あるんだな。なんか…ちょっとかわいいな。こんな姿…シュウやリュウタロウも知ってるのかな?……知らないといいな。俺だけが知ってる…アキラの一面だったら、いいな…。
アキラ:ヒロ。
ヒロ:えっ!?な、なにっ!?
アキラ:添い寝、してくれないか。
ヒロ:そ、添い寝っ!?
アキラ:ヒロと、くっついていたいんだ。
ヒロ:うっ…そ、それは…。
アキラ:だめ、か?
ヒロ:わ、わかったよ!アキラが寝るまで、だからなっ!
アキラ:あぁ。ありがとう、ヒロ。ん。こっち。
ヒロ:(M)再び、俺の心の叫び。うわあああああああ!なにこれなにこれなにこれ!?今までにない展開にびっくりしている俺と!アキラの普段見せない一面にきゅんとしている俺と!頼りにされている感じがして嬉しい俺と!なんかいろいろ追いつかねぇぇぇ!!アキラどうしちゃったんだよぉ!…あっ!ど、どうしよう…すごい優しく抱きしめられている…。な、なんか…ドキドキしてきた…。
アキラ:ヒロ…あったかいな…。
ヒロ:(M)わあああああああ!どうすればいいんだこういう時!誰か、誰か、たすけてぇぇぇぇぇぇ!!
:
0:間
:
リュウタロウ:ただいまー。アキラ、高熱なんだって?いろいろ買ってきたから…っと。
シュウ:どうした、リュウタロウ。
リュウタロウ:しー。そっとしとこ。
シュウ:ん?……なるほど。二人とも気持ちよさそうに寝ているな。
リュウタロウ:先にご飯食べとこうか。
シュウ:おう。
:
シュウ:(M)シュウの場合。
リュウタロウ:シュウ~!大丈夫か?熱は?何度?飲み物、ちゃんと飲めよ?何か食べたいものあるか?買ってくるからさ。あと、寒かったり暑かったり、しない?大丈夫か?
シュウ:大丈夫だから。少し寝かせてくれ。
リュウタロウ:添い寝しようか?よしよししようか?子守歌、いる?
シュウ:いらん。
リュウタロウ:じゃあ添い寝…。
シュウ:一番いらん。添い寝だけですんだことないだろう!
リュウタロウ:シュウ~!心配なんだよぉ~!
シュウ:大丈夫だ!いいから、部屋から出てけ。
リュウタロウ:なんでそんなこと言うんだよぉ~!一人にできるわけないだろう~!
シュウ:はぁ。おい!アキラ!
アキラ:しゅたっ。
シュウ:廃品回収頼む。
アキラ:頼まれた。
リュウタロウ:おい、アキラ!やめろぉ!俺は!シュウの看病をしなければならない!離せ!離すんだぁ!
アキラ:お前はいつもいつも心配しすぎてうざいんだよ!お前がおとなしくしてればすぐよくなるから!シュウが良くなるまで、部屋の出入り禁止!
リュウタロウ:なんでだよぉぉぉ!そんなん無理に決まってんだろうが!
アキラ:看病は俺とヒロでやるから!ヒロ!ロープ!
ヒロ:はいよ!
リュウタロウ:やめろぉ!縛るんじゃねぇぇ!
ヒロ:アキラ、こいつのこれ、何とかなんねぇのかな。シュウが体調崩すたびにこうなってんじゃん。
アキラ:まぁ、無理だろうな。毎回縛り上げるしかない。
ヒロ:はーあ、シュウには風邪ひかれないようにしないとな。
アキラ:まったくだ。
:
リュウタロウ:(M)リュウタロウの場合。
:
リュウタロウ:……あれ、俺風邪ひいたことないな。
アキラ:そうだな。ここ3人がインフルエンザになったときも、お前だけずっとピンピンしてたよな。
シュウ:……バカは風邪ひかない。
リュウタロウ:おいシュウ。誰がバカだって?
ヒロ:リュウタロウ、本当に健康だよなぁ。あ、ほら、体温計あるからはかってみなよ。
リュウタロウ:なんでだよ。
ヒロ:なんとなく。お前が熱はかってるとこ、見たことねぇもん。
リュウタロウ:なんとなくってなんだよ…。にしても、体温計とか久々だなぁ。……お、はかれた。……あれ?
アキラ:どした?
リュウタロウ:……37度8分。
アキラ:……高熱じゃねぇか!なんでそんな元気そうなんだよ!
リュウタロウ:いや、なんか喉痛いなーとは思ってたけども!熱あるとは思わないじゃん!
ヒロ:なんでだよ!?そんなに熱あったらわかるだろ!
シュウ:……バカは風邪ひいたことに…気づかない。
:
ヒロ:(M)ヒロの場合。
アキラ:ヒロ、おかゆ作ったぞ。食べれるか?
ヒロ:アキラが食べさせてくれたら食べれる。
アキラ:はいはい。じゃあほら、あーん。
ヒロ:あー…。待って。熱そう。さまして。
アキラ:はいはい。ふー、ふー。ほれ、これでいいだろ。
ヒロ:あーん。んー。もぐもぐ。あーん。
アキラ:お前ホント、体調悪いときはとことん甘えるよな。
ヒロ:いーじゃん。ワガママ、ダメ?
アキラ:いや、ダメじゃない。全然ワガママいってこい。
ヒロ:えへへっ!ありがとっ!アキラっ!
アキラ:んんっ!……理性よ…俺の理性よ、頼む、保ってくれ。
リュウタロウ:ヒロ、大丈夫かー?頼まれたもの、買ってきたぞ。
ヒロ:わあい!ありがと、リュウタロウっ!
リュウタロウ:あー、かわいいな、よしよし。
アキラ:なに頼まれたんだ?
リュウタロウ:ハーゲンダッツ。ほら、ヒロ。これでいいか?
ヒロ:えー、抹茶じゃなくて、バニラがいいー!
リュウタロウ:そういうと思って、バニラもちゃんと買ってるよ。あとチョコも買ってるけど、バニラでいい?
ヒロ:あ!じゃあチョコも欲しい!
リュウタロウ:よしよし、じゃあ2つ食べな―。
ヒロ:えへへ。
アキラ:お前、甘やかしすぎじゃね?
シュウ:ヒロ。頼まれたもの、買ってきたぞ。
アキラ:お前もかよ。
ヒロ:やったぁ!シュウ、だーいすき!
シュウ:お前のためなら、これくらいどうってことない。体調が悪いときくらい、甘やかしてやるから。
アキラ:お前はなに頼まれたんだよ。
シュウ:ほら、最新のゲーム機だ。ついでに、最新のポ〇モンも買ってきたぞ。
アキラ:いや風邪ひいたときのワガママのレベル越えてんだけど!?
ヒロ:えー、こっちのバージョン?俺、こっちじゃないバージョンのが欲しかったんだけど!
シュウ:そういうと思って、別バージョンも買ってある。
ヒロ:やったー!さすがシュウ!えへへ、嬉しい!
アキラ:おかしいって!
リュウタロウ:まったく、ヒロは甘え上手なんだから。ついつい、甘やかしちゃうよな。
シュウ:激しく同意。
アキラ:え、俺の感覚が間違ってんの?え?ただの風邪だよ?最新のゲーム機とか買うか?普通。
ヒロ:ホント、みんな優しくて。俺、みんなと一緒に過ごせて、すっげぇ幸せだ!
アキラ:………。ゲーム機ぐらい買うか、うん。この笑顔見られるんだったら、買うわ。うん。
:
アキラ:ぼーいずるーむっ!
:
リュウタロウ:【犯人は誰だ】
:
リュウタロウ:(M)それは、とある土曜日の朝のできごとであった。
:
シュウ:アキラ、大丈夫か?しんどそうだが。
アキラ:飲みすぎた。しんどい。二日酔い。
リュウタロウ:会社の飲みだったんだっけ?
アキラ:まーじで、酒癖悪い同期がいてさ。めちゃくちゃ飲まされた。
シュウ:お疲れ。水、飲むか?
アキラ:あー、ありがと。
:
ヒロ:うおおおおおおおお!お前らぁ!大変だぁ!
:
リュウタロウ:おう、ヒロどした?
シュウ:朝から元気だな。
アキラ:あーヒロうるさい、頭に響く。
ヒロ:お前ら…。この中に…裏切者がいる…!
リュウタロウ:裏切者ぉ?なーに言ってんだ?
ヒロ:これを見てくれ。
シュウ:っ!
アキラ:んー?
リュウタロウ:はっ!そ、それは…!
ヒロ:そう、今朝、風呂場の近くに落ちていた。えっちな行為の時に使う…ゴム的なアレの箱、だ!
シュウ:な、なんだってー?
ヒロ:ほら、中、一個だけ使ってあるんだよ!個数が一個足りない!誰だよ…!誰だよ!イイコトした、裏切者はぁ!誰のだよ!名乗りをあげろぉ!リア充撲滅っ!
:
ヒロ:(M)それぞれの、心の中。
:
ヒロ:(M)……犯人は誰だ?この中には、彼女持ちはいないはずなんだ。彼女ができたら報告義務が定められているからな。
ヒロ:だが!これを使ったということは!彼女ができたやつがいる、ということか?許せない…。なんか、許せない!この4人は、非リアであって欲しいんだ!…いや自分にできないからひがんでるとか、そーゆーんじゃなくて!
ヒロ:なんか許せないじゃん!この4人はモテないはずだから!そういうイイコト、なんてできっこないんだ!それなのに、これを使ってイイコトしたやつがいるなら…そいつは裏切り者だ、絶対に問い詰めて、あらゆる方法を使って別れさせてやる!彼女ができるなんて許せねぇ!
ヒロ:…リュウタロウか?あいつはなんだかんだ、コミュ力あるし、盛り上げ上手だ。さらっと彼女をゲットしていても不思議ではない。……シュウも怪しいな。アイツは自分のことをあまり語らないから、実は、みたいなところあるかもしれねぇ。アキラもあり得るな。仕事できるし、頼りになるところあるし…。後輩とかから告白されていても…おかしくない!
ヒロ:さあ、誰だ!絶対に突き止めてやるからな!
:
シュウ:(M)ゴム的なアレを持ってるってことは、この中に彼女ができたやつがいるってことか…。それは許せないな。誰だよ、できたやつ。
シュウ:…アキラ、か?消去法でそうなるよな。ヒロは第一発見者だからおそらく違うだろう。リュウタロウは…ここだけの話、私と付き合っているから、それはないだろう。……いや、本当にそうか?もしかしたら…私とはただの遊びで、彼女が別でできた可能性もゼロじゃない。
シュウ:……え、それは嫌なのだが。浮気…してるのか…?リュウタロウ…。あれ、リュウタロウ、こっち見てる。……もしかして、本当に…?私には飽きてしまったのだろうか。……昨日のあの部屋での行為も…ただの遊び、ということなのだろうか…。
シュウ:……くっ、わからない。……直接、聞いてみるしかないな。今夜、部屋に突撃してみよう…。
:
リュウタロウ:(M)俺は、ゴムは使わない派だ。なぜなら、俺はそのまま、というのが好きだからだ。
リュウタロウ:食パンはジャムやはちみつを付けず、そのままトーストして食べるのが好きだし、寿司や刺身は醬油をつけずにそのまま食べるのがすきだ。目玉焼きも何もかけないし、コーヒーだってミルクや砂糖をいれず、そのままブラックで飲む。
リュウタロウ:そう、俺は素材をそのまま感じたいんだ。だから断じて、あれは俺のではない。俺の生道(なまどう)に反するからだ。
リュウタロウ:…そういえば、昨日の夜は激しかったなぁ。シュウの反応がかわいくて、ついついがっついてしまった。あー…思い出したらまたしたくなってきたな。今夜また、部屋に突撃するかぁ。あーシュウ、覚悟、しとけよ。
:
アキラ:(M)やっべー。あれ、俺のだよ。落としてたのかぁ。どーしよ、どーしよ、あらぬ疑いをかけられるよ。
アキラ:いやでも聞いてくれ、諸君。違うんだよ。あれは昨日、飲み会で無理やり持たされたというかなんというか。同期の4人でかたまって飲んでて、そのうちの一人が、俺に「アキラぁ!お前もそろそろ彼女をつくれよぉ!最近、してなくて、たまってんじゃねぇのかぁ?ほら、これやるからやってこいよ」とかいうセクハラしながらあの箱、かっこ未開封かっことじる、を渡してきて、それにもう一人の酒癖悪い同期が「きゃははは!ナニソレおもしろぉい!ねーえアキラ、私が相手してあげよっかぁ?あはははは!」とかからかってきて、あの箱をあけて一個取り出して、「男って、このゴム加えた状態で迫られると興奮するんでしょ?こんなふうに!」とかしてきやがって!
アキラ:ってかどんな飲み会だよ!いくら同期の間とはいえ、節度があるだろうが!
:
ヒロ:で?誰なんだよ!名乗りをあげーい!
:
アキラ:(M)正直に話せばいいか、実際は使ってないんだからな。そうだ、うん、ちゃんと話そう…。
:
アキラ:ヒロ、それは…。
ヒロ:どんな理由であれ、犯人のやつとはしばらく口きかねぇからな!
アキラ:リュウのじゃないのかな。
リュウタロウ:俺ぇ!?なんでだよ!
ヒロ:お前なのか!リュウタロウ!
リュウタロウ:いや、ちげぇって!
シュウ:リュウタロウ。それは本当か…?
リュウタロウ:え、いや違うって!
シュウ:お前、彼女がいたのか。
リュウタロウ:落ち着け、シュウ!違うってば。
シュウ:私とは…遊びだったのだな!
リュウタロウ:だから、ちげぇってば!
シュウ:私は…真剣だったのに…!リュウタロウの、バカ野郎っ!(走り去っていく)
リュウタロウ:ああおい、シュウ、待てって!シュウ!話を聞けって!(追いかけていく)
ヒロ:おい、どーゆーことだよ!?お前らやっぱり付き合ってんのか!?ってかリュウタロウ、お前彼女もいるのか!?リュウタロウ、待てって!(追いかけていく)
:
アキラ:ふう。……許せ、リュウ。ヒロと口きけないのは…耐えられねぇや。
:
リュウタロウ:ぼーいずるーむぅぅぅぅ!
:
ヒロ:【ぼーいずるーむっ!ベストライフ】
:
リュウタロウ:シュウ!話を、聞いてくれ。
シュウ:離せ!聞きたくない!
リュウタロウ:聞け!
シュウ:っ!
リュウタロウ:お前だけだよ。俺が好きなのは。
シュウ:リュウ、タロウ…。
リュウタロウ:お前を不安にさせていたんだったらごめん。謝るから、俺に彼女ができた、なんて言わないでくれ…。俺はお前しか見てないんだからさ…!
シュウ:そう、だよな。お前はいつも、過激なくらいに私のことを好いてくれていた。すまない、私はお前のことを信じきれていなかった。
リュウタロウ:好きだよ、シュウ。
シュウ:私もだ。リュウタロウが、好きだ。
リュウタロウ:シュウ…。
シュウ:リュウタロウ…。
ヒロ:なーあ!やっぱりお前らって付き合ってんの!?
リュウタロウ:タイミング悪いわ!ヒロ!
シュウ:今、お互いの誤解が解けて、良い雰囲気でキスしようとしていたところだろうがっ!
ヒロ:やっぱ付き合ってんのかよ!じゃあやっぱりあれか?あのゴムはお前らが使ってたってことか!?
リュウタロウ:いや使ってねぇよ。ってかそうか、その話だったよな。
シュウ:私たちは、確かにそういう行為はするが、それは使わないぞ。
ヒロ:え、だってアキラが…。
リュウタロウ:そうだよ!そもそもこの誤解も、アキラが俺のだって決めつけたからじゃないか!
シュウ:そう言えばそうだな…。なんの根拠もなく…。
ヒロ:シュウのでも、リュウタロウのでもない、ってことは…。
リュウタロウ:………。
シュウ:………。
ヒロ:………。
:
3人:アキラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
:
アキラ:(M)その後、すごい形相で戻ってきた3人を俺はなんとかなだめ、説得し、誤解をとき、飲み会のノリで渡されたことを説明した。3人は納得してくれたものの……。しばらく俺とは口を聞いてくれなかった。……なぜだ。
:
アキラ:ぼーいずるーむっ!ベストライフ、終わり。
:
0:【完】
0:「ぼーいずるーむっ!-Best Life-」
:
リュウタロウ:これは、シェアハウスで共にすごしている、とある4人の日常である。
:
シュウ:ぼーいずるーむっ!
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アキラ:【朝のひととき】
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リュウタロウ:ほら、シュウ、口開けろって。
シュウ:いいって。自分で食べるから。
リュウタロウ:なーに?俺のウインナー、食べれないって言うの?
シュウ:ちげーよ。ってか近いって!
リュウタロウ:いいじゃん。こうやって、食べさせあいこするの、俺好きなんだよね。シュウは?俺のこと、嫌い?
シュウ:なんでそうなるんだよ。……嫌いじゃねぇっての。
リュウタロウ:そうだよね。じゃあ、俺のウインナー、食べれるよね。
シュウ:……ちっ。
リュウタロウ:はい、あーん。
シュウ:あむ。……んぐっ?おい、お前、これ、チョリソーじゃねぇか!かっら!
リュウタロウ:あー、ごめんごめん、シュウ、辛いの嫌いだったよね。はい、お水。
シュウ:(水を必死に飲む)
リュウタロウ:あー、いいね。水を飲んでるときのシュウの喉の動き…。なんかいいよね…。
シュウ:ぷはっ。やめろ、変な性癖出してくんな!
リュウタロウ:あーあ、ちょっと興奮しちゃったなぁ。
シュウ:おいやめろって!ち、近づくな…!
リュウタロウ:ねーえ、シュウ…。俺と今から…。
ヒロ:いい加減やめろぉぉぉぉ!
アキラ:だから何を見せられてんだって!朝っぱらから!
リュウタロウ:なんだよ、邪魔すんなよな。
ヒロ:いやいやいや!ねえ、俺らがいるのわかってるよなぁ!?人前でイチャイチャすんな!気まずいんだよ!
アキラ:やるなら部屋でやれ。
リュウタロウ:はーい。じゃあ行こうか、シュウ。
ヒロ:ちっがーう!!
シュウ:なんだよヒロ、朝から元気だな。
ヒロ:シュウもなんでそんな冷静なんだよ。
アキラ:開幕から飛ばしすぎだお前ら!
シュウ:はあ、わかってないな、お前ら。
アキラ:はぁ?
リュウタロウ:今回のタイトル、ヒロ、読み上げてみろ。
ヒロ:え?えと、「ぼーいずるーむっ!ベストライフ」
シュウ:ベストライフ、を略したら?
ヒロ:ベストライフ…びー…える…?
リュウタロウ:そういうことだ。
ヒロ:どーゆーことだよ!BLにしろってことか!?嫌だよ!やりたくねぇよ!
アキラ:ふむ…なるほど、BL、か。
ヒロ:え…アキラ?
リュウタロウ:ま、さすがにここでR指定のあれやこれやはできないからな。シュウ、部屋行くぞ。
シュウ:御意。
ヒロ:だあああ!もう!こいつらやっぱ付き合ってんの?どうなの!?あーあーあー、いっちゃった…。
アキラ:じゃあ、バランス的に俺はヒロとくっつけばいいんだな。
ヒロ:へ…?アキラ、さん…?
アキラ:お前のことは可愛くて、割とそういう目でも見られるからな。さ、俺らも部屋行くか。
ヒロ:行かねぇよ!え、待って、今回この話、そーゆー感じなの?
アキラ:タイトルがそうだからな。あきらめろ、ヒロ。
ヒロ:やだやだやだって!俺は絶対にやらねぇからな!この話は!コメディです!BLではありませんっ!
アキラ:と、いう夢を見たヒロであった。さ、部屋行くぞ。
ヒロ:あっ、ちょっ、や、やめ…離せ、離せよぉぉぉぉぉ!
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ヒロ:ぼーいずるーむっ!
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シュウ:【風邪をひきました】
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アキラ:(M)アキラの場合。
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ヒロ:アキラ、大丈夫か?
アキラ:すまんな。正直かなりヤバイ。
ヒロ:熱は…うわ、38度5分!?またあがったな。何か食べれそう?
アキラ:あー…食欲ねぇな。
ヒロ:ゼリー飲料とかだったらいけそうか?
アキラ:おう、それくらいだったら。…悪いな、ヒロ。今日学校じゃなかったっけ?
ヒロ:いーよ、今日の講義は一日くらいサボっても大丈夫なのばっかだから。
アキラ:助かる…。
ヒロ:シュウもリュウタロウも、今日は仕事だからなぁ。俺がしっかり看病してやんよ!
アキラ:ヒロ。ありがとう…な…。
ヒロ:アキラ、つらい?ゼリー飲料と薬、買ってくるから、ちょっと待っててな。
アキラ:待って。
ヒロ:ん?
アキラ:…行くな。
ヒロ:…へ?
アキラ:一人に…するな…。
ヒロ:えっ?えっ?
アキラ:やっぱ食べ物とかいらない…から…ここにいろ…。
ヒロ:え、あ、うん…。
アキラ:ふふ…ありがと…。
ヒロ:(M)以下、俺の心の叫びである。……だれこいつぅぅぅぅ!?え?なに!?待って、頭が追い付かないんだけど!?アキラ、だよな!?こんな、こんなアキラ見たことねぇぇぇ!高熱にやられたのか!?
ヒロ:……でも。そう、だよな。体調悪いときは…不安に、なる、よな。いつも、俺たちのリーダーだからって、一番年上だからって、しっかりしてるアキラだけど。こういう弱い一面も…あるんだな。なんか…ちょっとかわいいな。こんな姿…シュウやリュウタロウも知ってるのかな?……知らないといいな。俺だけが知ってる…アキラの一面だったら、いいな…。
アキラ:ヒロ。
ヒロ:えっ!?な、なにっ!?
アキラ:添い寝、してくれないか。
ヒロ:そ、添い寝っ!?
アキラ:ヒロと、くっついていたいんだ。
ヒロ:うっ…そ、それは…。
アキラ:だめ、か?
ヒロ:わ、わかったよ!アキラが寝るまで、だからなっ!
アキラ:あぁ。ありがとう、ヒロ。ん。こっち。
ヒロ:(M)再び、俺の心の叫び。うわあああああああ!なにこれなにこれなにこれ!?今までにない展開にびっくりしている俺と!アキラの普段見せない一面にきゅんとしている俺と!頼りにされている感じがして嬉しい俺と!なんかいろいろ追いつかねぇぇぇ!!アキラどうしちゃったんだよぉ!…あっ!ど、どうしよう…すごい優しく抱きしめられている…。な、なんか…ドキドキしてきた…。
アキラ:ヒロ…あったかいな…。
ヒロ:(M)わあああああああ!どうすればいいんだこういう時!誰か、誰か、たすけてぇぇぇぇぇぇ!!
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0:間
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リュウタロウ:ただいまー。アキラ、高熱なんだって?いろいろ買ってきたから…っと。
シュウ:どうした、リュウタロウ。
リュウタロウ:しー。そっとしとこ。
シュウ:ん?……なるほど。二人とも気持ちよさそうに寝ているな。
リュウタロウ:先にご飯食べとこうか。
シュウ:おう。
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シュウ:(M)シュウの場合。
リュウタロウ:シュウ~!大丈夫か?熱は?何度?飲み物、ちゃんと飲めよ?何か食べたいものあるか?買ってくるからさ。あと、寒かったり暑かったり、しない?大丈夫か?
シュウ:大丈夫だから。少し寝かせてくれ。
リュウタロウ:添い寝しようか?よしよししようか?子守歌、いる?
シュウ:いらん。
リュウタロウ:じゃあ添い寝…。
シュウ:一番いらん。添い寝だけですんだことないだろう!
リュウタロウ:シュウ~!心配なんだよぉ~!
シュウ:大丈夫だ!いいから、部屋から出てけ。
リュウタロウ:なんでそんなこと言うんだよぉ~!一人にできるわけないだろう~!
シュウ:はぁ。おい!アキラ!
アキラ:しゅたっ。
シュウ:廃品回収頼む。
アキラ:頼まれた。
リュウタロウ:おい、アキラ!やめろぉ!俺は!シュウの看病をしなければならない!離せ!離すんだぁ!
アキラ:お前はいつもいつも心配しすぎてうざいんだよ!お前がおとなしくしてればすぐよくなるから!シュウが良くなるまで、部屋の出入り禁止!
リュウタロウ:なんでだよぉぉぉ!そんなん無理に決まってんだろうが!
アキラ:看病は俺とヒロでやるから!ヒロ!ロープ!
ヒロ:はいよ!
リュウタロウ:やめろぉ!縛るんじゃねぇぇ!
ヒロ:アキラ、こいつのこれ、何とかなんねぇのかな。シュウが体調崩すたびにこうなってんじゃん。
アキラ:まぁ、無理だろうな。毎回縛り上げるしかない。
ヒロ:はーあ、シュウには風邪ひかれないようにしないとな。
アキラ:まったくだ。
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リュウタロウ:(M)リュウタロウの場合。
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リュウタロウ:……あれ、俺風邪ひいたことないな。
アキラ:そうだな。ここ3人がインフルエンザになったときも、お前だけずっとピンピンしてたよな。
シュウ:……バカは風邪ひかない。
リュウタロウ:おいシュウ。誰がバカだって?
ヒロ:リュウタロウ、本当に健康だよなぁ。あ、ほら、体温計あるからはかってみなよ。
リュウタロウ:なんでだよ。
ヒロ:なんとなく。お前が熱はかってるとこ、見たことねぇもん。
リュウタロウ:なんとなくってなんだよ…。にしても、体温計とか久々だなぁ。……お、はかれた。……あれ?
アキラ:どした?
リュウタロウ:……37度8分。
アキラ:……高熱じゃねぇか!なんでそんな元気そうなんだよ!
リュウタロウ:いや、なんか喉痛いなーとは思ってたけども!熱あるとは思わないじゃん!
ヒロ:なんでだよ!?そんなに熱あったらわかるだろ!
シュウ:……バカは風邪ひいたことに…気づかない。
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ヒロ:(M)ヒロの場合。
アキラ:ヒロ、おかゆ作ったぞ。食べれるか?
ヒロ:アキラが食べさせてくれたら食べれる。
アキラ:はいはい。じゃあほら、あーん。
ヒロ:あー…。待って。熱そう。さまして。
アキラ:はいはい。ふー、ふー。ほれ、これでいいだろ。
ヒロ:あーん。んー。もぐもぐ。あーん。
アキラ:お前ホント、体調悪いときはとことん甘えるよな。
ヒロ:いーじゃん。ワガママ、ダメ?
アキラ:いや、ダメじゃない。全然ワガママいってこい。
ヒロ:えへへっ!ありがとっ!アキラっ!
アキラ:んんっ!……理性よ…俺の理性よ、頼む、保ってくれ。
リュウタロウ:ヒロ、大丈夫かー?頼まれたもの、買ってきたぞ。
ヒロ:わあい!ありがと、リュウタロウっ!
リュウタロウ:あー、かわいいな、よしよし。
アキラ:なに頼まれたんだ?
リュウタロウ:ハーゲンダッツ。ほら、ヒロ。これでいいか?
ヒロ:えー、抹茶じゃなくて、バニラがいいー!
リュウタロウ:そういうと思って、バニラもちゃんと買ってるよ。あとチョコも買ってるけど、バニラでいい?
ヒロ:あ!じゃあチョコも欲しい!
リュウタロウ:よしよし、じゃあ2つ食べな―。
ヒロ:えへへ。
アキラ:お前、甘やかしすぎじゃね?
シュウ:ヒロ。頼まれたもの、買ってきたぞ。
アキラ:お前もかよ。
ヒロ:やったぁ!シュウ、だーいすき!
シュウ:お前のためなら、これくらいどうってことない。体調が悪いときくらい、甘やかしてやるから。
アキラ:お前はなに頼まれたんだよ。
シュウ:ほら、最新のゲーム機だ。ついでに、最新のポ〇モンも買ってきたぞ。
アキラ:いや風邪ひいたときのワガママのレベル越えてんだけど!?
ヒロ:えー、こっちのバージョン?俺、こっちじゃないバージョンのが欲しかったんだけど!
シュウ:そういうと思って、別バージョンも買ってある。
ヒロ:やったー!さすがシュウ!えへへ、嬉しい!
アキラ:おかしいって!
リュウタロウ:まったく、ヒロは甘え上手なんだから。ついつい、甘やかしちゃうよな。
シュウ:激しく同意。
アキラ:え、俺の感覚が間違ってんの?え?ただの風邪だよ?最新のゲーム機とか買うか?普通。
ヒロ:ホント、みんな優しくて。俺、みんなと一緒に過ごせて、すっげぇ幸せだ!
アキラ:………。ゲーム機ぐらい買うか、うん。この笑顔見られるんだったら、買うわ。うん。
:
アキラ:ぼーいずるーむっ!
:
リュウタロウ:【犯人は誰だ】
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リュウタロウ:(M)それは、とある土曜日の朝のできごとであった。
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シュウ:アキラ、大丈夫か?しんどそうだが。
アキラ:飲みすぎた。しんどい。二日酔い。
リュウタロウ:会社の飲みだったんだっけ?
アキラ:まーじで、酒癖悪い同期がいてさ。めちゃくちゃ飲まされた。
シュウ:お疲れ。水、飲むか?
アキラ:あー、ありがと。
:
ヒロ:うおおおおおおおお!お前らぁ!大変だぁ!
:
リュウタロウ:おう、ヒロどした?
シュウ:朝から元気だな。
アキラ:あーヒロうるさい、頭に響く。
ヒロ:お前ら…。この中に…裏切者がいる…!
リュウタロウ:裏切者ぉ?なーに言ってんだ?
ヒロ:これを見てくれ。
シュウ:っ!
アキラ:んー?
リュウタロウ:はっ!そ、それは…!
ヒロ:そう、今朝、風呂場の近くに落ちていた。えっちな行為の時に使う…ゴム的なアレの箱、だ!
シュウ:な、なんだってー?
ヒロ:ほら、中、一個だけ使ってあるんだよ!個数が一個足りない!誰だよ…!誰だよ!イイコトした、裏切者はぁ!誰のだよ!名乗りをあげろぉ!リア充撲滅っ!
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ヒロ:(M)それぞれの、心の中。
:
ヒロ:(M)……犯人は誰だ?この中には、彼女持ちはいないはずなんだ。彼女ができたら報告義務が定められているからな。
ヒロ:だが!これを使ったということは!彼女ができたやつがいる、ということか?許せない…。なんか、許せない!この4人は、非リアであって欲しいんだ!…いや自分にできないからひがんでるとか、そーゆーんじゃなくて!
ヒロ:なんか許せないじゃん!この4人はモテないはずだから!そういうイイコト、なんてできっこないんだ!それなのに、これを使ってイイコトしたやつがいるなら…そいつは裏切り者だ、絶対に問い詰めて、あらゆる方法を使って別れさせてやる!彼女ができるなんて許せねぇ!
ヒロ:…リュウタロウか?あいつはなんだかんだ、コミュ力あるし、盛り上げ上手だ。さらっと彼女をゲットしていても不思議ではない。……シュウも怪しいな。アイツは自分のことをあまり語らないから、実は、みたいなところあるかもしれねぇ。アキラもあり得るな。仕事できるし、頼りになるところあるし…。後輩とかから告白されていても…おかしくない!
ヒロ:さあ、誰だ!絶対に突き止めてやるからな!
:
シュウ:(M)ゴム的なアレを持ってるってことは、この中に彼女ができたやつがいるってことか…。それは許せないな。誰だよ、できたやつ。
シュウ:…アキラ、か?消去法でそうなるよな。ヒロは第一発見者だからおそらく違うだろう。リュウタロウは…ここだけの話、私と付き合っているから、それはないだろう。……いや、本当にそうか?もしかしたら…私とはただの遊びで、彼女が別でできた可能性もゼロじゃない。
シュウ:……え、それは嫌なのだが。浮気…してるのか…?リュウタロウ…。あれ、リュウタロウ、こっち見てる。……もしかして、本当に…?私には飽きてしまったのだろうか。……昨日のあの部屋での行為も…ただの遊び、ということなのだろうか…。
シュウ:……くっ、わからない。……直接、聞いてみるしかないな。今夜、部屋に突撃してみよう…。
:
リュウタロウ:(M)俺は、ゴムは使わない派だ。なぜなら、俺はそのまま、というのが好きだからだ。
リュウタロウ:食パンはジャムやはちみつを付けず、そのままトーストして食べるのが好きだし、寿司や刺身は醬油をつけずにそのまま食べるのがすきだ。目玉焼きも何もかけないし、コーヒーだってミルクや砂糖をいれず、そのままブラックで飲む。
リュウタロウ:そう、俺は素材をそのまま感じたいんだ。だから断じて、あれは俺のではない。俺の生道(なまどう)に反するからだ。
リュウタロウ:…そういえば、昨日の夜は激しかったなぁ。シュウの反応がかわいくて、ついついがっついてしまった。あー…思い出したらまたしたくなってきたな。今夜また、部屋に突撃するかぁ。あーシュウ、覚悟、しとけよ。
:
アキラ:(M)やっべー。あれ、俺のだよ。落としてたのかぁ。どーしよ、どーしよ、あらぬ疑いをかけられるよ。
アキラ:いやでも聞いてくれ、諸君。違うんだよ。あれは昨日、飲み会で無理やり持たされたというかなんというか。同期の4人でかたまって飲んでて、そのうちの一人が、俺に「アキラぁ!お前もそろそろ彼女をつくれよぉ!最近、してなくて、たまってんじゃねぇのかぁ?ほら、これやるからやってこいよ」とかいうセクハラしながらあの箱、かっこ未開封かっことじる、を渡してきて、それにもう一人の酒癖悪い同期が「きゃははは!ナニソレおもしろぉい!ねーえアキラ、私が相手してあげよっかぁ?あはははは!」とかからかってきて、あの箱をあけて一個取り出して、「男って、このゴム加えた状態で迫られると興奮するんでしょ?こんなふうに!」とかしてきやがって!
アキラ:ってかどんな飲み会だよ!いくら同期の間とはいえ、節度があるだろうが!
:
ヒロ:で?誰なんだよ!名乗りをあげーい!
:
アキラ:(M)正直に話せばいいか、実際は使ってないんだからな。そうだ、うん、ちゃんと話そう…。
:
アキラ:ヒロ、それは…。
ヒロ:どんな理由であれ、犯人のやつとはしばらく口きかねぇからな!
アキラ:リュウのじゃないのかな。
リュウタロウ:俺ぇ!?なんでだよ!
ヒロ:お前なのか!リュウタロウ!
リュウタロウ:いや、ちげぇって!
シュウ:リュウタロウ。それは本当か…?
リュウタロウ:え、いや違うって!
シュウ:お前、彼女がいたのか。
リュウタロウ:落ち着け、シュウ!違うってば。
シュウ:私とは…遊びだったのだな!
リュウタロウ:だから、ちげぇってば!
シュウ:私は…真剣だったのに…!リュウタロウの、バカ野郎っ!(走り去っていく)
リュウタロウ:ああおい、シュウ、待てって!シュウ!話を聞けって!(追いかけていく)
ヒロ:おい、どーゆーことだよ!?お前らやっぱり付き合ってんのか!?ってかリュウタロウ、お前彼女もいるのか!?リュウタロウ、待てって!(追いかけていく)
:
アキラ:ふう。……許せ、リュウ。ヒロと口きけないのは…耐えられねぇや。
:
リュウタロウ:ぼーいずるーむぅぅぅぅ!
:
ヒロ:【ぼーいずるーむっ!ベストライフ】
:
リュウタロウ:シュウ!話を、聞いてくれ。
シュウ:離せ!聞きたくない!
リュウタロウ:聞け!
シュウ:っ!
リュウタロウ:お前だけだよ。俺が好きなのは。
シュウ:リュウ、タロウ…。
リュウタロウ:お前を不安にさせていたんだったらごめん。謝るから、俺に彼女ができた、なんて言わないでくれ…。俺はお前しか見てないんだからさ…!
シュウ:そう、だよな。お前はいつも、過激なくらいに私のことを好いてくれていた。すまない、私はお前のことを信じきれていなかった。
リュウタロウ:好きだよ、シュウ。
シュウ:私もだ。リュウタロウが、好きだ。
リュウタロウ:シュウ…。
シュウ:リュウタロウ…。
ヒロ:なーあ!やっぱりお前らって付き合ってんの!?
リュウタロウ:タイミング悪いわ!ヒロ!
シュウ:今、お互いの誤解が解けて、良い雰囲気でキスしようとしていたところだろうがっ!
ヒロ:やっぱ付き合ってんのかよ!じゃあやっぱりあれか?あのゴムはお前らが使ってたってことか!?
リュウタロウ:いや使ってねぇよ。ってかそうか、その話だったよな。
シュウ:私たちは、確かにそういう行為はするが、それは使わないぞ。
ヒロ:え、だってアキラが…。
リュウタロウ:そうだよ!そもそもこの誤解も、アキラが俺のだって決めつけたからじゃないか!
シュウ:そう言えばそうだな…。なんの根拠もなく…。
ヒロ:シュウのでも、リュウタロウのでもない、ってことは…。
リュウタロウ:………。
シュウ:………。
ヒロ:………。
:
3人:アキラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
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アキラ:(M)その後、すごい形相で戻ってきた3人を俺はなんとかなだめ、説得し、誤解をとき、飲み会のノリで渡されたことを説明した。3人は納得してくれたものの……。しばらく俺とは口を聞いてくれなかった。……なぜだ。
:
アキラ:ぼーいずるーむっ!ベストライフ、終わり。
:
0:【完】